JP2002096807A - 無菌飲料缶詰製造設備における空缶殺菌装置 - Google Patents

無菌飲料缶詰製造設備における空缶殺菌装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 設備費やランニングコストの低廉化を図り、
実用性に富んだ無菌飲料缶詰の製造設備における空缶殺
菌装置を提供する。 【解決手段】 無菌雰囲気内で、内外両面に薬液が噴霧
された未処理の空缶を、殺菌処理用オーブン6で加熱殺
菌処理し、その加熱殺菌処理された空缶を冷却した後、
その他の空間よりも高いクラスの空気清浄度に維持され
ている飲料の充填領域に搬送する無菌飲料缶詰製造設備
における空缶殺菌装置において、前記殺菌処理用オーブ
ン6の出口側に、空缶の上方からクリーンエアーを供給
しつつ空缶周辺の熱風を下方に排気させることにより、
空缶周辺をクリーンエアーで置換するクリーンエアー置
換装置9と、クリーンエアー置換された空缶に無菌水を
噴霧する空缶冷却装置10が、順に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、無菌状態の雰囲
気内で、殺菌済みの空缶に、殺菌済みの飲料を充填し
て、殺菌済みの缶蓋で密封することにより飲料缶詰を製
造する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】飲料を缶容器内に充填して密封した飲料
缶詰では、充填された飲料が腐敗するのを避けるための
殺菌処理として、通常、飲料を充填して密封した後の缶
詰に対して、加圧加熱装置内で長時間の高温加熱(例え
ば125℃で25分間)を行うレトルト殺菌法が適用さ
れたり、あるいは、PH4.5以下の高酸性の果汁飲料
などについては、加熱殺菌した飲料を高温状態(85℃
以上)に保ったまま缶体内に充填し、密封後少なくとも
30分間その温度を維持するか、あるいは同等以上の殺
菌温度条件で処理した後、缶詰を冷却するという熱間充
填法(ホットパック)が適用されている。
【0003】しかしながら、そのような加熱殺菌方法に
よれば、空缶に飲料を充填して密封する前後における工
程管理が容易であるという利点はあるものの、何れにし
ても、缶容器内に充填された状態の飲料を加熱殺菌後に
急激に冷却することが困難であり、中身の飲料が比較的
長時間にわたって高温状態に維持されるため、それによ
って、飲料本来(例えば、果汁飲料ならば搾り立てのも
の、コーヒー、紅茶、緑茶、スープ等ならば作りたての
もの)の味や香りが落ちたり色が変わったりするという
問題を生じる。
【0004】そこで、できるだけ飲料の熱履歴を少なく
して、飲料本来の味や香りや色をできるだけ保ったまま
の飲料缶詰を製造するために、高温で短時間に殺菌して
急速に冷却した殺菌済みの飲料を、クリーンエアーによ
る無菌状態の雰囲気内で、殺菌済みの空缶に充填して、
殺菌済みの缶蓋で密封するようにした、いわゆる無菌充
填法というものが従来から種々研究されている。
【0005】上記無菌充填法を利用した装置の例が、特
公平1−16738号公報に記載されている。この公報
には、空缶をスチームトンネル殺菌コンベヤによって搬
送するとともに、熱水を噴射して空缶を無菌化し、その
空缶に、予め無菌化処理した飲料を充填するとともに、
スチームによる加熱殺菌および無菌空気による乾燥を行
った缶蓋によって飲料の充填が完了した缶体を密封する
よう構成し、そして充填装置と密封装置とを、無菌室に
配置して構成された装置が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、殺菌方
法としてスチームや熱水による加熱殺菌を行う従来の設
備では、スチームや熱水の使用量が多く、そのため熱エ
ネルギーの消費が膨大であり、したがってこの種の設備
においてもランニングコストが嵩み、高価な飲料缶詰以
