JP2002098137A - 円すいころ軸受 - Google Patents

円すいころ軸受

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JP2002098137A
JP2002098137A JP2000285433A JP2000285433A JP2002098137A JP 2002098137 A JP2002098137 A JP 2002098137A JP 2000285433 A JP2000285433 A JP 2000285433A JP 2000285433 A JP2000285433 A JP 2000285433A JP 2002098137 A JP2002098137 A JP 2002098137A
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convex
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contact length
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JP2000285433A
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Tetsuro Unno
鉄郎 海野
Yuji Nakano
裕司 中野
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ころと内外輪との滑りを最小限にしつつ、こ
ろ端部と大つば面との潤滑状態を良好に保つことができ
る円すいころ軸受を提供する。 【解決手段】 円すいころ軸受10は、少なくとも、こ
ろ15転動面の軸方向中央部より大つば13側の部分と
の線接触長さが軸方向中央部より反大つば側の部分との
線接触長さより長くなるように外輪11の軌道面が湾曲
形成されるか、ころ15転動面の軸方向中央部より反大
つば側の部分との線接触長さが軸方向中央部より大つば
13側の部分との線接触長さより長くなるように内輪1
2の軌道面が湾曲形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円すいころ軸受に
関する。
【0002】
【従来の技術】円すいころ軸受には、略円すい状に形成
された転動体(以下「ころ」という)と、内輪又は外輪
に設けられてころの端部を支持するつばとを有するもの
がある。このような円すいころ軸受において、ころが正
規の自転軸に対して傾斜(以下「スキュー」ともいう)
すると、スキューの向きによっては、ころ端部とつば面
との間の面圧上昇やすべり速度の上昇等により、ころ端
部及びつば面の潤滑状態が悪化することがある。図5
(A)に示すように、内輪51が外輪52に対して図中
矢印X1方向に回転する場合を考える。このときころ5
5は、図中矢印X2方向に自転しながら図中矢印X1方
向に公転する。図5(A)におけるB矢視図である図5
(B)に示すように、ころ55の大径端部は、内輪51
の一方側(図では右側)に設けられたつば(以下「大つ
ば」という)53の内面(以下「大つば面」という)5
3aに相対している。
【0003】内輪51の軌道面51a、外輪(図示せ
ず)の軌道面及びころ55の外周面(転動面)の少なく
ともいずれかに、フルクラウニングやパーシャルクラウ
ニングと呼ばれるクラウニング加工が施されるのが一般
的である。クラウニング加工とは、各軌道面や転道面の
母線(断面視において軌道面や転動面によって描かれる
線。軌道面や転道面の輪郭。)の全域又は所定域を凸状
の湾曲線とするような加工をいう。
【0004】ころ55の大径端部と大つば面53aとの
接触によって、図6(A)に示すように、図中矢印A方
向のモーメントがころ55に作用して、ころ55の大径
端部の内輪51回転方向上流側(図では下側)の角部
が、内輪51回転方向下流側(図では上側)の角部より
大つば面53aに近づくようにころ55が傾斜(以下
「負にスキュー」という)することがある。こうなる
と、ころ55が大つば面53aに近づく方向に移動し
て、ころ55の大径端部が大つば面53aを押圧する荷
重が増加する。これにより、ころ55端部及び大つば面
53aの潤滑状態が悪化し、使用寿命が短くなる。一
方、図6(B)に示すように、図中矢印B方向のモーメ
ントがころ55に作用して、ころ55の大径端部の内輪
51回転方向下流側(図では上側)の角部が、内輪51
