JP2000309310A - 密封容器入り日本酒の製造方法 - Google Patents

密封容器入り日本酒の製造方法

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JP2000309310A JP11981799A JP11981799A JP2000309310A JP 2000309310 A JP2000309310 A JP 2000309310A JP 11981799 A JP11981799 A JP 11981799A JP 11981799 A JP11981799 A JP 11981799A JP 2000309310 A JP2000309310 A JP 2000309310A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 密封容器入りの炭酸ガス含有日本酒(炭酸ガ
ス含有日本酒の容器詰)を製造するに際して、無菌充填
法を適用することにより日本酒本来の味や香りが熱履歴
により低下するのを抑えると共に、無菌充填法の適用に
より充填・密封の前に予め日本酒を火入れ殺菌処理する
段階で、日本酒中に含有されている炭酸ガスのガスボリ
ュームを低下させないようにして、容器を開けて日本酒
を飲んだ時に炭酸ガス含有飲料独特の飲み心地を味わう
ことができるようにする。 【解決手段】 密封容器入り日本酒の製造方法におい
て、火入れ殺菌処理されていないガスボリューム0.1
〜4.0の炭酸ガス含有日本酒を、狭路中で熱交換によ
り急速加熱する熱交換器を通して60〜80℃の高温で
短時間に火入れ殺菌処理した後、直ちに狭路中で熱交換
により急速冷却する熱交換器を通して25℃以下に冷却
してから、略無菌状態の雰囲気内で、充填装置により予
め殺菌済みの容器内に充填して、予め殺菌済みの蓋で密
封する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密封容器入り日本
酒(清酒又は濁り酒)の製造方法に関し、特に、炭酸ガ
ス含有日本酒を、炭酸ガスの飛散によるガスボリューム
の低下や熱による味や香りの低下を招くようなことな
く、無菌充填法により容器内に充填・密封して容器詰の
製品とするための製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、日本酒を缶や瓶等の容器に充填・
密封して製品化した密封容器入り日本酒については、濾
過した生酒を60〜65℃で火入れ殺菌処理した後に、
発酵時の炭酸ガスを抜いた日本酒を65〜70℃に加熱
して、洗浄した缶や瓶等の容器内に約65℃程度の温度
(この温度により日本酒だけでなく容器も殺菌される)
で充填し、イージーオープン缶蓋やキャップ等の蓋で密
封した後、容器内の殺菌のために密封後も所定時間は充
填時の温度をそのまま維持してから、室温程度にまで冷
却した後で出荷するという方法が一般的に採られてい
る。
【0003】上記のように日本酒を容器内に充填・密封
して容器詰の製品とする場合、容器内の殺菌のために充
填時の高温状態(約65℃程度)を密封後も所定時間は
維持していることで、日本酒本来の味と香りが熱履歴に
よって低下すると共に、充填・密封された高温状態の日
本酒が冷却すると容器内が負圧になる(容器内のへッド
スペースの圧力が大気圧よりも低くなる)ため、容器が
缶やプラスチック瓶等の場合には、容器内の負圧で変形
しない程度に容器の壁厚を厚くする必要があって、その
ことが容器のコストアップにつながるという間題もあ
る。
【0004】そのような問題に対して、内容物となる飲
料を高温で短時間に加熱殺菌してから直ちに冷却した
後、この予め殺菌済みの飲料を無菌充填法により容器内
に充填・密封する(略無菌状態の雰囲気内で、予め殺菌
済みの容器内に充填して、予め殺菌済みの蓋で密封す
る)ことによって、熱履歴による味や香りの低下を抑え
ると共に、容器内の負圧による容器壁の変形を防止する
ということが従来から公知となっている(例えば、特開
昭49−134856号公報,特開昭57−10453
4号公報等参照)。
【0005】一方、発酵時の炭酸ガスを抜いた一般的な
日本酒とは別に、飲んだ際に口や喉の中で炭酸ガスの気
泡が弾けて軽い刺激を受けるような炭酸ガス含有日本酒
(通常の炭酸飲料よりもはるかに炭酸ガス含有量が少な
い)も一部の人々に好まれる傾向にあって、そのような
炭酸ガス含有日本酒については、従来、火入れ殺菌処理
されていない炭酸ガス含有の生酒を、洗浄した容器内に