外にはコスト的に使用することが困難となり、汎用性に
劣るなどの問題があった。
【0007】この発明は、上記の事情を背景にしてなさ
れたものであり、設備費やランニングコストの低廉化を
図り、実用性に富んだ無菌飲料缶詰の製造設備における
空缶殺菌装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】この発明
は、無菌雰囲気内で、内外両面に薬液が噴霧された未処
理の空缶を、殺菌処理用オーブンで加熱殺菌処理し、そ
の加熱殺菌処理された空缶を冷却した後、その他の空間
よりも高いクラスの空気清浄度に維持されている飲料の
充填領域に搬送する無菌飲料缶詰製造設備における空缶
殺菌装置において、前記殺菌処理用オーブンの出口側
に、空缶の上方からクリーンエアーを供給しつつ空缶周
辺の熱風を下方に排気させることにより、空缶周辺をク
リーンエアーで置換するクリーンエアー置換装置と、ク
リーンエアー置換された空缶に無菌水を噴霧する空缶冷
却装置が、順に設けられていることを特徴とする無菌飲
料缶詰製造設備における空缶殺菌装置である。
【0009】したがってこの発明の設備によれば、空缶
の内外面の殺菌が、薬液および加熱によって行われ、薬
液による殺菌力が加熱によって増大することと相まっ
て、加熱エネルギーを特に増大させることなく、充分な
殺菌が行われる。また殺菌処理用オーブンの出口側に
は、空缶冷却装置に到る前の領域に、上側から下側に向
けてクリーンエアーを流し、オーブン通過直後の熱風に
包まれている殺菌処理された空缶周辺の熱風を下方に排
気させるクリーンエアー置換装置が配置されているの
で、殺菌処理用オーブンがこれに続く冷却装置が配置さ
れている領域から実質的に遮断され、空缶冷却装置を収
容してある高レベルの空気清浄度のクリーンチャンバー
内が所定の空気清浄度に維持される。換言すれば、各領
域の空気清浄度の維持が容易であるうえに、殺菌処理し
た空缶に塵埃などが付着することを有効に防止できる。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を具体例に基づい
て説明する。図1は、この発明にかかる缶詰製造設備の
一例を概略的に示すものであり、この缶詰製造ラインに
おいて、未処理の空缶を連続的に供給するための空缶供
給装置(図示せず)から延びる空缶供給コンベヤー1
は、正置した空缶を連続的に搬送するエンドレスコンベ
ヤーであって、コンベヤー1の末端部分には、一列に整
列されてランダムに搬送されてきた空缶を一定の間隔を
あけた状態に並べて次工程の装置に供給するために、タ
イミングスクリュー2が配置されている。
【0011】この空缶供給コンベヤー1の走行速度は、
缶詰製造ラインの生産速度に適合するように調整可能で
あり、また、このコンベヤー1の末端部分に設置された
タイミングスクリュー2の駆動系は、空缶の受け渡しが
できるよう、次工程の装置に連動して同期的に回転する
ようになっている。
【0012】空缶供給コンベヤー1にタイミングスクリ
ュー2を介して接続される缶外面の薬液噴霧装置3は、
水平面上の長円形軌道上を空缶を吸着して一定速度で搬
送する複数の吸引パッド3aを備えた水平ロータリータ
イプの空缶搬送機構と、各吸引パッド3aにより搬送中
の空缶の缶胴外周面及び缶底外面に薬液(例えば5重量
%過酸化水素水溶液)を噴霧する薬液噴霧機構3bとか
らなるものである。
【0013】空缶搬送機構のそれぞれの吸引パッド3a
は、タイミングスクリュー2により位置合わせされた空
缶に対して、同心的にその上方近接位置に位置合わせさ
れると同時に、その吸引パッド3aの吸引孔からの吸引
により、空缶の上端開口面を吸引パッド3aで塞いで吸
着し、コンベヤー1から浮上させて搬送してから、次工
程の装置のスチールコンベヤー4上に達した位置で、吸
引を解除して、空缶をスチールコンベヤー4上に移載す
る。
【0014】なお、上記の装置では、吸引パッド3aが
