JP2002093770A - シール機構付処理装置 - Google Patents

シール機構付処理装置

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JP2002093770A
JP2002093770A JP2001197044A JP2001197044A JP2002093770A JP 2002093770 A JP2002093770 A JP 2002093770A JP 2001197044 A JP2001197044 A JP 2001197044A JP 2001197044 A JP2001197044 A JP 2001197044A JP 2002093770 A JP2002093770 A JP 2002093770A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シール性の向上及び寿命の増大を図れるよう
にした処理装置におけるシール機構を提供すること。 【解決手段】 被処理体を保持した保持手段を内筒体2
5(処理室23)内に収容し、内筒体25又は第1の固
定壁34で密封した状態で、被処理体に処理流体を接触
させて処理を施す処理装置において、内筒体25又は第
1の固定壁34との閉塞部における内筒体25又は第1
の固定壁34のいずれか一方に、可撓性を有する中空パ
ッキン100,101を二重に配設し、各中空パッキン
100,101の中空部102に、圧力検出スイッチ1
10及び開閉弁105を介して加圧空気供給源103を
接続して、中空パッキン100,101を伸縮させてシ
ール状態又は非シール状態に切り換える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、シール機構付処
理装置に関するもので、更に詳細には、例えば半導体ウ
エハやLCD用ガラス基板等の被処理体を密封雰囲気の
処理室内に収容して処理流体例えば薬液、リンス液ある
いは乾燥流体、反応性ガス等を接触して処理を施すシー
ル機構付処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体デバイスの製造工程やL
CD製造工程においては、シール機構を有する処理装置
の一つとして半導体ウエハやLCD用ガラス等の被処理
体(以下にウエハ等という)に付着したレジストやドラ
イ処理後の残渣(ポリマ等)を除去するために、処理液
やガス等の処理流体を用いる洗浄・乾燥処理装置が広く
採用されている。ここでいう処理液とは、例えば有機溶
剤あるいは有機酸や無機酸等の薬液とリンス液等で、ガ
スとは乾燥ガスや雰囲気コントロールガス等のことをい
う。
【0003】従来のこの種の洗浄・乾燥処理装置とし
て、例えば、一側方にウエハ等の搬入・搬出用の開口を
有する処理室と、この処理室内に配設されると共に、ウ
エハ等を収容したキャリアを回転する保持手段例えばロ
ータと、処理室の開口部を閉塞する閉塞手段例えば蓋
と、ウエハ等に対して液体を供給する液体供給手段と、
ウエハ等に対してガスを供給するガス供給手段と、を具
備する洗浄・乾燥装置が知られている。
【0004】上記洗浄・乾燥処理装置において、ウエハ
等に対して処理流体を接触して処理を施す際には、処理
室外部に処理流体が漏れるのを防止するために、処理室
と閉塞手段(蓋)とをシール機構によって気水密にする
必要がある。そこで、従来では、処理室又は閉塞手段
(蓋)のいずれか一方に、シール部材を配設して処理室
と閉塞手段(蓋)間の気水密の維持を図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
シール機構においては、シール部材が一重構造であるた
め、シール性能の向上が必要であり、何等かの原因でシ
ール部分が破損したりシール効果が発揮できなくなる
と、処理流体や処理流体として高温の液体やガスを用い
た場合の蒸気が外部に漏れるという問題があった。ま
た、処理流体として高温の液体やガスを用いた場合、シ
ール部材も高温雰囲気に晒されるため、シール部材に耐
熱性の良い材質を使用しなければならず、シール部材の
材質が限定される。更には、シール時と非シール時に動
作する部分をシールするため、シール時に加圧流体によ
りシール部材を膨張させてシールすることも検討される
が、これにおいては寿命が短い等の問題が考えられ、若
し、シール部材が破損した場合の対策も必要であった。
【0006】この発明は上記事情に鑑みなされたもの
で、シール性の向上及び寿命の増大を図れるようにした
処理装置におけるシール機構を提供することを目的とす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、被処理体を保持した保持手
段を処理室内に収容し、処理室を閉塞手段で密封した状
態で、上記被処理体に処理流体を接触させて処理を施す
処理装置において、 上記処理室と閉塞手段との閉塞部
における処理室又は閉塞手段のいずれか一方に、可撓性
を有する中空シール部材を二重に配設し、 上記各中空
シール部材の中空部に、圧力検出手段及び開閉手段を介
して加圧流体供給源を接続してなることを特徴とする。
【0008】この発明において、上記加圧流体供給源を
気体供給源とすることができ(請求項2)、また、加圧
流体供給源を、冷却水供給源にて形成し、上記中空シー
ル部材の中空部に、排水管を接続してもよい(請求項
3)。この場合、排水管に、開閉手段と流量調整手段と
を並列状に介設する方が好ましい(請求項4)。
【0009】このように構成することにより、二重の中
空シール部材の中空部に加圧流体供給源から加圧流体例
えば空気や不活性ガス等の気体を供給して中空シール部
材を膨脹させてシールすることができ、このときの加圧
状態を圧力検出手段にて監視することができる。したが
って、万一、一方の中空シール部材が破損してシール効
果を発揮しなくなった場合には、その状態を圧力検出手
段によって検知することができる。しかも、一方の中空
シール部材が破損しても他方の中空シール部材によって
シール性を維持することができ、シール部全体の寿命の
増大が図れると共に、シール性の向上及び安全性の向上
が図れる(請求項1,2)。
【0010】また、加圧流体として冷却水を用いて中空
シール部材の中空部内に冷却水を流すことによって、高
熱処理におけるシール部材の温度上昇を抑制して、シー
ル部材自体の寿命を増大させることができる(請求項
3)。この場合、排水管に、開閉手段と流量調整手段と
を並列状に介設することによって、冷却水の排水量を調
節してシール状態と非シール状態にすることができると
共に、シール時と非シール時にも冷却水を流すことがで
きる(請求項4)。また、シール部材が破損した場合に
開閉手段を開放して冷却水を速やかに排水することがで
きる(請求項4)。
【0011】請求項5記載の発明は、被処理体を保持し
た保持手段を処理室内に収容し、処理室を閉塞手段で密
封した状態で、上記被処理体に処理流体を接触させて処
理を施す処理装置において、 上記処理室と閉塞手段と
の閉塞部における処理室又は閉塞手段のいずれか一方
に、処理室側又は閉塞手段側に向かって変形可能な変形
中空シール部材を配設し、 上記変形中空シール部材
に、開閉切換手段を介して圧力調整手段を接続してなる
ことを特徴とする。
【0012】請求項6記載の発明は、被処理体を保持し
た保持手段を処理室内に収容し、処理室を閉塞手段で密
封した状態で、上記被処理体に処理流体を接触させて処
理を施す処理装置において、 上記処理室と閉塞手段と
の閉塞部における処理室又は閉塞手段のいずれか一方
に、処理室側又は閉塞手段側に向かって変形可能な変形
中空シール部材を二重に配設し、 上記各変形中空シー
ル部材の中空部に、圧力検出手段及び開閉切換手段を介
して圧力調整手段を接続してなることを特徴とする。
【0013】請求項5又は6記載の発明において、上記
圧力調整手段を、気体供給源あるいは、吸引装置にて形
成することができる(請求項7,8)。
【0014】このように構成することにより、変形可能
な変形中空シール部材に圧力調整手段からの小さな圧
力、例えば加圧あるいは負圧によって変形中空シール部
材を変形させて、シール状態と非シール状態とを切り換
えることができる。したがって、加圧流体によって膨張
するシール部材に比べて摩耗が少なくなるので、シール
部材の寿命の増大を図ることができる(請求項5)。
【0015】また、二重の変形中空シール部材の中空部
に圧力調整手段からの圧力、例えば加圧あるいは負圧に
よってシール部材を変形させて、シールすることがで
き、このときの加圧あるいは負圧状態を圧力検出手段に
て監視することができる。したがって、万一、一方の変
