JPH10167227A - 飲料缶詰の製造方法 - Google Patents

飲料缶詰の製造方法

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JPH10167227A
JPH10167227A JP35199096A JP35199096A JPH10167227A JP H10167227 A JPH10167227 A JP H10167227A JP 35199096 A JP35199096 A JP 35199096A JP 35199096 A JP35199096 A JP 35199096A JP H10167227 A JPH10167227 A JP H10167227A
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beverage
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sterilized
lid
filled
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JP35199096A
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English (en)
Inventor
Yoshio Nagasawa
善雄 長沢
Eiichi Yoshida
衛市 吉田
Masami Matsunaga
正見 松長
Yoshimichi Shimoda
義道 下田
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Daiwa Can Co Ltd
Original Assignee
Daiwa Can Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 飲料缶詰の製造方法において、無菌充填法に
おける膨張缶の発生という問題を、莫大な設備費用や維
持費用を必要とせず、経済的に可能な手段によって解決
する。 【解決手段】 クリーンエアーによる略無菌状態の雰囲
気内で、殺菌済みの空缶に、殺菌済みの飲料を充填し
て、殺菌済みの缶蓋で密封するようにした飲料缶詰の製
造方法において、60〜95℃の範囲内の温度に維持さ
れたクリーンエアーの雰囲気内で、空缶に飲料を充填し
て密封する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、略無菌状態の雰囲
気内で、殺菌済みの空缶に、殺菌済みの飲料を充填し
て、殺菌済みの缶蓋で密封する、所謂無菌充填法による
飲料缶詰の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】飲料を缶容器内に充填して密封した飲料
缶詰では、充填された飲料が腐敗するのを避けるための
殺菌処理として、通常、飲料を充填して密封した後の缶
詰に対して、加圧加熱装置内で長時間の高温加熱(例え
ば125℃で25分間)を行うレトルト殺菌法が適用さ
れたり、あるいは、PH4.5以下の高酸性の果汁飲料
などについては、加熱殺菌した飲料を高温状態(80℃
以上)に保ったまま缶体内に充填し、密封後少なくとも
30秒間以上その温度を維持した後、缶詰を冷却すると
いう熱間充填法(ホットパック)が適用されている。
【0003】しかしながら、そのような加熱殺菌方法に
よれば、空缶に飲料を充填して密封する前後における工
程管理が容易であるという利点はあるものの、何れにし
ても、缶容器内に充填された状態の飲料を加熱殺菌後に
急激に冷却することが困難であり、中身の飲料が比較的
長時間にわたって高温状態に維持されるため、それによ
って、飲料本来(例えば、果汁飲料ならば搾りたてのも
の、コーヒー,紅茶,緑茶,スープ等ならば作りたての
もの)の味や香りが落ちたり色が変わったりするという
問題を生じる。
【0004】そこで、できるだけ飲料の熱履歴を少なく
して、飲料本来の味や香りや色をできるだけ保ったまま
の飲料缶詰を製造するために、高温で短時間に殺菌して
急速に冷却した殺菌済みの飲料を、略無菌状態の雰囲気
内で、殺菌済みの空缶に充填して、殺菌済みの缶蓋で密