空缶を吸着する位置に移動したときに空缶が無かった場
合には、その吸着パッド3aは吸引を止めて1サイクル
移動するように、また、空缶を吸着していない吸引パッ
ド3aが薬液噴霧機構3b中を通過する際には、薬液の
噴霧が行われないようになっている。
【0015】缶外面の薬液噴霧装置3に続いて配置され
る缶内面の薬液噴霧装置5は、スチールベルトコンベヤ
ー4上に正置されて搬送される空缶に対して、その搬送
経路中で上方から空缶の内面に向けて薬液を噴霧するも
ので、その薬液の噴霧により空缶が転倒しないよう、ス
チールベルトコンベヤー4には、吸気力で空缶を安定状
態に正置させるために、その幅方向の中央に、空缶の底
部を吸引する吸気孔が設けられている。
【0016】各薬液噴霧装置3,5により内面と外面と
に薬液が噴霧された空缶を加熱する殺菌処理用オーブン
6は、その入口側から出口側に至るようにオーブン6内
を貫通する空缶搬送用のスチールベルトコンベヤーと、
そのスチールベルトコンベヤーに搬送されて通過する空
缶を加熱するための加熱炉体を有するものであり、オー
ブン6内で空缶を搬送しながら加熱して殺菌効果を増大
させると同時に、空缶に付着した薬液を加熱して分解・
除去するようになっている。
【0017】殺菌処理用オーブン6の出口には、このオ
ーブン6から排出された殺菌済みの空缶を搬送するスチ
ールベルトコンベヤー4に沿って、その周りを囲んで外
気から遮断するトンネル8が接続されている。
【0018】このトンネル8内には、まず、オーブン6
からトンネル8内に流入する熱風をスチールベルトコン
ベヤー4の下方に排出し、フィルターで濾過してクリー
ンエアーとしてから、トンネル8の天井から層流として
下方に垂直に吹き下ろすクリーンエアー置換装置9が配
置されており、次いで、殺菌処理で加熱された空缶を無
菌水を噴霧することで冷却する空缶冷却装置10が配置
されている。
【0019】トンネル8内を通過したスチールベルトコ
ンベヤー4は、TPコンベヤー(チェーンの上面に平ら
なプラスチック板をキャタピラ状に並べたコンベヤー)
7等に引き継がれ、TPコンベヤー7の末端部分には、
タイミングスクリュー11が配置されているとともに、
タイミングスクリュー11によって一定間隔を開けられ
た空缶を保持して回転する中継ぎのターレット12が設
置されていて、複数のポケットを備えた中継ぎターレッ
ト12を挟んで、TPコンベヤー7の末端部分と対向す
るように、飲料充填機13が設置されている。
【0020】TPコンベヤー7の末端部分から中継ぎの
ターレット12を介して供給される殺菌済み空缶に対し
て、飲料の殺菌装置14から送給される殺菌済みの飲料
を所定量づつ配分して充填するための飲料充填機13
は、特には図示していないが、従来一般に使用されてい
る水平ロータリータイプのものであり、具体的には、回
転するメインターレットの周辺部に、空缶を受け取って
保持するポケットが複数個形成され、それぞれのポケッ
トの上方にそれらのポケットと同期的に公転移動する飲
料充填用のノズルがそれぞれ配置されている。
【0021】飲料充填機13に殺菌済みの飲料を供給す
る飲料の殺菌装置14については、この実施の形態で
は、図3に示すような、本出願人により既に提案されて
いる構成の装置(特願平7−332569号参照)が使
用されている。
【0022】そのような飲料殺菌装置14では、タンク
(図示せず)に貯留されている殺菌処理前の飲料を、送
給ポンプ21により、ほぼ常圧下で第1プレート式熱交
換器22に送給し、第1プレート式熱交換器22の狭路
中で、熱交換により沸点近傍(95℃程度)にまで急速
加熱する予備加熱処理を施す。
【0023】次いで、一時貯留槽23に流入させて、ヘ
ッドスペースに窒素ガスが送り込まれている一時貯留槽
23内において大気圧下で短時間保持して、飲料中の酸
素の脱気処理をしてから、圧送ポンプ24により加圧下