形中空シール部材が破損してシール効果を発揮しなくな
った場合には、その状態を圧力検出手段によって検知す
ることができる。しかも、一方の変形中空シール部材が
破損しても他方の変形中空シール部材によってシール性
を維持することができ、シール部全体の寿命の増大が図
れると共に、シール性の向上及び安全性の向上が図れる
(請求項6)。
【0016】請求項9記載の発明は、請求項1又は6記
載の処理装置におけるシール機構において、 上記二重
中空シール部材(変形中空シール部材)間に、漏れ検出
手段を介して排気手段を接続してなることを特徴とす
る。
【0017】このように構成することにより、中空シー
ル部材のシール状況を監視することができる。また、排
気量を増やすことにより、処理室と閉塞手段が引き合わ
されて密接させることができ、より一層シール性の向上
を図ることができる。
【0018】請求項10記載の発明は、被処理体を保持
した保持手段を処理室内に収容し、処理室を閉塞手段で
密封した状態で、上記被処理体に処理流体を接触させて
処理を施す処理装置において、 上記処理室と閉塞手段
との閉塞部における処理室又は閉塞手段のいずれか一方
に、可撓性を有する中空シール部材を配設し、 上記中
空シール部材は、可撓性を有し内部に中空部を有する外
側シール部材と、この外側シール部材の中空部内に配設
され、可撓性を有し内部に中空部を有する内側シール部
材とを有し、 上記外側シール部材の中空部及び内側シ
ール部材の中空部に、開閉手段を介して加圧流体供給源
を接続してなることを特徴とする。
【0019】このように構成することにより、外側シー
ル部材が繰り返し加わる機械的負荷や薬品の化学作用に
よって劣化し、亀裂が生じても内側シール部材によって
シールを確保することができる。
【0020】請求項11記載の発明は、請求項10記載
のシール機構付処理装置において、少なくとも上記外側
シール部材の中空部に、冷却された加圧流体を供給可能
に形成してなることを特徴とする。
【0021】このように構成することにより、外側シー
ル部材と内側シール部材との間の中空部内に冷却された
加圧流体が供給されるので、中空シール部材の過熱を防
止することができる。
【0022】請求項12記載の発明は、請求項10記載
のシール機構付処理装置において、上記内側シール部材
の中空部と外側シール部材の中空部に、同圧の加圧流体
を供給可能に形成してなることを特徴とする。
【0023】このように構成することにより、外側シー
ル部材の中空部と内側シール部材の中空部の双方に同圧
の加圧流体が供給されるので、内側シール部材は内側か
らの力と外側からの力が釣り合った状態となり、負荷が
加わらない。したがって、内側シール部材には機械的疲
労や劣化が生じにくく寿命の増大を図ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施の形態を
図面に基づいて詳細に説明する。この実施形態では半導
体ウエハの洗浄・乾燥処理装置にこの発明に係るシール
機構を適用した場合について説明する。
【0025】図1はこの発明に係るシール機構を適用し
た洗浄・乾燥処理システムの一例を示す概略平面図であ
る。
【0026】上記洗浄・乾燥処理システムは、被処理体
である半導体ウエハW(以下にウエハWという)の複数
枚例えば25枚を収納する容器例えばキャリア1を搬
入、搬出するための搬入・搬出部2と、ウエハWを液処
理すると共に乾燥処理する処理部3と、搬入・搬出部2
と処理部3との間に位置してウエハWの受渡し、位置調
整及び姿勢変換等を行うインターフェース部4とで主に
構成されている。なお、搬入・搬出部2とインターフェ
ース部4の側方には、空のキャリア1を一時収納するキ
ャリアストック5と、キャリア1をクリーニングするキ
ャリアクリーナ6が配設されている。
【0027】上記搬入・搬出部2は、洗浄・乾燥処理装
置の一側端部に配置されており、キャリア搬入部2aと
キャリア搬出部2bが併設されている。
【0028】上記インターフェース部4には、キャリア
載置台7が配置されており、このキャリア載置台7と、
搬入・搬出部2との間には、キャリア搬入部2aから受
け取ったキャリア1をキャリア載置台7又はキャリアス
トック5上に搬送し、キャリア載置台7上のキャリア1
をキャリア搬出部2b又はキャリアストック5へ搬送す
るキャリア搬送手段8が配設されている。また、インタ
ーフェース部4には、処理部3と連なる搬送路9が設け
られており、この搬送路9にウエハ搬送手段例えばウエ
ハ搬送チャック10が移動自在に配設されている。この
ウエハ搬送チャック10は、キャリア載置台7上のキャ
リア1内から未処理のウエハWを受け取った後、処理部
3に搬送し、処理部3にて処理された処理済みのウエハ
Wをキャリア1内に搬入し得るように構成されている。
【0029】一方、上記処理部3には、ウエハWに付着
するレジストやポリマ等を除去するこの発明に係る処理
装置20が配設されている。
【0030】上記処理装置20は、図2に示すように、
ウエハWを保持する回転可能な保持手段例えばロータ2
1と、このロータ21を水平軸を中心として回転駆動す
る駆動手段であるモータ22と、ロータ21にて保持さ
れたウエハWを包囲する複数例えば2つの処理室(第1
の処理室,第2の処理室)を形成する内チャンバ23,
外チャンバ24と、これら内チャンバ23又は外チャン
バ24内に収容されたウエハWに対して処理流体例えば
レジスト剥離液,ポリマ除去液等の薬液の供給手段5
0、この薬液の溶剤例えばイソプロピルアルコール(I
PA)の供給手段60、リンス液例えば純水等の処理液
の供給手段(リンス液供給手段)70又は例えば窒素
(N2)等の不活性ガスや清浄空気等の乾燥気体(乾燥
流体)の供給手段80{図2では薬液供給手段50と乾
燥流体供給手段80を示す。}と、内チャンバ23を構
成する内筒体25と外チャンバ24を構成する外筒体2
6をそれぞれウエハWの包囲位置とウエハWの包囲位置
から離れた待機位置に切り換え移動する移動手段例えば
第1,第2のシリンダ27,28及びウエハWを上記ウ
エハ搬送チャック10から受け取ってロータ21に受け
渡すと共に、ロータ21から受け取ってウエハ搬送チャ
ック10に受け渡す被処理体受渡手段例えばウエハ受渡
ハンド29とで主要部が構成されている。
【0031】上記のように構成される処理装置20にお
けるモータ22、処理流体の各供給手段50,60,7
0,80{図2では薬液供給手段50と乾燥流体供給手
段80を示す。}の供給部、ウエハ受渡ハンド29等は
制御手段例えば中央演算処理装置30(以下にCPU3
0という)によって制御されている。
【0032】また、図3に示すように、上記ロータ21
は、水平に配設されるモータ22の駆動軸22aに片持
ち状に連結されて、ウエハWの処理面が鉛直になるよう
に保持し、水平軸を中心として回転可能に形成されてい
る。この場合、ロータ21は、モータ22の駆動軸22
aにカップリング22bを介して連結される回転軸21
Aを有する第1の回転板21aと、この第1の回転板2
1aと対峙する第2の回転板21bと、第1及び第2の
回転板21a,21b間に架設される複数例えば4本の
固定保持棒31と、これら固定保持棒31に列設された
保持溝(図示せず)によって保持されたウエハWの上部
を押さえる図示しないロック手段及びロック解除手段に
よって押え位置と非押え位置とに切換移動する一対の押
え棒32とで構成されている。また、ロータ21の回転
軸21Aは、ベアリング33を介して第1の固定壁34
に回転可能に支持されており、第1の固定壁側のベアリ
ング33に連接するラビリンスシール35によってモー
タ22側に発生するパーティクル等が処理室内に侵入し
ないように構成されている(図3参照)。なお、モータ
22は、第1の固定壁34に連設される固定筒体36内
に収納されている。また、モータ22は、予めCPU3
0に記憶されたプログラムに基づいて所定の回転数を選
択的に行い得るように制御されている。
【0033】なお、モータ22は過熱される虞があるの
で、モータ22には、過熱を抑制するための冷却手段3
7が設けられている。この冷却手段37は、図2に示す
ように、モータ22の周囲に配管される循環式冷却パイ
プ37aと、この冷却パイプ37aの一部と冷却水供給
パイプ37bの一部を配設して、冷却パイプ37a内に
封入される冷媒液を冷却する熱交換器37cとで構成さ
れている。この場合、冷媒液は、万一漏洩してもモータ
22が漏電しないような電気絶縁性でかつ熱伝導性の良
好な液、例えばエチレングリコールが使用されている。
また、この冷却手段37は、図示しない温度センサによ
って検出された信号に基づいて作動し得るように上記C
PU30によって制御されている。なお、冷却手段37
