JP2002095651A - 歯科情報を使用した個人識別方法及び個人識別システム - Google Patents
歯科情報を使用した個人識別方法及び個人識別システムInfo
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Abstract
識別の誤りを少なく確実に行う。 【解決手段】 検索元の各歯牙と検索対象の各歯牙との
歯科情報を各歯毎に照合する。歯の状態の不可逆性を考
慮するして、歯牙状態が一致せず、劣化していない場
合、完全な不一致であると判断して評価点=0を与え
て、この対象者が身元不明遺体に合致しないとして、全
体の処理を終了する(ステップ1102〜1104)。
不可逆性を考慮しない場合、歯牙状態が一致している場
合、評価点を加算する(ステップ1105、110
6)。治療材料が合致している場合、治療部位が合って
いる場合、評価点を加算する(ステップ1107〜11
10)。そして、評価点の高いほど検索元と検索対象と
の一致度が大きいとして、検索結果リストに挙げる。
Description
た個人識別方法及び個人識別システムに係り、特に、身
元不明遺体等の個人の識別等に使用して好適な歯科情報
を使用した個人識別方法及び個人識別システムに関す
る。
て、事故により発生する身元の識別が困難な遺体等の個
人識別を迅速に行うことが重要である。このような個人
識別は、一般に、身元不明遺体の情報と、該当者と思わ
れる生前の情報との比較により行われている。従って、
このような個人識別は、比較の対象となる情報量が多
く、また、それらの情報が万人不同、終生不変であれ
ば、その結果の信頼性を高くすることができる。実際の
事案においては、前述のような比較情報の1つとして歯
科的証拠、すなわち、歯科記録やX線写真、顎模型等が
多く利用されている。
線写真が持つ情報量が極めて多く、かつ、万人不同であ
るためその確実性が非常に高いものと言える。しかし、
実際問題としては、生前記録として歯科治療時のX線写
真が残されていることは少なく、歯科診療録いわゆるカ
ルテのみが提供され身元不明遺体の所見との比較照合が
求められるのが普通である。歯科診療録に記載は、治療
された歯牙についてのみの記録が多く、また、その内容
についても詳細に書かれていなかったり、誤記があった
りする場合が多い。
録のみによって個人識別を行うことが可能であることを
論じた例が、例えば、「歯科学報 Vol.92,No.9(1992)」
(p43〜p49)等に記載されて知られている。
載された例は、歯科的所見が特定個人と一致する確率に
ついて論じると共に、実際に適用した例を紹介するもの
であり、詳細な技術的な構成等についての開示のないも
のである。
に対する要求を満たすことのできる歯科情報を使用した
個人識別方法及び個人識別システムを提供することにあ
る。
は、歯科情報を使用した個人識別方法において、検索元
の各歯牙の歯科情報と検索対象の各歯牙の歯科情報との
照合時、各歯牙情報を構成する複数の項目のそれぞれに
ついての照合を行い、照合一致となった各歯牙の前記項
目について、各項目毎に重み付けを行った評価点を与
え、各項目の評価点を加算していき、高い評価点を得た
複数の検索対象を、検索元に近似のものとして抽出する
ことにより、また、前記評価点を、歯科治療の統計情報
からの治療内容の発生頻度に基づいて補正することによ
り、また、前記各項目の照合で、歯牙の状態変化の非可
逆的な条件に矛盾する場合、前記評価点を最低の値とし
て与えることにより達成される。
人識別システムにおいて、検索元の各歯牙の歯科情報と
検索対象の各歯牙の歯科情報との照合時、各歯牙情報を
構成する複数の項目のそれぞれについての照合を行行う
手段と、照合一致となった各歯牙の前記項目について、
各項目毎に重み付けを行った評価点を与え、各項目の評
価点を加算していく手段と、高い評価点を得た複数の検
索対象を、検索元に近似のものとして抽出する手段とを
備えることにより、また、前記評価点に、歯科治療の統
計情報からの治療内容の発生頻度に基づいて補正する手
段を備えることにより、また、前記各項目の照合で、歯
牙の状態変化の非可逆的な条件に矛盾する場合、前記評
価点を、最低の値として評価する手段を備えることによ
り達成される。
用した個人識別方法及び個人識別システムの実施形態を