充填して蓋で密封した後、その状態で60℃×15分間
〜65℃×10分間と同等以上の加熱条件で火入れ殺菌
処理してから、室温程度にまで冷却した後で出荷すると
いう方法が採られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に発酵時の炭酸ガスを抜くことなくそのまま容器詰の製
品とした炭酸ガス含有日本酒については、生酒の状態で
容器内に充填・密封した後の日本酒を容器の外側から6
0〜70℃の温度で10分以上加温して火入れ殺菌処理
していることから、日本酒に対する加熱時間が長くなっ
て、日本酒本来の味と香りが熱履歴により低下してしま
うという間題がある。
【0007】そこで、炭酸ガス含有日本酒を容器詰の製
品として製造するに当たって、熱履歴をできるだけ少な
くして本来の味や香りをできるだけ保った状態の製品と
するために、従来から種々に提案され実施されている無
菌充填法(即ち、高温で短時間に殺菌してから直ちに冷
却した殺菌済みの内容物を、略無菌状態の雰囲気内で、
予め殺菌済みの容器内に充填して、予め殺菌済みの蓋で
密封する方法)を適用するということが考えられる。
【0008】しかしながら、無菌充填法により炭酸ガス
含有日本酒を容器詰にする場合、火入れ殺菌処理されて
いない炭酸ガス含有の生酒を、容器内に充填して密封す
る前に、予め高温で短時間加熱殺菌(火入れ殺菌処理)
してから直ちに冷却することで殺菌済みの日本酒とする
ため、この加熱殺菌の段階で、日本酒中に溶解している
炭酸ガス(ガスボリューム0.1〜4.0)が加熱によ
り抜け出して、日本酒中の炭酸ガスのガスボリュームが
著しく低下することとなり、その結果、製造された製品
の容器を開けて日本酒を飲んだ時に、炭酸ガス含有飲料
独特の飲み心地を味わうことができないこととなる。
【0009】本発明は、上記のような問題の解消を課題
とするものであり、具体的には、密封容器入りの炭酸ガ
ス含有日本酒(炭酸ガス含有日本酒の容器詰)を製造す
るに際して、無菌充填法を適用することにより日本酒本
来の味や香りが熱履歴により低下するのを抑えると共
に、無菌充填法の適用により充填・密封の前に予め日本
酒を火入れ殺菌処理する段階で、日本酒中に含有されて
いる炭酸ガスのガスボリュームを低下させないようにし
て、容器を開けて日本酒を飲んだ時に炭酸ガス含有飲料
独特の飲み心地を味わうことができるようにすることを
課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
課題を解決するために、密封容器入り日本酒の製造方法
において、火入れ殺菌処理されていないガスボリューム
0.1〜4.0の炭酸ガス含有日本酒を、狭路中で熱交
換により急速加熱する熱交換器を通して60〜80℃の
高温で短時間に火入れ殺菌処理した後、直ちに狭路中で
熱交換により急速冷却する熱交換器を通して25℃以下
に冷却してから、略無菌状態の雰囲気内で、充填装置に
より予め殺菌済みの容器内に充填して、予め殺菌済みの
蓋で密封することを特徴とするものである。
【0011】上記のような密封容器入り日本酒の製造方
法によれば、充填前の日本酒の火入れ殺菌処理(加熱殺
菌)を熱交換器により急速加熱することで行い、その後
で直ちに熱交換器により急速に冷却を行うので、熱履歴
による味や香りの低下を抑えることができると共に、そ
のように殺菌処理された日本酒を、殺菌済みの容器と殺
菌済みの蓋を使用して、略無菌状態の雰囲気内で容器内
に充填・密封していることで、製造された密封容器入り
日本酒(日本酒の容器詰)の常温貯蔵が可能となり、貯
蔵期間も長く設定できる。
【0012】また、充填・密封前の日本酒の加熱殺菌や
冷却を、閉鎖空間である熱交換器の狭路中で行っている
ことにより、火入れ殺菌処理前の日本酒中に含有されて
いる炭酸ガス(ガスボリューム0.1〜4.0)の抜け
出しを極力抑えることができて、その結果、製造された
製品の容器を開けて日本酒を飲んだ時に、炭酸ガス含有
飲料独特の飲み心地を充分に味わうことができる。
【0013】すなわち、一般に日本酒が加熱されるとそ
の中に溶解している炭酸ガスは抜け易くなるが、上記の
ように日本酒の加熱や冷却を熱交換器の狭路中で行うこ
とにより、日本酒が高温度になるとそれだけ熱交換器の
狭路中の圧力も上昇するので日本酒中の炭酸ガスはあま
り抜けず、しかも、日本酒が25℃以下に冷却されると
狭路中の炭酸ガスは再び日本酒中に溶解するので、結果
的には日本酒中の炭酸ガスは殆ど抜けないことになる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の密封容器入り日本
