JP2002097407A - 防汚塗料組成物、該組成物からなる塗膜、該塗膜で被覆された基材、および防汚方法 - Google Patents

防汚塗料組成物、該組成物からなる塗膜、該塗膜で被覆された基材、および防汚方法

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JP2002097407A JP2000289007A JP2000289007A JP2002097407A JP 2002097407 A JP2002097407 A JP 2002097407A JP 2000289007 A JP2000289007 A JP 2000289007A JP 2000289007 A JP2000289007 A JP 2000289007A JP 2002097407 A JP2002097407 A JP 2002097407A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塗膜にクラックが発生しにくく、塗膜付着性が
良好で塗膜剥離が起きにくく、特にエポキシ樹脂塗料と
の付着性が良好で、塗膜の加水分解速度が良好に制御さ
れ、防汚性能(防汚活性)あるいは防汚性のうち特に長
期防汚性に優れた防汚塗膜を形成しうる防汚塗料を得る
ことが可能な防汚塗料組成物を提供する。 【解決手段】(a)重合性不飽和カルボン酸シリルエステ
ルから誘導される成分単位と、(b)重合性不飽和カルボ
ン酸のエポキシ基またはオキセタン基含有アルコールエ
ステルから誘導される成分単位と、(c)上記(a)成分単位
以外の他の重合性不飽和単量体単位とから構成されるシ
リルエステル共重合体(A)を含有する防汚塗料組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、シリルエステル共重合体
を含有する防汚塗料組成物、この防汚塗料組成物から形
成されている防汚塗膜、該防汚塗料組成物を用いた防汚
方法および該塗膜で被覆された船体または水中構造物に
関する。さらに詳しくは、塗膜にクラックが発生しにく
く、塗膜付着性が良好で塗膜剥離が起きにくく、特にエ
ポキシ樹脂塗料との付着性が良好で塗膜の加水分解速度
が良好に制御され、防汚性能(防汚活性)あるいは防汚
性のうち、特に長期防汚性に優れた防汚塗膜が得られる
防汚塗料を製造しうる防汚塗料組成物、この防汚塗料組
成物から形成されている防汚塗膜、該防汚塗料組成物を
用いた防汚方法および該塗膜で被覆された船体または水
中構造物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】船底、水中構造物、漁網などは、
水中に長期間さらされることにより、その表面に、カ
キ、イガイ、フジツボ等の動物類、ノリ(海苔)等の植
物類、あるいはバクテリア類などの各種水棲生物が付着
・繁殖すると、外観が損ねられ、その機能が害されるこ
とがある。
【0003】特に船底にこのような水棲生物が付着・繁
殖すると、船全体の表面粗度が増加し、船速の低下、燃
費の拡大などを招くことがある。また、このような水棲
生物を船底から取り除くには、多大な労力、作業時間が
必要となる。また、バクテリア類が水中構造物などに付
着・繁殖し、さらにそこにスライム(ヘドロ状物)が付
着して腐敗を生じたり、さらに大型の付着生物が鉄鋼構
造物などのような水中構造物の表面に付着・繁殖してそ
の水中構造物の腐食防止用の塗膜などを損傷すると、そ
の水中構造物の強度や機能が低下し寿命が著しく低下す
る等の被害が生ずる虞がある。
【0004】従来では、このような被害を防止すべく、
船底などには防汚性に優れた防汚塗料として、たとえ
ば、トリブチル錫メタクリレートとメチルメタクリレー
ト等との共重合体と、亜酸化銅(Cu2O)とを含有す
るものが塗布されていた。この防 汚塗料中の該共重合
体は、海水中で加水分解されてビストリブチル錫オキサ
イド(トリブチル錫エーテル,Bu3Sn-O-SnB
3:Buはブチル基)あるいはトリブチル錫ハロゲン
化物(Bu3SnX:Xはハロゲン原子)等の有機錫化
合物を放出して防汚効果を発揮するとともに、加水分解
された共重合体自身も水溶性化して海水中に溶解してい
く「加水分解性自己研磨型塗料」であるため、船底塗装
表面は、樹脂残渣が残らず、常に活性な表面を保つこと
ができる。
【0005】しかしながら、このような有機錫化合物
は、毒性が強く、海洋汚染、奇形魚類や奇形貝類の発
生、食物連鎖による生態系への悪影響などが懸念され、
これに代わり得るような錫を含有しない防汚塗料の開発
が求められている。このような錫を含有しない防汚塗料
としては、たとえば、特開平4-26417 0号公
報、特開平4-264169号公報、特開平4-26
4168号公報に記載のシリルエステル系防汚塗料が挙
げられる。しかしながら、これらの防汚塗料には、特
開平6-157941号公報、特開平6-157940
号公報などにも教示されているように、防汚性に劣り、
クラック、剥離が生ずるとの問題点がある。
【0006】また、特開平2-196869号公報に
は、トリメチルシリルメタクリレート、エチルメタクリ
レートおよびメトキシエチルアクリレートをアゾ系重合
開始剤の存在下に共重合してなり、トリメチルシリル基
によりブロックされたカルボン酸基を含有するブロック
された酸官能性コポリマー(A)と、多価カチオンの化
合物(B)とを含有する防汚塗料が教示されている。し
かしながら、この防汚塗料から得られる塗膜は、耐クラ
ック性が充分満足しうるものではないという問題点があ
る。
【0007】特表昭60-500452号および特開
昭63-215780号公報には、(メタ)アクリル酸
のトリアルキルシリルエステルなどのオルガノシリル基
を有するビニル系単量体などを他のビニル系単量体と共
重合させてなり、数平均分子量が3000〜40000
の防汚塗料用樹脂が記載され、さらにオルトギ酸トリメ
チル等の有機系水結合剤、酸化第一銅等の防汚剤、ベン
ガラ等の顔料などを配合し得る旨記載されているが、上
記特開平6-157940号公報にも記載されている
ように、この防汚塗料用樹脂は、貯蔵中にゲル化しやす
く、この防汚塗料から形成される塗膜は、耐クラック
性、耐剥離性に劣るとの問題点がある。
【0008】また上記特表昭60-500452号に
対応する特公平5-32433号公報には、毒物(a)と、
式([−CH2-CX(COOR)−(B)−]:XはHまた
はCH3であり、RはSiR'3又はSi(OR')3でR'は
アルキル基などを示し、Bはエチレン性不飽和単量体残
基を示す)で表される反復単位を有し、特定の加水分解
速度などを有する重合体結合材(b)とからなる防汚塗
料が開示され、さらに溶剤、水感受性顔料成分、不活性
顔料、充填剤、遅延剤を含有し得る旨記載されている
が、この公報記載の防汚塗料から得られる塗膜は、耐ク
ラック性に劣るとの問題点がある。
【0009】特開平7-18216号公報には、(A)分
子内に、式(I):-COO-SiR1 23(R1〜R3は炭
素数1〜18のアルキル基などを示す)で表されるトリ
有機珪素エステル基を有する有機珪素含有単量体Aの重
合体と、(B)銅または銅化合物とを主成分とする塗料組
成物において、上記の(A),(B)成分以外の必須成分
として、(C)式:
【0010】
【化2】
【0011】((C)中、R4〜R6は水素原子、炭素数
1〜18のアルコキシ基、シクロアルコキシ基、などを
示し、R7は炭素数1〜18のアルキル基などを示し、
nは1〜3の整数を示す)で表されるアルコキシ基含有
珪素化合物を含有した塗料組成物が開示されている。ま
た、該公報には、上記式(I)で表される基を有する単
量体Aと共重合可能なビニル系単量体Bとの共重合体A
Bが含まれていてもよい旨記載され、単量体Bとして、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の
(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられている。
【0012】ところで鋼船を代表とする海洋鉄鋼構造物
は没水部の腐食の防止のため一般に重防食塗料と呼ばれ
る防食性に優れた塗料が塗装される。この重防食塗料に
用いる樹脂成物としては防食性に優れたエポキシ樹脂が
汎用され、通常アミン系硬化剤を用いた2液型塗料とし
て使用されている鉄鋼構造物の没水部に防汚塗料組成物
を適用する場合、このようにエポキシ樹脂塗料の塗膜上
に直接塗装すると付着性が充分でなくビニル系等のバイ
ダーコートなどを用いて付着性を確保する方法が一般的
である。エポキシ樹脂塗料と防汚塗料組成物の付着性が
良好であると、上記のようなバインダーコートは不要と
なり、塗料品種の低減、塗装回数の低減という優れた効
果が発現される。
【0013】しかしながら、前記した公報に記載の塗料
組成物から得られる塗膜は、エポキシ樹脂塗料との付着
性や長期防汚性の点で充分ではなかった。なお、特開
平7-102193号公報には、式:X−SiR123
(但し、式中R1〜R3はいずれもアルキル基、アリール
基の中から選ばれた基であって、互いに同一の基であっ
ても異なる基であってもよい。Xはアクリロイルオキシ
基、メタクリロイルオキシ基、マレイノイルオキシ基ま
たはフマロイルオキシ基である。)で表される単量体A
と、 式:Y−(CH2CH2O)n−R4(但し、R4はアルキル
基またはアリール基であり、Yはアクリロイルオキシ基
またはメタクリロイルオキシ基であり、nは1〜25の
整数である。)で表される単量体Bとを含む単量体混合
物の共重合体と、防汚剤とを必須成分として含有する塗
料組成物が開示されている。さらに、該防汚剤として
は、無機化合物として亜酸化銅、銅粉等の銅化合物、硫
酸亜鉛、酸化亜鉛等が挙げられ、金属を含む有機化合物
としてオキシン銅等の有機銅系化合物;有機ニッケル系
化合物;ジンクピリチオン等の有機亜鉛系化合物;が挙
げられている。しかしながら、該公報には、グリシジル
(メタ)アクリレート等を用いた有機シリルエステル基含
有重合体は何ら示されていない上に、該公報に記載の塗
料ではエポキシ樹脂塗料との付着性や長期防汚性の点で
充分ではなかった。
【0014】(10)特開平8-199095号公報には、
上記特開平7-102193号公報に記載の式(1):
