JP2002096394A - 熱板溶着用熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱板溶着用熱可塑性樹脂組成物

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JP2002096394A
JP2002096394A JP2000286422A JP2000286422A JP2002096394A JP 2002096394 A JP2002096394 A JP 2002096394A JP 2000286422 A JP2000286422 A JP 2000286422A JP 2000286422 A JP2000286422 A JP 2000286422A JP 2002096394 A JP2002096394 A JP 2002096394A
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Japan
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thermoplastic resin
hot plate
resin composition
plate welding
inorganic filler
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Kinya Kurokawa
欽也 黒川
Kunihiko Konishi
邦彦 小西
Masamichi Endo
正道 遠藤
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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    • B29C65/02Joining or sealing of preformed parts, e.g. welding of plastics materials; Apparatus therefor by heating, with or without pressure
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    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱板溶着時に起こる糸曳き現象を解決し、成形
品の外観不良及び作業性の低下を改良することを目的と
し、かつ衝撃強度、耐熱性の良好な熱板溶着用熱可塑性
樹脂組成物及び外観の優れた成形品を提供すること。 【解決手段】熱可塑性樹脂50〜95重量%、および無
機充填材5〜50重量%を有効成分とし、これを成形し
た試験片を温度300℃に加熱した鉄板に押し付け、試
験片の1.5mmを沈み代として鉄板上に溶融させ、2
0秒後に500mm/秒の速度で、この試験片を引き上
げたときの糸曳きの最長値が10mm以下であることを
特徴とする熱板溶着用熱可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衝撃強度、耐熱
性、流動性の物性バランスに優れた熱可塑性樹脂組成物
で、特に熱可塑性樹脂組成物の成形品を加熱した熱板に
より接合部を溶融後、加圧溶着することにより接合させ
る、いわゆる熱板溶着に適した成形品の原料となる熱板
溶着用熱可塑性樹脂組成物、並びにその成形品と同一樹
脂又は他樹脂成形品とを熱板溶着で接合した成形品に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、樹脂成形品の接合には、熱板
溶着が用いられてきた。熱板溶着とは、例えば車両用照
明器具である樹脂成形品のウィンカーのハウジングとレ
ンズを接合する場合に、それぞれの接合部を熱板により
別々に溶融した後、即座にこれらの接合部を合わせ、加
圧して溶着させることにより接合させるものである。し
かし、この熱板溶着では、樹脂成形品を熱板から引き離
すときに、樹脂が糸状に引き伸ばされるいわゆる糸曳き
現象を起こし、これが成形品の表面に残り、外観不良及
び作業性の著しい低下を招いてしまう。この糸曳き現象
を改善するために、少量のポリテトラフルオロエチレン
等のフッ素樹脂を添加することが考えられるが、この場
合、高価でかつ押出混練時にサージング等により押出性
が不安定になったり、成形品にシルバー等の成形不良現
象が起きるといった問題点があった(特開平09−12
902号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
熱板溶着時に起こる糸曳き現象を解決し、成形品の外観
不良及び作業性の低下を改良することを目的とした、す
なわち熱板溶着時の糸曳きが改良され、かつ衝撃強度、
耐熱性の良好な熱板溶着用熱可塑性樹脂組成物及び外観
の優れた成形品を提供することにある。
【0004】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは、上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、熱板溶着に用いる樹脂組
