[第1実施形態]
図1において、診療支援システム10は、医療施設内に構築され、電子カルテ端末11、画像表示端末12、および診療支援装置に相当する診療支援サーバ13等を備える。電子カルテ端末11、画像表示端末12、および診療支援サーバ13は、医療施設内に敷設されたLAN(Local Area Network)等のネットワーク14を介して相互に通信可能に接続されている。
ネットワーク14には、電子カルテサーバ15および画像サーバ16(以下、まとめてサーバ群17と表記)も接続されている。電子カルテサーバ15はカルテデータベース(以下、DB(Data Base)と表記)15Aを有し、カルテDB15Aには電子カルテのデータであるカルテデータ18が検索可能に記憶されている。画像サーバ16は画像DB16Aを有し、画像DB16Aには、各種画像検査で得られた検査画像のデータである画像データ19が検索可能に記憶されている。
各種画像検査には、例えばCR(Computed Radiography;コンピュータX線撮影)検査、CT(Computed tomography;コンピュータ断層撮影)検査、MRI(Magnetic Resonance Imaging;核磁気共鳴画像法)検査、ECG(Electro cardiogram;心電図)検査、CAG(Coronary Angiography;冠動脈カテーテル)検査、US(Ultrasonography;超音波)検査、内視鏡検査等がある。CR検査、CT検査、MRI検査等の画像データ19は、例えばDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格のデータファイル形式で作成される。
なお、サーバ群17には、これら各サーバ15、16の他にも、検査画像を読影医が読影した結果である所見をまとめた医用レポートのデータが検索可能にDBに記憶されたレポートサーバ等が設けられている。患者の遺伝子情報が検索可能にDBに記憶された遺伝子情報サーバを設けてもよい。
電子カルテ端末11、画像表示端末12、診療支援サーバ13、およびサーバ群17は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ワークステーションといったコンピュータをベースに、オペレーティングシステム等の制御プログラム、および各種アプリケーションプログラムをインストールして構成される。
電子カルテ端末11と画像表示端末12は、患者を診療する医師、患者を看護する看護師、各種医療検査を実施する検査技師等の医療従事者により操作される。電子カルテ端末11と画像表示端末12は、内科、外科、検査科、リハビリ科等の診療科毎、または医療従事者毎に複数台配備されている。電子カルテ端末11と画像表示端末12は、診療支援サーバ13およびサーバ群17が提供する各種機能を利用して患者の診療を行う際に使用される。
電子カルテ端末11と画像表示端末12は、1台のデスクに並べて設置され、1人の医療従事者によって使用される。電子カルテ端末11は第1ディスプレイに相当する横長のディスプレイ20を有し、画像表示端末12は第2ディスプレイに相当する縦長のディスプレイ21を有している。
診療支援サーバ13は、医療従事者、特に医師の診療を支援するため、患者の診療過程で取得された様々な診療データを加工して医師に提供する。診療データにはカルテデータ18と画像データ19が含まれる。
図2において、電子カルテサーバ15は、電子カルテ端末11からのカルテデータ18の表示画面(以下、カルテ表示画面と表記)25の配信要求を受け付ける。電子カルテサーバ15は、配信要求に応じて、診療の対象となる1人の患者(以下、対象患者と表記)のカルテデータ18をカルテDB15Aから取得し、取得したカルテデータ18に基づいてカルテ表示画面25を生成する。電子カルテサーバ15は、生成したカルテ表示画面25を、配信要求の要求元の電子カルテ端末11に送信する。電子カルテ端末11は、電子カルテサーバ15からのカルテ表示画面25をディスプレイ20に出力する(図1参照)。
図3において、画像サーバ16は、画像表示端末12からの画像データ19の表示画面(以下、画像表示画面と表記)26の配信要求を受け付ける。画像サーバ16は、配信要求に応じて、対象患者の画像データ19を画像DB16Aから取得し、取得した画像データ19に基づいて画像表示画面26を生成する。画像サーバ16は、生成した画像表示画面26を、配信要求の要求元の画像表示端末12に送信する。画像表示端末12は、画像サーバ16からの画像表示画面26をディスプレイ21に出力する(図1参照)。
画像検査は医療検査のうちの1つであり、画像データ19は医療検査の検査結果のうちの1つである。このため、画像表示画面26がディスプレイ21に表示される画像表示端末12は、患者に実施した医療検査の検査結果を表示する検査結果表示端末に相当する。
また、画像表示端末12間では、検査画像の読影の催促といった連絡事項が遣り取りされる。すなわち画像表示端末12は、医療従事者により操作され、連絡事項を遣り取りする医療従事者端末にも相当する。
図4において、診療支援サーバ13は、画像表示端末12からの各種要求を受け付ける。各種要求には、カルテデータ18と画像データ19を含む対象患者の各種診療データ、すなわち統合診療データの表示画面(以下、統合表示画面と表記)30(図13も参照)の配信要求、およびログ表示画面31(図16も参照)の配信要求等がある。統合表示画面30は、対象患者の各種診療データを医師が分析しやすいように1つにまとめた画面である。ログ表示画面31は、医療従事者により画像表示端末12を介して行われる、検査結果に関する操作の履歴のデータである操作履歴データと、画像表示端末12間で遣り取りされる連絡事項のデータである連絡事項データを一括して表示する画面である。
診療支援サーバ13は、統合表示画面30の配信要求に応じた対象患者の各種診療データをサーバ群17から取得し、取得した各種診療データに基づいて統合表示画面30を生成する。診療支援サーバ13は、生成した統合表示画面30を、配信要求の要求元の画像表示端末12に送信する。画像表示端末12は、診療支援サーバ13からの統合表示画面30をディスプレイ21に出力する。
また、診療支援サーバ13は、ログ表示画面31の配信要求に応じてログ表示画面31を生成する。診療支援サーバ13は、生成したログ表示画面31を、配信要求の要求元の画像表示端末12に送信する。画像表示端末12は、診療支援サーバ13からのログ表示画面31をディスプレイ21に出力する。
診療支援サーバ13で受け付けられる画像表示端末12からの各種要求には、各表示画面30、31の配信要求の他に、操作履歴データの登録要求、連絡事項データの登録要求、これら操作履歴データと連絡事項データの関連付け要求、並びにエンベロープの作成要求または消去要求がある。診療支援サーバ13は、操作履歴データの登録要求に応じて操作履歴データを登録し、連絡事項データの登録要求に応じて連絡事項データを登録する。また、診療支援サーバ13は、操作履歴データと連絡事項データの関連付け要求に応じて、操作履歴データと連絡事項データを関連付ける。さらに、診療支援サーバ13は、エンベロープの作成要求または消去要求に応じて、エンベロープを作成または消去する。
ここでエンベロープとは、操作履歴データと連絡事項データをグループ単位で分けたものである。グループは、操作履歴データと連絡事項データを互いに共有し合う必要がある複数の医療従事者の集まりである。グループは、例えば主治医と主担当看護師と他の医療従事者の混成からなる入院患者の治療チーム、読影研修医とこれに指導を行う読影指導医、あるいは経験が浅い医師とこれにアドバイスを行う経験豊富な医師等で構成される。
診療支援サーバ13は、ウェブブラウザ上で閲覧可能な各表示画面30、31を生成し、これを画像表示端末12に送信する。診療支援サーバ13は、画像表示端末12に対して認証キーを発行して、診療支援サーバ13へのアクセス権限を与える。診療支援サーバ13にアクセスして認証を行った後、画像表示端末12には、診療支援サーバ13から各表示画面30、31が送信されてディスプレイ21に表示される。
診療支援サーバ13は、各表示画面30、31を、例えば、XML(Extensible Markup Language)等のマークアップ言語によって作成されるウェブ配信用の画面データの形式で出力する。画像表示端末12は、画面データに基づき各表示画面30、31をウェブブラウザ上に再現して表示する。XMLに代えて、JSON(JavaScript(登録商標) Object Notation)等の他のデータ記述言語を利用してもよい。なお、電子カルテサーバ15および画像サーバ16も診療支援サーバ13と同様に、カルテ表示画面25および画像表示画面26をウェブ配信用の画面データの形式で出力する。
図5において、カルテDB15Aのカルテデータ18は、「P001」といった個々の患者を識別するための記号および番号である患者ID(Identification Data)が関連付けられて患者単位で管理される。電子カルテサーバ15は、この患者IDを検索キーとしてカルテDB15Aからカルテデータ18を検索することが可能である。
カルテデータ18は、複数の検査データと複数の投薬データとを有する。検査データは、バイタルサイン、血液検査、尿検査等の検査種類別に整理され、検査日時、検査項目、および検査値が関連付けて記憶されている。検査項目には、例えばバイタルサインであれば体温、脈拍、血圧(上下)等があり、血液検査であれば白血球数、血小板、随時血糖等がある。投薬データは、薬剤A、薬剤B等の薬剤の種類別に整理され、投与期間および投与量が関連付けて記憶されている。
