JP2020066734A - 熱可塑性樹脂組成物、及び樹脂成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、及び樹脂成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】スナップフィット性に優れ、耐薬品性にも優れる樹脂成形体が得られる熱可塑性樹脂組成物を提供する。【解決手段】不飽和ニトリル単量体単位と芳香族ビニル単量体単位とを含むスチレン系共重合体(I)10〜90質量部と、ポリアミド(II)1〜55質量部と、ゴム質重合体と不飽和ニトリル単量体単位と芳香族ビニル単量体単位を含むグラフト鎖とを有するグラフト共重合体(III)1〜30質量部と、不飽和カルボン酸単量体単位及び/又はα,β−不飽和カルボン酸無水物単量体単位と、芳香族ビニル単量体単位とを含む変性スチレン系共重合体(IV)1〜40質量部とを、熱可塑性樹脂組成物の総量が100質量部となるように含み、前記(I)が連続相で、前記(II)が分散相であり、ASTM D256に準拠した厚み3.2mmのIZOD衝撃強度に対する厚み6.4mmのIZOD衝撃強度の比が、0.3〜1.0である熱可塑性樹脂組成物。【選択図】図1

Description

本実施形態は、熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成形品に関する。
自動車内外装、家電筐体、OA機器筐体等の、各種部品おいては、製品に高級感を付与するため、表面光沢性、塗装性、印刷性に優れるスチレン系樹脂を用いることが多い(例えば、特許文献1参照)。
これらの部品において、例えば自動車外装用部品であれば、ガソリンや、各種グリース等、家電筐体用部品であれば洗浄剤に含まれるアルコールや、ハンドクリーム等、様々な薬品への耐薬品性が求められる。
しかしながら、一般的なスチレン系樹脂は非晶性樹脂であるため、これらの薬品に対する耐薬品性は低く、付着すると光沢が低下して外観を損ねたり、割れを生じたりする場合がある。
スチレン系樹脂の耐薬品性を向上させた樹脂材料としては、通常、耐薬品性に優れる結晶性樹脂とのポリマーアロイ、例えば、ポリアミド(PA)とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)とのポリマーアロイであるPA/ABSや、ポリブチレンテレフタレート(PBT)とABSとのポリマーアロイであるPBT/ABS等が知られている(例えば、特許文献2、3参照)。
一方で、自動車内外装、家電筐体、OA機器筐体等は、複数の部品から構成されることが多く、これら複数の部品を締結させるための手段として、着脱の簡便さからスナップフィット構造が多く用いられている(例えば、特許文献4、5参照)。
スナップフィット構造を採用している部品の樹脂材料には、必然的にスナップ時の応力に耐えられるレベルの強度が求められる。
特開平5−209108号公報 特開2011−57836号公報 特開昭54−40851号公報 特開2018−58490号公報 特開2016−132390号公報
しかしながら、スチレン系樹脂を連続相とするポリマーアロイは、厚みが大きいと強度が低下する傾向にあり、見かけの厚み方向においては十分な強度があっても、スナップフィット性においては十分な強度が得られないという問題を有している。
これはスナップフィットにおいては、スナップ時の応力が厚み方向でなく斜め方向にかかるため、見かけの厚み方向での強度を想定するのみでは、十分な強度が得られないためと考えられる。
なお、当該スナップフィットにおいて十分な強度が得られることを、以下、スナップフィット性と記載する。
そこで本発明は、スナップフィット性に優れ、かつ耐薬品性にも優れた樹脂成形品が得られる、スチレン系樹脂を連続相とするポリマーアロイを用いた熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、スチレン系樹脂を連続相とするポリマーアロイからなる熱可塑性樹脂組成物において、ASTM D256に準拠した厚み3.2mmのIZOD衝撃強度に対する厚み6.4mmのIZOD衝撃強度の比を、所定の数値範囲に特定することにより、スナップフィット性に優れ、かつ耐薬品性にも優れた樹脂成形品が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
下記(I)〜(IV)を含有する熱可塑性樹脂組成物であって、
少なくとも不飽和ニトリル単量体単位と、芳香族ビニル単量体単位とを含むスチレン系共重合体(I)10〜90質量部と、
ポリアミド(II)1〜55質量部と、
ゴム質重合体と、少なくとも不飽和ニトリル単量体単位と芳香族ビニル単量体単位を含むグラフト鎖と、を有するグラフト共重合体(III)1〜30質量部と、
不飽和カルボン酸単量体単位及び/又はα,β−不飽和カルボン酸無水物単量体単位と、芳香族ビニル単量体単位とを含む変性スチレン系共重合体(IV)1〜40質量部と、
を、
前記熱可塑性樹脂組成物の総量が100質量部となるように含み、
前記スチレン系共重合体(I)が連続相で、前記ポリアミド(II)が分散相となっており、
ASTM D256に準拠した厚み3.2mmのIZOD衝撃強度に対する厚み6.4mmのIZOD衝撃強度の比が、0.3〜1.0である、熱可塑性樹脂組成物。
〔2〕
前記変性スチレン系共重合体(IV)中の、不飽和カルボン酸単量体単位及びα,β−不飽和カルボン酸無水物単量体単位の含有量が、前記変性スチレン系共重合体(IV)全体を100質量%としたとき、0.1〜30質量%である、前記〔1〕に記載の熱可塑性樹脂組成物。
〔3〕
前記スチレン系共重合体(I)を構成する不飽和ニトリル単量体単位及び芳香族ビニル単量体単位の合計量(100質量%)に対する、不飽和ニトリル単量体単位の割合(ア)が25質量%以上である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の熱可塑性樹脂組成物。
〔4〕
前記グラフト共重合体(III)を構成するゴム質重合体が、ブタジエンと当該ブタジエンと共重合可能な単量体単位からなる、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の熱可塑性樹脂組成物。
〔5〕
前記ポリアミド(II)が、ポリアミド6を含む、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の熱可塑性樹脂組成物。
〔6〕
前記熱可塑性樹脂組成物中の、前記スチレン系共重合体(I)の含有量が、前記ポリアミド(II)の含有量よりも多い、前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載の熱可塑性樹脂組成物。
〔7〕
厚み3.2mmの前記IZOD衝撃強度が100J/m以上であり、
厚み6.4mmの前記IZOD衝撃強度が50J/m以上である、
前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載の熱可塑性樹脂組成物。
〔8〕
前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載の熱可塑性樹脂組成物の樹脂成形品。
〔9〕
1箇所以上のスナップフィット構造を有する、前記〔8〕に記載の樹脂成形品。
〔10〕
自動車外装部品、自動車内装部品、家電筐体、及びOA機器筐体からなる群より選ばれるいずれかである、前記〔8〕又は〔9〕に記載の樹脂成形品。
本発明によれば、スナップフィット性に優れ、かつ、耐薬品性にも優れる樹脂成形体、及び当該成形体が得られる熱可塑性樹脂組成物を提供することができる。
スナップフィット性評価用の、スナップフィット爪部を有する試験片Aの概略正面図を示す。 図1の試験片Aの概略側面図を示す。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔熱可塑性樹脂組成物〕
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、下記(I)〜(IV)を含有する熱可塑性樹脂組成物であって、少なくとも不飽和ニトリル単量体単位と、芳香族ビニル単量体単位とを含むスチレン系共重合体(I)10〜90質量部と、ポリアミド(II)1〜55質量部と、ゴム質重合体と、少なくとも不飽和ニトリル単量体単位と芳香族ビニル単量体単位を含むグラフト鎖と、を有するグラフト共重合体(III)1〜30質量部と、不飽和カルボン酸単量体単位及び/又はα,β−不飽和カルボン酸無水物単量体単位と芳香族ビニル単量体単位とを含む変性スチレン系共重合体(IV)1〜40質量部と、を、熱可塑性樹脂組成物の総量が100質量部となるように含み、前記スチレン系共重合体(I)が連続相で、前記ポリアミド(II)が分散相となっており、ASTM D256に準拠した厚み3.2mmのIZOD衝撃強度に対する厚み6.4mmのIZOD衝撃強度の比が、0.3〜1.0である。
これにより、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、スナップフィット性に優れ、かつ、耐薬品性に優れる。
以下、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物を構成する各成分(I)、(II)、(III)、及び(IV)について説明する。
((I)スチレン系共重合体)
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、スチレン系共重合体(I)を含有する。
スチレン系共重合体(I)は、少なくとも不飽和ニトリル単量体単位と、芳香族ビニル単量体単位とを構成単位とする。