酒の製造方法の実施形態について、図面に基づいて詳細
に説明する。
【0015】本発明の実施形態に係る缶入り日本酒(日
本酒の缶詰)の製造方法を実施するための無菌充填法に
よる缶詰製造ラインについては、従来から飲料缶詰を無
菌充填法により製造するために使用されている缶詰製造
ラインと格別に相違するようなものではなく、図示して
いないが、その概略について以下に説明する。
【0016】無菌充填法による缶詰製造ラインでは、空
缶供給コンベアーにより連続的に供給された未処理の空
缶を搬送しながら、まず、缶外面の薬液噴霧装置におい
て、缶胴の外周面および缶底外面に殺菌処理用の薬液
(過酸化水素5重量%の水溶液)を噴霧してから、缶内
面の薬液噴霧装置を通して、更に、空缶の内面に殺菌処
理用の薬液(過酸化水素5重量%の水溶液)を噴霧した
後、加熱殺菌処理オーブン内に送り込む。
【0017】加熱殺菌処理オーブン内では、内面と外面
に薬液が噴霧された空缶を搬送しながら、加熱炉体によ
る高温(250℃程度)の熱風で加熱して、付着した薬
液の過酸化水素を分解除去することで、空缶の殺菌処理
を完了させる。
【0018】次いで、加熱殺菌処理オーブンから搬出し
た殺菌済みの空缶を搬送しながら、略無菌雰囲気の搬送
トンネル内で、クリーンエアー置換装置によりその周辺
の空気を清浄化した後、殺菌済み空缶の冷却装置により
無菌水を噴霧することで、空缶を洗浄すると共に加熱さ
れている空缶を日本酒の充填温度付近に冷却してから、
略無菌雰囲気のクリーンブース内に設置された充填装置
(フィラー)に供給する。
【0019】そして、略無菌雰囲気のクリーンブース内
に設置された充填装置において、冷却された殺菌済みの
空缶に対して、殺菌装置で高温短時間に加熱殺菌されて
から直ちに充填温度まで冷却された殺菌済みの日本酒を
所定量充填してから、略無菌雰囲気の搬送トンネル内の
缶体搬送路を通して、日本酒充填済みの缶を缶蓋巻締装
置(シーマー)に供給する。
【0020】略無菌雰囲気のクリーンブース内に設置さ
れた缶蓋巻締装置では、日本酒が充填された各缶に対し
て、缶蓋殺菌装置から略無菌雰囲気のシュートを通して
供給される殺菌済みの缶蓋を載置してから、缶蓋巻締装
置によって巻き締めて密封した後、殺菌済みの缶詰とし
てクリーンブースの外にコンベアーで搬出する。
【0021】上記のような無菌充填法による缶詰製造ラ
インは、工場建屋内に設けられた空気清浄度が低レベル
(クラス100,000)のクリーンルーム内に設置さ
れており、このクリーンルーム内に、空気清浄度が中レ
ベル(クラス1,000〜10,000)の領域が画成
され、更にその中に、無菌充填エリアとして、ULPA
クリーンユニットにより空気清浄度が高レベル(クラス
100)に維持されているクリーンブース(及びそれに
連通する搬送トンネル)が設けられていて、充填装置や
缶蓋巻締装置(及びそれらを結ぶ搬送路)はこのクリー
ンブース内に設置されている。
【0022】なお、空気清浄度のクラスについては、N
ASAの規格によるものであり、所定空間(ft3 )当
たりに存在する基準粒子(粒子径0.5ミクロン以上)
の数により空気の清浄度を示すものであって、クラス1
00は基準粒子の数が11〜100個/ft3 、クラス
1000は101〜1000個/ft3 、クラス10
0,000は10,001〜100,000個/ft3
である。
【0023】空気清浄度が高レベルの無菌充填エリア
(クリーンブース及びそれに連通する搬送トンネル)内
の気圧は、空気清浄度が中レベルのクリーンルーム内の
気圧よりも僅かに高い気圧に維持され、空気清浄度が中
レベルのクリーンルーム内の気圧は、空気清浄度が低レ
ベルのクリーンルーム内の気圧よりも僅かに高い気圧に
維持され、空気清浄度が低レベルのクリーンルーム内の
気圧は、工場建屋内の気圧よりも僅かに高いか或いは同
等の気圧に維持されている。
【0024】図1は、上記のような無菌充填法による缶
詰製造ラインによって実施される本発明の一実施形態に
係る缶入り日本酒(日本酒の缶詰)の製造方法につい
て、醸造された日本酒を缶入り日本酒(日本酒の缶詰)
として出荷するまでの工程をフローチャートにより概略
的に示すものである。
【0025】図1に示した実施形態(第1実施形態)
は、火入れ殺菌処理前の生酒に本来含まれている炭酸ガ
ス(発酵により発生して日本酒中に溶解した炭酸ガス)
だけを含有する炭酸ガス含有日本酒の缶詰を製造するた