封するようにした、所謂無菌充填法というものが従来か
ら種々研究されている。
【0005】また、無菌充填法において無菌雰囲気を維
持するための空気清浄化システムとして、クリーンルー
ム内の空間のうち、飲料の充填領域や缶蓋の巻締領域
を、その他の空間よりも高いクラスの空気清浄度に維持
するようなことが、本出願人の出願に係る公報(特開平
4−79956号公報)などにより従来から公知となっ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような無菌充填
法では、空缶供給装置により供給されてくる未処理の空
缶を、搬送しながら順次殺菌してから冷却して、略無菌
雰囲気内で飲料充填機に連続的に送り込むと共に、飲料
殺菌装置により予め高温短時間に殺菌されて冷却された
飲料を、該飲料充填機に連続的に供給して、略無菌雰囲
気内で、殺菌済みの空缶に殺菌済の飲料を充填してか
ら、略無菌雰囲気内で缶蓋巻締機に送り込む一方、缶蓋
供給装置から供給されてくる未処理の缶蓋を、缶蓋殺菌
装置により殺菌してから、略無菌雰囲気内で缶蓋巻締機
に供給して、該缶蓋巻締機により、略無菌雰囲気内で、
飲料充填済みの缶を殺菌済みの缶蓋で密封するというよ
うなことが行われる。
【0007】そのために、例えば、クリーンルーム内を
空気清浄度が中レベル(クラス1,000〜10,00
0)の領域と高レベル(クラス10〜100)の領域と
に分け、殺菌済みの空缶の搬送路,殺菌済み缶蓋の供給
路,飲料充填機周り,飲料充填機から缶蓋巻締機への搬
送路,および缶蓋巻締機周りをクラス10〜100の空
気清浄度とし、その他の缶詰搬送路等をクラス1,00
0〜10,000の空気清浄度とすることが考えられ
る。
【0008】なお、上記のクラスについては、NASA
の規格によるものであり、所定空間(ft3 )当たりに
存在する基準粒子(粒子径0.5ミクロン以上)の数に
より空気の清浄度を示すものであって、例えば、クラス
1は基準粒子が0〜1個/ft3 であり、クラス10は
2〜10個/ft3 であり、クラス100は11〜10
0個/ft3 であることを示している。
【0009】ところで、上記のような無菌充填法によれ
ば、飲料の殺菌装置において短時間で高温殺菌される以
外に、中身の飲料に熱履歴が殆どないため、飲料本来の
味や香りや色を略保ったままの飲料缶詰を製造すること
ができると共に、レトルト殺菌法のような長時間の加熱
殺菌工程がなくなるため、製造設備を低減することがで
き、製造時間を短縮することができる。
【0010】しかしながら、無菌充填法による缶詰製造
の実験に長年携わってきた本発明者等の経験によれば、
上記のように缶詰製造ラインの飲料充填領域や缶蓋巻締
領域などを、高いレベルの空気清浄度(クラス10〜1
00)に維持した状態で、無菌充填法を実施しても、1
00万缶に数缶程度の膨張缶が発生するのをどうしても
避けることができなかった。
【0011】そこで、本発明者等は、この膨張缶の原因
を究明したところ、高レベルの空気清浄度(クラス10
〜100)で略無菌状態であるとはいっても、そこに浮
遊する微粒子はごく僅かであるが存在し、稀に非耐熱性
の水性菌や黴等の生菌が存在することもあって、これが
缶内に混入して膨張缶の原因となっていることが判明し
た。
【0012】そのような膨張缶の発生については、それ
がたとえ僅か100万缶に数缶程度の割合であっても、
製造した食品会社としては、水性菌等の生菌が混入した
場合には必ず膨張缶になるという一定の期間は缶詰を保
管して、製造した缶詰が膨張缶とならないことを確認し
てからでないと、缶詰の出荷を行うことができないとい
う不都合がある。
【0013】これに対して、膨張缶を発生させるような
水性菌等の生菌が全く混入しないように、クリーンルー
ム内で飲料充填装置や缶蓋巻締装置等が設置されている
クリーンチャンバー内を、クラス10未満のきわめて高
い空気清浄度に維持することも考えられるが、そのため
には莫大な設備費用や維持費用が必要となるため、その
ようなことは経済性から考えて実際的には不可能であ
る。
【0014】本発明は、上記のような無菌充填法におけ
る膨張缶の発生という問題を、莫大な設備費用や維持費
用を必要とせず、経済的に可能な手段によって解決する
