JP2002097160A - 芳香族ヨウ素化物の製造法 - Google Patents

芳香族ヨウ素化物の製造法

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JP2002097160A
JP2002097160A JP2000285738A JP2000285738A JP2002097160A JP 2002097160 A JP2002097160 A JP 2002097160A JP 2000285738 A JP2000285738 A JP 2000285738A JP 2000285738 A JP2000285738 A JP 2000285738A JP 2002097160 A JP2002097160 A JP 2002097160A
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Hideo Kitagawa
英男 北川
Kunio Atsumi
國夫 渥美
Mitsuaki Mukoyama
光昭 向山
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Meiji Seika Kaisha Ltd
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Meiji Seika Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】高収率で芳香族ヨウ素化物を得ることができる
製造法を提供する。 【解決手段】一般式(I) [式中、R〜Rは同一でも異なっていてもよく、水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基をあら
わし、Mはリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウ
ム、一般式(II) [式中、R〜Rは同一でも異なっていてもよく、水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基をあら
わす。]、トリクロロチタン、銀、置換されていてもよ
いフェロセンを表わす。]の存在下、芳香族化合物を塩
化ヨウ素で処理することを特徴とする芳香族ヨウ素化物
の製造法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族ヨウ素化物
の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ハロゲン化物は溶媒、医薬、農薬
中間体原料、プラスチックス原料の重要中間体として、
また有機合成において、炭素炭素結合反応、炭素ヘテロ
原子結合反応に用いられる汎用性が非常に高い。その合
成方法は今までに数多く報告されており、ほぼ以下に示
す合成法に分類される。 (1)芳香族化合物を、一般に知られているニトロ化剤
(例えば濃硝酸、濃硫酸による)を用い、ニトロ基を有
する芳香族化合物へと導き、これを還元しアミノ基へと
導いた後、硝酸などの強酸存在下、ジエチルアミンなど
のアミン化合物と作用させ、ジアゾニウム化合物へと導
き、ハロゲン化剤と作用させる(Synthesis,575,(198
4))。 (2)芳香族化合物をルイス酸などの活性化剤の存在
下、または高温下、ハロゲン化剤と直接作用させる(Sy
nthesis,923,(1988))。 (3)芳香族化合物の水素原子を一旦、タリウムアセト
キシなどの有機金属に置き換えハロゲン化剤と作用させ
る(Bull,Chem,Soc,Jpn.,47,1680,(1974))。
【0003】しかし、これらの従来法の問題点として
は、(1)多反応工程が必要であり、さらにさまざまな
副反応が生じる、(2)原料である芳香族化合物を反応
溶媒として用いることや、反応活性化剤として用いるル
イス酸を1当量以上必要とする、(3)トリフルオロ酢
酸やその他の強酸を反応に用いる、または高温下などの
過酷な反応条件を必要とする、(4)芳香族化合物をブ
チルリチウムなどに代表される、禁水試薬を用い、有毒
であるタリウムなどの有機金属を用いる、などを有して
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、触媒量の活
性化剤により、室温下、芳香族化合物を過剰に用いる事
無く高収率で芳香族ヨウ素化物を得ることができる製造
法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の芳
香族ヨウ化物の製造法を改良すべく、鋭意研究を重ねた
結果、触媒量の一般式(I)存在下、芳香族化合物をヨ
ウ素化剤と処理することにより、高収率で芳香族ヨウ化
物を得られる製造法を見出した。すなわち本発明は、
(1)下記の一般式(I)
【0006】
【化3】
【0007】[式中、R1〜R4は同一でも異なっていて
もよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリー
ル基をあらわし、Mはリチウム、ナトリウム、カリウ
ム、セシウム、下記一般式(II)
【0008】
【化4】
【0009】[式中、R5〜R7は同一でも異なっていて
もよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリー
ル基をあらわす。]、トリクロロチタン、銀、置換され
ていてもよいフェロセンを表わす。]の存在下、芳香族
化合物をヨウ素化剤と処理することを特徴とする芳香族
ヨウ素化物の製造法、
【0010】(2)請求項1の製造法においてキノン類
または塩基を共存させることを特徴とする芳香族ヨウ素
化物の製造法、を提供する。
【0011】本発明のヨウ素化方法を適用出来る芳香族
化合物は、無置換または置換されていてもよく、特に制
限されるものではないが、芳香族化合物を構成する芳香
環の少なくとも一つの位置が非置換のものであればよ
い。
【0012】芳香族化合物としては、ベンゼン、ナフタ
レン、ビフェニル、アントラセン、フェナントロレン、
ピロール、フラン、チオフェン、インドール、クマロ
ン、チアナフテン、ピラゾール、イソキサゾール、イソ
チアゾール、インダゾール、イミダゾール、オキサゾー
ル、チアゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、
ピリダジン、ピリミジン、ピラジンなどが挙げられる。
【0013】芳香環の置換基としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブ
チル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシク
ロアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ア
ルコール、または一般的にアルコールの保護基として用
いられる官能基を有するアルコール、アミノ基、メチル
アミノ基、ジメチルアミノ基、トリエチルアミノ基、エ
チルアミノ基、ジエチルアミノ基、トリエチルアミノ
基、環状アミノ基、または一般的にアミノ基の保護基と
して用いられる官能基を有するアミノ基などを例示する
ことができる。
【0014】アルコールの保護基として用いられる官能
基としては、Protective group inorganic synthesis T
hird Edition(JOHN WILEY & SONS.INC.,P17)記載の
Hydroxy groupsの保護基を表わす。アミノ基の保護基と
して用いられる官能基としては、Protective group in
organic synthesis Third Edition(JOHN WILEY & SON
S.INC.,P494)記載のAmino groupsの保護基を表わす。
【0015】化合物(I)及び(II)中の、R1〜R7
のアルキル基とは、炭素数1−8の鎖状、分岐でもよ
く、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert
-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等を表わす。一般
式(I)及び(II)中の、R1〜R7のハロゲン原子と
は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を
表わす。
【0016】発明中、一般式(I)はハロゲン化反応を
安定にし、かつ温和な条件下で進行させるものである。
式中のR1〜Rのアリール基とは、置換または非置換
でよく、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基、ペン
タクロロフェニル基、ペンタブロモフェニル基、ペンタ
ヨードフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−
4−(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス
(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4−ビス(ト
リフルオロメチル)フェニル基などを表わす。
【0017】式(I)中のフェロセン(biscyclopentad
ienyliron)は、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい)、アルキル基
(炭素数1−8の鎖状または分岐でもよいアルキル基が
好ましい)、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキ
ル基、ホルミル基、アリール基(前述と同じ意味を表わ
す)、アミノ基、アミノ基の保護基として用いられる官
能基を有するアミノ基、ニトロ基、リン原子で置換され
ていてもよい。
【0018】本発明は、従来の芳香族ヨウ化物の製造法
に比べ、触媒量の一般式(I)存在下、芳香族化合物を
ヨウ素化剤と処理することにより、高収率で芳香族ヨウ
化物を得ることができることを特徴としている。しか