は必ずしも上記のような構造である必要はなく、例えば
空冷式あるいはペルチェ素子を用いた電気式等任意のも
のを使用することができる。
【0034】一方、処理室例えば内チャンバ23(第1
の処理室)は、閉塞手段である第1の固定壁34と、こ
の第1の固定壁34と対峙する閉塞手段である第2の固
定壁38と、これら第1の固定壁34及び第2の固定壁
38との間にそれぞれ後述するシール機構40(40A
〜40D)を構成する第1及び第2のシール部材40
a,40bを介して係合する内筒体25とで形成されて
いる。すなわち、内筒体25は、移動手段である第1の
シリンダ27の伸張動作によってロータ21とウエハW
を包囲する位置まで移動されて、第1の固定壁34との
間に第1のシール部材40aを介してシールされると共
に、第2の固定壁38との間に第2のシール部材40b
を介してシールされた状態で内チャンバ23(第1の処
理室)を形成する(図2及び図3参照)。また、第1の
シリンダ27の収縮動作によって固定筒体36の外周側
位置(待機位置)に移動されるように構成されている。
この場合、内筒体25の先端開口部は第1の固定壁34
との間に第2のシール部材40bを介してシールされ、
内筒体25の基端部は固定筒体36の中間部に周設され
たフランジ部36aに第1のシール部材40aを介して
シールされて、内チャンバ23内に残存する薬液の雰囲
気が外部に漏洩するのを防止している。
【0035】また、外チャンバ24(第2の処理室)
は、待機位置に移動された内筒体25との間に第2のシ
ール部材40bを介在する第1の固定壁34と、第2の
固定壁38と、第2の固定壁38と内筒体25との間に
それぞれ第3及び第4のシール部材40c,40dを介
して係合する外筒体26とで形成されている。すなわ
ち、外筒体26は、移動手段である第2のシリンダ28
の伸張動作によってロータ21とウエハWを包囲する位
置まで移動されて、第2の固定壁38との間に第3のシ
ール部材40cを介してシールされると共に、外筒体2
6の基端部外方に位置する第4のシール部材40dを介
してシールされた状態で、外チャンバ24(第2の処理
室)を形成する。また、第2のシリンダ28の収縮動作
によって固定筒体36の外周側位置(待機位置)に移動
されるように構成されている。この場合、外筒体26と
内筒体25の基端部間には第4のシール部材40dが介
在されて、シールされている。したがって、内チャンバ
23の内側雰囲気と、外チャンバ24の内側雰囲気と
は、互いに気水密な状態に離隔されるので、両チャンバ
23,24内の雰囲気が混じることなく、異なる処理流
体が反応して生じるクロスコンタミネーションを防止す
ることができる。
【0036】上記のように構成される内筒体25と外筒
体26は共に一端に向かって拡開するテーパ状に形成さ
れており、同一水平線上に対峙する第1の固定壁34、
第2の固定壁38及び装置側壁39に架設された互いに
平行な複数(例えば3本)のガイドレール(図示せず)
に沿って摺動可能に取り付けられており、上記第1及び
第2のシリンダ27,28の伸縮動作によって同心上に
互いに出没可能及び重合可能に形成されている。このよ
うに内筒体25及び外筒体26を、一端に向かって拡開
するテーパ状に形成することにより、処理時に内筒体2
5又は外筒体26内でロータ21が回転されたときに発
生する気流が拡開側へ渦巻き状に流れ、内部の薬液等が
拡開側へ排出し易くすることができる。また、内筒体2
5と外筒体26とを同一軸線上に重合する構造とするこ
とにより、内筒体25と外筒体26及び内チャンバ23
及び外チャンバ24の設置スペースを少なくすることが
できると共に、装置の小型化が図れる。
【0037】なお、上記内筒体25及び外筒体26はス
テンレス鋼にて形成されている。また、内筒体25の外
周面には例えばポリテトラフルオロエチレン(テフロン
(登録商標))等の断熱層が形成されており、この断熱
層によって内チャンバ23内で処理に供される薬液及び
薬液の蒸気が冷えるのを防止し得るように構成されてい
る。
【0038】一方、シール機構40を構成する上記第1
ないし第4のシール部材40a〜40dは、シールする
対象物すなわち内筒体25、外筒体26、第1の固定壁
34、第2の固定壁35の一方に膨隆可能又は変形可能
に装着される例えばエチレン・プロピレン・ジエン・ゴ
ム(EPDM)やカルレッツ(商品名)等の耐熱性、耐
薬品性、耐候性等に富む合成ゴム製の中空パッキンにて
形成されており、圧縮空気を封入することにより膨脹又
は変形して、対象物(内筒体25、外筒体26、第1の
固定壁34、第2の固定壁35)をシールし、圧縮空気
の供給を停止すると共に、排気することにより、シール
が解除され、内筒体25あるいは外筒体26が移動し得
るようになっている。
【0039】以下に、シール機構40について、図5〜
図12を参照して詳細に説明する。図5は、この発明に
係るシール機構40の第一実施形態のシール前の状態を
示す概略断面図、図6は、第一実施形態のシール状態を
示す概略断面図である。
【0040】上記シール機構40は、上記中空シール部
材40a〜40d(以下に中空シール部材40aを代表
して説明する。)を、例えば上記内筒体25の端部内周
面部に、取付ねじ200をもって取り付けられる2個の
取付ブロック300を介して二重に配設される中空シー
ル部材100,101(以下に中空パッキン100,1
01という)を具備してなり、各中空パッキン100,
101の中空部102に空気供給管104を介して圧力
流体供給源例えば空気供給源103が接続されている。
この場合、両中空パッキン100,101を同じ材質に
してもよいが、耐熱性、耐薬品性を考慮して外側と内側
の中空パッキン100,101を別の材質、例えば、カ
ルレッツ(商品名)やEPDM等にしてもよい。
【0041】なお、取付ブロック300に設けられた通
路301及びこの通路301に連通するように内筒体2
5に設けられた連通路25aを介して空気供給管104
が接続されている。そして、各空気供給管104には、
空気供給源103から中空パッキン100,101に向
かって順に、開閉手段である開閉弁105,蓄圧器10
6,逆止弁107と可変絞り108とで構成される流量
調整弁109、圧力検出手段である圧力検出スイッチ1
10が介設されている。なお、圧力検出スイッチ110
は、制御手段例えば中央演算処理装置400(以下にC
PU400という)に電気的に接続されており、この圧
力検出スイッチ110にて検出された検出信号がCPU
400に伝達され、CPU400から例えばアラーム等
の信号が発せるようになっている。
【0042】上記のように構成されるシール機構40に
よれば、図5に示す非シール状態では、開閉弁105は
閉じて空気供給源103からの空気の供給が停止してお
り、中空パッキン100,101は収縮した状態で第1
の固定壁34から後退している。したがって、内筒体2
5は、中空パッキン100,101に接触することなく
使用位置と待機位置に移動することができる。また、図
6に示すシール状態では、開閉弁105が開放して空気
供給源103からの供給される空気が蓄圧器106に蓄
えられた空気の相乗作用によって加圧されて中空パッキ
ン100,101の中空部102内に供給され、この圧
縮空気によって中空パッキン100,101が膨脹して
第1の固定壁34に密接して、内筒体25と第1の固定
壁34との間の気水密を維持することができる。このシ
ール状態において、万一、中空パッキン100,101
の一方が破損したとしても、他方の中空パッキン100
又は101によってシール状態は維持されるので、第1
の処理室(内チャンバ23)内の雰囲気が外部に漏れる
恐れはない。なお、この場合、中空パッキン100,1
01の中空部102内の圧力が低下するので、圧力検出
スイッチ110が減圧状態を検出して、その検出信号を
CPU400に伝達することができ、CPU400から
の制御信号(アラーム等)によって中空パッキン10
0,101の破損等を検知することができる。これによ
り、例えば次の処理の前に破損した中空パッキン10
0,101を交換あるいは補修することができる。
【0043】図7は、この発明に係るシール機構の第二
実施形態を示す概略断面図である。第二実施形態は、シ
ール機構40Aのシール性を更に向上させると共に、シ
ール状況を監視するようにした場合である。すなわち、
両中空パッキン100,101間に、漏れ検出手段であ
るガスセンサ111を介して排気手段112を接続した
場合である。なお、ガスセンサ111は上記CPU40
0に電気的に接続されており、中空パッキン100,1
01のシール効果の低下を検知(監視)できるようにな
