JP2002096604A - 弾性ホイール - Google Patents
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Abstract
よび安全性を損なうことなく乗り心地性能、防振性能お
よび防音性能の向上を図った弾性ホイールを提供する。 【解決手段】 車軸ハブに固着されるディスク1と、タ
イヤを支承するリム3とを備えた弾性ホイールであっ
て、リム3の内周面とディスク1との間に、上下方向の
相対変位に対し主に剪断変形をするように環状に配置さ
れたゴム弾性体6を有する。ゴム弾性体6中に短繊維が
分散されてなる。
Description
られる弾性ホイールに関し、詳しくは乗り心地性能、防
振性能および防音性能に優れ、しかも制動性、耐片減り
性およびコーナリング特性の改良が図られた弾性ホイー
ルに関する。
されるディスクとタイヤを支承するリムとを備えてお
り、かかるディスクとリムとの間に防振体を設け、防振
性能や乗り心地性能を高めた弾性ホイールはこれまで種
々提案されている。例えば、実開昭59−188701
号公報には、防振体としてバネを用いて乗り心地の向上
を図ったタイヤ用ホイールが提案されている。
リムとディスクとの間に配置したものも知られており、
例えば、実開昭57−73203号公報に、リムがゴム
様弾性体を介してディスクに連結される構成の弾性ホイ
ールが提案されている。さらに、特開平5−33840
1号公報には、リムと弾性ホイールとの間に隙間を形成
し、そこに防振ゴムを介装させた弾性ホイールが開示さ
れている。さらにまた、WO9833666号公報に
は、リムと同一プロファイルを有する内側リムとリムと
の間にゴムの環状ストリップを配置したホイール・バリ
ア組立体が開示されている。
としてゴムを使用し、これをリムとディスクとの間に一
様に配置した従来の弾性ホイールにおいては、リムの内
周面とディスクの外周面との間に夫々に加硫接着された
ゴム弾性体が配設されているため、このゴム弾性体によ
りリムからディスクに伝わる軸方向、径方向および回転
方向の各振動を的確に抑制することができるものの、大
荷重時のゴム弾性体の変位を抑制することはできないと
いう問題があった。すなわち、ゴムの断面が一様であ
り、小入力時から大入力時までそれぞれにおいて適切な
振動防止特性を得ることが困難であった。この点につい
て、防振体としてバネを用いても同様の問題があった。
ムと防音性能との関係については必ずしも明確にされて
おらず、防音の面ではなお改良の余地があった。
力時に至るまで、耐久性および安全性を損なうことなく
乗り心地性能、防振性能および防音性能の向上を図ると
ともに、制動性、耐片減り性およびコーナリング特性の
向上を図った弾性ホイールを提供することにある。
してのゴム弾性体の特徴を活かしつつ前記課題を解決す
べく鋭意検討した結果、以下の構成とすることにより前
記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに
至った。即ち、本発明の弾性ホイールは下記に示す通り
である。
タイヤを支承するリムとを備えた弾性ホイールであっ
て、前記リムの内周面と前記ディスクとの間に、上下方
向の相対変位に対し主に剪断変形をするように環状に配
置されたゴム弾性体を有する弾性ホイールにおいて、前
記ゴム弾性体中に短繊維が分散されてなることを特徴と
する弾性ホイールである。
て、前記短繊維がゴム分100重量部に対し2〜25重
量部配合されている弾性ホイールである。
て、前記短繊維の平均長さが100〜3500μmであ
る弾性ホイールである。
性ホイールにおいて、前記ゴム弾性体が、鋼板とホイー
ル軸方向に交互に積層されゴム積層体を形成する弾性ホ
イールである。
性ホイールにおいて、前記リムの内周面に環状に固設さ
れた一対のガイドと、前記ディスクの外周面上における
タイヤ軸方向両側部領域に環状に固設された一対の壁部
とを有し、前記ガイドの側面と前記壁部の側面との間
に、それぞれゴム弾性体が環状に介装されている弾性ホ
イールである。
性ホイールにおいて、前記リムの内周面上に環状に固設