X−SiR123で表される単量体Aと、 式(2):Y−(CH(R4))−(OR5)(但しR4はアル
キル基、R5はアルキル基またはシクロアルキル基であ
る。Yはアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ
基、マレイノイルオキシ基またはフマロイルオキシ基で
ある。)で表される単量体Bと、必要によりこれらA、
Bと共重合可能なビニル系単量体Cとを含む単量体混合
物の共重合体と、防汚剤とを必須成分として含有する塗
料組成物が開示されている。このビニル系単量体Cとし
ては、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、
スチレン、酢酸ビニル等が挙げられている。さらに、該
防汚剤としては、無機化合物として亜酸化銅、銅粉等の
銅化合物、硫酸亜鉛、酸化亜鉛等が挙げられ、金属を含
む有機化合物としてオキシン銅等の有機銅系化合物;有
機ニッケル系化合物;ジンクピリチオン等の有機亜鉛系
化合物;が挙げられている。
【0015】しかしながら、該公報には、グリシジル
(メタ)アクリレート等を用いた有機シリルエステル基
含有重合体は何ら示されていない上に、該公報に記載の
塗料ではエポキシ樹脂塗料との付着性や長期防汚性の点
で充分ではなかった。 (11)特開平8-269388号公報には、式(1):X
−SiR123(但し、式中R1〜R3はいずれも炭素数
1〜20の炭化水素基であって、互いに同一の基であっ
ても異なる基であってもよい。Xはアクリロイルオキシ
基、メタクリロイルオキシ基、マレイノイルオキシ基、
フマロイルオキシ基またはイタコノイルオキシ基であ
る。)で表される単量体Aと、式(2):Y−(CH2
2O)n−R4(但しR4はアルキル基またはアリール基
であり、Yはアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオ
キシ基、マレイノイルオキシ基、フマロイルオキシ基ま
たはイタコノイルオキシ基であり、nは1〜25の整数
である。)で表される単量体Bとを含む単量体混合物の
共重合体と、ビス(2−ピリジンチオール−1−オキシ
ド)銅塩(:銅ピリチオン)とを、必須成分として含有
する塗料組成物が開示されている。さらに、上記単量体
Aとして、ジメチル−t−ブチルシリルアクリレート等
が挙げられ、上記防汚剤としては、無機化合物として亜
酸化銅、銅粉等の銅化合物、硫酸亜鉛、酸化亜鉛等が挙
げられ、金属を含む有機化合物としてオキシン銅等の有
機銅系化合物;有機ニッケル系化合物;ジンクピリチオ
ン・等の有機亜鉛系化合物;が挙げられている。また、
添加可能な溶解速度調整剤としてロジン、ロジン誘導体
などが挙げられている。
【0016】しかしながら、該公報には、グリシジル
(メタ)アクリレート等を用いた有機シリルエステル基
含有重合体は何ら示されていない上に、該公報に記載の
塗料ではエポキシ樹脂塗料との付着性や長期防汚性の点
で充分ではなかった。 (12)特開平8-269389号公報には、トリオルガノ
シリル基を有する不飽和単量体Aと、下記式(2)〜
(9)の何れかで表される単量体Bとを含む単量体混合
物の共重合体と、防汚剤とを含有する塗料組成物が開示
されている。
【0017】各単量体Bは、それぞれ下記の通りであ
る。 式(2)CH2=CR4COOR5−NR67(R4 は、
HまたはCH3を示し、R5はアルキレン基を示し、
6、R7は、アルキル基であって、互いに同一でも異な
っていてもよい。)で示される三級アミノ基含有単量
体、 式(3)CH2=CR8COOR9−NR101112
(Y)(R8はHまたはCH 3を示し、R9はアルキレン
基を示し、R10〜R12は、アルキル基であって、互いに
同一でも異なっていてもよく、Yはハロゲン原子を示
す。)で示される四級アンモニウム塩含有単量体、 式(4)CH2=CH−Z(ZはN含有複素環からなる基
を示す。)で示される窒素含有複素環を含む単量体、 式(5)CH2=CR13COO(R14O)m(R15O)n(R16
O)o−R17 (R13は、H、CH3を示し、R14はエチレ
ン基を示し、R15は炭素数3のアルキレン基を示し、R
16は炭素数4のアルキレン基を示し、R17はアルキル
基、アリール基を示す。m、n、oは0以上の整数で
n、oは同時に0でない。)で示される分子内にアルコ
キシ基またはアリーロキシアルキレングリコール基を有
する単量体、 式(6)CH2=CR18CONR1920(R18は、H、C
3を示し、R19、R2 0は、アルキル基であり互いに同
一でも異なっていてもよい。)で示される(メタ)アク
リル酸アミド、 式(7)CH2=CR21CON()Q(R21は、H、CH
3を示し、N()Qは、N含有基で、QにO、N、S等
を含有してもよい。)で示される窒素含有環状炭化水素
基を含む(メタ)アクリル酸アミド、 式(8)CH2=CR23COOCH2−T(R23は、H、
CH3を示し、Tは、フラン環、テトラヒドロフラン環
を示す。)で示されるフラン環含有(メタ)アクリル酸
系エステル、 式(9)CH2=CH−CN。
【0018】また、上記単量体A、Bと共重合可能な任
意成分として、アクリル酸、アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル等種々の共重合性モノマー
が挙げられている。またその実施例には、トリn−ブチ
ルシリルアクリレート(TBSA)とジエチルアミノエチルメ
タクリレート(DEAEMA)とメチルメタクリレート(MMA)と
からなる共重合体や、トリn−ブチルシリルアクリレー
ト(TBSA)とN,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)とメ
チルメタクリレート(MMA)とからなる共重合体等が示さ
れている。しかしながら、該公報には、グリシジル(メ
タ)アクリレート等を用いた有機シリルエステル基含有
重合体は何ら示されていない上に、該公報に記載の塗料
ではエポキシ樹脂塗料との付着性や長期防汚性の点で充
分ではなかった。
【0019】また、該組成物に配合可能な成分として、
上記特開平8-269388号公報に記載の防汚剤と同
様の防汚剤が挙げられている。 (13) 特開平8-269390号公報には、式(1):
X−SiR123(但し、式中R1〜R3は何れもアル
キル基、アリール基の中から選ばれた基であって、互い
に同一の基であっても異なる基であってもよい。Xはア
クリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、マレイ
ノイルオキシ基、フマロイルオキシ基またはイタコノイ
ルオキシ基である。)で表される単量体Aを用いた重合
体と、 式(2):Y−(CH2CH2O)n−R4(但しR4はアル
キル基またはアリール基であり、Yはアクリロイルオキ
シ基、メタクリロイルオキシ基、マレイノイルオキシ
基、フマロイルオキシ基またはイタコノイルオキシ基で
あり、nは1〜25の整数である。)で表される単量体
Bを用いた重合体と、防汚剤とを含む塗料組成物が開示
されている。上記防汚剤としては、上記特開平8-26
9388号公報に記載の防汚剤と同様の防汚剤が挙げら
れている。また、添加可能な成分としてロジン等の樹
脂、沈降防止剤などが挙げられている。
【0020】(14)特開平8-277372号公報には、
前記(11):特開平8-269388号公報に記載の式
(1):X−SiR123で表される単量体Aと、同
じく同公報に記載の式(2):Y−(CH2CH2O)n
4で表される単量体Bとを含む単量体混合物の共重合
体と、トリフェニルボロンピリジン錯体とを含有し、樹
脂成分および海棲生物付着阻害剤が金属を含まない重合
体および金属を含まない有機系阻害剤のみで構成された
塗料組成物が開示されている。また、添加可能な溶解速
度調整剤としてロジン、ロジン誘導体などが挙げられて
いる。
【0021】(15)特開平10-30071号公報には、
(A)ロジン、ロジン誘導体またはロジン金属塩からなる
ロジン系化合物の1種または2種以上と、(B)式
(1):X−SiR123(但し、式中R1〜R3は何れ
もアルキル基、アリール基の中から選ばれた基であっ
て、互いに同一の基であっても異なる基であってもよ
い。Xはアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ
基、マレイノイルオキシ基、フマロイルオキシ基、イタ
コノイルオキシ基、シトラコノイルオキシ基である。)
で表される単量体Mの1種または2種以の重合体、およ
び/または、該単量体Mの1種または2種以上とそれ以
外の重合性単量体の1種または2種以上との重合体から
なる有機シリルエステル基含有重合体と、(C)防汚剤と
を含む塗料組成物が開示されている。また、単量体Mと
共重合可能な任意成分としての他の単量体として、アク
リル酸、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプ
ロピル等が挙げられている。しかしながら、該公報に
は、グリシジル(メタ)アクリレート等を用いた有機シ
リルエステル基含有重合体は何ら示されていない上に、
該公報に記載の塗料ではエポキシ樹脂塗料との付着性や
長期防汚性の点で充分ではなかった。
【0022】なお、上記防汚剤としては、上記特開平8
-269388号公報に記載の防汚剤と同様の防汚剤が
挙げられている。また、添加可能な成分として、顔料、
塩素化パラフィン、沈降防止剤などが挙げられている。
しかしながらこれら〜(15)には、グリシジル(メタ)ア
クリレート等を用いた有機シリルエステル基含有重合体
は何ら示されておらず、また、これら公報に記載の塗料
組成物では、エポキシ樹脂塗料との付着性や長期防汚性
の点で充分ではなかった。
【0023】さらに、(16)特公平5−82865号公報
には、共重合可能な任意成分として、2−ヒドロキシエ
チルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト等が挙げられている。また(17)特開平9−48947
号公報、(18)特開平9−48948号公報、(19)特開平
9−48949号公報、(20)特開平9−48950号公
報、(21)特開平9−48951号公報、(22)特公平5−
32433号公報、(23)USP4,593,055、(2