不飽和ニトリル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、及びエタクリロニトリル等が挙げられる。これらの不飽和ニトリル単量体は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族ビニル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、p−エチルスチレン及びp−t−ブチルスチレン、及びビニルナフタレン等が挙げられる。これらの芳香族ビニル単量体は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
スチレン系共重合体(I)は、不飽和ニトリル単量体及び芳香族ビニル単量体と共重合可能なその他の単量体(以下、「その他の単量体」という。)を含んでもよい。
その他の単量体としては、以下に限定されないが、例えば、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、無水マレイン酸、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド等のN−置換マレイミド系単量体、及びグリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有単量体が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
スチレン系共重合体(I)を構成する不飽和ニトリル単量体単位及び芳香族ビニル単量体単位の合計量(100質量%)に対する、不飽和ニトリル単量体単位の割合(ア)は、25質量%以上であることが好ましく、27質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましい。また、不飽和ニトリル単量体単位の割合(ア)は50質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることがより好ましい。
不飽和ニトリル単量体単位の割合が25質量%以上であることにより、後述するポリアミド(II)との相容性に優れ、耐薬品性にも優れると同時に、耐衝撃性、引張強度等の機械強度にも優れる。
不飽和ニトリル単量体単位の割合が50質量%以下であることにより、ポリアミド(II)との溶融粘度の差が小さくなり生産時に安定した押出性が得られる。
不飽和ニトリル単量体単位の割合は、熱可塑性樹脂組成物中におけるアセトン可溶分中の不飽和ニトリル単量体単位の割合から算出することができ、具体的には、後述する実施例に示す方法により求めることができる。
スチレン系共重合体(I)を構成する不飽和ニトリル単量体単位及び芳香族ビニル単量体単位の合計量(100質量%)に対する、不飽和ニトリル単量体単位の割合は、スチレン系共重合体(I)の重合工程において、単量体の供給量を調整することにより、上記数値範囲に制御することができる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物100質量部に含まれるスチレン系共重合体(I)の含有量は、剛性の観点から10質量部以上であり、好ましくは30質量部以上、より好ましくは40質量部以上であり、流動性の観点から90質量部以下であり、好ましくは85質量部以下、より好ましくは80質量部以下である。
また、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物中の、スチレン系共重合体(I)の含有量は、成形性の観点から、後述するポリアミド(II)の含有量よりも多いことが好ましい。
((II)ポリアミド)
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、ポリアミド(II)を含有する。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物に使用できるポリアミド(II)の種類としては、ポリマー主鎖にアミド結合を有するものであればよく、例えば、ラクタム類の開環重合、ジアミンとジカルボン酸の重縮合、アミノカルボン酸の重縮合等によって得られるものが挙げられる。
ラクタム類としては、以下に限定されないが、例えば、ε−カプロラクタム、エナントラクタム、及びω−ラウロラクタムが挙げられる。
ジアミンとしては、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン及び芳香族ジアミンが挙げられる。
脂肪族ジアミンとしては、以下に限定されないが、例えば、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、トリデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、及び5−メチルナノメチレンジアミンが挙げられる。
脂環式ジアミンとしては、以下に限定されないが、例えば、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、及び1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサンが挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、以下に限定されないが、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、及びp−キシリレンジアミンが挙げられる。
ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸芳香族ジカルボン酸、及びダイマー酸が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、以下に限定されないが、例えば、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、及び1,1,3−トリデカン二酸が挙げられる。
脂環式ジカルボン酸としては、以下に限定されないが、例えば、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、以下に限定されないが、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、及びナフタレンジカルボン酸が挙げられる。
アミノカルボン酸としては、以下に限定されないが、例えば、ε−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、及び13−アミノトリデカン酸が挙げられる。
上記のラクタム類、ジアミン、ジカルボン酸、及びアミノカルボン酸は、1種を単独で重縮合してもよく、又は2種以上の混合物を重縮合してもよい。
また、上記のラクタム類、ジアミン、ジカルボン酸、及びアミノカルボン酸を重合反応器内で低分子量のオリゴマーの段階まで重合させ、押出機等で高分子量化したものも好適に使用することができる。
本実施形態で好適に用いることのできるポリアミド(II)としては、以下に限定されないが、例えば、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6/66、ポリアミド6/612、ポリアミドMXD6(MXD:m−キシリレンジアミン)、ポリアミド6/MXD6、ポリアミド66/MXD6、ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド6/6T、ポリアミド6/6I、ポリアミド66/6T、ポリアミド66/6I、ポリアミド6/6T/6I、ポリアミド66/6T/6I、ポリアミド6/12/6T、ポリアミド66/12/6T、ポリアミド6/12/6I、ポリアミド66/12/6I、及びポリアミド9Tが挙げられ、複数のポリアミドを押出機等で共重合化したポリアミド類であってもよい。
これらのポリアミドは、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、加工の容易性の観点から、ポリアミド(II)は、ポリアミド6、ポリアミド66、及びポリアミド(66/6I)コポリマーが好ましく、ポリアミド(II)がポリアミド6を50質量%以上含むことがより好ましい。
ポリアミド(II)は、数平均分子量が、5,000〜100,000であることが好ましく、より好ましくは10,000〜30,000である。ポリアミド(II)は、分子量の異なる複数のポリアミドの混合物であってもよい。
例えば、数平均分子量10,000以下の低分子量ポリアミドと、30,000以上の高分子量ポリアミドとの混合物、数平均分子量10,000以下の低分子量ポリアミドと、15,000程度の一般的なポリアミドとの混合物等が挙げられるが、これらに限定されない。また、異種のポリアミドで分子量の異なるものを混合してもよい。
数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて、標準ポリスチレンを用いて検量線を作成することにより算出できる。
ポリアミド(II)の末端基は、後述する変性スチレン系共重合体(IV)の不飽和カルボン酸や、α、β−不飽和カルボン酸無水物と反応し、相容性を高める。
ポリアミドは末端基として一般に、アミノ基、カルボキシル基等を有している。このうち、アミノ基の濃度は、好ましくは、10ミリ当量/kg〜150ミリ当量/kgであり、より好ましくは20ミリ当量/kg〜100ミリ当量/kgであり、さらに好ましくは30ミリ当量/kg〜65ミリ当量/kgである。
アミノ基の濃度が10ミリ当量/kg以上であることにより、後述する変性スチレン系共重合体(IV)との反応が十分に進行して耐衝撃性をより一層向上できる傾向にあり、アミノ基の濃度が100ミリ当量/kg以下であることにより、後述する変性スチレン系共重合体(IV)との過剰な反応が抑制され、ゲル化しにくく、十分な流動性及び耐衝撃性を維持できる。