っている。なお、液体の漏れを検知(監視)するとき
は、上記ガスセンサ111に代えて液センサを用いれば
よい。
【0044】なお、第二実施形態において、その他の部
分は、上記第一実施形態と同じであるので、同一部分に
は同一符号を付して、説明は省略する。
【0045】このように、中空パッキン100,101
間に、漏れ検出用のガスセンサ111を介して排気手段
112を接続することにより、処理中すなわち中空パッ
キン100,101によるシール状態において、常時排
気手段112によって両中空パッキン100,101間
を排気すなわち真空引きするので、中空パッキン10
0,101のシール機能が低下して中空パッキン10
0,101間から処理室(内チャンバ23)内の雰囲気
ガスが漏れた場合にはガスセンサ111によって検出す
ることができる。また、排気手段112の排気量を増や
すことによって内筒体25と第1の固定壁34が引き合
わされて両中空パッキン100,101のシール効果を
助長することができる。
【0046】また、この実施の形態にあっては、図5及
び図6に示す実施形態と同様に、圧力検出スイッチ11
0が設けられているから、圧力低下を検知することによ
ってパッキンの破損、圧力漏れ等を判断することもでき
る。したがって、漏れチェックを二重に行うことがで
き、シールを確実なものにすることができる。
【0047】図8は、この発明に係るシール機構の第三
実施形態を示す概略断面図である。第三実施形態は、シ
ール機構40Bに冷却機能をもたせると共に、中空パッ
キン100,101自体の寿命の増大を図れるようにし
た場合である。
【0048】すなわち、上記中空パッキン100,10
1の中空部102に冷却水供給管120を介して加圧流
体供給源である冷却水供給源121を接続する一方、中
空パッキン100,101の中空部102に、排水管1
22を接続した場合である。この場合、冷却水供給管1
20には、冷却水供給源121から中空パッキン10
0,101側に向かって順に、開閉手段である開閉弁1
05A、圧力検出手段であるフローメータ123が介設
されている。そして、フローメータ123は、上記第一
及び第二実施形態と同様に上記CPU400に電気的に
接続されており、中空パッキン100,101が破損等
した場合を検出し得るようになっている。また、排水管
122には、開閉手段であるドレン弁124と流量調整
手段である可変絞り125とが並列状に介設されてい
る。
【0049】上記のように構成されるシール機構40B
によれば、開閉弁105Aを開放して冷却水供給源12
1から冷却水を中空パッキン100,101の中空部1
02内に供給して中空パッキン100,101を膨脹さ
せて第1の固定壁(図示せず)に密接させてシールする
ことができる。また、中空パッキン100,101の中
空部102内に供給された冷却水は可変絞り125によ
って所定の流量が常時ドレン側に排水されているので、
中空パッキン100,101は冷却水によって冷却され
る。したがって、高温度下における処理室(内チャンバ
23)内の温度による中空パッキン100,101の温
度上昇を抑制することができるので、シール部材自体の
寿命を増大させることができる。また、排水管122
に、ドレン弁124と可変絞り125とが並列状に介設
されているので、冷却水の排水量を調節することがで
き、非シール時はドレン弁124を用いて冷却水を流通
させることもできると共に、シール時に万一、中空パッ
キン100,101が破損した場合にドレン弁124を
開放して冷却水を速やかに排水することができる。した
がって、冷却水が処理室(内チャンバ23)内に侵入す
ることはない。
【0050】なお、第三実施形態において、その他の部
分は上記第一及び第二実施形態と同じであるので、同一
部分には同一符号を付して、説明は省略する。
【0051】図9は、この発明に係るシール機構の第四
実施形態の非シール状態及びシール状態を示す概略断面
図である。第四実施形態は、中空シール部材(中空パッ
キン)を小さな加圧流体圧によって変形させてシールさ
せるようにした場合である。
【0052】すなわち、第四実施形態のシール機構40
Cは、第1の固定壁(図示せず){閉塞手段}側に向か
って変形可能な変形中空パッキン130(図9(a)参
照)を内筒体25に配設し、変形中空パッキン130の
中空部102に、開閉切換手段である開閉切換弁140
を介して圧力調整手段例えば空気供給源141を接続し
た場合である。この場合、変形中空パッキン130は、
非加圧状態(非シール状態)において常時断面凹状例え
ば断面略M字状に形成されている。なお、この場合、変
形中空パッキン130と空気供給源141とを接続する
空気供給管142には、空気供給源141側から変形中
空パッキン130側に向かって上記第一実施形態と同様
に、流量調整弁109と圧力検出スイッチ110(圧力
検出手段)が介設されている。そして、圧力検出スイッ
チ110は、CPU400に電気的に接続されている。
【0053】このように、非加圧状態において、断面略
M字状の変形中空パッキン130の中空部102に、開
閉切換弁140、圧力検出スイッチ110を介して空気
供給源141を接続することにより、内筒体25の待機
時や移動時に、開閉切換弁140を排気側に切り換え
て、空気供給源141からの加圧空気の供給を停止して
変形中空パッキン130を断面略M字状にすることがで
き、変形中空パッキン130を内筒体25と非接触とす
ることができる(図9(a)参照)。また、内筒体25
が、使用位置に移動された状態において、開閉切換弁1
40を加圧側に切り換えると、空気供給源141から変
形中空パッキン130の中空部102内に加圧空気が供
給されて、変形中空パッキン130が凸状に変形して、
第1の固定壁34の外周面に密接し、内筒体25と第1
の固定壁34とをシールすることができる(図9(b)
参照)。このシール状態において、上記第一実施形態と
同様に、圧力検出スイッチ110とCPU400によっ
て変形中空パッキン130の破損やシール効果の低下等
が監視されている。なお、処理が終了した後、開閉切換
弁140を排気側に切り換えれば、変形中空パッキン1
30は再び断面略M字状に変形して、第1の固定壁34
の外周面と非接触となる。
【0054】したがって、第四実施形態のシール機構4
0Cによれば、空気供給源141からの小さな加圧空気
の供給によって、変形中空パッキン130が凸状に変形
してシール状態を維持するので、シール状態が確実とな
り、一重の変形中空パッキン130によってシールする
ことができる。また、変形中空パッキン130の中空部
102内の空気を排気すると、変形中空パッキン130
が断面略M字状に変形するので、第1の固定壁34との
非接触状態が確実になるので、内筒体25の移動の際、
変形中空パッキン130が第1の固定壁34(閉塞手
段)に接触して摩耗することがなくなり、変形中空パッ
キン130の寿命の増大を図ることができる。
【0055】なお、上記説明では、変形中空パッキン1
30が一重に配設される場合について説明したが、図1
0に示すように、上記第一実施形態及び第二実施形態と
同様に、内筒体25の端部内周面部に、変形中空パッキ
ン130を二重に配設することによって更にシール機構
40Cの信頼性を高めることができる。この場合、各変
形中空パッキン130の中空部102には、それぞれ空
気供給管104を介して空気供給源141が接続され、
空気供給管104には、上述したように、空気供給源1
41から変形中空パッキン130側に向かって順に、開
閉切換弁140、流量調整弁109,圧力検出スイッチ
110が介設されている。
【0056】また、図10に示す、変形中空パッキン1
30を二重に配設した形態においても、上記第二実施形
態と同様に、両変形中空パッキン130間に、ガスセン
サ111(漏れ検出手段)を介して排気手段112を接
続する方が好ましい。なお、ガスセンサ111は上記C
PU400に電気的に接続されており、中空パッキン1
00,101のシール効果の低下を検知(監視)できる
ようになっている。
【0057】なお、第四実施形態において、その他の部
分は、上記第一実施形態、第二実施形態と同じであるの
で、同一部分には同一符号を付して、説明は省略する。
【0058】なお、上記第四実施形態では、変形中空パ
ッキン130は、非加圧状態(非シール状態)では、加
圧空気が供給されずに断面略M字状に形成される場合に
ついて説明したが、変形中空パッキン130の断面形状
は必ずしも略M字状である必要はなく、例えば断面略U
字状であってもよい。
【0059】また、上記第四実施形態では、変形中空パ
ッキン130が常時断面凹状例えば断面略M字状に形成
され、加圧状態(シール状態)では変形中空パッキン1