図面により詳細に説明する。本発明の実施形態を説明す
る前に、まず、本発明に使用する歯科情報について図面
を参照して簡単に説明する。
な仕様について説明する図、図2は各歯牙の構成と各構
成部位の名称及び治療が施された各部位に与えられる点
数について説明する図、図3は治療パターンと各歯牙に
与えられる点数とについて説明する図である。
並んでいる。歯科情報としては、このような歯牙の並び
を、図1に示すように、上顎の歯牙、下顎の歯牙に分け
て直線的に並べて表現するのが一般的である。そして、
人の歯牙は、上下左右に8本ずつ全32本あるので、図
1に示すように、これらの配置が判るように表現され
る。また、各歯牙は、図2に示すように、5つの部位に
分けられて、各部位のそれぞれに、O、M、D、L、V
の記号が付与されている。Oは各歯牙の噛み合わせ部で
ある上面部、Mは外部から直接見ることができる表面
部、Dは表面部Mの裏面である裏面部、Lは側面部の中
央側である中央側側面部、Vは中央側側面部Lの反対側
となる奥側側面部である。
われた場合、図3(a)に示すように、その部位の治療
に対して、O=1、M=2、D=4、L=16、V=8
の点数が与えられる。この結果、治療が行われた各歯牙
について、その治療部位に与えられている点数を合計し
た点数が与えられることになる。図3(b)に示す例
は、図2により説明した上顎右側の歯牙についての治療
パターンと付与される点数を示したものである。図示例
は、治療部位をグレーで表現しており、この例から判る
ように、治療が全く行われていない健康な歯牙の点数0
0からすべての部位について治療が施されている歯牙の
点数31まででそれぞれの歯牙の治療状態を表現するこ
とができる。また、図には示していないが、歯牙そのも
のが根を含めて取り去られている状態の歯牙、根だけ残
っている歯牙、根と歯牙の下部の一部のみが残っている
歯牙についても、その歯牙の状態に対応する点数が付与
される。この場合の点数は、一般には、31より大きな
ものとして与えられる。
の情報を使用して、災害犠牲者、身元不明遺体等の個人
識別を行うものであるが、他の歯科情報として、歯科疾
患の不可逆性、進行率、歯牙の治療に用いる材料等をも
使用することができる。
使用した個人識別システムの概略構成を示すブロック図
である。図4において、41はネットワーク、42は利
用端末、43は照合システム、44はデータ管理センタ
ー、45は歯科医師用端末である。
は、歯科診療により作成したカルテからの個人情報と歯
科情報とをデータ管理センター44に登録する複数の歯
科医師用端末45と、歯科医師用端末45からの個人情
報と歯科情報とを収集して管理するデータ管理センター
44と、個人識別を要求する利用者端末42と、利用者
端末42からの要求により、データ管理センター44内
のデータを使用して個人識別を行う照合システム43と
が、インターネット、公衆通信回線等のネットワーク4
1に接続されて構成されている。
の歯を治療したときに、その人のカルテに記載された治
療情報とその個人情報とをデータ管理センター44に送
信するために使用されるもので、歯科医師のそれぞれが
備えている。この歯科医師からの治療情報とその個人情
報とは、本発明で使用されるデータの基本を成すもので
あり、個人識別のために使用されるが、医師のカルテに
対するバックアップデータとしても使用可能であり、災
害等によるカルテの消失の際に役立てることができる。
末45から送られる歯科医師等による歯の治療情報と、
その個人情報とを収集管理するため、これらの情報を格
納するデータベース(DB)と、このDBを操作するた
めの処理装置とを備えて構成されている。このデータ管
理センター44は、歯科医師等からの不特定多数の人々
の歯の治療情報とその個人情報とを収集管理するもので
あるため、例えば、各市町村の医師会等の単位で設置し
て管理するものであってよく、システム全体として多数
がネットワーク41に接続されている。
体等の身体的な情報と歯科情報とを入力して、照合シス
テム43に対して、個人識別を依頼するためのものであ
り、この端末42は、基本的には災害現場で検死を行っ
た医師、あるいは、警察、その他の官公庁等の係員が使
用可能に設置されているものであり、システム全体とし
て多数がネットワーク41に接続されてよい。
