JP2002097233A - ラジカル重合性樹脂乾燥性付与剤、ラジカル重合性樹脂組成物及びラジカル重合性樹脂組成物硬化物 - Google Patents

ラジカル重合性樹脂乾燥性付与剤、ラジカル重合性樹脂組成物及びラジカル重合性樹脂組成物硬化物

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JP2002097233A
JP2002097233A JP2000287629A JP2000287629A JP2002097233A JP 2002097233 A JP2002097233 A JP 2002097233A JP 2000287629 A JP2000287629 A JP 2000287629A JP 2000287629 A JP2000287629 A JP 2000287629A JP 2002097233 A JP2002097233 A JP 2002097233A
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polymerizable resin
resin composition
weight
radically polymerizable
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JP2000287629A
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English (en)
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Kiichiro Tominaga
喜一郎 富永
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラジカル重合性樹脂組成物の硬化時に、ワッ
クス類の膜を表面に速やかに形成して乾燥性を向上させ
ることができるうえ、温度条件や硬化物の厚みによる影
響が少なくて、低温時、高温時や薄膜形成時でも表面に
不具合を生じることなく優れた乾燥性を付与することが
でき、しかも、ワックス類の結晶が析出することによる
硬化物の機械強度の低下を抑制することができるラジカ
ル重合性樹脂乾燥性付与剤と、ラジカル重合性樹脂組成
物及びその硬化物であるラジカル重合性樹脂組成物硬化
物を提供する。 【解決手段】 ワックス類及び沸点90℃以下の炭化水
素溶剤を必須成分として含むラジカル重合性樹脂乾燥性
付与剤であって、該ワックス類及び該沸点90℃以下の
炭化水素溶剤の重量割合は、該ラジカル重合性樹脂乾燥
性付与剤を100重量%とすると、ワックス類が1〜3
0重量%であり、沸点90℃以下の炭化水素溶剤が5重
量%以上であるラジカル重合性樹脂乾燥性付与剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラジカル重合性樹
脂乾燥性付与剤、ラジカル重合性樹脂組成物及びラジカ
ル重合性樹脂組成物硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】ラジカル重合性樹脂は、反応性希釈剤と
してラジカル重合性単量体を含有することにより低粘度
の液状で取り扱うことが可能であり、また、耐水性、耐
熱性、機械強度等に優れた樹脂である。このようなラジ
カル重合性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル
樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン
(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル(メタ)アク
リレート樹脂、アクリルシラップ等が挙げられ、その作
業性と性能の良さから、繊維強化プラスチック(FR
P)、レジンコンクリート、塗料、注型、パテ、ライニ
ング、塗り床等の材料として、また、コンクリート、モ
ルタル、鋼板、ガラス等の被覆材料等として、各種用途
に用いられている。
【0003】このようなラジカル重合性樹脂では、硬化
機構がラジカル重合連鎖反応であることから、一般に空
気中の酸素の影響で硬化阻害を受け、硬化時に空気接触
面やその近傍が硬化しにくいという問題がある。このた
め、ラジカル重合性樹脂の空気硬化性を向上させたり、
空気中の酸素による硬化阻害を抑制したりすることによ
り、ラジカル重合性樹脂を含むラジカル重合性樹脂組成
物について、各種用途でその作業性と性能を充分に発揮
させる工夫が試みられている。
【0004】例えば、アリル基を有するモノマーのよう
な空気硬化性モノマーを用いたり、ジシクロペンタジエ
ン基のような空気硬化性基を樹脂骨格中に導入したりす
る方法が採られている。しかしながら、これらの方法で
は、製造コストが上昇し、また、耐熱水性、耐薬品性、
機械強度物性等の硬化物物性が劣り、その性能を充分に
発揮させることができないという問題がある。
【0005】一方、パラフィンワックスを添加してラジ
カル重合性樹脂中のモノマーに溶解させることにより、
ラジカル重合性樹脂組成物の硬化時に、パラフィンワッ
クスを表面に析出させて空気中の酸素を遮断するための
膜を形成させ、ラジカル重合性樹脂の硬化阻害を抑制す
る方法が用いられている。この方法によれば、硬化物物
性を変えることなく、比較的容易に空気接触面やその近
傍を硬化させることができる。しかしながら、硬化時に
気温が高温であると、パラフィンワックスが樹脂組成物
中に溶け込んで充分な膜が表面に形成されず、低温であ
ると、硬化物の表面に亀甲状の模様が発生する等の不具
合が生じる。この場合には、気温に合わせてパラフィン
ワックスの融点を調整することもできるが、このような
操作は煩雑であるし、また、樹脂組成物全体を均一な温
度とすることができないときもあり、これらの不具合を
充分に解消することは困難である。また、薄膜で硬化さ
せるとすると、硬化雰囲気下での冷却効果が大きく、反
応熱が奪われて硬化時間が遅くなることに起因して、パ
ラフィンワックスの均一な膜が形成されないことにな
る。
【0006】ところで、ラジカル重合性樹脂の中でも、
酸素による重合阻害を強く受けるビニルエステル樹脂や
(メタ)アクリル系モノマーを使用するような場合に
は、硬化時にパラフィンワックスによる膜が充分に硬化
阻害を抑制する程度にまで表面に形成されず、硬化不良
を起こすという問題が生じる。これを補うためにパラフ
ィンワックスの添加量を大幅に増やすことが考えられる
が、この場合、パラフィンワックスが樹脂組成物中に溶
解せずに結晶が分離析出することから、乾燥性を向上さ
せる作用が半減すると共に、硬化物の機械強度が大幅に
低下するという問題が生じることになる。
【0007】特開昭54−46240号公報には、重合
性被覆組成物に本質的には相溶しない物質と相溶する物
質と溶剤とからなる混合物を塗布する塗装方法が開示さ
れている。しかしながら、このような混合物を硬化時に
塗布すると、硬化物を調製するための工程が増えるうえ
に、均一な膜を形成することが難しく、ラジカル重合性
樹脂の硬化阻害を充分にかつ安定的に抑制することはで
きない。また、特開平2−300273号公報には、空
気硬化型不飽和ポリエステル樹脂組成物と、40℃以上
の融点を有するパラフィン及び/又はワックスからなる
被覆用樹脂組成物が開示され、特開2000−1783
26号公報には、2種の特定のワックスを特定比率で含
有させたラジカル重合性樹脂組成物が開示されている。
しかしながら、これらの樹脂組成物でも、ラジカル重合
性樹脂の硬化阻害をより充分に抑制するための工夫の余
地があり、特に酸素による重合阻害を強く受けるビニル
エステル樹脂や(メタ)アクリル系モノマーを使用する
ような場合には、各種用途でその作業性と性能を充分に
発揮させつつ、硬化不良を解消するための工夫の余地が
あった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、ラジカル重合性樹脂組成物の硬化時に、ワックス類
の膜を表面に速やかに形成して乾燥性を向上することが
できるうえ、温度条件や硬化物の厚みによる影響が少な
くて、低温時、高温時や薄膜形成時でも表面に不具合を
生じることなく優れた乾燥性を付与することができ、し
かも、ワックス類の結晶が析出することによる硬化物の
機械強度の低下を抑制することができるラジカル重合性
樹脂乾燥性付与剤と、ラジカル重合性樹脂組成物及びそ
の硬化物であるラジカル重合性樹脂組成物硬化物を提供
することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ワックス類及
び沸点90℃以下の炭化水素溶剤を必須成分として含む
ラジカル重合性樹脂乾燥性付与剤であって、上記ワック
ス類及び上記沸点90℃以下の炭化水素溶剤の重量割合
は、上記ラジカル重合性樹脂乾燥性付与剤を100重量
%とすると、ワックス類が1〜30重量%であり、沸点
90℃以下の炭化水素溶剤が5重量%以上であるラジカ
ル重合性樹脂乾燥性付与剤である。
【0010】本発明者は、ラジカル重合性樹脂組成物の
硬化時に、ワックス類による空気中の酸素を遮断する膜
を表面に形成して嫌気性であるラジカル重合性樹脂の硬
化阻害を抑制することについて鋭意研究を行った結果、
ラジカル重合性樹脂中のモノマーが重合することにより
樹脂組成物中でのワックス類の溶解度が低下すると共
に、樹脂組成物に沸点90℃以下の炭化水素溶剤を含有
させると、このような沸点の低い炭化水素溶剤が表面か
ら揮散することによっても樹脂組成物中でのワックス類
の溶解度が低下することから、低温時、高温時や薄膜形
成時であっても、また、ビニルエステル樹脂や(メタ)
アクリル系モノマーを使用するような場合であっても、
表面に不具合を生じることなくワックス類による膜を速
やかに形成させることができるため、優れた乾燥性を付
与することができ、しかも、該炭化水素溶剤によりワッ
クス類の溶解性が向上することから、ワックス類を樹脂
組成物中に充分に含有させることができると共に、ワッ
クス類の結晶が樹脂組成物中に析出することによる硬化
物の機械強度の低下を抑制することができ、これらの作
用により各種用途でラジカル重合性樹脂組成物等の作業
性と性能を充分に発揮させつつ、硬化不良を解消するこ
とができるという劇的な効果が生じる事実に遭遇し、本
発明に到達したものである。以下に本発明を詳述する。
【0011】本発明のラジカル重合性樹脂乾燥性付与剤
は、ワックス類及び沸点90℃以下の炭化水素溶剤を必
須成分として含む。これらはそれぞれ単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。また、本発明の作用効
果を奏する限り、上記必須成分以外の成分を1種又は2
種以上含んでいてもよい。なお、本明細書中、このよう
なラジカル重合性樹脂乾燥性付与剤をラジカル重合性樹
脂乾燥性付与剤(1)ともいう。
【0012】上記ワックス類としては、ラジカル重合性
樹脂が硬化する際にラジカル重合性樹脂組成物から形成
される被膜や成形物の表面に析出し、空気との遮断膜を
被膜や成形物の表面に形成することにより空気中の酸素
がラジカル重合性樹脂のラジカル重合を阻害することを
抑制してラジカル重合性樹脂の乾燥性を向上する作用を
有するものであれば特に限定されず、例えば、以下の
(1)〜(3)に記載するもの等が挙げられる。
【0013】(1)天然ワックスとしては、例えば、キ
ャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワッ
クス、木ろう、ホホバ油等の植物系ワックス;蜜蝋、ラ
ノリン、鯨蝋等の動物系ワックス;モンタンワックス、
オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス;パラフィ
ンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラ
クタム等の石油ワックス等が挙げられる。
【0014】(2)合成ワックスとしては、例えば、フ
ィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワック
ス等の合成炭化水素;モンタンワックス誘導体、NPS
−9125、NPS−9210、NPS−6010、H
AD−5080、NSP−8070、OX−020T、
OX−1949(いずれも商品名、日本精蝋社製)等の
パラフィンワックス誘導体やマイクロクリスタリンワッ
クス誘導体等の変性ワックス;ダイヤモンドワックス
(商品名、新日本理化社製)等の動植物油脂の誘導体;
セラマー67、セラマー1608(いずれも商品名、東
洋ペトロライト社製)等のカルボキシル基含有単量体と
オレフィンとの共重合体;硬化ひまし油、硬化ひまし油
誘導体等の水素化ワックス;ステアリン酸、ドデカン
酸、ステアリン酸オクタデシル等の炭素数12以上の脂
肪酸及びその誘導体;ノニポール160(商品名、三洋
化成工業社製)、エマルミン200(商品名、三洋化成
工業社製)等のアルキルフェノールや高級アルコール
に、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のア
ルキレンオキサイドが付加したアルコール類等が挙げら
れる。 (3)その他のワックスとしては、例えば、天然ワック
スや合成ワックス等の配合ワックス等が挙げられる。
【0015】上記ワックス類の中でも、品質の安定性及
び防湿防水性を考慮すると、石油ワックスが好ましく、
その中でも、油分が少なく、空気硬化型不飽和ポリエス
テルに添加した場合、変色及び変質の少ないパラフィン
ワックスを用いることがより好ましい。
【0016】上記ワックス類の融点としては、例えば、
40〜75℃であることが好ましい。40℃未満である
と、樹脂組成物の硬化時に、ワックス類が表面に析出し
にくくなるおそれがある。75℃を超えると、樹脂組成
物中にワックス類が溶解しにくくなるおそれがある。よ
り好ましくは、45〜70℃である。
【0017】上記沸点90℃以下の炭化水素としては特
に限定されず、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサ
ン、ペンタン、2−メチルブタン、2−メチルペンタ
ン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタ
ン、2,4−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペン
タン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、シ
クロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキセ
ン、石油エーテル、石油ベンジン等が挙げられる。
【0018】上記炭化水素溶剤の沸点が90℃を超える
と、樹脂組成物の硬化時に、表面から揮散しにくくな
り、本発明の作用効果を充分に発揮することができなく
なる。より確実に硬化物の表面に不具合を生じることな
く、硬化時にワックス類による膜を表面に速やかに形成
させるためには、上記沸点が30〜90℃であることが
好ましい。30℃未満であると、硬化時の樹脂組成物の
表面からの揮散速度が速すぎるため、ワックス類が急激
に析出し、表面に均一なワックスの連続皮膜が形成され
ず、浮きムラ等に起因する乾燥不良が発生するおそれが
ある。より好ましくは、沸点が40〜80℃であり、更
に好ましくは、50〜70℃である。
【0019】上記ワックス類及び上記沸点90℃以下の
炭化水素溶剤の重量割合は、上記ラジカル重合性樹脂乾
燥性付与剤を100重量%とすると、ワックス類が1〜
30重量%であり、沸点90℃以下の炭化水素溶剤が5
重量%以上である。ワックス類が1重量%未満である
と、ラジカル重合性樹脂組成物の乾燥性を向上するため
に多量にラジカル重合性樹脂乾燥性付与剤を添加しない
と、ラジカル重合性樹脂組成物の硬化時に空気を遮断す
るのに充分な膜を表面に形成することができないことか
ら効率的でない。ワックス類が30重量%を超えたり、
沸点90℃以下の炭化水素溶剤が5重量%未満であった
りすると、ラジカル重合性樹脂乾燥性付与剤中における
ワックス類の溶解性が低下することに起因して、ラジカ
ル重合性樹脂組成物に添加したときにワックス類の結晶
が生じることになる。なお、上記沸点90℃以下の炭化
水素溶剤の重量割合は、99重量%以下である。上記ワ
ックス類の重量割合は、2〜25重量%であることが好
ましく、3〜20重量%であることがより好ましい。ま
た、上記沸点90℃以下の炭化水素溶剤の重量割合は、
10〜98重量%であることが好ましく、15〜97重
量%であることがより好ましい。なお、上記必須成分と
必要に応じて配合される必須成分以外の成分との合計重
量を100重量%として、上記必須成分の重量割合が上
記の範囲となるように適宜設定されることになる。
【0020】上記必須成分以外の成分を1種又は2種以