回転方向上流側(図では下側)の角部より大つば面53
aに近づくようにころ55が傾斜(以下「正にスキュ
ー」という)することもある。こうなると、ころ55が
大つば面53aから離れる方向に移動して、ころ55の
大径端部が大つば面53aを押圧する荷重が減少する。
【0005】図6(B)のようにころ55を正にスキュ
ーさせるために、特公昭62−11203号公報には、
円すいころの傾斜制御装置が開示されている。この円す
いころの傾斜制御装置では、円すいころの円すい角の頂
点を軸受の軸心と交わる手前に位置させることで、ころ
を正にスキューさせている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特公昭62−1120
3号公報に開示されているように、円すいころの円すい
角の頂点を軸受の軸心と交わる手前に位置させたので
は、ころと内外輪との間で滑りが発生し、好ましくな
い。本発明の目的は、ころと内外輪の滑りを最小限にし
つつ、ころ端部と大つば面との潤滑状態を良好に保って
長期の使用寿命を確保できる円すいころ軸受を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る前記目的
は、内周面に軌道面が設けられた外輪と、外周面に軌道
面が設けられた内輪と、前記軌道面間に配置された円す
い状のころとを備え、前記ころの転動面が一定曲率半径
を有する凸状母線により形成され、前記ころの大径端部
を支持する大つばが前記外輪又は内輪に設けられた円す
いころ軸受において、少なくとも、前記転動面の軸方向
中央部より大つば側の部分との線接触長さが軸方向中央
部より反大つば側の部分との線接触長さより長くなるよ
うに前記外輪の軌道面が湾曲形成されるか、前記転動面
の軸方向中央部より反大つば側の部分との線接触長さが
軸方向中央部より大つば側の部分との線接触長さより長
くなるように前記内輪の軌道面が湾曲形成されたことを
特徴とする円すいころ軸受によって達成される。
【0008】ここでいう「線接触」には、外輪軌道面と
ころ転動面との接触箇所や内輪軌道面ところ転動面との
接触箇所がころ周方向に微小な幅を有して、それら接触
箇所が線接触というより面接触に近い場合も、含むもの
とする。以上のような構成の円すいころ軸受によれば、
大つば側と反大つば側とで、外輪軌道面ところ転動面と
の線接触長さを変えたり内輪軌道面ところ転動面との線
接触長さを変えたりしたことで、ころに作用する力のバ
ランスがくずれて所定方向のモーメントがころに作用し
て、ころが必ず正にスキューする。この円すいころ軸受
によれば、ころと内外輪の滑りを最小限にしつつ、ころ
端部と大つば面との潤滑状態を良好に保って、焼付を防
止することができる。
【0009】また、本発明に係る前記目的は、内周面に
軌道面が設けられた外輪と、外周面に軌道面が設けられ
た内輪と、前記軌道面間に配置された円すい状のころと
を備え、前記ころの転動面が一定曲率半径を有する凸状
母線により形成され、前記ころの大径端部を支持する大
つばが前記外輪又は内輪に設けられた円すいころ軸受に
おいて、少なくとも、前記転動面の軸方向中央部より大
つば側の部分との線接触長さが軸方向中央部より反大つ
ば側の部分との線接触長さより長くなるように前記外輪
の軌道面の中央部が凹状母線により形成されてその中央
部に隣接する大つば側の端部が第1の曲率半径を有する
凸状母線により形成されるとともに反大つば側の端部が
前記第1の曲率半径より小さい第2の曲率半径を有する
凸状母線により形成されるか、前記転動面の軸方向中央
部より反大つば側の部分との線接触長さが軸方向中央部
より大つば側の部分との線接触長さより長くなるように
前記内輪の軌道面の中央部が凹状母線により形成されて
その中央部に隣接する反大つば側の端部が第3の曲率半
径を有する凸状母線により形成されるとともに大つば側
の端部が前記第3の曲率半径より小さい第4の曲率半径
を有する凸状母線により形成されたことを特徴とする円
すいころ軸受によって達成される。
【0010】また、本発明に係る前記目的は、内周面に
軌道面が設けられた外輪と、外周面に軌道面が設けられ
た内輪と、前記軌道面間に配置された円すい状のころと
を備え、前記ころの転動面が一定曲率半径を有する凸状
母線により形成され、前記ころの大径端部を支持する大
つばが前記外輪又は内輪に設けられた円すいころ軸受に
おいて、少なくとも、前記外輪の軌道面の中央部が一定
曲率半径を有する凹状母線により形成されてその凹状母
線の中央部より大つば側の部分と前記転動面との線接触
