[第1実施形態]
図1において、医療システム10は、医療施設内に構築され、クライアント端末11、および診療支援装置に相当する診療支援サーバ12等を備える。クライアント端末11および診療支援サーバ12は、医療施設内に敷設されたLAN(Local Area Network)等のネットワーク13を介して相互に通信可能に接続されている。
ネットワーク13にはサーバ群14も接続されている。サーバ群14は、電子カルテサーバ15、画像サーバ16、レポートサーバ17、およびカンファレンスサーバ18で構成される。電子カルテサーバ15はカルテデータベース(以下、DB(Data Base)と表記)15Aを有し、カルテDB15Aには電子カルテ19が検索可能に記憶されている。画像サーバ16は画像DB16Aを有し、画像DB16Aには、各種画像検査で得られた医療画像20が検索可能に記憶されている。
画像検査は医療検査の一種であり、医療画像20は検査データの一種である。画像検査には、CR(Computed Radiography;コンピュータX線撮影)検査、CT検査、MRI検査、ECG(Electro cardiogram;心電図)検査、CAG(Coronary Angiography;冠動脈カテーテル)検査、US(Ultrasonography;超音波)検査、内視鏡検査等がある。CR検査、CT検査、MRI検査等の医療画像20は、例えばDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格のデータファイル形式で作成される。
レポートサーバ17はレポートDB17Aを有し、レポートDB17Aには、医療画像20を読影医が読影した結果である所見をまとめた医療レポート21が検索可能に記憶されている。カンファレンスサーバ18はカンファレンスDB(図1ではカンファDBと表記)18Aを有し、カンファレンスDB18Aには、医療カンファレンスの内容を記録したカンファレンス情報22が検索可能に記憶されている。
医療カンファレンスは、診療の対象となる患者(以下、対象患者)の今後の治療方針を決定する際や、医療画像20の撮影の改善点を検討する際に行われる。治療方針を決定する医療カンファレンスは、対象患者の治療を担当する複数人の医療スタッフ(医師、看護師、検査技師等)が、対象患者の医療画像20を閲覧しながら行う。撮影の改善点を検討する医療カンファレンスは、医療画像20の撮影を担当する複数人の医療スタッフ(放射線技師等)が、撮影を失敗した医療画像(写損画像)20を閲覧しながら行う。
クライアント端末11、診療支援サーバ12、およびサーバ群14は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ワークステーションといったコンピュータをベースに、オペレーティングシステム等の制御プログラム、および各種アプリケーションプログラムをインストールして構成される。
クライアント端末11は、各種表示画面を表示するディスプレイ23とキーボードやマウス等の入力デバイス24とを有し、医療スタッフにより操作される。図1ではクライアント端末11は1台しか描かれていないが、実際は、内科、外科、検査科、リハビリ科等の診療科毎、または医療スタッフ毎に複数台配備されている。クライアント端末11は、診療支援サーバ12およびサーバ群14が提供する各種機能を利用して患者の診療を行う際に使用される。
図2に示すように、クライアント端末11では、ディスプレイ23に検査データが表示される。そして、ディスプレイ23に表示された検査データに対して、入力デバイス24を介して医師が何らかの入力操作をすることが可能である。この検査データに対する入力デバイス24を介した医師の入力操作が手動操作であり、その履歴が手動操作ログMOLである。手動操作ログMOLには、検査データに対する医師の分析結果が含まれる場合がある。
手動操作は、例えば、医療画像20を拡大した(拡大表示操作)、2つ以上の医療画像20の並列表示を指示した(比較表示操作)、医療画像20内の病変のサイズ(長径、短径、体積等)を計測した(病変計測操作)、電子カルテ19や医療画像20に注釈を入力した(注釈入力操作)、電子カルテ19に診断名を入力した(診断名入力操作)等である。医師の分析結果は、例えば、医療画像20内の病変の種類の同定結果、病変のサイズの計測結果、注釈、診断名等である。拡大表示操作、比較表示操作等は、医師の分析結果を伴わない操作であるため、これらの手動操作ログMOLには、医師の分析結果は含まれない。
診療支援サーバ12は、医療スタッフ、特に医師の診療を支援するため、患者の診療過程で得られた様々な診療データを加工して医師に提供する。診療データには検査データが含まれる。
図3に示すように、診療支援サーバ12は、診療支援の一環として、診断支援アルゴリズム30を用いる。より具体的には、診療支援サーバ12は、診断支援アルゴリズム30に検査データを入力し、検査データを自動的に分析処理させ、その分析処理結果を医師の診断を支援する診断支援情報として出力させる。この診断支援アルゴリズム30に自動的に診断支援情報を出力させる一連の処理が自動処理であり、その履歴が自動処理ログAPLである。自動処理ログAPLには、診断支援情報が含まれる。
診断支援アルゴリズム30は複数ある。複数の診断支援アルゴリズム30には、例えば、CT画像に映る病変を抽出して、抽出した病変の種類を同定し、かつそのサイズを計測するものが含まれる。この場合の診断支援情報は、抽出した病変のCT画像内の位置とその種類、並びにサイズである。
図4において、診療支援サーバ12は、クライアント端末11からの各種要求を受け付ける。各種要求には、統合表示画面35(図14も参照)の配信要求、図2で示した手動操作ログMOLの登録要求等がある。
統合表示画面35は、対象患者の各種診療データを医師が分析しやすいように1つにまとめた表示画面である。診療支援サーバ12は、統合表示画面35の配信要求に応じた対象患者の各種診療データをサーバ群14から取得し、取得した各種診療データに基づいて統合表示画面35を生成する。診療支援サーバ12は、生成した統合表示画面35を、配信要求の要求元のクライアント端末11に送信する。クライアント端末11は、診療支援サーバ12からの統合表示画面35をディスプレイ23に出力する。
診療支援サーバ12は、ウェブブラウザ上で閲覧可能な統合表示画面35を生成し、これをクライアント端末11に送信する。診療支援サーバ12は、クライアント端末11に対して認証キーを発行して、診療支援サーバ12へのアクセス権限を与える。診療支援サーバ12にアクセスして認証を行った後、クライアント端末11には、診療支援サーバ12から統合表示画面35が送信されてディスプレイ23に表示される。
診療支援サーバ12は、統合表示画面35を含む各種表示画面を、例えば、XML(Extensible Markup Language)等のマークアップ言語によって作成されるウェブ配信用の画面データの形式で出力する。クライアント端末11は、画面データに基づき各種表示画面をウェブブラウザ上に再現して表示する。XMLに代えて、JSON(JavaScript(登録商標) Object Notation)等の他のデータ記述言語を利用してもよい。
図5において、カルテDB15Aの電子カルテ19は、P001といった個々の患者を識別するための記号および番号である患者ID(Identification Data)が関連付けられて患者単位で管理される。電子カルテサーバ15は、この患者IDを検索キーとしてカルテDB15Aから電子カルテ19を検索することが可能である。
電子カルテ19は、診療データとして、複数の測定データと複数の投薬データとを有する。測定データは、医療画像20と同じく検査データの一種である。測定データは、バイタルサイン、血液検査、尿検査等の医療検査の種類別に整理され、測定日時、測定項目、および測定値が関連付けて記憶されている。測定項目には、例えばバイタルサインであれば体温、脈拍、血圧(上下)等があり、血液検査であれば白血球数、血小板、随時血糖等がある。投薬データは、薬剤A、薬剤B等の薬剤の種類別に整理され、投与期間および投与量が関連付けて記憶されている。
なお、電子カルテ19には、患者IDの他、患者の氏名、性別、年齢、生年月日、嗜好(喫煙、飲酒の有無)、既往症、アレルギーといった患者情報が記録されている。また、電子カルテ19には、医療検査、医療レポート21の作成、手術、投薬等の指示を記したオーダ、初診、再診、入退院等の患者の診療過程で生じたイベント、あるいは患者主訴、診断名を含む診療記録、看護記録、家族からの情報等も時系列に記録されている。
図6において、画像DB16Aの医療画像20は、電子カルテ19と同じく患者IDが関連付けられて患者単位で管理される。電子カルテサーバ15と同じく、画像サーバ16は、患者IDを検索キーとして画像DB16Aから医療画像20を検索することが可能である。