上含む場合、本発明の作用効果を奏する限り、その成分
は特に限定されないが、硬化物の物性を損なわないよう
にラジカル重合性単量体であることが好ましく、例え
ば、スチレン、メチルメタクリレート(MMA)等が挙
げられる。
【0021】本発明はまた、ワックス類、沸点160℃
以上の芳香族炭化水素溶剤及び沸点90℃以下の炭化水
素溶剤を必須成分として含むラジカル重合性樹脂乾燥性
付与剤であって、上記ワックス類、上記沸点160℃以
上の芳香族炭化水素溶剤及び上記沸点90℃以下の炭化
水素溶剤の重量割合は、上記ラジカル重合性樹脂乾燥性
付与剤を100重量%とすると、ワックス類が1〜30
重量%であり、沸点160℃以上の芳香族炭化水素溶剤
が5〜50重量%であり、沸点90℃以下の炭化水素溶
剤が5重量%以上であるラジカル重合性樹脂乾燥性付与
剤でもある。このようなラジカル重合性樹脂乾燥性付与
剤もまた、前述したラジカル重合性樹脂乾燥性付与剤と
同様な作用効果を奏することができると共に、沸点16
0℃以上の芳香族炭化水素溶剤により、ラジカル重合性
樹脂組成物の硬化時に、表面から溶剤が揮散する速度が
調整され、より確実に表面に不具合を生じることなく、
ワックス類による空気中の酸素を遮断するための膜を均
一に形成させることができ、各種用途でラジカル重合性
樹脂の作業性と性能を充分に発揮させつつ、硬化不良を
解消することができるという効果をより充分に発揮する
ことが可能となる。なお、本明細書中、このようなラジ
カル重合性樹脂乾燥性付与剤をラジカル重合性樹脂乾燥
性付与剤(2)ともいう。
【0022】上記ラジカル重合性樹脂乾燥性付与剤にお
いて、ワックス類、沸点160℃以上の芳香族炭化水素
溶剤及び沸点90℃以下の炭化水素溶剤は、それぞれ単
独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、
ワックス類及び沸点90℃以下の炭化水素溶剤は、上述
したのと同様である。更に、本発明の作用効果を奏する
限り、上記必須成分以外の成分を1種又は2種以上含ん
でいてもよい。
【0023】上記沸点160℃以上の芳香族炭化水素溶
剤としては特に限定されず、例えば、トリメチルベンゼ
ン、ブチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ジエチルベン
ゼン、エチルトルエン、プロピルトルエン、ジクロヘキ
シルベンゼン、メチルエチルトルエン、テトラメチルベ
ンゼン等が挙げられる。
【0024】上記芳香族炭化水素溶剤の沸点が160℃
未満であると、樹脂組成物の硬化時に、該芳香族炭化水
素溶剤により表面から溶剤が揮散する速度を調整しにく
くなり、該芳香族炭化水素溶剤による作用を充分に発揮
することができなくなる。更に確実に硬化物の表面に不
具合を生じることなく、ワックス類による空気中の酸素
を遮断するための膜を均一に形成させるためには、上記
沸点が160〜300℃であることが好ましい。300
℃を超えると、溶剤が揮散しにくくなるため、樹脂組成
物の硬化乾燥時間が長くなるおそれがある。より好まし
くは、160〜250℃であり、更に好ましくは、16
0〜200℃である。
【0025】上記ワックス類、上記沸点160℃以上の
芳香族炭化水素溶剤及び上記沸点90℃以下の炭化水素
溶剤の重量割合において、ワックス類及び沸点90℃以
下の炭化水素溶剤の重量割合を上記のようにする理由は
前述したラジカル重合性樹脂乾燥性付与剤(1)の場合
と同様である。沸点160℃以上の芳香族炭化水素溶剤
については、5重量%未満であると、該芳香族炭化水素
溶剤の作用が充分に発揮されず、50重量%を超える
と、樹脂組成物の硬化時に、表面から溶剤が揮散する速
度が遅くなりすぎることに起因して、ワックス類による
空気中の酸素を遮断するための膜が速やかに形成され
ず、硬化乾燥性が充分でなくなることになる。なお、上
記沸点90℃以下の炭化水素溶剤の重量割合は、94重
量%以下である。上記ワックス類の重量割合は、2〜2
5重量%であることが好ましく、3〜20重量%である
ことがより好ましい。また、上記沸点160℃以上の芳
香族炭化水素溶剤の重量割合は、7〜45重量%である
ことが好ましく、10〜40重量%であることがより好
ましい。更に、上記沸点90℃以下の炭化水素溶剤の重
量割合は、10〜91重量%であることが好ましく、1
5〜87重量%であることがより好ましい。なお、上記
必須成分と必要に応じて配合される必須成分以外の成分
との合計重量を100重量%として、上記必須成分の重
量割合が上記の範囲となるように適宜設定されることに
なる。
【0026】本発明のラジカル重合性樹脂乾燥性付与剤
は、ラジカル重合性樹脂組成物に添加して混合すること
により、その作用効果を発揮することができるが、添加
・混合方法としては、ラジカル重合性樹脂乾燥性付与剤
の構成成分がラジカル重合性樹脂組成物中に混合される
限り、特に限定されるものではない。例えば、ラジカル
重合性樹脂乾燥性付与剤の構成成分の全部を混合して溶
液を調製した後、これをラジカル重合性樹脂組成物に添
加して混合してもよく、ラジカル重合性樹脂乾燥性付与
剤の構成成分の一部を別々にラジカル重合性樹脂組成物
に添加して混合してもよい。いずれの場合でも、ラジカ
ル重合性樹脂組成物中にワックス類が溶解するように配
合や添加・混合方法等を調整することが好ましく、例え
ば、ラジカル重合性樹脂乾燥性付与剤の構成成分の全部
を混合して溶液を調製する場合では、該溶液中にワック
ス類が溶解するように調製した後、ラジカル重合性樹脂
組成物に添加することが好ましい。なお、本発明のラジ
カル重合性樹脂乾燥性付与剤の添加量や各必須成分の重
量割合は、上述した各必須成分の重量割合の範囲におい
て、ラジカル重合性樹脂組成物に添加したときにラジカ
ル重合性樹脂組成物の各成分の重量割合が後述するよう
な範囲となるように適宜調整することが好ましい。
【0027】本発明はまた、ラジカル重合性樹脂、ワッ
クス類及び沸点90℃以下の炭化水素溶剤を必須成分と
して含むラジカル重合性樹脂組成物であって、上記ワッ
クス類及び上記沸点90℃以下の炭化水素溶剤の重量割
合は、上記ラジカル重合性樹脂組成物を100重量%と
すると、ワックス類が0.01〜0.5重量%であり、
沸点90℃以下の炭化水素溶剤が0.05〜5重量%で
あるラジカル重合性樹脂組成物でもある。このようなラ
ジカル重合性樹脂組成物もまた、前述したラジカル重合
性樹脂乾燥性付与剤(1)を添加したラジカル重合性樹
脂組成物と同様な作用効果を奏することができる。な
お、本明細書中、このようなラジカル重合性樹脂組成物
をラジカル重合性樹脂組成物(1)ともいう。
【0028】上記ラジカル重合性樹脂組成物において、
ラジカル重合性樹脂、ワックス類及び沸点90℃以下の
炭化水素溶剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。また、ワックス類及び沸点90℃
以下の炭化水素溶剤は、上述したのと同様である。更
に、本発明の作用効果を奏する限り、上記必須成分以外
の成分を1種又は2種以上含んでいてもよい。
【0029】上記ワックス類及び上記沸点90℃以下の
炭化水素溶剤の重量割合において、ワックス類が0.0
1重量%未満であると、ラジカル重合性樹脂組成物を硬
化させる際、表面に空気を遮断するのに充分な膜を形成
しにくく、硬化乾燥時間が長くなり、0.5重量%を超
えると、ワックス類を増量することによる乾燥性の向上
効果が変わらなくなり、効率的でないうえ、ワックス類
が多量に配合される場合の不具合が生じるおそれがあ
る。また、沸点90℃以下の炭化水素溶剤が0.05重
量%未満であると、樹脂組成物の硬化時にワックス類が
表面に速やかに析出しにくくなったり、ワックス類と樹
脂組成物との相溶性が低下することに起因して、樹脂組
成物の貯蔵時にワックス類が結晶として析出しやすくな
り、硬化物の機械強度を低下させたりすることになり、
5重量%を超えると、塗膜状で硬化させる場合は沸点9
0℃以下の炭化水素溶剤が急激に揮散するため、表面に
ワックス類が析出しすぎることにより硬化物の表面に白
化等の不具合が生じることになり、ある程度の厚みがあ
る状態で硬化させる場合はワックス類と樹脂組成物との
相溶性が高すぎてワックス類が表面に析出しないという
状態になる。上記ワックス類の重量割合は、0.01〜
0.45重量%であることが好ましく、0.02〜0.
4重量%であることがより好ましい。また、上記沸点9
0℃以下の炭化水素溶剤の重量割合は、0.05〜4.