官公庁等での利用端末42から入力するデータとして、
家出人・行方不明者、身元不明遺体、災害被災者等の個
人情報と歯科情報とのデータベースを警察等により作成
して管理しておき、これらの情報に基づいて、利用端末
42から個人識別を依頼するようにすることができる。
また、家出人・行方不明者に関する情報の内、歯科情報
に関しては、データ管理センター44内のDBの情報を
利用することができる。前述の場合の警察等に作成され
るデータベースは、地域警察単位、例えば、都道府県単
位で作成されていればよい。また、このようなデータベ
ースを、サーバに構築して、ネットワーク41に接続
し、他の端末からアクセス可能にしておくことができ
る。この場合、家出人、身元不明遺体、災害被災者等が
発生した場合に、現場に近い端末から家出人、身元不明
遺体、災害被災者等の情報を前述のデータベースに格納
することができる。
ンター44にアクセスし、利用者端末42からの前述し
た災害犠牲者、身元不明遺体等の身体的な情報及び歯科
情報に基づいて、データ管理センター44内のDBを検
索し、その結果として、災害犠牲者、身元不明遺体等に
対する個人を特定する。このような照合システム43
は、システム全体に対して1台のサーバ内等に構成して
もよく、利用端末42と対にして、警察、その他の官公
庁等に複数を分散配置してもよく、あるいは、データ管
理センター44の一部として設けられてもよい。
治療情報とその個人情報との管理について説明する図で
あり、以下、これについて説明する。図5において、1
10DB、116、117は歯科医である。
A、Bを診察し、診察、治療した状況をカルテA、Bと
して作成する。カルテA、Bは、歯科医E116のDB
として作成され、歯科医E自身で管理される。同様に、
歯科医F117は、患者C、Dを診察し、診察、治療し
た状況をカルテC、Dとして作成する。カルテC、D
は、歯科医F117のDBとして作成され、歯科医F自
身で管理される。また、カルテA〜Dの情報は、図4で
説明したようにデータ管理センター44に送られて、デ
ータベース110として管理センター44においても管
理される。
るフローチャート、図7は歯科的個人識別の処理動作を
説明するフローチャート、図8は検索(照合)処理動作
の概要を説明するフローチャート、図9は人類学的照合
の処理動作を説明するフローチャート、図10は歯科内
容照合の処理動作を説明するフローチャート、図11〜
図19は処理の途中で表示される画面の例を示す図、図
20は人類学的照合の処理、歯科内容照合の処理で加算
される評価点について説明する図、図21は集計演算の
処理について説明する図である。
識別の処理動作の全体の概要を説明する。
ず、ユーザIDとパスワードとを入力する。照合システ
ムは、入力されたIDとパスワードとをチェックし、こ
れらのIDとパスワードとが要求可能な利用者からのも
のか否かを判定する(ステップ701、702)。
ID等が不正なものであった場合、次の処理に進むこと
なく、正しいIDとパスワードとの入力を待つ。そし
て、入力されたユーザIDとパスワードとが正しいもの
であった場合、権限取得処理を行う。この権限は、ユー
ザに与えられるパスワードに基づいて予め決められてい
るものであり、データの登録、変更、削除、参照の1ま
たは複数がユーザに与えられている。ユーザがこれらの
権利を有している場合、その有する範囲でシステムの利
用を可能にする(ステップ703)。
にアクセスする権利を有することを確認した後、図7に
示すフローで説明する歯科的個人識別処理を実行する
(ステップ704)。
的個人識別処理の動作を説明する。
示すようなメニュー画面が利用端末に表示される。この
画面には、図に示すように、各種のデータの登録、参照
(検索)メニューが表示され、各メニューは、利用端末
のタッチパネル上のソフトボタンを形成しており、ユー
ザは、メニューの1つに触れることにより行いたい処理
を選択する。ここでは、登録するメニューの1つを選択
したものとする(ステップ801)。
力する情報の入力処理を実行する(ステップ802、8
03)。
入力の例について説明する。例えば、身元不明遺体が見
つかり、そのデータを入力して、一旦登録するものとす
る。この場合、表示画面には、まず、図12に示すよう
な遺体情報登録の入力画面が表示される。ここで入力す