めのものであって、炭酸ガスのガスボリューム(日本酒
全体に対するガスの容積比)が0.1〜2.0で、アル
コール濃度が10〜20%である炭酸ガス含有日本酒の
缶詰を製造するためのものである。
【0026】この実施形態では、従来の醸造法により製
造された炭酸ガスのガスボリュームが0.1〜2.0で
アルコール濃度が10〜20%である火入れ殺菌処理前
の生酒を、細管式熱交換器による殺菌装置(特に図示し
ていないが、従来からジュース類の缶詰の製造において
一般的に使用されている加熱殺菌装置と同様の構造のも
の)を通すことにより、先ず、熱交換器の狭路中(細管
中)で70℃達温まで加熱(70℃×約1〜2秒間)し
てから、直ちに(60秒以内、好ましくは30秒以内
に)熱交換器の狭路中(細管中)で約5℃に急速冷却さ
せることで、高温で短時間に火入れ殺菌処理を済ませ
る。
【0027】次いで、約5℃に冷却された火入れ殺菌処
理済みの炭酸ガス含有日本酒を、予め殺菌処理された完
全密閉状態のパイプ内を通して、略無菌雰囲気(空気清
浄度がクラス100)のクリーンブース内に設置された
充填装置(フィラー)の貯留槽内に送り込み、予め殺菌
処理された充填装置により、クリーンブース内で、予め
薬液(過酸化水素)で殺菌され洗浄されて連続的に送ら
れてくる空缶内に所定量ずつ充填する。
【0028】なお、充填装置の貯留槽内の日本酒の液面
上となるヘッドスペースには、貯留中の日本酒が酸化さ
れないように、除菌済みの炭酸ガス(除菌済みの窒素ガ
スでも良い)を充満させておくことが望ましく、また、
日本酒中に溶解している炭酸ガスが貯留中に抜け出すの
を防止するために、ヘッドスペース内の圧力を大気圧よ
りも高い圧力にしておくことが望ましい。
【0029】次いで、充填装置で日本酒が充填された各
缶を、クリーンブース内の搬送路によりクリーンブース
内に設置された缶蓋巻締装置(シーマー)に向けて連続
的に搬送し、その搬送の途中に配置された液体窒素流下
装置により、日本酒充填済みの各缶のヘッドスペースに
それぞれ所定量ずつ除菌された液体窒素を添加してか
ら、予め殺菌処理された缶蓋巻締装置において、予め薬
液(過酸化水素)で殺菌済みの缶蓋により、連続的に送
られてくる缶蓋で各缶の開口部をそれぞれ巻締め密封し
て缶詰とする。
【0030】なお、缶蓋巻締装置は、缶蓋を缶の開口部
に巻締める際にアンダーカバーガッシング(缶蓋と缶胴
との隙間から缶内に炭酸ガス又は窒素ガス等の不活性ガ
スを吹き付ける)できるタイプのものを採用するのが好
ましく、缶に缶蓋を巻締める際に、アンダーカバーガッ
シングにより、缶のヘッドスペースに炭酸ガス又は窒素
ガス若しくはこれらの混合ガス(これらの不活性ガスに
スチームを混合しても良い)を吹き込んで、缶内の酸素
を極力少なくするのが品質の低下を防止するという観点
からは好ましい。勿論、炭酸ガスのガスボリュームが高
い場合には、そのようなアンダーカバーガッシングを特
に行なわなくても良い。
【0031】次いで、缶蓋巻締装置から送り出されてク
リーンブースの外に搬送された各缶詰を、その後、缶詰
の上から35℃〜45℃の温水を2〜4分間噴霧して、
缶詰の温度を約25℃以上(缶詰製造工場の室温以上)
にしてから、缶詰に風を当てて缶の水切り(乾燥)をし
た後、カートンに入れて出荷する。
【0032】上記の実施形態(第1実施形態)に示した
本発明の缶入り日本酒(日本酒の缶詰)の製造方法に対
し、その比較例として、図2は、従来から飲料缶詰の製
造方法として広く適用されているホットパック法による
缶入り日本酒の製造方法について、図3は、従来から飲
料缶詰の製造方法として広く適用されている後殺菌法に
よる缶入り日本酒の製造方法について、また、図4は、
火入れ殺菌処理する代わりに膜濾過法によりフィルター
を使用して生酒中に含まれる細菌を濾過した除菌済みの
炭酸ガス含有日本酒を無菌充填法により缶詰にする缶入
り日本酒の製造方法について、それぞれフローチャート
により概略的に示すものである。
【0033】図2に示したホットパック法による缶入り
日本酒の製造方法(比較例1)では、火入れ殺菌処理し
て炭酸ガスが抜かれた日本酒を、先ず、予備タンクにお
いて65〜70℃に加熱してから、次いで、この温度の
日本酒を、予め洗浄された各缶内に所定量ずつ充填装置
により充填し、缶蓋巻締装置により各缶の開口部にそれ
ぞれ缶蓋を巻締めて各缶を密封することで缶詰とした
後、缶詰を自然放冷にて室温まで冷却してからカートン
に入れて出荷する。
【0034】上記のように火入れ殺菌処理して炭酸ガス