成物に、特定量の無機充填材を添加することにより、熱
板溶着時の糸曳きが画期的に改良され、かつ衝撃強度、
耐熱性の良好な熱板溶着用に適する熱可塑性樹脂組成物
及び外観の優れた成形品を見出した。本発明において、
(A)熱可塑性樹脂はゴム含有樹脂を含むことが好まし
く、更に好ましくは、ゴム含有樹脂とマレイミド樹脂、
あるいはゴム含有樹脂とポリカーボネート樹脂との混合
物である。また、(B)無機充填材は炭酸カルシウムで
あることが好ましく、その炭酸カルシウムの比表面積径
は1.2μm以下であることが更に好ましい。
【0005】本発明の熱板溶着用熱可塑性樹脂組成物中
の(A)熱可塑性樹脂は、特に限定されるものではな
く、ゴム含有樹脂、マレイミド樹脂、SAN樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ナイロン−6、ナイロン−66、ナ
イロン−610、ナイロン−612、ナイロン−11、
ナイロン−12、ナイロン46等のポリアミド樹脂、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレー
ト等の飽和ポリエステル樹脂、ポリアリレート等の全芳
香族ポリエステル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹
脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリサルホン樹
脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン樹脂等が挙げられ、これら
を単独あるいは2種類以上を混合して用いることができ
る。
【0006】本発明の熱板溶着用熱可塑性樹脂組成物中
に、熱可塑性樹脂を2種類以上混合して用いる場合、そ
の比率に特に制限はなく、要求特性等に応じて適宜決定
されるが、熱可塑性樹脂として少なくとも1種類以上の
ゴム含有樹脂を用いる場合、熱板溶着用熱可塑性樹脂組
成物中のゴム含有樹脂は10〜90重量%、他の熱可塑
性樹脂は5〜85重量%であることが好ましい。ゴム含
有樹脂の割合が10重量%未満では衝撃強度が低く、9
0重量%を越えると、耐熱性が極端に低くなる。
【0007】ゴム含有樹脂とは、ゴム状重合体に、芳香
族ビニル単量体単独、又はこれらと共重合可能なビニル
単量体とをグラフト重合してなる共重合体である。更に
これらに上記の芳香族ビニル単量体単独、又はこれらと
共重合可能なビニル単量体との共重合体を含むことがで
きる。ゴム状重合体の具体例としては、ブタジエン重合
体、ブタジエンと共重合可能なビニル単量体との共重合
体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体、ブタジエンと芳香族ビニルとの
ブロック共重合体、アクリル酸エステル重合体およびア
クリル酸エステルとこれと共重合可能なビニル単量体と
の共重合体等が用いられる。
【0008】芳香族ビニル単量体としてはスチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレ
ン、クロロスチレン等のスチレン単量体及びその置換体
が挙げられ、これらの中でスチレンが特に好ましい。上
記の単量体と共重合可能なビニル単量体としては、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリ
ロニトリル等のシアン化ビニル単量体、メチルアクリル
酸エステル、エチルアクリル酸エステル、ブチルアクリ
ル酸エステル等のアクリル酸エステル単量体、メチルメ
タクリル酸エステル、エチルメタクリル酸エステル等の
メタクリル酸エステル単量体、アクリル酸、メタクリル
酸等のビニルカルボン酸単量体、アクリル酸アミド及び
メタクリル酸アミド等のビニルカルボン酸アミド単量
体、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマ
レイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニ
ルマレイミド、N−ナフチルマレイミド等のマレイミド
系単量体が挙げられる。
【0009】このゴム含有樹脂の製造方法については特
に制限はなく、例えば芳香族ビニル単量体及びこれらと
共重合可能なビニル単量体からなる単量体混合物をゴム
状重合体にグラフト重合させることにより製造すること
ができる。具体的には、従来より知られている乳化重合
法、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法等のいずれの
方法によって得られたものであっても良いし、またこれ
らの重合法を複合化した技術によるものでも良い。
【0010】本発明の熱板溶着用熱可塑性樹脂組成物中
の熱可塑性樹脂が、少なくとも1種類以上のゴム含有樹
脂とマレイミド樹脂との混合物である場合、熱板溶着用
熱可塑性樹脂組成物中のマレイミド樹脂は、5〜75重
量%の割合で用いることが好ましく、より好ましくは1
0〜60重量%であり、更に好ましくは10〜40重量
%である。マレイミド樹脂は、芳香族ビニル単量体25