4)特開平2−1968669号公報、(25)WO91/1
4743には、シリル(メタ)アクリレート系共重合体
が記載されている。
【0024】しかしながら、これら公報(16)〜(25)
には、グリシジル(メタ)アクリレート等を用いた有機
シリルエステル基含有共重合体は何ら示されておらず、
また、これら公報に記載の塗料組成物では、エポキシ樹
脂塗料との付着性や長期防汚性の点で充分ではなかっ
た。また、これら公報(16)〜(25)に記載の共重合体
を用いた防汚塗料では、得られる塗膜は、耐クラック
性、耐剥離性(塗膜付着性)、防汚性能あるいは防汚性
のうち特に長期防汚性や自己研磨性などのバランスの点
でさらなる改良の余地があった。
【0025】また、(26)特開昭63−215780号公
報には、共重合成分としてメチルメタクリレート、n−
ブチルメタクリレート、アクリルアミド等を用いた共重
合体が示され、該共重合体と亜酸化銅とを配合した防汚
塗料が示されているが、上記公報に記載の防汚塗料など
と同様の問題点があった。
【0026】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、塗膜にクラッ
クが発生しにくく、塗膜付着性が良好で塗膜剥離が起き
にくく、特にエポキシ樹脂塗料との付着性が良好で、塗
膜の加水分解速度が良好に制御され、防汚性能(防汚活
性)あるいは防汚性のうち特に長期防汚性に優れた防汚
塗膜を形成しうる防汚塗料を得ることが可能な防汚塗料
組成物を提供することを目的としている。
【0027】さらに本発明は、このような防汚塗料組成
物から形成されている防汚塗膜、該防汚塗料組成物を用
いた防汚方法および該塗膜で被覆された船体または水中
構造物を提供することを目的としている。
【0028】
【発明の概要】本発明に係る防汚塗料組成物は、(a)重
合性不飽和カルボン酸シリルエステルから誘導される成
分単位と、(b)重合性不飽和カルボン酸のエポキシ基ま
たはオキセタン基含有アルコールエステルから誘導され
る成分単位と、(c)上記(a)成分単位以外の他の重合性不
飽和単量体単位とから構成されるシリルエステル共重合
体(A)を含有している。
【0029】前記重合性不飽和カルボン酸シリルエステ
ルから誘導される成分単位(a)は、下記式(I)で表さ
れるシリル(メタ)アクリレートから誘導される成分単位
を含有していることが望ましい。
【0030】
【化3】
【0031】(式(I)中、R1は、水素またはメチル
基を示し、R2、R3、R4は、互いに同一でも異なって
いてもよく、それぞれ水素原子、アルキル基、シクロア
ルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基の何れ
かを示す。) 前記式(I)中、R2が分岐アルキル基またはシクロア
ルキル基であることが好ましい。
【0032】重合性不飽和カルボン酸のエポキシ基また
はオキセタン基含有アルコールエステルから誘導される
成分単位(b)は、グリシジル(メタ)アクリレート、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリ
レートまたは3−(メタ)アクリロキシメチル−3−エ
チルオキセタンから誘導される成分単位であることが好
ましい。
【0033】本発明に係る防汚塗料組成物は、さらに防
汚剤(B)を含有していることが好ましい。本発明に係
る防汚塗料組成物は、さらに、酸化亜鉛(C)を含有し
ていることが好ましい。本発明に係る防汚塗料組成物
は、さらに、無機脱水剤(D)を含有していることが好
ましい。
【0034】本発明に係る防汚塗料組成物は、さらに溶
出促進成分(E)を含有していることが好ましい。本発
明に係る防汚塗膜は、前記記載の防汚塗料組成物から形
成されてなることを特徴としている。本発明に係る船体
または水中構造物の防汚方法は、上記記載の防汚塗料組
成物を用いることを特徴としている。
【0035】本発明に係る船体または水中構造物は、上
記記載の防汚塗料組成物からなる塗膜にて船体または水
中構造物の表面が被覆されていることを特徴としてい
る。本発明によれば、塗膜にクラックが発生しにくく、
塗膜付着性が良好で塗膜剥離が起きにくく、特にエポキ
シ樹脂塗料との付着性が良好で塗膜の加水分解速度が良
好に制御され、防汚性能(防汚活性)あるいは防汚性の
うち特に長期防汚性に優れ、しかもこれら特性にバラン
スよく優れた防汚塗膜を得ることが可能な防汚塗料組成
物が提供される。
【0036】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る防汚塗料組成
物について具体的に説明する。本発明に係る防汚塗料組
成物は、(a)重合性不飽和カルボン酸シリルエステルか
ら誘導される成分単位と、(b)重合性不飽和カルボン酸
のエポキシ基またはオキセタン基含有アルコールエステ
ルから誘導される成分単位と、(c)上記(a)成分単位以外
の他の重合性不飽和単量体単位とから構成されるシリル
エステル共重合体(A)を含有している。
【0037】[シリルエステル共重合体(A)]まず、
このシリルエステル共重合体(A)を構成する各成分単
位(a)、(b)、(c)について説明する。(a)重合性不飽和カルボン酸シリルエステルから誘導さ
れる成分単位 重合性不飽和カルボン酸シリルエステルとしては、たと
えば、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和モノカル
ボン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコ
二塩基酸などのα,β-不飽和ジカルボン酸のシリルエス
テル、α,β-不飽和ジカルボン酸のハーフエステル構造
である不飽和モノカルボン酸のシリルエステルが挙げら
れる。
【0038】このような重合性不飽和カルボン酸シリル
エステルから誘導される成分単位としては、下記式
(I)で表されるシリル(メタ)アクリレート成分単位が
好ましい。
【0039】
【化4】
【0040】式(I)中、R1は、水素原子またはメチル
基を示し、R2、R3、R4は、互いに同一でも異なって
いてもよく、それぞれアルキル基、シクロアルキル基、
置換基を有していてもよいフェニル基の何れかを示し、
上記アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜18、さら
に好ましくは1〜6であり、シクロアルキル基の炭素数
は、好ましくは3〜10、さらに好ましくは3〜8であ
る。また、上記フェニル基中の水素原子と置換可能な置
換基としては、アルキル、アリール、ハロゲンなどが挙
げられる。
【0041】このようなシリル(メタ)アクリレート成
分単位を誘導しうるシリル(メタ)アクリレートは、下
記式(I-a)で表される。 式(I-a):
【0042】
【化5】
【0043】式(I-a)中、R1は、上記式(I)中のR1
と同様のものであって、水素原子またはメチル基を示
し、R2、R3、R4も上記式(I)中のR2、R3、R4
同様のものであって、互いに同一でも異なっていてもよ
く、それぞれ上記と同様のアルキル基、シクロアルキル
基、置換基を有していてもよいフェニル基の何れかを示
す。
【0044】このようなシリル(メタ)アクリレート
(I-a)としては、具体的には、たとえば、(メタ)ア
クリル酸トリメチルシリルエステル、(メタ)アクリル
酸トリエチルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリ
プロピルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリイソ
プロピルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリブチ
ルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリsec−ブ
チルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリiso−
ブチルシリルエステル等のようにR2、R3およびR4
同一のシリル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル
酸ジsec−ブチル−メチルシリルエステル、(メタ)
アクリル酸sec−ブチル−ジメチルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸ジメチルプロピルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸モノメチルジプロピルシリルエステ
ル、(メタ)アクリル酸メチルエチルプロピルシリルエ
ステル等のようにR2、R3およびR4のうちの1部また
は全部が互いに異なったシリル(メタ)アクリレートな
どが挙げられる。以上のシリル(メタ)アクリレートは
組み合わせて用いることができる。
【0045】このようなシリル(メタ)アクリレートの
内では、R2、R3およびR4が、それぞれ独立にメチル
基、エチル基、n−、iso−プロピル基、sec−,
tert−,iso−ブチル基等の炭素数が1〜18程
度のアルキル基であるものが好ましく、さらにはR2
分岐アルキル基またはシクロアルキルであるものが好ま
しい。R3およびR4は、R2と同一であっても異なって
いてもよい。さらには、R42、R3およびR4の総炭素
数が5〜21程度のものが好ましい。このようなシリル
(メタ)アクリレートのうちでは、特にシリル(メタ)
アクリレート共重合体合成の容易性、あるいはこのよう
なシリル(メタ)アクリレート共重合体を用いてなる防
汚塗料組成物の造膜性、貯蔵安定性、研掃性の制御のし
やすさなどを考慮すると、(メタ)アクリル酸トリis
o−プロピルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリ
iso−ブチルシリルエステル、(メタ)アクリル酸ジ
sec−ブチル−メチルシリルエステル、(メタ)アク
リル酸sec−ブチル−ジメチルシリルエステル、(メ
タ)アクリル酸トリsec−ブチルシリルエステルが最
も好ましく用いられる。
【0046】(b)重合性不飽和カルボン酸のエポキシ基
またはオキセタン基含有アルコールエステルから誘導さ
れる成分単位 重合性不飽和カルボン酸のエポキシ基またはオキセタン
