JP2002098864A - 光ファイバケーブル及びそれを用いた信号伝送方法 - Google Patents

光ファイバケーブル及びそれを用いた信号伝送方法

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JP2002098864A
JP2002098864A JP2000287574A JP2000287574A JP2002098864A JP 2002098864 A JP2002098864 A JP 2002098864A JP 2000287574 A JP2000287574 A JP 2000287574A JP 2000287574 A JP2000287574 A JP 2000287574A JP 2002098864 A JP2002098864 A JP 2002098864A
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optical fiber
core
plastic optical
vinylidene fluoride
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Shinichi Toyoshima
真一 豊島
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Asahi Kasei Corp
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車内の400Mbps以上の高速光通信
用の高速ホトダイオードと光ファイバとの光結合率の良
い低損失高信頼性プラスチック光ファイバケーブルを提
供する。 【解決手段】 コア径が0.45mm〜0.8mmのポ
リメチルメタクリレート系樹脂をコア1とし、その周り
をコア樹脂より屈折率の低い樹脂からなるクラッド層2
を1層以上に取り囲み、さらにその外側をポリメチルメ
タクリレート系樹脂からなる保護層3でその直径が0.
9mm〜1.0mmになるように取り囲み、さらにその
外側をビニリデンフロライド系樹脂からなる補強層4で
取り囲んだ構造体を、複合紡糸によって形成し素線と
し、さらに該素線の上にナイロン12を被覆層とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の中で40
0Mbps(bit per second)以上の信号伝送を行うた
めに適したプラスチック光ファイバに関する。
【0002】
【従来の技術】コア層、クラッド層および被覆層からな
る3層構造のプラスチック光ファイバであって、コア層
と被覆層がポリメチルメタクリレート樹脂からなるプラ
スチック光ファイバが、特開昭58−18608号公報
に記載されている。また、ポリメチルメタクリレート樹
脂のコアと2層構造のクラッドとの周りにポリメチルメ
タクリレートの保護層と、ビニリデンフロライド系樹脂
の補強層とが形成された、コア径が50μm〜400μ
mの小口径プラスチック光ファイバが、高速伝送の小口
径光学素子に容易に結合できるというものが特開200
0−193834号公報で提案されている。
【0003】一方、プラスチック光ファイバは自動車の
中の光通信媒体として使用されている。現在使用されて
いるプラスチック光ファイバケーブルはポリメチルメタ
クリレート樹脂をコアとし、そのコア直径が0.95〜
0.99mmであって、クラッド外径が1.0mm以上
のプラスチック光ファイバ素線にナイロン12を被覆し
たものが大量に使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】自動車内の光通信にお
いては、光転送速度が400Mbps以上になるような
高速化が検討されている。転送速度がこのレベルまで上
がって来ると、データリンクを構成するホトダイオード
の受光径が、従来速度対応品に比べて小さくなる。40
0Mbpsに対応できるホトダイオードとして、現在入
手できるものの直径は0.4mm〜0.8mmであり、
特に0.4mm〜0.6mmを使用することが多い。
【0005】このような直径のホトダイオードに従来の
直径1.0mmのプラスチック光ファイバケーブルを結
合させた場合、ホトダイオードをはみ出した部分の光が
ロスしてしまう。その対策として、レンズで光を集光す
る方法があるが、製造が煩雑であり、信頼性に欠けると