医療画像20の1件分のファイルは、医療画像20の本体と、撮影日時、画像ID、オーダID、属性(画像検査の種類、撮影部位、方向)等の様々な付帯情報とで構成される。画像サーバ16は、こうした付帯情報とともに医療画像20を診療データとして診療支援サーバ12に送信する。
画像IDは、各医療画像20を識別するための記号および番号であり、オーダIDは、各種画像検査を指示するオーダを識別するための記号および番号である。CT検査やCAG検査等、1回に複数枚の医療画像20が撮影される画像検査の場合は、複数枚の医療画像20が1回の画像検査で得られたことを示すために、各医療画像20に共通のオーダIDが付与され、一まとめの医療画像20として管理される。
図7において、レポートDB17Aの医療レポート21は、電子カルテ19および医療画像20と同じく患者IDが関連付けられて患者単位で管理される。電子カルテサーバ15、画像サーバ16と同じく、レポートサーバ17は、患者IDを検索キーとしてレポートDB17Aから医療レポート21を検索することが可能である。
医療レポート21には、患者IDの他、医療レポート21の作成日時、各医療レポート21を識別するためのレポートID、医療レポート21に引用した医療画像20の画像ID、および医療画像20と同様の属性が付帯情報として関連付けられている。レポートサーバ17は、こうした付帯情報とともに、医療レポート21を診療データとして診療支援サーバ12に送信する。
図8において、カンファレンスDB18Aのカンファレンス情報22は、医療カンファレンスの開催日時、各医療カンファレンスを識別するためのカンファレンスID、医療カンファレンスの目的、医療カンファレンスの対象患者(医療カンファレンスに引用した医療画像20を撮影した患者)の患者ID、医療カンファレンスに引用した医療画像20の画像ID、医療カンファレンスに出席した医療スタッフを識別するためのスタッフID、および議事録が付帯情報として関連付けられている。議事録には、医療カンファレンスに出席した医療スタッフの発言内容や医療カンファレンスのサマリー等が記録されている。なお、図5〜図8では、各種日時のうちの日付のみを示している。
図9において、クライアント端末11および診療支援サーバ12を構成するコンピュータは、基本的な構成は同じであり、それぞれ、ストレージデバイス40、メモリ41、CPU(Central Processing Unit)42、および通信部43を備えている。クライアント端末11は前述のようにディスプレイ23および入力デバイス24を有し、診療支援サーバ12も同様にディスプレイ44および入力デバイス45を有する。これらはデータバス46を介して相互接続されている。
ストレージデバイス40は、クライアント端末11等を構成するコンピュータに内蔵、またはケーブルあるいはネットワークを通じて接続されたハードディスクドライブ、もしくはハードディスクドライブを複数台連装したディスクアレイである。ストレージデバイス40には、オペレーティングシステム等の制御プログラム、各種アプリケーションプログラム、およびこれらのプログラムに付随する各種表示画面の表示データ等が記憶されている。
メモリ41は、CPU42が処理を実施するためのワークメモリである。CPU42は、ストレージデバイス40に記憶されたプログラムをメモリ41へロードして、プログラムにしたがった処理を実施することにより、コンピュータの各部を統括的に制御する。
通信部43は、ネットワーク13を介した各種情報の伝送制御を行うネットワークインターフェースである。ディスプレイ23、44は、入力デバイス24、45の操作に応じた各種表示画面を表示する。表示画面にはGUI(Graphical User Interface)による操作機能が備えられる。クライアント端末11等を構成するコンピュータは、表示画面を通じて入力デバイス24、45からの操作指示の入力を受け付ける。
なお、以下の説明では、ディスプレイ23および入力デバイス24以外のクライアント端末11を構成するコンピュータの各部には添え字の「A」を、ディスプレイ44および入力デバイス45以外の診療支援サーバ12を構成するコンピュータの各部には添え字の「B」をそれぞれ符号に付して区別する。
図10において、ウェブブラウザが起動されると、クライアント端末11のCPU42Aは、メモリ41等と協働して、GUI制御部50、およびブラウザ制御部51として機能する。
GUI制御部50は、各種表示画面をディスプレイ23に表示し、かつ各種表示画面を通じて医療スタッフによって入力デバイス24から入力される様々な操作指示を受け付ける。操作指示には、診療支援サーバ12への統合表示画面35の配信指示、手動操作ログMOLの登録指示等がある。GUI制御部50は、受け付けた操作指示をブラウザ制御部51に出力する。
ブラウザ制御部51は、ウェブブラウザの動作を制御する。ブラウザ制御部51は、GUI制御部50からの操作指示に応じた要求、具体的には統合表示画面35の配信指示に応じた統合表示画面35の配信要求、手動操作ログMOLの登録指示に応じた手動操作ログMOLの登録要求等を診療支援サーバ12に対して発行する。
また、ブラウザ制御部51は、診療支援サーバ12からの各種表示画面の画面データを受け取る。ブラウザ制御部51は、画面データに基づきウェブブラウザ上に表示する表示画面を再現し、これをGUI制御部50に出力する。GUI制御部50は、表示画面をディスプレイ23に表示する。
図11において、診療支援サーバ12のストレージデバイス40Bには、前述の診断支援アルゴリズム30に加えて、作動プログラム55が記憶されている。作動プログラム55は、診療支援サーバ12を構成するコンピュータを、診療支援装置として機能させるためのアプリケーションプログラムである。
ストレージデバイス40Bには、ログデータテーブル56(図12および図13参照)も記憶されている。ログデータテーブル56は、検査データと、自動処理ログAPLおよび手動操作ログMOLとを関連付けて記憶したものである。すなわち、ストレージデバイス40Bは、検査データと、自動処理ログAPLおよび手動操作ログMOLとを関連付けて記憶する記憶部に相当する。
詳しくは後述するが、ログデータテーブル56には、自動処理ログAPLおよび手動操作ログMOLに加えて、引用ログQLも記憶されている。引用ログQLは、自動処理ログAPLに含まれる診断支援情報または手動操作ログMOLに含まれる医師の分析結果が、医療レポート21または医療カンファレンスに引用された履歴である。
作動プログラム55が起動されると、診療支援サーバ12のCPU42Bは、メモリ41等と協働して、要求受付部60、診療データ取得部61、分析処理部62、第1取得部63、第2取得部64、情報管理部65、および画面出力制御部66として機能する。
要求受付部60は、クライアント端末11からの各種要求を受け付ける。要求受付部60は、各種要求のうちの統合表示画面35の配信要求を診療データ取得部61と情報管理部65と画面出力制御部66に、手動操作ログMOLの登録要求を第2取得部64に、それぞれ出力する。統合表示画面35の配信要求には対象患者の患者IDが含まれ、手動操作ログMOLの登録要求には手動操作ログMOLが含まれる。
診療データ取得部61は、対象患者の診療データの取得要求をサーバ群14に対して発行する。取得要求は、要求受付部60からの統合表示画面35の配信要求に含まれる対象患者の患者IDを検索キーとするものである。診療データ取得部61は、取得要求に応じてサーバ群14から送信された対象患者の診療データを取得する。診療データ取得部61は、取得した診療データを分析処理部62および画面出力制御部66に出力する。
分析処理部62は、診断支援アルゴリズム30による分析処理を実施する。この分析処理の実施に先立ち、分析処理部62は、診療データ取得部61からの診療データに含まれる検査データのうち、診断支援アルゴリズム30に入力する検査データを選定する。
より詳しくは、分析処理部62は、診断支援アルゴリズム30が分析処理の対象とする検査データであって、未だ診断支援情報を出力していない検査データを、診断支援アルゴリズム30に入力する検査データとして選定する。分析処理部62は、診断支援情報が未出力の検査データであるか出力済みの検査データであるかを、情報管理部65から受け渡される自動処理ログAPLを参照することで見極める。分析処理部62は、診断支援アルゴリズム30が分析処理の対象とする検査データについて、関連する自動処理ログAPLが既にある場合は、診断支援情報が出力済みであるとして、診断支援アルゴリズム30に入力する検査データから除外する。