ポリアミド(II)の末端基の制御方法は、既知の方法が使用可能であり、例えば、ポリアミドの重合時にジアミン類、ジカルボン酸類、モノカルボン酸等を添加する方法等が挙げられる。
ポリアミド(II)の末端基として、アミノ基とカルボキシル基が含まれる場合、その比(モル比)は特に限定されないが、好ましくはアミノ基/カルボキシル基=0.1〜10.0であり、より好ましくはアミノ基/カルボキシル基=0.15〜5.0、さらに好ましくは0.2〜2.0である。前記モル比が0.1以上であることにより、耐衝撃性がより一層向上する傾向にあり、モル比が10.0以下であることにより、流動性がより一層向上する傾向にある。
本実施形態において、熱可塑性樹脂組成物100質量部に含まれるポリアミド(II)の含有量は、耐薬品性の観点から1質量部以上であり、好ましくは5質量部以上であり、より好ましくは10質量部以上であり、塗装性や印刷性の観点から55質量部以下であり、好ましくは45質量部以下であり、より好ましくは38質量部以下であり、さらに好ましくは35質量部以下である。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物100質量部に含まれるポリアミド(II)の含有量は1〜55質量部であると同時に、ポリアミド(II)が分散相となる必要がある。
ポリアミド(II)を分散相とする方法としては、例えば、含有量を減らす、粘度の高いものを用いる、あるいはコンパウンド時の温度を上げたり混練度を上げたりする方法によりポリアミド(II)と後述する変性スチレン系共重合体(IV)との反応率を上げる、等の方法が挙げられる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物において、連続相と分散相を区別するための方法としては、既知の方法が利用可能である。例えば、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物の成形体の断面を四酸化ルテニウムにより染色し、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察する方法が挙げられる。四酸化ルテニウムはポリアミド(II)を選択的に染色するため、より濃いコントラストとして観察され、ポリアミド(II)が連続相か分散相かを識別可能となる。
((III)グラフト共重合体)
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、グラフト共重合体(III)を含有する。
グラフト共重合体(III)は、ゴム質重合体と、少なくとも不飽和ニトリル単量体単位と芳香族ビニル単量体単位を含むグラフト鎖を有する。
すなわち、グラフト共重合体(III)は、ゴム質重合体に、少なくとも不飽和ニトリル単量体と芳香族ビニル単量体とをグラフト共重合させた共重合体である。
ゴム質重合体としては、特に限定されないが、例えば、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下のゴム質重合体が挙げられる。
ゴム質重合体としては、以下に限定されないが、例えば、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合ゴム等の共役ジエン系ゴム、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム、エチレン−プロピレンゴム、シリコンゴム、シリコン−アクリル複合ゴム、及びこれらの水素添加物等が挙げられる。これらのゴム質重合体は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、耐衝撃性の観点から、共役ジエン系ゴムであることが好ましく、ゴム質重合体がブタジエンと当該ブタジエンと共重合可能な単量体単位からなるゴムであることがより好ましく、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムであることがさらに好ましい。
また、グラフト共重合体(III)に含まれるゴム質重合体は、粒子状の形態であることが好ましく、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物中で微分散した状態で存在することがより好ましい。
ゴム質重合体にグラフト共重合させることが可能な不飽和ニトリル単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、及びエタクリロニトリルが挙げられる。これらの不飽和ニトリル単量体は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ゴム質重合体にグラフト共重合させることが可能な芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、p−エチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、及びビニルナフタレンが挙げられる。これらの芳香族ビニル単量体は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ゴム質重合体にグラフト共重合させる単量体には、不飽和ニトリル単量体及び芳香族ビニル単量体以外の、ゴム質重合体とグラフト共重合可能な単量体を用いてグラフト共重合させてもよい。
上記不飽和ニトリル単量体及芳香族ビニル単量体以外の、ゴム質重合体とグラフト共重合可能な単量体としては、上述したスチレン系共重合体(I)における「その他の単量体」で例示したものを使用可能である。
前記スチレン系共重合体(I)にも、グラフト共重合体(III)にもその他の単量体が含まれる場合、その他の単量体の種類は同一であっても、異なっていてもよい。
グラフト共重合体(III)を構成するゴム質重合体の製造方法としては、以下に限定されないが、例えば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、塊状懸濁重合法、及び乳化重合法が挙げられる。これらの中でも、粒子状のゴム成分が得られ、その粒子径の制御が容易である観点から、乳化重合法、懸濁重合法、又は塊状懸濁重合法が好ましい。
ゴム質重合体として、複数のTgを有する重合体を用いる場合は、異なる単量体組成のものを、多段階に分けて重合することにより、上記のような複数のTgを有する重合体よりなるゴム質重合体を製造することができる。この場合、乳化重合法を用い、多段重合により製造することが好ましい。
また、ゴム質重合体が、組成勾配を有する重合体である場合、単量体組成を連続的に変化させて重合することにより、上記のような組成勾配を有する重合体よりなるゴム質重合体を製造することができる。例えば、乳化重合において、いわゆるパワーフィード法を用いて上記のようなゴム質重合体を製造することができる。
ゴム質重合体が、芳香族ビニル系単量体と、ジエン系ビニル単量体のブロック共重合体(例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体)の場合、溶液中でリビングアニオン重合により、ゴム質重合体を製造することができる。
また、グラフト鎖を含むグラフト共重合体(III)を製造する方法、例えば、ゴム質重合体に単量体混合物をグラフト重合させる方法としては、特に限定されないが、例えば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、塊状懸濁重合法、乳化重合法が挙げられる。
なお、粒子状のゴム質重合体を製造した後、同一の反応器で連続的にグラフト重合を行ってもよく、ゴム質重合体粒子を一旦ラテックスとして単離した後、グラフト重合を行ってもよい。
また、グラフト共重合体(III)の重合工程においては、ラジカル開始剤を使用してもよい。
当該ラジカル開始剤としては、例えば、ペルオキソ二硫酸塩、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の開始剤が挙げられる。これらの中でも、乳化重合法によりゴム質重合体を製造する場合には、熱によりラジカルを発生する熱分解型の開始剤や、レドックス型の開始剤を好適に用いることができる。
乳化重合法では、例えば、別途乳化重合で得たゴム質重合体を使用し、さらに不飽和ニトリル単量体と芳香族ビニル単量体を含む単量体混合物を乳化重合させる方法等を用いることができる。
また、溶液重合法では、例えば、ジエン単量体をリビングアニオン重合して無架橋のゴム質重合体を得た後、得られた無架橋のゴム質重合体と芳香族ビニル単量体と不飽和ニトリル単量体とを溶かし合わせて重合を行うことにより、ゴム質重合体と高Tgの樹脂成分との複合体を析出させて得る方法等を用いることができる。
グラフト共重合体(III)中の、ゴム質重合体に対するグラフト共重合した単量体の割合(グラフト率)は、20〜150%が好ましく、25〜100%がより好ましく、30〜70%がさらに好ましい。
前記グラフト率は、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物から溶剤(アセトン等)により溶剤可溶分を取り除き、溶剤不溶分としてグラフト共重合体(III)を取り出し、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)測定により、ゴム質重合体及びグラフト鎖成分(すなわち、グラフト重合した単量体)の質量を測定し、これらの値からゴム質重合体の質量に対する、グラフト重合した単量体の質量の割合を算出することにより求めることができる。