で第2プレート式熱交換器25に送給し、第2プレート
式熱交換器25の狭路中で、熱交換により殺菌に必要な
高温(110〜140℃)で数秒ないし数十秒の短時間
(60秒以内)保持して殺菌処理を施す。
【0024】そして、高温短時間の殺菌処理後、直ちに
第3プレート式熱交換器26に送り込んで、第3プレー
ト式熱交換器26の狭路中で、熱交換により急速にほぼ
常温(50℃以下)まで冷却してから、第2および第3
プレート式熱交換器25,26内の圧力を高圧に維持す
るための圧力制御弁27を介して、外気に触れることな
く無菌状態を維持された密閉パイプ28により、飲料充
填機13に向けて送給する。
【0025】一方、飲料充填機13では、中継ぎのター
レット12から連続的に供給されてくる殺菌済みの各空
缶が、メインターレットの各ポケットに順次保持され
て、メインターレットの回転につれて公転搬送される間
に、飲料殺菌装置14から送給された殺菌済みの飲料
が、それぞれの充填用ノズルから所定量空缶内に充填さ
れ、飲料充填済みの缶は、メインターレットが更に回転
するとポケットから外され、タイミングコンベヤー15
によって次工程に搬送される。
【0026】飲料充填機13から排出された飲料充填済
みの缶を搬送するタイミングコンベヤー15の末端側に
は、このコンベヤー15により搬送されてくる飲料充填
済みの缶に対して缶蓋殺菌装置17から供給される殺菌
済みの缶蓋を巻き締めるための缶蓋巻締機16が設置さ
れている。
【0027】缶蓋巻締機16に殺菌済みの缶蓋を供給す
る缶蓋殺菌装置17については、この実施の形態では、
図4に示すような、本出願人の出願に係る公報(特開平
6−40436号)中に記載されているような構成のも
のが使用されている。
【0028】そのような缶蓋の殺菌装置17では、缶蓋
供給装置から連続的に供給されてくる未処理の缶蓋を、
缶蓋搬送手段31により、その進行方向に対して缶蓋面
が直交するように、一枚ずつ間隔をおいて連続的に搬送
させていく途中で、先ず、噴霧ノズル32により薬液
(過酸化水素2.0〜15重量%の水溶液)を缶蓋の全
表面に(15〜100mg/100cm)付着させ
てから、次いで、加熱処理手段33により加熱エアーで
缶蓋を加熱(100〜200℃)することで、缶蓋に付
着した薬液の過酸化水素を分解し、同時のその際の発生
期の酸素で殺菌処理を促進し、最後に冷却処理部34で
冷却してから、外気に触れることなく無菌状態を維持さ
れたシュート35内を通して、缶蓋巻締機16に供給す
る。
【0029】タイミングコンベヤー15により飲料充填
済みの缶が送り込まれ、缶蓋の殺菌装置17から殺菌済
みの缶蓋が供給される缶蓋巻締機16は、特には図示し
ていないが、従来一般に使用されている装置が採用され
ており、具体的には、回転するメインターレットの周辺
部に、飲料充填済みの缶を受け取って保持するポケット
が複数形成され、メインターレットのポケットと同期的
に移動するように、それぞれのポケットの下方にリフタ
ーが配置され、上方にはシーミングチャックとシーミン
グロールとが配置されている。
【0030】そのような缶蓋巻締機16では、タイミン
グコンベヤー15から連続的に供給されてくる飲料充填
済みの缶が、メインターレットの各ポケットに順次保持
されるとともに、缶蓋が中継ぎのターレットを介して、
各飲料充填済みの缶の上端開口部にそれぞれ冠着され、
メインターレットの回転につれて搬送される間に、リフ
ターが上昇して、シーミングチャックとシーミングロー
ルとにより缶蓋が缶の上端開口部に巻き締められ、缶蓋
により密封された飲料缶詰は、メインターレットが更に
回転するとポケットから外され、ガイド部材を介して排
出されてから、製造済みの製品として缶詰製品搬送コン
ベヤー18により製造ラインから搬出される。
【0031】ところで、上記のような各装置からなる缶
詰製造ラインについては、図2に示すように、その大部