された複数のガイドと、前記ディスクの外周面上に前記
ガイドとホイール軸方向に互い違いに固設された複数の
スペーサとを有し、前記ガイドと前記スペーサとの間に
両者の先端部の少なくとも一部を覆うようにしてゴム弾
性体が環状に介装されている弾性ホイールである。
果を奏する。前記〈1〉の発明により、設置されたゴム
弾性体の剪断変形で振動を吸収し、特に、小入力に対し
て乗り心地性能、防振性能および防音性能の向上を図る
ことができる。また、防音性能については100Hz以
上の高周波数領域の防音に極めて効果的である。また、
ゴム弾性体中に短繊維を配合させたことで、ホイール半
径方向に比しホイール軸方向の剛性が高くなり、タイヤ
の横方向の剛性が保持され、特に、操縦安定性の改善に
効果的である。
〈1〉の発明の効果を確実に得ることができる。
〈3〉の発明の効果を得ることができるとともに、前記
ゴム積層体が、ホイール半径方向に比しホイール軸方向
の剛性が高いため、より一層の操縦安定性の改善を図る
ことができる。
〈4〉の発明の効果を確実に得ることができる。
明の効果を得ることができるとともに、ガイドとスペー
サの先端部の少なくとも一部がゴム弾性体で覆われてい
ることで、当該先端部の圧縮作用により、大変形を防ぐ
ことができる。
に係る弾性ホイールは、車軸ハブ(図示せず)に固着さ
れるディスク1がベースリム2を備えている。本発明の
ホイールは、ディスク1の外周面とべースリム2とが一
体的に成型されたものや、ディスク1の外周面をそのま
まべースリムとするものでもよく、あるいはスポークや
メッシュ等の支持体と組合わせたスポークホイールやメ
ッシュホイール等であってもよい。ディスク1の材質
は、スチール、アルミニウム、マグネシウム、合成樹脂
等、いずれの材質でもよいが、軽量化に主眼を置くとき
はアルミニウムまたは合成樹脂が好ましい。また、タイ
ヤを支承するリム3の内周面には一対のガイド4が環状
に固設されている。リム3の形状は特に制限されるべき
ものではなく、規格品以外に、両端でリム径が異なるも
の等、その用途に応じ適宜選定することができる。
端領域には一対の壁部5がガイド4間のタイヤ軸方向の
幅よりも狭い状態で環状に固設され、ガイド4の両内面
と壁部5の両外面との間にそれぞれ、例えば、加硫接着
等の接着手段により接着されたゴム弾性体6が環状に介
装される。
端部同士を図示するように結合させ一体的にしてホイー
ル軸方向断面を略逆U字状とし、かかる壁部5間に形成
された外周面5aとリム3の内周面との間にストッパと
してのゴム弾性体を環状に介装させることもできる。こ
の介装の仕方としては、例えば、ゴム弾性体をリム3の
内周面に接着させ、壁部の外周面5aとの間に隙間を設
けるか、あるいは、ゴム弾性体を外周面5aに接着さ
せ、リム3の内周面との間に隙間を設ける手法の他、図
示するように、一対のゴム弾性体6を外周面5a上まで
延在せしめて両者を連結させることによりストッパとし
ての機能を併せ持つようにしてもよい。
面をホイール半径方向外側に隆起せしめ、または隆起部
をディスク1の外周面に固設することによりディスク1
に直接形成させてもよい。あるいはまた、一対の壁部5
をガイド4間のタイヤ軸方向の幅よりも広い状態で環状
に固設し、ガイド4の両外面と壁部5の両内面との間に
それぞれゴム弾性体を環状に介装させる場合には、同様
にリム3の内周面をホイール半径方向内側に隆起せし
め、または隆起部をリム3の内周面に固設してガイドを
形成させるか、あるいはリムにドロップを設け、該ドロ
ップ部のリム内周面をガイドの両外面として利用しても
よい。
防振ゴムとして既知のものを用いることができ、天然ゴ
ムや合成ゴム、例えば、ブタジエンゴム、スチレンブタ
ジエン共重合体ゴム、ブチルゴム等のジエン系ゴムに適
宜配合剤、例えば、硫黄、加硫促進剤、老化防止剤、カ
ーボンブラック等を適宜配合することにより調製するこ
とができる。かかるゴム弾性体のJIS−A硬度(H
d)は、振動吸収特性と耐久性の観点から、好ましくは
30〜80°であり、弾性率は1×103〜1×105N
/cm2である。
の中に短繊維を分散配合し、ホイール半径方向の剪断剛
