JP2000074075A - ころ軸受 - Google Patents

ころ軸受

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JP2000074075A
JP2000074075A JP11174296A JP17429699A JP2000074075A JP 2000074075 A JP2000074075 A JP 2000074075A JP 11174296 A JP11174296 A JP 11174296A JP 17429699 A JP17429699 A JP 17429699A JP 2000074075 A JP2000074075 A JP 2000074075A
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bus
concave
roller
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Tetsuro Unno
鉄郎 海野
Yoshio Shoda
義雄 正田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外輪および内輪間に生じる大きな軸線ずれ角
度に対応できるとともに、外輪および内輪の軸線ずれ角
度が小さい場合でも、軌道面および各転動部材間の面圧
を緩和できるとともに、エッジロードの発生を抑制で
き、かつ、従来に比較的して大きな軸線ずれにも対応で
きるころ軸受を提供する。 【解決手段】 ころ軸受10は、外輪11の凹状軌道面12
と、内輪13の凹状軌道面14との間に複数配置された略円
柱形状のころ15を備える。各ころ15は、転動面の中央部
を凹状軌道面12,13に対応した凸状の第1母線17により
形成し、転動面の両端部側を第1母線17よりも小さな曲
率半径の第2母線16により形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はころ軸受に係り、例
えば略円錐状,略円柱状に形成された転動部材を有する
ころ軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】略円柱状あるいは略円錐状に形成された
転動部材(以下、ころと称する)を複数有するころ軸受
は、外輪の軸線および内輪の軸線が互いに交差するよう
な軸線ずれが生じていると、外輪の軌道面ところの接触
部,内輪の軌道面ところの接触部のうちのいずれか、あ
るいは双方において、ころ端部が軌道面と接触する位置
の片側で、局所的な接触圧力の上昇(以下、エッジ応力
と称する)が発生し、早期の軸受損傷を引き起こす虞れ
がある。従って、ころ軸受を各種装置に取り付けるにあ
たっては、外輪の軸線および内輪の軸線を高精度に一致
させる必要があるが、大きな軸荷重により回転軸が撓む
と軸線ずれが生じる可能性がある。
【0003】この問題を回避するために、従来より、各
軌道面および各ころの周面(以下、転動面と称する)の
うちのいずれか、あるいは双方にフルクラウニングやパ
ーシャルクラウニングと呼ばれるクラウニング加工を施
したころ軸受が用いられている(従来例)。ここで、ク
ラウニング加工とは、各軌道面を形成する母線、あるい
は各ころの転動面を形成する母線の全域あるいは所定域
が凸状の曲線となるような加工を指している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した従
来例では、大きな軸線ずれ角度において、軌道面と転動
面との間に、エッジ応力が発生しないようにするため
に、クラウニングの曲率半径を小さくする必要がある。
しかしながら、クラウニングの曲率半径を小さくする
と、軸線ずれ角度が小さい場合、あるいは軸線ずれがな
い場合には、クラウニング加工を施さない場合、あるい
はクラウニングの曲率半径が小さい場合に比較して、各
軌道面ところの接触部の中央部分における面圧が高くな
るという不具合があった。本発明は、前述した問題点に
鑑みてなされたものであり、その目的は外輪および内輪
間に生じる大きな軸線ずれ角度において、エッジ応力の
発生を防止するとともに、外輪および内輪の軸線ずれ角
度が小さい場合でも各軌道面と各ころの転動面との接触
