JP2002097097A - Cz法単結晶引上げ装置 - Google Patents

Cz法単結晶引上げ装置

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JP2002097097A JP2000283469A JP2000283469A JP2002097097A JP 2002097097 A JP2002097097 A JP 2002097097A JP 2000283469 A JP2000283469 A JP 2000283469A JP 2000283469 A JP2000283469 A JP 2000283469A JP 2002097097 A JP2002097097 A JP 2002097097A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CZ炉内に熱遮蔽体を備えるCZ法単結晶引
上げ装置において、原料融液から蒸発し飛散する物質の
量を低減させることができるようにする。 【解決手段】 原料融液17の所定の範囲を覆うことに
よって当該原料融液からの蒸発・飛散を抑制する蒸発抑
制体を、CZ法単結晶引上げ装置の熱遮蔽体23の下側
部分に取り付けるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チョクラルスキー
法(CZ法)により単結晶インゴットを製造するCZ法
単結晶引上げ装置、特に、不純物をドープしたシリコン
単結晶インゴットを製造するのに好適なシリコン単結晶
引上げ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコン単結晶インゴットの製造に用い
られるCZ法シリコン単結晶引上げ装置は、図13に示
されるように、ルツボ16、ヒータ18及び熱遮蔽体2
3をその構成要素として含む。そして、CZ法でシリコ
ン単結晶インゴットを製造する場合は、多結晶のシリコ
ンナゲットをルツボ16内に充填し、ヒータ18で加熱
することによってルツボ内のシリコンナゲットを融解
し、これによって形成されたシリコン融液17からシリ
コン単結晶インゴット21を引き上げる。
【0003】ここで、シリコンナゲットを融解すると、
石英製のルツボ16を構成するSiO2とシリコン融液17
のSiとが化学反応を起こして、シリコン融液中にSiOを
形成する。しかし、図13に示すように、通常のCZ法
シリコン単結晶引上げ装置では、ルツボ16の上部が開
口されていることから、形成されたSiOの殆どが融液表
面から蒸発する。そして、これがあまりにも甚だしい場
合には、最終的に得られるシリコンウエハのゲッタリン
グ効果を十分に確保することができないという問題があ
る。
【0004】一方、金属砒素やアンチモン等の不純物
(ドーパント)をドープしたシリコン単結晶インゴット
を製造する場合、これらのドーパントは沸点が低く、融
液表面から蒸発し易い。また、これらのドーパントは酸
素と反応して、As2O3、Sb2O3等の複合体となって蒸発す
る場合もあるが、いずれにしても、ドーパントの殆どが
蒸発してしまったのでは、シリコン単結晶インゴット中
にドーピングすべきドーパントの量が一定しなくなって
しまう。
【0005】これに加え、一般的なCZ法シリコン単結
晶引上げ装置では、通常は減圧下で不活性ガスが流され
ているために、融液表面から蒸発したAs、Sb、SiO、As2
O3、Sb2O3等は、不活性ガスに乗って装置内に揮散する
こととなり、これが装置を汚染する。これに関連して、
CZ炉内に熱遮蔽体23を設けたCZ法シリコン単結晶
引上げ装置においては、この熱遮蔽体23がシリコン融
液17に当たる不活性ガスの流速を加速させてしまうた
めに、シリコン融液17の液面からのドーパント等の蒸
発を更に促進してしまうこととなる。
【0006】これを解決するために、金属砒素やアンチ
モンをドープしたシリコン単結晶の製造を行う際に、融
液面からの蒸発量を減少させるべく、CZ炉内を高圧状
態にすると、CZ炉の上部から導入される不活性ガスの
流れを抑制してしまうこととなるため、熱遮蔽体23の
ガス整流効果が実質的に無くなってしまい、不活性ガス
の流速等の制御を行うことが困難となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来から使用されているCZ法シリコン単結晶引上げ装
置を使用した場合には、シリコン単結晶インゴット中に
取り込まれる酸素の量やドーパントの量の制御が困難で
あり、また、融液表面から蒸発したAs、Sb、SiO、As
2O3、Sb2O3等が装置内に飛散することによって装置を汚
染するといったような問題がある。
【0008】本発明は以上のような課題に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、CZ炉内に熱遮蔽体を備え
るCZ法単結晶引上げ装置において、原料融液から蒸発
し飛散する物質の量を低減させることができるようにす
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するために、本発明においては、原料融液の所定の範囲
を覆うことによって当該原料融液からの蒸発・飛散を抑
制する蓋様体を、CZ法単結晶引上げ装置の熱遮蔽体の
下側部分に取り付けるようにしたことを特徴とする。