性は殆ど変化させずに、ホイール軸方向の圧縮/伸張剛
性を高め、操縦安定性を向上させる。短繊維は、ゴム分
100重量部に対し2〜25重量部配合することが好ま
しい。この配合量が2重量部未満であるとばね定数比
(ホイール半径方向の剛性に対するホイール軸方向の剛
性比)向上効果が十分ではなく、一方、25重量部を超
えると疲労耐久性が著しく悪化する。
3500μmであり、この長さが100μm未満である
とばね定数比向上効果が十分ではなく、一方、3500
μmを超えると分散性が悪くなる。また、短繊維の直径
は、好ましくは0.1〜30μmである。
テル、ポリアミド、ポリアラミド等の有機繊維を好適に
用いることができる。
に係るゴム弾性体は、以下の好適例においてもすべて同
様である。
弾性ホイールは、車軸ハブ(図示せず)に固着されるデ
ィスク101がベースリム102を備えており、タイヤ
を支承するリム103の内周面のホイール軸方向略中央
にはガイド104が環状に固設されている。ベースリム
102の外周面上における軸方向両端には一対の壁部1
05が環状に固設されており、ガイド104の両側面と
壁部105の両内側面との間にそれぞれ、例えば、加硫
接着等の接着手段により接着されたゴム積層体106が
環状に跨設されている。この際、図示するように、ゴム
積層体106のホイール軸方向断面がガイド104を頂
点として山形となるようにすることが縦方向の剛性を確
保する上で好ましい。ゴム積層体106は、ゴムと鋼板
とをホイール軸方向に交互に積層することにより形成さ
れ、かかる積層構造自体は防振材として建築材等におい
て既知である。
に対向するベースリム102の外周面には、該端部と適
宜隙間をもってゴム弾性体107が環状に介装されてい
る。このゴム弾性体107はベースリム102の外周面
に、例えば、加硫接着等の接着手段により接着されてい
る。このゴム弾性体107が存在することにより、大入
力が発生してもストッパとしてのこのゴム弾性体107
の圧縮作用により大変形を防止することができる。
部105との関係を逆にし、ガイド104が一対にてホ
イール軸方向両側部領域に位置し、かつ壁部105がリ
ム103のホイール軸方向略中央に位置して、壁部10
5の両側面と一対のガイド104の両内側面との間にゴ
ム積層体106を環状に跨設させ、さらにかかるガイド
104と壁部105とを上述のように傾斜させても、同
様の効果を得ることができる。
に係る弾性ホイールは、車軸ハブ(図示せず)に固着さ
れるディスク201と、タイヤを支承するリム203と
を備えている。タイヤを支持するリム203の内周面に
は環状に一対のガイド204が固設されており、またデ
ィスク201の外周面上にはガイド204とホイール軸
方向に互い違いの位置関係で一対のスペーサ(壁部)2
05が環状に固設されている。ここで、ディスク201
の外周面上に固設されるスペーサ205は、上述の好適
例と同様に、ディスク201の外周面上にベースリム
(図示せず)を設け、その外周面上に固設してもよい。
は、図示するように、両者の先端部を覆うようにしてゴ
ム弾性体206が環状に介装されている。このゴム弾性
体206は、ガイド204およびスペーサ205と、例
えば、加硫接着等の接着手段により接着され、ディスク
201の外周面およびリム203の内周面とは接着せず
に、隙間を設ける。かかる隙間を設けることにより、ゴ
ム弾性体206の剪断変形で振動を吸収し、特に、小入
力に対して乗り心地性能、防振性能および防音性能の向
上を図ることができる。また、スペーサ205とガイド
204とは、ホイール軸方向に互い違いの位置関係で配
置させることで、ホイール軸方向の剛性が高くなり、そ
の方向の振動抑制にも優れた効果を奏する。さらに、ガ
イド204とスペーサ205の先端部がすべてゴム弾性
体206で覆われていることで、これら先端部の圧縮力
の作用により、大変形を防ぐことができる。
記の条件にて、図1に示す形状のゴム弾性体が環状に介
装された弾性ホイールを試作し、これにサイズ185/
55R15のタイヤを装着して振動吸収特性および防音