いう問題がある。そこで、光ファイバのコア径を1mm
より小さくするのが一番簡単な対応ではあるが、自動車
の光ファイバ特有の問題として、過酷な使用条件に耐え
る必要がある。その条件としては、85℃程度の高温条
件での長期の伝送安定性、耐薬品性、機械強度などであ
る。プラスチック光ファイバケーブルにこのような信頼
性に優れた特性を付与するために、従来の1.0mm素
線を用いた場合、ナイロン12で被覆してケーブルとし
て用いられている。
【0006】ところが高速ホトダイオードの直径に対応
させてコア径を小さくした素線にナイロン被覆を施そう
とすると、ナイロン12の被覆温度で素線が損傷を受
け、製造されたプラスチック光ファイバケーブルの伝送
損失が大きいものしか得られないという問題があった。
さらに、もう一つの問題としては、コア径が小さくなる
ほど長期使用中の酸化による伝送損失の増加傾向が大き
いということも判明した。
【0007】以上の点に鑑み、本発明は、自動車の中
で、400MBPS以上の高速光転送速度で使用され、
長期の伝送安定性、耐薬品性、機械強度などの信頼性に
優れたプラスチック光ファイバケーブルを提供すること
を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、本発
明の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
ポリメチルメタクリレート系樹脂をコア樹脂とし、コア
径が0.45mm〜0.8mmのコアの周りをコア樹脂
より屈折率の低い樹脂からなるクラッド層を1層以上に
取り囲み、さらにその外側をポリメチルメタクリレート
系樹脂からなる保護層で取り囲み、その直径が0.9m
m〜1.0mmになるようにし、さらにその外側をビニ
リデンフロライド系樹脂からなる補強層で取り囲んだ構
造体を複合紡糸によって形成して素線とし、さらに該素
線の上にナイロン12を被覆した、650nmで入射N
Aが0.15の光源に対する、ファイバ長52mと2m
のカットバック法によって測定した伝送損失が200d
B/km以下であることを特徴とする。
【0009】また、請求項2に記載の発明は、クラッド
層がビニリデンフロライドとヘキサフロロプロペンとテ
トラフロロエチレンとの共重合体であって、当該組成が
ビニリデンフロライド25〜60モル%、ヘキサフロロ
プロペン9〜16モル%、およびテトラフロロエチレン
25〜65モル%であり、屈折率ndが1.35〜1.
37の樹脂からなり、その伝送帯域が入射NA0.30
の光源に対し、ファイバ長10mあたり、400MHz
以上であることを特徴とする。
【0010】さらに、請求項3に記載の発明は、保護層
または補強層にカーボンブラックが添加されており、当
該保護層または補強層の光伝送能力が抑制されているこ
とを特徴とする。さらに、請求項4に記載の発明は、上
記請求項1、2または3のプラスチック光ファイバケー
ブルを自動車の中で400Mbps以上の光通信媒体と
して用いる方法である。
【0011】本発明のプラスチック光ファイバのコア径
は0.45mm〜0.8mmであって、高速転送速度用
のホトダイオードの直径に対してほぼ同等に近いもので
あり、ホトダイオードにロスなく接続が可能となる。中
でも本発明の多層構造の効果をより発揮するにはコア径
が、0.45mm〜0.65mm程度のより小さなもの
が効果的である。本発明におけるコア層のポリメチルメ
タクリレート系樹脂としては、メチルメタクリレート単
独重合体や、メチルメタクリレートを50重量%以上含
んだ共重合体で、共重合可能な成分として、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのア
クリル酸エステル類、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸プロピル、メタクリル酸シクロヘキシルなどのメタク
リル酸エステル類、イソプロピルマレイミドのようなマ
レイミド類、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンなど
があり、これらの中から一種以上適宜選択して共重合さ
せることができる。
【0012】クラッド樹脂は、コア樹脂よりも屈折率の
低い透明な樹脂が用いられる。クラッド層は1層以上で
あるが、2層であれば第2クラッド樹脂の屈折率が第1