なお、カルテデータ18には、患者IDの他、患者の氏名、性別、年齢、生年月日、嗜好(喫煙、飲酒の有無)、既往症、アレルギーといった患者情報が記録されている。また、医療検査、医用レポート作成、手術、投薬等の指示を記したオーダ、初診、入退院等の患者の診療過程で生じたイベント、あるいは患者主訴、診療記録、看護記録、家族からの情報等も時系列に記録されている。
図6において、画像DB16Aの画像データ19は、カルテデータ18と同じく患者IDが関連付けられて患者単位で管理される。電子カルテサーバ15と同じく、画像サーバ16は、患者IDを検索キーとして画像DB16Aから画像データ19を検索することが可能である。
画像データ19の1件分のファイルは、検査画像の本体と、検査日時、画像ID、オーダID、画像検査の種類、撮影部位、方向といった様々な付帯情報とで構成される。画像サーバ16は、こうした付帯情報とともに画像データ19を診療データとして診療支援サーバ13に送信する。
画像IDは、各画像データ19を識別するための記号および番号であり、オーダIDは、各種画像検査を指示するオーダを識別するための記号および番号である。CT検査およびCAG検査等、1回に複数枚の検査画像が撮影される画像検査の場合は、複数枚の検査画像が1回の画像検査で得られたことを示すために各画像データ19に共通のオーダIDが付与され、1まとめの画像データ19として管理される。
図7において、画像表示端末12および診療支援サーバ13を構成するコンピュータは、基本的な構成は同じであり、それぞれ、ストレージデバイス35、メモリ36、CPU(Central Processing Unit)37、通信部38、および入力デバイス39を備えている。画像表示端末12は前述のようにディスプレイ21を有し、診療支援サーバ13も同様にディスプレイ40を有する。これらはデータバス41を介して相互接続されている。
ストレージデバイス35は、画像表示端末12等を構成するコンピュータに内蔵、またはケーブルあるいはネットワークを通じて接続されたハードディスクドライブ、もしくはハードディスクドライブを複数台連装したディスクアレイである。ストレージデバイス35には、オペレーティングシステム等の制御プログラム、各種アプリケーションプログラム、およびこれらのプログラムに付随する各種画面の表示データ等が記憶されている。
メモリ36は、CPU37が処理を実行するためのワークメモリである。CPU37は、ストレージデバイス35に記憶されたプログラムをメモリ36へロードして、プログラムにしたがった処理を実行することにより、コンピュータの各部を統括的に制御する。
通信部38は、ネットワーク14を介した各種情報の伝送制御を行うネットワークインターフェースである。ディスプレイ21、40は、マウスおよびキーボード等の入力デバイス39の操作に応じた各種画面を表示する。画面にはグラフィカルユーザーインターフェース(以下、GUI(Graphical User Interface)と表記)による操作機能が備えられる。画像表示端末12等を構成するコンピュータは、画面を通じて入力デバイス39からの操作指示の入力を受け付ける。
なお、以下の説明では、画像表示端末12を構成するディスプレイ21以外のコンピュータの各部には添え字の「A」を、診療支援サーバ13を構成するディスプレイ40以外のコンピュータの各部には添え字の「B」をそれぞれ符号に付して区別する。
図8において、ウェブブラウザが起動されると、画像表示端末12のCPU37Aは、メモリ36等と協働して、GUI制御部45、およびブラウザ制御部46として機能する。
GUI制御部45は、各種画面をディスプレイ21に表示し、かつ各種画面を通じて医療従事者によって入力デバイス39Aから入力される様々な操作指示を受け付ける。操作指示には、診療支援サーバ13への各表示画面30、31の配信指示、操作履歴データの登録指示、連絡事項データの登録指示、操作履歴データと連絡事項データの関連付け指示等がある。GUI制御部45は、受け付けた操作指示をブラウザ制御部46に出力する。
ブラウザ制御部46は、ウェブブラウザの動作を制御する。ブラウザ制御部46は、GUI制御部45からの操作指示に応じた要求、具体的には配信指示に応じた配信要求、登録指示に応じた登録要求、関連付け指示に応じた関連付け要求等を診療支援サーバ13に対して発行する。
また、ブラウザ制御部46は、診療支援サーバ13からの各表示画面30、31の画面データを受け取る。ブラウザ制御部46は、画面データに基づきウェブブラウザ上に表示する各表示画面30、31を再現し、これをGUI制御部45に出力する。GUI制御部45は、各表示画面30、31をディスプレイ21に表示する。
図9において、診療支援サーバ13のストレージデバイス35Bは記憶部に相当する。ストレージデバイス35Bには作動プログラム50が記憶されている。作動プログラム50は、診療支援サーバ13を構成するコンピュータを、診療支援装置として機能させるためのアプリケーションプログラムである。
ストレージデバイス35Bは、作動プログラム50に加えて、ログ表示画面31の生成に必要な操作履歴データテーブル51(図10参照)、連絡事項データテーブル52(図11参照)、およびエンベロープデータテーブル53(図12参照)を記憶している。操作履歴データテーブル51には操作履歴データが、連絡事項データテーブル52には連絡事項データがそれぞれ登録される。また、エンベロープデータテーブル53にはエンベロープのデータであるエンベロープデータが登録される。
作動プログラム50が起動されると、診療支援サーバ13のCPU37Bは、メモリ36等と協働して、要求受付部55、第1取得部56、第2取得部57、データ管理部58、診療データ取得部59、および画面出力制御部60として機能する。
要求受付部55は、画像表示端末12からの各種要求を受け付ける。要求受付部55は、各種要求のうちの統合表示画面30の配信要求を診療データ取得部59および画面出力制御部60に、ログ表示画面31の配信要求をデータ管理部58および画面出力制御部60に、操作履歴データの登録要求を第1取得部56に、連絡事項データの登録要求を第2取得部57に、操作履歴データと連絡事項データの関連付け要求、並びにエンベロープの作成要求または消去要求をデータ管理部58に、それぞれ出力する。
第1取得部56は、要求受付部55からの操作履歴データの登録要求に含まれる操作履歴データを取得する第1取得機能を担う。第1取得部56は、取得した操作履歴データをデータ管理部58に受け渡す。
第2取得部57は、要求受付部55からの連絡事項データの登録要求に含まれる連絡事項データを取得する第2取得機能を担う。第2取得部57は、取得した連絡事項データをデータ管理部58に受け渡す。
データ管理部58は、操作履歴データ、連絡事項データ、およびエンベロープデータを管理するデータ管理機能を担う。データ管理部58は、第1取得部56からの操作履歴データを操作履歴データテーブル51に、第2取得部57からの連絡事項データを連絡事項データテーブル52にそれぞれ登録する。また、データ管理部58は、要求受付部55からの関連付け要求を受けて、操作履歴データと連絡事項データを関連付ける。さらに、データ管理部58は、要求受付部55からのエンベロープの作成要求または消去要求に応じて、エンベロープデータテーブル53のエンベロープデータを更新する。
データ管理部58は、ログ表示画面31の配信要求に応じて、操作履歴データテーブル51、連絡事項データテーブル52、およびエンベロープデータテーブル53から、ログ表示画面31の生成に必要な操作履歴データ、連絡事項データ、およびエンベロープデータをそれぞれ読み出し、読み出した操作履歴データ、連絡事項データ、およびエンベロープデータを画面出力制御部60に出力する。
診療データ取得部59は、統合表示画面30の配信要求に応じて、サーバ群17に対して取得要求を発行する。そして、取得要求に応じてサーバ群17から送信された対象患者の各種診療データを取得する。診療データ取得部59は、取得した各種診療データを画面出力制御部60に出力する。
画面出力制御部60は、各種診療データに基づき統合表示画面30を生成する。画面出力制御部60は、統合表示画面30を配信要求の要求元の画像表示端末12に送信する。
また、画面出力制御部60は、操作履歴データ、連絡事項データ、およびエンベロープデータに基づきログ表示画面31を生成する。画面出力制御部60は、ログ表示画面31を配信要求の要求元の画像表示端末12に送信する。すなわち、画面出力制御部60は、ログ表示画面31の出力を制御する画面出力制御機能を担う。
図10において、操作履歴データテーブル51には、操作履歴ID、取得日時、医療従事者ID(オペレータ)、画像ID、内容、およびエンベロープIDの各項目が設けられている。
操作履歴IDは、個々の操作の履歴を識別するための記号および番号である。操作履歴IDは、操作履歴データの登録時にデータ管理部58により自動的に付される。取得日時の項目には、第1取得部56で操作履歴データを取得した日時が登録される。医療従事者IDは、個々の医療従事者を識別するための記号および番号である。医療従事者ID(オペレータ)の項目には、当該操作を実行した医療従事者の医療従事者IDが登録される。また、画像IDの項目には、当該操作が実行された画像データ19の画像IDが登録される。