基含有アルコールエステルから誘導される成分単位とし
ては、下記式(II-1)または(II-2):
【0047】
【化6】
【0048】[式(II-1)および(II-2)中、R3は、H
またはCH3を示し、R4は、エーテル結合を有していて
もよい炭素数1〜10のアルキレン基を示し、W1は、
【0049】
【化7】
【0050】(式中、複数のR5は、互いに同一でも異
なっていてもよく、Hまたは炭素数1〜5のアルキル基
を示し、隣接する炭素原子に結合するR5同士は他の炭
素原子、たとえば、エポキシ基を構成する炭素原子など
とともに互いに結合してシクロヘキシル環などの環構
造、特に脂環構造を形成していてもよい。)を示す。]
で表される。W2はW1と同じものまたは炭素数1〜10
のアルキル基を示す。
【0051】このような重合性不飽和カルボン酸のエポ
キシ基またはオキセタン基含有アルコールエステルから
誘導される成分単位は、下記不飽和カルボン酸のエポキ
シ基またはオキセタン基含有エステル(II-1a)または(II
-2a)から誘導される。
【0052】
【化8】
【0053】[式(II-1a)および(II-2a)中、R3
4、W1およびW2は前記式(II-1)および(II-2)と同様
である。] このような不飽和カルボン酸のエポキシ基またはオキセ
タン基含有エステル(II-1a)または(II-2a)として、より
具体的には、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和モ
ノカルボン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シ
トラコ二塩基酸などα,β-不飽和ジカルボン酸のエポキ
シ基またはオキセタン基含有アルコールエステル、およ
び前記α,β−不飽和ジカルボン酸のハーフエステル構
造である不飽和モノカルボン酸のエポキシ基またはオキ
セタン基含有アルコールエステルが挙げられる。
【0054】エポキシ基含有アルコールとしては、グリ
シジルアルコール、3,4−エポキシシクロヘキシルメ
タノールなどが挙げられ、オキセタン基含有アルコール
としては、オキセタンアルコール、3−エチル−3−ヒ
ドロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキ
シメチルオキセタンなどが挙げられる。このような重合
性不飽和カルボン酸のエポキシ基またはオキセタン基含
有アルコールエステルのうち、特に、下記式で表される
(メタ)アクリレート系単量体が望ましい。
【0055】
【化9】
【0056】上記式中、R3、R4およびR5は前記式(II
-1)および(II-2)と同様である。このような(メタ)ア
クリレート系単量体としては、
【0057】
【化10】
【0058】などが挙げられる。これらの化合物を使用
することで防食塗膜であるエポキシ樹脂塗料との付着性
が向上する。その理由としては、エポキシ樹脂塗料に用
いられるアミン系硬化剤とこれらの成分とに反応性があ
るためと思慮される。本発明においては、このような
(メタ)アクリレート系単量体は1種または2種以上組
み合わせて用いることができる。このような(メタ)ア
クリレート系単量体のうちでは、特にシリルエステル共
重合体合成の容易性、あるいはこのようなシリルエステ
ル共重合体を用いてなる防汚塗料組成物の造膜性、貯蔵
安定性、研掃性の制御のしやすさなどを考慮すると、グ
リシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシク
ロヘキシルメチル(メタ)アクリレートまたは3−(メ
タ)アクリロキシメチル−3−エチルオキセタンが最も
好ましく用いられる。
【0059】不飽和単量体成分単位(c) 不飽和単量体成分単位(c)は、上記成分単位(a)および上
記成分単位(b)とともに本発明のシリルエステル共重合
体を構成しており、しかも上記成分単位(a)、(b)の何れ
とも異なる成分単位である。このような不飽和単量体成
分単位(c)を誘導しうる不飽和単量体(c-1)としては、具
体的には、たとえば、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸オクチル等
の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、ビニルト
ルエン、α−メチルスチレン等のスチレン類;酢酸ビニ
ル、安息香酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル
等のビニルエステル類;クロトン酸エステル類、イタコ
ン酸エステル類、フマル酸エステル類、マレイン酸エス
テル類等が挙げられ、これらのうちでは、(メタ)アク
リル酸エステル類、スチレン類、ビニルエステル類が適
度の塗膜強度を有する防汚塗膜が得られるため好まし
い。
【0060】また、不飽和単量体成分単位(c)として、
下記式(III)で表されるアクリル系不飽和単量体成分単
位(c-2)が含まれていてもよい。
【0061】
【化11】
【0062】式(III)中、R5は、水素原子またはメチ
ル基を示し、Zは、酸素原子または−NR7を示す。Z
が酸素原子である場合には、R6は置換基を有していて
もよいヒドロキシアルキル基、ヒドロキシシクロアルキ
ル基または式:
【0063】
【化12】
【0064】で表されるポリアルキレングリコール基ま
たはアルコキシポリアルキレングリコール(但し、R8
は、アルキレン基であり、nは、2〜50の整数、o
は、1〜100の整数、R9はアルキル基を示す。)を
示す。上記式(III)中のヒドロキシアルキル基の炭素
数は、好ましくは1〜18、さらに好ましくは2〜9で
あり、また上記ヒドロキシシクロアルキル基の炭素数
は、好ましくは3〜10、さらに好ましくは3〜8であ
り、上記アルキレン基R 8の炭素数は、1〜8、好まし
くは2〜4であり、上記アルキル基R9の炭素数は1〜
18、好ましくは1〜8である。ヒドロキシアルキル基
またはヒドロキシシクロアルキル基の置換基は、好まし
くは塩素などのハロゲン原子、フェニル基、ヒドロキシ
基である。
【0065】また、Zが−NR7である場合には、R
7は、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、置換アミ
ノ基、アシル基、アルコキシ基の何れかで置換されてい
てもよい上記と同様の炭素数のアルキル基を示し、R6
は水素原子を示す。このような不飽和単量体成分単位(c
-2)を誘導しうる不飽和単量体は、下記式(III-a)で
表される。
【0066】式(III-a):
【0067】
【化13】
【0068】式(III-a)中、R5は、上記式(III)中
のR5と同様のものであって、水素原子またはメチル基
を示し、Zは、上記式(III)中のZと同様のものであ
って、酸素原子または−NR7を示す。Zが酸素原子で
ある場合には、R6は置換基を有していてもよいヒドロ
キシアルキル基、ヒドロキシシクロアルキル基または
式:
【0069】
【化14】
【0070】で表されるポリアルキレングリコール基ま
たはアルコキシポリアルキレングリコール(但し、R8
は、アルキレン基であり、nは、2〜50の整数、o
は、1〜100の整数、R9はアルキル基を示す。)を
示す。上記式[III-a]中のヒドロキシアルキル基の炭素
数は、好ましくは1〜18、さらに好ましくは2〜9で
あり、また上記ヒドロキシシクロアルキル基の炭素数
は、好ましくは3〜10、さらに好ましくは3〜8であ
り、上記アルキレン基R 8の炭素数は、好ましくは1〜
8、さらに好ましくは2〜4であり、上記アルキル基R
9の炭素数は1〜18,好ましくは1〜8である。
【0071】また、Zが−NR7である場合には、R
7は、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、置換アミ
ノ基、アシル基、アルコキシ基の何れかで置換されてい
てもよいアルキル基を示し、R6は水素原子を示す。こ
のような不飽和単量体(III-a)としては、具体的に
は、たとえば、式(III-a)中、Zが酸素原子であるも
のとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルアクリ
レート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒド
ロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタ
クリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、
1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(n=
2)、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(n
=4)、ポリエチレングリコールモノメタクリレート
(n=5)、ポリエチレングリコールモノメタクリレー
ト(n=8)、ポリエチレングリコールモノメタクリレ
ート(n=10)、ポリエチレングリコールモノメタク
リレート(n=15)、ポリプロピレングリコールモノ
メタクリレート(n=5)、ポリプロピレングリコール
モノメタクリレート(n=9)、ポリプロピレングリコ
ールモノメタクリレート(n=12)、2−メトキシエ
チルアクリレート、3−ブトキシプロピルメタクリレー
ト、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレー
ト(n=35)等が挙げられる。
【0072】また、上記式(III-a)中、Zが−NR7
あるものとしては、具体的には、たとえば、N−メチロ
ールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミ
ド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N,N−ジメ
チルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチル
アミノプロピルメタクリルアミド、ジアセトンアクリル
アミド等が挙げられる。
【0073】これらの不飽和単量体(III-a)のうちで