〜70重量%、不飽和ジカルボン酸イミド誘導体25〜
75重量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体0〜25
重量%、及びこれら単量体と共重合可能なビニル単量体
0〜40重量%からなることが好ましい。またマレイミ
ド樹脂中の芳香族ビニル単量体としては、上述と同様の
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−
ブチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン単量体及
びその置換体が挙げられ、これらの中でスチレンが特に
好ましい。
【0011】不飽和ジカルボン酸イミド誘導体として
は、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマ
レイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニ
ルマレイミド、N−ナフチルマレイミド等のマレイミド
系単量体が挙げられ、これらの中でN−フェニルマレイ
ミドが特に好ましい。また、不飽和ジカルボン酸無水物
単量体としてはマレイン酸、イタコン酸、シトラコン
酸、アコニット酸等の無水物が挙げられ、マレイン酸無
水物が特に好ましい。上記の単量体と共重合可能なビニ
ル単量体としては、上述と同様のアクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等のシ
アン化ビニル単量体、メチルアクリル酸エステル、エチ
ルアクリル酸エステル、ブチルアクリル酸エステル等の
アクリル酸エステル単量体、メチルメタクリル酸エステ
ル、エチルメタクリル酸エステル等のメタクリル酸エス
テル単量体、アクリル酸、メタクリル酸等のビニルカル
ボン酸単量体、アクリル酸アミド及びメタクリル酸アミ
ド等が挙げられる。
【0012】マレイミド樹脂の製造方法としては、芳香
族ビニル単量体、不飽和ジカルボン酸イミド誘導体、及
び必要に応じて用いる不飽和ジカルボン酸無水物単量
体、これら単量体と共重合可能なビニル単量体を公知の
方法で直接共重合してもよいし、不飽和ジカルボン酸無
水物単量体を芳香族ビニル単量体、及びこれら単量体と
共重合可能なビニル単量体と共重合させた後、アンモニ
ア及び/又は第1級アミンと反応させて不飽和ジカルボ
ン酸イミド誘導体にしてもよい。しかしながらこれら共
重合体を製造する方法としては後者、すなわち不飽和ジ
カルボン酸無水物単量体を芳香族ビニル単量体、及びこ
れら単量体と共重合可能なビニル単量体と共重合させた
後にイミド化する方法が、共重合性及び経済性の点でよ
り好ましい。なお、イミド化反応に用いる第1級アミン
としてはメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミ
ン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、シクロへキシルア
ミン、デシルアミン、アニリン、トルイジン、ナフチル
アミン、クロロフェニルアミン、ジクロロフェニルアミ
ン、ブロモフェニルアミン、ジブロモフェニルアミン等
が挙げられる。
【0013】イミド化反応は、オートクレーブを用いて
溶液状態、塊状溶液状態あるいは懸濁状態で反応を行う
ことができる。また、スクリュー押出機等の溶融混練装
置を用いて、溶融状態で反応を行うことも可能である。
イミド化における溶液反応に用いられる溶媒は任意であ
り、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テト
ラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピ
ロリドン等が例示される。イミド化の反応温度は50〜
350℃の範囲が好ましく、100〜300℃の範囲が
特に好ましい。イミド化反応は触媒の存在を必ずしも必
要としないが、用いるならばトリメチルアミン、トリエ
チルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニ
リン、N,N−ジエチルアニリン等の第3級アミンが好
適である。このマレイミド樹脂は、従来より知られてい
る乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法の
いずれの方法によって得られたものであっても良いし、
またこれらの重合法の複合化した技術によるものでも良
いが、溶液重合法によるものが好ましい。また、回分法
重合、連続重合どちらの重合法によるものでもかまわな
い。
【0014】本発明の熱板溶着用熱可塑性樹脂組成物中
の熱可塑性樹脂が、少なくとも1種類以上のゴム含有樹
脂とポリカーボネート樹脂との混合物である場合、熱板
溶着用熱可塑性樹脂組成物中のポリカーボネート樹脂
は、10〜85重量%の割合で用いることが好ましく、
より好ましくは20〜80重量%であり、更に好ましく
は30〜70重量%である。ポリカーボネート樹脂とし
ては、ホスゲン法、エステル交換法等によって得られる
芳香族、脂肪族、及び芳香族・脂肪族併用系の樹脂があ