ことを課題とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
課題を解決するために、上記の請求項1に記載したよう
に、クリーンエアーによる略無菌状態の雰囲気内で、殺
菌済みの空缶に、殺菌済みの飲料を充填して、殺菌済み
の缶蓋で密封するようにした飲料缶詰の製造方法におい
て、60〜95℃の範囲内の温度に維持されたクリーン
エアーの雰囲気内で、空缶に飲料を充填して密封するこ
とを特徴とするものである。
【0016】また、上記の請求項1に記載した飲料缶詰
の製造方法において、上記の請求項2に記載したよう
に、75〜85℃の範囲内の温度に維持されたクリーン
エアーの雰囲気内で、空缶に飲料を充填して密封するこ
とを特徴とするものである。
【0017】また、上記の請求項1又は2に記載した飲
料缶詰の製造方法において、上記の請求項3に記載した
ように、空缶を加熱殺菌するための殺菌処理用オーブン
から排気された加熱エアーを、フィルターで濾過して所
定の空気清浄度としてから、空缶に飲料を充填して密封
する雰囲気内にクリーンエアーとして供給することを特
徴とするものである。
【0018】上記のような本発明の飲料缶詰の製造方法
によれば、通常の無菌充填法と同様に、飲料本来の味や
香りや色を保ったままの飲料缶詰を製造することができ
ると共に、非耐熱性の水性菌や黴等の生菌の混入に起因
する膨張缶の発生を確実に防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の飲料缶詰の製造方
法の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明す
る。
【0020】図1は、本発明の飲料缶詰の製造方法を実
施するための缶詰製造ラインの一例を概略的に示すもの
であり、該缶詰製造ラインにおいて、未処理の空缶を連
続的に供給するための空缶供給装置(図示せず)から延
びる空缶供給コンベアー1は、正置した空缶を連続的に
搬送するエンドレスコンベアーであって、コンベアー1
の末端部分には、一列に整列されてランダムに搬送され
てきた空缶を一定の間隔として次工程の装置に供給する
ために、タイミングスクリュー2が設置されている。
【0021】この、空缶供給コンベアー1の走行速度
は、缶詰製造ラインの生産速度に適合するように調整可
能であり、また、該コンベアー1の末端部分に設置され
たタイミングスクリュー2の駆動系は、空缶の受渡しが
できるように、次工程の装置に連動して同期的に回転す
るものとなっている。
【0022】空缶供給コンベアー1にタイミングスクリ
ュー2を介して接続される缶外面の薬液噴霧装置3は、
水平面上の長円形軌道上を空缶を吸着して一定に速度で
搬送する複数の吸引パッド3aを備えた水平ロータリー
タイプの空缶搬送機構と、各吸引パッド3aにより搬送
中の空缶の缶胴外周面や缶底外面に薬液を噴霧する薬液
噴霧機構3bとからなるものである。
【0023】空缶搬送機構のそれぞれの吸引パッド3a
は、タイミングスクリュー2により位置合わせされた空
缶に対して、同心的にその上方近接位置に位置合わせさ
れると同時に、該吸引パッド3aの吸引孔からの吸引に
より、該空缶の上端開口面を吸引パッド3aで塞いで吸
着し、コンベアー1から浮上させて搬送してから、次工
程の装置のスチールベルトコンベアー4上に達した位置
で、吸引を解除して、空缶を該スチールベルトコンベア
ー4上に移載する。
【0024】なお、上記の装置では、吸引パッド3aが
空缶を吸着する位置に移動した時に空缶が無かった場合
には、その吸引パッド3aは吸引を止めて1サイクル移
動するように、また、空缶を吸着していない吸引パッド
3aが薬液噴霧機構3b中を通過する際には、薬液の噴
霧が行われないようになっている。
【0025】缶外面の薬液噴霧装置3に続いて配置され
る缶内面の薬液噴霧装置5は、スチールベルトコンベア
ー4上に正置されて搬送される空缶に対して、その搬送
経路中で上方から空缶の内面に向けて薬液を噴霧するも
のであり、該薬液の噴霧圧力により空缶が転倒しないよ
うにするために、空缶を搬送するスチールベルトコンベ
アー4には、その幅方向の中央に空缶の底部を吸引する
吸気孔が設けられていて、吸気力で空缶をスチールベル
トコンベアー4上に安定状態で正置させる。