は、ヒドロキシル基含有モノマーおよびZが−NR7
あるモノマーが好ましく、ヒドロキシル基含有モノマー
のうちでは2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−
ヒドロキシブチルメタクリレートなど、Zが−NR7
あるモノマーのなかでもN−エトキシメチルアクリルア
ミドなどを用いると、適度の溶出性を有する防汚塗膜が
得られるため好ましい。
【0074】以上の不飽和単量体は、1種または2種以
上組み合わせて用いられる。本発明に係るシリルエステ
ル共重合体中に、上記重合性不飽和カルボン酸シリルエ
ステル成分単位(a)は、20〜80重量%、好ましくは
30〜70重量%の量で、重合性不飽和カルボン酸のエ
ポキシ基またはオキセタン基含有アルコールエステル成
分単位(b)は0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜
20重量%の量で、その他の不飽和単量体成分単位(c)
は0.5〜70重量%、好ましくは5〜60重量%
((a)+(b)+(c)=100重量%)の量で含まれている
ことが、塗膜強度と消耗性の点で望ましい。
【0075】またこのようなシリルエステル共重合体
(A)のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(G
PC)で測定した重量平均分子量は、20万以下、好ま
しくは5000〜10万であることが、該シリルエステ
ル共重合体(A)を配合した防汚塗料調製の容易性、得
られた防汚塗料の塗装作業性、防汚塗膜の消耗速度、耐
クラック性などの点で望ましい。
【0076】シリルエステル共重合体(A)の製造 このようなシリル(メタ)アクリレート共重合体(A)
を得るには、前記した重合性不飽和カルボン酸シリルエ
ステル単量体20〜80重量%、好ましくは30〜70
重量%と、重合性不飽和カルボン酸のエポキシ基または
オキセタン基含有アルコールエステル0.1〜30重量
%、好ましくは0.5〜20重量%と、前記これらの単
量体と共重合しうる他の不飽和単量体0〜70重量%
(但し、これらの合計100重量%)をラジカル重合開
始剤の存在下に、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁
重合等の各種方法にてランダム重合させればよい。
【0077】ラジカル重合開始剤としては、従来より公
知のアゾ化合物、過酸化物などを広く用いることがで
き、アゾ化合物としては、具体的には、たとえば、2,2'
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2-メ
チルブチロニトリル)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチル
バレロニトリル)等が挙げられ、過酸化物としては、た
とえば、過酸化ベンゾイル、tert−ブチルパーオキシア
セテート、tert−ブチルパーオキシオクテート、クメン
ハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイ
ド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチ
ルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチル
ハイドロパーオキサイド、過硫酸塩(カリ塩、アンモニ
ウム塩)等が挙げられる。
【0078】上記重合物を防汚塗料に用いる場合には、
上記各種重合法のうちでは、有機溶剤中で重合が行われ
る溶液重合法や塊状重合法が好ましく、溶液重合の際用
いられる有機溶剤としては、キシレン、トルエン等の芳
香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水
素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;イソプ
ロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール
類;ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類;メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン
類;等が挙げられる。これらの溶剤は、1種または2種
以上組み合わせて用いられる。
【0079】防汚塗料組成物 本発明に係る防汚塗料組成物は、上記したシリルエステ
ル共重合体(A)を塗膜形成成分として、含有してい
る。このようなシリルエステル共重合体(A)は、本発
明に係る防汚塗料組成物(後述する各種添加剤、溶剤を
含む)中に、2〜30重量%、好ましくは5〜20重量
%の量で含まれていることが望ましい。
【0080】このような本発明に係る防汚塗料組成物に
は、さらに、各種添加剤を含有している。このシリルエ
ステル共重合体が含有された防汚塗料組成物によれば、
塗膜にクラックが発生しにくく、塗膜付着性が良好で塗
膜剥離が起きにくく、塗膜の加水分解速度が良好に制御
され、防汚性能あるいは防汚性のうち特に長期防汚性に
優れた防汚塗膜が得られる。
【0081】本発明に係る防汚塗料組成物(P)は、上
記シリルエステル共重合体(A)を必須成分として含有
しているが、このシリルエステル共重合体(A)以外
に、防汚剤(B)、酸化亜鉛(亜鉛華)(C)、無機脱
水剤(D)、タレ止め・沈降防止剤、ロジン等の溶出促
進成分、塩素化パラフィン等の可塑剤、着色顔料、体質
顔料などの各種顔料、アクリル樹脂、ポリアルキルビニ
ルエーテル(ビニルエーテル系(共)重合体)などの各
種樹脂、消泡剤、色別れ防止剤、レベリング剤などの各
種添加剤などのような成分を含有していてもよい。
【0082】以下に、このようなシリルエステル共重合
体(A)以外の成分および各種添加剤について説明す
る。 [防汚剤(B)]防汚剤(B)としては、無機系、有機
系の何れであってもよく、従来より公知のものを広く用
いることができるが、本発明においては、銅および/ま
たは銅化合物(B−1)、金属ピリチオン類(B−2)
等の有機防汚剤が好ましい。
【0083】本発明に係る防汚塗料組成物に含有させる
銅および/または銅化合物(B−1)(ピリチオン類を
除く。以下同様。)について説明すると、上記銅および
/または銅化合物としては、その分子量が通常63.5
〜2000、好ましくは63.5〜1000のものが用
いられる。このような銅化合物(B−1)としては、有
機系、無機系の銅化合物の何れであってもよく、このう
ち無機系の銅化合物としては、たとえば、亜酸化銅、チ
オシアン酸銅(チオシアン酸第一銅、ロダン銅)、塩基
性硫酸銅、塩化銅、酸化銅等が挙げられ、有機系の銅化
合物としては、たとえば、塩基性酢酸銅、オキシン銅、
ノニルフェノールスルホン酸銅、カツパービス(エチレ
ンジアミン)−ビス(ドデシルベンゼンスルホネー
ト)、ナフテン酸銅、ロジン酸銅、ビス(ペンタクロロ
フェノール酸)銅などが挙げられ、好ましくは無機系の
亜酸化銅、チオシアン化銅(ロダン銅)が用いられる。
【0084】このような銅化合物は、銅に代えて、ある
いは銅とともに1種または2種以上組み合わせて用いる
ことができる。このような銅および/または銅化合物
は、本発明の防汚塗料組成物中に、合計で通常、1〜7
0重量%、好ましくは3〜65重量%の量で含まれてい
ることが望ましい。また防汚塗料組成物中に含まれるシ
リルエステル共重合体(A)100重量部に対して、該
銅および/または銅化合物(B−1)は、合計で通常、
3〜1400重量部、好ましくは10〜1300重量部
の量で含まれていることが望ましい。
【0085】この銅および/または銅化合物が、該防汚
塗料組成物中にこの範囲で含まれていると、防汚性に優
れた防汚塗膜を形成することができる。本発明において
は、防汚剤として、上記銅および/または銅化合物(B
-1)とともに、あるいは上記銅および/または銅化合物
に代えて、有機防汚剤を用いることができる。有機防汚
剤としては、たとえば、金属ピリチオン類(B−2)を
用いることができる。金属ピリチオン類としては、ナト
リウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、アルミ
ニウム、銅、亜鉛、鉄、鉛などの金属ピリチオン類を例
示できる。上記金属ピリチオン類のうちでは、銅ピリチ
オン、ジンクピリチオンが好ましく、とくに銅ピリチオ
ンが好ましい。
【0086】このようなピリチオン系化合物(B−2)
は、本発明の防汚塗料組成物中に、合計で通常、0.1
〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量%の量で含
まれていることが望ましい。また防汚塗料組成物中に含
まれるシリルエステル共重合体(A)100重量部に対
して、該ピリチオン系化合物(B−2)は、合計で通
常、0.3〜300重量部、好ましくは2〜200重量
部の量で含まれていることが望ましい。
【0087】本発明においては、このピリチオン系化合
物(B−2)とともに、あるいはこのピリチオン系化合
物に代えて下記の防汚剤(他の防汚剤)を含有していて
もよく、このような他の防汚剤としては、従来より公知
の各種防汚剤を用いることができ、具体的には、たとえ
ば、テトラメチルチウラムジサルファイド、カーバメー
ト系の化合物(例:ジンクジメチルジチオカーバメー
ト、マンガン-2-エチレンビスジチオカーバメート)、
2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、
N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素、2−メチルチ
オ−4−tert−ブチルアミノ−6−シクロプロピル
アミノ-s-トリアジン、4,5−ジクロロ-2-n-オクチ
ル-4−イソチアゾリン−3−オン、2,4,6−トリク
ロロフェニルマレイミド、ピリジン-トリフェニルボラ
ン、アミン−トリフェニルボラン等を挙げることができ
る。
【0088】本発明においては、このような防汚剤をジ
ンクピリチオン(上記式(IV)で、R1〜R4=H、M=
Zn、n=2のものに相当)、銅ピリチオン(上記式
(IV)で、R1〜R4=H、M=Cu、n=2のものに相