中央部における面圧の増加を抑制できるころ軸受を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、請求項1に記載したように、内周面
に凹状軌道面が設けられた外輪と、外周面に凹状軌道面
が設けられた内輪と、前記各凹状軌道面間に複数配置さ
れた略円柱形状の転動部材とを備え、前記各転動部材の
外周面が凸状母線により形成されているころ軸受におい
て、前記各凹状軌道面と、前記各転動部材の外周面との
うちの一方における中央部が一定曲率半径を有する第1
母線により形成されているとともに、前記中央部に隣接
する両端部側が前記各凹状軌道面と、前記各転動部材の
外周面とのうちの他方に対して離れるような曲率半径を
有する第2母線により形成されていることを特徴として
いる。
【0006】また、本発明は、請求項2に記載したよう
に、内周面に凸状軌道面が設けられた外輪と、外周面に
凸状軌道面が設けられた内輪と、前記各凸状軌道面間に
複数配置された略円柱形状の転動部材とを備え、前記各
転動部材の外周面が凹状母線により形成されているころ
軸受において、前記各凸状軌道面と、前記各転動部材の
外周面とのうちの一方における中央部が一定曲率半径を
有する第1母線により形成されているとともに、前記中
央部に隣接する両端部側が前記各凸状軌道面と、前記各
転動部材の外周面とのうちの他方に対して離れるような
曲率半径を有する第2母線により形成されていることを
特徴としている。
【0007】ここで、請求項1に記載した発明において
は、各凹状軌道面あるいはころの転動面を、互いに連続
するとともに異なる曲率半径を有する第1母線および第
2母線により形成しておけばよい。具体的には、ころの
転動面を第1母線および第2母線により形成するにあた
っては、ころの転動面における中央部を各凹状軌道面の
母線に対応した凸状の第1母線により形成しておくとと
もに、ころの転動面における両端部側を第1母線より小
さな曲率半径を有する凸状の第2母線により形成してお
けばよい。一方、各凹状軌道面を第1母線および第2母
線により形成するにあたっては、各凹状軌道面の中央部
をころの転動面の母線に対応した凹状の第1母線により
形成しておくとともに、各凹状軌道面の端面側を第1母
線より大きな曲率半径を有する凹状の第2母線により形
成しておけばよい。第1母線の曲率半径の中心は、軸受
の軸線より遠い位置にあり、これによりエッジロードが
きわめて有効に緩和される。
【0008】また、請求項2に記載した発明において
は、各凸状軌道面あるいはころの転動面を、互いに連続
するとともに異なる曲率半径を有する第1母線および第
2母線により形成しておけばよい。具体的には、ころの
転動面を第1母線および第2母線により形成するにあた
っては、ころの転動面における中央部を各凸状軌道面の
母線に対応した凹状の第1母線により形成しておくとと
もに、ころの転動面における両端部側を第1母線より大
きな曲率半径を有する凹状の第2母線により形成してお
けばよい。一方、各凸状軌道面を第1母線および第2母
線により形成するにあたっては、各凸状軌道面の中央部
をころの凹状母線に対応した凸状の第1母線により形成
しておくとともに、各凸状軌道面の端面側を第1母線よ
り小さな曲率半径を有する第2母線により形成しておけ
ばよい。
【0009】そして、これらの場合、第1母線および第
2母線の境界線が峰あるいは溝とならないように、第1
母線および第2母線を滑らかに連続させておいたり、あ
るいは第1母線および第2母線間の境界線に沿って面取
加工を施しておけばよい。なお、前述した凹状軌道面,
凸状軌道面,各転動部材は、第1母線および第2母線の
みにより形成されているものに限定せず、2以上の複数
種類の母線により形成されていてもよい。
【0010】従来のクラウニング加工された軌道面と、
ころの転動面とが凸状の母線形状同士の接触となるのに
対して、これらのように構成されたころ軸受において
は、凸状母線形状と、それに対応した凹状母線形状を有
するころ転動面との接触となるため、外輪および内輪の
軸線ずれ角度が小さい場合、あるいは軸線ずれがない場
合であっても、各軌道面ところ転動面との間の接触面圧
が高くなる虞れがない。また、これらのころ軸受におい