し、さらにキノン類または、塩基を共存させることによ
り、副反応を抑え、さらに高収率で芳香族ヨウ素化物を
得ることができることを見出した。
【0019】キノン類は、トルエンなどのヨウ素化の
際、副反応として生じる、ベンジル位のヨウ素化を防ぐ
ため、ラジカルトラップ剤の目的で使用される。1,4
−ベンゾキノン、ブロマニル、2−ブロモ−1,4−ベ
ンゾキノン、2−ブロモ−5−メチル−1,4−ベンゾ
キノン、2−tert−ブチル−1、4−ベンゾキノン、ク
ロラニール、2−クロロ−5−メチル−1,4−ベンゾ
キノン、2,5−ジ−tert−アミルベンゾキノン、2,
5−ジブロモ−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジ−te
rt−ブチル−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジ−tert
−ブチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジクロロ−
1,4−ベンゾキノン、2,6−ジクロロ−1,4−ベ
ンゾキノン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−
1,4−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−1,4
−ベンゾキノン、2,5−ジメトキシ−1,4−ベンゾ
キノン、2,6−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、
2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノ
ン、2,6−ジメチル−1,4−ベンゾキノン、2,5
−ジフェニル−1,4−ベンゾキノン、メトキシベンゾ
キノン、テトラフルオロ-−1,4−ベンゾキノン、テ
トラクロロ−1,4−ベンゾキノン、テトラブロモ−
1,4−ベンゾキノン、テトラメチル−1,4−ベンゾ
キノンなどを例示することが出来る。
【0020】塩基はヨウ素化後、副生するハロゲン化水
素をトラップする目的で使用される。従って、その溶解
度はわずかであっても問題はなく炭酸カルシウム、炭酸
水素カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金
属、又はアルカリ土類金属の炭酸塩、又は炭酸水素塩、
酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸
化鉄、酸化銅、酸化銀、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、
酸化スズ、酸化鉛などの金属酸化物、トリエチルアミ
ン、ピリジン、トリエチレンアミン、ジイソプロピルエ
チルアミン、ジメチルアミノピリジンなどの有機塩基な
どが例示することが出来る。
【0021】本発明で用いる溶媒は、特に制限はなく、
無溶媒でも構わず、ジクロロメタン、ジクロロエタン、
クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、ヘキ
サン、シクロヘキサン、ヘプタン、ペンタン、オクタン
などのアルキル系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロ
ピルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶
媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなど
を例示することが出来る。
【0022】反応温度は、特に制限はなく、反応に用い
る溶媒の凝固点から沸点までのいずれの温度でも構わな
いが、特に室温付近の温度(具体的には0℃−30℃)
が好ましい。反応は反応開始直後から72時間以内に完
結している。
【0023】ヨウ素化剤にはヨウ素、ヨウ化モノクロリ
ド、N−ヨウドコハク酸イミド、ベンジルトリメチルア
ンモニウムジクロロヨーデート、テトラエチルアンモニ
ウムヨーダイド、テトラノルマルブチルアンモニウムヨ
ーダイド、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化
カリウム、1−クロロ−2−ヨードエタン、ヨウ素フッ
化銀、tert−ブチルハイポヨージド、1,3−ジヨード
−5,5−ジメチルハイダントイン、ヨウ素−モルフォ
リン錯体、トリフルオロアセチルハイポヨージド、ヨウ
素−過ヨウ素酸、1−ヨ−ドヘプタフルオロプロパン、
トリフェニルホスフェート−メチルヨージド、ヨウ素−
タリウム(I)アセテート、1−クロロ−2−ヨードエ
タン、ヨウ素−銅(II)アセテート、その他の使用可
能なヨウ素化剤があげられる。
【0024】また、一般式(I)は以下の方法により入
手または合成できる。リチウムテトラキスペンタフルオ
ロフェニルボレートは東京化成工業株式会社より市販さ
れており、入手可能である。これを、0.1mmHg減圧下、3