【0026】各薬液噴霧装置3,5により内面と外面に
薬液が噴霧された空缶を加熱する加熱殺菌処理オーブン
6は、該オーブン6の入口側から出口側に至るようにオ
ーブン6内を貫通する空缶搬送用のスチールベルトコン
ベアーと、該コンベアーに搬送されて通過する空缶を加
熱するための加熱炉体を有するものであり、該オーブン
6内で空缶を搬送しながら加熱して、空缶に付着した薬
液を分解除去するものである。
【0027】加熱殺菌処理オーブン6の出口には、該オ
ーブン6から排出された殺菌済み空缶を搬送するスチー
ルベルトコンベアー4に沿って、その周りを囲んで外気
から遮断するトンネル8が接続されている。
【0028】トンネル8内には、まず、オーブン6から
トンネル8内に流入する熱風をスチールベルトコンベア
ー4の下方に排出し、フィルターで濾過してクリーンエ
アーとしてから、トンネル8の天井から層流として下方
に垂直に吹き下ろすクリーンエアー置換装置9が配置さ
れており、次いで、殺菌処理で加熱された空缶を無菌水
を噴霧することで冷却する空缶冷却装置10が配置され
ている。
【0029】トンネル8内を通過したスチールベルトコ
ンベアー4は、TPコンベアー(耐熱性の合成樹脂性平
板をキャタピラ状に組み合わせた外面側が平らな無端ベ
ルト)7に引き継がれ、TPコンベアー7の末端部分に
は、タイミングスクリュー11が設置されていると共
に、タイミングスクリュー11によって一定の間隔にさ
れた空缶を保持して回転する中継ぎのターレット12が
設置されていて、複数のポケットを備えた中継ぎターレ
ット12を挟んで、TPコンベアー7の末端部分と対向
するように、飲料充填機13が設置されている。
【0030】TPコンベアー7の末端部分から中継ぎの
ターレット12を介して供給される殺菌済み空缶に対し
て、飲料の殺菌装置14から送給される殺菌済みの飲料
を所定量ずつ分配して充填するための飲料充填機13に
ついては、図示していないが、回転するメインターレッ
トの周辺部に、空缶を受け取って保持するポケットが複
数個形成され、それぞれのポケットの上方に該ポケット
と同期的に移動する飲料充填用のノズルがそれぞれ配置
されている、従来から一般的に使用されている水平ロー
タリータイプのものである。
【0031】飲料充填機13に殺菌済みの飲料を供給す
る飲料の殺菌装置14については、本実施形態では、図
3に示すような、本出願人により既に提案されている構
成のもの(特願平7−332569号参照)が使用され
ている。
【0032】そのような飲料の殺菌装置14では、タン
ク(図示せず)に貯留されている殺菌処理前の飲料を、
送給ポンプ21により、略常圧下で第1プレート式熱交
換器22に送給し、第1プレート式熱交換器22の狭路
中で、熱交換により沸点近傍(95℃程度)にまで急速
加熱する予熱処理を施す。
【0033】次いで、一時貯留槽23に流入させて、ヘ
ッドスペースに窒素ガスが送り込まれている一時貯留槽
23内において大気圧下で短時間保持して、飲料中の酸
素の脱気処理をしてから、圧送ポンプ24により加圧下
で第2プレート式熱交換器25に送給し、第2プレート
式熱交換器25の狭路中で、熱交換により殺菌に必要な
高温(110〜140℃)で数秒ないし数十秒の短時間
(60秒以内)保持して殺菌処理を施す。この高温短時
間殺菌処理は、飲料中の溶存酸素を充分脱気してから行
うので、殺菌中の飲料の味や香りや色の劣化が非常に少
ない。
【0034】そして、高温短時間の殺菌処理後、直ちに
第3プレート式熱交換器26に送り込んで、第3プレー
ト式熱交換器26の狭路中で、熱交換により急速に略常
温(50℃以下)まで冷却してから、第2および第3プ
レート式熱交換器25,26内の圧力を高圧に維持する
ための圧力制御弁27を介して、外気に触れることなく
無菌状態を維持された密閉パイプ28により、飲料充填
機13に向けて送給する。
【0035】一方、飲料充填機13では、中継ぎのター
レット12から連続的に供給されてくる殺菌済みの各空
缶が、メインターレットの各ポケットに順次保持され
て、メインターレットの回転に連れて搬送される間に、
飲料殺菌装置14から送給された殺菌済みの飲料が、そ
れぞれの充填用ノズルから所定量空缶内に充填され、飲
料充填済みの缶は、メインターレットが更に回転すると