る。また、カーボネート結合とエステル結合、ウレタン
結合もしくはシロキサン結合のような他の結合とを主鎖
中に有するヘテロ結合共重合体等の変性ポリカーボネー
ト樹脂もある。
【0015】本発明の熱板溶着用熱可塑性樹脂組成物に
用いる(B)無機充填材の含有量は、5〜50重量%で
ある。(B)無機充填材の含有量が5重量%未満の場
合、熱板溶着時の糸曳き改良効果が低くなり、50重量
%を越えると、衝撃強度が低く、成形品の外観も悪くな
る。本発明の熱板溶着用熱可塑性樹脂組成物に用いる
(B)無機充填材としては、タルク、シリカ、クレー、
マイカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、チタン
酸カリウム、珪素酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げ
られ、炭酸カルシウムが特に好ましく、その比表面積径
が1.2μm以下であることが更に好ましい。比表面積
径は下記式−1で表される粒子径である。 比表面積径=6/(比重×比表面積) 式−1 ここで比表面積の測定法は、以下に示す装置及び原理を
用いた。 装置:比表面積測定装置SS−100型(島津製作所
製) 原理:Kozeny−Carman式
【数1】 Sw:物体の比表面積 cm2/g ε :試料充填層の空隙率 − ρ :粉体の密度 g/cm3 η :流体の粘性係数 g/cm・sec L :試料層の厚さ cm Q :試料層通過流体量 ml △P:試料層両端の圧力差 g/cm2 A :試料層の断面積 cm2 t :Qmlの流体の通過に要する時間 sec W :試料の重量 g 本発明の(A)成分、熱可塑性樹脂のみであると、熱板
溶着の際、樹脂成形品を熱板から引き離すときに、樹脂
が糸状に引き伸ばされるいわゆる糸曳き現象を起こし、
これが成形品の表面に残り、外観不良及び作業性の著し
い低下を招いてしまう。しかし、(B)成分、無機充填
材を添加することにより、この糸曳き現象が飛躍的に改
善され、成形品の外観不良及び作業性の低下を改良する
ことができる。
【0016】本発明における(A)熱可塑性樹脂と
(B)無機充填材の混合は、通常の溶融混練装置を用い
て行うことができるが、好適に使用できる溶融混練装置
としては、スクリュー押出機、バンバリーミキサー、コ
ニーダー、混合ロール等がある。本発明の熱板溶着用熱
可塑性樹脂組成物は、用途に応じて他の添加剤あるいは
改質剤を加えて組成物とすることが可能である。具体的
には、安定剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、
着色剤等を用いることができる。本発明の熱板溶着用熱
可塑性樹脂組成物の成形品は、例えばウィンカー、リヤ
コンビネーションランプ、あるいはヘッドランプ等の車
両用照明器具に好適に用いることができるが、これに限
定されるものではない。
【0017】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、実施例及び比較例で用いた%はすべて重量基
準である。また、これらはいずれも例示的なものであっ
て、本発明の内容を限定するものではない。 1.原料樹脂について (A)熱可塑性樹脂
【参考例1】ゴム含有樹脂の成分(a−1〜a−3) (a−1及びa−2)グラフト共重合体 ポリブタジエンラテックス8.12kg(固形分50重
量%、平均粒径0.35μm)、ステアリン酸ソーダ1
00g、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート1
0g、テトラソジウムエチレンジアミンテトラアセチッ
クアシッド3g、硫酸第一鉄0.3g及び水20kgを
65℃に加熱、攪拌し、これにスチレン69.4重量
%、アクリロニトリル30.6重量%からなる単量体混
合物5.94kg、t−ドデシルメルカプタン30g、
キュメンハイドロパーオキサイド20gを4時間で連続
添加し、更に添加終了後65℃で2時間重合した(重合
率96%)。得られたラテックスに酸化防止剤を添加し
た後、塩化カルシウムで凝固し水洗、乾燥後白色粉末状
のグラフト共重合体(a−1)を得た。ポリブタジエン
ラテックス11.96kg、スチレン70.2重量%と
アクリロニトリル29.8重量%からなる単量体混合物
4.02kgを用いた以外はa−1の場合と同様にグラ
フト重合させ、グラフト共重合体(a−2)を得た。上
記グラフト共重合体のそれぞれの仕込み組成及び最終組
成を表1に示す。
【0018】(a−3)共重合体 スチレン7.02kg、アクリロニトリル2.98k
g、第三リン酸カルシウム250g、t−ドデシルメル
カプタン50g、ベンゾイルパーオキサイド20g及び
水25kgを70℃に加熱、攪拌し重合を開始した。重
合開始から7時間後に、温度を75℃に昇温して3時間
保ち重合を完結させた(重合率97%)。得られた反応
液を塩酸にて中和し、脱水、乾燥後白色ビーズ状の共重
合体(a−3)を得た。上記共重合体のそれぞれの仕込
み組成及び最終組成を表1に示す。
【0019】
【参考例2】(a−4及びa−5)マレイミド樹脂 撹拌機付きオートクレーブ中にメチルエチルケトン9.