0℃にて5〜8時間乾燥したものを用いる。リチウムテ
トラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニ
ル]ボレートは、Bull.Chem.Soc.Jpn.,57,2600(1984)に
記載されている手法により合成できる。フェロセニウム
テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェ
ニル]ボレートは、J.Org.Chem.,601,126(2000)に記載
されている手法により合成できる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下実施例に基づいて、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によ
り限定されるものではない。
【0026】
【実施例】実施例1 ヨウ化トルエンの合成法(1) アルゴン雰囲気、室温下、フェロセニウムテトラキス
(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレ
ート(58mg、5.53X10-2mmol)と2,
3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノ
ン(125.5mg、0.55mmol)にジクロロメ
タン(2.2ml)を加え撹拌をする。その後、塩化ヨ
ウ素の1.0Mジクロロメタン溶液(2.21ml、
2.21mmol)を加え、室温下30分間撹拌する。
その後トルエン(117.6μL、1.11mmol)
を加え8時間撹拌する。反応終了後、飽和亜硫酸ナトリ
ウム水溶液を加え反応を停止する。この混合物の水層を
酢酸エチルにて2回抽出し、有機層を合わせ、水、飽和
食塩水の順に洗浄し無水硫酸マグネシウムにて乾燥を行
う。ろ過後、ろ液をエバポレーターにて濃縮すると表題
化合物の液体が得られた。反応収率、異性体比はガスク
ロマトグラフィー、NMRスペクトルにより決定した。
反応収率:定量的、異性体比o/p=53/47
【0027】The Aldrich Library of 13C and 1H FTNM
R Spectra EDITION VOLUME2 72Cと一致した。 オルト体:1H NMR(CDCl3)δ2.35(3H,s),6.73〜6.79(1
H,m),7.10〜7.17(2H,m),7.72(1H,d,8.27Hz) パラ体:1H NMR(CDCl3)δ2.28(3H,s),6.91(2H,d,8.27
Hz),7.55(2H,d,8.27Hz)
【0028】実施例2 ヨウ化トルエンの合成法(2) アルゴン雰囲気、室温下、リチウムテトラキス(3,5
−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート
(8.1mg、9.31X10-3mmol)にジクロロ
メタン(0.4ml)を加え撹拌をする。その後、塩化
ヨウ素の1.0Mジクロロメタン溶液(0.4ml、
0.4mmol)を加え、室温下30分間撹拌する。そ
の後トルエン(19.8μL、1.86X10-1mmo
l)を加え10時間撹拌する。反応終了後、飽和亜硫酸
ナトリウム水溶液を加え反応を停止する。この混合物の
水層を酢酸エチルにて2回抽出し、有機層を合わせ、
水、飽和食塩水の順に洗浄し無水硫酸マグネシウムにて
乾燥を行う。ろ過後、ろ液をエバポレーターにて濃縮す
ると表題化合物の液体が得られた。反応収率、異性体比
はガスクロマトグラフィー、NMRスペクトルにより決
定した。反応収率:68%、異性体比o/p=46/5
【0029】実施例3 ヨウ化トルエンの合成法(3) アルゴン雰囲気、室温下、リチウムテトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)ボレート(44.9mg、6.55
X10-2mmol)と酸化亜鉛(53,3mg、0.6
5mmol)に塩化ヨウ素の1.0Mジクロロメタン溶
液(1.3ml、1.3mmol)を加え、室温下40
分間撹拌する。その後トルエン(69.6μL、6.5
0X10-1mmol)を加え8時間撹拌する。反応終了
後、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液を加え反応を停止す
る。この混合物の水層を酢酸エチルにて2回抽出し、有
機層を合わせ、水、飽和食塩水の順に洗浄し無水硫酸マ
グネシウムにて乾燥を行う。ろ過後、ろ液をエバポレー
ターにて濃縮すると表題化合物の液体が得られた。反応
収率、異性体比はガスクロマトグラフィー、NMRスペ
クトルにより決定した。反応収率:47%、異性体比o
/p=43/57
【0030】実施例4 ヨウ化トルエンの合成法(4) アルゴン雰囲気、室温下、シルバーテトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)ボレート(39.7mg、5.04
X10-2mmol)にジクロロメタン(0.5ml)、
トリメチルシリルクロリドのジクロロメタン溶液(0.