分が低レベルの空気清浄度のクリーンルームCR 内に設
置されており、このクリーンルームCR 内に、更に中レ
ベルの空気清浄度を維持したクリーンボックスCB が画
成され、このクリーンボックスCB 内に、更に、高レベ
ルの空気清浄度を維持したクリーンチャンバーCC が画
成されている。
【0032】そして、殺菌処理用オーブン6に続く殺菌
済み空缶の搬送路(クリーンエアー置換装置9や空缶の
冷却装置10を配置したトンネル8内)、飲料充填機1
3周り、飲料充填機13から缶蓋巻締機16への搬送路
(タイミングコンベヤー15の周り)、缶蓋の殺菌装置
17からの殺菌済み缶蓋の供給路(シュート35内)、
および缶蓋巻締機16周り等の部分は、クリーンルーム
CR 内のクリーンボックスCB 内に更に画成されたクリ
ーンチャンバーCC 内に配置されている。
【0033】上記のクリーンルームCR とクリーンボッ
クスCB とクリーンチャンバーCCとについて、高レベ
ルの空気清浄度を維持したクリーンチャンバーCC 内
は、クラス10〜100に維持されており、中レベルの
空気清浄度を維持したクリーンボックスCB 内は、クラ
ス1,000〜10,000に維持されており、低レベ
ルの空気清浄度を維持したクリーンルームCR 内は、ク
ラス100,000に維持されている。
【0034】なお、上記のクラスについて説明すると、
これは、アメリカ合衆国連邦航空宇宙局(NASA)の
規格によるものであり、1立方フィート(ft3 )当た
りに存在する基準粒子(粒径0.5μm以上)の数によ
り空気の清浄度を示すものであって、例えば、クラス1
は基準粒子が0〜1個/ft3 であり、クラス10は2
〜10個/ft3 、クラス100は11〜100個/f
3 であることを示している。
【0035】上記の高レベルの空気清浄度に維持されて
いるクリーンチャンバーCC 内には、その外周側の中レ
ベルの空気清浄度のクリーンボックスCB のエアーが浄
化されて供給されている。またこの中レベルの空気清浄
度のクリーンボックスCB には、その外周側のクリーン
ルームCR のエアーが浄化されて供給されている。ま
た、クリーンチャンバーCC 内の気圧は、クリーンボッ
クスCB 内の気圧よりも僅かに高い気圧に維持されてお
り、クリーンボックスCB 内の気圧は、クリーンルーム
CR 内の気圧よりも僅かに高い気圧に維持されていて、
クリーンルームCR 内の気圧は、工場建屋内の気圧より
も僅かに高いか、あるいは同等の気圧に維持されてい
る。
【0036】そして、高レベルの空気清浄度(クラス1
0〜100)を維持したクリーンチャンバーCC 内の温
度は、60〜95℃の範囲内に、特に、この実施の形態
では、75〜85℃の範囲内に維持されており、また、
クリーンチャンバーCC 内に供給されている加熱処理用
オーブン6から排気された加熱エアーを、フィルターで
濾過して所定の空気清浄度としたものである。
【0037】なお、密閉されたパイプにより飲料充填機
13と接続される飲料殺菌装置14は、クリーンルーム
CR 内あるいはクリーンルームCR 外の何れに設置して
もよい。
【0038】上記のような構成の飲料缶詰の製造設備で
は、以下のように飲料缶詰が製造される。
【0039】先ず、空缶供給コンベヤー1により、未処
理の空缶を連続的に供給し、缶外面の薬液噴霧装置3に
おいて、吸引パッド3aにより搬送する間に、空缶の外
周面および缶底外面に殺菌処理用の薬液(過酸化水素5
重量%の水溶液)を噴霧してから、スチールベルトコン
ベヤー4上に移して正置させた状態で、缶内面の薬液噴
霧装置5を通して、更に、空缶の内面に殺菌処理用の薬
液(過酸化水素5重量%の水溶液)を噴霧してから、殺
菌処理用オーブン6内に送り込む。
【0040】そして、殺菌処理用オーブン6内で、内面
と外面とに薬液が噴霧された空缶を、加熱炉体による高
温(250℃程度)の熱風で加熱して、付着した薬液の