ポケットから外され、タイミングコンベアー15によっ
て次工程に搬送される。
【0036】飲料充填機13から排出された飲料充填済
みの缶を搬送するタイミングコンベアー15の末端側に
は、該コンベアー14により搬送されてくる飲料充填済
みの缶に対して缶蓋殺菌装置17から供給される殺菌済
みの缶蓋を巻き締めるための缶蓋巻締機16が設置され
ている。
【0037】缶蓋巻締機16に殺菌済みの缶蓋を供給す
る缶蓋殺菌装置17については、本実施形態では、図4
に示すような、本出願人の出願に係る公報(特開平6−
40436号公報)中に記載されているような構成のも
のが使用されている。
【0038】そのような缶蓋の殺菌装置17では、缶蓋
供給装置から連続的に供給されてくる未処理の缶蓋を、
缶蓋搬送手段31により、その進行方向に対して缶蓋面
が直交するように、一枚ずつ間隔をおいて連続的に搬送
させていく途中で、まず、噴霧ノズル32により薬液
(過酸化水素2.0〜15重量%の水溶液)を缶蓋の全
表面に噴霧し(15〜100mg/100cm2 )、付
着させてから、次いで、加熱処理手段33により加熱エ
アーで缶蓋を加熱(100〜200℃)することで、缶
蓋に付着した薬液の過酸化水素を分解除去して、最後に
冷却処理部34で冷却してから、外気に触れることなく
無菌状態を維持されたシュート35内を通して、缶蓋巻
締機16に供給する。
【0039】タイミングコンベアー15により飲料充填
済みの缶が送り込まれ、缶蓋の殺菌装置17から殺菌済
みの缶蓋が供給される缶蓋巻締機16については、図示
していないが、回転するメインターレットの周辺部に、
飲料充填済みの缶を受け取って保持するポケットが複数
形成され、メインターレットのポケットと同期的に移動
するように、それぞれのポケットの下方にリフターが配
置され、上方に一対のシーミングチャックとシーミング
ロールが配置されている、従来から一般的に使用されて
いる水平ロータリータイプのものである。
【0040】そのような缶蓋巻締機16では、タイミン
グコンベアー15から連続的に供給されてくる飲料充填
済みの缶が、メインターレットの各ポケットに順次保持
されると共に、缶蓋の殺菌装置17からシュート35を
介して供給された殺菌済みの缶蓋が、中継ぎのターレッ
トを介して、各飲料充填済みの缶の上端開口部にそれぞ
れ冠着され、メインターレットの回転に連れて搬送され
る間に、リフターが上昇して、シーミングチャックとシ
ーミングロールにより缶蓋が缶の上端開口部に巻き締め
られ、缶蓋により密封された飲料缶詰は、メインターレ
ットが更に回転するとポケットから外され、ガイド部材
を介して排出されてから、製造済みの製品として缶詰製
品搬送コンベアー18により製造ラインから搬出され
る。
【0041】ところで、上記のような各装置からなる缶
詰製造ラインについては、図2に示すように、その大部
分が低レベルの空気清浄度を維持したクリーンルーム内
に設置されており、該クリーンルーム内に、更に、中レ
ベルの空気清浄度を維持したクリーンボックスが画成さ
れ、該クリーンボックス内に、更に、高レベルの空気清
浄度を維持したクリーンチャンバーが画成されている。
【0042】そして、加熱殺菌処理オーブン6に続く殺
菌済み空缶の搬送路(クリーンエアー置換装置9や空缶
の冷却装置10を配置したトンネル8内),飲料充填機
13周り,飲料充填機13から缶蓋巻締機16への搬送
路(タイミングコンベアー15の周り),缶蓋の殺菌装
置17からの殺菌済み缶蓋の供給路(シュート35
内),および缶蓋巻締機16周り等の部分は、クリーン
ルーム内のクリーンボックス内に更に画成されたクリー
ンチャンバー内に配置されている。
【0043】上記のクリーンルームとクリーンボックス
とクリーンチャンバーについて、高レベルの空気清浄度
を維持したクリーンチャンバー内は、クラス100(N
ASAの規格により空気清浄度を示すもので、0.5ミ
クロン以上の基準粒子が11〜100個/ft3 )に維
持されており、中レベルの空気清浄度を維持したクリー
ンボックス内は、クラス10,000(0.5ミクロン
以上の基準粒子が1,001〜10,000個/f
3 )に維持されており、低レベルの空気清浄度を維持
したクリーンルーム内は、クラス100,000(0.