03ml、5.04X10-2mmol)を加え1.5時
間撹拌した。そして、塩化ヨウ素の1.0Mジクロロメ
タン溶液(0.5ml、0.5mmol)を加え、室温
下50分間撹拌する。その後トルエン(30.0μL、
0.25mmol)を加え19時間撹拌する。反応終了
後、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液を加え反応を停止す
る。この混合物の水層を酢酸エチルにて2回抽出し、有
機層を合わせ、水、飽和食塩水の順に洗浄し無水硫酸マ
グネシウムにて乾燥を行う。ろ過後、ろ液をエバポレー
ターにて濃縮すると表題化合物の液体が得られた。反応
収率、異性体比はガスクロマトグラフィー、NMRスペ
クトルにより決定した。反応収率:80%、異性体比o
/p=41/59
【0031】実施例5 ヨウ化トルエンの合成法(5) アルゴン雰囲気、室温下、フッ化銀(141.5mg、
1.12mmol)、ヨウ素(283.1mg、1.1
2mmol)、トルエン(2.38ml、22.4mm
ol)を加え20分間撹拌し、(リチウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート(75.5mg、
0.11mmol)を加え、室温下17時間撹拌する。
反応終了後、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液を加え反応を
停止する。セライトにて不溶物をろ取し、この混合物の
水層を酢酸エチルにて2回抽出し、有機層を合わせ、
水、飽和食塩水の順に洗浄し無水硫酸マグネシウムにて
乾燥を行う。ろ過後、ろ液をエバポレーターにて濃縮す
ると表題化合物の液体が得られた。反応収率、異性体比
はガスクロマトグラフィー、NMRスペクトルにより決
定した。反応収率:99%、異性体比o/p=31/6
【0032】実施例6 ヨウ化ベンゼンの合成法(1) アルゴン雰囲気、室温下、フェロセニウムテトラキス
(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレ
ート(61.5mg、5.86X10-2mmol)にジ
クロロメタン(1.8ml)を加え撹拌をする。その
後、塩化ヨウ素の1.0Mジクロロメタン溶液(1.8
ml、1.8mmol)を加え、室温下30分間撹拌す
る。その後ベンゼン(104.0μL、1.17mmo
l)を加え37時間撹拌する。反応終了後、飽和亜硫酸
ナトリウム水溶液を加え反応を停止する。この混合物の
水層を酢酸エチルにて2回抽出し、有機層を合わせ、
水、飽和食塩水の順に洗浄し無水硫酸マグネシウムにて
乾燥を行う。ろ過後、ろ液をエバポレーターにて濃縮す
ると表題化合物の液体が得られた。反応収率はガスクロ
マトグラフィー、NMRスペクトルにより決定した。反
応収率:62%
【0033】The Aldrich Library of 13C and 1H FTNM
R Spectra EDITION VOLUME2 62Aと一致した。1 H NMR(CDCl3)δ7.09(2H,m),7.32(1H,m),7.69(2H,m)
【0034】実施例7 ヨウ化ベンゼンの合成法(2) アルゴン雰囲気、室温下、フェロセニウムテトラキス
(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレ
ート(51.8mg、4.94X10-2mmol)と
2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾ
キノン(112.1mg、0.49mmol)にジクロ
ロメタン(2.0ml)を加え撹拌をする。その後、塩
化ヨウ素の1.0Mジクロロメタン溶液(1.97m
l、1.97mmol)を加え、室温下30分間撹拌す
る。その後ベンゼン(87.8μL、0.99mmo
l)を加え16.5時間撹拌する。反応終了後、飽和亜
硫酸ナトリウム水溶液を加え反応を停止する。この混合
物の水層を酢酸エチルにて2回抽出し、有機層を合わ
せ、水、飽和食塩水の順に洗浄し無水硫酸マグネシウム
にて乾燥を行う。ろ過後、ろ液をエバポレーターにて濃
縮すると表題化合物の液体が得られた。反応収率、NM
Rスペクトルにより決定した。反応収率:47%
【0035】実施例8 ヨウ化アニソールの合成法 アルゴン雰囲気、室温下、フェロセニウムテトラキス
(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレ
ート(50.3mg、4.79X10-2mmol)と酸
化亜鉛(78.5mg、0.96mmol)にジクロロ
メタン(1.7ml)を加え撹拌をする。その後、塩化
ヨウ素の1.0Mジクロロメタン溶液(1.05ml、