長さが凹状母線の中央部より反大つば側の部分と前記転
動面との線接触長さより長くされるか、前記内輪の軌道
面の中央部が凹状母線により形成されてその凹状母線の
中央部より反大つば側の部分と前記転動面との線接触長
さが凹状母線の中央部より大つば側の部分と前記転動面
との線接触長さより長くされたことを特徴とする円すい
ころ軸受によって達成される。
【0011】また、本発明に係る前記目的は、内周面に
軌道面が設けられた外輪と、外周面に軌道面が設けられ
た内輪と、前記軌道面間に配置された円すい状のころと
を備え、前記ころの転動面が一定曲率半径を有する凸状
母線により形成され、前記ころの大径端部を支持する大
つばが前記外輪又は内輪に設けられた円すいころ軸受に
おいて、少なくとも、前記外輪の軌道面の中央部が一定
曲率半径を有する凸状母線により形成されてその凸状母
線の中央部が前記転動面の軸方向中央部より大つば側に
配置されるか、前記内輪の軌道面の中央部が一定曲率半
径を有する凸状母線により形成されてその凸状母線の中
央部が前記転動面の軸方向中央部より反大つば側に配置
されたことを特徴とする円すいころ軸受よって達成され
る。
【0012】なお、これらの円すいころ軸受は、軌道面
或いは転動面における異なる曲率半径を有する母線同士
の境界で、母線同士が接線を共有するようにすることが
好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面
を参照しながら詳細に説明する。なお、既に説明した部
材等と同様な構成・作用を有する部材等については、図
中に同一符号又は相当符号を付すことにより説明を簡略
化或いは省略する。図1〜図3は、本発明の第1〜第3
実施形態を示す要部断面図である。
【0014】図1に示すように、第1実施形態である円
すいころ軸受10は、外輪12がその内周面に凹凸状軌
道面を有し、内輪11がその外周面に一対のつば13,
14を備えるとともに、それらつば13,14間に凹凸
状軌道面を有し、外輪12及び内輪11の凹凸状軌道面
間に略円すい状のころ15が配置されている。ころ15
の転動面は、一定曲率半径Rを有する凸状母線により形
成されている。ころ15の大径端部は大つば13に相対
し、ころ15の小径端部は小つば14に相対している。
【0015】外輪12内周面の凹凸状軌道面は、その軌
道面の中央部が凹状母線12aにより形成されている。
凹状母線12aの曲率半径は、ころ15転動面の曲率半
径Rに対してごく僅かに大きく設定されている。外輪1
2軌道面の凹状母線12aに隣接する大つば13側(図
では右側)の端部は、凸状の第1母線(凸状第1母線)
12bにより形成されている。一方、外輪12軌道面の
凹状母線12aに隣接する小つば14側(反大つば13
側。図では左側。)の端部は、凸状の第2母線(凸状第
2母線)12cにより形成されている。凸状第2母線1
2cの曲率半径R2は、凸状第1母線12bの曲率半径
R1より小さく設定されている。凹状母線12aと凸状
第1母線12bとの境界12d、及び凹状母線12aと
凸状第2母線12cとの境界12eでは、それら母線同
士が接線を共有している。
【0016】外輪12の凹凸状軌道面12a,12b,
12cは、ころ15転動面の軸方向中央部より大つば1
3側の部分との線接触長さが、ころ15転動面の軸方向
中央部より小つば14側の部分との線接触長さより長く
なるように、凸状第1母線12bの曲率半径R1中心位
置、凸状第2母線12cの曲率半径R2中心位置、境界
12d,12eの位置等が設定されている。ここでは、
凹状母線12aの中央部がころ15転動面の軸方向中央
部に接するように設定されている。なお、凸状第1母線
12bの曲率半径R1及び凸状第2母線12cの局率半
径R2は、ころ15転動面の曲率半径Rより大きくても
よく、小さくてもよい。また、外輪12軌道面のうち、
凹状母線12aに隣接する部分のみが凸状第1母線12
b及び凸状第2母線12cとされ、凸状第1母線12b
及び凸状第2母線12cの外側は曲率半径R1,R2と
は異なる曲率半径の母線によって形成されてもよい。
【0017】内輪11外周面の凹凸状軌道面は、その軌
道面の中央部が凹状母線11aにより形成されている。
凹状母線11aの曲率半径は、ころ15転動面の曲率半
径Rに対してごく僅かに大きく設定されている。内輪1
1軌道面の凹状母線11aに隣接する小つば14側(図
では左側)の端部は、凸状の第3母線(凸状第3母線)
11bにより形成されている。一方、内輪11軌道面の
凹状母線12aに隣接する大つば13側(図では右側)