分析処理部62は、選定した検査データを診断支援アルゴリズム30に入力し、診断支援アルゴリズム30に分析処理を実施させる。このように、診断支援アルゴリズム30による分析処理は、要求受付部60で統合表示画面35の配信要求を受け付けたことを契機に、自動的に実施される。このため、統合表示画面35の配信要求は、診断支援アルゴリズム30の分析処理要求であるともいえる。
分析処理部62は、分析処理結果である診断支援情報を含む自動処理ログAPLを第1取得部63に出力する。なお、診断支援アルゴリズム30に入力すべき検査データがない場合は、当然ながら分析処理部62は分析処理を実施せず、自動処理ログAPLも出力されない。
第1取得部63は、分析処理部62からの自動処理ログAPLを取得する第1取得機能を担う。第1取得部63は、取得した自動処理ログAPLを情報管理部65に受け渡す。
第2取得部64は、要求受付部60からの手動操作ログMOLの登録要求に含まれる手動操作ログMOLを取得する第2取得機能を担う。第2取得部64は、取得した手動操作ログMOLを情報管理部65に受け渡す。
情報管理部65は、ストレージデバイス40Bに各種情報を書き込み、かつストレージデバイス40Bから各種情報を読み出す情報管理機能を担う。情報管理部65は、第1取得部63からの自動処理ログAPLおよび第2取得部64からの手動操作ログMOLを、ログデータテーブル56にそれぞれ登録する。また、情報管理部65は、自動処理ログAPLに含まれる診断支援情報または手動操作ログMOLに含まれる医師の分析結果が、医療レポート21または医療カンファレンスに引用された場合に、引用ログQLをログデータテーブル56に登録する。
情報管理部65は、対象患者の自動処理ログAPLを、診断支援アルゴリズム30に入力する検査データを選定する際の参照用に分析処理部62に出力する。また、情報管理部65は、要求受付部60からの統合表示画面35の配信要求に応じて、対象患者の自動処理ログAPL、手動操作ログMOL、および引用ログQLを画面出力制御部66に出力する。
画面出力制御部66は、診療データ取得部61からの対象患者の診療データに基づき統合表示画面35を生成し、これを統合表示画面35の配信要求の要求元のクライアント端末11に送信する。また、画面出力制御部66は、情報管理部65からの対象患者の自動処理ログAPL、手動操作ログMOL、および引用ログQLに基づきログ表示画面95(図16参照)を生成し、これを統合表示画面35の配信要求の要求元のクライアント端末11に送信する。すなわち、画面出力制御部66は、ログ表示画面95の出力を制御する画面出力制御機能を担う。また、統合表示画面35の配信要求に応じてログ表示画面95も送信されるので、統合表示画面35の配信要求は、ログ表示画面95の配信要求でもある。
図12において、ログデータテーブル56は、電子カルテ19や医療画像20等と同じく、患者単位で管理される。ログデータテーブル56は、CT画像、CR画像、MRI画像等、医療画像20毎に用意されている。
図13は、患者IDがP001の患者のCT画像に関するログデータテーブル56を示す。ログデータテーブル56には、ログID、登録日時、アルゴリズムID、スタッフID、画像ID、引用元および引用先、内容、診断支援情報、医師の分析結果、表示状態情報、詳細情報の表示有無、および引用回数の各項目が設けられている。
ログIDは、個々のログを識別するための記号および番号である。ログIDは、ログデータテーブル56への各ログの登録時に情報管理部65により自動的に付される。自動処理ログAPLのログIDにはAPLが、手動操作ログMOLのログIDにはMOLが、引用ログQLのログIDにはQLがそれぞれ記号として付され、その後に順番に番号が付される。
登録日時の項目には、情報管理部65が各ログをログデータテーブル56に登録した日時が記録される。アルゴリズムIDの項目には、自動処理ログAPLに係る分析処理を実施した診断支援アルゴリズム30のアルゴリズムIDが記録される。このため、アルゴリズムIDは自動処理ログAPLのみに記録され、手動操作ログMOLおよび引用ログQLには記録されない。
スタッフIDの項目には、手動操作ログMOLに係る手動操作、または引用ログQLに係る引用行為を実施した医療スタッフのスタッフIDが登録される。このため、スタッフIDは自動処理ログAPLには記録されない。
画像IDの項目には、各ログの対象となったCT画像の画像IDが記録される。引用元および引用先の項目には、引用ログQLに係る引用元の自動処理ログAPLまたは手動操作ログMOLのログID、および引用先の医療レポート21のレポートIDまたは医療カンファレンスのカンファレンスIDが記録される。このため、引用元および引用先は引用ログQLのみに記録され、自動処理ログAPLおよび手動操作ログMOLには記録されない。
内容の項目には、各ログの具体的な内容が記録される。例えばログIDがAPL001の自動処理ログAPLには、病変の抽出、病変の種類の同定、および病変のサイズの計測が記録されている。ログIDがMOL001の手動操作ログMOLには、拡大表示操作が記録されている。また、ログIDがMOL002の手動操作ログMOLには、病変計測操作が記録されている。
診断支援情報の項目には診断支援情報が、医師の分析結果の項目には医師の分析結果がそれぞれ記録される。診断支援情報は自動処理ログAPLのみに記録され、医師の分析結果は、病変計測操作等の医師の分析結果を伴う手動操作ログMOLのみに記録される。
表示状態情報の項目には表示状態情報が記録される。表示状態情報は、手動操作ログMOLの取得時に医師が閲覧していた検査データの表示状態を表す情報である。表示状態情報は、要するに手動操作ログMOLの取得時のディスプレイ23のスクリーンショットである。表示状態情報は、手動操作ログMOLのみに記録される。
詳細情報の表示有無の項目には、自動処理ログAPLの詳細情報を表示したか否かが記録される。すなわち、詳細情報を表示した場合は「表示」が、詳細情報を表示していない場合は図示するように「未表示」が記録される。詳細情報の表示有無は、医療スタッフ毎に登録される。なお、詳細情報は、分析処理を実施した診断支援アルゴリズム30の名称や診断支援情報等である。
引用回数の項目には、自動処理ログAPLに含まれる診断支援情報または手動操作ログMOLに含まれる医師の分析結果の、医療レポート21または医療カンファレンスへの引用回数が記録される。より詳しくは、ログIDが引用元として記録された引用ログQLの個数を自動処理ログAPLおよび手動操作ログMOL毎に集計し、集計した個数を引用回数として登録する。
図13に示すログデータテーブル56から、以下のことが分かる。まず、ログIDがAPL001の自動処理ログAPLから、画像IDがCT050−5のCT画像に対して、アルゴリズムIDがAL050の診断支援アルゴリズム30で、病変の抽出、病変の種類の同定、および病変のサイズの計測を内容とする分析処理が実施され、病変位置(X、Y)、種類A、サイズ10×5mm、300mm3という内容の診断支援情報が出力されたことが分かる。そして、この自動処理ログAPLの詳細情報が未だ表示されておらず、かつ診断支援情報が医療レポート21または医療カンファレンスに引用されていないことが分かる。
次いで、ログIDがMOL001およびMOL002の手動操作ログMOLから、画像IDがCT050−5のCT画像に対して、スタッフIDがSF050の医師により、拡大表示操作および病変計測操作がそれぞれ実施され、病変位置(XX、YY)、種類A、サイズ11×6mm、330mm3という病変計測結果が入力されたことが分かる。
続いて、ログIDがQL001の引用ログQLから、スタッフIDがSF060の医師により、ログIDがMOL002の手動操作ログMOLに含まれる医師の分析結果が、レポートIDがRE050の医療レポート21に引用されたことが分かる。
医療スタッフは、クライアント端末11を通じて診療支援サーバ12にアクセスして、自らのスタッフIDと認証キーを入力して認証を行う。この際に入力されたスタッフIDがログデータテーブル56のスタッフIDの項目に記録される。
認証後、クライアント端末11のディスプレイ23のウェブブラウザ上には、患者IDの入力画面が表示される。患者IDの入力画面には、例えば患者IDの入力ボックスと、統合表示画面35の配信指示をするための送信ボタンとが用意されている。入力ボックスに対象患者の患者IDが入力されて送信ボタンが選択された場合、クライアント端末11のブラウザ制御部51から診療支援サーバ12の要求受付部60に対象患者の患者IDを含む統合表示画面35の配信要求が発行される。
統合表示画面35の配信要求を受けて、診療データ取得部61からサーバ群14に取得要求が発行される。サーバ群14は、対象患者の患者IDが付された電子カルテ19や医療画像20等の診療データを診療データ取得部61に送信する。画面出力制御部66は、このサーバ群14からの対象患者の診療データに基づき、図14に示す統合表示画面35を生成する。