る情報としては、身元不明遺体ID131、身体的特徴
情報132、遺体管理に関する情報133、134、遺
体の状態等に関する情報135、その他の参考事項13
6、安否情報137等である。ユーザは、この入力画面
の中に、判る範囲での遺体の状況を入力する。その後、
「次へ」のボタンを操作すれば、図13に示すような歯
科的情報の入力画面が表示される。この画面は、身元不
明遺体ID131として図12に示す画面で入力された
IDが入力されており、ユーザは、歯科的情報ID14
1、歯の上下の義歯の種類、治療状況と使用材料の情報
143と治療された歯の位置情報記号144、図1〜図
3により説明した、歯の状況の情報145を入力する。
人)の情報を入力するものとする。この場合、表示画面
には、まず、図14に示すような行方不明人情報登録の
入力画面が表示される。ここに入力される情報は、行方
不明人ID151、氏名、年齢、性別等の個人情報15
2、入力者に関する情報153、行方不明時の状況の情
報154、行方不明者の歯に関する特性等の情報15
5、届出人等に関する情報156、その他の所見15
7、安否情報158である。入力の後、「次へ」のボタ
ンを操作すれば、図15に示すような歯科的情報の入力
画面が表示される。この画面は、行方不明人IDとし
て、図14に示す行方不明人情報登録の入力画面で入力
されたIDが入力されており、図13により説明したと
同様な歯科的情報が入力される。この歯科的情報は、そ
の行方不明者が、行方不明になる前に歯の治療を行って
いれば、前述で説明したデータ管理センター44のデー
タベース内に登録されているので、それを取り出して入
力することができる。
いて、入力されるデータのうちの安否情報は、大規模災
害が発生したような場合に有効に利用することができる
ものである。この安否情報は、例えば、その個人の生/
死、不明等を示す情報であり、避難所、病院等から提供
される情報である。このような安否情報と、検死情報、
居住者情報とを照合することにより、より迅速に身元不
明遺体の特定を行うことができる。
済むと、ユーザは、入力した情報に基づいた検索を行う
か否かを決定し、検索を行う場合、検索対象者の選択の
処理を行う。この処理が開始されると、図11入力示し
たメニューが面が再び表示される。ここでユーザが身元
捜索(検索)のメニューを選択すると、選択したメニュ
ーの情報に基づいた検索対象の情報が図16の関連表に
示すように選択される。例えば、家出人の検索の場合、
検索元リストが家出人であり、検索対象リストが身元不
明遺体リストである等である(ステップ805)。
元検索のメニューを選択したとすると、図17に示すよ
うな身元不明遺体の情報から行方不明人を検索する検索
画面が表示される。ユーザは、この表示画面の身元不明
遺体IDの欄181から1つを選択し、必要な条件を入
力する。このとき、図17の中で、歯科治療の不可逆的
変化を考慮するか否か、歯の照合時に許す誤本数、歯科
治療のグループ誤記を考慮するか否か、歯科治療の左右
誤記を考慮するか否かの検索条件を入力すると共に、性
別、血液型の照合を行うことを指定する。前述した条件
の詳細については後述する。また、前述の入力後、「検
索条件設定」のボタンを操作すると、図18に示すよう
な検索条件設定の画面が表示される。この図18に示す
画面で入力する検索条件は、歯牙状態、治療状態等の図
に示されている項目の一致度に対して与えられる評価点
を条件とするもので、これについては後述する(ステッ
プ806)。
ユーザが、図17の画面に戻って、「検索結果表示」の
ボタンを操作すると、検索処理が開始される。この検索
の処理については、図8により後述する(ステップ80
7)。
象者が見つかった場合、図19に示すように、身元不明
遺体ID181に対応する複数の行方不明人の情報が、
比較時に得られた評価点と共に行方不明人IDの欄20
1に表示された身元不明遺体検索結果表示画面が表示さ
れる。ユーザは、この身元不明遺体検索結果表示画面
で、一致する対象者がいるか否か判断し、一致する対象
者がいる場合、行方不明人IDの欄に表示された対象者
から身元の確定のための処理を行う。この身元確定の方
法については後述する(ステップ808、809)。
対象者がいない場合、再照合を行うか否かにより、再照
合を行う場合、ステップ806の処理に戻って、検索条