30が凸状に変形する場合について説明したが、非加圧
状態(非シール状態)と加圧状態(シール状態)の形状
が逆になる変形中空パッキンを用いたシール機構40D
としてもよい。
【0060】例えば、上記変形中空パッキン130に代
えて、常時断面凸状例えば断面略逆U字状の変形中空パ
ッキン130Aを内筒体25の端部内周壁に配設し、こ
の変形中空パッキン130Aの中空部102に、空気吸
引管151を介して吸引装置150を接続すると共に、
空気吸引管151に開閉手段である開閉弁105Bを介
設してもよい(図11参照)。なお、この場合、空気吸
引管151には、開閉弁105Bと変形中空パッキン1
30Aとの間に、上記第四実施形態と同様に、流量調整
弁109及び圧力検出スイッチ110が介設され、圧力
検出スイッチ110には上記CPU400が電気的に接
続されている。
【0061】このように構成することにより、非加圧状
態(非シール状態)においては、開閉弁105Bを開放
することにより、変形中空パッキン130Aの中空部1
02内の空気を吸引装置150によって吸引して、変形
中空パッキン130Aを変形させることができる(図1
1(b)参照)。また、開閉弁105Bを閉じると、変
形中空パッキン130Aが断面凸状に復元するので、こ
れによって加圧状態(シール状態)にすることができる
(図11(A)参照)。
【0062】また、上記断面略逆U字状の変形中空パッ
キン130Aに代えて、図12に示すような、常時シー
ル可能な蛇腹状の変形中空パッキン130Bを用いても
よい。なお、図11において、その他の部分は、図11
と同じであるので、同一部分には同一符号を付して、説
明は省略する。
【0063】なお、上記説明では、中空パッキン10
0,101、変形中空パッキン130,130A,13
0Bを内筒体25に配設する場合について説明したが、
内筒体25の閉塞対象物となる第1の固定壁34あるい
は第2の固定壁38に中空パッキン100,101、変
形中空パッキン130,130A,130Bを配設して
もよい。
【0064】また、上記説明では、シール機構40、4
0A〜40Dを第1のシール部材40aを代表して説明
したが、その他の第2〜第4のシール部材40b〜40
dにおいても同様に上記シール機構40、40A〜40
Dを適用することができる。
【0065】次に、上記のようなシール機構の他の例に
ついて説明する。
【0066】図13ないし図16は、中空シール部材を
構成する二重中空パッキンを示す図である。図13に示
す二重中空パッキン701は、外側シール部材である外
側パッキン703と内側シール部材である内側パッキン
705とを有し、外側パッキン703と内側パッキン7
05との間の空間707(中空部)には、冷却された加
圧流体が供給され、内側パッキン705の内側の空間7
09(中空部)には常温の加圧流体が供給される。この
ようにすることによってパッキンの過熱を防止し、パッ
キンの寿命を向上させることができる。なお、内側パッ
キン705の内側の空間にも、冷却された加圧流体を供
給すれば、更にパッキンの過熱を防止することができ
る。
【0067】図14ないし図16に示す二重中空パッキ
ン711は、耐薬品性を有する外側パッキン713と耐
薬品性と特に有しない内側パッキン715とからなり、
外側パッキン713と内側パッキン715との間に空間
717を有すると共に、内側パッキン715の内側に空
間719とを有している。この場合、空間717は、開
閉手段である開閉弁712を介設した供給管路714を
介して加圧流体供給源721が接続され、また、空間7
19は、開閉手段である開閉弁716を介設した供給管
路718を介して加圧流体供給源723が接続されてい
る。
【0068】このような構成において、通常は、空間7
17と空間719の両方に加圧流体供給源721,72
3からそれぞれ同圧の加圧流体が供給される。この状態
では、空間717と空間719に同じ圧力が加わるた
め、内側パッキン715は、内側からの力と外側からの
力が釣り合った状態にあり、負荷が加わらない。このた
め、内側パッキン715には機械的疲労や劣化が生じに
くく長寿命を維持できる。他方、耐薬品性を有する外側
パッキン713はシール面Sに押圧されてシール作用を
行う。
【0069】なお、図14ないし図16においては、2
つの加圧流体供給源721,723が設けられている
が、これに限る必要はなく、一つの加圧流体供給源から
分岐して空間717と空間719にそれぞれ至る供給管
路を形成し、加圧流体を供給するようにしてもよい。こ
のようにすれば、より簡単な構成で同圧の加圧流体を空
間717,空間719に供給することができる。
【0070】この状態で、外側パッキン713が繰り返
し加わる機械的負荷や薬品の化学作用によって劣化し、
亀裂を生じたとする。すると、図15に示すように、内
側パッキン715が、圧力の減少した空間717側へ膨
張し、図16に示すように、外側パッキン713を介し
てシール面Sを押圧する。したがって、外側パッキン7
13が破れても直ちに内側パッキン715が膨張してと
りあえずシールを確保することができる。
【0071】このように、この二重中空パッキン711
にあっては、外側パッキン713は耐薬品性にする必要
があるが、臨時的に使用される内側パッキン715は通
常の材質で十分であり、したがってコストを削減でき
る。また、外側パッキン713が破損すると、自動的に
内側パッキン715がシール機能を果たすことになるの
で、機械を停止する必要がなく、機械の稼働率を向上さ
せることができる。
【0072】図17及び図18は、中空パッキン731
に切換弁733を介して加圧気体供給源735を接続す
ると共に、切換弁737を介して真空源739を接続し
たものである。このシール機構においては、シール時に
は、切換弁733を開き、切換弁737を閉じることに
よって、積極的に中空パッキン731を膨張させてシー
ルを行い、非シール時には、切換弁737を開き、切換
弁733を閉じることによって、積極的に中空パッキン
731を収縮させ、シールを解除する。このようにする
と、中空パッキン731に特別な剛性を必要としないた
め、中空パッキン731の肉厚や材質等に関する設計の
自由度を向上させることができる。
【0073】図19は、シール面Sと接する側に、凸稜
741を設けた中空パッキン743を示したものであ
る。このようにすることによって、凸稜741を確実に
シール面Sに押圧することができ、シール性能を向上さ
せることができる。
【0074】図20及び図21は、中空パッキン751
を保持する取付ブロック753に冷却用流体を通過させ
る冷却流体通路755を設けたものである。この取付ブ
ロック753には、中空パッキン751内部へ窒素(N
2)や空気等の加圧流体を供給する加圧流体通路757
が半径方向に形成され、この加圧流体通路757には加
圧流体供給源758が接続されている。この加圧流体通
路757の周方向の両側には、例えば冷却された純水を
注入、排出する冷却流体注入口759と冷却流体排出口
761がそれぞれ設けられており、上記冷却流体通路7
55が、冷却流体注入口759からリング状の取付ブロ
ック753の内部を通って冷却流体排出口761まで形
成されている。このような構成にすることによって、中
空パッキン751を根本側から冷却することが可能とな
るので、パッキンの過熱を防止し寿命を向上させること
ができる。
【0075】なお、以上図13ないし図21に説明した
パッキン、シール機構を、図5ないし図10に説明した
シール機構に適宜適用することも可能である。
【0076】なお、上記処理流体供給手段のうち、薬液
例えばポリマ除去液の供給手段50は、図2、図3及び
図4に示すように、内筒体25内に取り付けられる薬液
供給ノズル51と、薬液供給部52と、この薬液供給ノ
ズル51と薬液供給部52とを接続する薬液供給管路5
3に介設されるポンプ54、フィルタ55、温度調整器
56、薬液供給弁57を具備してなる。この場合、薬液
供給部52は、薬液供給源58と、この薬液供給源58
から供給される新規の薬液を貯留する薬液供給タンク5
2aと、処理に供された薬液を貯留する循環供給タンク
52bとで構成されており、両薬液供給タンク52a,
52bには、上記内チャンバ23の拡開側部位の下部に
設けられた第1の排液ポート41に第1の排液管42が
接続され、第1の排液管42には、図示しない切換弁
(切換手段)を介して循環管路90が接続されている。
なお、内チャンバ23の拡開側部位の上部には、第1の
排気ポート43が設けられており、この第1の排気ポー
ト43には、図示しない開閉弁を介設した第1の排気管
44が接続されている。また、両供給タンク52a,5