の端部は、凸状の第4母線(凸状第4母線)11cによ
り形成されている。凸状第4母線11cの曲率半径R4
は、凸状第3母線11bの曲率半径R3より小さく設定
されている。凹状母線11aと凸状第3母線11bとの
境界11d、及び凹状母線11aと凸状第4母線11c
との境界11eでは、それら母線同士が接線を共有して
いる。
【0018】内輪11の凹凸状軌道面11a,11b,
11cは、ころ15転動面の軸方向中央部より小つば1
4側の部分との線接触長さが、ころ15転動面の軸方向
中央部より大つば13側の部分との線接触長さより長く
なるように、凸状第3母線11bの曲率半径R3中心位
置、凸状第4母線11cの曲率半径R4中心位置、境界
11d,11eの位置等が設定されている。ここでは、
凹状母線11aの中央部がころ15転動面の軸方向中央
部に接するように設定されている。なお、凸状第3母線
11bの曲率半径R3及び凸状第4母線11cの局率半
径R4は、ころ15転動面の曲率半径Rより大きくても
よく、小さくてもよい。また、内輪11軌道面のうち、
凹状母線11aに隣接する部分のみが凸状第3母線11
b及び凸状第4母線11cとされ、凸状第3母線11b
及び凸状第4母線11cの外側は曲率半径R3,R4と
は異なる曲率半径の母線によって形成されてもよい。
【0019】以上のような構成の円すいころ軸受10に
よれば、大つば13側と小つば14側とで、外輪12軌
道面ところ15転動面との線接触長さを変えるととも
に、内輪11軌道面ところ15転動面との線接触長さを
変えたことで、ころ15に作用する力のバランスがくず
れて所定方向のモーメントがころ15に作用して、ころ
15が必ず正にスキューする。この円すいころ軸受10
によれば、ころ15と外輪12及び内輪11との滑りを
最小限にしつつ、ころ15の大径端部と大つば13との
潤滑状態を良好に保って、長期の使用寿命を確保するこ
とができる。
【0020】図2に、本発明の第2実施形態を示す。第
2実施形態である円すいころ軸受20は、第1実施形態
と類似した構成であり、外輪22がその内周面に凹凸状
軌道面を有し、内輪21がその外周面に一対のつば2
3,24を備えるとともに、それらつば23,24間に
凹凸状軌道面を有し、外輪22及び内輪21の凹凸状軌
道面間に略円すい状のころ15が配置されている。ころ
15の転動面は、一定曲率半径を有する凸状母線により
形成されている。ころ15の大径端部は大つば23に相
対し、ころ15の小径端部は小つば24に相対してい
る。
【0021】外輪22内周面の凹凸状軌道面は、その軌
道面の中央部が凹状母線22aにより形成されている。
凹状母線22aの曲率半径は、ころ15転動面の曲率半
径に対してごく僅かに大きく設定されている。外輪22
軌道面の凹状母線22aに隣接する大つば23側(図で
は右側)の端部は、凸状の第1母線(凸状第1母線)2
2bにより形成されている。一方、外輪22軌道面の凹
状母線22aに隣接する小つば24側(図では左側)の
端部は、凸状の第2母線(凸状第2母線)22cにより
形成されている。凸状第2母線22cの曲率半径は、凸
状第1母線22bの曲率半径と同等であってもよいし、
凸状第1母線22bの曲率半径より小さくてもよい。凹
状母線22aと凸状第1母線22bとの境界、及び凹状
母線22aと凸状第2母線22cとの境界では、それら
母線同士が接線を共有している。
【0022】外輪22の凹凸状軌道面22a,22b,
22cは、ころ15転動面の軸方向中央部より大つば2
3側の部分との線接触長さが、ころ15転動面の軸方向
中央部より小つば24側の部分との線接触長さより長く
なるように、凹状母線22aの中央部がころ15転動面
の軸方向中央部より大つば23側に配置されている。す
なわち、凹状母線22aの、ころ15転動面の軸方向中
央部より大つば23側の部分の長さL1が、ころ15転
動面の軸方向中央部より小つば24側の部分の長さL2
より長くなっている。こうして外輪22軌道面は、ころ
15転動面の軸方向中央部より大つば23側の部分との
線接触長さが、ころ15転動面の軸方向中央部より小つ
ば24側の部分との線接触長さより長くなっている。
【0023】なお、外輪22軌道面のうち、凹状母線2
2aに隣接する部分のみが凸状第1母線22b及び凸状
第2母線22cとされ、凸状第1母線22b及び凸状第
2母線22cの外側は、それらとは異なる曲率半径の母
線によって形成されてもよい。
【0024】内輪21外周面の凹凸状軌道面は、その軌
道面の中央部が凹状母線21aにより形成されている。