件の再設定を行って再検索を行い、また、再照合を行わ
ない場合、ステップ801のメニュー画面に戻る(ステ
ップ810)。
ップ807での検索処理の動作を説明する。図8に示す
処理は、ステップ901での人類学的照合の処理と、ス
テップ902での歯科内容照合の処理と、ステップ90
3での集計演算の処理と、ステップ904での前述で説
明した図19で示すような対象者リストの表示処理とに
より構成されており、各ステップの詳細は後述する。
のステップ901での人類学的照合の処理動作について
説明する。
の血液型が合っているか否かをチェックし、血液型が合
っている場合、評価点を加算する(ステップ1001、
1002)。
が合っているか否かをチェックし、性別が合っている場
合、評価点を加算する(ステップ1003、100
4)。
が合っているか否かをチェックし、年代が合っている場
合、評価点を加算する(ステップ1005、100
6)。
が合っているか否かをチェックし、人種が合っている場
合、評価点を加算する(ステップ1007、100
8)。
が合っているか否かをチェックし、身長が合っている場
合、評価点を加算する(ステップ1009、101
0)。
が合っているか否かをチェックし、体重が合っている場
合、評価点を加算する(ステップ1011、101
2)。
述のステップ902での歯科内容照合の処理動作につい
て説明する。
の本数カウント値Nを“1”に初期化し、その歯につい
ての処理を開始する(ステップ1101)。
かを判定し、不可逆性を考慮する場合、歯牙状態が一致
しているか否か、または、劣化しているか否かをチェッ
クする。チェックの結果、歯牙状態が一致せず、劣化し
ていない場合、完全な不一致であると判断して評価点=
0を与えて、この対象者が身元不明遺体に合致しないと
して、全体の処理を終了する。なお、歯の状態の不可逆
性による判断は、歯牙状態の時間の経過による変化を予
測して行うようにすることができる(ステップ1102
〜1104)。
逆性を考慮しない場合、歯牙状態が一致しているか否か
をチェックし、一致している場合、評価点を加算する。
また、ステップ1103で、歯牙状態が一致するか劣化
している場合、評価点を加算する(ステップ1105、
1106)。
をチェックし、治療材料が合っている場合、評価点を加
算する(ステップ1107、1108)。
をチェックし、治療部位が合っている場合、評価点を加
算する(ステップ1109、1110)。
=N+1とし、このNの値が、N>32でない場合、す
なわち、Nが32以下である場合、ステップ1102か
らの処理を繰り返し実行して、全ての歯についての照合
を行う(ステップ1111、1112)。
説明した人類学的照合の処理、歯科内容照合の処理で加
算される評価点について説明する。前述したような個人
識別を行うためには、1つの身元不明遺体の情報と、多
数の行方不明人の一人一人の情報とを比較して、その照
合結果の順位付けが必要であり、照合する各項目の情報
の重要度に応じた差別化が必要である。そのため、本発
明では、情報(項目)に重み付けを行って、各情報の評
価点作成することとした。
は、図18により説明した検索条件設定の画面で比較対
象となる情報項目に対して、その情報の重要度に応じて
任意に設定した値の例であり、この値が照合処理で使用
される。図20の左側には、図10に示すフローのステ
ップ1105〜1110を示しており、この処理の開始
時、評価点HPの値がステップ2101で“0”に初期
化されている。そして、ステップ1106、1108、
1110で評価点の加算が行われる度に、予め設定され
たこの値は、評価点設定例2106に示す評価点が累積
加算されていく。図示例では、評価点設定例2106、
表2105に示すように、歯牙状態一致の場合の評価点
W1=10、治療材料一致の場合の評価点W2=20、
治療部位一致の場合の評価点W3=30と設定されてい
るので、ステップ1106、1108、1110で評価
点の加算において、評価点計算式2102として示すよ
うに、W1〜W3が順次加算されていくことになる。
全ての歯について、図10で説明したフローに従って全
て累積するように行われる。また、人類学的照合の処理
における評価点の加算も同様に行われて、歯科内容照合
の処理で加算される評価点に累積される。