5重量%であることが好ましく、0.1〜4重量%であ
ることがより好ましい。なお、上記ラジカル重合性樹脂
組成物(1)において、ラジカル重合性樹脂の重量割合
としては特に限定されず、例えば、ラジカル重合性樹脂
組成物を100重量%とすると、96.0〜99.8重
量%であることが好ましい。
【0030】本発明は更に、ラジカル重合性樹脂、ワッ
クス類、沸点160℃以上の芳香族炭化水素溶剤及び沸
点90℃以下の炭化水素溶剤を必須成分として含むラジ
カル重合性樹脂組成物であって、上記ワックス類、上記
沸点160℃以上の芳香族炭化水素溶剤及び上記沸点9
0℃以下の炭化水素溶剤の重量割合は、上記ラジカル重
合性樹脂組成物を100重量%とすると、ワックス類が
0.01〜0.5重量%であり、沸点160℃以上の芳
香族炭化水素溶剤が0.05〜2.5重量%であり、沸
点90℃以下の炭化水素溶剤が0.05〜5重量%であ
るラジカル重合性樹脂組成物でもある。このようなラジ
カル重合性樹脂組成物もまた、前述したラジカル重合性
樹脂乾燥性付与剤(2)を添加したラジカル重合性樹脂
組成物と同様な作用効果を奏することができる。なお、
本明細書中、このようなラジカル重合性樹脂組成物をラ
ジカル重合性樹脂組成物(2)ともいう。
【0031】上記ラジカル重合性樹脂組成物において、
ラジカル重合性樹脂、ワックス類、沸点160℃以上の
芳香族炭化水素溶剤及び沸点90℃以下の炭化水素溶剤
は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。また、ワックス類、沸点160℃以上の芳香族
炭化水素溶剤及び沸点90℃以下の炭化水素溶剤は、上
述したのと同様である。更に、本発明の作用効果を奏す
る限り、上記必須成分以外の成分を1種又は2種以上含
んでいてもよい。
【0032】上記ワックス類、上記沸点160℃以上の
芳香族炭化水素溶剤及び上記沸点90℃以下の炭化水素
溶剤の重量割合において、ワックス類及び沸点90℃以
下の炭化水素溶剤の重量割合を上記のようにする理由は
前述したラジカル重合性樹脂組成物(1)の場合と同様
である。沸点160℃以上の芳香族炭化水素溶剤につい
ては、0.05重量%未満であると、該芳香族炭化水素
溶剤の作用が充分に発揮されず、2.5重量%を超える
と、樹脂組成物の硬化時に、表面から溶剤が揮散する速
度が遅くなりすぎて硬化乾燥性が充分でなくなることに
なる。上記沸点160℃以上の芳香族炭化水素溶剤の重
量割合は、0.1〜2.0重量%であることが好まし
く、0.2〜1.5重量%であることがより好ましい。
なお、上記ラジカル重合性樹脂組成物(2)において、
ラジカル重合性樹脂の重量割合としてはラジカル重合性
樹脂組成物(1)と同様である。
【0033】本発明におけるラジカル重合性樹脂とは、
硬化剤等のラジカル発生剤の存在下、又は、紫外線、電
子線等の照射下でラジカル重合により硬化するラジカル
硬化型の樹脂であり、その形態は、ポリマーやオリゴマ
ー(以下、「重合体」ともいう)、又は、ポリマーやオ
リゴマーとラジカル重合性単量体との混合物である。具
体的には、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエ
ステル樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、ポリ
エステル(メタ)アクリレート樹脂、(メタ)アクリル
シラップ等が挙げられる。これらの中でも、本発明は、
アクリロイル化でラジカル重合性二重結合を導入したラ
ジカル重合性樹脂や、(メタ)アクリレート系モノマー
を含有する樹脂に対して適応させることができる。上記
のアクリロイル化でラジカル重合性二重結合を導入した
ラジカル重合性樹脂として具体的には、ビニルエステル
樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステ
ル(メタ)アクリレート樹脂、および架橋性アクリルシ
ラップから選択される少なくとも1の樹脂が挙げられ
る。より具体的には、ビニルエステル樹脂や(メタ)ア
クリル系モノマー〔(メタ)アクリル系ラジカル重合性
単量体〕を含有する樹脂に対して乾燥性を向上する効果
や硬化物の機械強度の低下を抑制する効果が大きく、好
適に用いることができる。また、通常のPMMA系等
の、架橋性ではないつまり側鎖に二重結合を持たないア
クリル重合体を含むアクリルシラップも、アクリル系モ
ノマーが主成分となっており、そのアクリルシラップ
は、嫌気性の強いラジカル重合性樹脂組成物であるの
で、本発明の乾燥性付与剤や配合技術を好ましく適応さ
せることができる。
【0034】上記不飽和ポリエステル樹脂としては、例
えば、α,β−不飽和二塩基酸を含む多塩基酸類と、多
価アルコール類とを付加重合することにより得られる不
飽和ポリエステルを適当量のラジカル重合性単量体に溶
解したもの等が挙げられる。
【0035】上記不飽和ポリエステルの原料として用い
られるα,β−不飽和二塩基酸としては特に限定され
ず、例えば、マレイン酸、フマル酸及びこれらの無水
物、アルキルエステル化物等が挙げられる。また、上記
α,β−不飽和二塩基酸以外の多塩基酸としては、例え
ば、イタコン酸、マロン酸、コハク酸、メチルコハク
酸、アジピン酸、炭素数18の不飽和脂肪酸の重合体で
あるダイマー酸やトリマー酸等の脂肪族多塩基酸;フタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、
ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族多
塩基酸;ナディク酸、1,2−ヘキサヒドロフタル酸、
テトラヒドロフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸等
の脂環式多塩基酸;、及び、これらの酸の無水物、これ
らの酸のアルキルエステル化物等が挙げられる。これら
は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0036】上記多価アルコール類としては特に限定さ
れず、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3
−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3
−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジプロピ
レングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトール、ジペンタエリスリトール、ネオペンチルグ
リコール、グリセリン等のアルキルポリオール類;ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、トリメチロールプロパン等のアルキ
レンオキサイド付加物、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールAのアルキレンオキサイド付加物、水素化ビスフェ
ノールA、水素化ビスフェノールAのアルキレンオキサ
イド付加物、フェノールノボラックのアルキレンオキサ
イド付加物等のポリエーテルポリオール類;トリメチロ
ールプロパンモノアリルエーテル、ペンタエリスリトー
ルジアリルエーテル等のアリルエーテル基を有するアル
コール類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。また、アリルアルコー
ル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル等の1価
のアルコール類;エチレンオキシド、プロピレンオキシ
ド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、グリシジル
(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等の
オキシラン化合物等の1種又は2種以上も併用すること
ができる。
【0037】上記不飽和ポリエステルはまた、ラジカル
重合性樹脂組成物の収縮率の低減や硬化物の外観、表面
平滑性、寸法安定性、耐熱性の向上を目的として、必要
により、ジシクロペンタジエンを原料の一部に用いて付
加重合を行ったものであってもよい。すなわち上記不飽
和ポリエステルは、ジシクロペンタジエンによって変性
されていてもよい。例えば、通常の不飽和ポリエステル
に用いる多塩基酸及び多価アルコール類とジシクロペン
タジエンとを混合して付加重合を行ってもよく、また、
多塩基酸と多価アルコール類とを混合して付加重合を開
始させた後にジシクロペンタジエンを添加してもよい。
また、末端官能性ブタジエン−アクリロニトリル共重合
体等のゴム成分等の種々の成分により変性されてもよ
い。
【0038】上記不飽和ポリエステルを合成する際の反
応圧力、反応時間及び反応温度等の反応条件、すなわち
多塩基酸類と多価アルコール類との反応条件等は特に限
定されるものではない。例えば、120〜250℃に加
熱して脱水縮合することにより合成することができる。
このような不飽和ポリエステルの酸価としては特に限定
されず、例えば、硬化性の観点から、60mgKOH/
g以下であることが好ましい。
【0039】上記不飽和ポリエステルを溶解するラジカ
ル重合性単量体としては、ビニルモノマー等の、分子内
に不飽和結合を有し、不飽和ポリエステルと共重合可能
な単量体であれば特に限定されず、例えば、スチレン、
ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、ジビニルベンゼン、p−メチルスチレン、t―ブ
チルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸
2―エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸メトキシエトキシエチル、(メ
タ)アクリル酸エトキシエトキシエチル、(メタ)アク
リル酸フェノキシエチル、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)
アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒド
ロキシプロピル等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸
エステル化合物;ジアリルフタレート、ジアリルイソフ
タレート等のアリル化合物;ブチルビニルエーテル、ト
リエチレングリコールジビニルエーテル等のビニルエー
テル化合物;メチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリ
レート、エチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレー
ト等のアルキル−α―(ヒドロキシメチル)アクリレー
ト化合物;トリメチロールプロパンのエチレンオキサイ
ド付加体と(メタ)アクリル酸のエステル化物、ジエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート等の多価アルキ
ルアルコールのアルキレンオキサイド付加体と(メタ)
アクリル酸のエステル化合物等が挙げられる。これらは
単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0040】上記不飽和ポリエステルに上記ラジカル重
合性単量体を加えることにより、所望の粘度を有する不
飽和ポリエステル樹脂を得ることができる。このような
不飽和ポリエステル樹脂における樹脂固形分(不飽和ポ
リエステル)とラジカル重合性単量体との比率としては
特に限定されず、例えば、重量比で5:95〜95:5
とすることが好ましい。ラジカル重合性単量体が上記重
量比を超えると、硬化物の強度が低下するおそれがあ
る。
【0041】上記ビニルエステル樹脂とは、分子末端に
(メタ)アクリロイル基を有する樹脂であり、例えば、
(メタ)アクリル酸と分子中に少なくとも1個のエポキ
シ基を有する化合物との付加反応により得られるビニル
エステルを適当量の上記ラジカル重合性単量体に溶解し
たもの等が挙げられる。また、ビニルエステルを合成す
る際には、必要に応じて(メタ)アクリル酸以外の塩基
酸を原料の一部に用いてもよい。
【0042】上記ビニルエステルの原料として用いられ
る分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物
としては特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水素
化ビスフェノール型エポキシ樹脂等のビスフェノール型
エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型
エポキシ樹脂;フタル酸ジグリシジルエーテル、ダイマ
ー酸ジグリシジルエーテル等の多塩基酸のグリシジルエ
ステル系化合物;ネオペンチルグリコールジグリシジル
エーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエー
テル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル
等の多価アルコール類のグリシジルエーテル等が挙げら
れる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。
【0043】上記(メタ)アクリル酸以外の塩基酸とし
ては特に限定されず、例えば、マレイン酸、フマル酸、
コハク酸、アジピン酸、テトラヒドロフタル酸、炭素数
18の不飽和脂肪酸の重合体であるダイマー酸やトリマ
ー酸等の脂肪族多塩基酸;フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、トリメ
リット酸、ピロメリット酸等の芳香族多塩基酸、カルボ
キシル基を有するポリブタジエン;カルボキシル基を有
するブタジエン−アクリルニトリル共重合体;末端にカ
ルボキシル基を有する多塩基酸と多価アルコール類のエ
ステル化物等が挙げられる。また、多価アルコールと多
塩基酸とを縮合反応させることにより得られる、末端基
の少なくとも一つがカルボキシル基であるポリエステル
も(メタ)アクリル酸以外の塩基酸として用いることが
できる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。上記多塩基酸を併用することにより、柔軟
性に富むビニルエステル樹脂を得ることができる。
【0044】上記ビニルエステルの合成では、通常、付
加反応触媒の存在下で、50〜150℃で加熱すること
で反応は進行する。このような付加反応触媒としては特
に限定されず、公知のエポキシ(メタ)アクリレート型
樹脂の合成触媒を用いればよく、例えば、3級アミン
類、オニウム塩類、金属石鹸等が挙げられる。これらは
単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0045】上記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と
しては、例えば、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エ
ステルと、分子中に少なくとも1個のイソシアネート基
を有する化合物とをウレタン化反応させることにより得
られるウレタン(メタ)アクリレートを適当量の上記ラ
ジカル重合性単量体に溶解したもの等が挙げられる。ま
た、ウレタン(メタ)アクリレートを合成する際には、
必要に応じて多価アルコールを原料の一部に用いてもよ
い。
【0046】上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料
として用いられる水酸基を有する(メタ)アクリル酸エ
ステルとしては特に限定されず、例えば、ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト等が挙げられる。また、分子中に少なくとも1個のイ
ソシアネート基を有する化合物としては特に限定され
ず、例えば、トリレンジイソシアネート及びその異性
体、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート等が挙げられる。更に、多価
アルコール類としては特に限定されず、例えば、上述し
た不飽和ポリエステルに用いられる多価アルコール類等
が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。
【0047】上記ウレタン(メタ)アクリレートの合成
では、ウレタン化反応が行われることになるが、通常、
水酸基とイソシアネート基とがほぼ当量となるように水
酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル、分子中に少
なくとも1個のイソシアネート基を有する化合物、及
び、必要に応じて用いる多価アルコールの使用量を適宜
設定し、40〜140℃で加熱することにより、反応は
進行する。また、ウレタン化反応を促進させるために
は、公知のウレタン化触媒を用いることができ、例え
ば、3級アミン類、ジブチル錫ジラウレート、塩化錫等
の錫化合物類が挙げられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0048】上記ポリエステル(メタ)アクリレート樹
脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸類と多価アル
コール類とのエステル化反応により得られるポリエステ
ル(メタ)アクリレートを適当量の上記ラジカル重合性
単量体に溶解したもの等が挙げられる。また、ポリエス
テル(メタ)アクリレートを合成する際には、必要に応
じて(メタ)アクリル酸類以外の塩基酸を原料の一部に
用いてもよい。
【0049】上記ポリエステル(メタ)アクリレートの
原料として用いられる(メタ)アクリル酸類としては特
に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)
アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ハラ
イド等の水酸基とのエステル結合を生成し得る(メタ)
アクリル酸及びその誘導体等が挙げられる。また、多価
アルコール類としては特に限定されず、例えば、上述し
た不飽和ポリエステルに用いられる多価アルコール類等
が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。
【0050】上記(メタ)アクリル酸類以外の塩基酸と
しては特に限定されず、例えば上述した塩基酸、具体的
には、不飽和ポリエステル樹脂の原料として例示した
α,β−不飽和二塩基酸、脂肪族飽和多塩基酸、芳香族
多塩基酸、脂環式多塩基酸等が挙げられ、1種又は2種
以上を用いることができる。
【0051】上記(メタ)アクリルシラップとしては、
例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エス
テル及び必要に応じてその他のビニルモノマーを含む単
量体成分を部分重合するか、又は、該単量体成分を重合
してなる重合体にラジカル重合性単量体を添加すること
によって得られる(メタ)アクリル系重合体を含むポリ
マーシラップ等が挙げられ、ポリ(メタ)アクリル酸メ
チル等のアクリル系重合体と(メタ)アクリル酸等のラ
ジカル重合性単量体との混合物であってもよく、また、
側鎖に二重結合をもつアクリル系重合体と(メタ)アク
リル酸メチル等のラジカル重合性単量体との混合物であ
る、架橋性アクリルシラップであってもよい。また、上
記の架橋性シラップとは、該(メタ)アクリル系重合体
が有する官能基と反応し得る、不飽和のエポキシ化合物
や不飽和のイソシアネート化合物等を反応させることに
より、側鎖に二重結合が導入される様に変性した(メ
タ)アクリル系重合体を含む(メタ)アクリルシラップ
のことであり、本発明のラジカル重合性樹脂として好ま
しく用いることができる。
【0052】上記(メタ)アクリルシラップの原料とし
て用いられる(メタ)アクリル酸エステルとしては特に
限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、
その他のビニルモノマーとしては特に限定されず、例え
ば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
酢酸ビニル等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用
いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0053】上記ラジカル重合性樹脂を構成するポリマ
ーやオリゴマーを合成する際の反応圧力、反応時間、反
応温度等の反応条件としては、上述したような好ましい
反応の進行温度以外は特に限定されるものではない。ま
た、これらポリマーやオリゴマーの数平均分子量や、重
量平均分子量としては特に限定されず、各種用途におい
て適宜設定すればよい。
【0054】上記ラジカル重合性樹脂の調製において
は、ポリマーやオリゴマーの合成過程や合成後に、ラジ
カル重合性単量体を添加することによりラジカル重合性
樹脂とすることができる。このようなラジカル重合性樹
脂におけるラジカル重合性単量体の重量割合としては、
例えば、ラジカル重合性樹脂を100重量%とすると、
80重量%以下であることが好ましい。80重量%を超