内容の項目には、操作の具体的な内容が登録される。例えば操作履歴ID「OP001」の操作履歴データには、検査画像を拡大表示する操作である「拡大表示操作」が登録されている。また、操作履歴ID「OP004」の操作履歴データには、検査画像内の病変を計測する操作である「病変計測操作」が登録されている。
エンベロープIDは、個々のエンベロープを識別するための記号および番号である。エンベロープIDの項目には、データ管理部58で関連付けが済んだ操作履歴データの場合は当該操作履歴データが属するエンベロープのエンベロープIDが登録される。一方、データ管理部58で関連付けが済んでいない操作履歴データの場合は、操作履歴ID「OP005」の操作履歴データのように、エンベロープIDの項目には何も登録されない。なお、操作履歴データテーブル51のこれら各項目のうち、医療従事者ID(オペレータ)、画像ID、および内容が、操作履歴データの登録要求に含まれている。
図11において、連絡事項データテーブル52には、連絡事項ID、取得日時、医療従事者ID(送信元)、医療従事者ID(受信先)、内容、およびエンベロープIDの各項目が設けられている。
連絡事項IDは、個々の連絡事項を識別するための記号および番号である。連絡事項IDは、操作履歴IDと同じく、連絡事項データの登録時にデータ管理部58により自動的に付される。取得日時の項目には、第2取得部57で連絡事項データを取得した日時が登録される。医療従事者ID(送信元)の項目には、当該連絡事項の送信元の医療従事者の医療従事者IDが登録される。医療従事者ID(受信先)の項目には、当該連絡事項の受信先の医療従事者の医療従事者IDが登録される。
内容の項目には、連絡事項の具体的な内容が登録される。例えば連絡事項ID「ME001」の連絡事項データには、「○×さんのCRの読影を大至急お願いします。」といった、CR検査の検査画像の読影を催促する内容が登録されている。また、連絡事項ID「ME003」の連絡事項データには、「□○さんのCTの病変計測をするように。」といった、読影指導医が読影研修医に病変の計測を指示する内容が登録されている。
エンベロープIDの項目には、操作履歴データテーブル51の場合と同様に、データ管理部58で関連付けが済んだ連絡事項データの場合は当該連絡事項データが属するエンベロープのエンベロープIDが登録され、関連付けが済んでいない連絡事項データの場合は何も登録されない。なお、連絡事項データテーブル52のこれら各項目のうち、医療従事者ID(送信元)、医療従事者ID(受信先)、および内容が、連絡事項データの登録要求に含まれている。
エンベロープIDは、操作履歴データと連絡事項データの関連付け要求に含まれている。データ管理部58は、関連付け要求に含まれるエンベロープIDを、操作履歴データテーブル51または連絡事項データテーブル52のエンベロープIDの項目に登録する。つまり、データ管理部58は、エンベロープIDにより操作履歴データと連絡事項データを関連付ける。
同じエンベロープIDが登録された操作履歴データと連絡事項データは、そのエンベロープIDのエンベロープに対応するグループで共有されるデータである。例えば操作履歴ID「OP003」、「OP004」の操作履歴データと、連絡事項ID「ME003」の連絡事項データには同じエンベロープID「E003」が登録されているので、これらの操作履歴データと連絡事項データは、エンベロープID「E003」のエンベロープに対応するグループで共有されるデータである。
図12において、エンベロープデータテーブル53には、エンベロープID、作成日時、グループ名、医療従事者ID(構成員)、および表示設定の各項目が設けられている。
エンベロープIDは、操作履歴ID、連絡事項IDと同じく、エンベロープの作成時にデータ管理部58により自動的に付される。作成日時の項目には、要求受付部55からのエンベロープの作成要求をデータ管理部58で受け取った日時が登録される。グループ名の項目には、当該エンベロープに対応するグループの名称が登録される。医療従事者ID(構成員)の項目には、当該エンベロープに対応するグループを構成する医療従事者の医療従事者IDが登録される。
表示設定は、当該エンベロープをログ表示画面31に表示するか否かの設定である。表示設定の項目には、要求受付部55からの消去要求をデータ管理部58で受け取っていない場合は「表示」が、消去要求を受け取った場合は「消去」が登録される。なお、表示設定の項目に「消去」が登録されているエンベロープデータも、記録自体はエンベロープデータテーブル53に残る。このため、一旦表示設定が「消去」とされたエンベロープも、再度表示設定を「表示」とすることで、ログ表示画面31に再表示させることができる。
医療従事者は、画像表示端末12を通じて診療支援サーバ13にアクセスして、自らの医療従事者IDと認証キーを入力して認証を行う。この際に入力された医療従事者IDが操作履歴データの登録要求に付され、操作履歴データテーブル51の医療従事者ID(オペレータ)の項目に登録される。また、認証の際に入力された医療従事者IDは連絡事項データの登録要求にも付され、連絡事項データテーブル52の医療従事者ID(送信先)の項目に登録される。
認証後、画像表示端末12のディスプレイ21のウェブブラウザ上には、患者IDの入力画面が表示される。患者IDの入力画面には、例えば患者IDの入力ボックスと、統合表示画面30の配信指示をするための送信ボタンとが用意されている。入力ボックスに対象患者の患者IDが入力されて送信ボタンが選択された場合、画像表示端末12のブラウザ制御部46から診療支援サーバ13の要求受付部55に対象患者の患者IDを含む統合表示画面30の配信要求が発行される。
統合表示画面30の配信要求を受けて診療データ取得部59からサーバ群17に発行される取得要求には、統合表示画面30の配信要求に含まれる対象患者の患者IDが検索キーとして付される。サーバ群17は、対象患者の患者IDが付されたカルテデータ18および画像データ19を各種診療データとして診療データ取得部59に送信する。画面出力制御部60は、このサーバ群17からの対象患者の各種診療データに基づき、図13に示す統合表示画面30を生成する。
図13において、統合表示画面30は、第1表示領域65、第2表示領域66、第3表示領域67、第4表示領域68のおおよそ4つの表示領域に分かれている。第1表示領域65には、例えばバイタルサインの体温、脈拍、血圧(上下)といった各検査項目の検査値の時系列変化を示すグラフ、薬剤の投与量および投与期間を示すバー等が表示される。
第2表示領域66には、診療データを表示する複数のウィンドウが並べて表示される。例えばあるウィンドウには血液検査の複数の検査項目の検査値が、またあるウィンドウには尿検査の複数の検査項目の検査値がそれぞれリスト表示される。さらには薬剤の種類と投与量がリスト表示されるウィンドウもある。また、第2表示領域66の右端に並んだ3つのウィンドウのように、各種検査画像のサムネイル69が表示されたウィンドウもある。
第3表示領域67には、患者ID、氏名、性別、年齢、生年月日、嗜好、既往症、アレルギー等の対象患者の患者情報、対象患者の主治医の所属診療科および氏名等が表示される。第4表示領域68には、カルテデータ18に含まれる患者主訴、診療記録、看護記録、家族からの情報等を表示する複数のウィンドウが並べて表示される。
第2表示領域66の検査画像のサムネイル69はカーソル70で選択することが可能である。サムネイル69がカーソル70で選択された場合、図14に示すビューア画面75が統合表示画面30上にポップアップ表示される。
図14において、ビューア画面75は、フルサイズの検査画像を表示する検査画像表示領域76と、患者ID、患者氏名等の患者情報、検査日時、撮影部位、方向等の付帯情報を表示する情報表示領域77と、検査画像内の病変の長径、短径といった計測値の計測結果を表示する計測結果表示領域78とを有する。検査画像表示領域76の下部には、計測ボタン79とクリアボタン80が設けられている。また、第3表示枠の下部には、登録ボタン81が設けられている。
ビューア画面75では、検査画像表示領域76によりフルサイズの検査画像を閲覧することができ、かつ検査画像内の病変を計測することができる。病変の計測は、まず、カーソル70により検査画像表示領域76の検査画像内の病変と思しき領域の外周を囲むように複数の制御点を指定することで行われる。この複数の制御点を通る滑らかな曲線を描く一点鎖線で示す枠およびその内側が病変の領域Rとして指定される。領域Rはカーソル70により何度でも修正することが可能である。また、クリアボタン80をカーソル70で選択することで、領域Rの指定を取り消すこともできる。
領域Rの指定後、計測ボタン79がカーソル70で選択されると、診療支援サーバ13で領域Rの各種計測値が計測される。そして、図14に示すように計測結果表示領域78に計測結果が表示される。この計測結果表示領域78に計測結果が表示された状態で登録ボタン81がカーソル70で選択された場合、領域Rの位置情報と計測結果と画像IDとが関連付けられて診療支援サーバ13のストレージデバイス35Bに登録される。
統合表示画面30においてサムネイル69がカーソル70で選択された場合、ブラウザ制御部46から要求受付部55に操作履歴データの登録要求が発行される。すなわちサムネイル69の選択が操作履歴データの登録指示に相当する。この場合、データ管理部58は、操作履歴データテーブル51の内容の項目に「拡大表示操作」を登録する。