図14において、統合表示画面35は、第1表示領域70、第2表示領域71、第3表示領域72、第4表示領域73のおおよそ4つの表示領域に分かれている。第1表示領域70には、例えばバイタルサインの体温、脈拍、血圧(上下)といった各測定項目の測定値の時系列変化を示すグラフ、薬剤の投与量および投与期間を示すバー等が表示される。
第2表示領域71には、診療データを表示する複数のウィンドウが並べて表示される。例えばあるウィンドウには血液検査の複数の測定項目の測定値が、またあるウィンドウには尿検査の複数の測定項目の測定値がそれぞれリスト表示される。さらには薬剤の種類と投与量がリスト表示されるウィンドウもある。また、第2表示領域71の右端に並んだ3つのウィンドウのように、各種医療画像20のサムネイル75が表示されたウィンドウもある。第2表示領域71の各ウィンドウには、最新の診療データが表示される。
第2表示領域71には、医療レポート21の作成アプリケーションプログラムのウィンドウ(以下、レポートウィンドウ)76や、カンファレンス情報22の作成アプリケーションプログラムのウィンドウ(以下、カンファレンスウィンドウ)77等、各種アプリケーションプログラムのウィンドウも表示される。
第3表示領域72には、患者ID、氏名、性別、年齢、生年月日、嗜好、既往症、アレルギー等の対象患者の患者情報、対象患者の主治医の所属診療科および氏名等が表示される。第4表示領域73には、電子カルテ19に含まれる患者主訴、診療記録、看護記録、家族からの情報を表示するウィンドウが並べて表示される。この第4表示領域73に表示されるウィンドウで、注釈入力操作や診断名入力操作が可能である。注釈は、例えば患者の主訴に対する医師の所感である。
第2表示領域71の医療画像20のサムネイル75は、カーソル80で選択することが可能である。サムネイル75がカーソル80で選択された場合、画面出力制御部66は、図15に示すビューア画面85を統合表示画面35上にポップアップ表示させる。
図15において、ビューア画面85は、フルサイズの医療画像20を表示する画像表示領域86と、患者ID、患者氏名等の患者情報、撮影日時、撮影部位、方向等の付帯情報を表示する情報表示領域87と、病変の種類、病変のサイズ等、病変計測結果を入力する計測結果入力領域88とを有する。
ビューア画面85には、統合表示画面35のサムネイル75に替えて、フルサイズの医療画像20が表示される。したがって、統合表示画面35においてサムネイル75をカーソル80で選択する操作は、医療画像20の拡大表示操作に相当する。このため、統合表示画面35においてサムネイル75が選択された場合、ブラウザ制御部51は、画像ID等を含む手動操作ログMOLの登録要求を要求受付部60に発行する。すなわち、サムネイル75の選択が手動操作ログMOLの登録指示に相当する。この場合、情報管理部65は、手動操作ログMOLの内容の項目に拡大表示操作を登録する。
ビューア画面85では、医療画像20内の病変を指定することができる。病変の指定は、カーソル80により画像表示領域86の医療画像20内の病変と思しき領域の外周を囲むように複数の制御点を入力することで行われる。この複数の制御点を通る滑らかな曲線を描く一点鎖線で示す枠89およびその内側が病変として指定される。
医師は病変を指定して、さらに病変の種類およびサイズを計測結果入力領域88に入力した後、登録ボタン90をカーソル80で選択する。この登録ボタン90を選択する操作は、病変計測操作に相当する。このため、登録ボタン90が選択された場合、ブラウザ制御部51は、病変計測結果や画像ID等を含む手動操作ログMOLの登録要求を要求受付部60に発行する。すなわち、登録ボタン90の選択も手動操作ログMOLの登録指示に相当する。この場合、情報管理部65は、手動操作ログMOLの内容の項目に病変計測操作を登録し、かつ医師の分析結果の項目に病変計測結果を登録する。
医療画像20内に病変が複数存在する場合には、各病変に対して枠89の指定、および種類、サイズの入力が行われる。ブラウザ制御部51は、各病変に対して登録ボタン90が選択される度に、手動操作ログMOLの登録要求を要求受付部60に発行する。このため、医療画像20内に病変が複数存在する場合には、第2取得部64は、複数の病変の各々の病変計測操作に係る手動操作ログMOLを取得する。
なお、ビューア画面85においては、上記の拡大表示操作および病変計測操作の他に、比較表示操作、注釈入力操作も可能である。比較表示操作は、具体的には前回の画像検査と今回の画像検査で得られた医療画像20の並列表示の指示等である。また、この場合の注釈は、病変に対する医師の所感である。
手動操作ログMOLの登録要求は、統合表示画面35上の登録指示ボタンをカーソル80で選択する、あるいはキーボードのプリントスクリーンボタンを押下するといったワンアクションで発行してもよい。例えば、CT画像、MRI画像、ECG画像のビューア画面85を表示した状態で、登録指示ボタンまたはプリントスクリーンボタンを選択すると、上記各画像の拡大表示操作を一まとめにした手動操作ログMOLの登録要求が発行される。こうすれば、医療スタッフが自分の好むタイミングで手動操作ログMOLを登録することができる。
画面出力制御部66は、図16に示すログ表示画面95を、統合表示画面35の下部等に表示させる。
図16において、ログ表示画面95は、表示選択領域96と一括表示領域97を有する。表示選択領域96には、2つのプルダウンメニュー98A、98Bが設けられている。プルダウンメニュー98Aは、一括表示領域97に表示するログの種類を選択するためのものである。プルダウンメニュー98Aには、ログを全種類表示する図示の「全て」の選択肢の他に、自動処理ログAPLのみ、手動操作ログMOLのみ、あるいは引用ログQLのみを表示する選択肢等が用意されている。プルダウンメニュー98Bは、一括表示領域97に表示するログを検査データで絞り込むためのものである。プルダウンメニュー98Bには、CT画像に係るログのみを表示する図示の「CT画像」の選択肢の他に、全ての検査データに係るログを表示する「全て」の選択肢、CR画像に係るログのみ、あるいはMRI画像に係るログのみを表示する選択肢等が用意されている。ログ表示画面95が表示されるときには、プルダウンメニュー98A、98Bともに「全て」の選択肢が選択されている。なお、これらの他にも、一括表示領域97に表示するログを、日付、撮影部位、方向等で絞り込むためのプルダウンメニューを設けてもよい。
一括表示領域97には、ログデータテーブル56の登録内容に基づく表示がなされる。すなわち、一括表示領域97には、自動処理ログAPLの表示ブロック(以下、APLブロックと表記)99および手動操作ログMOLの表示ブロック(以下、MOLブロックと表記)100が一括して表示される。また、一括表示領域97には、引用ログQLの表示ブロック(以下、QLブロックと表記)101も表示される。APLブロック99およびMOLブロック100には、統合表示画面35の第2表示領域71のウィンドウと同じく、医療画像20のサムネイル75が表示される。なお、図16では、図13で例示した、患者IDがP001の患者のCT画像に関するログデータテーブル56の登録内容に基づく表示がなされたログ表示画面95を示している。
APLブロック99およびMOLブロック100は、時系列に表示される。図16では、上から下にかけて、登録日時が古いものから順にAPLブロック99およびMOLブロック100が並べられている。つまり、一括表示領域97のAPLブロック99およびMOLブロック100を上から順に見ていけば、どういった順序で自動処理および手動操作が実施されたのかが分かる。
図16では、「2016.01.14」の1日分のみが表示されているが、対象患者の診察日が複数日にわたる場合には、複数日分のAPLブロック99やMOLブロック100が表示される。この場合、一括表示領域97は日毎に小領域に区切られる。
APLブロック99には、破線の枠および符号105で示すように、診断支援アルゴリズム30の自動処理に由来することを示す文字(AUTO)が記される。一方、MOLブロック100には、破線の枠および符号106、107で示すように、手動操作の具体的内容を示す文字(MOLブロック100Aは拡大表示操作、MOLブロック100Bは病変計測操作)と、手動操作を実施した医療スタッフおよびそのスタッフIDを示す文字(A医師(SF050))が記される。APLブロック99およびMOLブロック100は、こうした文字表記105〜107によって互いに識別可能である。