ては、軌道面と、ころ転動面における端部側との間に比
較的大きな間隙が生じるため、外輪および内輪間に比較
的大きな軸線ずれが生じた場合でも、エッジロード等が
生じることがない。加えて、前述した軌道面、各転動体
の母線形状を複数種類の母線により形成すると、各母線
の境界部がより滑らかに接続されるので、面圧上昇が更
に抑制される。
【0011】従って、これらのころ軸受においては、従
来に比較して、外輪および内輪間に生じる大きな軸線ず
れ角度に対応できるとともに、外輪および内輪の軸線ず
れ角度が小さい場合でも各軌道面および各転動部材間の
面圧の増加を抑制でき、これらにより前述した目的が達
成される。
【0012】なお、これらのころ軸受は、異なる曲率半
径を有する第1母線および第2母線の境界における面圧
上昇を抑制するために、第1母線および第2母線の境界
で両母線が接線を共有する形態や、あるいは第1母線お
よび第2母線の境界線を跨ぐように第3母線を形成する
形態を採用できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施形態を図
面に基づいて詳細に説明する。図1ないし図10は本発明
に係る第1実施形態ないし第10実施形態を示す要部断面
図である。
【0014】図1(A)に示すように、第1実施形態で
あるころ軸受10は、外輪11に設けられた凹状軌道面12
と、内輪13に設けられた凹状軌道面14との間に複数配置
された略円錐形状のころ15を備えている。図1(B)に
示すように、ころ15は、転動面における中央部まで第1
母線17により形成されているとともに、転動面における
大径部側(図中右方)および小径部側(図中左方、図示
せず)が第2母線16により形成されている。
【0015】ここで、第1母線17の曲率半径は、凹状軌
道面12,14の母線の曲率半径に対応してごくわずかに小
さく設定されている。一方、第2母線16の曲率半径は、
第1母線17の曲率半径よりも若干小さく設定されてい
る。そして、第1母線17および第2母線16は、その境界
において接線を共有するように形成されているため、第
1母線17および第2母線18間の境界部18において面圧が
高くなる虞れがない。
【0016】なお、ころ軸受10における特定個所の面圧
上昇を防止するためには、図1(C)に示すように、第
1母線17および第2母線16間を第3母線19により形成し
たころ15Aを採用してもよい。このころ15Aによれば、
第1母線17および第3母線19間の境界部18Aの面圧、あ
るいは第2母線16および第3母線19間の境界部18Bにお
ける面圧をころ15における境界部18の面圧に比較して低
くできる。
【0017】以上のようなころ軸受10においては、ころ
15における第1母線17が凸状であり、その曲率半径が凹
状軌道面12,14の母線の曲率半径に対応してごくわずか
に小さく設定されているため、外輪11および内輪13の軸
線ずれ角度が小さい場合、あるいは軸線ずれがない場合
であっても、凹状軌道面12,14に対してころ15の凸状転
動面が十分な長さで線接触するから、凹状軌道面12,14
および各ころ15間の面圧が高くなる虞れがない。そし
て、このころ軸受10においては、ころ15における第2母
線16の曲率半径が第1母線17の曲率半径よりも小さく設
定されているため、外輪および内輪間に生じる大きな軸
線ずれ角度に対応可能となっている。
【0018】従って、このころ軸受10によれば、従来の
ころ軸受に比較して、外輪11および内輪13間に生じる大
きな軸線ずれ角度に対応できるとともに、外輪11および
内輪13の軸線ずれ角度が小さい場合でも凹状軌道面12,
14および各転動部材15間の面圧の増大を抑制できる。
【0019】図2に示すように、第2実施形態であるこ
ろ軸受20は、外輪21の凸状軌道面22と、内輪23の凸状軌
道面24との間に複数配置された略円錐形状のころ25を備
えている。ころ25は、転動面における中央部が凹状の第
1母線27により形成されているとともに、転動面におけ
る両端部側が凹状の第2母線26,26により形成されてい
る。第1母線27の曲率半径は、凸状軌道面22,24の母線
の曲率半径に対応してごくわずかに大きく設定されてい
る。また、第2母線26,26の曲率半径は、第1母線27の