【0010】本発明においては、原料融液からの蒸発・
飛散を抑制する蓋様体として、熱遮蔽体の下端部分に係
止することが可能なスカート様の部材を備えると共に当
該スカート様の部材の上で気体が流通できるような構造
のものを採用する。そして、スカート様の部材で原料融
液の所定の範囲を覆い、当該原料融液の所定の範囲に蓋
を載せるようにすることによって、当該原料融液からの
蒸発を抑制する。これと同時に、スカート様の部材の上
で気体が流通できるようにすることによって、原料融液
液面に不活性ガスが当たるのを防止し、原料融液からの
蒸発物が飛散するのを抑制するようにしている。
【0011】より具体的には、本発明は以下のようなも
のを提供する。
【0012】(1) 原料融液から引上げられる単結晶
インゴットの周囲を囲む熱遮蔽体を備えるCZ法単結晶
引上げ装置に使用され、前記原料融液からの蒸発を抑制
するために前記熱遮蔽体の下端付近に取り付けられる蓋
様体であって、前記熱遮蔽体の下端付近に係止される係
止部と、前記原料融液の表面の所定の範囲を覆う被覆部
と、前記係止部とこの被覆部とを連結する連結部と、を
備える蓋様体。
【0013】「蓋様体」はルツボ内の原料融液の蒸発を
抑制するために設けられるもので、この蓋様体によって
ルツボが一部蓋をされる格好となる。この蓋様体は、少
なくとも原料融液の一部を覆っていればよく((5)及
び(9))、基本的には、原料融液を覆う面積(原料融
液を蓋する面積)に応じた蒸発抑制効果を発揮すること
になる。本発明に係る「蓋様体」は、後述のように、先
細り形状の熱遮蔽体にも筒状の熱遮蔽体にも取り付ける
ことができる((2)及び(14))。
【0014】(2) 前記熱遮蔽体は先細り形状の熱遮
蔽体である(1)記載の蓋様体。
【0015】(3) 前記係止部は、前記先細り形状の
熱遮蔽体の最小径部よりも大きい径のリング部材もしく
はその一部からなるものであることを特徴とする(2)
記載の蓋様体。
【0016】(4) 前記被覆部は、輪状の平板プレー
トからなるものであることを特徴とする(3)記載の蓋
様体。
【0017】(5) 前記輪状の平板プレートは、その
一部が切り欠かれているものであることを特徴とする
(4)記載の蓋様体。
【0018】(6) 前記連結部は、複数本の帯状部材
からなるものである(1)から(5)いずれか記載の蓋
様体。
【0019】(7) 前記連結部は、略円筒状の部材に
一つ以上のガス流通用の通孔が設けられた部材である
(1)から(5)いずれか記載の蓋様体。
【0020】既に説明したように、「蓋様体」はルツボ
内の原料融液の蒸発を抑制するために設けられるもの
で、この蓋様体によってルツボが一部蓋をされる格好と
なるが、更に、蓋様体に通孔が設けられることにより、
CZ炉の上方から流れてきた不活性ガスは、熱遮蔽体を
通った後で、この通孔から排出されることとなる。即
ち、本発明に係る「蓋様体」は、原料融液の所定範囲を
覆う蓋の役割をすると共に、その蓋の上を不活性ガスが
通る整流部材としても機能するのである。
【0021】(8) 原料融液から引上げられる単結晶
インゴットの周囲を囲む先細り形状の熱遮蔽体を備える
CZ法単結晶引上げ装置であって、前記先細り形状の熱
遮蔽体に係止される請求項1から7いずれか記載の蓋様
体と、この蓋様体を上下方向に移動させる昇降装置と、
を備えるCZ法単結晶引上げ装置。
【0022】このように、蓋様体を上下方向に昇降可能
とすることで、蓋様体と熱遮蔽体の相対的位置関係によ
り、蓋様体に形成されている通孔の開口面積を調整する
ことができ、これによって通孔から排出される不活性ガ
スの量を調整することができるようになる。
【0023】この場合において、上方から流れてきた不
活性ガスは、蓋様体に形成されている通孔と、融液液面
と蓋様体との間に形成される隙間と、から排出されるこ
ととなるが、通孔から排出される不活性ガスの量が調整
されることによって、融液液面と蓋様体との間の隙間か
ら排出される不活性ガスの量も調整されることとなる。
そして、これによって融液上を流れる不活性ガスの量を
制御することができることとなるので、融液からの蒸発
量を制御することができるようになる。
【0024】(9) 原料融液から引上げられる単結晶
インゴットの周囲を囲む先細り形状の熱遮蔽体を備える
CZ法単結晶引上げ装置であって、前記先細り形状の熱
遮蔽体に係止される(5)記載の蓋様体を2個以上備え
ると共に、この蓋様体を上下方向に移動させる昇降装置
と、前記蓋様体を回動させる手段と、備えるCZ法単結
晶引上げ装置。
【0025】このようなCZ法単結晶引上げ装置におい
ては、2個以上の蓋様体をそれぞれ個別に回動させても
よく、また、一つを固定した状態で他方を回動させるよ
うにしてもよい。いずれにしても、このようなCZ法単
結晶引上げ装置によれば、2個以上の蓋様体の重ね合わ
せ量を調整することによって、融液液面の開口度を調整
することを通じて、融液からの蒸発量を調整することが
できる。
【0026】(10) (8)または(9)記載のCZ
法単結晶引上げ装置によって引上げられた単結晶インゴ
ットの群及び当該単結晶インゴットから切り出された単
結晶ウエハの群。
【0027】(11) 前記単結晶インゴットはシリコ
ン単結晶インゴットであり、前記単結晶ウエハはシリコ
ンウエハである、(10)記載の単結晶インゴットの群
及び当該単結晶インゴットから切り出された単結晶ウエ
ハの群。