が抜かれた日本酒をホットパック法により缶詰にする場
合、高温の状態で缶内に充填・密封された日本酒が冷却
すると缶内が負圧になる(缶内のヘッドスペースが大気
圧よりも低くなる)ので、缶内の負圧により缶を変形さ
せないためには、比較的厚肉の缶胴壁厚の缶を使用する
必要がある。
【0035】図3に示した後殺菌法による缶入り日本酒
の製造方法(比較例2)では、火入れ殺菌処理を行って
いないガスボリューム0.1〜2.0の炭酸ガス含有日
本酒の生酒を、低温(5〜10℃)の状態で、予め洗浄
された各缶内に充填装置により所定量ずつ充填し、缶蓋
巻締装置により各缶の開口部にそれぞれ缶蓋を巻締めて
各缶を密封することで缶詰としてから、缶詰に65〜8
0℃の熱水を噴霧するか又はこの範囲の温度の熱水中に
缶詰を通して、缶詰を長時間(約15分間以上)60〜
70℃の温度に加熱してから、缶詰に10〜25℃の冷
却水を噴霧して25℃程度の温度(室温より少し高い温
度)にまで冷却してからカートンに入れて出荷する。
【0036】上記のように火入れ殺菌処理しない炭酸ガ
ス含有日本酒を缶詰にしてから後殺菌法により加熱殺菌
(火入れ殺菌処理)する場合、加熱殺菌時間が65℃×
10分間以上かかり、冷却水により室温程度に冷却する
のにもかなり時間がかかるので、缶内に充填・密封され
た炭酸ガス含有日本酒の本来の味と香りの熱履歴による
低下が起こり易い。
【0037】図4に示した除菌済みの炭酸ガス含有日本
酒を内容物とした無菌充填法による缶入り日本酒の製造
方法(比較例3)では、先ず、ガスボリュームが0.1
〜2.0の炭酸ガス含有日本酒の生酒を、火入れ殺菌処
理することなく、10℃以下に冷却して、濾過機又はフ
ィルタープレス等を用いて濾過し、次に、目の細かいフ
ィルターを用いて炭酸ガス含有日本酒中に含まれている
細菌等を取り除いて(除菌処理)から、この除菌済みの
炭酸ガス含有日本酒を、予め殺菌処理された完全密閉状
態のパイプ内を通して、略無菌雰囲気(空気清浄度がク
ラス100)のクリーンブース内に設置された充填装置
の貯留槽内に送り込んで貯留する。
【0038】次いで、クリーンブース内において、除菌
済みの炭酸ガス含有日本酒を、予め殺菌処理された充填
装置により、予め薬液(過酸化水素)で殺菌され洗浄さ
れて連続的に送られてくる各空缶内に所定量ずつ充填し
てから、予め殺菌処理された缶蓋巻締装置により、連続
的に送られてくる予め薬液(過酸化水素)で殺菌済みの
缶蓋で各缶の開口部をそれぞれ巻締め密封して缶詰とす
る。
【0039】次いで、缶蓋巻締装置から送り出されてク
リーンブースの外に搬送された各缶詰を、その後、缶詰
の上から35℃〜45℃の温水を2〜4分間噴霧して、
缶詰の温度を約25℃以上(缶詰製造工場の室温以上)
にしてから、缶詰に風を当てて缶の水切り(乾燥)をし
た後、カートンに入れて出荷する。
【0040】上記のように除菌済みの炭酸ガス含有日本
酒を無菌充填法により缶詰にして缶入り日本酒(日本酒
の缶詰)を製造する場合、炭酸ガス含有日本酒に対して
加熱殺菌処理(火入れ殺菌処理)をしないので、熱履歴
による味や香りの低下は起きないが、フィルターの目が
粗い(例えば、孔径0.2μmのフィルター)と酵素ま
では取り除けないので、缶詰の貯蔵期間中に香りの低下
が発生し、一方、目が細かいフィルター(例えば、分子
量30,000の物質を除去できるフィルター)を用い
ると、日本酒の香り成分まで除去してしまうので、結果
的には、缶詰の貯蔵中に香りが低下するのを避けること
ができない。
【0041】なお、上記の実施形態(第1実施形態)の
製造方法により製造した缶入り日本酒と、各比較例
(1,2,3)の製造方法でそれぞれ製造した缶入り日
本酒とについて、製造された缶詰を開けて中身の各日本
酒の味と香りをそれぞれ官能試験した(40人がそれぞ
れ各日本酒について3点識別試験法及び3点嗜好試験法
で官能検査を行なった)結果については以下の通りであ
った。
【0042】図1に示した実施形態(第1実施形態)に
より製造した缶入り日本酒と、図2に示したホットパッ
ク法(比較例1)により製造した缶入り日本酒とを、前
者を炭酸ガスのガスボリュームが0.1でアルコール濃
度が15%の炭酸ガス含有量の比較的少ない日本酒によ
って、また、後者を炭酸ガスのガスボリュームが0(炭
酸ガスを含有しない)でアルコール濃度が15%の日本
酒によって、両者の味と香りを比較した。
【0043】その結果、第1実施形態により製造した缶
詰の日本酒と比較例1により製造した缶詰の日本酒と
は、危険率0.1%で識別され、嗜好的にも危険率0.
