JP4250220B2 - 熱可塑性樹脂組成物および塗装成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物および塗装成形品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱可塑性樹脂組成物に関するものである。詳しくは、耐衝撃性、成形性に優れ、かつ塗装焼付後の寸法安定性に優れた熱可塑性樹脂組成物および該樹脂組成物からなる樹脂成形品に塗装を施してなる塗装成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリアミド樹脂は、耐薬品性、耐熱性、耐磨耗性等に優れる樹脂であり、自動車部品や電気・電子部品として広く使用されているが、耐衝撃性に劣るという欠点を有している。
また、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂)は、耐衝撃性、成形性に優れる樹脂であり、事務機器部品、電気部品、自動車部品等として広く使用されているが、耐薬品性、耐磨耗性に劣るという欠点を有している。
そこで、これらの欠点を補うべく、ポリアミド樹脂とABS樹脂のブレンド、すなわちポリアミド/ABSアロイが提案されている(特公昭38−23476号)。
しかし、ポリアミド樹脂とABS樹脂は相溶性が乏しいため、この相溶性を改良する方法として、不飽和カルボン酸をスチレン、アクリロニトリルと共に共重合してなる変性共重合体を配合する方法が提案されている(特開昭63−179957号、特開昭64−158号)。
これらの方法により、相溶性といった点においては改善がみられ、耐衝撃性等においては一応の改良効果が認められている。
一方、これら材料からなる樹脂成形品、特に車輛用外装部品等においては、意匠性の向上を目的として塗装が施されるケースがある。この場合、塗装に使用する塗料の種類によって、その焼付温度ならびにその時間が相違する。このため、使用する塗料の塗装条件に適合しない場合には、塗装後の寸法安定性に劣り、塗装部品としての商品価値を著しく低下させてしまう。
また、本来、ポリアミド/ABSアロイにおいてその塗装性を考慮した場合、ポリアミドの配合割合を多くする必要があるが、その場合には、成形品に”ヒケ”が発生しやすくなる。
従って、ポリアミド/ABSアロイにおいて、ポリアミドの配合割合が制限された領域において、耐衝撃性、成形性に優れ、かつ塗装性のみならず、塗装焼付後の寸法安定性に優れた樹脂組成物が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ポリアミド/ABSアロイにおいて、耐衝撃性、成形性に優れ、かつ、塗装焼付後の寸法安定性に優れた樹脂組成物の提供を目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリアミド樹脂とABS樹脂に対して、不飽和カルボン酸変性共重合体および特定組成のマレイミド系共重合体を配合してなる、耐衝撃性、成形性、塗装性に優れた樹脂組成物を提供するものである。
本発明においては、特にABS樹脂を構成するグラフト重合体のジエン系ゴム成分として、特定粒子径の小粒子ゴムを凝集させてなる、凝集肥大化ゴムを使用することにより、さらに耐衝撃性、成形性のバランスに優れた樹脂組成物が得られるものである。
【0005】
すなわち本発明は、ポリアミド樹脂(A)10〜50重量部、ジエン系ゴム10〜80重量%の存在下に芳香族ビニル系単量体50〜90重量%およびシアン化ビニル単量体10〜50重量%からなる単量体混合物90〜20重量%をグラフト重合してなるグラフト重合体(B)10〜80重量部、不飽和カルボン酸単量体0.5〜20重量%、芳香族ビニル系単量体50〜89.5重量%およびシアン化ビニル系単量体10〜49.5重量%を重合してなる不飽和カルボン酸変性共重合体(C)5〜40重量部および芳香族ビニル系単量体20〜80重量%、マレイミド系単量体5〜60重量%および他の共重合可能な単量体0〜40重量%を重合してなるマレイミド系共重合体(D)5〜40重量部〔但し(A)、(B)、(C)および(D)の合計を100重量部とする〕からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられるポリアミド樹脂(A)とは、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン116、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6I、ナイロン6/66、ナイロン6T/6I、ナイロン6/6T、ナイロン66/6T、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド、ポリビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド、ポリメタキシリレンアジパミド、ナイロン11T、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド等が挙げられる。なお、上記”I”はイソフタル酸成分、”T”はテレフタル酸成分を示す。
【0007】
これらのうち、特にナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン6T/6I、ナイロン6/6T、ナイロン66/6Tが好ましい。