【0028】本発明に係る蓋様体を使用した場合には、
酸素やドーパントの蒸発・飛散が抑制されるため、引き
上げられたシリコン単結晶インゴット中には酸素やドー
パントが所定の含有量で含まれることとなり、しかもそ
の再現性が良く、インゴット中における酸素やドーパン
トの分布も一様である。このようなことから、本発明に
係るCZ法単結晶引上げ装置で引き上げられたシリコン
単結晶インゴットの群及び当該シリコン単結晶インゴッ
トから切り出されたシリコンウエハの群は、酸素やドー
パントの含有量やその分布が定常的で均質であるという
特徴を有している。
【0029】(12) CZ炉内に不活性ガスを流通さ
せると共に、シリコン融液から引上げられるシリコン単
結晶インゴットの周囲を囲む熱遮蔽体を備えるCZ法シ
リコン単結晶引上げ装置において、原料融液からの蒸発
を抑制する蓋様体であって前記熱遮蔽体の下端に係止さ
れるガス流通性の蓋様体を当該熱遮蔽体の下端に取り付
けることにより、シリコン単結晶インゴット中に取り込
まれるドーパントもしくは酸素の濃度を制御する方法。
【0030】(13) 前記蓋様体を移動させることに
よりドーパントもしくは酸素の濃度の調整を行うことを
特徴とする(12)記載の方法。
【0031】(14) 前記熱遮蔽体は筒状の熱遮蔽体
である(1)記載の蓋様体。これは、いわゆるパージチ
ューブを熱遮蔽体とした実施態様である。そして、この
場合においては、上記の(4)〜(7)のような蓋様体
を使用することができるが、パージチューブを採用した
場合には上記(3)のような形態を採用することはでき
ないため、上記の(4)〜(7)のような蓋様体をパー
ジチューブの下端部分に係合させる係合部材を、パージ
チューブ下端もしくは蓋様体のいずれかまたは両方に備
えている必要がある。
【0032】(15) CZ法単結晶引上げ装置に使用
され、原料融液から引上げられる単結晶インゴットの周
囲を囲む熱遮蔽体であって、前記単結晶インゴットの周
囲を囲む先細り形状もしくは筒状の熱遮蔽体本体部と、
当該熱遮蔽体本体部の下端部分にあって前記原料融液の
表面の所定の範囲を覆う蓋様体部と、を備える熱遮蔽
体。
【0033】これは、要するに、先細り形状の熱遮蔽体
もしくは筒状の熱遮蔽体と上記の(4)〜(7)のよう
な蓋様体とが一体となったものである。従って、熱遮蔽
体本体部は、上記の(4)〜(7)のいずれの態様も採
用することができる。
【0034】(16) CZ法単結晶引上げ装置に使用
され、原料融液から引上げられる単結晶インゴットの周
囲を囲む熱遮蔽体であって、前記単結晶インゴットの周
囲を囲む先細り形状の熱遮蔽体本体部と、当該熱遮蔽体
本体部の下端部分にあって前記原料融液の表面の所定の
範囲を覆う蓋様体部と、を備え、前記熱遮蔽体本体部の
一部が取り外し可能に分割されていることを特徴とする
熱遮蔽体。
【0035】このような構成を有することにより、CZ
炉を組んだ後に、蓋様体部をホットゾーン内に導入する
ことができるようになる。このような機構を採用するこ
とは、いわゆるパージチューブを熱遮蔽体として採用し
た場合には困難であり、先細り形状の熱遮蔽体を採用し
た場合に特有の機構であるととらえることもできる。
【0036】なお、本発明にいずれの形態においても、
CZ法単結晶引上げ装置は、熱遮蔽体自身を昇降させる
昇降手段を備えているのが好ましい。
【0037】別の観点から見れば、上記の方法は、本発
明に係るCZ法単結晶引上げ装置においては、以下のよ
うな方法を提供するものであるということになる。
【0038】シリコン単結晶インゴットの引上げに際し
て上記(6)のCZ法単結晶引上げ装置のCZ炉内の上
部から導入される不活性ガスを制御する方法であって、
蓋様体の円筒状部材に形成された通孔の開口面積を調整
することによって、シリコン単結晶インゴット中のドー
パントもしくは酸素の濃度の調整を行う方法。
【0039】上記(8)または(9)のCZ法単結晶引
上げ装置によるシリコン単結晶インゴットの引上げ過程
において、蓋様体を昇降させて当該蓋様体と前記熱遮蔽
体(特に、前記熱遮蔽体の下端)との相対的位置を変化
させることによって前記通孔の開口面積を変化させ、引
上げ中のシリコン単結晶インゴット中に取り込まれるド
ーパントもしくは酸素の量の調整を行う方法。
【0040】[用語の定義等]「蓋様体」はルツボ内の
シリコン融液の蒸発を抑制するために設けられるもので
ある。このような蓋様体の材質は、カーボン、石英、セ
ラミック、SiC等を使用することができるが、高温に
耐え得る材質であればこれに限られるものではない。
【0041】「熱遮蔽体」は、原料融液液面からの輻射
熱や炉内のヒーターからの放熱を遮蔽するためにCZ炉
内に設置されるものであるが、これは炉内に流されるガ
スの流れを整流する働きもする。ここで、もしガスの整
流が主目的であったとしても、結果として融液液面やヒ
ーターからの熱を何らかの形で遮蔽しているものであれ
ば、本発明に係る熱遮蔽体として機能するのに十分であ
るから、何らかの形で熱遮蔽を行うものである限り、本
発明における「熱遮蔽体」の概念に含まれる。
【0042】係止部と被覆部とを連結する連結部は、係
止部と被覆部とを離れないように連結することができる
ものであれば如何なる形態のものでもよく、板状や帯状
のものに限られず、例えば線状のものであってもよい。
【0043】連結部は、被覆部の上から不活性ガスを通