1%で第1実施形態により製造した缶詰の日本酒が好ま
れた。即ち、第1実施形態により製造した缶詰の炭酸ガ
ス含有日本酒は、飲む際に吟醸香が残っており、しかも
日本酒本来の味がするのに対し、比較例1により製造し
た缶詰の日本酒は、香りが大きく変化し、味の悪くなっ
てしまっているとの評価を得た。
【0044】また、図1に示した実施形態(第1実施形
態)により製造した缶入り日本酒と、図3に示した後殺
菌法(比較例2)により製造した缶入り日本酒とを、何
れも、炭酸ガスのガスボリュームが1.5でアルコール
濃度が15%の日本酒によって、両者の味と香りを比較
した。
【0045】その結果、第1実施形態により製造した缶
詰の日本酒と比較例2により製造した缶詰の日本酒と
は、危険率1%で識別され、嗜好的にも危険率1%で第
1実施形態により製造した缶詰の日本酒が好まれた。即
ち、第1実施形態により製造した缶詰の炭酸ガス含有日
本酒は、飲む際に吟醸香が残っており、しかも日本酒本
来の味がするのに対し、比較例2により製造した缶詰の
炭酸ガス含有日本酒は、缶詰にした後で長時間加熱殺菌
していることで、香りが吟醸香とは異なるものに変化し
ているとの評価を得た。
【0046】さらに、図1に示した実施形態(第1実施
形態)により製造した缶入り日本酒と、図4に示した方
法(比較例3)による缶入り日本酒(加熱殺菌する代わ
りにフィルターで濾過した除菌済みの炭酸ガス含有日本
酒を無菌充填法により缶詰にしたもの)とを、何れも、
炭酸ガスのガスボリュームが1.5でアルコール濃度が
15%の日本酒によって、両者の味と香りを比較した。
【0047】その結果、第1実施形態により製造した缶
詰の日本酒と比較例3により製造した缶詰の日本酒と
は、危険率1%で識別され、嗜好的にも危険率1%で第
1実施形態により製造した缶詰の日本酒が好まれた。即
ち、第1実施形態により製造した缶詰の炭酸ガス含有日
本酒は、飲む際に吟醸香が残っており、しかも日本酒本
来の味がするのに対し、比較例3により製造した缶詰の
炭酸ガス含有日本酒は、吟醸香が失われているだけでな
く、香りのバランスも崩れているとの評価を得た。
【0048】上記のような各日本酒の官能試験(40人
がそれぞれ各日本酒について3点識別試験法及び3点嗜
好試験法で行なった官能検査)の結果、本発明の製造方
法(第1実施形態)より製造された缶詰の中身の日本酒
(炭酸ガス含有日本酒)については、味と香りの点にお
いて、各比較例の製造方法により製造された缶詰の中身
の日本酒(炭酸ガス含有日本酒および炭酸ガスを含有し
ない日本酒)と明確に識別できると共に、各比較例の製
造方法により製造されたものよりも非常に好まれる傾向
にあることが分かる。
【0049】図5は、本発明の他の実施形態に係る缶入
り日本酒(日本酒の缶詰)の製造方法について、醸造さ
れた日本酒を缶入り日本酒(日本酒の缶詰)として出荷
するまでの工程をフローチャートにより概略的に示すも
のであり、この実施形態(第2実施形態)は、醸造され
た生酒に本来含まれている炭酸ガス(発酵により発生し
て日本酒中に溶解した炭酸ガス)のガスボリュームより
も高いガスボリュームで炭酸ガスを含有する日本酒の缶
詰を製造するためのものである。
【0050】すなわち、図5に示した実施形態(第2実
施形態)では、先ず、従来の醸造法により製造された炭
酸ガス含有日本酒の生酒(発酵により発生した炭酸ガス
を含有する)と、脱気処理をしたイオン交換水に炭酸ガ
スを加圧溶解させた炭酸水を混合して、更に、必要に応
じて炭酸ガスを加圧溶解させることで、醸造された生酒
のガスボリュームよりも高いガスボリュームの炭酸ガス
量を含有させて、炭酸ガスのガスボリュームが2.0〜
4.0(容積比)でアルコール濃度が4〜10%の高炭
酸ガス含有日本酒とする。
【0051】そして、この火入れ殺菌処理していない高
炭酸ガス含有日本酒を、細管式熱交換器による殺菌装置
を通すことにより、先ず、熱交換器の狭路中(細管中)
で70℃達温まで加熱(70℃×約1〜2秒間)してか
ら、直ちに(30秒以内に)熱交換器の狭路中(細管
中)で約5℃に急速冷却させることで、高温で短時間に
火入れ殺菌処理を済ませる。
【0052】次いで、細管式熱交換器による殺菌装置を
通して約5℃に冷却された火入れ殺菌処理済みの高炭酸
ガス含有日本酒を、予め殺菌処理された完全密閉状態の
パイプ内を通して、略無菌雰囲気(空気清浄度がクラス
100)のクリーンブース内に設置された充填装置の貯
留槽内に送り込み、予め殺菌処理された充填装置によ
り、クリーンブース内で、予め薬液(過酸化水素)で殺
菌され洗浄されて連続的に送られてくる各空缶内に所定
量ずつ充填する。
【0053】なお、充填装置の貯留槽内の日本酒の液面