【0008】
本発明において用いられるグラフト重合体(B)とは、ジエン系ゴム10〜80重量%の存在下に芳香族ビニル系単量体50〜90重量%およびシアン化ビニル単量体10〜50重量%からなる単量体混合物90〜20重量%をグラフト重合してなるグラフト重合体である。
【0009】
上記グラフト重合体(B)を構成するジエン系ゴムは、例えば1,3−ブタジエン等に代表されるジエン系単量体を50重量%以上含む単量体を重合してなる重合体であり、該ジエン系単量体と共重合可能な他の単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタアクリレート等の不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体等が挙げられる。具体的には、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−メチルメタアクリレート共重合体である。また、ジエン系ゴムのゲル含有量(溶媒:トルエン)には特に制限はないが、好ましくは60〜95重量%のものが好ましく使用できる。
【0010】
グラフト重合体(B)を構成する芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、クロルスチレン、ブロムスチレン等が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特にアクリロニトリルが好ましい。
また、本発明においては、上記芳香族ビニル系単量体の一部を他の共重合可能なビニル系単量体、例えばマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、O−クロル−N−フェニルマレイミド等のマレイミド系単量体、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の不飽和カルボン酸エステル系単量体等に置換してもよい。
【0011】
なお、本発明においては、耐衝撃性、成形性のバランス、さらには塗装性の面より、特にグラフト重合体(B)を構成するジエン系ゴムとして、特定粒子径の小粒子ゴムを凝集させてなる、凝集肥大化ゴムを使用することが好ましい。 具体的には、重量平均粒子径0.05〜0.20μの小粒子ジエン系ゴムラテックスを重量平均粒子径0.20〜0.8μに凝集肥大化させたジエン系ゴムラテックスを使用することが好ましい。
上記の小粒子ジエン系ゴムラテックスを凝集肥大化する方法としては、従来公知の方法、例えば酸性物質を添加する方法(特公昭42−3112、特公昭55−19246、特公平2−9601、特開昭63−117005、特開昭63−132903、特開平7−157501、特開平8−259777)、酸基含有ラテックスを添加する方法(特開昭56−166201、特開昭59−93701、特開平1−126301、特開平8−59704)等を採用することができ、特に制限はない。
【0012】
上記グラフト重合体の製造方法には特に制限はなく、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法又はこれらの組み合わせにより重合することができるが、特に上記凝集肥大化ゴムラテックスを使用する際には通常の乳化重合法が採用でき、またその際に使用する乳化剤、開始剤、各種助剤については公知のものが使用でき何ら限定はない。
【0013】
本発明において用いられる不飽和カルボン酸変性共重合体(C)とは、不飽和カルボン酸単量体0.5〜20重量%、芳香族ビニル系単量体50〜89.5重量%およびシアン化ビニル系単量体10〜49.5重量%を重合してなる共重合体である。
【0014】
共重合体(C)を構成する不飽和カルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特にメタクリル酸が好ましい。
芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体としては、グラフト重合体(B)の項で例示したものと同様のものを使用することができる。
また、芳香族ビニル系単量体の一部を他の共重合可能なビニル系単量体、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の不飽和カルボン酸エステル系単量体等に置換してもよい。
【0015】
上記共重合体(C)の製造においては公知の乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法を採用することができる。また、不飽和カルボン酸単量体の添加方法についても特に制限はなく、他の単量体と混合して重合系へ添加する方法、水溶液として添加する方法等を採用することができる。
【0016】
本発明において用いられるマレイミド系共重合体(D)とは、芳香族ビニル系単量体20〜80重量%、マレイミド系単量体5〜60重量%および他の共重合可能な単量体0〜40重量%を重合してなる共重合体である。
共重合体(D)を構成する芳香族ビニル系単量体としては、グラフト重合体(B)の項で例示したものと同様のものを使用することができる。