性能について評価した。評価方法は下記の通りである。 (リム) サイズ :15インチ 幅 :5.5J (ゴム弾性体) 寸法 :縦11mm、横15mm JIS−A硬度:60° 弾性率 :4×104N/cm2 リムとベースリムとの間のタイヤ半径方向距離:25m
m ストッパとしてのゴム弾性体6とリム内周面3aとの距
離:6mm (振動吸収特性)加速度センサにより、実車走行時車軸
力を測定した。 (防音特性)運転座席頭部にマイクロフォンを設置し、
実車走行した際の音圧を測定した。
施例の弾性ホイールによれば、小入力時にはゴム弾性体
6の剪断変形により振動を吸収し、かつ大入力時にはゴ
ム弾性体6の圧縮入力により大変形を抑制することがで
きることが確かめられた。その結果、小入力時から大入
力時に至るまで、耐久性および安全性を損なうことなく
乗り心地性能、防振性能および防音性能の向上を図るこ
とができる。また、防音特性試験の結果、100Hz以
上の高周波数領域の防音に極めて効果的であることがわ
かった。上述の他の実施形態に係る弾性ホイールについ
ても同様の効果を得ることができた。
に、剪断タイプのゴム弾性体が形成されているモデルを
作製した(図4)。このモデルのゴムとして下記の表1
に示すゴム組成物を夫々使用し、上下方向と軸方向のば
ね定数比(上下方向/軸方向)を測定した。得られた結
果を下記の表1に示す。
(天然ゴム:短繊維=10:5)
ホイールは、小入力時から大入力時に至るまで、耐久性
および安全性を損なうことなく、また、操縦安定性をも
損なうことなく乗り心地性能、防振性能および防音性能
の向上を図ることができ、特に、乗り心地性能の向上に
効果的である。
大部分断面図である。
拡大部分断面図である。
ールの拡大部分断面図である。
ある。
Claims (6)
- 【請求項1】 車軸ハブに固着されるディスクと、タイ
ヤを支承するリムとを備えた弾性ホイールであって、前
記リムの内周面と前記ディスクとの間に、上下方向の相
対変位に対し主に剪断変形をするように環状に配置され
たゴム弾性体を有する弾性ホイールにおいて、前記ゴム
弾性体中に短繊維が分散されてなることを特徴とする弾
性ホイール。 - 【請求項2】 前記短繊維がゴム分100重量部に対し
2〜25重量部配合されている請求項1記載の弾性ホイ
ール。 - 【請求項3】 前記短繊維の平均長さが100〜350
0μmである請求項1または2記載の弾性ホイール。 - 【請求項4】 前記ゴム弾性体が、鋼板とホイール軸方
向に交互に積層されゴム積層体を形成する請求項1〜3
のうちいずれか一項記載の弾性ホイール。 - 【請求項5】 前記リムの内周面に環状に固設された一
対のガイドと、前記ディスクの外周面上におけるタイヤ
軸方向両側部領域に環状に固設された一対の壁部とを有
し、前記ガイドの側面と前記壁部の側面との間に、それ
ぞれゴム弾性体が環状に介装されている請求項1〜4の
うちいずれか一項記載の弾性ホイール。 - 【請求項6】 前記リムの内周面上に環状に固設された
複数のガイドと、前記ディスクの外周面上に前記ガイド
とホイール軸方向に互い違いに固設された複数のスペー
サとを有し、前記ガイドと前記スペーサとの間に両者の
先端部の少なくとも一部を覆うようにしてゴム弾性体が
環状に介装されている請求項1〜3のうちいずれか一項
記載の弾性ホイール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000291769A JP2002096604A (ja) | 2000-09-26 | 2000-09-26 | 弾性ホイール |
Applications Claiming Priority (1)
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ID=18774797
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000291769A Pending JP2002096604A (ja) | 2000-09-26 | 2000-09-26 | 弾性ホイール |
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