APLブロック99およびMOLブロック100を識別可能な形態で表示する方法としては、上記の文字表記を異ならせる方法に替えて、あるいは加えて、APLブロック99とMOLブロック100とで文字の体裁(太字、斜字、下線、フォント等)を変更する、APLブロック99とMOLブロック100とで背景色を変更する(APLブロック99は灰色、MOLブロック100は水色等)、APLブロック99とMOLブロック100のいずれかを枠で囲む、APLブロック99とMOLブロック100のいずれかをグレーアウトさせる、といった方法を採用してもよい。
APLブロック99には、破線の枠および符号108で示すように、診断支援情報の一部を示す文字が記される。また、APLブロック99には、破線の枠および符号109で示すように、詳細情報が表示済みであるか未表示であるかを示す文字が記される。図16の場合は、詳細情報が未表示である旨の文字(未表示)が記される。
病変計測操作のMOLブロック100Bには、破線の枠および符号110で示すように、病変計測結果の一部を示す文字が記される。
画面出力制御部66は、QLブロック101を、引用元の自動処理ログAPLのAPLブロック99、または引用元の手動操作ログMOLのMOLブロック100と対応付けて一括表示領域97に表示する。より具体的には、QLブロック101は、引用元の自動処理ログAPLのAPLブロック99、または引用元の手動操作ログMOLのMOLブロック100の直下に、垂れ下がるように表示される。図16では、MOLブロック100Bの手動操作ログMOLが引用元で、MOLブロック100Bの直下にQLブロック101が表示された例を示している。
QLブロック101には、破線の枠および符号111で示すように、自動処理ログAPLに含まれる診断支援情報または手動操作ログMOLに含まれる医師の分析結果の引用先が何かを示す文字(@Report)が記される。ここで例示する@Reportは、診断支援情報または医師の分析結果の引用先が医療レポート21であることを示す文字である。医療カンファレンスが引用先である場合は、@Reportの替わりに@Conference(図27等の符号157参照)の文字が記される。
QLブロック101には、MOLブロック100と同様に、破線の枠および符号112で示すように、引用行為を実施した医療スタッフおよびそのスタッフIDを示す文字(B医師(SF060))が記される。また、QLブロック101には、破線の枠および符号113で示すように、引用先の医療レポート21または医療カンファレンスの内容の一部を示す文字が記される。
なお、APLブロック99、MOLブロック100、QLブロック101が一度に表示しきれない数となった場合、一括表示領域97には縦スクロールバーが表示される。
診断支援情報または医師の分析結果を、医療レポート21または医療カンファレンスに引用する方法としては、例えば図17に示す態様が採用される。すなわち、一括表示領域97のAPLブロック99またはMOLブロック100を、レポートウィンドウ76またはカンファレンスウィンドウ77にドラッグアンドドロップする。画面出力制御部66は、ドラッグアンドドロップされたAPLブロック99またはMOLブロック100の直下にQLブロック101を表示させる。図17では、図16に示す病変計測操作のMOLブロック100Bが、レポートウィンドウ76にドラッグアンドドロップされて、MOLブロック100Bの直下にQLブロック101が表示される様子を示している。
図18Aに示すように、一括表示領域97において、APLブロック99は、カーソル80による選択指示を受け付ける。このカーソル80によるAPLブロック99の選択指示があった場合、画面出力制御部66は、図18Bに示す詳細情報表示画面120をログ表示画面95上にポップアップ表示させる。
詳細情報表示画面120は、自動処理を実施した診断支援アルゴリズム30の名称等を表示するアルゴリズム表示領域121、医療画像20を表示する画像表示領域122、および診断支援情報を表示する診断支援情報表示領域123を有する。画像表示領域122の医療画像20には、診断支援アルゴリズム30で抽出した病変の位置を示す枠および矢印が表示される。詳細情報表示画面120は、マウスの右クリックやキーボードのエスケープキーの押下で表示が消える。
画面出力制御部66は、図18Aに示す選択指示前のAPLブロック99では、詳細情報が未表示であるため、文字表記109に「未表示」を表示させる。対して、選択指示がなされて詳細情報表示画面120を表示した後の図18Cに示すAPLブロック99では、文字表記109に詳細情報が表示済みであることを示す「表示済み」を表示させる。画面出力制御部66は、この文字表記109の切り替え表示によって、選択指示を受け付けて詳細情報を表示済みの自動処理ログAPLと、選択指示を受け付けておらず詳細情報を未表示の自動処理ログAPLの表示形態を異ならせる。
図19Aに示すように、一括表示領域97において、MOLブロック100もカーソル80による選択指示を受け付ける。このカーソル80によるMOLブロック100の選択指示があった場合、画面出力制御部66は、図19Bに示すように、ログデータテーブル56の表示状態情報に基づいて、選択指示を受け付けたMOLブロック100に係る手動操作ログMOLの検査データの表示状態を再現した再現画面130をログ表示画面95上にポップアップ表示させる。
図19では、図16に示す病変計測操作のMOLブロック100Bの選択指示が受け付けられた場合を示している。この場合、画面出力制御部66は、図19Bに示すように、統合表示画面35上にビューア画面85がポップアップ表示されて、ビューア画面85の計測結果入力領域88に病変計測結果が入力された状態の再現画面130を表示させる。再現画面130は、詳細情報表示画面120と同じく、マウスの右クリックやキーボードのエスケープキーの押下で表示が消える。
以下、上記構成による作用について、図20および図21のフローチャートを参照して説明する。まず医師等の医療スタッフは、クライアント端末11を通じて診療支援サーバ12にアクセスして認証を行う。この際、医療スタッフは、自らのスタッフIDと認証キーを入力する。認証後、診療支援サーバ12では、クライアント端末11からの各種要求が要求受付部60で受け付けられる。
図20において、統合表示画面35の配信要求が要求受付部60で受け付けられた場合(ステップST100でYES)、診療データ取得部61からサーバ群14に対象患者の診療データの取得要求が発行される。そして、これに応じてサーバ群14から送信された対象患者の診療データが、診療データ取得部61で取得される(ステップST110)。
分析処理部62では、対象患者の診療データのうち、診断支援情報が未出力の検査データがあるか否かが調べられる。診断支援情報が未出力の検査データがあった場合(ステップST120でYES)、当該検査データが分析処理部62により診断支援アルゴリズム30に入力され、分析処理が実施される(ステップST130)。この分析処理結果である診断支援情報を含む自動処理ログAPLは、分析処理部62から第1取得部63に出力される。これにより第1取得部63で自動処理ログAPLが取得される(ステップST140、第1取得ステップ)。自動処理ログAPLは第1取得部63から情報管理部65に受け渡され、情報管理部65によりログデータテーブル56に登録される(ステップST150、情報管理ステップ)。なお、診断支援情報が未出力の検査データがなかった場合(ステップST120でNO)は、ステップST130〜ST150の処理は行われない。
一方、手動操作ログMOLの登録要求が要求受付部60で受け付けられた場合(ステップST160でYES)、登録要求に含まれる手動操作ログMOLが第2取得部64で取得される(ステップST170、第2取得ステップ)。手動操作ログMOLは第2取得部64から情報管理部65に受け渡され、情報管理部65によりログデータテーブル56に登録される(ステップST180、情報管理ステップ)。
図20は、主として第1取得部63、第2取得部64の視点で診療支援サーバ12の処理手順を追ったフローチャートであるが、図21は、主として画面出力制御部66の視点で診療支援サーバ12の処理手順を追ったフローチャートである。
統合表示画面35の配信要求が要求受付部60で受け付けられて(ステップST100でYES)、これに応じてステップST110において診療データ取得部61で取得された診療データは、画面出力制御部66に出力される。また、情報管理部65によって、ログデータテーブル56から対象患者の各ログが読み出され、画面出力制御部66に出力される(ステップST200)。
画面出力制御部66では、診療データ取得部61からの対象患者の診療データに基づき統合表示画面35が生成される。また、情報管理部65からの対象患者の各ログに基づきログ表示画面95が生成される。生成された統合表示画面35およびログ表示画面95は配信要求の要求元のクライアント端末11に送信される(ステップST210、画面出力制御ステップ)。