クラッド樹脂より低いものを選ぶことが好ましい。クラ
ッド樹脂としては、ビニリデンフロライド系の樹脂やフ
ルオロアルキルメタクリレートを含む樹脂などである。
ビニリデンフロライド系の樹脂としては、ビニリデンフ
ロライドとテトラフロロエチレンとの共重合体、ビニリ
デンフロライドとヘキサフロロプロペンとの共重合体、
ビニリデンフロライドとヘキサフロロプロペンとテトラ
フロロエチレンとの共重合体、ビニリデンフロライドと
ヘキサフロロプロペンとトリフロロエチレンとの共重合
体、ビニリデンフロライドとヘキサフロロアセトンとの
共重合体、あるいはこれらの2元成分にさらに、トリフ
ロロエチレンやテトラフロロエチレンを加えた3元以上
の共重合体などが好ましい。
【0013】更にビニリデンフロライドの単独重合体あ
るいはビニリデンフロライド成分を含む共重合体とメタ
クリレート系の樹脂を混合したアロイも好ましい。混合
するメタクリレート系の樹脂としては、メチルメタクリ
レートやエチルメタクリレートのホモポリマーや、ある
いはこれらを主体とする共重合体であり、これらにメチ
ルメタクリレートやブチルアクリレートなどのアルキル
アクリレートやアルキルメタクリレートなどを共重合し
てもよい。ビニリデンフロライド系樹脂とメタクリレー
トを主成分とする樹脂の混合割合は、それぞれの樹脂の
屈折率と配合重量割合の重量平均で凡そ求められる屈折
率が所望の値になるように、それぞれの混合比率を1%
程度から99%程度の範囲で適度に選択すればよい。
【0014】フルオロアルキルメタクリレート系の鞘樹
脂としては、フルオロアルキルメタクリレートの一成分
以上からなる共重合体で、例えばフルオロアルキルメタ
クリレートモノマーとしてはトリフルオロエチルメタク
リレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ペ
ンタフルオロプロピルメタクリレート、ヘプタデカフル
オロデシルメタクリレート、オクタフルオロプロペンチ
ルメタクリレートなどであり、これらの成分と共重合可
能な他のモノマー、例えばフッ化アクリレートモノマー
としてトリフルオロエチルアクリレート、テトラフルオ
ロプロピルアクリレート、オクタフルオロペンチルアク
リレートなどがある。そしてこれらのフッ素系モノマー
の他にメチルメタクリレートやエチルメタクリレートな
どのメタクリレートモノマーやメチルアクリレートやエ
チルアクリレートやブチルアクリレートなどのアクリレ
ートモノマーなどとのいろいろな組合せによる共重合体
があげられる。
【0015】2層クラッド構造の組合せとしては、フル
オロアルキルメタクリレート系の第1クラッド樹脂と、
ビニリデンフロライド系樹脂の第2クラッド樹脂との組
合せが好ましいが、これに限定されるものではない。特
に本発明のプラスチック光ファイバを自動車の中の10
m程度以下の短距離で400Mbps以上の通信で用い
る場合であれば、1層クラッドでも高帯域を出すことが
でき、曲げによる光ロスも小さく機械的な強度にも優れ
るクラッドとして、ビニリデンフロライドとヘキサフロ
ロプペンとテトラフロロエチレンの共重合体でビニリデ
ンフロライド成分がが25〜60モル%、ヘキサフロロ
プペン成分が9〜16モル%、テトラフロロエチレン成
分が25〜65モル%の組成範囲からなる屈折率ndが
1.35〜1.37の樹脂が特に好ましい。
【0016】このクラッド層を用いた本発明のプラスチ
ック光ファイバを、平成12年3月財団法人日本規格化
協会発行「プラスチック光ファイバの試験評価方法の標
準化」に記載されているパルス法による帯域測定で測定
すると、光源の入射NAが0.3において、ファイバ長
10mあたり、400MHz以上の帯域を示すことが判
明した。一般に光ファイバの帯域はファイバのNAが小
さくなければ高帯域が出せないと思われているが、この
ようにNAが0.6のように大きなファイバでも、光源
の入射NAを0.3以下にすれば、かえって高帯域が出
ることがわかった。しかもNAが大きいので曲げに対す
る光ロスも小さいのも好都合である。
【0017】プラスチック光ファイバのデータリンクト
ランシーバの光源は高速対応のものは入射NAが0.3
程度以下に製造されるのが一般的であり、車載用として
10m程度までの短距離と400Mbps程度以上の高
速用途を想定した場合、きわめて好都合である。プラス
チック光ファイバのNAよりも低い入射NAで光を入射