903での集計演算の処理について説明する。図10で
説明した歯科内容照合の処理では、歯の治療内容の一致
か否かによってのみ評価点の加算を行っている。歯の治
療方法は、時間と共に進化しており、治療を行った時代
によって、同一の状態にある虫歯についても異なる治療
方法が取られるのが一般的である。本発明の実施形態
は、このような、治療内容変化をも判断要素として取り
入れている。これを行うのが図8でのステップ903の
処理である。この処理では、図21(a)に例示するよ
うな予め得られている治療統計情報を用い、図21
(b)に示すフローに従って発生頻度の演算を行う。以
下、これについて説明する。
の本数カウント値nを“1”に初期化し、その歯につい
ての処理を開始する(ステップ2201)。
示す治療統計情報の項目とが一致したか否かをチェック
し、一致していれば、その歯の治療の発生頻度を計算す
る。この計算は、図21(c)に計算例として示してい
るように、図21(a)に示す治療統計情報から得るこ
とができる情報に基づいて、年代、性別による母集団数
と、一致した治療内容を持つ人の集団の数とにより求め
られる(ステップ2202、2203)。
=n+1とし、このnの値が32になるまで、すなわ
ち、nが32以下である場合、ステップ2202からの
処理を繰り返し実行して、全ての歯の状態について、そ
の歯の治療の発生頻度を計算する(ステップ2204、
2205)。
歯の状態についての歯の治療の発生頻度を、図21
(d)の計算式に示すように、乗算して最終的な発生頻
度を算出する。ここで得られた、発生頻度は、これまで
に加算されてきた評価値を補正するように使用される
(ステップ2206)。
元不明遺体と行方不明人との同一位置にある各歯の歯牙
状態を比較するとしたが、歯科医がカルテに歯の状態を
記入する際に、歯の位置を誤って記入してしまう場合が
ある。誤りの多い記入は、例えば、上顎または下顎の4
本の前歯の1本に付いての状態を記入する場合に、その
位置を、上顎または下顎の4本の前歯を含むグループ内
のいずれか1本と記入してしまうという誤り、あるい
は、左右を取り違える誤りである。この結果、前述のよ
うな同一位置にある各歯の歯牙状態の比較のみを行った
場合に、検索に係らなくなる情報が生じることになる。
医の誤記が生じている歯のデータ(データセンターに保
存されている)に関しても、誤記を考慮して評価を行う
ようにすることができる。このため、本発明の実施形態
では、図7により説明したステップ806での図17に
示した検索画面での検索条件設定において、「歯科治療
のグループ誤記を考慮する」と、「歯科治療の左右誤記
を考慮する」という条件を設定する。この条件が設定さ
れている場合、図10に示した各チェックのステップで
の処理において、前述した誤記を考慮した比較を行う。
すなわち、「歯科治療のグループ誤記を考慮する」が指
定されている場合、上顎または下顎の4本の前歯の1本
比較時に、比較対象となる歯牙(説明している例の場
合、行方不明人の歯牙)の上下の8本の前歯とを比較対
象とし、また、「歯科治療の左右誤記を考慮する」が指
定されている場合、左右逆の位置にある歯をも照合の対
象とする。
を加えることにより、資料となる歯のデータに誤記があ
るような場合にも、その誤記をも考慮した照合を行うこ
とができる。
の実施形態は、歯牙状態、治療材料、治療部位の一致に
対して、予め決められた評価点を加算していくものであ
るが、治療部位の一致は、図2により説明した5つの各
部位O、M、D、L、Vのそれぞれが一致するか否かを
照合するものであり、一致の数に前述した予め決めた評
価点を乗じて評価点とするようにすることができる。ま
た、一致がある場合に、図3(b)で説明した治療パタ
ーンに対して付与されている点数との偏差を求めて、そ
の偏差が小さいものほど一致度が高いとして、そのこと
を評価点に反映させるようにすることもできる。
図8に示すフローで説明したように、対象者リストが図
19により説明した表示画面の中に、照合による合致に
より与えられた評価点順に表示される。説明している例
は、身元不明遺体の個人識別を行方不明者の情報から行
おうとしているので、合致度の高い複数の身元不明者の
情報がリスト内に表示されることになる。この場合、ど
の程度の評価点を持つものまでを対象者リストに挙げる
かは、任意に設定することができる。