グラフト共重合体(III)において、グラフト共重合している不飽和ニトリル単量体単位と芳香族ビニル単量体単位の合計量100質量%に対する、不飽和ニトリル単量体単位の割合(イ)は25〜50質量%であることが好ましく、27〜45質量%であることがより好ましく、30〜45質量%であることがさらに好ましい。前記不飽和ニトリル単量体単位の割合(イ)が25質量%以上であることにより耐薬品性に優れ、50質量%以下であることにより、ゴムのゲル化が抑制され、外観に優れる。
上述したスチレン系共重合体(I)を構成する不飽和ニトリル単量体単位及び芳香族ビニル単量体単位の合計量(100質量%)に対する不飽和ニトリル単量体単位の割合(ア)の値と、グラフト共重合体(III)のグラフト共重合している単量体単位の合計量に対する不飽和ニトリル単量体単位の割合(イ)の値は、耐衝撃性の観点から、差が小さい方が好ましい。
具体的には、(ア)と(イ)の差の絶対値が、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。5質量%以下であることにより、スチレン系共重合体(I)とグラフト共重合体(III)の相容性が高くなり、耐衝撃性等の機械強度に優れる。
グラフト共重合体(III)として最も好ましい態様の一例としては、ポリブタジエンをゴム質重合体として用い、当該ポリブタジエンに不飽和ニトリル単量体としてアクリロニトリルを、芳香族ビニル単量体としてスチレンをグラフト共重合させたグラフト共重合体が挙げられる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物100質量部に含まれるグラフト共重合体(III)の含有量は、耐衝撃性の観点から1質量部以上であり、好ましくは10質量部以上であり、より好ましくは14質量部以上であり、流動性の観点から30質量部以下であり、好ましくは28質量部以下であり、より好ましくは25質量部以下である。
((IV)変性スチレン系共重合体)
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、変性スチレン系共重合体(IV)を含有する。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物に使用する変性スチレン系共重合体(IV)は、不飽和カルボン酸単量体単位及び/又はα,β−不飽和カルボン酸無水物単量体単位と、芳香族ビニル単量体単位を含む。
不飽和カルボン酸や、α,β−不飽和カルボン酸無水物と、前記ポリアミド(II)の末端アミノ基とが反応するため、変性スチレン系共重合体(IV)は、ポリアミド(II)とスチレン系共重合体(I)との相容化剤として機能する。
不飽和カルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、メチルマレイン酸、メチルフマル酸、及びグルタコン酸等が挙げられる。
α,β−不飽和カルボン酸無水物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、メチル無水マレイン酸、及びメチル無水フマル酸等が挙げられる。
これらの中でも、前記ポリアミド(II)との反応性の観点から、メタクリル酸、マレイン酸無水マレイン酸、無水フタル酸が好ましく、無水マレイン酸がより好ましい。
また、これらの不飽和カルボン酸や、α,β−不飽和カルボン酸無水物は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
変性スチレン系共重合体(IV)100質量%中に含まれる不飽和カルボン酸及びα,β−不飽和カルボン酸無水物の含有量は、相容性をより一層向上させる観点から、0.1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましく、過剰な反応によるゲル化を抑制する観点から、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。
変性スチレン系共重合体(IV)100質量%中に含まれる不飽和カルボン酸及びα,β−不飽和カルボン酸無水物の含有量は、変性スチレン系共重合体(IV)の重合工程において、単量体の供給量を調整することにより、上記数値範囲に制御することができる。
芳香族ビニル単量体単位に対応する芳香族ビニル単量体としては、以下に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、p−エチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、及びビニルナフタレンが挙げられる。これらの芳香族ビニル単量体は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
変性スチレン系共重合体(IV)は、共重合可能なその他の単量体に対応する単量体単位を含んでもよい。
その他の単量体としては、以下に限定されないが、例えば、マレイミド単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、及びグリシジル基含有単量体が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、耐熱性を向上させる観点ではマレイミド単量体であることが好ましく、剛性を向上させる観点では不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体であることが好ましい。
マレイミド単量体の種類としては、例えば、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、及びN−ラウリルマレイミドが挙げられ、スチレン系共重合体(I)との相容性の観点から、N−フェニルマレイミドが好ましい。
不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、例えば、メチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メチルフェニルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート等のアルキルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレートが挙げられ、スチレン系共重合体(I)との相容性の観点から、メチルメタクリレート、ブチルアクリレートが好ましい。
一方、変性スチレン系共重合体(IV)は、流動性の観点から、不飽和ニトリル単量体単位を含まないことが好ましい。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物100質量部に含まれる変性スチレン系共重合体(IV)の含有量は、耐衝撃性の観点から1質量部以上であり、好ましくは1.5質量部以上であり、流動性の観点から40質量部以下であり、好ましくは35質量部以下であり、より好ましくは25質量部以下である。
(添加剤)
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて、添加剤を配合して用いてもよい。
添加剤としては、以下に限定されないが、例えば、ホスファイト系、ヒンダードフェノール系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、及びシアノアクリレート系の紫外線吸収剤並びに酸化防止剤;高級脂肪酸、酸エステル系、及び酸アミド系、さらに高級アルコール等の滑剤及び可塑剤;モンタン酸及びその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステラアマイド及びエチレンワックス等の離型剤;亜リン酸塩、次亜リン酸塩等の着色防止剤;核剤;アミン系、スルホン酸系、ポリエーテル系等の帯電防止剤;1,3−フェニレンビス(2,6−ジメチルフェニル−ホスファート)、テトラフェニル−m−フェニレンビスホスファート、フェノキシホスホリル、フェノキシホスファゼン等のリン系難燃剤;ハロゲン系難燃剤が挙げられる。
前記滑剤としては、以下に限定されないが、例えば、脂肪酸金属塩、ポリオレフィン類、ポリエステルエラストマー、及びポリアミドエラストマーが挙げられる。
これらの滑剤を配合する場合、その好ましい量は、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物を100質量部としたとき、0.01質量部以上10質量部以下である。
前記脂肪酸金属塩としては、以下に限定されないが、例えば、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、及び亜鉛から選択される少なくとも1種が含まれた金属と脂肪酸の塩が挙げられる。
前記脂肪酸金属塩としては、以下に限定されないが、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム(モノ、ジ、トリ)、ステアリン酸亜鉛、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、リシノール酸カルシウム、及びラウリン酸カルシウムが挙げられる。これらの中でも、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸系の金属塩であることが好ましい。
前記ステアリン酸系の金属塩の中でも、ステアリン酸カルシウムがより好ましい。
これらを配合する場合、その好ましい量は、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物を100質量部としたとき、0.01質量部以上10質量部以下である。
前記ポリオレフィン類としては、以下に限定されないが、例えば、エチレン、プロピレン、α−オレフィン等の少なくとも1種から生成されるポリマーが挙げられ、これらは当該ポリマーを原料に誘導されたポリマーも含む。