させたときはファイバのNAが光源の入射NAに比べ十
分大きいほど、入射光の高次モードへの変換が少ないと
思われる。クラッドの厚さは1μm以上が好ましく、よ
り好ましくは5μm〜50μm程度である。
【0018】クラッド層の外側には保護層が配置され
る。保護層とは、細い素線を外部の機械的な応力や熱的
なダメージから守り、コア/クラッド構造をしっかりと
保護する層である。そのためコアの材料と同様の樹脂、
すなわちポリメチルメタクリレート系樹脂から構成され
る。そして、コアと同じ成型条件で紡糸され、延伸さ
れ、熱処理を受ける。つまり、この保護層はプラスチッ
ク光ファイバの紡糸時に同時に複合紡糸されていること
が必要である。このようにすればコアと保護層は同様の
熱に対する膨張や収縮挙動をとるので、良好な保護機能
を発揮する。この保護層の厚さは保護層外径が0.9m
m〜1.0mm程度になるような厚さに被覆する。好ま
しい保護層の厚さは70μm〜260μm程度が良い。
【0019】ポリメチルメタクリレートの保護層によ
り、内部のコアに対する酸化をくい止めて、長期の信頼
性を増すとともに、ナイロン12をプラスチック光ファ
イバ素線へ被覆する際に、コア、クラッドへの高温下で
の影響により、ファイバ構造が破壊して伝送損失が壊滅
的にダメージするのを回避することができる。そしてこ
の保護層の周囲にはビニリデンフロライド系の樹脂から
なる補強層を配置する。これは保護層がポリメチルメタ
クリレートであるので、ポリメチルメタクリレートの保
護層のままであれば、保護層に微細な傷がついただけで
光ファイバは曲げに対して簡単に断線するという問題が
あり、補強層はポリメチルメタクリレートの表面にかす
かな傷が付くことによる断線を防ぐためのものである。
【0020】補強層の樹脂は、ビニリデンフロライド系
樹脂であり、ビニリデンフロライド系の樹脂としてはビ
ニリデンフロライドとテトラフロロエチレンとの共重合
体、ビニリデンフロライドとヘキサフロロプロペンとの
共重合体、ビニリデンフロライドとヘキサフロロプロペ
ンとテトラフロロエチレンとの共重合体、ビニリデンフ
ロライドとヘキサフロロプロペンとトリフロロエチレン
との共重合体、などが好ましく、更にビニリデンフロラ
イドの単独重合体またはビニリデンフロライド系樹脂と
メタクリレート系の樹脂を混合したアロイも好ましい。
この補強層の厚さは2μm〜20μm程度あればよい。
【0021】補強層の周囲にナイロン12を被覆するこ
とにより、ケーブルの寸法安定性、耐薬品性、耐引っ張
り強度、耐踏みつけ強度、難燃性付与の容易性、環境対
策などで良好である。本発明のプラスチック光ファイバ
ケーブルは、特に自動車内の400Mbps以上の高速
通信に用いることを目的としており、ナイロン12の補
強層を形成することにより、高信頼のプラスチック光フ
ァイバケーブルを得ることができる。
【0022】ナイロン12は融点が175℃以上もある
ので、その樹脂を溶融被覆する温度は200℃近辺にな
る。このため、小口径のコア/クラッド構造の素線へ、
直接ナイロン12を被覆すると、光ファイバの伝送損失
が大きくなるが、保護層と補強層を形成することによ
り、通信に必要な低い伝送損失のプラスチック光ファイ
バケーブルを製造することができる。信号伝送に直接関
係するのはコア層であるが、保護層も光伝送能力を持っ
たままプラスチック光ファイバが製造される可能性もあ
る。このとき、保護層に入る光の方が、コア層に入る光
より入射NAが大きいので、信号は遅れて到達する。転
送速度が影響を受けるほどの高速通信を行う場合には、
保護層の光伝送能力を抑制するため、保護層または補強
層にカーボンブラックを添加するのが好ましい。
【0023】これらの小口径芯のプラスチック光ファイ
バと光素子あるいは光ファイバ同志を結合させることを
考慮すると、素線における芯の偏心率を小さくして、光
ファイバの真ん中にコアを配置する必要がある。ここで
偏芯率とはコアの中心と補強層の外側の円の中心間の距
離をコアの直径で除した値である。偏心率が0.03以
下でないと、結合時の光ロスが非常に大きくなる。その
ため、このような低偏芯率を確保するためにも素線の製
造方法としては、芯/鞘層/保護層/補強層を一段で、
複合紡糸する必要がある。
【0024】図2に複合紡糸に用いるダイの一例を示
す。コア樹脂、クラッド樹脂、保護層樹脂、補強樹脂の