母線の曲率半径よりも若干大きく設定されている。そし
て、このころ25は、第1母線27および第2母線26,26が
境界部28で接線を共有するように形成されている。この
ころ軸受20によっても、前述したころ軸受10と同様な効
果が得られる。
【0020】図3に示すように、第3実施形態であるこ
ろ軸受30は、外輪31の凹状軌道面32と、内輪33の凹状軌
道面34との間に複数配置された略円錐形状のころ35を備
えている。ころ35は、転動面の中央部が凸状の第1母線
37により形成されているとともに、転動面における両端
部側が凸状の第2母線36,36により形成されている。こ
のころ35は、第1母線37の曲率半径が凹状軌道面32,34
の母線の曲率半径に対応してごくわずかに小さく設定さ
れているとともに、第2母線36,36の曲率半径が第1母
線37の母線の曲率半径よりも若干小さく設定されてい
る。そして、このころ35は、第1母線37および第2母線
36,36が境界部38で接線を共有するように形成されてい
る。
【0021】このころ軸受30によっても、従来のころ軸
受に比較して、外輪31および内輪33間に生じる大きな軸
線ずれ角度に対応できるとともに、外輪31および内輪33
の軸線ずれ角度が小さい場合でも凹状軌道面32,34およ
び各転動部材35間の面圧の増加を抑制できる。
【0022】図4に示すように、第4実施形態であるこ
ろ軸受40は、外輪41に設けられた一対のつば41A,41A
間の凹状軌道面42と、内輪43の凹状軌道面44との間に複
数配置された略樽形状のころ45を備えている。ころ45
は、転動面における中央部が凸状の第1母線47により形
成されているとともに、転動面の両端部側が凸状の第2
母線46,46により形成されている。
【0023】このころ45は、第1母線47の曲率半径が凹
状軌道面42,44の母線の曲率半径に対応してごくわずか
に小さく設定されているとともに、第2母線46,46の曲
率半径が第1母線46,46の母線の曲率半径よりも若干小
さく設定されていて、第1母線47および第2母線46,46
がその境界部48で接線を共有するように形成されてい
る。このころ軸受40によっても、所望の効果が得られ
る。
【0024】図5に示すように、第5実施形態であるこ
ろ軸受50は、外輪51の凹状軌道面52と、内輪53に設けら
れた一対のつば53A,53A間の凹状軌道面54との間に複
数配置された略樽形状のころ55を備えている。ころ55
は、転動面における中央部が凸状の第1母線57により形
成されているとともに、転動面における両端部側が凸状
の第2母線56,56により形成されている。
【0025】このころ55は、第1母線57の曲率半径が凹
状軌道面52,54の母線の曲率半径に対応してごくわずか
に小さく設定されているとともに、第2母線56,56の曲
率半径が第1母線57の母線の曲率半径よりも若干小さく
設定されていて、第1母線57および第2母線56,56が境
界部58で接線を共有するように形成されている。このこ
ろ軸受50によっても、所望の効果が得られる。
【0026】図6に示すように、第6実施形態であるこ
ろ軸受60は、外輪61に設けられた一対のつば61A,61A
間の凹状軌道面62と、内輪63の一端側に設けられたつば
63Aに隣り合う凹状軌道面64との間に複数配置された略
樽形状のころ65を備えている。ころ65は、転動面の中央
部が凸状の第1母線67により形成されているとともに、
転動面の両端部側が凸状の第2母線66,66により形成さ
れている。
【0027】このころ65は、第1母線67の曲率半径が凹
状軌道面62,64の母線の曲率半径に対応してごくわずか
に小さく設定されているとともに、第2母線66,66の曲
率半径が第1母線67の曲率半径よりも若干小さく設定さ
れていて、第1母線67および第2母線66,66が境界部68
で接線を共有するように形成されている。このころ軸受
60によっても、所望の効果が得られる。
【0028】図7に示すように、第7実施形態であるこ
ろ軸受70は、外輪71に設けられた一対のつば71A,71A
間の凹状軌道面72と、内輪73の一端側に設けられたつば
73Aに隣り合う凹状軌道面74との間に複数配置された略