2bの外部には温度調整用ヒータ52cが配設されて、
供給タンク52A,52b内の薬液が所定の温度に維持
されるようになっている。また、薬液供給ノズル51
は、ロータ21にて保持された複数例えば25枚のウエ
ハW全体に均一に薬液を供給し得るように、最側端のウ
エハWの外方及び各ウエハW間に位置する26個のノズ
ル孔(図示せず)を有するシャワーノズルにて形成され
ており、かつ各ノズル孔から薬液が略扇形状に噴射され
るように構成されている。したがって、薬液供給ノズル
51のノズル孔から、ロータ21と共に回転するウエハ
に向かって薬液を供給することにより、ロータ21に保
持された複数例えば25枚のウエハWに均一に薬液を供
給することができる。ここで、ロータ21には25枚の
ウエハWがキャリア1に収納されていた時と同じ間隔で
保持されている場合を説明したが、キャリア収納時の間
隔の半分で例えば50枚をロータ21に保持させること
もある。この場合は、ノズル孔は51個となる。
【0077】薬液の溶剤例えばIPAの供給手段60
は、図4に示すように、内筒体25内に取り付けられる
上記薬液供給ノズルを兼用する供給ノズル51(以下に
薬液供給ノズル51で代表する)と、溶剤供給部61
と、この供給ノズル51と薬液供給部52とを接続する
IPA供給管路62に介設されるポンプ54A、フィル
タ55A、IPA供給弁63を具備してなる。ここでい
う薬液の溶剤とは薬液と反応することなく、その後の工
程で使用されるリンス液とも反応することがない液体
で、この薬液の溶剤により、ウエハWやチャンバに付着
した薬液を大まかに洗い流すことができるものであれば
よい。この場合、溶剤供給部61は、溶剤例えばIPA
の供給源64と、このIPA供給源64から供給される
新規のIPAを貯留するIPA供給タンク61aと、処
理に供されたIPAを貯留する循環供給タンク61bと
で構成されており、両IPA供給タンク61a,61b
には、上記内チャンバ23の拡開側部位の下部に設けら
れた第1の排液ポート41に接続する第1の排液管42
に図示しない切換弁(切換手段)を介して循環管路90
が接続されている。
【0078】一方、リンス液例えば純水の供給手段70
は、図2,図3及び図4に示すように、第2の固定壁3
8に取り付けられる純水供給ノズル71と、純水供給源
72と、純水供給ノズル71と純水供給源72とを接続
する純水供給管路73に介設される供給ポンプ74、純
水供給弁75とを具備してなる。この場合、純水供給ノ
ズル71は、内チャンバ23の外側に位置すると共に、
外チャンバ24の内側に位置し得るように配設されてお
り、内筒体25が待機位置に後退し、外筒体26がロー
タ21とウエハWを包囲する位置に移動して外チャンバ
24を形成した際に、外チャンバ24内に位置して、ウ
エハWに対して純水を供給し得るように構成されてい
る。
【0079】また、外チャンバ24の拡開側部位の下部
には、第2の排液ポート45が設けられており、この第
2の排液ポート45には、図示しない開閉弁を介設した
第2の排液管46が接続されている。なお、第2の排液
管46には、純水の比抵抗値を検出する比抵抗計47が
介設されており、この比抵抗計47によってリンス処理
に供された純水の比抵抗値を検出し、その信号を上記C
PU30に伝達するように構成されている。したがっ
て、この比抵抗計47でリンス処理の状況を監視し、適
正なリンス処理が行われた後、リンス処理を終了するこ
とができる。
【0080】なお、上記外チャンバ24の拡開側部位の
上部には、第2の排気ポート48が設けられており、こ
の第2の排気ポート48には、図示しない開閉弁を介設
した第2の排気管49が接続されている。
【0081】また、乾燥流体供給手段80は、図2、図
3及び図4に示すように、第2の固定壁38に取り付け
られる乾燥流体供給ノズル81と、乾燥流体例えば窒素
(N2)供給源82と、乾燥流体供給ノズル81とN2供
給源82とを接続する乾燥流体供給管路83に介設され
る開閉弁84、フィルタ85、N2温度調整器86とを
具備してなり、かつ乾燥流体供給管路83におけるN2
温度調整器86の二次側に切換弁87を介して上記IP
A供給管路62から分岐される分岐管路88を接続して
なる。この場合、乾燥流体供給ノズル81は、上記純水
供給ノズル71と同様に内チャンバ23の外側に位置す
ると共に、外チャンバ24の内側に位置し得るように配
設されており、内筒体25が待機位置に後退し、外筒体
26がロータ21とウエハWを包囲する位置に移動して
外チャンバ24を形成した際に、外チャンバ24内に位
置して、ウエハWに対してN2ガスとIPAの混合流体
を霧状に供給し得るように構成されている。この場合、
N2ガスとIPAの混合流体で乾燥した後に、更にN2ガ
スのみで乾燥する。なお、ここでは、乾燥流体がN2ガ
スとIPAの混合流体である場合について説明したが、
この混合流体に代えてN2ガスのみを供給するようにし
てもよい。
【0082】なお、上記薬液供給手段50、IPA供給
手段60、純水供給手段70及び乾燥流体供給手段80
におけるポンプ54,54A、温度調整器56,N2温
度調整器86、薬液供給弁57、IPA供給弁63及び
切換弁87は、CPU30によって制御されている(図
2参照)。
【0083】なお、上記のように構成される処理装置2
0は、上方にフィルタユニット(図示せず)を有する処
理空間内に配設されて、常時清浄空気がダウンフローさ
れている。
【0084】次に、上記洗浄・乾燥処理装置の動作態様
について説明する。まず、搬入・搬出部2のキャリア搬
入部2aに搬入された未処理のウエハWを収納したキャ
リア1を、キャリア搬送手段8によってキャリア載置台
7上に搬送する。次に、ウエハ搬送チャック10がキャ
リア載置台7上に移動して、キャリア1内からウエハW
を搬出し、受け取ったウエハWを処理部3の処理装置2
0の上方、すなわち、内筒体25及び外筒体26が待機
位置に後退した状態のロータ21の上方位置まで搬送す
る。すると、ウエハ受渡ハンド29が上昇して、ウエハ
搬送チャック10にて搬送されたウエハWを受け取り、
その後、下降してウエハWをロータ21の固定保持棒3
1上に受け渡した後、ウエハ受渡ハンド29は元の位置
に移動する。ロータ21の固定保持棒31上にウエハW
を受け渡した後、図示しないロック手段が作動してウエ
ハ押え棒32がウエハWの上側縁部まで移動してウエハ
Wの上部を保持する。
【0085】上記のようにしてロータ21にウエハWが
セットされると、内筒体25及び外筒体26がロータ2
1及びウエハWを包囲する位置まで移動して、内チャン
バ23内にウエハWを収容する。なお、内筒体25及び
外筒体26が移動するときは、シール機構40,40A
〜40Dのシール部材40a〜40dすなわち中空パッ
キン100,101、変形中空パッキン130,130
A,130Bは非シール状態になっており、第1の固定
壁34や第2の固定壁38とは非接触となっている。ま
た、内筒体25及び外筒体26が移動した後は、シール
機構40,40A〜40Dの中空パッキン100,10
1、変形中空パッキン130,130A,130Bはシ
ール状態となる。
【0086】シール機構40,40A〜40Dがシール
状態になると、まず、ウエハWに薬液を供給して薬液処
理を行う。この薬液処理は、ロータ21及びウエハWを
低速回転例えば1〜500rpmで回転させた状態で所
定時間例えば数十秒間薬液を供給した後、薬液の供給を
停止し、その後、ロータ21及びウエハWを数秒間高速
回転例えば100〜3000rpmで回転させてウエハ
W表面に付着する薬液を振り切って除去する。この薬液
供給工程と薬液振り切り工程を数回から数千回繰り返し
て薬液処理を完了する。なお、シール機構40,40A
〜40Dのシール状態において、中空パッキン100,
101、変形中空パッキン130,130A,130B
のシール状態を、上記圧力検出スイッチ110、ガスセ
ンサ111等で監視し、中空パッキン100,101や
変形中空パッキン130,130A,130Bが万一破
損したり、シール効果が低下した場合、CPU400に
て検知することができる。
【0087】上記薬液処理工程において、最初に供給さ
れる薬液は、循環供給タンク52b内に貯留された薬液
が使用され、この最初に使用された薬液は第1の排液管
42から廃棄され、以後の処理に供される薬液は供給タ
ンク52b内に貯留された薬液を循環供給する。そし
て、薬液処理の最後に、薬液供給源58から供給タンク
52a内に供給された新規の薬液が使用されて、薬液処
理が終了する。
【0088】なお、薬液処理工程の際には、薬液処理に
供された薬液は第1の排液ポート41に排出され、切換
弁(図示せず)の動作によって薬液供給部52の循環管