すために、円筒状の部材にガス流通用の通孔が設けられ
たような部材であるとか(上記(5))、複数本の帯状
部材からなり、当該帯状部材同士の間に隙間が空いてい
るというような構造(上記(4))となっているとかい
うような構成であることが必要となる。しかしながら、
不活性ガスが、蓋様体の被覆部の下側を通って原料融液
液面と被覆部の間の隙間を通って抜けていくということ
を避け、蓋様体の被覆部の上側を流通するようにすると
いう本発明の趣旨からすれば、熱遮蔽体自体に穴(通風
孔)が開いている等の構成によって蓋様体の被覆部の上
側を不活性ガスが流通するようになっていれば、蓋様体
自体にガス流通用の通孔が設けられている必要はない
(上記(1))。
【0044】本発明に係る蓋様体は、シリコンの特性と
リンクした構成を備えているというわけではないので、
シリコン単結晶の引き上げ工程に限られることなく、例
えばGaAs等の化合物半導体のようなものの引き上げの際
にも使用することができる。
【0045】「ドーパント」としては、例えば砒素やア
ンチモンを挙げることができ、本発明の適用対象はこれ
に限られるものではないが、本発明は、砒素やアンチモ
ンのように沸点が低く、シリコン融液中から蒸発しやす
いものに対して適用するのが好適である。
【0046】本発明に係る蓋様体を上下方向に移動させ
る昇降装置は、蓋様体をCZ炉内において自在に昇降さ
せることができるものであれば、いかなる構成のものを
採用してもよい。
【0047】また、上記(9)及び(10)の方法にお
いては、熱遮蔽体は、先細り形状のものであることが好
ましいが、これに限られることなく、例えばいわゆるパ
ージチューブのような円筒状のものであってもよい。
【0048】
【発明の実施の形態】[基本原理]図1は、本発明の基
本原理を説明するための図である。ここで、図1(A)
は、熱遮蔽体を備える従来からのCZ法単結晶引上げ装
置のCZ炉内の不活性ガスの流れを図示したものであ
り、図1(B)は、本発明に係る蓋様体10を備えるC
Z法単結晶引上げ装置のCZ炉内の不活性ガスの流れを
図示したものである。
【0049】図1(A)と図1(B)を対比させれば明
らかなように、従来からのCZ法単結晶引上げ装置で
は、CZ炉の上側から流れてきた不活性ガスがシリコン
融液17に直接的にあたるのに対し、本発明に係る蓋様
体10を備えるCZ法単結晶引上げ装置においては、不
活性ガスがシリコン融液17に直接的にあたらずに、蓋
様体10の被覆プレート10aの上を通過していくこと
になる。
【0050】図2は、本発明の好適な一実施形態に係る
蓋様体10の構成を示す斜視図である。この図2に示さ
れるように、第一の実施形態に係る蓋様体10は、シリ
コン融液17の所定の範囲を蓋をするように覆う被覆プ
レート(被覆部)10aと、先細り形状の熱遮蔽体23
の下端付近23a(図1(B))に係止される係止リン
グ(係止部)10bと、この係止リング(係止部)10
bと被覆プレート(被覆部)10aとを連結する連結筒
(連結部)10cと、を備える。
【0051】ここで、被覆プレート10aは輪状の平板
プレートからなり、連結筒10cは円筒状の部材からな
るものであって、連結筒10cの下部には、被覆プレー
ト10aとの境界部分の一部を切り欠いて、ガス流通用
の通孔12が形成されている。従って、図1(B)に示
されるように、このような蓋様体10が、先細り形状の
熱遮蔽体23の下端付近23aに係止されると、CZ炉
の上側から流れてきた不活性ガスは、円筒状の連結筒1
0cの内側を通り、通孔12を経由し、被覆プレート1
0a上を通過していくことになる。そして不活性ガス
は、最終的には、装置に備えられた排気機構(図示せ
ず)によって炉内から排気されていく。
【0052】図3は、本発明の第二実施形態に係る蓋様
体110の構成を示す図であり、図3(A)は斜視図、
図3(B)は上面図である。この図3に示されるよう
に、第二実施形態に係る蓋様体110においては、係止
リング10bと被覆プレート10aとを連結する連結部
が連結棒10dで構成されている。この連結棒10d
は、十分な剛性のある細い棒体であり、連結棒10dが
十分な剛性を有していない場合には被覆プレート10a
のふらつきを生じてしまうので、好ましくない。このよ
うな第二実施形態に係る蓋様体110では、ガス流通用
の通孔12のようなものを設ける必要がなく、構成も簡
易であるが、不活性ガスの指向性が第一実施形態のもの
よりも劣る可能性がある。
【0053】更に、図3(A)に示されるように、蓋様
体110の係止リング10bと被覆プレート10aとを
連結する一対の連結棒10dと、蓋様体110を昇降す
るための昇降機構34に連結されている一対のワイヤ3
4aとは、相互のバランスを考慮して、係止リング10
bを介して互い違いに接続するようにしている。即ち、
係止リング10bを上から見た図3(B)に示されるよ
うに、相互のバランスを取るために、連結棒10dの連
結部分の位置とワイヤ34aの連結部分の位置とは互い
にがずらされている。なお、被覆プレート10aを安定
化させるために、連結棒10dは3本で構成するのが好
ましいが、ワイヤ34a及び連結棒10dの本数は2本
以上であればこれに限られない。
【0054】図4は、本発明の第三実施形態に係る蓋様
体210の構成を示す斜視図である。この図4に示され
るように、第三実施形態に係る蓋様体210において