過酸化水素を分解除去することで、空缶の殺菌処理を完
了する。なおその場合、過酸化水素の分解に伴う発生期
の酸素と高温度に加熱することによる相乗効果で、効率
のよい殺菌が行われる。
【0041】次いで、殺菌処理用オーブン6から出た殺
菌済みの空缶を、無菌雰囲気(空気清浄度がクラス10
〜100)のトンネル8内で、クリーンエアー置換装置
9によりその周辺の空気を清浄化した後、空缶の冷却装
置10により無菌水を噴霧することで、加熱されている
空缶を100℃以下に冷却してから、無菌雰囲気(空気
清浄度がクラス10〜100)内の飲料充填機13に供
給する。
【0042】そして、75〜85℃の範囲内に維持され
たクリーンエアーの無菌雰囲気(空気清浄度がクラス1
0〜100)内で、冷却された殺菌済みの空缶に対し
て、飲料の殺菌装置14により高温短時間に加熱殺菌さ
れて常温に冷却された殺菌済み飲料を、飲料充填機13
によって所定量充填する。その場合、充填用のノズルが
缶の上部開口端に接触しないようにすることが好まし
い。ついで、75〜85℃の範囲内に維持されたクリー
ンエアーの無菌雰囲気(空気清浄度がクラス10〜10
0)内で、飲料充填済みの缶を缶蓋巻締機16に向けて
タイミングコンベヤー15で供給する。
【0043】さらに、75〜85℃の範囲内に維持され
たクリーンエアーの無菌雰囲気(空気清浄度がクラス1
0〜100)内で、飲料充填機13から送られてくる飲
料充填済みの缶に、缶蓋殺菌装置17から無菌雰囲気
(空気清浄度がクラス10〜100)のシュート内を通
して供給される殺菌済みの缶蓋を、缶蓋巻締機16によ
って連続的に巻き締めて、飲料が充填・密封された飲料
缶詰としてから、殺菌済みの製品として搬出コンベヤー
18により搬出する。
【0044】なお、必要に応じて、缶蓋巻締機16にお
いて飲料充填済みの缶に対して缶蓋を冠着する前に、別
途の無菌液体窒素供給装置から無菌液体窒素を添加した
り、缶蓋巻締機16に別途の無菌窒素ガス供給装置から
無菌窒素ガスを供給して、飲料充填済みの缶内上部のヘ
ッドスペースの空気を、無菌窒素ガスと置換(アンダー
カバーガッシング)してもよい。
【0045】上記のようなこの実施の形態の飲料缶詰の
製造設備では、中身の飲料に対する加熱を、飲料の殺菌
装置14による短時間高温殺菌だけで済ませることによ
り、従来のレトルト殺菌法や熱間充填法(ホットパッ
ク)と比べて、中身の飲料の熱履歴を減少させることが
でき、飲料本来の味や香りや色をできるだけ保ったまま
の飲料缶詰を製造することができる。
【0046】なお、ほぼ常温に冷却されている飲料は、
60〜95℃の範囲内に維持されたクリーンチャンバー
CC 内を通過する間の短時間では、殆ど温度上昇するこ
とがないため、通常の無菌充填法と全く変わらない状態
で、飲料本来の味や香りや色を保ったままの飲料缶詰を
製造することができる。
【0047】しかも、従来の無菌充填設備では、空気清
浄度の高い状態(クラス10〜100)で無菌充填法を
実施しても、100万缶に数缶程度の膨張缶が発生する
のをどうしても避けることができなかったが、上記のよ
うなこの発明に基づく飲料缶詰の製造設備によれば、膨
張缶の原因となる非耐熱性の水性菌や黴等の生菌(通
常、60〜70℃の温度で死滅する)を、60〜95℃
の範囲に維持されたクリーンチャンバーCC 内で殺菌す
ることができるため、膨大な設備費用や維持費用を掛け
なくても、膨張缶の発生を防止することができる。
【0048】なお、上述した具体例では、クリーンチャ
ンバーCC 内の温度を75〜85℃の範囲内としている
ため、缶内に生菌が混入することを確実に防止できると
ともに、クリーンチャンバーCC 内の温度を維持するた
めの熱エネルギーも比較的少なくてすみ、更に密封後の
缶詰内の真空度もそれほど高くならないので、缶容器と
して比較的薄肉の缶胴や缶蓋を使用することができる。