えると、硬化時における重合収縮が大きくなるおそれが
あり、硬化物の外観や強度物性が低下するおそれがあ
る。なお、本発明では、ラジカル重合性樹脂として(メ
タ)アクリル系モノマーを含有する樹脂を用いる場合に
は、本発明が奏する作用をより効果的に発揮することが
できることから、ラジカル重合性単量体を100重量%
とすると、そのうち(メタ)アクリル系モノマーが10
〜100重量%が好ましく、20〜100重量%がより
好ましく、30〜100重量%の範囲が更に好ましい。
また更には、50〜100重量%であるものに好適に適
用することができる。特に好ましくは、70〜100重
量%であり、最も好ましくは、90〜100重量%であ
る。
【0055】本発明のラジカル重合性樹脂組成物には、
硬化させるために、有機過酸化物やアゾ化合物等の従来
公知のラジカル重合開始剤等の硬化剤を配合することが
好ましい。このような硬化剤は単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。
【0056】上記有機過酸化物としては、例えば、メチ
ルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパー
オキサイド等のケトンパーオキサイド;クメンハイドロ
パーオキサイド等のハイドロパーオキサイド;ベンゾイ
ルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド;ジクミ
ルパーオキサイド、t−ブチルグミルパーオキサイド等
のジアルキルパーオキサイド;1,1,3,3−テトラ
メチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t
−ブチルパーオキシベンゾエート等のアルキルパーエス
テル;ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキ
シシカーボネート等のパーカーボネート等が挙げられ
る。また、上記アゾ化合物としては、例えば、2,2′
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−
2−メチルブチロニトリル等が挙げられる。硬化剤の使
用量としては特に限定されず、各種用途に適した硬化速
度や保存安定時間(ゲル化時間)になるように適宜設定
すればよいが、例えば、ラジカル重合性樹脂組成物10
0重量%に対し、0.2〜10.0重量%とすることが
好ましい。
【0057】上記ラジカル重合性樹脂組成物には、更
に、硬化剤と併用して、硬化促進剤や重合禁止剤を配合
することもできる。これらはそれぞれ単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。このような硬化促進剤
としては、レドックス作用を有する化合物であれば特に
限定されず、例えば、オクチル酸コバルト、オクチル酸
マンガン等の金属石鹸;フェロセンのコバルト錯体、コ
バルトアセチルアセトナート、バナジウムアセチルアセ
トナート等の金属キレート化合物;ジメチルアニリン、
トルイジン、ジメチルトルイジン等のアミン化合物;ア
セト酢酸エチル、アセチルアセトン等のβ−ジケトン類
等が挙げられる。硬化促進剤の使用量としては特に限定
されず、ラジカル重合性樹脂組成物の配合や使用する硬
化剤又は硬化促進剤の種類等に応じて適宜設定すればよ
い。例えば、ラジカル重合性樹脂組成物100重量%に
対し、0.001〜5重量%とすることが好ましい。
【0058】上記ラジカル重合禁止剤としては、例え
ば、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂に用
いられる公知のラジカル重合禁止剤を用いることができ
る。具体的には、ハイドロキノン、ベンゾキノン、2―
メチルハイドロキノン等のキノン類;メトキシフェノー
ル、2,6−ジ−t−ブチルクレゾール等のフェノール
類;フェノチアジン、テトラメチルチウラムジスルフィ
ド等の硫黄化合物;ジフェニルアミン、ジニトロベンゼ
ン等の窒素化合物等が挙げられる。ラジカル重合禁止剤
の使用量としては特に限定されず、所望の保存安定時間
に合わせるように適宜設定すればよい。例えば、ラジカ
ル重合性樹脂組成物100重量%に対し、0.001〜
1重量部とすることが好ましい。なお、硬化剤、硬化促
進剤及びラジカル重合禁止剤の使用量は、固形分換算の
値である。
【0059】上記ラジカル重合性樹脂組成物において、
硬化剤や硬化促進剤を混合する時期としては、各種用途
に適した保存安定時間(ゲル化時間)を確保できるよう
に考慮すれば、予め混合してもよく、硬化させる直前に
混合してもよい。また、これら硬化剤や硬化促進剤を使
用してラジカル重合性樹脂組成物の硬化を行う際の硬化
温度は、硬化剤や硬化促進剤の種類や添加量、その他の
条件により異なり、特に限定されるものではないが、好
ましくは−30〜80℃、より好ましくは−30〜50
℃である。
【0060】本発明のラジカル重合性樹脂組成物には、
更に必要に応じて、無水微粉末シリカ、アスベスト、ク
レー、脂肪酸アミド等の揺変性付与剤;ポリエチレング
リコール、グリセリン、ポリヒドロキシカルボン酸アミ
ド、有機4級アンモニウム塩、BYK−R−605(商
品名、ビックケミージャパン社製)等の揺変性付与助
剤;酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等の
金属酸化物の増粘剤;有機顔料、無機顔料、染料等の着
色剤;塩素化パラフィン、リン酸エステル、フタル酸エ
ステル等の可塑剤の他、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消
泡剤、レベリング剤、難燃剤、低収縮剤等の添加剤を配
合することができる。これらはそれぞれ単独で用いても
よく、2種以上を併用してもよい。また、乾燥性を損な
わない範囲内で、ラジカル重合性樹脂以外の樹脂を1種
又は2種以上配合することもできる。このような樹脂と
しては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリスチレン、飽和ポリエ
ステル等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0061】本発明のラジカル重合性樹脂組成物には、
更に、充填剤等を含有させてラジカル重合性樹脂成形材
料とすることができ、また、補強繊維等を含有させて繊
維強化プラスチック成形材料(FRP成形材料)とする
ことがでる。これにより樹脂と充填剤や補強繊維等の補
強材とが複合化され、硬化物の強度等の基本性能が優れ
たものとなる。このようなラジカル重合性樹脂成形材料
やFRP成形材料もまた、本発明の実施形態として好ま
しい。
【0062】上記充填剤としては、例えば、水酸化アル
ミニウム、タルク、珪砂、炭酸カルシウム、酸化アンチ
モン、ガラスフレーク等が挙げられる。また、上記補強
材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊
維;ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊
維、ナイロン繊維等の有機繊維等が挙げられる。これら
はそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用しても
よい。なお、ラジカル重合性樹脂組成物に補強繊維を含
有させるとは、例えば、ラジカル重合性樹脂組成物にチ
ョップ状等の補強繊維を混合すること;ラジカル重合性
樹脂組成物をクロス(織物)状、マット状、不織布状等
の補強繊維に含浸すること等を意味する。
【0063】上記ラジカル重合性樹脂組成物、上記ラジ
カル重合性樹脂成形材料及び上記FRP成形材料の製造
方法としては、上述した各成分が含有されることになる
限り、特に限定されるものではないが、ワックス類を混
合するためには、溶剤やスチレンのようなラジカル重合
性単量体と予め混合してから樹脂組成物中に添加するこ
とが好ましい。
【0064】上記ラジカル重合性樹脂組成物及び上記ラ
ジカル重合性樹脂成形材料の用途としては特に限定され
ず、例えば、レジンコンクリート、塗料、注型、パテ等
の材料や、コンクリート、モルタル、鋼板、ガラス等を
被覆する被覆材料等の各種用途、具体的には、防水ライ
ニング材やぬり床材に用いることができる。また、上記
FRP成形材料では、繊維強化プラスチック(FRP)
としても用いることができる。
【0065】また、本発明は、ジエチレングリコールジ
メタクリレート等の、多価アルキルアルコールのアルキ
レンオキサイド付加体と、(メタ)アクリル酸のエステ
ル化物等と、ラジカル重合性樹脂を含む、いわゆる高沸
点の重合性単量体を含む低臭気樹脂組成物に対しても好
ましく適応させることができる。そしてこの形態は本発
明のラジカル重合性樹脂乾燥性付与剤あるいは、本発明
のラジカル重合性樹脂組成物としては、好ましい実施形
態の1つである。つまり、該してこれら高沸点の重合性
単量体はアクリル系単量体であり、その単量体が配合さ
れる樹脂組成物は、空気乾燥性が悪くなる場合があり、
本発明の乾燥性付与剤やラジカル重合性樹脂組成物を利
用する好ましい形態の1つとして挙げることができ、上
記の低臭気組成物に適応させることで、好ましくその樹
脂組成物の硬化時の乾燥性改良を達成することができ
る。
【0066】上記の、高沸点の重合性単量体としては特
に限定されず、例えば、上記のジエチレングリコールジ
メタクタレートやフェノキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ジシクロペンテニルオキシ(メタ)アクリレート、
エチレンモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、及
びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等
から選択される少なくとも1の重合性単量体を挙げるこ
とができ、特に限定されない。例えば、これらは、その
蒸気圧が100℃で100hPa以下の重合性単量体で
あり、好ましくは、蒸気圧が100℃で80hPa以下
であり、より好ましくは60hPa以下である重合性単
量体である。更に好ましくは、50hPa以下であり、
30hPa以下が最も好ましい。これら高沸点の重合性
単量体の含有量は特に限定されず、所望される低臭気性
や低揮発性や硬化物物性により適宜設定することができ
る。例えば、より低揮発性のラジカル重合性樹脂組成物
を組成設計する場合、上記の高沸点単量体の使用量とし
ては、本発明で使用されるラジカル重合性単量体成分を
100重量%として、例えば、10〜100重量%、よ
り好ましくは20〜100重量%、更に好ましくは30
〜100重量%、最も好ましくは50〜100%である
が特に限定されるものではない。