は、係止リング10bと被覆プレート10aとを連結す
る連結部が、複数本の帯状部材10eで構成されてい
る。そして、これらの複数本の帯状部材10eの間が、
それぞれガス流通用の通孔12を形成している。このよ
うな第三実施形態に係る蓋様体210は、第二実施形態
に係る蓋様体210よりもしっかりとした構造となって
いる。
【0055】図5は、本発明の第四実施形態に係る蓋様
体310の構成を示す斜視図である。この第四実施形態
は、第一実施形態と第二実施形態とを組み合わせたもの
であって、図5に示されるように、第四実施形態に係る
蓋様体310においては、係止リング10bと被覆プレ
ート10aとを連結する連結部を、第一実施形態に係る
連結筒10cと第二実施形態に係る連結棒10dとで構
成している。連結筒10cの下部には、第一実施形態と
同様に、被覆プレート10aとの境界部分の一部を切り
欠いて、ガス流通用の通孔12が形成されている。
【0056】図6は、本発明の第五実施形態に係る蓋様
体410の構成を示す斜視図である。なお、図6(A)
は斜視図であり、図6(B)は上面図である。この第五
実施形態は、図6に示されるように、係止リング10b
の代わりに係止爪10b’を採用し、連結筒10cのほ
ぼ中央部にガス流通用の通孔12’を設けたものであ
る。
【0057】ここで、係止リング10bというのは、熱
遮蔽体23の下端付近23a(図1(B))に係止させ
るように、先細り形状の熱遮蔽体23の最小径部(即
ち、最下端の径)よりも大きい径のリング部材からなる
が、この第五実施形態に係る蓋様体410の係止爪10
b’は、このような係止リング10bの一部からなるも
のであって、この実施の形態では、係止リング10bを
切り欠いて構成したものである。このような係止爪10
b’を採用した場合でも、蓋様体を熱遮蔽体23の下端
付近23a(図1(B))に係止させるようにすること
ができる。
【0058】また、連結筒10cのほぼ中央部に設けら
れた通孔12’についても、蓋様体410が熱遮蔽体2
3の下端付近23aに係止された状態で、当該通孔1
2’が熱遮蔽体23の下端から出ているようにすればよ
い。
【0059】図7は、本発明の第六実施形態に係る蓋様
体410’の構成を示す斜視図である。なお、図7
(A)は斜視図であり、図7(B)は上面図である。こ
の第六実施形態は第五実施形態の変形例であり、第六実
施形態に係る蓋様体410’は、図7(A)及び(B)
に示されるように、第五実施形態において被覆プレート
10aが分割されて形成された分割被覆プレート10
a’を備えている。
【0060】ここで、分割被覆プレート10a’は、通
孔12’から出てくる不活性ガスがシリコン融液17の
液面に当たるのを遮るために、通孔12’の下側に位置
するように配置されている。
【0061】なお、このような第六実施形態に係る蓋様
体410’は、分割被覆プレート10a’を用いること
によって、被覆プレート10a’で覆われないシリコン
融液17の部分が多く、シリコン融液液面からの熱遮蔽
量が少ない(従って、シリコン融液液面からの輻射熱量
は多い)という特徴があり、また、図7(C)に示され
るように、複数のものを重ねて使用することが可能であ
り、そのようにした場合には、蓋様体410’同士の重
ね合わせの程度によって、シリコン融液液面からの熱遮
蔽量(シリコン融液液面からの輻射熱量)を自在に調整
することができる。
【0062】より詳しく説明すると、図7(C)に示さ
れるように、例えば2枚の蓋様体410’‐1及び41
0’‐2を重ね合わせた場合には、連結筒10c‐1及
び10c‐2同士はほぼ一致して重なり合い、分割被覆
プレート10a’‐1及び10a’‐2はそれぞれずれ
た状態で重ね合わせることができる。係止爪10b’‐
1及び10b’‐2はそれぞれずれた状態で、熱遮蔽体
23の下端付近23aに係止されることとなる。そし
て、分割被覆プレート10a’‐1及び10a’‐2の
重ね合わせの程度を調整することによって、シリコン融
液液面からの熱遮蔽量(シリコン融液液面からの輻射熱
量)を自在に調整することができることとなる。
【0063】このような蓋様体410’同士の重ね合わ
せは、蓋様体410’を炉内に取り付ける際に行うこと
もできるが、後述するような蓋様体の昇降装置を使用し
て、単結晶インゴットの引上げ最中に適宜行うようにす
ることもできる。
【0064】図8(A)は、上記のような蓋様体が取り
付けられたCZ法シリコン単結晶引上げ装置の構成を示
す断面図であり、蓋様体310がまだ熱遮蔽体23に接
触せずに、中に浮いた状態で吊止されている状態を示す
断面図である。また、図8(B)は、図8(A)中の破
線Bで囲まれた領域において、蓋様体310が熱遮蔽体
23に接触した状態を示す部分拡大図である。更に、図
8(C)は、図8(A)中の破線Cで囲まれた領域の部
分拡大図であり、熱遮蔽体23の接続部分Pの構成を説
明するための図である。
【0065】図9は、蓋様体の機能を説明するための図
である。ここで、図9(A)は、蓋様体の機能の説明の
便宜のために、図8(A)中の破線Aで囲まれた領域か
ら必要な部分を抜き出し、その他の必要な符号を付した
図であり、図9(B)は図9(A)の説明を補助するた
めの図である。また、図10は、通孔12或いは12’
の形状のバラエティを示す図である。
【0066】図8(A)に示されるように、この実施の
形態に係るCZ法シリコン単結晶引上げ装置は、シリコ