上となるヘッドスペースには、除菌済みの炭酸ガス(又
は窒素ガス等の不活性ガス)を充満させて、このヘッド
スペース内の圧力を大気圧よりも高い圧力にしておくこ
とにより、高いガスボリュームで日本酒中に炭酸ガスが
溶解されていても、貯留中の日本酒から炭酸ガスが抜け
出すのを防止することができる。
【0054】次いで、充填装置により日本酒を充填した
各缶を、クリーンブース内の搬送路によりクリーンブー
ス内に設置された缶蓋巻締装置に向けて連続的に搬送
し、予め殺菌処理された缶蓋巻締装置において、炭酸ガ
スを各缶内にそれぞれ吹き込みながら、予め薬液(過酸
化水素)で殺菌済みの各缶蓋により、連続的に送られて
くる各缶蓋で各缶の開口部をそれぞれ巻締め密封して缶
詰とする。
【0055】次いで、缶蓋巻締装置から送り出されてク
リーンブースの外に搬送された各缶詰を、その後、缶詰
の上から35℃〜45℃の温水を2〜4分間噴霧して、
缶詰の温度を約25℃以上(缶詰製造工場の室温以上)
にしてから、缶詰に風を当てて缶の水切り(乾燥)をし
た後、カートンに入れて出荷することとなる。
【0056】なお、上記の実施形態(第2実施形態)の
製造方法により製造された缶入りの高炭酸ガス含有日本
酒(高炭酸ガス含有日本酒の缶詰)を、ガスボリューム
及びアルコール濃度を変えた4種類の日本酒(ガスボリ
ュームが2.0でアルコール濃度が6%、ガスボリュー
ムが3.0でアルコール濃度が6%、ガスボリュームが
3.0でアルコール濃度が8%の日本酒、およびガスボ
リュームが3.5でアルコール濃度が10%)につい
て、缶詰を開けて中身の日本酒を20名に試飲させて評
価を聞いたところ、何れも炭酸の効いた爽やかな口当た
りの日本酒であるという評価であった。
【0057】以上に述べたような本発明の各実施形態
(第1実施形態および第2実施形態)に係る缶入り日本
酒の製造方法によれば、充填前の日本酒の加熱殺菌(火
入れ殺菌処理)を熱交換器により急速加熱することで行
い、その後で直ちに熱交換器により急速に冷却を行うの
で、長時間の熱履歴による味や香りの低下を抑えること
ができると共に、そのように加熱殺菌した日本酒を、殺
菌済みの缶と殺菌済みの缶蓋を使用し、略無菌状態の雰
囲気内で充填・密封して缶詰にしているため、製造され
た日本酒の缶詰の常温貯蔵が可能となり、貯蔵期間も長
く設定できる。
【0058】また、充填・密封前の日本酒の加熱殺菌や
冷却を、閉鎖空間である熱交換器の狭路中で行っている
ことにより、加熱殺菌(火入れ殺菌処理)前の日本酒中
に含有されている炭酸ガス(ガスボリューム0.1〜
4.0)の抜け出しを殆ど抑えることができて、その結
果、製造された缶詰を開けて中身の日本酒を飲んだ時
に、炭酸ガス含有飲料独特の飲み心地を充分に味わうこ
とができる。
【0059】すなわち、一般に日本酒が加熱されるとそ
の中に溶解している炭酸ガスは抜け易くなるが、日本酒
の加熱や冷却を熱交換器の狭路中で行うことにより、日
本酒が高温度になるとそれだけ熱交換器の狭路中の圧力
も上昇するので日本酒中の炭酸ガスはあまり抜けず、し
かも、日本酒が25℃以下に冷却されると狭路中の炭酸
ガスは再び日本酒中に溶解するので、結果的には日本酒
中の炭酸ガスは殆ど抜けないことになる。
【0060】また、上記の各実施形態により製造される
缶入り日本酒(日本酒の缶詰)については、缶の中身が
炭酸ガスを含有する日本酒であり、しかも、日本酒を冷
却した状態で充填・密封していることによって、製造し
た缶詰の缶内が負圧になる(缶内のへッドスペースの圧
力が大気圧よりも低くなる)ことで缶が変形するような
ことがなく、特に、第2実施形態に示したような高炭酸
ガス含有日本酒の場合には、炭酸飲料の缶詰と同様に缶
内が大気圧よりも高くなるため、缶の壁厚をより薄くす
ることが可能となって缶のコストダウンを図ることがで
きる。
【0061】なお、上記の各実施形態に示したような製
造方法において、充填装置の貯留槽内のヘッドスペース
に除菌済みの不活性ガスを満たしておけば、貯留槽内に
貯留中の炭酸ガス含有日本酒が酸素との接触により低下
するのを防止できると共に、貯留中の炭酸ガス含有日本
酒から炭酸ガスが抜けるのも防止できるので、より高品
質の炭酸ガス含有日本酒の缶詰を得ることができる(不
活性ガスとしては、日本酒の味や香りに悪影響を及ぼさ
ず、しかも比較的安価な窒素ガスや炭酸ガスが好まし
い)。
【0062】また、炭酸ガス含有日本酒が充填されて缶
蓋で密封される前の缶のヘッドスペースに対して、液体
窒素を添加するか、または、アンダーカバーガッシング
により不活性ガス(窒素ガスや炭酸ガス等)を吹き付け
るか、或いはその両方を行なうことによって、缶内のへ