当)等のピリチオン系化合物(金属ピリチオン類)とと
もに、1種または2種以上組み合わせて用いることがで
きる。たとえば、銅ピリチオンおよび/またはジンクピ
リチオンと、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4
−イソチアゾリン−3−オンとを組み合わせて用いるこ
とができる。
【0089】また、この防汚塗料組成物中に含まれる銅
および/または銅化合物(B−1)、ピリチオン系化合
物(B−2)などの各種防汚剤の合計含有量は、防汚塗
料組成物調製時に用いられる防汚剤、被膜形成性共重合
体などの種類あるいはこのような防汚塗料組成物が塗布
形成される船舶等の種類(船舶では、外航−内航用、各
種海水域用、木造−鋼鉄船用等)などにもより一概に決
定されないが、上記シリルエステル共重合体(A)10
0重量部に対して、防汚剤総量として通常10〜140
0重量部の量で、好ましくは20〜1300重量部の量
で含有されていることが望ましい。
【0090】この防汚剤総量が10重量部未満では、防
汚性に劣ることがあり、また1400重量部を超えると
それ以上の防汚性は期待できない上に、耐クラック性に
劣ることがある。たとえば、防汚塗料組成物の防汚剤と
してジンクピリチオンと亜酸化銅(Cu 2O)とを組み
合わせて用いる場合、ジンクピリチオンは、シリル(メ
タ)アクリレート共重合体100重量部に対して2〜2
00重量部の量で、また、この亜酸化銅は、上記シリル
エステル共重合体100重量部に対して通常10〜13
00重量部程度の量で防汚塗料組成物中に含有されてい
てもよい。このようにジンクピリチオンと亜酸化銅とを
含有していても、この防汚塗料組成物は、前述したよう
な従来例に係る防汚塗料と異なり貯蔵安定性に優れ、貯
蔵中に増粘・ゲル化しない。
【0091】また、たとえば、防汚塗料組成物の防汚剤
として銅ピリチオンと亜酸化銅(Cu2O)とを組み合
わせて用いる場合、銅ピリチオンは、シリルエステル共
重合体(A)100重量部に対して2〜200重量部の
量で、また、この亜酸化銅は、シリルエステル共重合体
(A)100重量部に対して通常10〜1300重量部
程度の量で防汚塗料組成物中に含有されていてもよい。
【0092】[酸化亜鉛(亜鉛華)(C)]本発明に係
る防汚塗料組成物には、酸化亜鉛(亜鉛華)(C)が含
有されていてもよい。このように酸化亜鉛が配合された
防汚塗料組成物では、得られる塗膜強度が向上し、塗膜
の研掃性を効果的に制御できる。このような酸化亜鉛
(C)は、シリルエステル共重合体(A)100重量部
に対して1.5〜1200重量部の量で、好ましくは4
〜600重量部の量で防汚塗料組成物中に含有されてい
ることが望ましい。
【0093】また、このような酸化亜鉛は、消耗度調
整、塗膜硬度調整の観点から、この防汚塗料組成物中
に、通常、0.5〜35重量%、好ましくは1〜25重
量%の量で含まれていることが望ましい。 [無機脱水剤(D)]本発明に係る防汚塗料組成物に
は、無機系あるいは有機系の脱水剤、好ましくは無機系
の脱水剤(無機脱水剤(D))が配合されていてもよ
い。このように脱水剤が配合された防汚塗料組成物で
は、貯蔵安定性を一層向上させることができる。
【0094】脱水剤としては、具体的には、たとえば、
無水石膏(CaSO4)、合成ゼオライト系吸着剤(商
品名:モレキュラーシーブ等)、オルソギ酸メチル、オ
ルソ酢酸メチル等のオルソエステル類、オルソほう酸エ
ステル、シリケート類やイソシアネート類(商品名:ア
ディティブT1)等が挙げられ、特に無機脱水剤(D)
としては、無水石膏、モレキュラーシーブが好ましく用
いられる。このような無機脱水剤は、1種または2種以
上組み合わせて用いることができる。
【0095】このような脱水剤、特に無機脱水剤は、上
記シリルエステル共重合体(A)100重量部に対し
て、通常、0.02〜100重量部、好ましくは0.2
〜50重量部の量で配合することが好ましい。また、こ
のような無機脱水剤は、この防汚塗料組成物中に、合計
で通常、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜8
重量%の量で含まれていることが望ましい。このような
量で無機脱水剤が防汚塗料組成物中に含まれていると、
貯蔵安定性が向上する傾向がある。
【0096】[溶出促進成分(E)]本発明に係る防汚塗
料組成物には、溶出促進成分(E)が含まれていてもよ
く、たとえば、ロジン、ロジン誘導体、有機カルボン酸
および有機カルボン酸金属塩などが挙げられる。ロジン
には、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジンなど
があるが、本発明ではいずれをも使用することができ
る。ロジン誘導体としては、たとえば、不均化ロジン、
低融点不均化ロジン、水添ロジン、重合ロジン、マレイ
ン化ロジン、アルデヒド変性ロジン、ロジンのポリオキ
シアルキレンエステル、還元ロジン(ロジンアルコー
ル)、ロジンの金属塩(ロジンの銅塩、亜鉛塩、マグネ
シウム塩など)、ロジンアミン等が挙げられる。これら
のロジンおよびその誘導体は、1種または2種以上組み
合わせて用いることができる。
【0097】有機カルボン酸としては、たとえば、炭素
数5〜30程度の脂肪酸、合成脂肪酸、ナフテン酸が挙
げられる。有機カルボン酸の金属塩としては、Cu塩、
Zn塩、Mg塩、Ca塩等が挙げられる。これらの溶出
促進成分のうちでは、ロジンまたはその誘導体が好まし
い。これらの溶出促進成分は、1種または2種以上組み
合わせて用いることができる。
【0098】これらの溶出促進成分が含まれている場合
は、溶出促進成分は、防汚塗料組成物中に、0.1〜3
0重量%、好ましくは、0.1〜20重量%、さらに好
ましくは0.5〜15重量%の割合で含有されているこ
とが望ましい。溶出促進成分の配合割合は、塗膜の防汚
性能および耐水性能の観点からこの範囲にあることが望
ましい。また防汚塗料組成物中に含まれるシリルエステ
ル共重合体(A)100重量部に対して、該溶出促進成分
(E)は、合計で通常、0.3〜600重量部、好ましく
は2〜300重量部の量で含まれていることが望まし
い。
【0099】この溶出促進成分が、該防汚塗料組成物中
にこの範囲にあると、防汚性や塗膜の消耗性に優れるよ
うになる傾向がある。 [ビニルエーテル系(共)重合体(F)]ビニルエーテル
系(共)重合体は、ビニルエーテル成分単位を有し、得
られる塗膜の耐クラック性、耐剥離性、溶出速度安定性
等の向上に寄与し、塗膜形成成分としても機能する。
【0100】上記ビニルエーテル系(共)重合体として
具体的には、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエ
チルエーテル、ポリビニルイソプロピルエーテル、ポリ
ビニルイソブチルエーテルなどを例示することができ
る。このようなビニルエーテル系(共)重合体(F)が含
まれている場合、防汚塗料組成物中に、合計で通常、
0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜5重量%の割
合で含まれていることが望ましい。また防汚塗料組成物
中に含まれるシリルエステル共重合体(A)100重量部
に対して、該ビニルエーテル系(共)重合体は、通常、
0.3〜(200)重量部、好ましくは0.6〜(15
0)重量部の量で含まれていることが望ましい。
【0101】このビニルエーテル系(共)重合体が、該
防汚塗料組成物中にこの範囲にあると、得られる塗膜の
耐クラック性、耐剥離性、溶出速度安定性に優れるよう
になる傾向がある。また、ビニルエーテル系(共)重合
体に代えて、あるいはビニルエーテル系(共)重合体と
ともに、各種の親水性基含有重合体を使用することがで
きる。このような親水性基含有重合体としては、(メト
キシ)ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト(共)重合体のような各種(アルコキシ)ポリアルキ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート(共)重合体
などが挙げられ、これらの使用によって、ビニルエーテ
ル系(共)重合体と同様の効果を得ることが可能であ
る。
【0102】[可塑剤(G)]可塑剤としては、正リン酸
エステル、塩素化パラフィン、フタル酸エステル、アジ
ピン酸エステル等、通常、塗料用に用いられる可塑剤が
使用される。これらの可塑剤は、1種または2種以上組
み合わせて用いることができる。このような可塑剤を配
合する場合には、可塑剤は、この防汚塗料組成物中に、
たとえば、0.1〜10重量%の量で配合される。
【0103】これらの可塑剤は、得られる防汚塗料組成
物からなる塗膜(本明細書中では、「防汚塗膜」とも言
う)の耐クラック性の向上に寄与するが、これら可塑剤
のうちで、塩素化パラフィンまたはトリクレジルフォス
フェート(TCP)などの正リン酸エステルが好ましく
用いられる。この塩素化パラフィンとしては、直鎖状で
もよく分岐を有していていてもよく、室温で液状でも固
体(粉体)でもよい。
【0104】このような塩素化パラフィンとしては、東
ソー(株)製の「トヨパラックス150」、「トヨパラッ
クスA-70」などが挙げられる。本発明においては、この
ような塩素含有率、炭素数などの異なる2種以上の塩素
化パラフィンを適宜組み合わせて用いることができる。 (G)可塑剤として、このような塩素化パラフィンを用い
る場合は、防汚塗料組成物中に、通常、0.05〜20
重量%、好ましくは0.1〜15重量%の割合で含まれ
ていることが望ましい。また防汚塗料組成物中に含まれ
るシリルエステル共重合体(A)100重量部に対して、
該塩素化パラフィンは、1〜50重量部、好ましくは2
〜40重量部の量で含まれていることが望ましい。ま
た、この塩素化パラフィンの量がこの範囲にあると、塗
膜のクラックの抑制効果、塗膜強度および耐ダメージ
(衝撃)に優れるようになる。
【0105】また、(G)可塑剤として、正リン酸エステ
ルを用いる場合、防汚塗料組成物中に、通常、0.05
〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%の割合で
含まれていることが望ましい。また防汚塗料組成物中に