1.05mmol)を加え、室温下30分間撹拌する。
その後アニソール(104.5mg、0.96mmo
l)をジクロロメタン(1.0ml)に溶解し、加え3
時間撹拌する。反応終了後、飽和亜硫酸ナトリウム水溶
液を加え反応を停止する。この混合物の水層を酢酸エチ
ルにて2回抽出し、有機層を合わせ、水、飽和食塩水の
順に洗浄し無水硫酸マグネシウムにて乾燥を行う。ろ過
後、ろ液をエバポレーターにて濃縮すると表題化合物の
液体が得られた。反応収率、異性体比はガスクロマトグ
ラフィー、NMRスペクトルにより決定した。反応収
率:95%、異性体比o/p=11/89
【0036】オルト体はThe Aldrich Library of 13C a
nd 1H FTNMR Spectra EDITION VOLUME2 179Cと一致し
た。 オルト体:1H NMR(CDCl3)δ3.87(3H,s),6.68〜6.73(1
H,m),6.81〜6.84(1H,m),7.25〜7.33(1H,m),7.75〜7.78
(1H,m) パラ体:1H NMR(CDCl3)δ3.77(3H,s),6.68(2H,d,8.81
Hz),7.55(2H,d,8.81Hz)
【0037】実施例9 ヨード−2,4,6−トリメチ
ルベンゼンの合成法 アルゴン雰囲気、室温下、フェロセニウムテトラキス
(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレ
ート(51.1mg、4.87X10-2mmol)と酸
化亜鉛(78.9mg、0.97mmol)にジクロロ
メタン(1.8ml)を加え撹拌をする。その後、塩化
ヨウ素の1.0Mジクロロメタン溶液(1.1ml、
1.1mmol)を加え、室温下30分間撹拌する。そ
の後ジクロロメタン(1.0ml)に溶解したメシチレ
ン(117.9mg、0.97mmol)を加え、3時
間撹拌する。反応終了後、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液
を加え反応を停止する。この混合物の水層を酢酸エチル
にて2回抽出し、有機層を合わせ、水、飽和食塩水の順
に洗浄し無水硫酸マグネシウムにて乾燥を行う。ろ過
後、ろ液をエバポレーターにて濃縮すると表題化合物の
液体が得られた。反応収率はガスクロマトグラフィー、
NMRスペクトルにより決定した。反応収率:93%
【0038】1H NMR(CDCl3)δ2.23(3H,s),2.42(6H,s),
6.88(2H,s)
【0039】実施例10 ヨード−p−キシレンの合成
法 アルゴン雰囲気、室温下、フェロセニウムテトラキス
(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレ
ート(51.0mg、4.86X10-2mmol)と酸
化亜鉛(79.1mg、0.97mmol)にジクロロ
メタン(1.8ml)を加え撹拌をする。その後、塩化
ヨウ素の1.0Mジクロロメタン溶液(1.07ml、
1.07mmol)を加え、室温下45分間撹拌する。
その後ジクロロメタン(1.0ml)に溶解したp−キ
シレン(103.2mg、0.97mmol)を加え3
時間20分撹拌する。反応終了後、飽和亜硫酸ナトリウ
ム水溶液を加え反応を停止する。この混合物の水層を酢
酸エチルにて2回抽出し、有機層を合わせ、水、飽和食
塩水の順に洗浄し無水硫酸マグネシウムにて乾燥を行
う。ろ過後、ろ液をエバポレーターにて濃縮すると表題
化合物の液体が得られた。反応収率はガスクロマトグラ
フィー、NMRスペクトルにより決定した。反応収率:
70%
【0040】NMRスペクトルは、Bunseki Kagaku,24
(1),70,(1975)と一致した。1 H NMR(CDCl3)δ2.17(3H,s),2.32(3H,s),7.00(2H,m),
7.59(1H,s)
【0041】実施例11 ヨウ化アニリンの合成法 アルゴン雰囲気、室温下、フェロセニウムテトラキス
(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレ
ート(50.9mg、4.85X10-2mmol)と酸
化亜鉛(79.8mg、0.97mmol)にジクロロ
メタン(1.8ml)を加え撹拌をする。その後、塩化
ヨウ素の1.0Mジクロロメタン溶液(1.07ml、
1.07mmol)を加え、室温下30分間撹拌する。
その後ジクロロメタン(1.0ml)に溶解したアニリ
ン(91.0mg、0.97mmol)を加え3時間撹
拌する。反応終了後、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液を加
え反応を停止する。この混合物の水層を酢酸エチルにて