また、ビューア画面75の計測ボタン79がカーソル70で選択された場合も、ブラウザ制御部46から要求受付部55に操作履歴データの登録要求が発行される。すなわち計測ボタン79の選択も操作履歴データの登録指示に相当する。この場合、データ管理部58は、操作履歴データテーブル51の内容の項目に「病変計測操作」を登録する。なお、計測ボタン79ではなく、登録ボタン81がカーソル70で選択された場合に操作履歴データの登録要求を発行してもよい。
検査画像内に病変が複数存在する場合には、各病変に対して領域Rの指定および計測ボタン79の選択、すなわち計測値の計測が実行される。ブラウザ制御部46は、各病変に対して計測ボタン79が選択される度に、要求受付部55に操作履歴データの登録要求を発行する。
このため、検査画像内に病変が複数存在する場合には、第1取得部56は、複数の病変を計測する複数の操作の履歴のデータの各々を、1つの操作履歴データとして取得する。例えば図10に示す操作履歴ID「OP004」、「OP005」の操作履歴データは、医療従事者ID「S010」の医療従事者による、画像ID「CT050」の検査画像内の2つの病変を計測する2つの操作の履歴のデータである。
図15において、統合表示画面30の第2表示領域66と第4表示領域68の右側には、ログ表示タグ85が設けられている。ログ表示タグ85にカーソル70が合された場合、ブラウザ制御部46から要求受付部55にログ表示画面31の配信要求が発行され、図16に示すログ表示画面31が統合表示画面30上に表示される。すなわちログ表示タグ85の選択がログ表示画面31の配信指示に相当し、ログ表示タグ85はログ表示画面31の表示を指示するGUIに相当する。
図16において、ログ表示画面31は、エンベロープ表示領域90、時系列データ表示領域91、および一括表示領域92の3つの表示領域を有する。エンベロープ表示領域90には、エンベロープデータテーブル53の登録内容に基づく表示がなされる。時系列データ表示領域91、および一括表示領域92には、操作履歴データテーブル51と連絡事項データテーブル52の登録内容に基づく表示がなされる。
図17において、エンベロープ表示領域90には、エンベロープデータテーブル53に登録され、かつ表示設定の項目に「表示」が登録されたエンベロープの表示ブロック(以下、ENブロックと表記)95が一覧表示される。エンベロープ表示領域90にENブロック95が表示されるエンベロープは、診療支援サーバ13にアクセス中の医療従事者の医療従事者IDが、医療従事者ID(構成員)の項目に登録されたエンベロープである。また、エンベロープ表示領域90の下部には、連絡事項入力ボタン96およびエンベロープ新規作成ボタン97が設けられている。
ENブロック95内には、グループ名と作成日が表示される。ENブロック95はカーソル70で選択することが可能である。カーソル70で選択されたENブロック95は、ハッチングH1で示すように、他のENブロック95と異なる態様、例えば他のENブロック95と異なる表示色で表示される。図17では、図12にエンベロープID「EN003」で示すグループ名「読影研修A」のENブロック95が選択された状態を示している。
連絡事項入力ボタン96がカーソル70で選択された場合、連絡事項の入力画面がログ表示画面31上に表示される。連絡事項の入力画面には、医療従事者ID(受信先)の入力ボックスおよび内容の入力ボックスと、連絡事項データの登録指示をするための送信ボタンとが用意されている。入力ボックスに医療従事者ID(受信先)および内容が入力されて送信ボタンが選択された場合、ブラウザ制御部46から要求受付部55に連絡事項データの登録要求が発行される。
エンベロープ新規作成ボタン97がカーソル70で選択された場合、エンベロープの作成画面がログ表示画面31上に表示される。エンベロープの作成画面には、グループ名の入力ボックスおよび医療従事者ID(構成員)の入力ボックスと、エンベロープの作成指示をするための送信ボタンとが用意されている。入力ボックスにグループ名および医療従事者ID(構成員)が入力されて送信ボタンが選択された場合、ブラウザ制御部46から要求受付部55にエンベロープの作成要求が発行される。
また、図18に示すように、ENブロック95にカーソル70を合わせて右クリックすると、編集・消去ダイアログ98がポップアップ表示される。編集・消去ダイアログ98の「編集」の選択肢をカーソル70で選択することにより、エンベロープを編集することが可能となる。また、編集・消去ダイアログ98の「消去」の選択肢がカーソル70で選択された場合、ブラウザ制御部46から要求受付部55にエンベロープの消去要求が発行される。この編集・消去ダイアログ98の「消去」の選択肢をカーソル70で選択する操作が、医療従事者の手動による操作に相当する。
図19および図20において、時系列データ表示領域91には、操作履歴データテーブル51に登録された操作履歴データの表示ブロック(以下、OPブロックと表記)100と、連絡事項データテーブル52に登録された連絡事項データの表示ブロック(以下、MEブロックと表記)101が表示される。これら各ブロック100、101は異なる表示色で表示される。また、OPブロック100内には文字「OP」を円で囲んだマーク102が、MEブロック101内には文字「ME」を正方形で囲んだマーク103がそれぞれ表示される。これらマーク102、103と表示色が異なることにより、各ブロック100、101は容易に識別可能である。
OPブロック100内には、操作履歴データテーブル51の医療従事者ID(オペレータ)の項目に医療従事者IDが登録された医療従事者の氏名(Dr(Doctorの略).Y、Dr.Z等)、取得日時、操作の内容、画像ID、並びに検査画像のサムネイル69等が表示される。操作の内容が「病変計測操作」の場合、サムネイル69には病変の領域Rが表示される。このように、OPブロック100の表示内容を閲覧すれば、どの医療従事者がどういった操作を実行したかが一目で分かる。
一方、MEブロック101内には、連絡事項データ52の医療従事者ID(送信先)の項目に医療従事者IDが登録された医療従事者の氏名(Dr.X、Ns(Nurseの略).H等)、医療従事者ID(受信先)の項目に医療従事者IDが登録された医療従事者の氏名(Dr.Y、Dr.N等)、取得日時、並びに連絡事項の内容が表示される。このように、MEブロック101の表示内容を閲覧すれば、どの医療従事者とどの医療従事者がどういった連絡を交わしたかが一目で分かる。
各ブロック100、101は、操作履歴データおよび連絡事項データの取得日時順、すなわち時系列に表示される。各ブロック100、101のうち、時系列データ表示領域91の最上段に表示されるものが最新のOPブロック100、または最新のMEブロック101である。
時系列データ表示領域91は、操作履歴データテーブル51または連絡事項データテーブル52に、データ管理部58により新たな操作履歴データまたは連絡事項データが登録される度に表示が更新される。具体的には、新たな操作履歴データまたは連絡事項データが登録された場合、それまで時系列データ表示領域91に表示されていた各ブロック100、101が下方に1段ずつずれ、これにより空白となった時系列データ表示領域91の最上段に最新のOPブロック100、または最新のMEブロック101が表示される。
図19では、図10に示す操作履歴ID「OP005」の内容「病変計測操作」の操作履歴データのOPブロック100が時系列データ表示領域91の最上段に表示された状態を示している。
ここで、操作履歴ID「OP005」の内容「病変計測操作」の操作履歴データは、データ管理部58で関連付けが済んでいない操作履歴データである。一方、この操作履歴データのOPブロック100以外の各ブロック100、101は、データ管理部58で関連付けが済んだ操作履歴データまたは連絡事項データのものである。このように、時系列データ表示領域91には、データ管理部58で関連付けが済んだ操作履歴データのOPブロック100または連絡事項データのMEブロック101と、関連付けが済んでいない操作履歴データのOPブロック100または連絡事項データのMEブロック101とが混在した状態で表示される。このため、時系列データ表示領域91の表示だけでは、どの操作履歴データと連絡事項データが関連付けられているかは定かではない。なお、データ管理部58で関連付けが済んでいない操作履歴データのOPブロック100または連絡事項データのMEブロック101は、太枠で囲われる等して他のブロックと異なる態様で表示される。
各ブロック100、101が一度に表示しきれない数となった場合、時系列データ表示領域91には縦スクロールバー104が表示される。縦スクロールバー104がカーソル70で操作されると、時系列データ表示領域91の表示が縦スクロールされる。
図20は、図19の表示状態から縦スクロールバー104を下方に移動させた時系列データ表示領域91の表示状態を示している。図20では、図19で非表示であった取得日時「2016.01.14 10:15」以前の各ブロック100、101が表示されている。
図21において、一括表示領域92には、エンベロープ表示領域90で選択されたENブロック95のエンベロープ内の操作履歴データと連絡事項データ、すなわちデータ管理部58で同じエンベロープIDが付されて関連付けられた操作履歴データのOPブロック100と連絡事項データのMEブロック101が一括して表示される。また、一括表示領域92の上部には、削除ボタン110、関連付けボタン111、およびキャンセルボタン112が設けられている。