含まれるシリルエステル共重合体(A)100重量部に対
して、正リン酸エステルは、1〜50重量部、好ましく
は2〜40重量部の量で含まれていることが望ましい。
【0106】このように可塑剤(G)として正リン酸エス
テルが含まれていると、割れ、剥がれの少ない塗膜が形
成でき、また塗膜の消耗度を速めることができる。 <その他の成分>本発明に係る防汚塗料組成物は、上記
成分以外に、タレ止め・沈降防止剤、着色顔料、体質顔
料などの各種顔料、溶剤、上記ビニルエーテル系(共)
重合体を除くアクリル樹脂などの各種樹脂、消泡剤、色
別れ防止剤、レベリング剤などの各種添加剤など、さら
には下記のような成分を含有していてもよい。
【0107】[タレ止め・沈降防止剤]タレ止め・沈降
防止剤としては、従来より公知のものが任意量で配合さ
れていてもよい。このようなタレ止め・沈降防止剤とし
ては、Al、Ca、Znのステアレート塩、レシチン
塩、アルキルスルホン酸塩などの塩類、ポリエチレンワ
ックス、水添ヒマシ油ワックス系、ポリアマイドワック
ス系および両者の混合物、合成微粉シリカ、酸化ポリエ
チレン系ワックス等が挙げられ、好ましくは水添ヒマシ
油ワックス、ポリアマイドワックス、合成微粉シリカ、
酸化ポリエチレン系ワックスが用いられる。このような
タレ止め・沈降防止剤としては、楠本化成(株)製の
「ディスパロンA-603-20X」、「ディスパロン4200-20」
等の商品名で上市されているものが挙げられる。
【0108】[顔料、溶剤]顔料としては、従来公知の
有機系、無機系の各種顔料(例:チタン白、ベンガラ、
有機赤色顔料、タルクなど)を用いることができる。な
お、染料等の各種着色剤も含まれていてもよい。顔料の
形態として針状、扁平状、鱗片状のものを使用すること
により塗膜の耐クラック性を一層向上させることが可能
である。
【0109】溶剤としては、たとえば、脂肪族系、芳香
族系(例:キシレン、トルエン等)、ケトン系、エステ
ル系、エーテル系など通常、防汚塗料に配合されるよう
な各種溶剤が用いられる。また、本発明に係る防汚塗料
組成物中に含まれる溶剤には、上記シリルエステル共重
合体を調製する際に使用した溶媒が含まれていてもよ
い。
【0110】[各種樹脂]各種樹脂としては、アクリル
樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ゴム樹脂、石油
樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリスチ
レン系樹脂などが挙げられる。 [防汚塗料組成物の製造]本発明に係る防汚塗料組成物
は、従来より公知の方法を適宜利用することにより製造
することができ、たとえば、上記シリルエステル共重合
体(A)と、防汚剤(B)、酸化亜鉛(亜鉛華)(C)、
無機脱水剤(D)、タレ止め・沈降防止剤、ロジン等の
溶出促進成分、塩素化パラフィン等の可塑剤、着色顔
料、体質顔料などの各種顔料、溶剤、アクリル樹脂、ポ
リアルキルビニルエーテル(ビニルエーテル系(共)重
合体)などの各種添加剤を一度にあるいは任意の順序で
加えて撹拌・混合・分散等すればよい。
【0111】この防汚塗料組成物は、一液性で貯蔵安定
性に優れ、防汚塗料の付着性、耐久性、防汚性といった
各種要求性能を満足するものである。上記のような防汚
塗料組成物を水中・水上構造物すなわち海洋構造物
(例:原子力発電所の給排水口)、湾岸道路、海底トン
ネル、港湾設備、運河・水路等のような各種海洋土木工
事の汚泥拡散防止膜、船舶、漁具(例:ロープ、漁網)
などの各種成形体(基材)の表面に常法に従って1回〜
複数回塗布・硬化させれば、耐クラック性、防汚性に優
れた防汚塗膜被覆船体または海洋構造物などが得られ
る。なお、この防汚塗料組成物は、直接上記船体または
海洋構造物等の表面に塗布してもよく、また予め防錆
剤、プライマーなどの下地材が塗布された船体または海
洋構造物等の表面に塗布してもよい。さらには、既に従
来の防汚塗料による塗装が行われ、あるいは本発明の防
汚塗料組成物による塗装が行われている船体、海洋構造
物等の表面に、補修用として本発明の防汚塗料組成物を
上塗りしてもよい。このようにして船体、海洋構造物等
の表面に形成された防汚塗膜の厚さは特に限定されない
が、たとえば、30〜150μm/回程度である。防汚
塗膜の硬化は通常、乾燥して、溶剤を揮散することによ
って行われる。
【0112】
【発明の効果】本発明によれば、得られた塗膜にクラッ
クが発生しにくく、塗膜付着性が良好で塗膜剥離が起き
にくく、特にエポキシ樹脂塗料との付着性が良好で塗膜
の加水分解速度が良好に制御され、防汚性特に長期防汚
性に優れ、しかもこれら特性にバランスよく優れた防汚
塗料組成物が得られる。
【0113】また本発明によれば、このような優れた特
性を有する塗膜および該塗膜で被覆され、上記特性を有
する船体または水中構造物が提供される。また本発明に
よれば、このような防汚塗料組成物を用いた、環境汚染
の恐れの極めて少ない防汚方法が提供される。
【0114】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら制限
されるものではない。なお、以下の実施例、比較例にお
いて、「部」は「重量部」の意味である。
【0115】
【製造実施例1】シリル(メタ)アクリレート共重合体
(KE−1)の製造 撹拌機、コンデンサー、温度計、滴下装置、窒素導入
管、加熱・冷却ジャケットを備えた反応容器にキシレン
100部を仕込み窒素を吹き込みながら85℃の温度条
件に加熱撹拌を行った。
【0116】85℃を保持しながら、滴下装置より、上
記反応容器内にトリイソプロピルシリルアクリレート6
0部、メチルメタクリレート35部、グリシジルメタク
リレート5部および重合開始剤の2,2’−アゾビスイ
ソブチロニトリル1部の混合物を2時間かけて滴下し
た。その後同温度(85℃)で4時間撹拌を行った後、
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部を加え
更に同温度で4時間撹拌を行い、無色透明のシリル(メ
タ)アクリレート共重合体(KE−1)溶液を得た。
【0117】得られた共重合体(KE−1)溶液の加熱
残分(105℃の熱風乾燥機中3時間乾燥後の加熱残
分)は50.3重量%であり、25℃における粘度は1
84cpsであり、GPCにより測定した数平均分子量
(Mn)は4560であり、重量平均分子量(Mw)は
17749であった。共重合体(KE−1)のGPCク
ロマトグラムを図1に、IRスペクトルのチャートを図
2に示す。
【0118】GPCおよびIRの測定条件は以下の通り
である。 [GPC測定条件] 装 置:東ソー社製 HLC−8120GPC カラム:東ソー社製 Super H2000+H40
00 6mm I.D.,15cm 溶離液:THF(テトラヒドロフラン) 流 速:0.500ml/min 検出器:RI カラム恒温槽温度:40℃ [IR測定条件] 装 置:日立製作所製 270−30形 日立赤外分光
光度計 測定方法:KBrセル、塗布法
【0119】
【製造実施例2】共重合体(KE−2)〜(KE−
8)、(H−1)および(H−2)の製造 前記共重合体(KE−1)の製造において、滴下成分の
混合物の組成を表1に示すように変えた以外は、上記と
同様にしてシリルエステル共重合体(KE−2)〜(K
E−8)、(H−1)および(H−2)を得た。得られ
た共重合体について、上記製造実施例1と同様に物性値
を測定した。
【0120】結果を合わせて表1に示す。また、共重合
体(KE−2)のGPCクロマトグラムを図3に、IR
スペクトルのチャートを図4に、共重合体(KE−3)
のGPCクロマトグラムを図5に、IRスペクトルのチ
ャートを図6に示す。
【0121】
【表1】
【0122】
【実施例1】防汚塗料組成物の調製 表2に示す配合組成の防汚塗料を常法に従って調製し
た。すなわち、上記共重合体(KE−1)含有液[固形
分50.3重量%]を26重量部、亜酸化銅43重量
部、銅ピリチオン3重量部、チタン白1.8重量部、ベ
ンガラ0.2重量部、タレ止め防止剤「ディスパロン42
00-20」1.5重量部、「ディスパロンA603-20X」4重
量部、溶剤(キシレン)13.5重量部を混合し、ガラ
スビーズをメディアとしたペイントシェーカーに仕込
み、2時間振とうした後、100メッシュのフィルター
にてロ過して、所望の防汚塗料組成物を得た。
【0123】該防汚塗料組成物について常温で2ヶ月間
貯蔵後の貯蔵安定性を表2に合わせて示す。貯蔵安定性 貯蔵安定性の評価は塗料試作直後と常温2ヶ月間貯蔵後
の粘度(ストーマー粘度計により測定した25℃におけ
るKu値)の増加度により、以下の基準で評価した。 (評価基準) 5:粘度の増加が10未満 4:粘度の増加が10以上20未満 3:粘度の増加が20以上30未満 2:粘度の増加が30以上 1:流動性がなくKu値の測定が不可防汚塗膜性能 また、該防汚塗料組成物を用いて防汚塗膜を形成し、防
汚性、消耗度、塗膜状態、エポキシ樹脂塗料(塗膜)と
の付着性を下記のようにして行った。
【0124】評価結果を合わせて表2に示す。 [防汚性の評価]広島湾の海水中に設置した回転ドラム
の側面に取付け可能なように曲げ加工が施された70×
200×3mmのサンドブラスト鋼板を用意した。この
サンドブラスト鋼板に、エポキシ系ジンクリッチプライ
マーを乾燥膜厚が20μmとなるように塗装し、翌日よ
りバンノ−500AC(中国塗料(株)製、エポキシ樹
脂系防食塗料/アミン硬化型2液塗料)を、プライマー
塗膜表面に、1回の塗装によって形成される乾燥膜厚が
100μmとなるように、1日毎に2回(2日)順次重
ねて塗装した。次いで、上記調製した防汚塗料組成物を
その乾燥膜厚が200μmとなるように塗装・乾燥して
防汚塗膜を形成し、試験板を得た。
【0125】回転ドラムにこの試験板を取り付けて周速
10ノット、50%稼動条件(夜間12時間稼動、昼間
12時間停止の交互運転)にて30ヶ月間防汚性試験を
行い防汚性の評価を行った。防汚性の評価については目
視で行い以下の規準を用いた。 (評価基準) 5:塗膜表面に生物の付着を認めない 4:生物の付着面積が5%未満 3:生物の付着面積が20%未満 2:生物の付着面積が50%未満 1:生物の付着面積が50%以上 [消耗性の評価]塗膜の消耗性の評価は、下記のような