路45又は第1の排液管42に排出される一方、薬液か
ら発生するガスは第1の排気ポート43を介して第1の
排気管44から排気される。
【0089】薬液処理を行った後、内チャンバ23内に
ウエハWを収容したままの状態で、IPA供給手段60
のIPAの供給ノズルを兼用する薬液供給ノズル51か
ら低速回転例えば1〜500rpmで回転させた状態で
所定時間例えば数十秒間IPAを供給した後、IPAの
供給を停止し、その後、ロータ21及びウエハWを数秒
間高速回転例えば100〜3000rpmで回転させて
ウエハW表面に付着するIPAを振り切って除去する。
このIPA供給工程とIPA振り切り工程を数回から数
千回繰り返して薬液除去処理を完了する。この薬液除去
処理においても、上記薬液処理工程と同様に、最初に供
給されるIPAは、循環供給タンク61b内に貯留され
たIPAが使用され、この最初に使用されたIPAは第
1の排液管42から廃棄され、以後の処理に供されるI
PAは供給タンク61b内に貯留されたIPAを循環供
給する。そして、薬液除去処理の最後に、IPA供給源
64から供給タンク61a内に供給された新規のIPA
が使用されて、薬液除去処理が終了する。
【0090】なお、薬液除去処理において、薬液除去処
理に供されたIPAは第1の排液ポート41に排出さ
れ、切換弁(図示せず)の動作によって溶剤供給部61
の循環管路90又は第1の排液管42に排出される一
方、IPAガスは第1の排気ポート43を介して第1の
排気管44から排気される。
【0091】薬液処理及びリンス処理が終了した後、シ
ール機構40,40A〜40Dの中空パッキン100,
101、変形中空パッキン130,130A,130B
を非シール状態にした後、内筒体25が待機位置に後退
して、ロータ21及びウエハWが外筒体26によって包
囲、すなわち外チャンバ24内にウエハWが収容され
る。したがって、内チャンバ23内で処理されたウエハ
Wから液がしたたり落ちても外チャンバ24で受け止め
ることができる。この状態において、まず、リンス液供
給手段の純水供給ノズル71から回転するウエハWに対
してリンス液例えば純水が供給されてリンス処理され
る。このリンス処理に供された純水と除去されたIPA
は第2の排液ポート45を介して第2の排液管46から
排出される。また、外チャンバ24内に発生するガスは
第2の排気ポート48を介して第2の排気管49から外
部に排出される。
【0092】このようにしてリンス処理を所定時間行っ
た後、外チャンバ24内にウエハWを収容したままの状
態で、乾燥流体供給手段80のN2ガス供給源82及び
IPA供給源64からN2ガスとIPAの混合流体を回
転するウエハWに供給して、ウエハ表面に付着する純水
を除去することで、ウエハWと外チャンバ24内の乾燥
を行うことができる。また、N2ガスとIPAの混合流
体によって乾燥処理した後、N2ガスのみをウエハWに
供給することで、ウエハWの乾燥と外チャンバ24内の
乾燥をより一層効率よく行うことができる。
【0093】上記のようにして、ウエハWの薬液処理、
薬液除去処理、リンス処理及び乾燥処理が終了した後、
第3,第4のシール部材40c,40dのシール機構4
0,40A〜40Dが非シール状態となり、外筒体26
が内筒体25の外周側の待機位置に後退する一方、図示
しないロック解除手段が動作してウエハ押え棒32をウ
エハWの押え位置から後退する。すると、ウエハ受渡ハ
ンド29が上昇してロータ21の固定保持棒31にて保
持されたウエハWを受け取って処理装置20の上方へ移
動する。処理装置の上方へ移動されたウエハWはウエハ
搬送チャック10に受け取られてインターフェース部4
に搬送され、キャリア載置台7上のキャリア1内に搬入
される。処理済みのウエハWを収納したキャリア1はキ
ャリア搬送手段8によってキャリア搬出部2bに搬送さ
れた後、装置外部に搬送される。
【0094】なお、上記実施形態では、薬液(薬品)処
理、IPA処理、純水処理、乾燥処理を例に説明してい
るが、処理室と閉塞手段とを閉塞した密封雰囲気内で処
理を行うものであれば、他の処理にも適用できることは
勿論である。
【0095】また、上記実施形態では、処理室を形成す
る内筒体25と外筒体26に対して閉塞手段が第1の固
定壁34と第2の固定壁38である処理装置にシール機
構40,40A〜40Dを適用する場合について説明し
たが、必ずしもこのような構造の処理装置である必要は
なく、例えば、処理室に対して進退移動する蓋体にて閉
塞手段を構成する処理装置にも適用できることは勿論で
ある。
【0096】なお、上記実施形態では、この発明に係る
処理装置を半導体ウエハの洗浄・乾燥処理装置に適用し
た場合について説明したが、その他の処理液を使った処
理装置や反応性ガスを利用した処理装置等シール性を必
要とする処理装置に適用されるのは勿論、半導体ウエハ
以外のLCD用ガラス基板等にも適用できることは勿論
である。
【0097】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明によれ
ば、上記のように構成されているので、以下のような効
果が得られる。
【0098】1)請求項1,2記載の発明によれば、二
重の中空シール部材の中空部に加圧流体供給源から加圧
流体例えば空気や不活性ガス等の気体を供給して中空シ
ール部材を膨脹させてシールすることができ、このとき
の加圧状態を圧力検出手段にて監視することができるの
で、万一、一方の中空シール部材が破損してシール効果
を発揮しなくなった場合には、その状態を圧力検出手段
によって検知することができる。しかも、一方の中空シ
ール部材が破損しても他方のシール部材によってシール
性を維持することができ、シール部全体の寿命の増大が
図れると共に、シール性の向上及び安全性の向上が図れ
る。
【0099】2)請求項3記載の発明によれば、加圧流
体として冷却水を用いて中空シール部材の中空部内に冷
却水を流すことによって、高熱処理におけるシール部材
の温度上昇を抑制して、シール部材自体の寿命を増大さ
せることができる。この場合、排水管に、開閉手段と流
量調整手段とを並列状に介設することによって、冷却水
の排水量を調節してシール状態と非シール状態にするこ
とができると共に、シール時と非シール時にも冷却水を
流すことができる(請求項4)。また、シール部材が破
損した場合に開閉手段を開放して冷却水を速やかに排水
することができる(請求項4)。
【0100】3)請求項5記載の発明によれば、変形可
能な変形中空シール部材に圧力調整手段からの小さな圧
力、例えば加圧あるいは負圧によって変形中空シール部
材を変形させて、シール状態と非シール状態とを切り換
えることができるので、常時シール状態におかれるシー
ル部材に比べて摩耗が少ないので、シール部材の寿命の
増大を図ることができる。
【0101】4)請求項6記載の発明によれば、二重の
変形中空シール部材の中空部に圧力調整手段からの圧
力、例えば加圧あるいは負圧によって変形中空シール部
材を変形させて、シールすることができ、このときの加
圧あるいは負圧状態を圧力検出手段にて監視することが
できる。したがって、万一、一方の変形中空シール部材
が破損してシール効果を発揮しなくなった場合には、そ
の状態を圧力検出手段によって検知することができる。
しかも、一方の変形中空シール部材が破損しても他方の
変形中空シール部材によってシール性を維持することが
でき、シール部全体の寿命の増大が図れると共に、シー
ル性の向上及び安全性の向上が図れる。
【0102】5)請求項9記載の発明によれば、二重中
空シール部材(変形中空シール部材)間に、漏れ検出手
段を介して排気手段を接続してなるので、中空シール部
材のシール状況を監視することができる。また、排気量
を増やすことにより、処理室と閉塞手段が引き合わされ
て密接させることができ、より一層シール性の向上を図
ることができる。
【0103】6)請求項10記載の発明によれば、外側
シール部材が繰り返し加わる機械的負荷や薬品の化学作
用によって劣化し、亀裂が生じても内側シール部材によ
ってシールを確保することができるので、シール性能の
向上を図ることができる。
【0104】7)請求項11記載の発明によれば、外側
シール部材と内側シール部材との間の中空部内に中空シ
ール部材の過熱を防止することができるので、上記6)
に加えて中空シール部材の寿命の増大を図ることができ
る。
【0105】8)請求項12記載の発明によれば、外側
シール部材の中空部と内側シール部材の中空部の双方に
同圧の加圧流体が供給されるので、内側シール部材は内
側からの力と外側からの力が釣り合った状態となり、負
荷が加わらない。したがって、内側シール部材には機械