統合表示画面35の配信要求の配信元のクライアント端末11では、診療支援サーバ12からの統合表示画面35およびログ表示画面95がディスプレイ23に表示される。
統合表示画面35の医療画像20のサムネイル75が選択された場合、画面出力制御部66により、ビューア画面85が統合表示画面35上にポップアップ表示される。また、この際、手動操作ログMOL(拡大表示操作)の登録要求がブラウザ制御部51から発行されて、要求受付部60で受け付けられる。
また、ビューア画面85の計測結果入力領域88に病変計測結果が入力され、登録ボタン90が選択された場合も、手動操作ログMOL(病変計測操作)の登録要求がブラウザ制御部51から発行されて、要求受付部60で受け付けられる。
このように、手動操作ログMOLは、図21のステップST210の統合表示画面35およびログ表示画面95の送信後も度々登録される。また、診断支援アルゴリズム30の分析処理(図20のステップST130)が終了するタイミングが、図21のステップST210の統合表示画面35およびログ表示画面95の送信後であった場合は、自動処理ログAPLも、図21のステップST210の統合表示画面35およびログ表示画面95の送信後に登録される。画面出力制御部66は、自動処理ログAPLおよび手動操作ログMOLが新たに登録される度に、ログ表示画面95の表示も更新する。
ログ表示画面95の一括表示領域97には、APLブロック99およびMOLブロック100が、識別可能な形態で時系列に一括して表示される。このため、ある手動操作が、診断支援情報の出力前に実施されたものであるのか、診断支援情報の出力後に実施されたものであるのかが明確に分かる。したがって、医師の診断の経緯を一見して簡単に把握することができる。
例えば医師の分析結果を伴う手動操作が診断支援情報の出力前に実施されたものであった場合は、医師は診断支援情報をあまり参照せずに分析結果を導き出した可能性が高い。反対に医師の分析結果を伴う手動操作が診断支援情報の出力後に実施されたものであった場合は、医師は診断支援情報を踏まえて分析結果を導き出した可能性が高い。こうした診断の経緯を簡単に把握することができれば、例えば医師が自分の診断の経緯を検討する際や、個々の医師の診断の経緯を監督者が検討する際に掛る時間が短くて済み、効率がよい。
また、MOLブロック100やQLブロック101によって、どの医療スタッフがどういった手動操作や引用行為を実施したかが一目で分かる。このため、例えば医療施設全体の業務を管轄する管理者が一括表示領域97を閲覧することで、各医療スタッフのおおよその作業状況を把握することができる。
一括表示領域97には、APLブロック99およびMOLブロック100に加えて、QLブロック101も表示される。また、QLブロック101は、引用元の自動処理ログAPLのAPLブロック99、または引用元の手動操作ログMOLのMOLブロック100と対応付けて表示される。このため、どういった診断支援情報または医師の分析結果が、どういった医療レポート21または医療カンファレンスに引用されたのかが一目で分かる。
図18で示したように、診断支援情報を含む詳細情報を表示済みの自動処理ログAPLのAPLブロック99と、詳細情報を未表示の自動処理ログAPLのAPLブロック99の表示形態を異ならせるので、医療スタッフが詳細情報を表示して診断支援情報を確認したか否かが一目で分かる。このため、医師の分析結果を伴う手動操作が診断支援情報の出力後に実施されたものであっても、詳細情報が未表示で診断支援情報が確認されていない場合は、医師は診断支援情報を参照せずに分析結果を導き出したと断定することができる。
なお、最初の表示からだいぶ時間が経過したにも関わらず詳細情報が未表示の自動処理ログAPLは、医師にとってさほど重要ではない情報であると考えられる。そこで、予め設定された表示期間が経過しても詳細情報が未表示の自動処理ログAPLについては、APLブロック99を自動的にグレーアウトするか、自動的に非表示としてもよい。同様に、予め設定された表示期間が経過しても引用回数が0回の自動処理ログAPLも、APLブロック99を自動的にグレーアウトするか、自動的に非表示としてもよい。
図19で示したように、手動操作ログMOLの取得時に医師が閲覧していた検査データの表示状態を表す表示状態情報に基づいて、選択指示を受け付けた手動操作ログMOLの検査データの表示状態を再現するので、医師がどういった表示状態で手動操作を実施したかを容易に把握することができる。
[第2実施形態]
図22および図23に示す第2実施形態では、引用回数に応じて自動処理ログAPLまたは手動操作ログMOLの表示形態を異ならせる。
図22は、図17と同じく、診断支援情報または医師の分析結果を医療レポート21または医療カンファレンスに引用する方法を示したものである。ただし図22では、診断支援情報または医師の分析結果を引用する前後で、つまり引用回数が0回の場合と1回の場合とで、自動処理ログAPLまたは手動操作ログMOLの表示形態が異なる。より詳しくは、診断支援情報または医師の分析結果を引用した後は、ハッチングで示すように、APLブロック99またはMOLブロック100(図22ではMOLブロック100B)の背景色を、診断支援情報または医師の分析結果を引用する前の背景色から変更する。
図23は、引用回数に応じたAPLブロック99またはMOLブロック100の背景色の変更例である。すなわち、引用回数が0回の場合はAPLブロック99またはMOLブロック100の背景色は白色、1回の場合は黄色、2回の場合は黄緑色、3回以上の場合は緑色である。画面出力制御部66は、例えばこうした表にしたがってAPLブロック99またはMOLブロック100の背景色を変更する。こうすれば、診断支援情報または医師の分析結果の引用回数がどの程度かをすぐに見極めることができる。
引用回数は、QLブロック101の数をカウントすれば一応は分かる。しかしながら、数をカウントする手間があり直感的には分かりにくい。そこで、上記のように引用回数に応じて自動処理ログAPLまたは手動操作ログMOLの表示形態を異ならせることで、より直感的に引用回数を把握することができる。
診断支援情報または医師の分析結果の引用回数が多い自動処理ログAPLまたは手動操作ログMOLは、引用回数が少ないものと比べて、より医師の注目度が高く重要であると考えられる。このため、引用回数の違いをすぐに把握することが可能な表示形態とすれば、重要な自動処理ログAPLまたは手動操作ログMOLと、重要でない自動処理ログAPLまたは手動操作ログMOLをいち早く見分けることができる。
なお、引用回数に応じて自動処理ログAPLまたは手動操作ログMOLの表示形態を異ならせる方法としては、上記のAPLブロック99またはMOLブロック100の背景色を変更する方法に替えて、あるいは加えて、引用回数を示す数字、または個数で引用回数を示す図形(例えば丸印等)をAPLブロック99またはMOLブロック100に表示する方法を採用してもよい。
引用回数が1回になったらAPLブロック99またはMOLブロック100をグレーアウトさせる等、引用回数が多くなるに連れて、APLブロック99またはMOLブロック100の表示を目立たなくさせてもよい。
[第3実施形態]
図24および図25に示す第3実施形態では、引用回数が閾値以上の医療画像20を、対象患者の医療画像と類似する類似症例画像の候補画像として抽出する。
図24および図25において、診療支援サーバ12のCPU42Bは、上記第1実施形態の各処理部60〜66に加えて、抽出部135として機能する。抽出部135は、引用回数に基づいて候補画像を抽出する。
より詳しくは、抽出部135は、ログデータテーブル56から、ある画像IDの医療画像20について、例えば医師の分析結果の引用回数(診断支援情報の引用回数、診断支援情報および医師の分析結果の引用回数の合計でも可)を読み出す。次いで、抽出部135は、読み出した引用回数を、予め設定された引用回数に関する抽出条件136と照合する。図24および図25では、抽出条件136に引用回数1回以上が設定されている。この引用回数1回が閾値に相当する。
本実施形態においては、医療画像20の1件分のファイルに、上記第1実施形態の図6で示した各項目に加えて、候補画像フラグの項目が設けられる。候補画像フラグの項目には、当該医療画像20を候補画像とする場合には「1」が、候補画像としない場合には「0」が登録される。