このようなポリマーとしては、以下に限定されないが、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリエチレン(高密度、低密度、直鎖状低密度)、酸化型ポリオレフィン、及びグラフト重合ポリオレフィンが挙げられる。
これらの中でも、酸化型ポリオレフィンワックス、スチレン系樹脂をグラフトしたポリオレフィンが好ましく、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、アクリロニトリル−スチレン共重合体グラフトポリプロピレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体グラフトポリエチレン、スチレン重合体グラフトポリプロピレン、及びスチレン重合体グラフトポリエチレンであることがより好ましい。
これらを配合する場合、その好ましい量は、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物を100質量部としたとき、0.01質量部以上10質量部以下である。
前記ポリエステルエラストマーとしては、以下に限定されないが、例えば、ジカルボン酸化合物とジヒドロキシ化合物との重縮合、オキシカルボン酸化合物の重縮合ラクトン化合物の開環重縮合、又はこれらの各成分の混合物の重縮合等によって得られるポリエステルが挙げられ、ホモポリエステルであってもよく、コポリエステルであってもよい。
これらを配合する場合、その好ましい量は、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物を100質量部としたとき、0.01質量部以上10質量部以下である。
前記ポリエステルエラストマーを構成するジカルボン酸化合物としては、以下に限定されないが、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、3−スルホイソフタル酸ナトリウム等の芳香族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、ジシクロヘキシル−4,4−ジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;及びこれらのジカルボン酸の混合物が挙げられ、これらのアルキル、アルコキシ、又はハロゲン置換体も含まれる。
また、これらのジカルボン酸化合物は、エステル形成可能な誘導体、例えば、ジメチルエステルのような低級アルコールエステルの形で使用することも可能である。本実施形態においては、これらのジカルボン酸化合物を単独で使用してもよく、又は2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、セバシン酸、アジピン酸及びドデカンジカルボン酸が好ましい。
前記ポリエステルエラストマーを構成するジヒドロキシ化合物としては、以下に限定されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ブテンジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、シクロヘキサンジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、シクロヘキサンジオール、及び2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられ、これらのポリオキシアルキレングリコール及びこれらのアルキル、アルコキシ又はハロゲン置換体であってもよい。
これらのジヒドロキシ化合物は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ポリエステルエラストマーを構成するオキシカルボン酸化合物としては、以下に限定されないが、例えば、オキシ安息香酸、オキシナフトエ酸、及びジフェニレンオキシカルボン酸が挙げられ、これらのアルキル、アルコキシ及びハロゲン置換体であってもよい。これらのオキシカルボン酸化合物は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
ポリエステルエラストマーの製造のために、ε−カプロラクトン等のラクトン化合物を用いてもよい。
滑剤としてのポリアミドエラストマーとしては、以下に限定されないが、例えば、炭素数6以上のアミノカルボン酸もしくはラクタム、及びm+nが12以上のナイロンmn塩が挙げられ、ハードセグメント(X)としては、以下に限定されないが、例えば、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナン酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノベルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等のアミノカルボン酸;カプロラクタムラウロラクタム等のラクタム類、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン11,6、ナイロン11,10、ナイロン12,6、ナイロン11,12、ナイロン12,10、ナイロン12,12等のナイロン塩が挙げられる。
また、ポリオール等のソフトセグメント(Y)としては、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2−及び1,3−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロック又はランダム共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランとのブロック又はランダム共重合体が挙げられる。
これらのソフトセグメント(Y)の数平均分子量は2.0×102〜6.0×103であることが好ましく、より好ましくは2.5×102〜4.0×103である。上記数平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレンとの比較からスチレン換算分子量として測定することができる。なお、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールの両末端を、アミノ化又はカルボキシル化して用いてもよい。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物に滑剤を添加する場合には、その相容性を向上させる目的で、さらに酸変性又はエポキシ変性した変性樹脂を混合してもよい。
また、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物の一部を、酸変性又はエポキシ変性してもよい。このようなものとしては、例えば、熱可塑性樹脂組成物に含まれるスチレン系共重合体(I)やグラフト共重合体(III)にカルボキシル基又はグリシジル基を含有するビニルモノマーを共重合させたもの等が挙げられる。これらを用いる場合、その好ましい量は、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物全体を100質量部としたとき、0.01質量部以上10質量部以下である。
前記カルボキシル基を含有するビニルモノマーとしては、以下に限定されないが、例えば、アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、イタコン酸、マレイン酸等の遊離カルボキル基を含有する不飽和化合物、無水マレイン酸、無水イタコン酸、クロロ無水マレイン酸、無水シトラコン酸などの酸無水物型カルボキシル基を含有する不飽和化合物が挙げられるが、これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、及び無水マレイン酸であることが好ましい。
前記グリシジル基を含有するビニルモノマーとしては、以下に限定されないが、例えば、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、及びメチルグリシジルメタクリレートが挙げられ、これらの中でも、メタクリル酸グリシジルであることが好ましい。
〔熱可塑性樹脂組成物の製造方法〕
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、単軸又は2軸のベント付き押出機、プラストミル、ニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダー等の熱可塑性樹脂組成物の製造に一般的に用いられる各種混合装置を用いて、上述した(I)〜(IV)、必要に応じてその他の添加剤を混合することによって製造することができる。
〔熱可塑性樹脂組成物の特性〕
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、ASTM D256に準拠した厚み3.2mmのIZOD衝撃強度に対する厚み6.4mmのIZOD衝撃強度の比(以下「衝撃強度の比」という)が0.3〜1.0であり、この範囲であることにより厚みによる強度差が小さくなり、スナップフィット性に優れる。
下限は、より好ましくは0.35以上であり、さらに好ましくは0.40以上である。
上限は、高いほど有効であるが、一般にポリマーアロイにおいては厚みの大きい方が衝撃強度は低くなる傾向にあるため、1.0以下である。
厚み6.4mmのIZOD衝撃強度の絶対値としては、好ましくは50J/m以上、より好ましくは75J/m以上、さらに好ましくは100J/m以上、さらにより好ましくは120J/m以上である。
厚み3.2mmのIZOD衝撃強度の絶対値としては、好ましくは100J/m以上、より好ましくは150J/m以上、さらに好ましくは200J/m以上である。