5ミクロン以上の基準粒子が10,001〜100,0
00個/ft3 )に維持されている。
【0044】また、クリーンチャンバー内の気圧は、ク
リーンボックス内の気圧よりも僅かに高い気圧に維持さ
れており、クリーンボックス内の気圧は、クリーンルー
ム内の気圧よりも僅かに高い気圧に維持されていて、ク
リーンルーム内の気圧は、工場建屋内の気圧よりも僅か
に高いか、あるいは同等の気圧に維持されている。
【0045】そして、高レベルの空気清浄度(クラス1
00)を維持したクリーンチャンバー内の温度は、60
〜95℃の範囲内、特に、本実施形態では、75〜85
℃の範囲内に維持されており、また、クリーンチャンバ
ー内に供給されている加熱クリーンエアーについては、
本実施形態では、空缶を加熱殺菌するための加熱殺菌処
理オーブン6から排気された加熱エアーを、フィルター
で濾過して所定の空気清浄度としたものである。
【0046】なお、密閉されたパイプにより飲料充填機
13と接続される飲料殺菌装置14についても、上記の
クリーンチャンバーとは別の、高レベルの空気清浄度
(クラス100)を維持したクリーンチャンバー内に設
置されていて、この飲料殺菌装置14を取り囲むクリー
ンチャンバー自体については、クリーンルーム内あるい
はクリーンルーム外の何れに設置してもよい。
【0047】上記のような構成の飲料缶詰の製造ライン
により実施される飲料缶詰の製造方法の一実施形態につ
いては以下の通りである。
【0048】まず、空缶供給コンベアー1により、未処
理の空缶を連続的に供給し、缶外面の薬液噴霧装置3に
おいて、吸引パッド3aにより搬送する間に、空缶の外
周面および缶底外面に殺菌処理用の薬液(過酸化水素5
重量%の水溶液)を噴霧してから、スチールベルトコン
ベアー4上に移して正置させた状態で、缶内面の薬液噴
霧装置5を通して、更に、空缶の内面に殺菌処理用の薬
液(過酸化水素5重量%の水溶液)を噴霧してから、加
熱殺菌処理オーブン6内に送り込む。
【0049】そして、加熱殺菌処理オーブン6内で、内
面と外面に薬液が噴霧された空缶を、加熱炉体による高
温(250℃程度)の熱風で加熱して、付着した薬液の
過酸化水素を分解除去することで、空缶の殺菌処理を完
了させる。
【0050】次いで、加熱殺菌処理オーブン6から出た
殺菌済みの空缶を、略無菌雰囲気(空気清浄度がクラス
100)のトンネル8内で、クリーンエアー置換装置9
によりその周辺の空気を清浄化した後、空缶の冷却装置
10により無菌水を噴霧することで、加熱されている空
缶を100℃以下に冷却してから、略無菌雰囲気(空気
清浄度がクラス100)内の飲料充填機13に供給す
る。
【0051】そして、75〜85℃の範囲内に維持され
たクリーンエアーの無菌雰囲気(空気清浄度がクラス1
00)内で、冷却された殺菌済みの空缶に対して、飲料
の殺菌装置14により高温短時間に加熱殺菌されて常温
に冷却された殺菌済み飲料を、飲料充填機13によって
所定量充填してから、75〜85℃の範囲内に維持され
たクリーンエアーの無菌雰囲気(空気清浄度がクラス1
00)内で、飲料充填済みの缶を缶蓋巻締機16に向け
てタイミングコンベアー15で供給する。
【0052】次いで、75〜85℃の範囲内に維持され
たクリーンエアーの無菌雰囲気(空気清浄度がクラス1
00)内で、飲料充填機13から送られてくる飲料充填
済みの缶に、缶蓋殺菌装置17から略無菌雰囲気(空気
清浄度がクラス100)のシュート35内を通して供給
される殺菌済みの缶蓋を、缶蓋巻締機16によって連続
的に巻き締めて、飲料が充填・密封された飲料缶詰とし
てから、殺菌済みの製品として搬出コンベアー18によ
り搬出する。
【0053】なお、必要に応じて、缶蓋巻締機16にお
いて飲料充填済みの缶に対して缶蓋を冠着する前に、飲
料充填済みの缶内上部のヘッドスペースの空気を、別途
の除菌済み窒素ガス供給装置から送給される除菌済みの
窒素ガスと置換しておく。そうすることによって、飲料
缶詰の貯蔵中の酸化による劣化が防止できる。
【0054】上記のような本実施形態の飲料缶詰の製造
方法によれば、中身の飲料に対する加熱を、飲料の殺菌
装置14による短時間高温殺菌だけで済ませることによ
り、従来のレトルト殺菌法や熱間充填法(ホットパッ
ク)と比べて、中身の飲料の熱履歴を減少させることが
でき、飲料本来の味や香りや色をできるだけ保ったまま
の飲料缶詰を製造することができる。
【0055】なお、略常温に冷却されている飲料は、6
0〜95℃の範囲内に維持されたクリーンチャンバー内
を通過する間の短時間では、殆ど温度上昇することはな