凹状母線21aの曲率半径は、ころ15転動面の曲率半
径に対してごく僅かに大きく設定されている。内輪21
軌道面の凹状母線21aに隣接する小つば24側の端部
は、凸状の第3母線(凸状第3母線)21bにより形成
されている。一方、内輪21軌道面の凹状母線21aに
隣接する大つば23側の端部は、凸状の第4母線(凸状
第4母線)21cにより形成されている。凸状第4母線
21cの曲率半径は、凸状第3母線21bの曲率半径と
同等であってもよいし、凸状第3母線21bの曲率半径
より小さくてもよい。凹状母線21aと凸状第3母線2
1bとの境界、及び凹状母線21aと凸状第4母線21
cとの境界では、それら母線同士が接線を共有してい
る。
【0025】内輪21の凹凸状軌道面21a,21b,
21cは、ころ15転動面の軸方向中央部より小つば2
4側の部分との線接触長さが、ころ15転動面の軸方向
中央部より大つば23側の部分との線接触長さより長く
なるように、凹状母線21aの中央部がころ15転動面
の軸方向中央部より小つば24側に配置されている。す
なわち、凹状母線21aの、ころ15転動面の軸方向中
央部より小つば24側の部分の長さL3が、ころ15転
動面の軸方向中央部より大つば23側の部分の長さL4
より長くなっている。こうして内輪21軌道面は、ころ
15転動面の軸方向中央部より小つば24側の部分との
線接触長さが、ころ15転動面の軸方向中央部より大つ
ば23側の部分との線接触長さより長くなっている。
【0026】なお、内輪21軌道面のうち、凹状母線2
1aに隣接する部分のみが凸状第3母線21b及び凸状
第4母線21cとされ、凸状第3母線21b及び凸状第
4母線21cの外側は、それらとは異なる曲率半径の母
線によって形成されてもよい。
【0027】以上のような構成の円すいころ軸受20に
おいては、外輪22軌道面を凹状母線22a、第1凸状
母線22b及び第2凸状母線22cにより形成するとと
もに、凹状母線22aの中央部をころ15転動面の軸方
向中央部より大つば23側に配置した。こうして、外輪
22軌道面の、ころ15転動面の軸方向中央部より大つ
ば23側の部分との線接触長さが、ころ15転動面の軸
方向中央部より小つば24側の部分との線接触長さより
長くされている。また、内輪21軌道面を凹状母線21
a、第1凸状母線21b及び第2凸状母線21cにより
形成するとともに、凹状母線21aの中央部をころ15
転動面の軸方向中央部より小つば24側に配置した。こ
うして、内輪21軌道面の、ころ15転動面の軸方向中
央部より小つば24側の部分との線接触長さが、ころ1
5転動面の軸方向中央部より大つば23側の部分との線
接触長さより長くされている。この円すいころ軸受20
によれば、ころ15を必ず正にスキューさせることがで
き、ころ15と外輪22及び内輪21との滑りを最小限
にしつつ、ころ15の大径端部と大つば23との潤滑状
態を良好に保って、長期の使用寿命を確保することがで
きる。
【0028】図3に、本発明の第3実施形態を示す。第
3実施形態である円すいころ軸受30は、外輪32がそ
の内周面に凸状軌道面32aを有し、内輪31がその外
周面に一対のつば33,34を備えるとともに、それら
つば33,34間に凸状軌道面31aを有し、それら凸
状軌道面32a,31a間に略円すい状のころ15が配
置されている。ころ15の転動面は、一定曲率半径を有
する凸状母線により形成されている。ころ15の大径端
部は大つば33に相対し、ころ15の小径端部は小つば
34に相対している。
【0029】外輪32の凸状軌道面32aは、ころ15
転動面の軸方向中央部より大つば33側の部分との線接
触長さが、ころ15転動面の軸方向中央部より小つば3
4側の部分との線接触長さより長くなるように、その凸
状母線の中央部がころ15転動面の軸方向中央部より大
つば33側に配置されている。すなわち、凸状軌道面3
2aの凸状母線の中央部が、ころ15転動面の軸方向中
央部から間隔Lをあけて大つば33側に配置されてい
る。こうして外輪32軌道面は、ころ15転動面の軸方
向中央部より大つば33側の部分との線接触長さが、こ
ろ15転動面の軸方向中央部より小つば34側の部分と
の線接触長さより長くなっている。
【0030】内輪31の凸状軌道面31aは、ここで
は、その凸状母線の中央部がころ15転動面の軸方向中
央部と一致するように形成されている。しかし、ころ1
5転動面の軸方向中央部より小つば34側の部分との線
接触長さが、ころ15転動面の軸方向中央部より大つば
33側の部分との線接触長さより長くなるように、凸状