各々の厚みのIZOD衝撃強度に影響する要素としては、例えば、グラフト共重合体(III)の含有量、スチレン系共重合体(I)中の不飽和ニトリル単量体の割合(ア)、ポリアミド(II)の末端アミノ基濃度、変性スチレン系共重合体(IV)の含有量、変性スチレン系共重合体(IV)中の不飽和カルボン酸及び/又はα,β−不飽和カルボン酸無水物含有量、及び本実施形態の熱可塑性樹脂組成物のコンパウンド方法等が挙げられる。
これらを適宜調整することにより、各々の厚みのIZOD衝撃強度を前記特定の範囲に制御することができる。
本実施形態において規定する前記衝撃強度の比に影響する要素としては、例えば、スチレン系共重合体(I)中の不飽和ニトリル単量体の割合(ア)、ポリアミド(II)の末端アミノ基濃度、グラフト共重合体(III)の含有量、変性スチレン系共重合体(IV)の含有量、変性スチレン系共重合体(IV)中の不飽和カルボン酸及び/又はα,β−不飽和カルボン酸無水物含有量、及び本実施形態の熱可塑性樹脂組成物のコンパウンド方法等が挙げられる。
これらを適宜調整することにより、衝撃強度の比を前記特定の範囲に制御することができる。
スチレン系共重合体(I)を構成する不飽和ニトリル単量体単位及び芳香族ビニル単量体単位の合計量(100質量%)に対する、不飽和ニトリル単量体単位の割合(ア)は、上述したように、25〜50質量%の範囲が好ましいが、その範囲の中でも(ア)が大きい方が、前記衝撃強度の比が高くなる傾向にある。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物中のグラフト共重合体(III)の含有量は、熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して1〜30質量部の範囲であるが、その範囲の中でも含有量の大きい方が、前記衝撃強度の比が高くなる傾向にある。
ポリアミド(II)の末端アミノ基濃度を、上述したように、10ミリ当量/kg〜150ミリ当量/kgの範囲とすると、前記衝撃強度の比を0.3〜1.0の範囲にするために有効である傾向にあるので、好ましい。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物中の変性スチレン系共重合体(IV)の含有量を、熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して1〜40質量部の範囲とすると、衝撃強度の比を0.3〜1.0の範囲にするために有効である傾向にあるので、好ましい。
変性スチレン系共重合体(IV)中の不飽和カルボン酸単量体単位やα,β−不飽和カルボン酸無水物単量体単位の含有量を、上述したように、0.1質量%〜30質量%の範囲とすると、衝撃強度の比を0.3〜1.0の範囲にするために有効である傾向にあるので、好ましい。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物のコンパウンド方法は、上述した方法が挙げられるが、その中でも2軸のベント付き押出機を用いることが好ましい。さらに、2軸のベント付き押出機で2段階に分けて押出する方法や、2軸のベント付き押出機でサイドフィードを用いる方法などにより、さらに衝撃強度の比が高くなる傾向にある。
〔樹脂成形品(成形体)〕
本実施形態の樹脂成形品は、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物の成形品であり、公知の成形法により製造することができる。
公知の成形法としては、以下に限定されず、例えば、プレス成形法、射出成形法、ガスアシスト射出成形法、溶着成形法、押出成形法、吹込成形法、フィルム成形法、中空成形法、多相成形法、及び発泡成形法が挙げられる。これらの中でも、生産性の観点から、射出成形法、ガスアシスト射出成形法が好ましい。
射出成形法を用いる場合、シリンダー設定温度は230〜300℃が好ましい。射出成形に十分な流動性を確保するために230℃以上が好ましく、より好ましくは240℃以上、さらに好ましくは250℃以上である。また、樹脂の熱劣化防止の観点から、300℃以下が好ましく、より好ましくは290℃以下、さらに好ましくは280℃以下である。
また射出成形法においては、金属とのインサート成形、アウトサート成形、ガスアシスト成形等を組み合わせて使用してもよい。使用する金型についても特に限定されず、ゲート形状についてもピンゲート、タブゲート、フィルムゲート、サブマリンゲート、ファンゲート、リングゲート、ダイレクトゲート、及びディスクゲートのいずれの種類であってもよい。
金型温度は、40〜100℃が好ましく、60〜80℃がより好ましい。40℃以上であることにより、樹脂成形品の表面平滑性が高くなり、塗装後の鮮映性も高くなる。100℃以下であることにより冷却速度が上がるため生産性が向上する。また、射出成形法を用いる場合、射出速度は30〜120mm/秒の範囲にあることが好ましく、50〜75mm/秒であることがより好ましい。射出速度が30mm/秒以上であることにより、得られる樹脂成形品の表面平滑性が高くなる。120mm/秒以下であることにより、外観不良になり得るシルバーストリークやヤケ等の発生を抑制することができる。
本実施形態の樹脂成形品としては、1箇所以上のスナップフィット構造を有するものが、好適な形態として挙げられる。
スナップフィット構造とは、樹脂部品と他の部品とを嵌め込みにより固定する方法であり、一方に設けた突起部や爪部を、他方の穴や溝に嵌め込むことにより機械的に固定することができる。スナップフィット構造としては、例えば、先端に爪状の突起部を有するキャンチレバータイプ、円筒形状の側面に突起部を有するもの、ボールジョイント型のボールソケットタイプ、などが挙げられるが、着脱の簡便さからキャンチレバータイプが好ましい。
〔成形品の用途〕
本実施形態の樹脂成形品は、自動車外装部品、自動車内装部品、家電筐体、及びOA機器筐体等の各種用途において好適に利用できる。
自動車外装部品としては、例えば、ラジエーターグリル、ルーフ、スポイラー、バックドア、サイドステップモール、ガーニッシュ、エアロパーツ、アウタードアハンドル等が挙げられる。
自動車内装部品としては、例えば、センタークラスター、スイッチ、スイッチボード、ピラー、シフターカバー、コンソールボックス等が挙げられる。
家電筐体としては、例えば、テレビ、電話、パーソナルコンピューター、掃除機、エアコン、スピーカー等の筐体が挙げられる。
OA機器筐体としては、例えば、パソコン、複写機、ファックス等の筐体が挙げられる。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態は、以下の例に限定されるものではない。
実施例及び比較例における評価は下記に示す方法に従って行った。
〔不飽和ニトリル単量体単位の割合の測定方法〕
(アセトン可溶分の分離)
乾燥した遠沈管を1サンプルにつき2本準備した。まず、遠沈管をデシケーター中で15分以上放冷した後、電子天秤で0.1mgまで精秤した。
次に、熱可塑性樹脂組成物から約1gを切削し、遠沈管に計量し、0.1mgまで精秤した。また、メスシリンダーでアセトン約20mLを採取し遠沈管に入れ、シリコン栓をして振とう機で2時間振とうした。振とう後、シリコン栓に付着しているサンプルは、少量のアセトンを用いて遠沈管内へ落とした。
次いで、2本の遠沈管を日立工機株式会社製の日立高速冷却遠心機のローターへ対角線上にセットし、上記の日立高速冷却遠心機を操作して、回転数20000rpmで60分間遠心分離を行った。遠心分離終了後、沈殿管をローターから取り出し、上澄み液をデカンテーションした。この上澄み液を、80℃で1時間乾燥させた後、100℃で1時間減圧乾燥させ、アセトン可溶分を得た。
(不飽和ニトリル単量体単位の測定)
上記のようにして得られたアセトン可溶分からFT−IRを用いて組成分析を行った。不飽和ニトリル単量体単位及び芳香族ビニル単量体単位の含有量が既知の共重合体のピーク値を用いて作成された検量線を使用して、不飽和ニトリル単量体単位と芳香族ビニル単量体単位の割合を求めた。これらの値から不飽和ニトリル単量体単位と芳香族ビニル単量体単位の合計量に対する不飽和ニトリル単量体単位の割合を求めた。
熱可塑性樹脂組成物が数種類のスチレン系共重合体を含む場合、この方法においては、その平均値として不飽和ニトリル単量体単位の割合を求めることとし、この値をスチレン系共重合体(I)中の不飽和ニトリル単量体単位の割合とした。
〔スチレン系共重合体(I)〕
(スチレン系共重合体(I−1))
<スチレン系共重合体(I−1)の製造例1>
アクリロニトリル35質量部、スチレン35質量部、溶媒としてトルエン30質量部、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.05質量部からなる混合物を、窒素ガスを用いてバブリングさせた後、特許第3664576号の実施例2に記載されたものと同様の二段傾斜パドル型(傾斜角度45度)攪拌翼を供えた内容積150Lの反応槽に、スプレーノズルを用いて連続的に37.5kg/時間の速度で供給した。
重合温度は130℃とし、反応槽内での反応液の充満率が70容量%を維持できるように、供給液量と同量の反応液を連続的に抜き出した。反応槽の液相部相当部分には温調のためのジャケットが設けられており、ジャケット温度は128℃であった。また、攪拌所要動力は4kW/m、重合転化速度は39.8質量%/hrであった。
抜き出した反応液は、250℃、10mmHgの高真空に保たれた揮発分除去装置へ導入し、未反応単量体、有機溶剤を脱気回収し、生成したスチレン系共重合体(I−1)をペレットとして回収した。
スチレン系共重合体(I−1)の組成は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いた組成分析の結果、アクリロニトリル40質量%、スチレン60質量%であった。また、還元粘度は0.58dl/gであった。