0kg、スチレン6.25kg、α−メチルスチレンダ
イマー10gを仕込み、系内を窒素ガスで置換した後温
度80℃に加熱した。これに、無水マレイン酸3.75
kg、ベンゾイルパーオキサイド30gをメチルエチル
ケトン6.0kgに溶解した溶液を10時間で添加し
た。添加後更に2時間、温度80℃に保った。反応液の
一部をサンプリングしてガスクロマトグラフィーにより
未反応の単量体の定量を行い、重合率及び重合体中の無
水マレイン酸の含有率を算出した。結果を表1に示す。
残りの反応液にメチルエチルケトン15.0kgを加え
室温まで冷却した。これを激しく撹拌しながらメタノー
ル80.0kgに注ぎ、濾別後乾燥し白色粉末状の重合
体を得た。この重合体3.0kg、トリエチルアミン3
0gをオートクレーブ中でメチルエチルケトン7.0k
gに溶解し、これにアニリン1.20kgを加え130
℃で7時間イミド化反応を行った。反応溶液を室温まで
冷却し、激しく撹拌したメタノール30.0kgに注
ぎ、濾別後乾燥しマレイミド樹脂(a−4)を得た。他
のマレイミド樹脂(a−5)も表2に示す仕込み組成
で、ほぼ同様の条件により作成した。13C−NMR
(核磁気共鳴)法により無水マレイン酸基のNPMI
(N−フェニルマレイミド)基への転化率を求めた。こ
れらより最終組成比を算出しあわせて表2に示した。
【0020】(a−6)ポリカーボネート樹脂 a−6: 一般に市販されているポリカーボネート樹
脂、パンライトL−1250(帝人化成)を用いた。
【0021】(B)無機充填材 b−1: 一般に市販されている炭酸カルシウム、NS
#2500(日東粉化工業、比表面積径0.89μm)
を用いた。 b−2: 一般に市販されている炭酸カルシウム、NS
#400(日東粉化工業、比表面積径0.71μm)を
用いた。 b−3:一般に市販されている珪酸カルシウム、FPW
#5000(金生興業)を用いた。 b−4:一般に市販されている水酸化マグネシウム、キ
スマ5B(協和化学工業)を用いた。
【0022】(C)フッ素樹脂 c−1: 一般に市販されているテトラフロロエチレン
樹脂、テフロン6CJ(三井・デュポン フロロケミカ
ル)を用いた。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】2.評価方法 (1)糸曳き性の評価:射出成形機(川口鉄工、K−1
25−I)により、幅100mm、長さ355mm、厚
さ2mmの角板を成形温度260℃で成形し、これを1
00×60×2mmの大きさに切り出した。糸曳きは、
上記の試験片の60×2mmの面を温度300℃に加熱
した鉄板に押し付け、試験片の1.5mmを沈み代とし
て鉄板上に溶融させ、20秒後に500mm/秒の速度
で、この試験片を引き上げ、糸曳きの状態を目視で調
べ、以下のように評価した。 ○:糸曳きが全く見られないか、あるいは糸曳きは見ら
れるが、その糸曳きの最長値が10mm以下で、外観を
損なう程ではない。 ×:はっきりとした糸曳きが見られ、その糸曳きの最長
値が10mmを越えていて、外観を損なう。
【0026】(2)成形品外観評価:射出成形機(川口
鉄工、K−125−I)により、プレート(9cm×5
cm)を成形温度250℃で成形し、外観を以下のよう
に評価した。 ○:成形不良が見られない。 ×:シルバー等の成形不良が見られる。 (3)衝撃強度:ASTM D−256に従い、成形温
度250℃で成形した厚さ6.4mmの射出成形品によ
りノッチ付きアイゾット衝撃強度を測定した。雰囲気温
度は23℃。 (4)耐熱性:JIS K−7206に従い、成形温度
250℃で成形した厚さ3.2mmの射出成形品により
ビカット軟化点(49N荷重)を測定した。雰囲気温度
は23℃。 (5)押出安定性の評価:押出混練時の安定性を、後記
するTEM35B押出機で押出しペレット化する過程に
おいて、以下のように評価した。 ○:サージングがほとんど無く、押出性が良好である。 ×:サージングがひどく、押出が困難である。
【0027】
【実施例−1〜11】表3に示した配合割合(重量%)
で全量8kgになるように、(A)熱可塑性樹脂、
(B)無機充填材を、20リットルヘンシェルに投入し
ブレンド後、TEM35B押出機(東芝、2軸同方向)
にて、280℃で押出しペレット化した。このペレット
を使用し、射出成形機により試験片を作成し、衝撃強
度、熱変形温度を測定するとともに、糸曳き及び成形品
外観を評価した。結果は表3に示す。
【0028】
【比較例−1〜9】表4に示した配合割合(重量%)で
全量8kgになるように、(A)熱可塑性樹脂及び
(B)無機充填材、あるいは(A)熱可塑性樹脂及び
(C)フッ素樹脂を、20リットルヘンシェルに投入し
ブレンド後、TEM35B押出機(東芝、2軸同方向)
にて、280℃で押出しペレット化した。このペレット
を使用し、射出成形機により試験片を作成し、衝撃強
度、熱変形温度を測定するとともに、糸曳き及び成形品
外観を評価した。結果は表4に示す。