時系列データ表示領域91と同じく、一括表示領域92においても各ブロック100、101は取得日時順に表示される。図21では、図17においてエンベロープID「EN003」で示す、グループ名「読影研修A」のENブロック95が選択されているので、エンベロープID「EN003」で関連付けられた、連絡事項ID「ME003」の連絡事項データのMEブロック101、および操作履歴ID「OP003」、「OP004」の操作履歴データの各OPブロック100が時系列に一括表示されている。この一括表示領域92の表示により、時系列データ表示領域91の表示では定かではなかった、どの操作履歴データと連絡事項データが関連付けられているかが明確となる。
一括表示領域92の各ブロック100、101は、カーソル70で選択することが可能である。一括表示領域92の各ブロック100、101をカーソル70で選択して削除ボタン110を選択すると、カーソル70で選択した各ブロック100、101が削除される。データ管理部58は、削除された各ブロック100、101の各データの各データテーブル51、52のエンベロープIDの項目を空欄とし、関連付け前の状態に戻す。
図22に示すように、時系列データ表示領域91の各ブロック100、101のうち、データ管理部58で関連付けが済んでいない操作履歴データのOPブロック100または連絡事項データのMEブロック101は、カーソル70により一括表示領域92にドラッグアンドドロップすることが可能である。一括表示領域92にドラッグアンドドロップすることが可能なブロック100、101は、診療支援サーバ13にアクセス中の医療従事者の操作による操作履歴データのOPブロック100または診療支援サーバ13にアクセス中の医療従事者が送信した連絡事項データのMEブロック101に限定される。
図22では、図10に示す操作履歴ID「OP005」の内容「病変計測操作」の操作履歴データのOPブロック100が一括表示領域92にドラッグアンドドロップされている様子を示している。
時系列データ表示領域91のブロック100、101が一括表示領域92にドラッグアンドドロップされた後、関連付けボタン111がカーソル70で選択された場合、ブラウザ制御部46から要求受付部55に関連付け要求が発行される。すなわち時系列データ表示領域91のブロック100、101を一括表示領域92にドラッグアンドドロップする操作と、関連付けボタン111の選択とが関連付け指示に相当する。
関連付け要求には、ドラッグアンドドロップされたOPブロック100の操作履歴データの操作履歴IDまたはドラッグアンドドロップされたMEブロック101の連絡事項データの連絡事項ID、並びにエンベロープ表示領域90で選択されたENブロック95のエンベロープのエンベロープIDが付される。なお、キャンセルボタン112がカーソル70で選択された場合は、一括表示領域92の表示が各ブロック100、101をドラッグアンドドロップする前の状態に戻される。
図23は、図21に示す表示状態から、図22に示すように操作履歴ID「OP005」の内容「病変計測操作」の操作履歴データのOPブロック100がドラッグアンドドロップされ、操作履歴ID「OP005」の操作履歴データがデータ管理部58により関連付けられた後の一括表示領域92の表示状態を示している。図23では、図21の連絡事項ID「ME003」の連絡事項データのMEブロック101、および操作履歴ID「OP003」、「OP004」の操作履歴データの各OPブロック100に加えて、新たに関連付けられた操作履歴ID「OP005」の操作履歴データのOPブロック100が最上段に表示されている。
以下、上記構成による作用について、図24〜図27のフローチャートを参照して説明する。まず医師等の医療従事者は、画像表示端末12を通じて診療支援サーバ13にアクセスして認証を行う。この際、医療従事者は、自らの医療従事者IDと認証キーを入力する。認証後、診療支援サーバ13では、画像表示端末12からの各種要求が要求受付部55で受け付けられる。
図24において、診療支援サーバ13では、第1取得部56で操作履歴データが取得される(ステップS100、第1取得ステップ)。取得された操作履歴データはデータ管理部58に受け渡され、データ管理部58により操作履歴データテーブル51に登録される(ステップS110)。
操作履歴データは、統合表示画面30のサムネイル69がカーソル70で選択された場合、すなわち検査画像の拡大表示操作がされた場合と、ビューア画面75の計測ボタン79がカーソル70で選択された場合、すなわち検査画像内の病変を計測する操作がされた場合にそれぞれ登録される。このため、操作履歴データを操作の種類に応じて区別することができ、診療の経緯を細かく辿ることができる。特に検査画像内に病変が複数存在する場合には、複数の病変を計測する複数の操作の履歴のデータの各々が、1つの操作履歴データとして登録されるので、「病変計測操作」の操作履歴データを各病変で区別することができ、診療の経緯をさらに細かく辿ることができる。
また、図25に示すように、第2取得部57で連絡事項データが取得される(ステップS200、第2取得ステップ)。取得された連絡事項データはデータ管理部58に受け渡され、データ管理部58により連絡事項データテーブル52に登録される(ステップS210)。
図26において、要求受付部55で関連付け要求が受け付けられた場合(ステップS300でYES)、データ管理部58により、操作履歴データと連絡事項データが関連付けられる(ステップS310、データ管理ステップ)。より具体的には、データ管理部58により、関連付け要求に含まれるエンベロープIDが、関連付け要求に含まれる操作履歴IDの操作履歴データのエンベロープIDの項目、または関連付け要求に含まれる連絡事項IDの連絡事項データのエンベロープIDの項目に登録される。
関連付け要求は、時系列データ表示領域91に表示された、データ管理部58で関連付けが済んでいない操作履歴データのOPブロック100または連絡事項データのMEブロック101を一括表示領域92にドラッグアンドドロップし、関連付けボタン111をカーソル70で選択するという関連付け指示により発行される。このため、簡単かつ直観的な操作で、操作履歴データと連絡事項データを関連付けることができる。
さらに、図27に示すように、要求受付部55でログ表示画面31の配信要求が受け付けられた場合(ステップS400でYES)、データ管理部58により、ログ表示画面31の生成に必要な操作履歴データ、連絡事項データ、およびエンベロープデータが操作履歴データテーブル51、連絡事項データテーブル52、およびエンベロープデータテーブル53からそれぞれ読み出され(ステップS410)、読み出された操作履歴データ、連絡事項データ、およびエンベロープデータが画面出力制御部60に出力される。
続いてステップS420に示すように、画面出力制御部60により、操作履歴データ、連絡事項データ、およびエンベロープデータに基づくログ表示画面31が生成され、生成されたログ表示画面31が配信要求の要求元の画像表示端末12に送信される(画面出力制御ステップ)。
ログ表示画面31の配信要求は、統合表示画面30に設けられたログ表示タグ85にカーソル70を合わせることで発行される。このため、統合表示画面30を閲覧しつつ、必要なときに手軽にログ表示画面31を閲覧することができ、医療従事者にとって利便性が高い。
ログ表示画面31の配信要求の配信元の画像表示端末12では、診療支援サーバ13からのログ表示画面31が、統合表示画面30とともにディスプレイ21に表示される。
ログ表示画面31のエンベロープ表示領域90にはENブロック95が表示される。時系列データ表示領域91にはOPブロック100とMEブロック101が時系列に表示される。さらに一括表示領域92には、エンベロープ表示領域90で選択されたENブロック95のエンベロープ内の操作履歴データと連絡事項データ、すなわちデータ管理部58で関連付けられた操作履歴データのOPブロック100と連絡事項データのMEブロック101が一括して表示される。
一括表示領域92にデータ管理部58で関連付けられた操作履歴データのOPブロック100と連絡事項データのMEブロック101を一括して表示するので、どの操作をどの連絡事項にしたがって行ったのかといった操作と連絡事項との因果関係を、医療従事者が一見して簡単に理解することが可能となる。したがって、効率よく診療の経緯を辿ることができ、診療の経緯の検討作業が大いに捗る。
また、時系列データ表示領域91によって、どの医療従事者がどういった操作を実行したか、あるいはどの医療従事者とどの医療従事者がどういった連絡を交わしたかが一目で分かる。このため、例えば医療施設全体の業務を管轄する管理者が時系列データ表示領域91を閲覧することで、各医療従事者のおおよその作業状況を把握することができる。
エンベロープ表示領域90にENブロック95を表示し、かつ一括表示領域92にエンベロープ表示領域90で選択されたENブロック95のエンベロープ内の操作履歴データのOPブロック100と連絡事項データのMEブロック101を表示するので、医療従事者は自らが属するグループに関係する操作履歴データと連絡事項データに簡単かつスピーディーにアクセスすることができる。
エンベロープ表示領域90のENブロック95を消去したい場合、医療従事者は、所望のENブロック95にカーソル70を合わせて右クリックし、編集・消去ダイアログ98の「消去」の選択肢をカーソル70で選択する。これによりENブロック95が消去される。このように、医療従事者の手動による操作に応じてENブロック95が消去されるので、入院患者が退院して治療チームが解散したり読影研修が終了する等して、エンベロープが不要となった場合に、直ちに不要となったENブロック95を消去することができる。