的疲労や劣化が生じにくく寿命の増大を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る処理装置を適用した洗浄・乾燥
処理装置の概略平面図である。
【図2】この発明に係る処理装置の概略構成図である。
【図3】この発明に係る処理装置の要部断面図である。
【図4】この発明に係る処理装置における配管系統を示
す概略配管図である。
【図5】この発明におけるシール機構の第一実施形態の
非シール状態を示す要部拡大断面図である。
【図6】上記シール機構のシール状態を示す要部拡大断
面図である。
【図7】上記シール機構の第二実施形態の要部拡大断面
図である。
【図8】上記シール機構の第三実施形態の要部拡大断面
図である。
【図9】上記シール機構の第四実施形態の非シール状態
及びシール状態を示す要部拡大断面図である。
【図10】上記第四実施形態のシール機構の変形例のシ
ール状態を示す要部拡大断面図である。
【図11】上記シール機構の第五実施形態のシール状態
及び非シール状態を示す要部拡大断面図である。
【図12】上記第五実施形態のシール機構の変形例のシ
ール状態及び非シール状態を示す要部拡大断面図であ
る。
【図13】第六実施形態のシール機構のシール状態を示
す要部拡大断面図である。
【図14】第七実施形態のシール機構のシール状態を示
す要部拡大断面図である。
【図15】第七実施形態のシール機構における内側パッ
キンが圧力の減少した空間側へ膨張した状態を示す拡大
断面図である。
【図16】上記内側パッキンが外側パッキンを介してシ
ール面を押圧する状態を示す拡大断面図である。
【図17】第八実施形態のシール機構のシール状態を示
す要部拡大断面図である。
【図18】第八実施形態のシール機構の非シール状態を
示す要部拡大断面図である。
【図19】第九実施形態のシール機構のシール状態を示
す要部拡大断面図である。
【図20】第十実施形態のシール機構を示す要部拡大側
面図である。
【図21】図20のI−I線に沿う断面図である。
【符号の説明】
W 半導体ウエハ(被処理体) 21 ロータ(回転保持手段) 23 内チャンバ(第1の処理室) 24 外チャンバ(第2の処理室) 25 内筒体 26 外筒体 34 第1の固定壁(閉塞手段) 38 第2の固定壁(閉塞手段) 40,40A〜40D シール機構 40a〜40d シール部材 100,101 中空パッキン 102 中空部 103 空気供給源(圧力流体供給源) 105,105A,105B 開閉弁(開閉手段) 110 圧力検出スイッチ(圧力検出手段) 111 ガスセンサ(漏れ検出手段) 112 排気手段 121 冷却水供給源(加圧流体供給源) 122 排水管 123 フローメータ(圧力検出手段) 124 開閉弁(開閉手段) 125 可変絞り(流量調整手段) 130,130A,130B 変形中空パッキン 140 開閉切換弁(開閉切換手段) 141 空気供給源(圧力調整手段) 150 吸引装置 701,711 二重中空パッキン(中空シール部材) 703,713 外側パッキン 705,715 内側パッキン(中空部) 707,709,717,719 空間(中空部) 712,716 開閉弁(開閉手段) 714,718 供給管路 721,723 加圧流体供給源 731,743,751 中空パッキン 733,737 切換弁 735 加圧気体供給源 739 真空源 755 冷却流体通路 757 加圧流体通路 758 加圧流体供給源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B116 AA02 AA03 AB01 AB33 AB44 BB21 BB82 BB90 CC01 CC03 CD33 3J043 AA08 BA09 CA04 CB13 HA04

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理体を保持した保持手段を処理室内
    に収容し、処理室を閉塞手段で密封した状態で、上記被
    処理体に処理流体を接触させて処理を施す処理装置にお
    いて、 上記処理室と閉塞手段との閉塞部における処理室又は閉
    塞手段のいずれか一方に、可撓性を有する中空シール部
    材を二重に配設し、 上記各中空シール部材の中空部に、圧力検出手段及び開
    閉手段を介して加圧流体供給源を接続してなることを特
    徴とするシール機構付処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシール機構付処理装置に
    おいて、 上記加圧流体供給源が、気体供給源であることを特徴と
    するシール機構付処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のシール機構付処理装置に
    おいて、 上記加圧流体供給源を、冷却水供給源にて形成し、 上記中空シール部材の中空部に、排水管を接続してなる
    ことを特徴とするシール機構付処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のシール機構付処理装置に
    おいて、 上記排水管に、開閉手段と流量調整手段とを並列状に介
    設することを特徴とするシール機構付処理装置。
  5. 【請求項5】 被処理体を保持した保持手段を処理室内
    に収容し、処理室を閉塞手段で密封した状態で、上記被
    処理体に処理流体を接触させて処理を施す処理装置にお
    いて、 上記処理室と閉塞手段との閉塞部における処理室又は閉
    塞手段のいずれか一方に、処理室側又は閉塞手段側に向
    かって変形可能な変形中空シール部材を配設し、 上記変形中空シール部材に、開閉切換手段及び圧力調整
    手段を接続してなることを特徴とするシール機構付処理
    装置。
  6. 【請求項6】 被処理体を保持した保持手段を処理室内
    に収容し、処理室を閉塞手段で密封した状態で、上記被
    処理体に処理流体を接触させて処理を施す処理装置にお
    いて、 上記処理室と閉塞手段との閉塞部における処理室又は閉
    塞手段のいずれか一方に、処理室側又は閉塞手段側に向
    かって変形可能な変形中空シール部材を二重に配設し、 上記各変形中空シール部材の中空部に、圧力検出手段、
    開閉切換手段及び圧力調整手段を接続してなることを特
    徴とするシール機構付処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載のシール機構付処理
    装置において、 上記圧力調整手段が、気体供給源であることを特徴とす
    るシール機構付処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項5又は6記載のシール機構付処理
    装置において、 上記圧力調整手段が、吸引装置であることを特徴とする
    シール機構付処理装置。
  9. 【請求項9】 請求項1又は6記載のシール機構付処理
    装置において、 上記二重中空シール部材間に、漏れ検出手段を介して排
    気手段を接続してなることを特徴とするシール機構付処
    理装置。
  10. 【請求項10】 被処理体を保持した保持手段を処理室
    内に収容し、処理室を閉塞手段で密封した状態で、上記
    被処理体に処理流体を接触させて処理を施す処理装置に
    おいて、 上記処理室と閉塞手段との閉塞部における処理室又は閉
    塞手段のいずれか一方に、可撓性を有する中空シール部
    材を配設し、 上記中空シール部材は、可撓性を有し内部に中空部を有
    する外側シール部材と、この外側シール部材の中空部内
    に配設され、可撓性を有し内部に中空部を有する内側シ
    ール部材とを有し、 上記外側シール部材の中空部及び内側シール部材の中空
    部に、開閉手段を介して加圧流体供給源を接続してなる
    ことを特徴とするシール機構付処理装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のシール機構付処理装
    置において、 少なくとも上記外側シール部材の中空部に、冷却された
    加圧流体を供給可能に形成してなることを特徴とするシ
    ール機構付処理装置。
  12. 【請求項12】 請求項10記載のシール機構付処理装
    置において、 上記内側シール部材の中空部と外側シール部材の中空部
    に、同圧の加圧流体を供給可能に形成してなることを特
    徴とするシール機構付処理装置。
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