ッドスペース内に存在していた酸素が追い出されて不活
性ガスで満たされる結果、缶詰にされた炭酸ガス含有日
本酒の貯蔵中の酸化による味や香りの低下が防止され
る。
【0063】特に、液体窒素を添加した場合には、日本
酒がガスボリュームの比較的少ない低炭酸ガス含有日本
酒であっても、缶の密封後に液体窒素の気化によって缶
内圧が確実に上昇するので、安価な薄肉壁の缶の使用が
可能になる。勿論、日本酒に含有される炭酸ガスのガス
ボリュームが高い場合には、そのような液体窒素の添加
を行わなくても、薄肉壁の缶の使用は可能である。
【0064】以上、本発明の密封容器入り日本酒の製造
方法について、缶詰による各実施形態によって説明した
が、本発明は、上記のような各実施形態にのみ限定され
るものではなく、例えば、缶詰に限らず、瓶詰やプラス
チック容器詰として実施することも可能であって、使用
する容器としては、缶と缶蓋の組み合わせに限らず、ガ
ラス瓶と蓋の組み合わせやプラスチック容器と蓋の組み
合わせによって実施することも可能であり、また、容器
と蓋の殺菌についても、上記の各実施形態では缶や缶蓋
を薬液により殺菌しているが、100℃以上の水蒸気又
は加熱空気等により缶や缶蓋の温度を70℃×10分間
以上の殺菌効果を得る条件で加熱殺菌しても良く、使用
する容器に合わせて適宜選択可能なものである。
【0065】
【発明の効果】以上説明したような本発明の密封容器入
り日本酒の製造方法によれば、炭酸ガス含有日本酒につ
いて、無菌充填法により容器詰にすることで本来の味や
香りが熱履歴により低下するのを抑えることができると
共に、無菌充填法により充填・密封の前に予め日本酒を
火入れ殺菌処理済みとする段階で、日本酒中に含有され
ている炭酸ガスのガスボリュームを殆ど低下させないよ
うにすることができて、その結果、容器を開けて日本酒
を飲んだ時に、日本酒本来の味や香りを味わうことがで
き、炭酸ガス含有飲料独特の飲み心地を味わうことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る缶
入り日本酒の製造方法の概略を示すフローチャート説明
図。
【図2】従来のホットパック法による缶入り日本酒の製
造方法(比較例1)の概略を示すフローチャート説明
図。
【図3】従来の後殺菌法による缶入り日本酒の製造方法
(比較例2)の概略を示すフローチャート説明図。
【図4】火入れ殺菌処理しない除菌済み炭酸ガス含有日
本酒から無菌充填法により缶入り日本酒を製造する方法
(比較例3)の概略を示すフローチャート説明図。
【図5】本発明の他の実施形態(第2実施形態)に係る
缶入り日本酒の製造方法の概略を示すフローチャート説
明図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E035 AA03 BA06 BC03 BD02 CA05 DA02 3E053 AA04 BA01 DA03 DA04 FA07 JA07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 火入れ殺菌処理していないガスボリュー
    ム0.1〜4.0の炭酸ガス含有日本酒を、狭路中で熱
    交換により急速加熱する熱交換器を通して60〜80℃
    の高温で短時間に火入れ殺菌処理した後、直ちに狭路中
    で熱交換により急速冷却する熱交換器を通して25℃以
    下に冷却してから、略無菌状態の雰囲気内で、充填装置
    により予め殺菌済みの容器内に充填して、予め殺菌済み
    の蓋で密封することを特徴とする密封容器入り日本酒の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 炭酸ガス含有日本酒を貯留した充填装置
    の貯留部のヘッドスペースが、除菌済みの不活性ガスで
    満たされていることを特徴とする請求項1に記載の密封
    容器入り日本酒の製造方法。
  3. 【請求項3】 蓋で密封する前の日本酒充填済みの容器
    に対して、液体窒素を添加するか、又は不活性ガスを吹
    き付けるか、或いはその両方を行なうことを特徴とする
    請求項1又は2に記載の密封容器入り日本酒の製造方
    法。
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JP2007022576A (ja) * 2005-07-14 2007-02-01 Toyo Seikan Kaisha Ltd 容器詰め飲料の製造方法および装置
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