(スチレン系共重合体(I−2))
<スチレン系共重合体(I−2)の製造例2>
反応槽への供給液として、アクリロニトリル21質量部、及びスチレン47質量部、溶媒としてトルエン32質量部を用いた。その他の条件は、スチレン系共重合体(I)の製造例1と同様の方法で、スチレン系共重合体(I−2)を製造した。
スチレン系共重合体(I−2)の組成は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いた組成分析の結果、アクリロニトリル30質量%、スチレン70質量%であった。また、還元粘度は0.65dl/gであった。
(スチレン系共重合体(I−3))
<スチレン系共重合体(I−3)の製造例3>
反応槽への供給液として、アクリロニトリル13質量部、及びスチレン52質量部、溶媒としてトルエン35質量部を用いた。その他の条件は、スチレン系共重合体(I)の製造例1と同様の方法で、スチレン系共重合体(I−3)を製造した。
スチレン系共重合体(I−3)の組成は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いた組成分析の結果、アクリロニトリル20質量%、スチレン80質量%であった。また、還元粘度は0.68dl/gであった。
〔ポリアミド(II)〕
(ポリアミド(II−1))
98%硫酸中の還元粘度2.8、末端アミン濃度44ミリ当量/kg、末端カルボン酸濃度50ミリ当量/kgのポリアミド6を用いた。
(ポリアミド(II−2))
98%硫酸中の還元粘度2.6、末端アミン濃度52ミリ当量/kg、末端カルボン酸濃度57ミリ当量/kgのポリアミド6を用いた。
(ポリアミド(II−3))
98%硫酸中の還元粘度3.6、末端アミン濃度31ミリ当量/kg、末端カルボン酸濃度45ミリ当量/kgのポリアミド6を用いた。
(ポリアミド(II−4))
98%硫酸中の還元粘度2.3、末端アミン濃度68ミリ当量/kg、末端カルボン酸濃度58ミリ当量/kgのポリアミド6を用いた。
〔グラフト共重合体(III)〕
(グラフト共重合体(III−1))
<グラフト共重合体(III−1)の製造例、スチレン系共重合体(I−4)の製造例4>
質量平均粒子径160nmのポリブタジエンラテックス6.2質量部(固形分)、質量平均粒子径330nmのポリブタジエンラテックス44.6質量部(固形分)に、t−ドデシルメルカプタン0.1質量部、及び脱イオン水125質量部を加え、気相部を窒素置換し、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.1603質量部、硫酸第一鉄0.132質量部、エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム塩0.0903質量部を加えた後、55℃に昇温した。続いて、1.25時間かけて70℃まで昇温しながら、アクリロニトリル20質量部、スチレンを30質量部、t−ドデシルメルカプタン0.55質量部、クメンハイドロパーオキシド0.12質量部よりなる単量体混合液、及び脱イオン水15質量部にナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.136質量部を溶解してなる水溶液を5時間にわたり添加した。添加終了後にクメンハイドロパーオキシド0.02質量部を加えた後、更に4時間、反応槽を70℃に制御しながら重合反応を完結させ、ABSラテックスを得た。
このようにして得られたABSラテックスに、シリコン樹脂製消泡剤、及びフェノール系酸化防止剤エマルジョンを添加した後、硫酸アルミニウム水溶液を加えて凝固させ、さらに、十分な脱水、水洗を行った後、乾燥させて、アセトン不溶なグラフト共重合体(III−1)と、アセトン可溶なスチレン系共重合体(I−4)の混合物(G−1)を得た。
グラフト共重合体(III−1)とスチレン系共重合体(I−4)の比率は、(III−1)=68質量%、(I−4)=32質量%であった。
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いた組成分析の結果、グラフト共重合体(III−1)はアクリロニトリル10.6質量%、ブタジエン73.5質量%、スチレン質量15.9質量%、グラフト率36%であり、スチレン系共重合体(I−4)はアクリロニトリル40質量%、スチレン60質量%であり、またスチレン系共重合体(I−4)の還元粘度は0.41dl/gであった。
(グラフト共重合体(III−2))
<グラフト共重合体(III−2)の製造例、スチレン系共重合体(I−5)の製造例5>
質量平均粒子径330nmのポリブタジエンラテックス45.9質量部(固形分)に、t−ドデシルメルカプタン0.1質量部、及び脱イオン水138質量部を加え、気相部を窒素置換し、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.0819質量部、硫酸第一鉄0.0044質量部、エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム塩0.0499質量部を加えた後、55℃に昇温した。続いて、1.25時間かけて70℃まで昇温しながら、アクリロニトリル16.5質量部、スチレンを38.5質量部、t−ドデシルメルカプタン0.35質量部、クメンハイドロパーオキシド0.115質量部よりなる単量体混合液、及び脱イオン水15質量部にナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.08質量部を溶解してなる水溶液を5時間にわたり添加した。添加終了後にクメンハイドロパーオキシド0.02質量部を加えた後、更に4時間、反応槽を70℃に制御しながら重合反応を完結させ、ABSラテックスを得た。
このようにして得られたABSラテックスに、シリコン樹脂製消泡剤、及びフェノール系酸化防止剤エマルジョンを添加した後、硫酸アルミニウム水溶液を加えて凝固させ、さらに、十分な脱水、水洗を行った後、乾燥させて、アセトン不溶なグラフト共重合体(III−2)と、アセトン可溶なスチレン系共重合体(I−5)の混合物(G−2)を得た。
グラフト共重合体(III−2)とスチレン系共重合体(I−5)の比率は、(III−2)=64質量%、(I−5)=36質量%であった。
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いた組成分析の結果、グラフト共重合体(III−2)はアクリロニトリル8.9質量%、ブタジエン70.4質量%、スチレン20.7質量%、グラフト率42%であり、スチレン系共重合体(I−5)はアクリロニトリル30質量%、スチレン70質量%であり、また、スチレン系共重合体(I−5)の還元粘度は0.36dl/gであった。
(グラフト共重合体(III−3))
<グラフト共重合体(III−3)の製造例、スチレン系共重合体(I−6)の製造例6>
質量平均粒子径280nmのポリブタジエンラテックス45.9質量部(固形分)に、t−ドデシルメルカプタン0.1質量部、及び脱イオン水138質量部を加え、気相部を窒素置換し、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.209質量部、硫酸第一鉄0.0036質量部、エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム塩0.0408質量部を加えた後、55℃に昇温した。続いて、1.25時間かけて70℃まで昇温しながら、アクリロニトリル18.9質量部、スチレンを51.1質量部、t−ドデシルメルカプタン0.01質量部、クメンハイドロパーオキシド0.5質量部よりなる単量体混合液、及び脱イオン水22質量部にナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.2質量部を溶解してなる水溶液を5時間にわたり添加した。添加終了後にクメンハイドロパーオキシド0.02質量部を加えた後、更に4時間、反応槽を70℃に制御しながら重合反応を完結させ、ABSラテックスを得た。
このようにして得られたABSラテックスに、シリコン樹脂製消泡剤、及びフェノール系酸化防止剤エマルジョンを添加した後、硫酸アルミニウム水溶液を加えて凝固させ、さらに、十分な脱水、水洗を行った後、乾燥させて、アセトン不溶なグラフト共重合体(III−3)と、アセトン可溶なスチレン系共重合体(I−6)の混合物(G−3)を得た。
グラフト共重合体(III−3)とスチレン系共重合体(I−6)の比率は、(III−3)=62質量%、(I−6)=38質量%であった。
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いた組成分析の結果、グラフト共重合体(III−3)はアクリロニトリル5.4質量%、ブタジエン73.0質量%、スチレン21.6質量%、グラフト率37%であり、スチレン系共重合体(I−6)はアクリロニトリル20質量%、スチレン80質量%であり、またスチレン系共重合体(I−6)の還元粘度は0.33dl/gであった。
〔変性スチレン系共重合体(IV)〕
(変性スチレン系共重合体(IV−1))
JIS K7210に準拠し、265℃、10kg荷重で測定したメルトフローレートが2.0g/10minである、スチレン、無水マレイン酸、N−フェニルマレイミド共重合体を用いた。FT−IRを用いた組成分析の結果、スチレン36.0質量%、無水マレイン酸10.1質量%、N−フェニルマレイミド53.9質量%であった。
(変性スチレン系共重合体(IV−2))
JIS K7210に準拠し、230℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレートが4.5g/10minである、無水マレイン酸変性SEBS(スチレン、エチレン、ブチレン、スチレン ブロック重合体)を用いた。FT−IRを用いた組成分析の結果、スチレン28.0質量%、エチレンブチレン67.2質量%、無水マレイン酸4.8質量%であった。