後、身元不明遺体の歯牙状態と、リストに挙げられた行
方不明者の歯牙情報とを表示画面上に表示させて、目視
による個人識別を開始する。
行う場合の表示画面の例を説明する図であり、以下、図
22を参照して、目視による個人識別について説明す
る。
定」のボタンを操作すると、まず、図22(a)に示す
ように、身元不明遺体の歯牙状態が表示される。この表
示画面2301の上部には、他の画面に遷移するための
見出しボタン、図示例では、「比較画面」2302、
「検索画面」2303のソフトボタンが選択操作可能に
表示される。また、表示画面2301内には、身元不明
遺体の上下の歯の状態を直線状に配置した歯牙状態が表
示されると共に、この画面の内容を示す「身元不明遺体
の歯牙状態」というタイトル2306が表示され、さら
に、操作を指示する「比較」2304、「戻る」230
5の2つのボタンが表示される。前述した「検索画面」
2303の見出しを操作すると、前述で説明した図17
に示す検索画面に戻ることができる。
たは「比較」ボタン2304を操作すると、表示画面は
図22(b)に示すような歯牙状態比較の表示画面23
07に遷移する。この歯牙状態比較の表示画面2307
には、「歯牙状態画面」2308の見出しが付けられ
る。また、表示画面2307は、上下に2分割され、そ
の上部に、「歯牙状態比較」のタイトルが表示されると
共に、身元不明遺体の歯牙の状態が表示される。このと
き、上側の歯列を表示させるか下側の歯列を表示させる
かは、利用者が任意に決定することができる。表示画面
2307の下側には、比較対象となる行方不明人の歯牙
の状態が、身元不明遺体の歯牙の状態の上下の指定に合
わせて表示されると共に、「前候補」ボタン2309、
「次候補」ボタン2310が表示される。行方不明人の
歯牙の状態の表示は、図から判るように、身元不明遺体
の歯牙の状態の表示の下に歯の位置をも合わせて表示す
るように行われる。
「次候補」ボタン2310を操作して、図19により説
明した表示画面に表示されたリストから順に行方不明者
の対象者の歯牙状態を表示させ、2つの歯列を目視によ
り比較していき、身元不明遺体の歯牙状態に最も近い歯
牙状態を持つ行方不明人、すなわち、最も確からしい行
方不明人を探していく。
示させて比較するようにしたが、本発明の実施形態は、
図22(c)に示すように、行方不明人の歯牙状態を複
数表示させて、1対nで同時に目視による照合を行うこ
ともできる。
態の照合を行う場合、身元不明遺体の歯牙状態の表示
と、行方不明人の歯牙状態の表示に並べて、写真情報、
例えば、顔写真、歯牙状態写真、歯牙状態のレントゲン
写真等の情報(もしあれば)を表示するようにすること
ができ、これにより、個人特定の判断がしやすくでき、
より迅速に、かつ、高精度に個人識別を行うことが可能
となる。また、図22(b)、図22(c)では、歯列
の全体を表示して比較させているが、利用者は、比較し
たい歯の1または複数をマウス等を用いて指定し、それ
らの歯だけを他の部分と区別することができるように、
例えば、検索対象を白色に、他を灰色に表示させて照合
するようにすることができる。このようにすることによ
り、利用者は、照合対象となる歯の目視の際に視線の移
動が容易となり、また、照合すべき歯の誤りをなくすこ
とができる。
状態の照合により、身元不明遺体に該当すると思われる
少数の行方不明人を抽出した後、データ管理センター内
の個人情報を開く電子キーを持つ歯科医等に依頼して、
対応する行方不明人の個人情報を受領する。その後は、
その行方不明人を探している家族等による身元不明遺体
の確認が行われることになる。
画面例は、その形状、機能だけについて説明したが、こ
こでその配色について説明する。一般に、身元不明遺体
に関する情報を記述する書類、行方不明人に関する情報
を記述する書類は、国際規格により、それぞれ、赤色
(桃色)及び黄色の用紙を使用することと定められてい
る。このため、本発明の実施形態における前述した各表
示画面は、そこに表示される情報の内容に従って、前述
した国際規格に定められる背景色に表示することができ
るようにされている。これにより、利用者は、表示され
ている画面の中の情報が、身元不明遺体に関する情報で
あるか、行方不明人に関する情報あるか等の情報の内容