診療支援システム10は、カルテ表示画面25を表示するディスプレイ20を有する電子カルテ端末11を備えている。このため、電子カルテ端末11のディスプレイ20にカルテ表示画面25を表示してカルテ表示画面25を閲覧しつつ、画像表示端末12のディスプレイ21に統合表示画面30、およびログ表示画面31を表示して各表示画面30、31を閲覧するといった使い方ができる。1つのディスプレイに各表示画面25、30、31を表示して閲覧する場合よりも画面を切り替える操作が減り、各表示画面25、30、31の表示面積も十分確保することができるため、診療効率が向上する。また、元々画像表示画面26の閲覧専用であった画像表示端末12を、各表示画面30、31の閲覧にも使用するので、遊休設備を有効活用することができる。
なお、図13、図16に示す各表示画面30、31は、横長のディスプレイに応じたレイアウトとしているが、画像表示端末12の縦長のディスプレイ21で閲覧しやすいレイアウトに変更してもよい。
[第2実施形態]
図28〜図30に示す第2実施形態では、一括表示領域92において、診療支援サーバ13にアクセス中の医療従事者が関連付け指示を行った操作履歴データのOPブロック100または連絡事項データのMEブロック101と、診療支援サーバ13にアクセス中の医療従事者とは別の医療従事者が関連付け指示を行った操作履歴データのOPブロック100または連絡事項データのMEブロック101とを、異なる態様で表示する。
図28および図29において、本実施形態の操作履歴データテーブル115および連絡事項データテーブル116には、上記第1実施形態の各項目に加えて、医療従事者ID(関連付け)の項目が設けられている。医療従事者ID(関連付け)の項目には、当該操作履歴データまたは当該連絡事項データの関連付け指示を行った医療従事者の医療従事者IDが登録される。医療従事者ID(関連付け)の項目に登録される医療従事者IDは、認証の際に入力された医療従事者IDであり、関連付け要求に付される。
なお、図28および図29で図示を省略した、医療従事者ID(オペレータ)、画像ID、操作の内容、医療従事者ID(送信元)、医療従事者ID(受信先)、連絡事項の内容といった各項目には、上記第1実施形態の図10および図11に示す操作履歴データテーブル51および連絡事項データテーブル52と同じ内容が登録されている。
画面出力制御部60は、認証の際に入力された医療従事者IDと、操作履歴データテーブル115および連絡事項データテーブル116の医療従事者ID(関連付け)の項目に登録された医療従事者IDとに基づき、診療支援サーバ13にアクセス中の医療従事者が関連付け指示を行った操作履歴データのOPブロック100または連絡事項データのMEブロック101と、診療支援サーバ13にアクセス中の医療従事者とは別の医療従事者が関連付け指示を行った操作履歴データのOPブロック100または連絡事項データのMEブロック101とを、異なる態様で表示する。
図30は、図21と同じく、一括表示領域92に、連絡事項ID「ME003」の連絡事項データのMEブロック101、および操作履歴ID「OP003」、「OP004」の操作履歴データの各OPブロック100が時系列に一括表示された状態を示している。また、医療従事者ID「S020」の医療従事者が、診療支援サーバ13にアクセス中であった場合を示している。
この場合、連絡事項ID「ME003」の連絡事項データのMEブロック101が、診療支援サーバ13にアクセス中の医療従事者が関連付け指示を行った連絡事項データのMEブロック101に相当する。そして、操作履歴ID「OP003」、「OP004」の操作履歴データの各OPブロック100が、診療支援サーバ13にアクセス中の医療従事者とは別の医療従事者(この場合医療従事者ID「S010」の医療従事者)が関連付け指示を行った操作履歴データのOPブロック100に相当する。
この場合、画面出力制御部60は、連絡事項ID「ME003」の連絡事項データのMEブロック101に対して、ハッチングH2で示すように表示色を濃い色に変更する、点滅させる、文字を太字にする等の強調表示を施し、操作履歴ID「OP003」、「OP004」の操作履歴データの各OPブロック100と異なる態様で表示する。
こうすることで、診療支援サーバ13にアクセス中の医療従事者が関連付け指示を行った操作履歴データのOPブロック100または連絡事項データのMEブロック101と、診療支援サーバ13にアクセス中の医療従事者とは別の医療従事者が関連付け指示を行った操作履歴データのOPブロック100または連絡事項データのMEブロック101とを簡単に見分けることができる。したがって、自分がどういった操作および連絡をしたのかを瞬時に見極めることができる。
なお、図30とは逆に、診療支援サーバ13にアクセス中の医療従事者とは別の医療従事者が関連付け指示を行った操作履歴データのOPブロック100または連絡事項データのMEブロック101を強調表示してもよい。また、異なる態様で表示する方法としては、図30のように強調表示する方法に代えて、あるいは加えて、診療支援サーバ13にアクセス中の医療従事者が関連付け指示を行った操作履歴データのOPブロック100または連絡事項データのMEブロック101の表示面積を大きくしたり、診療支援サーバ13にアクセス中の医療従事者が関連付け指示を行った操作履歴データのOPブロック100または連絡事項データのMEブロック101を1つの枠にまとめて表示してもよい。
[第3実施形態]
上記第1実施形態では、編集・消去ダイアログ98の「消去」の選択肢をカーソル70で選択する、医療従事者の手動による操作に応じてENブロック95を消去しているが、図31に示す第3実施形態では、ログ表示画面31における表示期間に応じてENブロック95を消去する。
データ管理部58は、各ENブロック95のログ表示画面31における表示期間を監視する。表示期間は、現在日時からエンベロープデータテーブル53に登録された作成日時を引くことで得られる。表示期間が予め設定された期間(以下、設定期間と表記、例えば1週間)を経過した場合、データ管理部58は、当該エンベロープデータの表示設定の項目を「表示」から「消去」に変更する。
図31は、エンベロープID「EN100」のエンベロープデータの表示設定の項目を、表示期間が設定期間を経過した場合に「表示」から「消去」に変更する例を示している。画面出力制御部60は、表示設定の項目に「表示」が登録されたENブロック95を表示し、表示設定の項目に「消去」が登録されたENブロック95を消去するので、表示期間が設定期間を経過する前は表示されていた、エンベロープID「EN100」のエンベロープのENブロック95は、表示期間が設定期間を経過した場合、点線で示すように自動的に消去される。
このように、ログ表示画面31における表示期間に応じてENブロック95を消去するので、医療従事者の手動による操作に頼ることなく、自動的にENブロック95を消去することができる。
なお、設定期間は一律同じでなくともよく、エンベロープの作成時に医療従事者が設定期間を設定可能としてもよい。また、表示期間が設定期間を経過した場合に、ENブロック95を消去してよいか否かを医療従事者に問い合わせるダイアログを表示してもよい。
[第4実施形態]
図32〜図34に示す第4実施形態では、グループの属性に応じてENブロック95を消去する。
図32において、本実施形態のエンベロープデータテーブル120には、上記第1実施形態の各項目に加えて、グループ属性の項目が設けられている。グループ属性の項目には、各エンベロープに対応するグループの属性が登録される。グループ属性としては、入院患者の治療チーム等、入院患者を対象としたグループである場合の「入院患者」と、読影研修等、検査画像の読影に関するグループである場合の「読影」の2種類がある。グループ属性は、エンベロープの作成画面においてグループ名等とともに入力され、エンベロープの作成要求に付される。
図33において、表121は、各グループ属性についてエンベロープを消去するタイミングを登録したもので、ストレージデバイス35Bに記憶されている。グループ属性「入院患者」には「退院時」が、グループ属性「読影」には「確定診断時」が、それぞれエンベロープを消去するタイミングとして登録されている。なお、確定診断とは、読影の結果に基づいて、主治医が対象患者の病名を最終的に決定することをいう。対象患者が退院したか否か、および対象患者に確定診断が下されたか否かは、カルテデータ18から取得することができる。
データ管理部58は、表121に基づいて、エンベロープデータテーブル120の表示設定の項目を変更する。具体的には、データ管理部58は、対象患者が退院した場合に、グループ属性「入院患者」のエンベロープデータの表示設定の項目を「表示」から「消去」に変更する。また、対象患者に確定診断が下された場合に、グループ属性「読影」のエンベロープデータの表示設定の項目を「表示」から「消去」に変更する。
図34は、エンベロープID「EN006」、グループ属性「読影」のエンベロープデータの表示設定の項目を、確定診断時に「表示」から「消去」に変更する例を示している。この場合、エンベロープID「EN006」のエンベロープのENブロック95は、確定診断時に点線で示すように自動的に消去される。
本実施形態も上記第3実施形態と同じく、医療従事者の手動による操作に頼ることなく、自動的にENブロック95を消去することができる。また、グループで必要なくなったタイミングに合わせてENブロック95を消去することができる。