樽形状のころ75を備えている。ころ75は、転動面の中央
部が凸状の第1母線77により形成されているとともに、
転動面の両端部側が凸状の第2母線67,67により形成さ
れていて、内輪73の一端側に接続されたつば部材79によ
り凹状軌道面72,77間に保持されている。
【0029】このころ75は、第1母線77の曲率半径が凹
状軌道面72,74の母線の曲率半径に対応してごくわずか
に小さく設定されているとともに、第2母線76,76の曲
率半径が第1母線77の曲率半径よりも若干小さく設定さ
れていて、第1母線77および第2母線76,76が境界部78
で接線を共有するように形成されている。このころ軸受
70によっても、所望の効果が得られる。
【0030】図8に示すように、第8実施形態であるこ
ろ軸受80は、外輪81の凹状軌道面82と、内輪83の凹状軌
道面84との間に複数配置された略樽形状のころ85を備え
ている。ころ85は、転動面の中央部が凸状の第1母線87
により形成されているとともに、転動面の両端部側が凸
状の第2母線86,86により形成されている。
【0031】このころ85は、第1母線87の曲率半径が凹
状軌道面82,84の母線の曲率半径に対応してごくわずか
に小さく設定されているとともに、第2母線86,86の曲
率半径が第1母線87の曲率半径よりも若干小さく設定さ
れている。このころ85は、第1母線87および第2母線8
6,86が境界部88で接線を共有するように形成されてい
る。
【0032】図9に示すように、第9実施形態であるこ
ろ軸受90は、外輪91の凸状軌道面92と、内輪93の凸状軌
道面94との間に複数配置された略円柱形状のころ95を備
えている。ころ95は、転動面の中央部が凹状の第1母線
97により形成されているとともに、転動面の両端部側が
凹状の第2母線96,96により形成されている。第1母線
97の曲率半径は、凸状軌道面92,94の母線の曲率半径に
対応してごくわずかに大きく設定されている。また、第
2母線96,96の曲率半径は、第1母線97の曲率半径より
も若干大きく設定されている。このころ95は、第1母線
97および第2母線96,96が境界部98で接線を共有するよ
うに形成されている。このころ軸受90によっても、前述
したころ軸受80と同様な効果が得られる。
【0033】以上の各実施形態は、ころの転動面が第1
母線と第2母線とにより形成された形態であるが、次に
外輪及び内輪の軌道面が第1母線と第2母線とにより形
成された形態を説明する。図10に示すように、第10実施
形態であるころ軸受100 は、外輪101 の凹凸状軌道面10
2 と、内輪103 に設けられた一対のつば103A,103A間の
凹状軌道面104 との間に複数配置された略樽形状のころ
105 を備えている。凹凸状軌道面102 は、軌道面の中央
部が凹状の第1母線107Aにより形成されているととも
に、軌道面の両端部側が凸状の第2母線106A,106Aによ
り形成されている。
【0034】この凹凸状軌道面102 は、第1母線107Aの
曲率半径がころ105の転動面の曲率半径に対応してごく
わずかに大きく設定されているとともに、第2母線106
A,106Aの曲率半径が第1母線107Aの曲率半径よりも若
干大きく設定されていて、第1母線107Aおよび第2母線
106A,106Aがその境界部108で接線を共有するように形
成されている。なお、第2母線106A,106Aは第1母線10
7Aの曲率半径より大きくてもよく、小さくてもよく、軌
道面の両端部側が凸状であればよい。
【0035】また、凹状軌道面104は凹状の第1母線107
Bにより形成されているとともに、軌道面の両端部側が
凹状の第2母線106B,106Bにより形成されている。この
凹状軌道面104 は、第1母線107Bの曲率半径がころ105
の転動面の曲率半径に対応してごくわずかに大きく設定
されているとともに、第2母線106B,106Bの曲率半径が
第1母線107Bの曲率半径よりも若干大きく設定されてい
て、第1母線107Bおよび第2母線106B,106Bがその境界
部108Bで接線を共有するように形成されている。なお、
内輪103の凹状軌道面104は、外輪101の凹凸状軌道面102
と同様な凹凸状軌道面としてもよい。このころ軸受100
によっても、所望の効果が得られる。