【0049】上記の具体例では、空缶を加熱殺菌するた
めの殺菌処理用オーブン6から排気された加熱エアー
を、フィルターで濾過して所定の空気清浄度としてか
ら、クリーンチャンバーCC 内に加熱クリーンエアーと
して供給している。つまり、空気清浄度が低レベルのク
リーンルームと高レベルのクリーンルームとの間にクリ
ーンエアー置換装置9が設けられているため、空缶の搬
送とともにオーブンから必然的に流れ出てくる熱風(低
レベルのエアー)によりそれに続く高レベルのクリーン
ルームの空気清浄度のレベル低下を、クリーンエアーに
より容易に抑制することができる。そのため、クリーン
エアーを改めて加熱するための設備やエネルギーを必要
とせず、設備費や光熱費も少なくて済む経済性に富んだ
ものとなっている。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の無菌飲
料缶詰製造設備における空缶殺菌装置によれば、殺菌処
理用のオーブンの出口側に、空缶の上方からクリーンエ
アーを層流で流すクリーンエアー置換装置が設けられて
いることにより、空缶の冷却装置により無菌水を噴霧さ
れる。したがって、殺菌処理用オーブンが、これに続く
これよりも高い空気清浄度に維持されている空缶の冷却
装置から実質的に遮断され、空缶の冷却装置が配置され
ている高レベルの空気清浄度のクリーンチャンバー内
を、所定の空気清浄度に維持することが容易になる。つ
まり、空気清浄度が低レベルのクリーンルームとそれに
続くそれより高いレベルのクリーンルームとの間にクリ
ーンエアー置換装置が設けられているため、空缶の搬送
とともにオーブンから必然的に流れて出てくる熱風(低
レベルのエアー)により、それに続く高レベルのクリー
ンルームの空気清浄度のレベル低下を、容易に抑制する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の飲料缶詰の製造設備の一例を示す概
略説明図である。
【図2】図1に示す各装置の配置された雰囲気の空気清
浄度を示す図である。
【図3】図1に示す缶詰製造設備に関連する飲料の殺菌
装置の一例を示す概略説明図である。
【図4】図1に示す缶詰製造設備に関連する缶蓋の殺菌
装置の一例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
3,5 薬液噴霧装置 6 殺菌処理用オーブン 9 クリーンエアー置換装置 10 冷却装置 13 飲料充填機 14 飲料の殺菌装置 CR クリーンルーム CB クリーンボックス CC クリーンチャンバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松浦 茂樹 神奈川県相模原市橋本2−15−16 Fターム(参考) 4C058 AA25 BB02 BB07 CC06 EE26 JJ07 JJ28 JJ29

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無菌雰囲気内で、内外両面に薬液が噴霧
    された未処理の空缶を、殺菌処理用オーブンで加熱殺菌
    処理し、その加熱殺菌処理された空缶を冷却した後、そ
    の他の空間よりも高いクラスの空気清浄度に維持されて
    いる飲料の充填領域に搬送する無菌飲料缶詰製造設備に
    おける空缶殺菌装置において、 前記殺菌処理用オーブンの出口側に、空缶の上方からク
    リーンエアーを供給しつつ空缶周辺の熱風を下方に排気
    させることにより、空缶周辺をクリーンエアーで置換す
    るクリーンエアー置換装置と、クリーンエアー置換され
    た空缶に無菌水を噴霧する空缶冷却装置が、順に設けら
    れていることを特徴とする無菌飲料缶詰製造設備におけ
    る空缶殺菌装置。
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