ン融液17を貯留するルツボ16と、ヒータ18と、シ
リコン単結晶棒21と、熱遮蔽体23と、断熱材にて構
成された蓋様体と、この蓋様体を昇降する昇降機構34
と、を含む要素から構成されている。
【0067】この実施形態においては、第四実施形態に
係る蓋様体310が、ルツボ16内に吊り下げられ、熱
遮蔽体23の下端に係止される。蓋様体310の吊り下
げは、CZ法シリコン単結晶引上げ装置のチャンバ上部
に備え付けられている昇降機構34によって行われ、昇
降機構34から伸びるワイヤ34aは、蓋様体310の
係止リング10bに取り付けられている。
【0068】このような構成を有する本実施の形態に係
るCZ法シリコン単結晶引上げ装置によれば、CZ法シ
リコン単結晶引上げ装置に備え付けられた昇降機構によ
って蓋様体を自在に昇降させることができる。
【0069】次に、本実施の形態に係るCZ法シリコン
単結晶引上げ装置の動作について説明する。
【0070】まず、シリコン単結晶インゴット21の引
上げに際し、装置上部からは不活性ガスが導入される。
この不活性ガスは、熱遮蔽体23のガス整流作用によっ
て蓋様体の上部に達するが、蓋様体310に達した不活
性ガスは、図9(B)に示されるように、通孔12から
その一部が通過する(矢印α)と共に、その残りの不活
性ガスは、蓋様体310とシリコン融液17の液面との
間に形成された隙間37を通り(矢印β)、装置に備え
られた排気機構(図示せず)によって炉外に排気され
る。
【0071】ここで、図8(A)の領域Aの部分拡大図
である図9(A)において、h1は通孔12の開口の大
きさ、h2は隙間37の大きさ、h3は蓋様体310の被
覆プレート10aの半径、h4は被覆プレート10aの
周縁とルツボ16との間の距離を示す。
【0072】図9(A)において、本実施の形態に係る
CZ法シリコン単結晶引上げ装置では、昇降機構34に
よる蓋様体310の昇降によって、熱遮蔽体23の下端
が通孔12を塞ぐ度合を変化させることができるので、
実質的にh1の大きさを適宜調整することができるとい
うことになる。当然のことながら、昇降機構34による
蓋様体310の昇降によって、隙間37の大きさh2
変化させることもできる。
【0073】ここで、熱遮蔽体23による通孔12の開
口具合を詳述する。図8(B)に示されるように、熱遮
蔽体23の下端が通孔12に被さっておらず、通孔12
全体が完全に露出しているような場合には、通孔12は
いわば全開した状態にある、ということとなる。そし
て、この図8(B)に示す状態から、昇降機構34によ
って蓋様体を上昇させていくと、図8(A)に示す状態
を経て、熱遮蔽体23の下端が通孔12に被さっていく
ような形となり、更に上昇させると、通孔12が熱遮蔽
体23によって完全に塞がれるようになり、通孔12は
いわば全閉した状態となる。
【0074】このようにして、通孔12の開口部分h
の大きさを調整することによって、通孔12の部分を通
過する不活性ガス量を制御できることとなり、またh
の大きさを調整することによって、隙間37の部分を通
過する不活性ガス量を制御することができることとな
る。従って、hとhの大きさを別個もしくは同時に
調整することによって、シリコン融液17の液面上を通
過する不活性ガスの量を個別的もしくは相乗的に制御す
ることができる。
【0075】そしてこれは、更に進んで、hとh
大きさを別個もしくは同時に調整することによって、シ
リコン融液17の液面上を通過する不活性ガスの量を個
別的もしくは相乗的に制御することができ、これによっ
て所望の酸素濃度の単結晶を作ることが可能となるとい
うことを意味する。
【0076】また、本発明においては、h3の大きさに
よってh4の大きさが決まることとなるが、蓋様体10
は容易に設計変更が可能であるため、h3の大きさを変
更してh4の大きさを変えることによっても、融液から
の蒸発量を制御することができる。
【0077】このように、本発明においては、h1、h2
及びh3(h4)を適宜調整することによって、シリコン
融液17からの酸素化合物の蒸発量を制御し、所望の酸
素濃度の単結晶を作ることが可能となる。
【0078】なお、昇降機構34によって蓋様体を昇降
させるにあたっては、蓋様体の被覆部10aの上に熱遮
蔽体23を載せることによって、熱遮蔽体23ごと蓋様
体を昇降させるようにしてもよい。ここで、例えば熱遮
蔽体23が大型で、蓋様体の強度が熱遮蔽体23の重量
に耐えないような場合には、図8(A)及び図8(C)
に示されるように、熱遮蔽体23をその一部から適宜取
り外しできるように所定箇所で係合させるような構造と
するとよい。より詳しく説明すると、熱遮蔽体23が大
型で、熱遮蔽体23を蓋様体に載せることができないよ
うな場合には、熱遮蔽体23において接続部分Pを設
け、熱遮蔽体23を下から持ち上げた場合にはこの接続
部分Pの部分で分離し、熱遮蔽体23を組んだ場合に
は、熱遮蔽体23の下部分の自重によってこの接続部分
Pの部分で係合するようにするとよい。
【0079】ところで、蓋様体10、210、310、
410、410’の通孔12の形状は、いずれのタイプ
の蓋様体においても、その形状が限定されることはな
い。
【0080】このような蓋様体の通孔12の形状として
は、図10(A)に示す縦長型長方形形状、図10
(B)に示す横長型長方形形状、図10(C)に示す円