(変性スチレン系共重合体(IV−3))
JIS K7210に準拠し、230℃、3.80kg荷重で測定したメルトフローレートが1.7g/10minである、スチレン、無水マレイン酸、メタクリル酸メチル共重合体を用いた。FT−IRを用いた組成分析の結果、スチレン16質量%、無水マレイン酸10質量%、メタクリル酸メチル75質量%であった。
(変性スチレン系共重合体(IV−4))
JIS K7210に準拠し、265℃、10kg荷重で測定したメルトフローレートが0.7g/10minである、スチレン、無水マレイン酸、N−フェニルマレイミド共重合体を用いた。FT−IRを用いた組成分析の結果、スチレン24.0質量%、無水マレイン酸15.3質量%、N−フェニルマレイミド60.7質量%であった。
〔熱可塑性樹脂組成物の押出条件〕
押出条件は下記条件A〜Cにより行った。
(条件A)
二軸押出機(東芝機械(株)製、TEM58SS)を用いて、トップフィーダーからポリアミド(II)及び変性スチレン系共重合体(IV)を、サイドフィーダーからスチレン系共重合体(I)及びグラフト共重合体(III)を、それぞれ供給して溶融混練し、熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。その際の溶融混練条件は、トップフィード位置からサイドフィード位置までのバレル温度300℃、サイドフィード位置からダイスまでのバレル温度260℃、回転数360rpm、吐出量500kg/hで行った。
(条件B)
二軸押出機(東芝機械(株)製、TEM58SS)を用いて、トップフィーダーからポリアミド(II)及び変性スチレン系共重合体(IV)を供給して溶融混練し、ポリアミド(II)及び変性スチレン系共重合体(IV)混合物のペレットを得た。その際の溶融混練条件は、バレル温度300℃、回転数360rpm、吐出量500kg/hで行った。
続いて、二軸押出機(東芝機械(株)製、TEM58SS)を用いて、トップフィーダーからポリアミド(II)及び変性スチレン系共重合体(IV)混合物のペレット、スチレン系共重合体(I)、グラフト共重合体(III)を供給して、熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。その際の溶融混練条件は、バレル温度260℃、回転数360rpm、吐出量500kg/hで行った。
(条件C)
二軸押出機(東芝機械(株)製、TEM58SS)を用いて、トップフィーダーからスチレン系共重合体(I)、ポリアミド(II)、グラフト共重合体(III)、変性スチレン系共重合体(IV)を供給して溶融混練し、熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。その際の溶融混練条件は、バレル温度300℃、回転数360rpm、吐出量500kg/hで行った。
〔実施例1〕
下記表1に示す配合組成、押出条件にて、熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。
このペレットを90℃、6時間真空乾燥を行った。こうして得られたペレットを用いて下記の評価を行った。
〔実施例2〜17〕、〔比較例1〜6〕
表1、表2に示した配合組成、押出条件とした他は実施例1と同様に評価を行った。
〔測定及び評価〕
(1)IZOD衝撃強度(厚み:6.4mm)
射出成形機(東芝機械(株)製、EC75S)を用いて、ASTM D638に準拠した長さ127mm、幅12.7mm、厚み6.4mmの短冊試験片を、シリンダー温度260℃、金型温度50℃の条件で成形した。
この短冊試験片の反ゲート側から長さ63.5mmの位置で切削した後、ノッチ加工を行いASTM D256に基づく試験片を得た。こうして得られた試験片を用いてASTM D256に準拠した方法でIZOD衝撃強度(厚み:6.4mm)を測定した。なお、試験の値は試験片5本の平均値を用いた。
(2)IZOD衝撃強度(厚み:3.2mm)
長さ127mm、幅12.7mm、厚み3.2mmの短冊試験片を用いた。その他の条件は前記(1)と同様にしてIZOD衝撃強度(厚み:3.2mm)を測定した。
前記(1)の測定結果及び(2)の測定結果から、衝撃強度の比=IZOD衝撃強度(厚み:6.4mm)/IZOD衝撃強度(厚み:3.2mm)を算出した。
(3)連続相
前記(1)で成形した短冊試験片の中央部を切削し、断面を四酸化ルテニウムにより染色した。
走査型電子顕微鏡(SEM)にて流動方向と垂直方向に撮影し、連続相がスチレン系共重合体(I)であるか、ポリアミド(II)であるかを観察した。
(4)耐薬品性
射出成形機(東芝機械(株)製、EC75S)を用いて、縦90mm×横50mm、厚み2.5mmの平板試験片を、シリンダー温度260℃、金型温度50℃の条件で成形した。
この平板試験片にアネッサ エッセンスUV アクアブースター((株)資生堂 製)を2mL滴下した後、均一に塗布し、温度23℃、湿度50%の条件下で24時間放置した。
表面を水洗し薬品を完全に除去し、風乾した後、光沢計(スガ試験機(株)製 S&M COLOUR COMPUTER MODEL SM−5)を用いて光沢を測定した。
測定条件はJIS K7105に準拠した60°の光沢度を用いた。
薬品塗布前後での光沢度の差を耐薬品性として、下記のように評価した。
なお、試験の値は試験片3枚の平均値を用いた。
○ 光沢度の差が10より小さい
△ 光沢度の差が10〜20
× 光沢度の差が20より大きい
(5)スナップフィット性
射出成形機(東芝機械(株)製、EC75S)を用いて、図1、図2のようなスナップフィット爪部を有する試験片Aと、2.5mm角の開口部を有する厚み2.7mmの平板B(図示せず)を、シリンダー温度260℃、金型温度50℃の条件で成形した。
なお、図1は、試験片を正面から見たときの概略図を表し、図2は、側面方向から見たときの概略図を表す。
試験片Aの爪部を、平板Bの開口部に嵌め込んだ(スナップフィットさせた)後、嵌め込みを取り外した。
嵌め込みと取り外すサイクルを1回として、この作業を繰り返し、試験片Aに変形や破損が生じた回数を評価した。
なお、試験の値は試験片5個の平均値を用いた。
◎ 50回以上
○ 30回〜49回
△ 10回〜29回
× 9回以下

本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、スナップフィット性、耐薬品性に優れ、自動車外装部品、自動車内装部品、家電筐体、OA機器筐体の各種分野において、産業上の利用可能性がある。

Claims (10)

  1. 下記(I)〜(IV)を含有する熱可塑性樹脂組成物であって、
    少なくとも不飽和ニトリル単量体単位と、芳香族ビニル単量体単位とを含むスチレン系共重合体(I)10〜90質量部と、
    ポリアミド(II)1〜55質量部と、
    ゴム質重合体と、少なくとも不飽和ニトリル単量体単位と芳香族ビニル単量体単位を含むグラフト鎖と、を有するグラフト共重合体(III)1〜30質量部と、
    不飽和カルボン酸単量体単位及び/又はα,β−不飽和カルボン酸無水物単量体単位と、芳香族ビニル単量体単位とを含む変性スチレン系共重合体(IV)1〜40質量部と、
    を、
    前記熱可塑性樹脂組成物の総量が100質量部となるように含み、
    前記スチレン系共重合体(I)が連続相で、前記ポリアミド(II)が分散相となっており、
    ASTM D256に準拠した厚み3.2mmのIZOD衝撃強度に対する厚み6.4mmのIZOD衝撃強度の比が、0.3〜1.0である、熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記変性スチレン系共重合体(IV)中の、不飽和カルボン酸単量体単位及びα,β−不飽和カルボン酸無水物単量体単位の含有量が、
    前記変性スチレン系共重合体(IV)全体を100質量%としたとき、0.1〜30質量%である、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 前記スチレン系共重合体(I)を構成する不飽和ニトリル単量体単位及び芳香族ビニル単量体単位の合計量(100質量%)に対する、不飽和ニトリル単量体単位の割合(ア)が25質量%以上である、請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 前記グラフト共重合体(III)を構成するゴム質重合体が、ブタジエンと当該ブタジエンと共重合可能な単量体単位からなる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 前記ポリアミド(II)が、ポリアミド6を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 前記熱可塑性樹脂組成物中の、前記スチレン系共重合体(I)の含有量が、前記ポリアミド(II)の含有量よりも多い、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 厚み3.2mmの前記IZOD衝撃強度が100J/m以上であり、
    厚み6.4mmの前記IZOD衝撃強度が50J/m以上である、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物の樹脂成形品。
  9. 1箇所以上のスナップフィット構造を有する、請求項8に記載の樹脂成形品。
  10. 自動車外装部品、自動車内装部品、家電筐体、及びOA機器筐体からなる群より選ばれるいずれかである、請求項8又は9に記載の樹脂成形品。
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