【0067】本発明はそして、上記ラジカル重合性樹脂
組成物(1)を硬化させてなるラジカル重合性樹脂組成
物硬化物でもあり、上記ラジカル重合性樹脂組成物
(2)を硬化させてなるラジカル重合性樹脂組成物硬化
物でもある。また、上記ラジカル重合性樹脂成形材料及
び上記FRP成形材料も、光硬化や熱硬化により硬化さ
せることができ、それぞれラジカル重合性樹脂成形品及
びFRP成形品とすることができる。このようなラジカ
ル重合性樹脂成形品及びFRP成形品もまた、本発明の
実施形態として好ましい。これらの硬化物は、表面の不
具合や硬化不良が解消されて耐水性、耐熱性等の基本性
能が優れるうえ、ワックス類による機械強度の低下が抑
制されていることから、各種用途でその性能を充分に発
揮させることができるものである。
【0068】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。尚、実施例中、「部」は、「重量部」を意
味する。
【0069】製造例−A 温度計、撹拌機、ガス導入管及び冷却管を備えた反応器
にメタクリル酸602g、ビスフェノールA型エポキシ
樹脂(エポキシ当量187)1309g、ハイドロキノ
ン0.5g及びトリエチルアミン10gを仕込んで反応
溶液とした。この反応溶液を、空気気流下、100℃で
4時間反応させた後、更に所定の方法により測定した酸
価が6mgKOH/gとなるまで、120℃で3時間、
加熱撹拌を行って反応を熟成させた。その後、反応器内
の反応溶液を40℃まで冷却して反応を終了させ、次い
で、この反応器内にラジカル重合性単量体としてスチレ
ン830gを投入し、混合することにより粘度2.0ス
トークスのビスフェノールA型ビニルエステル(樹脂−
A)樹脂を得た。
【0070】製造例−B 温度計、撹拌機、ガス導入管及び冷却管を備えた反応器
にメタクリル酸630g、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂(エポキシ当量180)1280g、ハイドロ
キノン0.5g及びトリエチルアミン8gを仕込んで反
応溶液とした。この反応溶液を、空気気流下、100℃
で4時間反応させた後、更に所定の方法により測定した
酸価が10mgKOH/gとなるまで、120℃で3時
間、加熱撹拌を行って反応を熟成させた。その後、反応
器内の反応溶液を40℃まで冷却して反応を終了させ、
次いで、この反応器内にラジカル重合性単量体としてス
チレン1080gを投入し、混合することにより粘度
4.0ストークスのノボラック型ビニルエステル樹脂
(樹脂−B)を得た。
【0071】製造例−C 温度計、撹拌機、ガス導入管及び冷却管を備えた反応器
に無水マレイン酸555g、無水フタル酸687g、プ
ロピレングリコール391g、エチレングリコール19
1g及びジプロピレングリコール331gを仕込んで反
応溶液とした。この反応溶液を、窒素ガス気流下、21
0℃まで加熱し、生成する縮合水を系外に取り除きなが
ら、所定の方法により測定した酸価が35mgKOH/
gとなるまで、8時間エステル化反応を行った。その
後、反応器内の反応溶液を40℃まで冷却して反応を終
了させ、反応生成物として不飽和ポリエステルを得た。
次いで、この不飽和ポリエステル樹脂に、重合禁止剤と
してハイドロキノン0.2gと、ラジカル重合性単量体
としてMMA1050gとを投入し、混合することによ
り粘度7.2ストークスの不飽和ポリエステル樹脂(樹
脂−C)を得た。
【0072】製造例−D 温度計、撹拌機、ガス導入管及び冷却管を備えた反応器
に無水マレイン酸555g、無水フタル酸687g、プ
ロピレングリコール391g、エチレングリコール19
1g及びジプロピレングリコール331gを仕込んで反
応溶液とした。この反応溶液を、窒素ガス気流下、21
0℃まで加熱し、生成する縮合水を系外に取り除きなが
ら、所定の方法により測定した酸価が35mgKOH/
gとなるまで、8時間エステル化反応を行った。その
後、反応器内の反応溶液を40℃まで冷却して反応を終
了させ、反応生成物として不飽和ポリエステルを得た。
次いで、この不飽和ポリエステル樹脂に重合禁止剤とし
てハイドロキノン0.2g、ラジカル重合性単量体とし
てスチレン600g及びエチレングリコールジメタクリ
レート550gを投入し、混合することにより粘度1
3.5ストークスの不飽和ポリエステル樹脂(樹脂−
D)を得た。
【0073】製造例−E 温度計、撹拌機、ガス導入管及び冷却管を備えた反応器
に無水マレイン酸555g、無水フタル酸687g、プ
ロピレングリコール391g、エチレングリコール19
1g及びジプロピレングリコール331gを仕込んで反
応溶液とした。この反応溶液を、窒素ガス気流下、21
0℃まで加熱し、生成する縮合水を系外に取り除きなが
ら、所定の方法により測定した酸価が35mgKOH/
gとなるまで、8時間エステル化反応を行った。その
後、反応器内の反応溶液を40℃まで冷却して反応を終
了させ、反応生成物として不飽和ポリエステルを得た。
次いで、この不飽和ポリエステル樹脂に重合禁止剤とし
てハイドロキノン0.2gと、ラジカル重合性単量体と
してスチレン1050gとを投入し、混合することによ
り粘度5.0ストークスの不飽和ポリエステル樹脂(樹
脂−E)を得た。
【0074】表1に、製造例A〜Eで用いたラジカル重
合性単量体及び製造した樹脂の樹脂骨格を示す。
【0075】
【表1】
【0076】実施例1〜6、比較例1〜6 パラフィンワックスと各種溶剤とを表2に示す配合で混
合し、50℃にて加熱溶解させ乾燥性付与剤を得た。得
られた乾燥性付与剤を試験管に10mLとり、25℃ま
で冷却し、溶液中のパラフィンワックスの結晶析出量を
観察した。製造例−Aで得られたビスフェノールA型ビ
ニルエステル樹脂にこの乾燥性付与剤を表2に示す添加
量で混合し、ラジカル重合性樹脂組成物を調製した。得
られたラジカル重合性樹脂組成物の25℃における外観
及びマット乾燥性、並びに、その硬化物における引っ張
り強度及び伸び率以下の方法により評価し、表2に示し
た。
【0077】評価方法 (1)外観 あらかじめ30℃に調温した製造例−Aで得られたビス
フェノールA型ビニルエステル樹脂100部に、各実施
例及び比較例で得られた乾燥性付与剤を表2に示す添加
量で混合した後、18mmφ試験管に30g取り、25
℃雰囲気下で30分間放置し、目視にてパラフィン結晶
の析出度合いを観察した。
【0078】(2)マット乾燥性 実施例1〜6及び比較例1〜6で得られたラジカル重合
性樹脂組成物100部に対して、硬化促進剤として8%
オクチル酸コバルト(金属分8%のオクチル酸コバル
ト)0.3部と、硬化剤として55%メチルエチルケト
ンパーオキサイド1.0部とを混合した。次いで、この
硬化促進剤及び硬化剤を含むラジカル重合性樹脂組成物
60gを15cm×15cmの大きさのチョップドスト
ランドガラスマット(MC−450、日東紡績社製)2
層に含浸させて、25℃雰囲気下でガラス板状に成形し
た。この成形品におけるチョップドストランドガラスマ
ット表面の乾燥状態を指触にて評価し、チョップドスト
ランドガラスマット含浸後、5時間目のチョップドスト
ランドガラスマット表面が完全に乾燥している場合を
「○」とし、一部未乾燥の部分がある場合を「△」と
し、全体に乾燥していない場合を「×」とした。
【0079】(3)引張強度、伸び率 マット乾燥性の評価に用いた促進剤及び硬化剤を含むラ
ジカル重合性樹脂組成物を、25℃雰囲気下で2枚のガ
ラス板の3mmの隙間に注入し、3mm厚のラジカル重
合性樹脂硬化物注型板を得た。この注型板から引っ張り
試験に用いるダンベル試験片を切り出し、JIS K
7113に基づく引張強さ、引張破壊伸び率を測定し
た。
【0080】
【表2】
【0081】実施例7 スチレン3.0部とn−ヘキサン0.8部及び粒径約1
mmの粒状135°Fパラフィンワックス0.2部を2
5℃雰囲気下で、製造例−Aで得られたビスフェノール
A型ビニルエステル樹脂100部に対しそれぞれ別々に
混合して混合物Aを調製した。この混合物Aにはパラフ
ィンワックスが溶解せずに固形状態で残っていた。更に
密閉容器内にて24時間放置したところ、パラフィンワ
ックスは固形状態のまま溶解しなかった。次いで、この
混合物を密閉容器内にて50℃に加熱して、パラフィン
ワックスを完全に溶解し、実施例5のラジカル重合性樹
脂組成物と同配合のラジカル重合性樹脂組成物を得た。
得られたラジカル重合性樹脂組成物の25℃における外
観、マット乾燥性及びその硬化物における引っ張り強
度、伸び率を上述した方法により評価し、その結果を表
3に示した。
【0082】実施例7においては、50℃加熱後の外観
を、以下の方法により評価した。得られた混合物A50
gを100mL栓付きガラス瓶に取り、50℃に加熱し
3時間放置した。その後、30℃まで除冷し、180m
mφ試験管に取り、25℃雰囲気下で30分間放置し、
目視にてパラフィンの結晶析出度合いを確認した。
【0083】
【表3】
【0084】実施例8〜15、比較例7〜10 実施例1と同様に、パラフィンワックスと各種溶剤とを
表4に示す配合で混合し、50℃にて加熱溶解させ乾燥
性付与剤を得た。この乾燥性付与剤を、製造例−A〜D
で得られたラジカル重合性樹脂に表4に示す添加量で混
合し、ラジカル重合性樹脂組成物を調製した。得られた
ラジカル重合性樹脂組成物のガラスマットへ積層したと
きの乾燥性(以下、ガラスマット乾燥性という)及び塗
装したときの乾燥性(以下、塗膜乾燥性という)を乾燥
性付与剤の組成と併せて表4に示す。
【0085】実施例8〜15及び比較例7〜11で得ら
れたラジカル重合性樹脂組成物のガラスマット乾燥性及
び塗膜乾燥性は以下に示す方法により評価した。 (1)ガラスマット乾燥性 実施例8〜15及び比較例7〜11で得られたラジカル
重合性樹脂組成物100部に対して、硬化促進剤として
8%オクチル酸コバルト(金属分8%のオクチル酸コバ
ルト)0.3部と、硬化剤328E(化薬アクゾ製)
1.0部とを混合した。次いで、この硬化促進剤及び硬
化剤を含むラジカル重合性樹脂組成物60gを15cm
×15cmの大きさのチョップドストランドガラスマッ
ト(MC−450、日東紡績社製)2層に含浸させて、
25℃雰囲気下でガラス板状に成形した。この成形品に
おけるチョップドストランドガラスマット表面の乾燥状
態を指触にて評価し、チョップドストランドガラスマッ
ト含浸後、3時間目のチョップドストランドガラスマッ
ト表面が完全に乾燥している場合を「○」とし、一部未
乾燥の部分がある場合を「△」とし、全体に乾燥してい
ない場合を「×」とした。
【0086】(2)塗膜乾燥性 実施例8〜15及び比較例7〜11で得られたラジカル
重合性樹脂組成物100部に対して、硬化促進剤として
8%オクチル酸コバルト(金属分8%のオクチル酸コバ
ルト)0.3部と硬化剤328E(化薬アクゾ製)1.