なお、グループ属性としては、上記で例示した「入院患者」、「読影」の他に、外来患者を対象としたグループの属性である「外来患者」等を追加してもよい。グループ属性が「外来患者」の場合のエンベロープを消去するタイミングとしては、単純に次回の来院予定日の確定時や会計時とする。あるいは、今回の来院日から次回の来院予定日までの期間が予め設定された期間未満の場合はエンベロープを消去せず、今回の来院日から次回の来院予定日までの期間が予め設定された期間以上の場合は会計時にエンベロープを消去する等、今回の来院日から次回の来院予定日までの期間に応じてエンベロープを消去するタイミングを変えてもよい。
[第5実施形態]
図35〜図38に示す第5実施形態では、操作履歴データの閲覧権限のデータである閲覧権限データを取得し、閲覧権限データに応じて操作履歴データの表示を制御する。
本実施形態では、検査画像のサムネイル69をカーソル70で選択する、あるいはビューア画面75の計測ボタン79をカーソル70で選択するといった検査結果に関する操作を実行した場合に、図35に示す閲覧権限設定ダイアログ125が統合表示画面30上に表示される。
閲覧権限設定ダイアログ125は、当該実行した操作の操作履歴データの閲覧権限を設定するためのものである。閲覧権限設定ダイアログ125には、操作履歴データの閲覧権限を、エンベロープデータテーブル53の医療従事者ID(構成員)の項目に医療従事者IDが登録された医療従事者(以下、グループ構成員と表記)のみとするか、医療施設内の医療従事者全員とするかの二者択一の選択肢が用意されている。ブラウザ制御部46は、閲覧権限設定ダイアログ125の各選択肢のうちのいずれがカーソル70で選択されたかを、閲覧権限データとして操作履歴データの登録要求に付す。
図36において、本実施形態の診療支援サーバ13のCPU37Bには、上記第1実施形態の各部55〜60に加えて、第3取得部126が構築される。この場合、要求受付部55は、閲覧権限データを含む操作履歴データの登録要求を、第3取得部126に出力する。第3取得部126は、要求受付部55からの操作履歴データの登録要求に含まれる閲覧権限データを取得し、取得した閲覧権限データをデータ管理部58に受け渡す。
データ管理部58は、第3取得部126からの閲覧権限データを操作履歴データテーブル127に登録する。また、データ管理部58は、ログ表示画面31の配信要求に応じて、操作履歴データテーブル127から閲覧権限データを含む操作履歴データを読み出し、読み出した操作履歴データを画面出力制御部60に出力する。なお、図36では、第1取得部56、第2取得部57、診療データ取得部59、連絡事項データテーブル52、エンベロープデータテーブル53等は図示を省略している。
図37において、本実施形態の操作履歴データテーブル127には、上記第1実施形態の各項目に加えて、閲覧権限データを登録するための閲覧権限の項目が設けられている。閲覧権限の項目には、閲覧権限設定ダイアログ125でグループ構成員の選択肢が選択され、閲覧権限データがグループ構成員であった場合は「グループ構成員」、閲覧権限設定ダイアログ125で全員の選択肢が選択され、閲覧権限データが全員であった場合は「全員」が、それぞれデータ管理部58により登録される。
図37では、操作履歴ID「OP001」、「OP002」の操作履歴データの閲覧権限が「全員」、操作履歴ID「OP003」、「OP004」の操作履歴データの閲覧権限が「グループ構成員」の場合を例示している。なお、図37で図示を省略した、医療従事者ID(オペレータ)、画像ID、操作の内容といった各項目には、上記第1実施形態の図10に示す操作履歴データテーブル51と同じ内容が登録されている。
画面出力制御部60は、閲覧権限データに応じて操作履歴データの表示を制御する。具体的には、時系列データ表示領域91において、閲覧権限の項目に「グループ構成員」が登録された操作履歴データのOPブロック100を、グループ構成員がアクセス中であった場合は表示し、グループ構成員以外の医療従事者がアクセス中であった場合は非表示とする。
図37の例の場合、閲覧権限の項目に「グループ構成員」が登録された操作履歴ID「OP003」、「OP004」の操作履歴データは、エンベロープID「EN003」のエンベロープに属している。このため、エンベロープID「EN003」のエンベロープのグループ構成員以外(医療従事者ID「S010」と「S020」の医療従事者以外)の医療従事者が診療支援サーバ13にアクセスしてログ表示画面31を表示した場合、図38に示すように、時系列データ表示領域91において操作履歴ID「OP003」、「OP004」の操作履歴データのOPブロック100が非表示とされる。エンベロープID「EN003」のエンベロープのグループ構成員がアクセスしていた場合には、上記第1実施形態の図19および図20に示した表示がなされる。
このように、グループ構成員のみで共有すれば用が足りる操作履歴データの閲覧権限をグループ構成員とすれば、グループ構成員以外の医療従事者にとっては、自分と関係ない操作履歴データのOPブロック100が非表示とされるため、ログ表示画面31がすっきりとした見た目となる。また、グループ構成員にとっては、自分と関係ある操作履歴データのOPブロック100が必ず表示されるため、関連付け指示等がしやすくなる。また、対象患者の病状の相談等、秘匿性を必要とする連絡事項を遣り取りする場合に便利である。
なお、グループ構成員のうちの特定の医療従事者、あるいはグループ構成員とグループ構成員以外の医療従事者のうちの各科の監督者、各科の監督者のみ等、閲覧権限をより細かく設定可能としてもよい。また、操作を実行した医療従事者が読影研修医の場合は他の読影医全員の閲覧を許可したり、操作を実行した医療従事者が各科の監督者の場合はその科の医療従事者全員の閲覧を許可する等、操作を実行した医療従事者の属性に応じて閲覧権限を設定してもよい。さらに、操作履歴データだけでなく、連絡事項データの閲覧権限を設定可能としてもよい。
[第6実施形態]
図39〜図41に示す第6実施形態では、医療従事者が自身に向けて発した備忘録のデータである備忘録データを取得し、操作履歴データと連絡事項データに加えて、備忘録データも一括表示領域92に表示する。
図39において、本実施形態の診療支援サーバ13のCPU37Bには、上記第1実施形態の各部55〜60に加えて、第4取得部130が構築される。この場合、要求受付部55は、備忘録データの登録要求を第4取得部130に出力する。備忘録データの登録要求は、連絡事項の入力画面において、備忘録の内容が入力された後に、医療従事者ID(受信先)が入力されることなく送信ボタンがカーソル70で選択された場合に、ブラウザ制御部46から要求受付部55に発行される。第4取得部130は、要求受付部55からの備忘録データの登録要求に含まれる備忘録データを取得し、取得した備忘録データをデータ管理部58に受け渡す。
データ管理部58は、第4取得部130からの備忘録データを、ストレージデバイス35Bに記憶された備忘録データテーブル131に登録する。また、データ管理部58は、ログ表示画面31の配信要求に応じて、備忘録データテーブル131から備忘録データを読み出し、読み出した備忘録データを画面出力制御部60に出力する。なお、図39では、図36と同様に、第1取得部56、第2取得部57、診療データ取得部59、操作履歴データテーブル51、連絡事項データテーブル52、エンベロープデータテーブル53等は図示を省略している。
図40において、備忘録データテーブル131には、備忘録ID、取得日時、医療従事者ID(作成者)、内容、およびエンベロープIDの各項目が設けられている。
備忘録IDは、個々の備忘録データを識別するための記号および番号である。備忘録IDは、操作履歴ID等と同じく、備忘録データの登録時にデータ管理部58により自動的に付される。取得日時の項目には、第4取得部130で備忘録データを取得した日時が登録される。医療従事者ID(作成者)の項目には、当該備忘録を作成した医療従事者の医療従事者IDが登録される。医療従事者ID(作成者)の項目に登録される医療従事者IDは、医療従事者ID(オペレータ)等と同じく、認証の際に入力された医療従事者IDである。
内容の項目には、備忘録の具体的な内容が登録される。例えば備忘録ID「MM001」の備忘録データには、「○×さんのBNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド;Brain Natriuretic Peptide)高めなので注意が必要。」といった、患者の容態に注意が必要である旨が登録されている。また、備忘録ID「ME003」の備忘録データには、「□○さんのCT 病変は2か所。」といった、読影の際に気付いた点が登録されている。
備忘録データも、エンベロープIDにより操作履歴データおよび連絡事項データと関連付けられる。このため、エンベロープIDの項目には、操作履歴データテーブル51等の場合と同様に、データ管理部58で関連付けが済んだ備忘録データの場合は当該備忘録データが属するエンベロープのエンベロープIDが登録され、関連付けが済んでいない備忘録データの場合は何も登録されない。なお、備忘録データテーブル131のこれら各項目のうち、医療従事者ID(作成者)、および内容は備忘録データの登録要求に含まれている。