を、情報内容を読むことなく一目で知ることができる。
まうと、見にくいことがあり、目の疲れが大きくなって
しまう。そこで、本発明の実施形態は、タイトル部分の
背景色とうの画面の一部を国際規格で定められた背景色
とし、他の部分を灰色の背景色として、目の疲れを少な
くすることができるように画面の表示を行うことができ
る。そして、この画面の一部分だけの背景色を国際規格
とする表示と、画面の全ての背景色を国際規格とする表
示とは、利用者が任意に切り変えることができる。
て、歯牙状態の表示を上顎、下顎の歯列を、前歯を中心
に直線的に並べる表示としたが、歯列の表示は、直線的
に並べるのではなく、口を大きく開けたとき見ることが
できる状態を模した、円形状に並べて表示するようにし
てもよい。そして、歯牙状態の表示の場合、背景色を黒
(濃い色)にし、歯の色を白(淡い色)とするようにし
て、目の疲れが少なくなるように表示することができ
る。
の情報を歯科データを管理しているデータ管理センター
内のデータベースから抽出しておき、その情報の中から
身元不明遺体の身元捜索を行うとして説明したが、本発
明は、家出人の捜索、天災、事故、遭難等の災害現場の
遺体の身元捜索、自殺、他殺遺体の身元捜索、被保険死
亡遺体の本人判断、身元の証明ができない人、例えば、
痴呆、意識不明、黙秘、密入国等の人の身元捜索等に使
用することができる。
元不明遺体等の個人識別を迅速に、かつ、識別の誤りを
少なく確実に行うことができる。
いて説明する図である。
された各部位に与えられる点数について説明する図であ
る。
いて説明する図である。
人識別システムの概略構成を示すブロック図である。
個人情報との管理について説明する図である。
である。
ャートである。
チャートである。
ートである。
ャートである。
を示す図である。
を示す図である。
を示す図である。
を示す図である。
を示す図である。
を示す図である。
を示す図である。
を示す図である。
を示す図である。
加算される評価点について説明する図である。
表示画面例を説明する図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 歯科情報を使用した個人識別方法におい
て、検索元の各歯牙の歯科情報と検索対象の各歯牙の歯
科情報との照合時、各歯牙情報を構成する複数の項目の
それぞれについての照合を行い、照合一致となった各歯
牙の前記項目について、各項目毎に重み付けを行った評
価点を与え、各項目の評価点を加算していき、高い評価
点を得た複数の検索対象を、検索元に近似のものとして
抽出することを特徴とする歯科情報を使用した個人識別
方法。 - 【請求項2】 前記評価点を、歯科治療の統計情報から
の治療内容の発生頻度に基づいて補正することを特徴と
する請求項1記載の歯科情報を使用した個人識別方法。 - 【請求項3】 前記評価点は、前記各項目の照合で、歯
牙の状態変化の非可逆的な条件に矛盾する場合、最低の
値とされることを特徴とする請求項1または2記載の歯
科情報を使用した個人識別方法。 - 【請求項4】 前記各歯牙の歯科情報の照合は、検索対
象の歯科情報に対する誤記を考慮して行われることを特
徴とする請求項1、2または3記載の歯科情報を使用し
た個人識別方法。 - 【請求項5】 歯科情報を使用した個人識別システムに
おいて、検索元の各歯牙の歯科情報と検索対象の各歯牙
の歯科情報との照合時、各歯牙情報を構成する複数の項
目のそれぞれについての照合を行行う手段と、照合一致
となった各歯牙の前記項目について、各項目毎に重み付
けを行った評価点を与え、各項目の評価点を加算してい
く手段と、高い評価点を得た複数の検索対象を、検索元
に近似のものとして抽出する手段とを備えたことを特徴
とする歯科情報を使用した個人識別システム。 - 【請求項6】 前記評価点に、歯科治療の統計情報から
の治療内容の発生頻度に基づいて補正する手段を備える
ことを特徴とする請求項5記載の歯科情報を使用した個
人識別システム。 - 【請求項7】 前記各項目の照合で、歯牙の状態変化の
非可逆的な条件に矛盾する場合、前記評価点を、最低の
値として評価する手段を備えることを特徴とする請求項
5または6記載の歯科情報を使用した個人識別システ
ム。
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