いため、通常の無菌充填法と全く変わらない状態で、飲
料本来の味や香りや色を保ったままの飲料缶詰を製造す
ることができる。
【0056】しかも、従来の無菌充填法では、空気清浄
度の高い状態(クラス10〜100)で無菌充填法を実
施しても、100万缶に数缶程度の膨張缶が発生するの
をどうしても避けることができなかったが、上記のよう
な本実施形態の飲料缶詰の製造方法によれば、膨張缶の
原因となる非耐熱性の水性菌や黴等の生菌(通常、60
〜70℃の温度で死滅する)を、60〜95℃の範囲内
に維持されたクリーンチャンバー内で殺菌することがで
きるため、莫大な設備費用や維持費用をかけて無菌充填
雰囲気の空気清浄度をそれ以上高い状態(クラス1〜1
0)としなくても、膨張缶の発生を防止することができ
る。
【0057】なお、本実施形態では、クリーンチャンバ
ー内の温度を75〜85℃の範囲内としているため、缶
内に生菌が混入するのを確実に防止できると共に、クリ
ーンチャンバー内の温度を維持するための熱エネルギー
も比較的少なくて済み、更に、密封後の缶詰内の真空度
もそれほど高くはならないので、缶容器として比較的薄
肉の缶胴や缶蓋を使用することができる。
【0058】また、本実施形態では、空缶を加熱殺菌す
るための加熱殺菌処理オーブン6から排気された加熱エ
アーを、フィルターで濾過して所定の空気清浄度として
から、クリーンチャンバー内に加熱クリーンエアーとし
て供給しているため、クリーンエアーを改めて加熱する
ための設備やエネルギーを必要とせず、設備費や光熱費
も少なくて済む経済性に富んだものとなっている。
【0059】
【発明の効果】以上説明したような本発明の飲料缶詰の
製造方法によれば、従来のレトルト殺菌法や熱間充填法
(ホットパック)と比べて、通常の無菌充填法と殆ど変
わりなく、飲料本来の味や香りや色をできるだけ保った
状態の飲料缶詰を製造することができると共に、非耐熱
性の水性菌や黴等の生菌に起因する膨張缶の発生を、空
気清浄化のための莫大な設備費用や維持費用を新たに必
要とすることなく、経済的に実施可能な手段によって防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の飲料缶詰の製造方法を実施するための
缶詰製造ラインの一例を示す概略説明図。
【図2】図1に示した缶詰製造ラインにおける各部分の
空気清浄度を示すフローチャート説明図。
【図3】図1に示した缶詰製造ラインに関連する飲料の
殺菌装置の一例を示す概略説明図。
【図4】図1に示した缶詰製造ラインに関連する缶蓋の
殺菌装置の一例を示す概略説明図。
【符号の説明】
6 加熱殺菌処理用オーブン(空缶の) 13 飲料充填機 14 飲料の殺菌装置 16 缶蓋巻締機 17 缶蓋の殺菌装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クリーンエアーによる略無菌状態の雰囲
    気内で、殺菌済みの空缶に、殺菌済みの飲料を充填し
    て、殺菌済みの缶蓋で密封するようにした飲料缶詰の製
    造方法において、60〜95℃の範囲内の温度に維持さ
    れたクリーンエアーの雰囲気内で、空缶に飲料を充填し
    て密封することを特徴とする飲料缶詰の製造方法。
  2. 【請求項2】 空缶に飲料を充填して密封する雰囲気内
    のクリーンエアーを、75〜85℃の範囲内の温度に維
    持することを特徴とする請求項1に記載の飲料缶詰の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 空缶を加熱殺菌するための殺菌処理用オ
    ーブンから排気された加熱エアーを、フィルターで濾過
    して所定の空気清浄度としてから、空缶に飲料を充填し
    て密封する雰囲気内にクリーンエアーとして供給するこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の飲料缶詰の製造
    方法。
JP35199096A 1996-12-11 1996-12-11 飲料缶詰の製造方法 Pending JPH10167227A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008155941A (ja) * 2006-12-22 2008-07-10 Dainippon Printing Co Ltd 流動体の充填方法及び装置

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