条件で行った。
【0126】直径300mmで厚さ3mmの円盤状サン
ドブラスト鋼板にエポキシ系ジンクリッチプライマー、
エポキシ系防食塗料、ビニル系バインダーコートをそれ
ぞれの乾燥膜厚が20μm、150μm、50μmとな
るよう1日毎に順次重ねて塗装した後、7日間室内で乾
燥した。その後、隙間500μmのアプリケーターを用
い供試防汚塗料組成物を円心から半径方向に放射状に塗
装し、試験板を得た。
【0127】25℃の海水を入れた恒温槽中でモーター
にこの試験板を取り付け、周速15ノットで12ヶ月間
回転し、円周付近の消耗度(膜厚減少)を測定した。ま
た、膜厚減少測定時の塗膜状態を目視で観察し、以下の
規準にて評価を行った。 (評価基準) 5:塗膜に異常を認めない 4:部分的に微細なワレを認める 3:全体的に微細なワレを認める 2:部分的に顕著なワレを認める 1:全体的に顕著なワレを認める [エポキシ樹脂塗料(塗膜)との付着性]また、下記の
ような条件で付着性(エポキシ樹脂塗料(塗膜)との付
着性)の評価を行った。
【0128】70×150×2.3mmのサンドブラス
ト鋼板に、エポキシ系ジンクリッチプライマーを乾燥膜
厚が20μmとなるように塗装し、翌日よりバンノ−5
00AC(中国塗料(株)製、エポキシ樹脂系防食塗料
/アミン硬化型2液塗料)を、プライマー塗膜表面に、
1回の塗装によって形成される乾燥膜厚が100μmと
なるように、1日毎に2回(2日)順次重ねて塗装し、
室温で1日乾燥後南向き45℃の角度に設置したバクロ
台に取り付け1ヶ月間の間、屋外暴露した。
【0129】その後バクロ面に、前記調製した防汚塗料
組成物を、1回の乾燥膜厚が100μmとなるよう1日
毎に2回順次重ねて塗装し(すなわち100μm×2
回)、7日間室内で乾燥後広島湾内に設置した筏より水
深1mの場所に12ヶ月間浸漬した。試験板を引き上げ
水洗、乾燥後2mm×25個のゴバン目試験を行い付着
性の評価を行った。付着性の評価はバンノ−500AC
と供試防汚塗料塗膜の層間ではがれず残存するゴバン目
の個数により行った。
【0130】なお、表2中の成分名称等は以下の通りで
ある。 「トヨパラックス150」東ソー(株)製の塩素化パ
ラフィン 平均炭素数:14.5、塩素含有量:50%、粘度:1
2ポイズ/25℃、比重:1.25/25℃ 「ルトナールA−25」BASF社製のポリビニルエ
チルエーテル 粘度2.5〜6.0Pa・s/23℃、比重:0.96
/20℃ 「ロジン溶液」WWロジンの50%キシレン溶液 「ナフテン酸銅溶液」ナフテン酸銅のキシレン溶液 溶液中の銅含有率:8% 「可溶性無水石膏D−1」(株)ノリタケカンパニー
リミテッド製 IIICaSO4、白色粉末、平均粒径15μm 「ディスパロン4200-20」楠本化成(株)製 酸化ポリエチレンワックス 20%キシレンペースト 「ディスパロンA603-20X」楠本化成(株)製 脂肪酸アマイドワックス 20%キシレンペースト
【0131】
【実施例2〜10】防汚塗料組成物の調製 実施例1において、使用するシリルエステル共重合体と
して、(KE−1)〜(KE−8)のいずれかを使用
し、かつ防汚塗料組成物の配合を表2に示すようにして
以外は、実施例1と同様にして、防汚塗料組成物を調製
した。
【0132】得られた防汚塗料組成物について、実施例
1と同様にして貯蔵安定性および防汚塗膜の防汚性、消
耗度、塗膜状態、エポキシ樹脂塗料(塗膜)との付着性
を評価した。結果を表2に合わせて示す。
【0133】
【比較例1〜3】防汚塗料組成物の調製 実施例1において、使用するシリルエステル共重合体と
して、(H−1)〜(H−3)のいずれかを使用し、か
つ防汚塗料組成物の配合を表2に示すようにして以外
は、実施例1と同様にして、防汚塗料組成物を調製し
た。
【0134】得られた防汚塗料組成物について、実施例
1と同様にして貯蔵安定性および防汚塗膜の防汚性、消
耗度、塗膜状態、エポキシ樹脂塗料(塗膜)との付着性
を評価した。結果を表2に合わせて示す。
【0135】
【表2】
【0136】表2から明らかなように、実施例1〜10
のように、重合性不飽和カルボン酸のエポキシ基または
オキセタン基含有アルコールエステルから誘導される成
分単位を含むシリルエステル共重合体を含む防汚塗料組
成物は、貯蔵安定性が高く、防汚塗膜を形成したとき
に、長期防汚性に優れ、塗膜の加水分解速度が良好に制
御されているとともに、エポキシ樹脂塗料との付着性が
良好である。
【0137】これに対し、比較例1〜3のように、重合
性不飽和カルボン酸のエポキシ基またはオキセタン基含
有アルコールエステルから誘導される成分単位を含んで
いないシリルエステル共重合体を含む防汚塗料組成物
は、防汚塗膜を形成したときに、エポキシ樹脂塗料との
付着性が不充分であり、また加水分解速度と防汚性能と
のバランスが悪く、長期防汚性および被膜の消耗性が不
充分である。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造実施例1で製造したシリルエステル共重合
体(KE−1)のGPCクロマトグラムを示す。
【図2】製造実施例1で製造したシリルエステル共重合
体(KE−1)のIRスペクトルのチャートを示す。
【図3】製造実施例2で製造したシリルエステル共重合
体(KE−2)のGPCクロマトグラムを示す。
【図4】製造実施例2で製造したシリルエステル共重合
体(KE−2)のIRスペクトルのチャートを示す。
【図5】製造実施例2で製造したシリルエステル共重合
体(KE−3)のGPCクロマトグラムを示す。
【図6】製造実施例2で製造したシリルエステル共重合
体(KE−3)のIRスペクトルのチャートを示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01N 59/16 A01N 59/16 Z C09D 5/16 C09D 5/16 143/04 143/04 163/00 163/00 // B63B 59/04 B63B 59/04 Z (72)発明者 坪 井 誠 広島県大竹市明治新開1番地の7 中国塗 料株式会社内 Fターム(参考) 2B106 AA21 HA16 4H011 AA02 AD01 BA01 BB09 BB10 BB18 BC01 BC06 BC18 BC19 DA15 DH02 DH03 DH07 DH13 4J038 BA232 CC021 CC071 CC081 CF011 CF021 CG061 CG071 CG141 CH031 CH041 CL001 GA02 GA07 GA09 GA15 HA106 HA166 HA376 JA35 JA43 JA55 JC32 JC38 MA07 NA05 PB02 PB05 PB07 PC10

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)重合性不飽和カルボン酸シリルエステ
    ルから誘導される成分単位と、 (b)重合性不飽和カルボン酸のエポキシ基またはオキセ
    タン基含有アルコールエステルから誘導される成分単位
    と、 (c)上記(a)成分単位以外の他の重合性不飽和単量体単位
    とから構成されるシリルエステル共重合体(A)を含有
    する防汚塗料組成物。
  2. 【請求項2】重合性不飽和カルボン酸シリルエステルか
    ら誘導される成分単位(a)が、下記式(I)で表される
    シリル(メタ)アクリレートから誘導される成分単位を含
    有することを特徴とする請求項1に記載の防汚塗料組成
    物。 【化1】 (式(I)中、R1は、水素またはメチル基を示し、
    2、R3、R4は、互いに同一でも異なっていてもよ
    く、それぞれ水素原子、アルキル基、シクロアルキル
    基、置換基を有していてもよいフェニル基の何れかを示
    す。)
  3. 【請求項3】前記式(I)中、R2が分岐アルキル基ま
    たはシクロアルキルであることを特徴とする請求項2に
    記載の防汚塗料組成物。
  4. 【請求項4】重合性不飽和カルボン酸のエポキシ基また
    はオキセタン基含有アルコールエステルから誘導される
    成分単位(b)が、グリシジル(メタ)アクリレート、
    3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリ
    レートまたは3−(メタ)アクリロキシメチル−3−エ
    チルオキセタンから誘導される成分単位であることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防汚塗料組成
    物。
  5. 【請求項5】さらに防汚剤(B)を含有することを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかに記載の防汚塗料組成
    物。
  6. 【請求項6】さらに、酸化亜鉛(C)を含有することを
    特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の防汚塗料組
    成物。
  7. 【請求項7】さらに、無機脱水剤(D)を含有すること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の防汚塗料
    組成物。
  8. 【請求項8】さらに、溶出促進成分(E)を含有するこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の防汚塗
    料組成物。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載の防汚塗料
    組成物から形成されてなることを特徴とする防汚塗膜。
  10. 【請求項10】請求項1〜8のいずれかに記載の防汚塗
    料組成物から形成された防汚塗膜で表面を被覆された船
    舶、水中構造物または漁具・漁網。
  11. 【請求項11】船舶、水中構造物または漁具・漁網の基
    材表面に、請求項1〜8のいずれかに記載の防汚塗料組
    成物を塗布し硬化させて、得られた塗膜で、上記基材表
    面を被覆する船舶、水中構造物または漁具・漁網の防汚
    方法。
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