抽出部135は、照合結果に応じた候補画像フラグの登録要求を画像サーバ16に送信する。図24は、ログデータテーブル56から読み出した医療画像20の引用回数が、抽出条件136をクリアしていた(引用回数が閾値以上であった)場合である。この場合、抽出部135は、候補画像フラグに「1」を登録する旨の登録要求を画像サーバ16に送信する。対して図25は、ログデータテーブル56から読み出した医療画像20の引用回数が、抽出条件136をクリアしていなかった(引用回数が閾値未満であった)場合である。この場合、抽出部135は、候補画像フラグに「0」を登録する旨の登録要求を画像サーバ16に送信する。
類似症例画像の検索時には、候補画像フラグに「0」が登録された医療画像20は候補画像から除外される。類似症例画像は、候補画像フラグに「1」が登録された医療画像20の中から検索される。
このように、引用回数が閾値以上の医療画像20を類似症例画像の候補画像とするので、より医師の注目度が高く重要であると考えられる医療画像20を類似症例画像として検索することができる。言い換えれば、さほど重要でないと考えられる医療画像20が類似症例画像として検索されてしまうことを防ぐことができる。
[第4実施形態]
図26に示す第4実施形態では、引用回数をパラメータとする式を用いて、対象患者の医療画像と類似する類似症例画像を検索する。
図26において、診療支援サーバ12のCPU42Bは、上記第1実施形態の各処理部60〜66に加えて、特徴量算出部140および検索部141として機能する。特徴量算出部140は、医療画像20の特徴量Zを算出する。検索部141は、画像DB16Aの複数の医療画像20の中から、対象患者の医療画像20と類似する類似症例画像を検索する。
特徴量Zは、上記第1実施形態で診断支援情報として例示した病変のサイズ、あるいは病変の画素値の平均値、標準偏差といった画素値に関する数値、他の病変との距離、胸壁との距離、上葉、中葉、下葉、S1、S2等の所属する肺葉といった病変の位置に関する数値等である。特徴量Zには、上記の他にも、病変辺縁の凹凸度、病変と正常部との境界の濃度勾配、本数や長さ等のスピキュラの程度、空洞のサイズといったものもある。このように、特徴量Zには複数の種類がある。
特徴量算出部140は、対象患者の医療画像20の特徴量ZTi(i=1、2、3、4、・・・)と、画像DB16Aの医療画像20の特徴量ZCiとを算出する。特徴量算出部140は、算出した特徴量ZTi、ZCiを検索部141に出力する。なお、特徴量ZTi、ZCi等の複数種類の特徴量Zを要素とする多次元ベクトルは、特徴ベクトルと呼ばれる。
検索部141は、対象患者の医療画像20と画像DB16Aの医療画像20の類似度Sを、以下の式(1)により算出する。
S=[{Σ(ZTi−ZCi)2}1/2]/N・・・(1)
ここでNは、画像DB16Aの医療画像20に係る、例えば医師の分析結果の引用回数(診断支援情報の引用回数、診断支援情報および医師の分析結果の引用回数の合計でも可)である。すなわち、式(1)は、引用回数をパラメータとする式である。
式(1)の右辺の分子は、対象患者の医療画像20の複数種類の特徴量ZTiと画像DB16Aの医療画像20の複数種類の特徴量ZCiとの差分(ZTi−ZCi)の二乗の総和の平方根、すなわち特徴量ZTiを要素とする特徴ベクトルと特徴量ZCiを要素とする特徴ベクトルとの距離である。このため、対象患者の医療画像20と画像DB16Aの医療画像20の類似性が高ければ、特徴量ZTiを要素とする特徴ベクトルと特徴量ZCiを要素とする特徴ベクトルとの距離が短くなるので、式(1)の右辺の分子の値は小さくなる。そして、類似度Sは、各特徴ベクトルの距離を引用回数Nで除算したものであるため、引用回数Nが多い程小さくなる。
検索部141は、例えば類似度Sが閾値以下の画像DB16Aの医療画像20を、類似症例画像として検索する。こうすると、式(1)の右辺の分子の値が大体同じ画像DB16Aの医療画像20が複数あった場合は、引用回数Nが多い医療画像20のほうが、類似度Sが小さくなる(類似性が高くなる)ので、類似症例画像として検索されやすくなる。
このように、引用回数をパラメータとする式を用いて類似症例画像を検索するので、より医師の注目度が高く重要であると考えられる医療画像20を類似症例画像として検索することができる。
なお、特徴量としては、特徴量算出部140で算出したものではなく、医師の分析結果を利用してもよい。この場合、ある医療画像20について、診断支援情報の引用回数よりも医師の分析結果の引用回数が多ければ、医師の分析結果を特徴量として利用する等、引用回数に応じて、特徴量算出部140で算出したものを利用するか、医師の分析結果を利用するかを選択してもよい。
[第5実施形態]
図27〜図29に示す第5実施形態は、ログ表示画面の変形例である。
図27において、本実施形態のログ表示画面150は、一括表示領域151に統合表示画面35の機能の一部をもたせている。すなわち、一括表示領域151に、医療画像20のサムネイル75を表示させている。この一括表示領域151のサムネイル75もカーソル80で選択することが可能で、サムネイル75がカーソル80で選択された場合、ビューア画面85が表示される。
一括表示領域151は日毎に小領域に区切られている。各小領域には、その日に実施した画像検査で取得された医療画像20のサムネイル75が、撮影日時順に左から右、上から下に並べて表示される。
一括表示領域151の各小領域には、サムネイル75と同程度のサイズを有するAPLブロック152およびMOLブロック153が、サムネイル75と同様に登録日時順に左から右、上から下に並べて表示される。APLブロック152には、上記第1実施形態のAPLブロック99と同じく、診断支援アルゴリズム30の自動処理に由来することを示す文字表記(AUTO)154がなされる。また、APLブロック152には、サイズは小さいが診断支援情報の一部を示す文字表記(図示省略)もなされる。
さらに、APLブロック152には、上記第1実施形態のAPLブロック99の詳細情報が表示済みであるか未表示であるかを示す文字表記109の替わりに、チェックボックス155が設けられている。詳細情報が表示済みの場合、チェックボックス155にはチェックマークが表示される。
MOLブロック153は、表示状態情報、すなわち手動操作ログMOLの取得時のディスプレイ23のスクリーンショットのサムネイルで構成される。MOLブロック153には、それがスクリーンショットであることを示すカメラマーク156が表示される。このカメラマーク156により、MOLブロック153はAPLブロック152と識別可能である。
破線の枠および符号157で示すように、診断支援情報が医療レポート21または医療カンファレンスに引用された自動処理ログAPLのAPLブロック152、あるいは医師の分析結果が医療レポート21または医療カンファレンスに引用された手動操作ログMOLのMOLブロック153には、その旨を示す文字表記がなされる。図27では、医師の分析結果が医療カンファレンスに引用されたことを示す文字(@Conference)が記された例も示している。
ログ表示画面150では、診断支援情報または医師の分析結果が医療レポート21または医療カンファレンスに引用されたことの表示を、文字表記157で済ませている。つまり、上記第1実施形態のQLブロック101は表示していない。このように、QLブロック101は、本発明では必ずしも表示しなくてもよい。
図28に示すように、ログ表示画面150では、MOLブロック153にカーソル80を合わせた状態を所定時間(例えば3秒)続けると、吹き出し160がMOLブロック153の近傍に表示される。吹き出し160には、カーソル80が合わされたMOLブロック153の手動操作ログMOLに関連する検査データが一括表示される。図28では、カーソル80が合わされたMOLブロック153の手動操作ログMOLが、CT画像、DR画像、およびCAG画像の拡大表示操作に係るもので、これら各画像のサムネイル75が吹き出し160に表示された状態を示している。
ログ表示画面150では、MOLブロック153はサムネイル75と同程度のサイズである。このため、MOLブロック153の表示だけでは、どういった検査データに関連する手動操作ログMOLであるかが判然としない。そこで、MOLブロック153の手動操作ログMOLに関連する検査データを吹き出し160で明示する。こうすれば、MOLブロック153の手動操作ログMOLに関連する検査データを簡単に確認することができる。
図29は、MOLブロック153の手動操作ログMOLに関連する検査データを明示する他の方法である。この場合、図28と同じくMOLブロック153にカーソル80を合わせた状態を所定時間(例えば3秒)続けると、カーソル80が合わされたMOLブロック153の手動操作ログMOLに関連する検査データに枠161が表示される。図29では、カーソル80が合わされたMOLブロック153の手動操作ログMOLが、「2016.01.14」に撮影したCT画像と「2016.01.18」に撮影したCT画像の比較表示操作に係るもので、これら各画像のサムネイル75に枠161が表示された状態を示している。この枠161の表示によっても、MOLブロック153の手動操作ログMOLに関連する検査データを簡単に確認することができる。
