JP2002092945A - 光学記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

光学記録媒体およびその製造方法

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JP2002092945A
JP2002092945A JP2000278149A JP2000278149A JP2002092945A JP 2002092945 A JP2002092945 A JP 2002092945A JP 2000278149 A JP2000278149 A JP 2000278149A JP 2000278149 A JP2000278149 A JP 2000278149A JP 2002092945 A JP2002092945 A JP 2002092945A
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Toru Abiko
透 安孫子
Hitoshi Shimomukai
仁 下向
Atsushi Nakano
淳 中野
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 支持基板上に光記録層と光透過保護層とが積
層された光学記録媒体において、経時変化の発生を抑制
して再生不良を防止し、高い信頼性を確保する。 【解決手段】 非磁性のディスク基板2上に、反射層
3、第1の誘電体層4、記録層5および第2の誘電体層
6を順次積層して光記録層7を設ける。光記録層7が形
成されたディスク基板2の一主面に、接着層8を介して
光透過保護層9を設け、光ディスク1を構成する。この
光ディスク1において、ディスク基板2の吸水率と光透
過保護層9の吸水率との差が0.1%以下となるよう
に、ディスク基板2の材料と光透過保護層9の材料とを
決定する。好ましくは、ディスク基板2の材料と光透過
保護層9の材料とを同種の材料とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光学記録媒体お
よびその製造方法に関し、特に、支持基板の一主面上に
情報記録層と、少なくとも1層の光透過保護層とが設け
られ、光透過保護層側からレーザ光を照射することによ
り、情報信号の記録/再生を行うようにした光学記録媒
体に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、相変化記録材料を用いた書き換え
可能な光ディスクの実用例として、いわゆるDVD−R
AM(Digital Versatile Disc-Ramdom Access Memory)
が市販されている。このDVD−RAMの構成を図13
に示す。
【0003】図13に示すように、DVD−RAM10
1においては、ディスク基板102の、レーザ光が照射
される面と反対側の一主面上に、少なくとも、第1の誘
電体層103、記録層104、第2の誘電体層105お
よび反射層106が順次積層されて設けられている。
【0004】このようなDVD−RAM101に対する
記録/再生時に用いられるレーザ光は、ディスク基板1
02側から記録層104に向けて照射されるように構成
される。そして、このDVD−RAM101において
は、線速が6m/s、ビット長が0.41μm/s、ト
ラックピッチ(Tp)が0.74μm、レーザ光の波長
が約650μm、データ転送レートが11Mbps、記
録容量2.6GBが実現されている。
【0005】さらに、このDVD−RAMを上回る大容
量化、高転送レート化を実現するためには、記録用のレ
ーザ光におけるスポットサイズ(スポット径)を小さく
し、記録線速の向上する方法が有効である。ここで、記
録用のレーザ光におけるスポットサイズを小さくするた
めには、具体的には、レーザ光を短波長化する方法や、
対物レンズの開口数(NA)を大きくする方法などを挙
げることができる。
【0006】特に、レーザ光の短波長化と対物レンズの
高NA化とを併用すると、これらのそれぞれの方法を単
独に採用した場合に比して、スポットサイズをより小さ
くすることができる。例えば、光源として、波長λが4
00nm付近のいわゆる青紫色レーザを用い、さらに対
物レンズの開口数NAが0.85の対物レンズを用いる
と、理論上さらなる高密度記録が可能となる。
【0007】このように、記録密度を上げるためには、
NA/λの向上を図ることが不可欠となる。この場合、
記録容量として8GBを達成するためには、少なくとも
NAを0.70以上とし、さらにレーザ光の波長λを
0.68μm(680nm)以下にする必要がある。
【0008】そして、現状用いられている赤色レーザか