軌道面31aの凸状母線の中央部をころ15転動面の軸
方向中央部より小つば34側に配置してもよい。
【0031】以上のような構成の円すいころ軸受30に
よれば、外輪32の軌道面形状として従来通りのものを
採用しているが、ころ15を必ず正にスキューさせるこ
とができ、ころ15と外輪32及び内輪31との滑りを
最小限にしつつ、ころ15の大径端部と大つば33との
潤滑状態を良好に保って、長期の使用寿命を確保するこ
とができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を更に説明す
る。前述した第2実施形態の円すいころ軸受20と同様
な構成であって、L1/(L1+L2)及びL3/(L
3+L4)の値が0.2〜0.8の間で異なる複数種類
の円すいころ軸受を用意し、それらについてのPV値と
軸受寿命比とを比較した。結果を図4(A),(B)に
示す。なお、PV値は一般的に、小さいほど潤滑状態が
良くなる。
【0033】図4(A)からわかるように、L1/(L
1+L2)及びL3/(L3+L4)を大きくしていっ
たところ、PV値が減少していき、特に0.5を超える
とPV値が更に減少した。また図4(B)からわかるよ
うに、L1/(L1+L2)及びL3/(L3+L4)
が0.6を超えると、軸受寿命が急激に減少した。これ
は、内輪の大つばからの荷重によりL1=L2及びL3
=L4では負のスキューとなるところを、L1及びL3
を長くしていくことで、スキュー角度が減少、更には逆
向きの正のスキューとなったためである。以上の条件で
は、0.5<L1/(L1+L2)<0.6、及び0.
5<L3/(L3+L4)<0.6の範囲が好ましいと
いえる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の円すいこ
ろ軸受によれば、大つば側と反大つば側とで、外輪軌道
面ところ転動面との線接触長さを変えたり内輪軌道面と
ころ転動面との線接触長さを変えたりしたことで、ころ
が負にスキューすることを確実に防止できる。したがっ
て、ころと内外輪の滑りを最小限にしつつ、ころ端部と
つば面との潤滑状態を良好に保って、長期の使用寿命を
確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明の実施例の性能を示すグラフである。
【図5】従来の円すいころ軸受を示す図である。
【図6】円すいころ軸受における負のスキューと正のス
キューとを説明する図である。
【符号の説明】
10,20,30 円すいころ軸受 11,21,31 内輪 12,22,32 外輪 13,23,33 大つば 15 ころ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面に軌道面が設けられた外輪と、外
    周面に軌道面が設けられた内輪と、前記軌道面間に配置
    された円すい状のころとを備え、前記ころの転動面が一
    定曲率半径を有する凸状母線により形成され、前記ころ
    の大径端部を支持する大つばが前記外輪又は内輪に設け
    られた円すいころ軸受において、 少なくとも、前記転動面の軸方向中央部より大つば側の
    部分との線接触長さが軸方向中央部より反大つば側の部
    分との線接触長さより長くなるように前記外輪の軌道面
    が湾曲形成されるか、前記転動面の軸方向中央部より反
    大つば側の部分との線接触長さが軸方向中央部より大つ
    ば側の部分との線接触長さより長くなるように前記内輪
    の軌道面が湾曲形成されたことを特徴とする円すいころ
    軸受。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004108429A (ja) * 2002-09-17 2004-04-08 Nsk Ltd 円すいころ軸受
US7281855B2 (en) 2003-04-25 2007-10-16 Koyo Seiko Co., Ltd. Tapered roller bearing and final reduction gear
JP2008261458A (ja) * 2007-04-13 2008-10-30 Nsk Ltd 円すいころ軸受
KR101398984B1 (ko) * 2013-01-15 2014-05-27 주식회사 베어링아트 롤러 및 이를 이용한 롤러 베어링

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