各樹脂のうち、コア樹脂と、保護層樹脂は共用してもよ
いし、クラッド樹脂と補強層樹脂も共用することができ
る。これらの樹脂はそれぞれの層の厚さを保持するよう
に定量供給手段で供給され、ダイの出口からは多層構造
となったストランドが排出され、1.3〜3倍程度の延
伸とその後の熱処理を行い、プラスチック光ファイバ素
線が得られる。
【0025】次いで、このプラスチック光ファイバ素線
をクロスヘッドダイに供給し、ナイロン12の被覆を行
う。ナイロン12被覆の厚さは通常200μm〜800
μmである。ナイロン12の被覆は1層でもよいし多層
でもよく、その場合、第2層目には、例えば難然性ナイ
ロン、難燃性ポリオレフィンエラストマー、ポリウレタ
ン樹脂、難燃性ポリプロピレン樹脂、難燃性ポリエチレ
ン樹脂などを被覆しても、車載用ケーブルとして有益で
ある。
【0026】このようにして製造されたプラスチック光
ファイバケーブルはそのケーブルの乾燥状態における伝
送損失が、650nmの入射NA 0.15の光源に対
し、52mと2mのカットバック法によって測定した値
が、200dB/km以下の値を示すものが得られる。
そしてこのケーブルは85℃ 95%湿度条件下の長期
耐熱安定性を有し、機械的強度が強く、耐ガソリン、耐
油性に優れ、10m以下の自動車内の400Mbps以
上の通信に適したプラスチック光ファイバケーブルとな
る。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により説明
する。
【0028】
【実施例】コア樹脂および保護層樹脂は230℃、3.
8kgの荷重条件で、メルトフローインデックス(以
下、MIという)が2.0g/10分のメチルメタクリ
レートの単独重合体を用いた。屈折率は1.492であ
った。クラッド樹脂としてビニリデンフロライド57モ
ル%、テトラフロロエチレン31%、ヘキサフロロプロ
ペン12%の共重合体であって、230℃ 荷重が10
KgにおけるMIが27g/10分の樹脂を用いた。補
強層樹脂はビニリデンフロライド80モル%、テトラフ
ロロエチレン20モル%、230℃ 3.8Kgの荷重
におけるMIが25g/10分の樹脂を用いた。この樹
脂にはカーボンブラックを1000ppm添加した。
【0029】これらの樹脂を定量ポンプを用いて、コア
樹脂、クラッド樹脂、保護層樹脂、補強樹脂を毎時23
4mL、49mL、620mL、37mLの割合で図2
に示すような複合紡糸ダイに導入し、プラスチック光フ
ァイバ素線を製造した。ダイから排出された素線の元糸
を1.9倍に延伸し、その後で熱処理して得られた素線
の構造は、図1に示すような、コア直径500μm、ク
ラッド外径550μm、保護層外径980μm、補強層
外径1000μmであった。
【0030】このプラスチック光ファイバ素線の偏心率
を求めた。該素線の芯の中心と補強層の外側の円の中心
間の距離を芯の直径で除した値である偏心率は0.00
5であった。次に本プラスチック光ファイバ素線を黒色
のナイロン12で直径1.5mmに被覆した。このプラ
スチック光ファイバケーブルを50mの長さで伝送損失
を測定した。入射NA0.15で650nmの単色光で
52mの長さと2mの長さのカットバック法により測定
したところ、145dB/kmであり、被覆後の伝送損
失は良好であった。このケーブルを85℃ 95%湿度
のオーブンに1000時間放置したときにも、伝送損失
は180dB/kmと吸湿による理論的なロスを考慮す
ると、ほとんどロスの増加はなかった。また、このケー
ブルを100℃で1000時間放置したときの伝送損失
は195dB/kmであった。
【0031】このケーブルの曲げによる光ロスを測定し
た。ケーブル11mをとり、1mおきに曲げ半径10m
mの90度曲げ溝で10回曲げを行った。光源は入射N
A0.3のLEDで行った結果、光ロスはわずか0.1
dBであった。このケーブル10mの伝送帯域を測定し
た。測定はパルス法で、平成12年3月財団法人日本規
格化協会発行「プラスチック光ファイバの試験評価方法
の標準化」に記載されている方法で測定した。入射NA
0.3の光源に対し、伝送帯域は600MHzであっ
た。
【0032】
【比較例】実施例と同じコア樹脂とクラッド樹脂でコア
直径500μmでクラッド外径が550μmのプラスチ
ック光ファイバを製造した。このプラスチック光ファイ
バにナイロン12を厚さ225μmに被覆し、外径1.