マレイミド系単量体としては、マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、O−クロル−N−フェニルマレイミド等が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特にN−フェニルマレイミドが好ましい。
また、他の共重合可能な単量体としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の不飽和カルボン酸エステル系単量体、無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸無水物等が挙げられ、それぞれ1種または2種以上用いることができる。
【0017】
上記共重合体(D)の製造においては、芳香族ビニル系単量体20〜80重量%、マレイミド系単量体5〜60重量%および他の共重合可能な単量体0〜40重量%からなる単量体成分を重合することにより目的組成の共重合体(D)を製造する方法(1)、芳香族ビニル系単量体と無水マレイン酸またはそれらと共重合可能な単量体からなる単量体成分を重合した後、得られた共重合体とアンモニア又はメチルアミン、エチルアミン、アニリン等の第1級アミンを反応させて無水マレイン酸残基をイミド化することにより、目的組成の共重合体(D)を製造する方法(2)があり、何れを採用してもよい。
なお、上記(1)の場合には、公知の乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法により、共重合体を得ることができる。また(2)の場合には、塊状重合法、溶液重合法にて共重合体を重合した後、塊状状態、溶液状態または懸濁状態でイミド化反応することより、共重合体を得ることができる。また(2)の場合のイミド化反応の際には、スクリュー押出機等の溶融混練装置を用いてイミド化することも可能である。
【0018】
本発明におけるポリアミド樹脂(A)、グラフト重合体(B)、不飽和カルボン酸変性共重合体(C)およびマレイミド系共重合体(D)の配合割合は、(A)10〜50重量部、(B)10〜80重量部、(C)5〜40重量部および(D)5〜40重量部〔但し(A)、(B)、(C)および(D)の合計を100重量部とする〕であり、この範囲外では本発明の目的とする組成物が得られないため好ましくない。
また、組成物の物性バランスの観点から、組成物全体に占めるジエン系ゴム含有量は5〜40重量%の範囲であることが好ましい。
【0019】
ポリアミド樹脂(A)、グラフト重合体(B)、不飽和カルボン酸変性共重合体(C)およびマレイミド系共重合体(D)の混合順序ならびにその状態には何ら制限はなく、パウダー、ペレットなどの形態による、(A)、(B)、(C)および(D)成分の一括同時混合、特定の二成分を予備混合した後残る成分を混合する方法が例示される。これらの溶融混合に際してはバンバリーミキサー、ロール、押出機等を用いることができる。
なお、混合に際し、必要に応じてスチレン−アクリロニトリル共重合体、α−メチルスチレン−アクリロニトリル共重合体等の他のスチレン系共重合体、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル等の他の熱可塑性樹脂、さらには酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、染料、顔料、可塑剤、難燃剤、離型剤、ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維、金属フレーク等の公知の添加剤、補強材、充填材等を添加することがてきる。
【0020】
以下に本発明について詳細に説明する。尚、本発明はこれにより何ら制限を受けるものでは無い。また、部および%は何れも重量基準で示した。
【0021】
〔参考例−1〕
耐圧容器に1,3−ブタジエン100部、t−ドデシルメルカプタン0.3部、過硫酸カリウム0.25部、ロジン酸ナトリウム2.5部、水酸化ナトリウム0.1部、純水170部を仕込み、80℃に昇温したのち重合を開始した。重合は10時間で終了させた。得られたジエン系ゴムラテックス(b−▲1▼)は、固形分37%、重量平均粒子径0.1μ、ゲル含有量90%であった。
なお、ゲル含有量は、ラテックスを乾燥させてフィルムを作製し、約1gを秤量した後、トルエンに23℃で48時間浸漬させた後、不溶分を100メッシュ金網で濾別・乾燥し、その重量%を測定した。
【0022】
〔参考例−2〕
耐圧容器に、参考例−1で得られたジエン系ゴムラテックス(b−▲1▼)270重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1部を添加して10分間攪拌混合した後、5%リン酸水溶液20部を10分間にわたり添加した。次いで10%水酸化カリウム水溶液10部を添加し、固形分34%、重量平均粒子径0.3μの肥大化ジエン系ゴムラテックス(b−1)を得た。
【0023】
〔参考例−3〕
耐圧容器に、表1に示すジエン系ゴムラテックス50部(固形分)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5部、過硫酸カリウム、0.3部を仕込み、70℃に昇温した後、スチレン35部およびアクリロニトリル15部からなる単量体混合物を5時間に亘って連続添加し、グラフト重合体ラテックスB−1を得た。得られたラテックス100重量部(固形分)当たり酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(住友化学工業社製:スミライザーBBM)1部およびトリスノニルフェニルホスファイト2部を添加した後、硫酸マグネシウムを用いて塩析・脱水・乾燥し、グラフト重合体B−1を得た。