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】比較例−1〜9は、いずれも(A)熱可塑
性樹脂及び(B)無機充填材の含有量が範囲外のもので
ある。実施例及び比較例の結果から、(A)熱可塑性樹
脂の含有量が50重量%未満、あるいは(B)無機充填
材の含有量が50重量%を越えると、衝撃強度が低く、
成形品の外観も悪くなる。また、(A)熱可塑性樹脂の
含有量が95重量%を越えるか、あるいは(B)無機充
填材の含有量が5重量%未満の場合、熱板溶着時の糸曳
き改良効果が低くなる。(C)フッ素樹脂を添加する
と、(A)熱可塑性樹脂の含有量が95重量%を越える
か、あるいは(B)無機充填材の含有量が5重量%未満
の場合でも、熱板溶着時の糸曳き性は改良されるが、押
出安定性が低く、成形品の外観も悪くなる。
【0032】以上のように、熱可塑性樹脂組成物中に
(A)熱可塑性樹脂50〜95重量%、(B)無機充填
材5〜50重量%を含有するときにのみ、糸曳きが改良
され、良好な熱板溶着が行え、成形品の外観性が高く、
衝撃強度が良好で、耐熱性が優れ、押出混練時の安定性
が高くなることがわかる。
【0033】
【発明の効果】本発明の熱板溶着用熱可塑性樹脂組成物
は、従来の樹脂と比較して、糸曳きが極めて改良された
ものであり、かつ成形品の外観性が高く、衝撃強度が良
好で、耐熱性が優れ、押出混練時の安定性が高く、熱板
溶着用として有用である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F211 AA13 AA20 AA28 AA29 AA45 AB11 AB16 AD03 AD05 AD08 TA01 TN07 4J002 AA01W AC00W BH02X CG00X DE236 FD016 GN00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)熱可塑性樹脂50〜95重量%、
    (B)無機充填材5〜50重量%を有効成分とし、これ
    を成形した試験片を温度300℃に加熱した鉄板に押し
    付け、試験片の1.5mmを沈み代として鉄板上に溶融
    させ、20秒後に500mm/秒の速度で、この試験片
    を引き上げたときの糸曳きの最長値が10mm以下であ
    ることを特徴とする熱板溶着用熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A)熱可塑性樹脂が、ゴム含有樹脂を含
    むことを特徴とする請求項1記載の熱板溶着用熱可塑性
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(A)熱可塑性樹脂が、ゴム含有樹脂とマ
    レイミド樹脂との混合物であることを特徴とする請求項
    1記載の熱板溶着用熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(A)熱可塑性樹脂が、ゴム含有樹脂とポ
    リカーボネート樹脂との混合物であることを特徴とする
    請求項1記載の熱板溶着用熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】(B)無機充填材の比表面積径が1.2μ
    m以下であることを特徴とする請求項1〜4記載の熱板
    溶着用熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】(B)無機充填材が炭酸カルシウムである
    ことを特徴とする請求項1〜4記載の熱板溶着用熱可塑
    性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】(B)無機充填材の比表面積径が1.2μ
    m以下の炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項
    1〜4記載の熱板溶着用熱可塑性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】請求項1〜7記載の熱板溶着用熱可塑性樹
    脂組成物からなる成形品と樹脂成形品を熱板溶着で接合
    したことを特徴とする成形品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006039110A1 (en) * 2004-09-29 2006-04-13 General Electric Company Method for reducing stringiness of a resinous composition during hot plate welding
JP2013032513A (ja) * 2011-06-29 2013-02-14 Asahi Kasei Chemicals Corp メタクリル系樹脂組成物、その製造方法、及び成形体

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