なお、吹き出し160と枠161を両方表示してもよい。また、吹き出し160または枠161に替えて、あるいは加えて、図19Bで示した再現画面130を表示してもよい。
診断支援情報または医師の分析結果が医療レポート21または医療カンファレンスに引用されたことを示す文字表記111、157に、医療レポート21またはカンファレンス情報22へのハイパーリンクの機能を持たせてもよい。こうすれば、医療レポート21またはカンファレンス情報22を素早く参照することができる。
医療レポート21または医療カンファレンスでは、対象患者以外の医療画像20も引用される。こうした医療画像20は、類似症例画像等、対象患者の病状を把握する情報として有益な場合が多い。このため、医療レポート21またはカンファレンス情報22を素早く参照することができれば、対象患者の病状をいち早く把握することができて効率的である。
上記各実施形態では、APLブロック99、152およびMOLブロック100、153を表示する検査データとして医療画像20を例示したが、本発明はこれに限定されない。バイタルサイン、血液検査、尿検査等の測定データのAPLブロック99、152およびMOLブロック100、153を表示してもよい。
ログ表示画面95、150は、統合表示画面35とともに常時表示する形態でなくてもよい。ログデータテーブル56に新たなログが追加されたときに、ログ表示画面95、150を統合表示画面35上にポップアップ表示する等してもよい。
ログデータテーブル56に疾患の項目を設け、各ログに疾患を関連付けてもよい。こうすれば、例えば複数の疾患を患っている対象患者の場合、疾患で各ログを絞り込んだりすることができる。
本発明の診療支援装置に相当する診療支援サーバ12を構成するコンピュータのハードウェア構成は種々の変形が可能である。例えば、診療支援サーバ12を、処理能力および信頼性の向上を目的として、ハードウェアとして分離された複数台のサーバコンピュータで構成することも可能である。例えば、要求受付部60、第2取得部64の機能と、診療データ取得部61、分析処理部62、第1取得部63の機能と、情報管理部65、画面出力制御部66の機能とを、3台のサーバコンピュータに分散して担わせる。この場合は3台のサーバコンピュータで診療支援装置を構成する。
また、上記各実施形態では、診療支援サーバ12で各種表示画面を生成し、診療支援サーバ12からの各種表示画面の画面データに基づいて、クライアント端末11側で各種表示画面を再現してディスプレイ23に表示する態様を例示したが、各種表示画面の生成の元となるデータを診療支援サーバ12からクライアント端末11に送信し、クライアント端末11側で各種表示画面を生成してもよい。この場合、画面出力制御部66はクライアント端末11のCPU42Aに構築される。
さらに、診療支援サーバ12のCPU42Bに構築した各処理部をクライアント端末11のCPU42Aに構築し、クライアント端末11を診療支援装置として稼働させてもよい。この場合、要求受付部60は、配信要求等に代えて、GUI制御部50からの指示を直接受け付ける。また、画面出力制御部66は、生成した各種表示画面をGUI制御部50に出力する。また、電子カルテサーバ15や画像サーバ16を診療支援装置として稼働させてもよい。
このように、コンピュータのハードウェア構成は、処理能力、安全性、信頼性等の要求される性能に応じて適宜変更することができる。さらに、ハードウェアに限らず、作動プログラム55等のアプリケーションプログラムについても、安全性および信頼性の確保を目的として、二重化したり、あるいは、複数のストレージデバイスに分散して格納することももちろん可能である。
上記各実施形態では、診療支援サーバ12を1つの医療施設内で利用する形態で説明したが、診療支援サーバ12を複数の医療施設が利用可能な形態としてもよい。
上記各実施形態では、診療支援サーバ12は、1つの医療施設内に設置されるクライアント端末11がLAN等のネットワーク13を介して通信可能に接続され、クライアント端末11からの配信要求に応じた各種表示画面を提供する形態である。これを複数の医療施設で利用可能とするためには、診療支援サーバ12を、例えば、インターネットあるいは公衆通信網等のWAN(Wide Area Network)を介して、複数の医療施設に設置される各クライアント端末11と通信可能に接続する。そして、複数の医療施設の各クライアント端末11からの配信要求を、WANを介して診療支援サーバ12で受け付けて、各クライアント端末11に対して各種表示画面を提供する。なお、WANを利用する場合には、情報セキュリティを考慮して、VPN(Virtual Private Network)を構築したり、HTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)等のセキュリティレベルの高い通信プロトコルを使用することが好ましい。
なお、この場合、電子カルテ19、医療画像20、医療レポート21、カンファレンス情報22、およびログデータテーブル56は医療施設毎に管理される。また、この場合の診療支援サーバ12の設置場所および運営主体は、例えば医療施設とは別の会社が運営するデータセンタでもよいし、複数の医療施設のうちの1つでもよい。
本発明の診療支援装置は、少なくともログ表示画面95の出力を制御する機能を有していればよく、上記各実施形態の画面出力制御部66のように統合表示画面35の出力を制御する機能を必ずしも併せもっていなくともよい。
上記各実施形態において、例えば、要求受付部60、診療データ取得部61、分析処理部62、第1取得部63、第2取得部64、情報管理部65、画面出力制御部66、抽出部135、特徴量算出部140、検索部141といった各種の処理を実施する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造は、次に示すような各種のプロセッサ(processor)である。
各種のプロセッサには、CPU、プログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、専用電気回路等が含まれる。CPUは、周知のとおりソフトウエア(プログラム)を実施して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサである。PLDは、FPGA(Field Programmable Gate Array) 等の、製造後に回路構成を変更可能なプロセッサである。専用電気回路は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実施させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである。
1つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合せ(例えば、複数のFPGAや、CPUとFPGAの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、1つ以上のCPUとソフトウエアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのICチップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)である。
上記記載から、以下の付記項1に記載の診療支援装置を把握することができる。
[付記項1]
患者に実施した医療検査で得られた検査データを、診断支援アルゴリズムで自動的に分析処理して、分析処理結果を医師の診断を支援する診断支援情報として出力した履歴である自動処理ログを取得する第1取得プロセッサと、
前記検査データに対する前記医師の手動操作の履歴である手動操作ログを取得する第2取得プロセッサと、
前記検査データと、前記自動処理ログおよび前記手動操作ログとを関連付けて記憶部に記憶させる情報管理プロセッサと、
前記自動処理ログおよび前記手動操作ログを、識別可能な形態で時系列に一括して表示する一括表示領域を有するログ表示画面の出力を制御する画面出力制御プロセッサとを備える診療支援装置。
本発明は、上述の種々の実施形態あるいは種々の変形例を適宜組み合わせることも可能である。また、上記各実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の構成を採用し得ることはもちろんである。さらに、本発明は、プログラムに加えて、プログラムを記憶する記憶媒体にも及ぶ。