画面出力制御部60は、ログ表示画面31に、各ブロック100、101に加えて、備忘録データの表示ブロック(以下、MMブロックと表記)も表示する。この場合、時系列データ表示領域91に表示されたMMブロックは、上記第1実施形態の各ブロック100、101と同じく、一括表示領域92にドラッグアンドドロップすることが可能であり、このドラッグアンドドロップの操作によって、備忘録データ、操作履歴データ、および連絡事項データを関連付けることができる。
図41は、本実施形態の一括表示領域92の表示例として、エンベロープID「EN003」で関連付けられた、連絡事項ID「ME003」の連絡事項データのMEブロック101、および操作履歴ID「OP003」、「OP004」の操作履歴データの各OPブロック100に加えて、備忘録ID「MM003」の備忘録データのMMブロック132が表示された一括表示領域92を示す。MMブロック132は、各ブロック100、101とは異なる表示色で表示され、また、MMブロック132内には文字「MM」を正五角形で囲んだマーク133が表示される。
このように、操作履歴データと連絡事項データに加えて、備忘録データも一括表示領域92に表示すれば、操作と連絡事項の因果関係に加えて、これらと備忘録との因果関係も一見して簡単に理解することが可能となり、診療の経緯をより効率よく辿ることができる。
上記各実施形態では、検査結果に関する操作として、検査画像のサムネイル69をカーソル70で選択する操作と、ビューア画面75の計測ボタン79をカーソル70で選択する操作を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば図42に示すように、ビューア画面75において、検査画像表示領域76の検査画像にアノテーション135を付加する操作等を、検査結果に関する操作としてもよい。
また、上記各実施形態では、医療検査の検査結果として、画像検査の検査結果である検査画像を例示したが、画像検査以外の医療検査、例えばバイタルサイン、血液検査、尿検査等の検査結果でもよい。こうした場合、例えば統合表示画面30において血液検査の検査値の一覧を表示するウィンドウを拡大表示する操作が、検査結果に関する操作とされる。
さらに、統合表示画面30およびビューア画面75における操作を検査結果に関する操作とするのではなく、画像表示端末12から画像サーバ16に画像表示画面26の配信要求を発行するための配信指示を、検査結果に関する操作と見なしてもよい。また、画像表示画面26に、ビューア画面75と同様の病変計測機能がある場合は、画像表示画面26における病変計測操作を、検査結果に関する操作と見なしてもよい。
画像表示画面26に関する操作を検査結果に関する操作と見なす場合は、画像表示端末12から診療支援サーバ13に直接操作履歴データの登録要求を発行する代わりに、画像サーバ16経由で診療支援サーバ13に操作履歴データの登録要求を発行してもよい。
上記第1実施形態では、一括表示領域92にドラッグアンドドロップすることが可能なブロック100、101を、診療支援サーバ13にアクセス中の医療従事者の操作による操作履歴データのOPブロック100または診療支援サーバ13にアクセス中の医療従事者が送信した連絡事項データのMEブロック101に限定しているが、診療支援サーバ13にアクセス中の医療従事者とは別の医療従事者の操作による操作履歴データのOPブロック100または診療支援サーバ13にアクセス中の医療従事者とは別の医療従事者が送信した連絡事項データのMEブロック101も、診療支援サーバ13にアクセス中の医療従事者がドラッグアンドドロップすることが可能としてもよい。
上記第1実施形態では、関連付け指示として、時系列データ表示領域91のブロック100、101を一括表示領域92にドラッグアンドドロップする操作と関連付けボタン111を選択する操作を例に挙げたが、関連付けボタン111を選択する操作を省略し、ブロック100、101をドラッグアンドドロップする操作のみを関連付け指示としてもよい。また、時系列データ表示領域91のブロック100、101を、一括表示領域92ではなくエンベロープ表示領域90のENブロック95にドラッグアンドドロップする操作を関連付け指示としてもよい。
関連付け指示はドラッグアンドドロップする操作を含んでいなくともよい。例えば時系列データ表示領域91のブロック100、101にチェックボックスを設け、チェックボックスの選択を関連付け指示としてもよい。あるいは時系列データ表示領域91のブロック100、101に通し番号を表示し、通し番号の入力を関連付け指示としてもよい。
上記各実施形態のログ表示画面31の表示態様は一例であり、適宜変更することが可能である。例えばエンベロープ表示領域90と時系列データ表示領域91をログ表示画面31とは別の画面に表示してもよい。また、時系列データ表示領域91をスクロール表示形式ではなく階層タブ表示形式としてもよい。階層タブ表示形式では、各ブロック100、101が1つのタブに表示しきれない数となった場合にタブを新設し、新設したタブを今まで最上層であったタブに重ねていく。
ENブロック95の恣意的な編集・消去を避けるため、ENブロック95の編集・消去の権限をもつ医療従事者を選定してもよい。この場合、編集・消去ダイアログ98は、診療支援サーバ13にアクセス中の医療従事者が、Nブロック95の編集・消去の権限をもつ医療従事者であった場合にのみ表示される。
本発明の診療支援装置に相当する診療支援サーバ13を構成するコンピュータのハードウェア構成は種々の変形が可能である。例えば、診療支援サーバ13を、処理能力および信頼性の向上を目的として、ハードウェアとして分離された複数台のサーバコンピュータで構成することも可能である。例えば、要求受付部55、第1取得部56、第2取得部57の機能と、データ管理部58の機能と、診療データ取得部59および画面出力制御部60の機能とを、3台のサーバコンピュータに分散して担わせる。この場合は3台のサーバコンピュータで診療支援装置を構成する。
また、上記第1実施形態では、診療支援サーバ13で各表示画面30、31を生成し、診療支援サーバ13からの各表示画面30、31の画面データに基づいて、画像表示端末12側で各表示画面30、31を再現してディスプレイ21に表示する態様を例示したが、各表示画面30、31の生成の元となるデータを診療支援サーバ13から画像表示端末12に送信し、画像表示端末12側で各表示画面30、31を生成してもよい。この場合、画面出力制御部60は画像表示端末12のCPU37Aに構築される。
さらに、診療支援サーバ13のCPU37Bに構築した各機能部を画像表示端末12のCPU37Aに構築し、画像表示端末12を診療支援装置として稼働させてもよい。この場合、要求受付部55は、配信要求等に代えて、GUI制御部45からの指示を直接受け付ける。また、画面出力制御部60は、生成した各表示画面30、31をGUI制御部45に出力する。また、電子カルテサーバ15または画像サーバ16を診療支援装置として稼働させてもよい。
このように、コンピュータのハードウェア構成は、処理能力、安全性、信頼性等の要求される性能に応じて適宜変更することができる。さらに、ハードウェアに限らず、作動プログラム50等のアプリケーションプログラムについても、安全性および信頼性の確保を目的として、二重化したり、あるいは、複数のストレージデバイスに分散して格納することももちろん可能である。
上記各実施形態では、診療支援サーバ13を1つの医療施設内で利用する形態で説明したが、診療支援サーバ13を複数の医療施設が利用可能な形態としてもよい。
上記各実施形態では、診療支援サーバ13は、1つの医療施設内に設置される画像表示端末12がLAN等のネットワーク14を介して通信可能に接続され、画像表示端末12からの配信要求に応じた各表示画面30、31を提供する形態である。これを複数の医療施設で利用可能とするためには、診療支援サーバ13を、例えば、インターネットあるいは公衆通信網等のWAN(Wide Area Network)を介して、複数の医療施設に設置される各画像表示端末12と通信可能に接続する。そして、複数の医療施設の各画像表示端末12からの配信要求を、WANを介して診療支援サーバ13で受け付けて、各画像表示端末12に対して各表示画面30、31を提供する。なお、WANを利用する場合には、情報セキュリティを考慮して、VPN(Virtual Private Network)を構築したり、HTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)等のセキュリティレベルの高い通信プロトコルを使用することが好ましい。
なお、この場合はカルテデータ18、画像データ19、操作履歴データ、連絡事項データ、エンベロープデータは医療施設毎に管理される。また、この場合の診療支援サーバ13の設置場所および運営主体は、例えば医療施設とは別の会社が運営するデータセンタでもよいし、複数の医療施設のうちの1つでもよい。
本発明の診療支援装置は、少なくともログ表示画面31の出力を制御する機能を有していればよく、上記各実施形態の画面出力制御部60のように統合表示画面30の出力を制御する機能を必ずしも併せもっていなくともよい。また、ログ表示画面31の配信先は、上記各実施形態の画像表示画面26の表示機能をもつ画像表示端末12に限らない。画像表示画面26の表示機能をもたない医療従事者端末をログ表示画面31の配信先としてもよい。
本発明は、上述の種々の実施形態あるいは種々の変形例を適宜組み合わせることも可能である。また、上記各実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の構成を採用し得ることはもちろんである。さらに、本発明は、プログラムに加えて、プログラムを記憶する記憶媒体にも及ぶ。