0mmのプラスチック光ファイバケーブルを得た。この
ケーブルの伝送損失は220dB/kmと大きなもので
あった。更に、このケーブルを85℃ 95%の湿度下
に1000時間放置したときの伝送損失は300dB/
kmであった。更にこのファイバを100℃で1000
時間放置したときの伝送損失は350dB/kmであっ
た。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、高速ホトダイオードの
直径に対応させてコア径を小さくしても、長期の伝送安
定性、耐薬品性、機械強度などの信頼性に優れたプラス
チック光ファイバケーブルを提供でき、自動車の中で、
400MBPS以上となるような高速な光転送速度で使
用できる。また、本発明の請求項2に係るプラスチック
光ファイバケーブルを用いれば、自動車の中の10m程
度以下の短距離で400Mbps以上の通信で用いる場
合であれば、1層クラッドでも高帯域を出すことがで
き、曲げによる光ロスも小さく機械的な強度にも優れ
る。
【0034】さらに、本発明の請求項3に係るプラスチ
ック光ファイバケーブルは、高速通信を行う場合であっ
ても保護層の光伝送能力を抑制することができ、保護層
または補強層を通過しようとする光が転送速度に影響す
るのを抑制することができる。請求項4に係る発明によ
れば、自動車の中で400Mbps以上の信号伝送を行
うので、信頼性が高く、高速な情報伝達が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のプラスチック光ファイバケー
ブルの断面図である。
【図2】本発明のプラスチック光ファイバ素線を製造す
るための複合紡糸ダイの例を示す図である。
【符号の説明】
1 コア 2 クラッド 3 保護層 4 補強層 5 被覆層 6 ストランド 7 コア樹脂導入口 8 クラッド樹脂導入口 9 保護層樹脂導入口 10 補強層樹脂導入口

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリメチルメタクリレート系樹脂をコア
    樹脂とし、コア径が0.45mm〜0.8mmのコアの
    周りをコア樹脂より屈折率の低い樹脂からなるクラッド
    層を1層以上に取り囲み、さらにその外側をポリメチル
    メタクリレート系樹脂からなる保護層で取り囲み、その
    直径が0.9mm〜1.0mmになるようにし、さらに
    その外側をビニリデンフロライド系樹脂からなる補強層
    で取り囲んだ構造体を複合紡糸によって形成して素線と
    し、さらに該素線の上にナイロン12を被覆した、65
    0nmで入射NAが0.15の光源に対する、ファイバ
    長52mと2mのカットバック法によって測定した伝送
    損失が200dB/km以下であることを特徴とするプ
    ラスチック光ファイバケーブル。
  2. 【請求項2】 クラッド層がビニリデンフロライドとヘ
    キサフロロプロペンとテトラフロロエチレンとの共重合
    体であって、当該組成がビニリデンフロライド25〜6
    0モル%、ヘキサフロロプロペン9〜16モル%、およ
    びテトラフロロエチレン25〜65モル%であり、屈折
    率ndが1.35〜1.37の樹脂からなり、その伝送
    帯域が入射NA0.30の光源に対し、ファイバ長10
    mあたり、400MHz以上であることを特徴とする請
    求項1のプラスチック光ファイバケーブル。
  3. 【請求項3】 保護層または補強層にカーボンブラック
    が添加されており、当該保護層または補強層の光伝送能
    力が抑制されていることを特徴とする請求項1または2
    記載のプラスチック光ファイバケーブル。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3のプラスチック光
    ファイバケーブルを自動車の中で400Mbps以上の
    光通信媒体として用いる方法。
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