2回抽出し、有機層を合わせ、水、飽和食塩水の順に洗
浄し無水硫酸マグネシウムにて乾燥を行う。ろ過後、ろ
液をエバポレーターにて濃縮すると表題化合物の液体が
得られた。反応収率、異性体比はガスクロマトグラフィ
ー、NMRスペクトルにより決定した。反応収率:88
%、異性体比o/p=5/95
【0042】オルト体はThe Aldrich Library of 13C a
nd 1H FTNMR Spectra EDITION VOLUME2 462Cと一致し
た。1 H NMR(CDCl3)δ3.88(2H,brs),6.43〜6.49(1H,m),6.72
〜6.75(1H,m),7.10〜7.15(1H,m),7.61〜7.64(1H,m) パラ体はThe Aldrich Library of 13C and 1H FTNMR Sp
ectra EDITION VOLUME2482Cと一致した。1 H NMR(CDCl3)δ3.51(2H,brs),6.46(2H,d,J=8.62Hz),
7.40(2H,d,J=8.62Hz)
【0043】実施例12 ヨウ化フェノールの合成法 アルゴン雰囲気、室温下、フェロセニウムテトラキス
(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレ
ート(30.9mg、2.94X10-2mmol)と酸
化亜鉛(47.6mg、0.59mmol)にジクロロ
メタン(1.7ml)を加え撹拌をする。その後、塩化
ヨウ素の1.0Mジクロロメタン溶液(0.65ml、
0.65mmol)を加え、室温下50分間撹拌する。
その後ジクロロメタン(0.2ml)に溶解したフェノ
ール(55.5mg、0.59mmol)を加え3時間
撹拌する。反応終了後、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液を
加え反応を停止する。この混合物の水層を酢酸エチルに
て2回抽出し、有機層を合わせ、水、飽和食塩水の順に
洗浄し無水硫酸マグネシウムにて乾燥を行う。ろ過後、
ろ液をエバポレーターにて濃縮し、残渣をシリカゲルT
LCにて精製する(展開溶媒ヘキサン/酢酸エチル=3
/1)。精製後、表題化合物115.4mgを白色結晶
として得る。反応収率、異性体比はNMRスペクトルに
より決定した。反応収率:89%、異性体比o/p=1
6/84
【0044】オルト体:1H NMR(CDCl3)δ5.34(1H,s),
6.64〜6.69(1H,m),6.97〜7.00(1H,m),7.21〜7.26(1H,
m),7.63〜7.66(1H,m) パラ体はThe Aldrich Library of 13C and 1H FTNMR Sp
ectra EDITION VOLUME2254Aと一致した。1 H NMR(CDCl3)δ5.12(1H,s),6.62(2H,d,J=8.81Hz),7.5
1(2H,d,J=8.81Hz)
【0045】実施例13 2−ヨードチオフェンの合成
法 アルゴン雰囲気、室温下、フェロセニウムテトラキス
(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレ
ート(30.1mg、2.87X10-2mmol)と酸
化亜鉛(46.5mg、0.57mmol)にジクロロ
メタン(0.7ml)を加え撹拌をする。その後、塩化
ヨウ素の1.0Mジクロロメタン溶液(0.63ml、
0.63mmol)を加え、室温下40分間撹拌する。
その後ジクロロメタン(1.0ml)に溶解したチオフ
ェン(49.2mg、0.57mmol)を加え4日間
撹拌する。反応終了後、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液を
加え反応を停止する。この混合物の水層を酢酸エチルに
て2回抽出し、有機層を合わせ、水、飽和食塩水の順に
洗浄し無水硫酸マグネシウムにて乾燥を行う。ろ過後、
ろ液をエバポレーターにて濃縮すると表題化合物の液体
が得られた。反応収率はガスクロマトグラフィーにより
決定した。反応収率:6% The Aldrich Library of 13C and 1H FTNMR Spectra ED
ITION VOLUME2 45Bと一致した。
【0046】実施例14 ヨード−m−キシレンの合成
法 アルゴン雰囲気、室温下、フェロセニウムテトラキス
(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレ
ート(41.6mg、3.70X10-2mmol)と酸
化亜鉛(64.5mg、0.79mmol)にジクロロ
メタン(2.3ml)を加え撹拌をする。その後、塩化
ヨウ素の1.0Mジクロロメタン溶液(0.87ml、