形状、図10(D)に示す三角形形状、図10(E)に
示す多角形形状等の様々なものが考えられる。そのた
め、通孔12の形状は、前述した実施形態で示した形状
や図10に示す形状に限定される必要はない。
【0081】なお、図10において、一点鎖線は熱遮蔽
体23の下端部を示している。そして、一点鎖線の上部
は、通孔12の一部が熱遮蔽体23で覆われている部分
を示すものであり、一点鎖線の下部は、不活性ガスが通
過する部分を示すものである。この熱遮蔽体23を図8
に示す昇降機構34で昇降させることによって、熱遮蔽
体23の昇降が可能であり、図10に示す一点鎖線の位
置(熱遮蔽体の下端)を移動することができる。
【0082】なお、熱遮蔽体は、図8(A)に示される
ように先細り形状のものであることが好ましいが、これ
に限られることなく、図11に示されるように、いわゆ
るパージチューブ23’のような円筒状のものであって
もよい。
【0083】但し、パージチューブ23’のような円筒
状のものを熱遮蔽体として採用した場合には、熱遮蔽体
23’(パージチューブ23’)の下端に蓋様体を係止
するための係止部23a’を内周面に突設するなどし
て、係止部23a’が蓋様体の係止リング10bと係止
されるようにする必要がある。
【0084】
【実施例】図8に示す本発明に係るシリコン単結晶引上
げ装置を用いて、シリコン単結晶インゴットの引上げを
行い、得られたシリコン単結晶の酸素濃度を測定して従
来例と比較した結果を図12に示す。
【0085】この図12において、白丸印は従来のシリ
コン単結晶引上げ装置を用いて得られたシリコン単結晶
の酸素濃度を示したものであり、白三角印及び黒四角印
は本発明のシリコン単結晶引上げ装置を用いて得られた
シリコン単結晶の酸素濃度を示したものである。そし
て、それぞれ得られた酸素濃度データを最小2乗法によ
り回帰した。
【0086】図12から明らかなように、本発明により
得られたシリコン単結晶の酸素濃度は従来よりも大き
い。例えば、シリコン単結晶の固化率が80%の酸素濃
度を見てみると、従来よりも高酸素濃度のシリコン単結
晶を得ることができるということが明らかである。
【0087】また、本発明によれば、結晶の引上げに伴
う酸素濃度の減少の仕方が直線的であることから、得ら
れる結晶の酸素濃度の予測の確実性が向上するというこ
とが期待できる。
【0088】これに関し、金属砒素やアンチモン等の蒸
発しやすいドーパントも、酸素と同様の挙動を示すこと
から、ドーパント濃度についても不要な減少を招くこと
なく、その濃度の予測の確実性が向上する。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
原料融液からの蒸発・飛散を抑制する蓋様体を熱遮蔽体
の下端部分に係止させるようにしたことによって、当該
原料融液からの酸素やドーパントの過剰な蒸発を抑制
し、酸素やドーパントの適切な濃度制御を行なうことが
できるようになる。
【0090】また、蓋様体として、熱遮蔽体の下端部分
に係止することが可能なスカート様の部材を備えると共
に当該スカート様の部材の上で気体が流通できるような
構造のものを採用し、スカート様の部材の上で気体が流
通できるようにすることによって、原料融液液面に不活
性ガスが当たるのを防止することができる。そして、こ
れによって原料融液からの蒸発物が飛散するのを防止す
ることができ、原料融液からの蒸発物の飛散によってC
Z炉内が汚染されるといったような事態を防止すること
ができることとなる。
【0091】そして、本発明によれば、融液中に含まれ
る酸素の蒸発を抑制することができるので、単結晶中に
おける酸素濃度の制御を安定に行なうことができるよう
になり、結晶の品質の向上を図ることができるようにな
る。
【0092】更に、本発明によれば、蓋様体によってル
ツボから上に抜ける熱の放散が著しく抑制されることと
なるので、融液形成の際の時間が短縮されると共に、引
上げの全工程においてエネルギーの節約を図ることがで
きるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本原理を説明するための図であ
る。
【図2】 本発明の好適な一実施形態に係る蓋様体の構
成を示す斜視図である。
【図3】 本発明の第二実施形態に係る蓋様体の構成を
示す斜視図であり、図3(A)は斜視図、図3(B)は
上面図である。
【図4】 本発明の第三実施形態に係る蓋様体の構成を
示す斜視図である。
【図5】 本発明の第四実施形態に係る蓋様体の構成を
示す斜視図である。
【図6】 本発明の第五実施形態に係る蓋様体の構成を
示す斜視図である。
【図7】 本発明の第六実施形態に係る蓋様体の構成を
示す斜視図である。
【図8】 蓋様体が取り付けられるCZ法シリコン単結
晶引上げ装置の構成を示す図である。
【図9】 (A)は図8中の破線Aで囲まれた領域の拡
大図、(B)は(A)の説明を補助するための図であ
る。
【図10】 通孔の形状のバラエティを示す図である。
【図11】 本発明に係る熱遮蔽体の別の構成態様を示
す図である。
【図12】 結晶長さ方向の酸素濃度の測定結果につい
て、従来と比較した結果を示す図である。
【図13】 従来のシリコン単結晶引上げ装置の構成を
示す図である。
【符号の説明】