【0036】図11に示すように、第11実施形態であるこ
ろ軸受110 は、外輪111 の凹状軌道面112 と、内輪113
に設けられた一対のつば113A ,113A間の凹状軌道面114
との間に複列配置された略樽形状のころ115 を備えてい
る。各凹状軌道面112 ,114は、軌道面の中央部が凹状の
第1母線117A ,117Bにより形成されているとともに、軌
道面の両端部側が凹状の第2母線116A 116A ,116B ,116
B により形成されている。
【0037】各凹状軌道面112 ,114は、第1母線117A ,
117Bの曲率半径がころ115の転動面の曲率半径に対応し
てごくわずかに大きく設定されているとともに、第2母
線116A ,116A ,116B ,116Bの曲率半径が第1母線117A ,
117Bの曲率半径よりも若干大きく設定されていて、第1
母線117A ,117Bおよび第2母線116A,116A ,116B ,116B
がその境界部118A ,118Bで接線を共有するように形成さ
れている。なお、内輪113の凹状軌道面114は、図10に
示す第10実施形態における外輪101の凹凸状軌道面102
と同様な凹凸状軌道面としてもよい。このころ軸受110
によっても、所望の効果が得られる。
【0038】なお、第1実施形態から第9実施形態の構
成において、ころの転動面に複数の母線による転動面を
形成する代わりに、外輪及び内輪の少なくとも一方の軌
道面に複数の母線による軌道面を形成してもよい。
【0039】次に、本発明に基づいたころ軸受につい
て、その外輪および内輪間に生じる軸線ずれの角度毎に
エッジロードの有無を解析して調査したので、従来のこ
ろ軸受の解析結果とともに表1に基づいて説明する。
【0040】
【表1】
【0041】これらの実施例1および比較例1,比較例
2は、外輪の外径を310mm ,内輪の内径を200mm ,外輪
および内輪の厚みを66mmに設定するとともに、軸方向長
さが49mmとしたころを採用した場合について、ラジアル
荷重が85kN,アキシアル荷重が42kNの状態で軸線ず
れ角度毎にエッジロードが発生するか否かを解析し、そ
の有無を○および×により評価した。
【0042】ここで、実施例1は基本的に前述した第1
実施形態に準じて構成され、各凹状軌道面の曲率半径を
500mm に設定するとともに、ころの第1母線の曲率半径
を490mm ,第2母線の曲率半径を425mm に設定してい
る。比較例1は各軌道面母線の曲率半径を500mm ,ころ
の転動面を単一の母線形状とし、曲率半径を490mm に設
定した。比較例2は各軌道面母線の曲率半径を500mm ,
ころの転動面を単一の母線形状とし、曲率半径を450mm
に設定した。表1によれば、実施例1は、ころにおける
第2母線の曲率半径が第1母線の曲率半径よりも小さく
設定され、軸線がずれてころが傾いても、ころの転動面
の端部で軌道面と接触しないため、軸線ずれの最大許容
角度が大きくなることが判る。比較例2でも、ころの転
動面の曲率半径が小さいため、同様に軸線ずれの最大許
容角度が大きくなっている。
【0043】図12ないし図14には、実施例1,比較例1
および比較例2における内輪側凹状軌道輪に対するころ
の軸方向面圧分布が示されている。図12では内輪と外輪
との軸線ずれがない状態,図13では軸線ずれが6分,図
14では軸線ずれが12分のときの面圧分布を示している。
比較例1は内輪と外輪との軸線ずれがないときには、面
圧が最も低いが、軸線がずれるとエッジ応力が発生して
いる。比較例2はころ転動面の曲率半径が小さいため、
内輪と外輪との軸線ずれが大きくてもエッジ応力が発生
していないが、軸線ずれがないとき、または小さいとき
には、ころ中央部では二次曲線的に面圧が上昇し、中央
部の面圧が他の2例よりも大きくなっている。実施例1
では、内輪と外輪との軸線ずれがないときには、比較例
1と同程度の面圧で比較例2よりも低く、軸線ずれがあ
るときでもエッジ応力が発生していないことが判る。以
上の結果から、種々の傾き条件での利用を考慮すると、
実施例1が最適であることが判る。
【0044】なお、本発明のころ軸受は、前述した各実
施形態に限定されるものでなく、凹状軌道面,外輪,内