0.87mmol)を加え、室温下30分間撹拌する。
その後m−キシレン(97.0μL、0.79mmo
l)を加え3時間撹拌する。反応終了後、飽和亜硫酸ナ
トリウム水溶液を加え反応を停止する。この混合物の水
層を酢酸エチルにて3回抽出し、有機層を合わせ、水、
飽和食塩水の順に洗浄し無水硫酸マグネシウムにて乾燥
を行う。ろ過後、ろ液をエバポレーターにて濃縮すると
表題化合物の液体が得られた。反応収率、異性体比はガ
スクロマトグラフィー、NMRスペクトルにより決定し
た。反応収率:91%、4−ヨード−m−キシレンのみ
生成。
【0047】1H NMR(CDCl3)δ2.24(3H,s),2.36(3H,s),
6.66(1H,d,8.08Hz),7.03(1H,s),7.63(1H,d,8.08Hz)
【0048】実施例15 ヨード−O−キシレンの合成
法 アルゴン雰囲気、室温下、フェロセニウムテトラキス
(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレ
ート(43.2mg、4.10X10-2mmol)と酸
化亜鉛(67.0mg、0.82mmol)にジクロロ
メタン(2.4ml)を加え撹拌をする。その後、塩化
ヨウ素の1.0Mジクロロメタン溶液(0.91ml、
0.91mmol)を加え、室温下30分間撹拌する。
その後O−キシレン(100.5μL、0.82mmo
l)を加え2時間撹拌する。反応終了後、飽和亜硫酸ナ
トリウム水溶液を加え反応を停止する。この混合物の水
層を酢酸エチルにて3回抽出し、有機層を合わせ、水、
飽和食塩水の順に洗浄し無水硫酸マグネシウムにて乾燥
を行う。ろ過後、ろ液をエバポレーターにて濃縮すると
表題化合物の液体が得られた。反応収率、異性体比はガ
スクロマトグラフィー、NMRスペクトルにより決定し
た。反応収率:83%、3−ヨード−0−キシレン/4
−ヨ−ド−O−キシレン=79/21。
【0049】NMRスペクトルは、Bunseki Kagaku,24
(1),70,(1975)と一致した。 3−ヨード−0−キシレン:1H NMR(CDCl3)δ2.33(3H,
s),2.41(3H,s),6.73〜6.78(1H,m),7.08〜7.10(1H,m),
7.66〜7.68(1H,m) 4−ヨード−0−キシレン:1H NMR(CDCl3)δ2.19(3H,
s),2.20(3H,s),6.85(1H,d,7.90Hz),7.39(1H,d,7.90H
z),7.46(1H,s)
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、従来法に比べて過剰な
活性化剤を用いることなく、温和な条件下、効率良く芳
香族ヨウ素化物を得ることが可能になった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 37/62 C07C 37/62 39/27 39/27 41/22 41/22 43/225 43/225 B 209/74 209/74 211/52 211/52 C07D 333/28 C07D 333/28 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC30 BA02 BA05 BA10 BA19 BA31 BA38 BA44 BA50 BA69 BA92 BE53 FC52 FE13 FE73 FE77 GP03 GP22 4H039 CA54 CD10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式(I) 【化1】 [式中、R1〜R4は同一でも異なっていてもよく、水素
    原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基をあらわ
    し、Mはリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、
    下記一般式(II) 【化2】 [式中、R5〜R7は同一でも異なっていてもよく、水素
    原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基をあらわ
    す。]、トリクロロチタン、銀、置換されていてもよい
    フェロセンを表わす。]の存在下、芳香族化合物をヨウ
    素化剤と処理することを特徴とする芳香族ヨウ素化物の
    製造法。
  2. 【請求項2】請求項1の製造法においてキノン類または
    塩基を共存させることを特徴とする芳香族ヨウ素化物の
    製造法。
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