0部とを混合した。次いで、この硬化促進剤及び硬化剤
を含むラジカル重合性樹脂組成物を0.2mm厚みに、
アプリケーターを用いて25℃雰囲気下でテトロン(登
録商標)フィルム上に塗布した。この塗膜表面の乾燥性
を指触にて評価し、塗膜を塗布後、3時間目の塗膜表面
が完全に乾燥している場合を「○」とし、一部に未乾燥
の部分がある場合を「△」とし、半分以上乾燥していな
い場合を「×」とした。
【0087】
【表4】
【0088】実施例16、比較例12 実施例1と同様に、パラフィンワックスと各種溶剤とを
表5に示す配合で混合し、50℃にて加熱溶解させ乾燥
性付与剤を得た。この乾燥性付与剤を、製造例−Eで得
られたポリエステル樹脂に表5に示す添加量で混合し、
ラジカル重合性樹脂組成物を調製した。得られたラジカ
ル重合性樹脂組成物を塗装したときの35℃雰囲気下で
の乾燥性(以下、35℃塗膜乾燥性という)及び10℃
雰囲気下での乾燥性(以下、10℃乾燥性という)を、
乾燥性付与剤の組成と併せて表5に示す。
【0089】実施例15及び比較例12で得られたラジ
カル重合性樹脂組成物の35℃塗膜乾燥性及び10℃乾
燥性は、以下に示す方法により評価した。 (1)35℃塗膜乾燥性 実施例15及び比較例12で得られたラジカル重合性樹
脂組成物100部に対して、硬化促進剤として8%オク
チル酸コバルト(金属分8%のオクチル酸コバルト)
0.3部と、硬化剤として55%メチルエチルケトンパ
ーオキサイド1.0部とを混合した。次いで、この硬化
促進剤及び硬化剤を混合したラジカル重合性樹脂組成物
を、2.0mm厚み及び0.2mm厚みに、アプリケー
ターを用いて35℃雰囲気下でテトロンフィルム上に塗
布した。この塗膜塗布後4時間目の表面状態を目視にて
評価した。
【0090】(2)10℃塗膜乾燥性 実施例15及び比較例12で得られたラジカル重合性樹
脂組成物100部に対して、硬化促進剤として8%オク
チル酸コバルト(金属分8%のオクチル酸コバルト)
0.3部と、硬化剤として55%メチルエチルケトンパ
ーオキサイド1.0部とを混合した。次いで、この硬化
促進剤及び硬化剤を混合したラジカル重合性樹脂組成物
を、2.0mm厚み及び0.2mm厚みに、アプリケー
ターを用いて10℃雰囲気下でテトロンフィルム上に塗
布した。この塗膜塗布後8時間目の表面状態を目視にて
評価した。
【0091】
【表5】
【0092】
【発明の効果】本発明のラジカル重合性樹脂乾燥性付与
剤は、上述のような構成からなるため、ラジカル重合性
樹脂組成物の硬化時に、ワックス類の膜を表面に速やか
に形成して乾燥性を向上することができるうえ、温度条
件や硬化物の厚みによる影響が少なくて、低温時、高温
時や薄膜形成時でも表面に不具合を生じることなく優れ
た乾燥性を付与することができ、しかも、ワックス類の
結晶が析出することによる硬化物の機械強度の低下を抑
制することができることから、繊維強化プラスチック
(FRP)、レジンコンクリート、塗料、注型、パテ、
ライニング、塗り床等の材料や、コンクリート、モルタ
ル、鋼板、ガラス等の被覆材料等の各種用途に用いるこ
とができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 101/00 (C08L 101/00 91:06) 91:06) Fターム(参考) 4J002 AE032 BB032 BG031 CD191 CF211 CF271 CK021 EA016 EA046 EB126 4J011 PA34 PA56 PA64 PA86 PA88 PA95 PC02 PC08 QA03 QA13 QA22 QA33 QB14 QB16 QB20 QB22 QB24 RA10 UA01 XA02 4J027 AA02 AB04 AB05 AB08 AB09 AB22 AE07 AG04 AG09 AG13 AG33 BA07 BA10 BA20 BA26 CA04 CA10 CC02 CC04 CD01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワックス類及び沸点90℃以下の炭化水
    素溶剤を必須成分として含むラジカル重合性樹脂乾燥性
    付与剤であって、該ワックス類及び該沸点90℃以下の
    炭化水素溶剤の重量割合は、該ラジカル重合性樹脂乾燥
    性付与剤を100重量%とすると、ワックス類が1〜3
    0重量%であり、沸点90℃以下の炭化水素溶剤が5重
    量%以上であることを特徴とするラジカル重合性樹脂乾
    燥性付与剤。
  2. 【請求項2】 ワックス類、沸点160℃以上の芳香族
    炭化水素溶剤及び沸点90℃以下の炭化水素溶剤を必須
    成分として含むラジカル重合性樹脂乾燥性付与剤であっ
    て、該ワックス類、該沸点160℃以上の芳香族炭化水
    素溶剤及び該沸点90℃以下の炭化水素溶剤の重量割合
    は、該ラジカル重合性樹脂乾燥性付与剤を100重量%
    とすると、ワックス類が1〜30重量%であり、沸点1
    60℃以上の芳香族炭化水素溶剤が5〜50重量%であ
    り、沸点90℃以下の炭化水素溶剤が5重量%以上であ
    ることを特徴とするラジカル重合性樹脂乾燥性付与剤。
  3. 【請求項3】 ラジカル重合性樹脂、ワックス類及び沸
    点90℃以下の炭化水素溶剤を必須成分として含むラジ
    カル重合性樹脂組成物であって、該ワックス類及び該沸
    点90℃以下の炭化水素溶剤の重量割合は、該ラジカル
    重合性樹脂組成物を100重量%とすると、ワックス類
    が0.01〜0.5重量%であり、沸点90℃以下の炭
    化水素溶剤が0.05〜5重量%であることを特徴とす
    るラジカル重合性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ラジカル重合性樹脂、ワックス類、沸点
    160℃以上の芳香族炭化水素溶剤及び沸点90℃以下
    の炭化水素溶剤を必須成分として含むラジカル重合性樹
    脂組成物であって、該ワックス類、該沸点160℃以上
    の芳香族炭化水素溶剤及び該沸点90℃以下の炭化水素
    溶剤の重量割合は、該ラジカル重合性樹脂組成物を10
    0重量%とすると、ワックス類が0.01〜0.5重量
    %であり、沸点160℃以上の芳香族炭化水素溶剤が
    0.05〜2.5重量%であり、沸点90℃以下の炭化
    水素溶剤が0.05〜5重量%であることを特徴とする
    ラジカル重合性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のラジカル重合性樹脂組成
    物を硬化させてなることを特徴とするラジカル重合性樹
    脂組成物硬化物。
  6. 【請求項6】 請求項4記載のラジカル重合性樹脂組成
    物を硬化させてなることを特徴とするラジカル重合性樹
    脂組成物硬化物。
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