10、210、310、410、410’ 蓋様体 10a 被覆プレート(被覆部) 10a’ 分割被覆プレート 10b 係止リング(係止部) 10b’ 係止爪 10c 連結筒(連結部) 10d 連結棒 10e 帯状部材 12、12’ 通孔 16 ルツボ 17 融液 18 ヒータ 21 単結晶棒 23,23’ 熱遮蔽体 23a 熱遮蔽体の下端部 23a’ 熱遮蔽体下端の係止部 34 昇降機構 34a ワイヤ P 熱遮蔽体の接続部分
フロントページの続き (72)発明者 川添 真一 神奈川県平塚市四之宮2612番地 コマツ電 子金属株式会社内 Fターム(参考) 4G077 AA02 BA04 CF10 EG20 EG25 HA12 PA06

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料融液から引上げられる単結晶インゴ
    ットの周囲を囲む熱遮蔽体を備えるCZ法単結晶引上げ
    装置に使用され、前記原料融液からの蒸発を抑制するた
    めに前記熱遮蔽体の下端付近に取り付けられる蓋様体で
    あって、 前記熱遮蔽体の下端付近に係止される係止部と、前記原
    料融液の表面の所定の範囲を覆う被覆部と、前記係止部
    とこの被覆部とを連結する連結部と、を備える蓋様体。
  2. 【請求項2】 前記熱遮蔽体は先細り形状の熱遮蔽体で
    ある請求項1記載の蓋様体。
  3. 【請求項3】 前記係止部は、前記先細り形状の熱遮蔽
    体の最小径部よりも大きい径のリング部材もしくはその
    一部からなるものであることを特徴とする請求項2記載
    の蓋様体。
  4. 【請求項4】 前記被覆部は、輪状の平板プレートから
    なるものであることを特徴とする請求項3記載の蓋様
    体。
  5. 【請求項5】 前記輪状の平板プレートは、その一部が
    切り欠かれているものであることを特徴とする請求項4
    記載の蓋様体。
  6. 【請求項6】 前記連結部は、複数本の帯状部材からな
    るものである請求項1から5いずれか記載の蓋様体。
  7. 【請求項7】 前記連結部は、略円筒状の部材に一つ以
    上のガス流通用の通孔が設けられた部材である請求項1
    から5いずれか記載の蓋様体。
  8. 【請求項8】 原料融液から引上げられる単結晶インゴ
    ットの周囲を囲む先細り形状の熱遮蔽体を備えるCZ法
    単結晶引上げ装置であって、 前記先細り形状の熱遮蔽体に係止される請求項1から7
    いずれか記載の蓋様体と、この蓋様体を上下方向に移動
    させる昇降装置と、を備えるCZ法単結晶引上げ装置。
  9. 【請求項9】 原料融液から引上げられる単結晶インゴ
    ットの周囲を囲む先細り形状の熱遮蔽体を備えるCZ法
    単結晶引上げ装置であって、 前記先細り形状の熱遮蔽体に係止される請求項5記載の
    蓋様体を2個以上備えると共に、この蓋様体を上下方向
    に移動させる昇降装置と、前記蓋様体を回動させる手段
    と、備えるCZ法単結晶引上げ装置。
  10. 【請求項10】 請求項8または9記載のCZ法単結晶
    引上げ装置によって引上げられた単結晶インゴットの群
    及び当該単結晶インゴットから切り出された単結晶ウエ
    ハの群。
  11. 【請求項11】 前記単結晶インゴットはシリコン単結
    晶インゴットであり、前記単結晶ウエハはシリコンウエ
    ハである、請求項10記載の単結晶インゴットの群及び
    当該単結晶インゴットから切り出された単結晶ウエハの
    群。
  12. 【請求項12】 CZ炉内に不活性ガスを流通させると
    共に、シリコン融液から引上げられるシリコン単結晶イ
    ンゴットの周囲を囲む熱遮蔽体を備えるCZ法シリコン
    単結晶引上げ装置において、原料融液からの蒸発を抑制
    する蓋様体であって前記熱遮蔽体の下端に係止されるガ
    ス流通性の蓋様体を当該熱遮蔽体の下端に取り付けるこ
    とにより、シリコン単結晶インゴット中に取り込まれる
    ドーパントもしくは酸素の濃度を制御する方法。
  13. 【請求項13】 前記蓋様体を移動させることによりド
    ーパントもしくは酸素の濃度の調整を行うことを特徴と
    する請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記熱遮蔽体は筒状の熱遮蔽体である
    請求項1記載の蓋様体。
  15. 【請求項15】 CZ法単結晶引上げ装置に使用され、
    原料融液から引上げられる単結晶インゴットの周囲を囲
    む熱遮蔽体であって、 前記単結晶インゴットの周囲を囲む先細り形状もしくは
    筒状の熱遮蔽体本体部と、当該熱遮蔽体本体部の下端部
    分にあって前記原料融液の表面の所定の範囲を覆う蓋様
    体部と、を備える熱遮蔽体。
  16. 【請求項16】 CZ法単結晶引上げ装置に使用され、
    原料融液から引上げられる単結晶インゴットの周囲を囲
    む熱遮蔽体であって、 前記単結晶インゴットの周囲を囲む先細り形状の熱遮蔽
    体本体部と、当該熱遮蔽体本体部の下端部分にあって前
    記原料融液の表面の所定の範囲を覆う蓋様体部と、を備
    え、前記熱遮蔽体本体部の一部が取り外し可能に分割さ
    れていることを特徴とする熱遮蔽体。
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