また、上記の重合において、ジエン系ゴムラテックス60部(固形分)、スチレン28部およびアクリロニトリル12部に変更した以外は上記と同様にして、グラフト重合体B−2を得た。
【0024】
〔参考例−4〕
耐圧容器に、純水120部および過硫酸カリウム0.3部を仕込んだ後、攪拌下に65℃に昇温した。その後、スチレン63部、アクリロニトリル30部、メタクリル酸7部およびt−ドデシルメルカプタン0.3部からなる混合モノマー溶液およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2部を含む乳化剤水溶液30部を各々5時間に亘って連続添加し、その後重合系を70℃に昇温し、3時間熟成して重合を完結した。その後、塩化カルシウムを用いて塩析・脱水・乾燥し、不飽和カルボン酸変性共重合体C−1を得た。
また、上記の重合において、使用するモノマー成分としてスチレン70部およびアクリロニトリル30部に変更した以外は上記と同様にして、共重合体C−iを得た。
【0025】
〔参考例−5〕
耐圧容器に、純水120部および過硫酸カリウム0.3部を仕込んだ後、攪拌下に65℃に昇温した。その後、スチレン50部、アクリロニトリル15部、Nフェニルマレイミド35部およびt−ドデシルメルカプタン0.4部からなる混合モノマー溶液およびラウリル硫酸ナトリウム2部を含む乳化剤水溶液30部を各々4時間に亘って連続添加し、その後重合系を70℃に昇温し、3時間熟成して重合を完結した。その後、塩化カルシウムを用いて塩析・脱水・乾燥し、マレイミド系共重合体D−1を得た。
【0026】
〔参考例−6〕
耐圧容器に、スチレン60部、メチルエチルケトン100部を仕込み、系内を窒素ガスで置換した後、85℃に昇温し、無水マレイン酸40部とベンゾイルパーオキサイド0.15部をメチルエチルケトン200部に溶解した溶液を8時間で連続的に添加した。添加終了後、さらに3時間温度を85℃に保持した。次いで、得られた共重合体溶液にアニリン38部およびトリエチルアミン0.6部を加え140℃で7時間反応させた。反応液をベント付2軸押出機に供給し、脱揮してマレイミド系共重合体D−2を得た。なお、C−13NMR分析より、該共重合体の組成は、スチレン46%、N−フェニルマレイミド52%および無水マレイン酸2%であった。
【0027】
〔実施例1〜3および比較例1〜8〕
ポリアミド樹脂(A)、参考例で製造したグラフト共重合体B−1〜2、共重合体C−1〜iおよび共重合体D−1〜2を表1に示す配合割合で混合し、40mm二軸押出機を用いて230℃で溶融混合、ペレットとした後、射出成形機にて各種試験片を作成し物性を評価した。結果を表3に示す。
なお、実施例および比較例で使用したポリアミド樹脂(A)はナイロン6(ユニチカ社製、ユニチカナイロン6 A1030BRL)を使用した。
【0028】
o耐衝撃性:ASTM D−256に準拠。1/8インチ、23℃。
o成形性 :ASTM D−1238に準拠。265℃、5kg。
o塗装焼付後の寸法安定性:射出成形機にて、200mm×200mm×40mm(深さ)×2.5mm厚の箱型成形品を成形し、得られた成形品に、一液型有機溶剤系アクリル系塗料をエアースプレーガンを用いて塗装した後、120℃×60分にて焼付乾燥した。得られた塗装成形品の寸法安定性(変形度合い)を目視に判定した。良好:○、不良:×
o成形品のヒケ:射出成形機にて、150mm×150mm×3mm厚で、かつ中心部分に深さ(高さ)10mm×1.5mm厚のリブを有する成形品を成形し、23℃×50%RHの恒温室内に24時間放置した後、リブ裏のヒケの度合いを目視にて判定した。ヒケなし:○、ヒケ目立つ:×
【0029】
【表1】
Figure 0004250220
【0030】
【発明の効果】
本発明における樹脂組成物は、上記のとおり耐衝撃性、成形性および塗装焼付後の寸法安定性に優れるものであり、特に塗装が必要とされる用途において有用である。

Claims (1)

  1. ポリアミド樹脂(A)10〜50重量部、ジエン系ゴム10〜80重量%の存在下に芳香族ビニル系単量体50〜90重量%およびシアン化ビニル系単量体10〜50重量%からなる単量体混合物90〜20重量%をグラフト重合してなるグラフト重合体(B)10〜80重量部、不飽和カルボン酸単量体0.5〜20重量%、芳香族ビニル系単量体50〜89.5重量%およびシアン化ビニル系単量体10〜49.5重量%からなる不飽和カルボン酸変性共重合体(C)5〜40重量部および芳香族ビニル系単量体20〜80重量%、マレイミド系単量体5〜60重量%およびシアン化ビニル系単量体0〜40重量%からなるマレイミド系共重合体(D)5〜40重量部〔但し(A)、(B)、(C)および(D)の合計を100重量部とする〕からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂成形品に塗装を施した後、焼付け乾燥して得られた塗装成形品
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