輪,転動部材,凸状母線,凸状軌道面,凹状母線等の材
質,形状,寸法,曲率半径,形態,数,配置個所等は本
発明を達成できるものであれば任意であり、限定されな
い。
【0045】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、軌道面ところの転動面とが凸状母線形状とそれに対
応した凹状母線形状との接触となるとともに、軌道面と
ころの転動面における両端部側との間に比較的大きな間
隙が生じるように形成されているため、外輪および内輪
の軸線ずれ角度が小さい場合、あるいは軸線ずれがない
場合であっても、各軌道面および各転動部材間の面圧を
緩和できるとともに、エッジロードの発生を抑制でき、
かつ、従来に比較的して大きな軸線ずれにも対応でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態を示す要部断面図で
ある。
【図2】本発明に係る第2実施形態を示す要部断面図で
ある。
【図3】本発明に係る第3実施形態を示す要部断面図で
ある。
【図4】本発明に係る第4実施形態を示す要部断面図で
ある。
【図5】本発明に係る第5実施形態を示す要部断面図で
ある。
【図6】本発明に係る第6実施形態を示す要部断面図で
ある。
【図7】本発明に係る第7実施形態を示す要部断面図で
ある。
【図8】本発明に係る第8実施形態を示す要部断面図で
ある。
【図9】本発明に係る第9実施形態を示す要部断面図で
ある。
【図10】本発明に係る第10実施形態を示す要部断面図で
ある。
【図11】本発明に係る第11実施形態を示す要部断面図で
ある。
【図12】実施例および比較例の面圧分布を示すグラフ図
である。
【図13】実施例および比較例の面圧分布を示すグラフ図
である。
【図14】実施例および比較例の面圧分布を示すグラフ図
である。
【符号の説明】
10,20,30,40,50,60,70,80,90,100 ,110
ころ軸受 11,21,31,41,51,61,71,81,91,101 ,111
外輪 12,14,32,34,42,44,52,54,62,64,72,74,8
2,84,104 ,112 ,114凹状軌道面 13,23,33,43,53,63,73,83,93,103 内輪 22,24,92,94 凸状軌道面 102 凹凸状軌道面 15,25,35,45,55,65,75,85,95,105 ころ
(転動部材) 16,26,36,46,56,66,76,86,96,106 第2
母線 17,27,37,47,57,67,77,87,97,107 第1
母線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面に凹状軌道面が設けられた外輪
    と、外周面に凹状軌道面が設けられた内輪と、前記各凹
    状軌道面間に複数配置された略円柱形状の転動部材とを
    備え、前記各転動部材の外周面が凸状母線により形成さ
    れているころ軸受において、 前記各凹状軌道面と、前記各転動部材の外周面とのうち
    の一方における中央部が一定曲率半径を有する第1母線
    により形成されているとともに、前記中央部に隣接する
    両端部側が前記各凹状軌道面と、前記各転動部材の外周
    面とのうちの他方に対して離れるような曲率半径を有す
    る第2母線により形成されていることを特徴とするころ
    軸受。
  2. 【請求項2】 内周面に凸状軌道面が設けられた外輪
    と、外周面に凸状軌道面が設けられた内輪と、前記各凸
    状軌道面間に複数配置された略円柱形状の転動部材とを
    備え、前記各転動部材の外周面が凹状母線により形成さ
    れているころ軸受において、 前記各凸状軌道面と、前記各転動部材の外周面とのうち
    の一方における中央部が一定曲率半径を有する第1母線
    により形成されているとともに、前記中央部に隣接する
    両端部側が前記各凸状軌道面と、前記各転動部材の外周
    面とのうちの他方に対して離れるような曲率半径を有す
    る第2母線により形成されていることを特徴とするころ
    軸受。
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