ら将来普及が見込まれる青色レーザまで対応することを
考慮すると、光透過層は10〜177μmに設定するの
が最適であるとされている。すなわち、一般的にディス
クスキューマージンΘと、記録再生用光学ピックアップ
の光源波長λと、その開口数(NA)並びにディスクの
光透過保護層の膜厚tとは相関関係にある。そして、実
用上、そのプレイヤビリティが十分に実証されているコ
ンパクトディスク(CD)を基準として、これらのパラ
メータとΘとの関係が、特開平3−225650号公報
(文献1)に示されている。
【0009】文献1によると、−84.115(λ/N
3/t)≦Θ≦84.115(λ/NA3/t)であれ
ばいい。ここで、ディスクを実際に量産する場合のスキ
ューマージンΘの具体的な限界値を考えると、0.4°
とするのが妥当である。これは、量産を考えた場合、こ
れより小さくすると製造歩留まりが低下し、コストが増
加してしまうからである。既存の光学記録媒体について
も、CDにおいては0.6°、DVDにおいては0.4
°である。
【0010】そこで、Θ=0.4°として、レーザの短
波長化および高NA化により、光透過保護層の厚みをど
の程度に設定すべきかを計算すると、λ=0.65μm
(赤色レーザ)とすると、NAは0.78以上が要求さ
れる。また、将来、短波長化が進み、λ=0.4μmと
なったとすると、t=177μmとなる。この光透過保
護層の厚さの下限は、光記録層を保護する光透過保護層
の保護機能によって決まり、信頼性や2群レンズの衝突
の影響を考慮すると、10μm以上が望ましい。
【0011】ここで、図面を参照しつつ、このような光
学記録媒体(光ディスク)について説明する。図14
に、光ディスク201を示す。図14に示すように、光
ディスク201は、支持基板202上に、反射層20
3、第1の誘電体層204、記録層205および第2の
誘電体層206からなる光記録層207と、この光記録
層207上に、接着層208を介して光透過保護層20
9とが積層された構成を有する。これらのうち、支持基
板202は、単板で構成する場合には、ある程度の剛性
が要求される。そのため、支持基板202の厚さは、
0.6mm以上であることが望ましい。同様に、2枚を
張り合わせる構造の場合においては、その半分の0.3
mm以上であることが望ましい。また、CDの製造設備
を流用することを考慮すると、支持基板202の厚さは
1.2mm程度が一般的になる。
【0012】さて、このような光学記録媒体の支持基板
に用いられるポリカーボネート樹脂およびポリオレフィ
ン系樹脂においては、溶融成型時に耐熱性を有し、成型
しやすいこと、変質が少ないこと、機械的特性が優れて
いることなどの利点を有している。そのため、光学記録
媒体の基板として有用である。
【0013】また、2枚のディスクを貼り合わせて構成
されるものにおいては、支持基板上に記録用薄膜を形成
後、光透過保護層が貼り合わされる点が重要である。こ
の貼り合わせにより、歩留まりや光学記録媒体の信頼性
が左右されることも多い。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、支持基板上
に記録用薄膜を形成した後、光透過保護層を接着層を介
して貼り合わせられる光学記録媒体においては、経時変
化の改善が大きな課題となる。
【0015】すなわち、ポリカーボネート樹脂からなる
成形体を光透過保護層とする光学記録媒体を高温高湿の
雰囲気下で保存すると、経時変化が発生する。この経時
変化は、光学記録媒体における再生不良などをもたら
す。そして、信頼性を保証しなければならない光学記録
媒体において、大きな問題となる。
【0016】したがって、この発明の目的は、支持基板
上に光記録層および光透過保護層が積層されて構成され
た光学記録媒体において、経時変化の発生を抑制して、
再生不良の発生を低減することができ、高い信頼性を有
するの光学記録媒体およびその製造方法を提供すること
にある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の第1の発明は、非磁性支持基板上に、少
なくとも光記録層および光透過保護層が順次積層されて
設けられ、光透過保護層の側からレーザ光を照射するこ
とにより情報信号の記録および/または再生可能に構成
された光学記録媒体において、非磁性支持基板の吸水率
と光透過保護層の吸水率との差が0.1%以下であるこ
とを特徴とするものである。
【0018】この発明の第2の発明は、非磁性支持基板
上に、少なくとも光記録層および光透過保護層が順次積
層されて設けられ、光透過保護層の側からレーザ光を照
射することにより情報信号の記録および/または再生可
能に構成された光学記録媒体の製造方法において、非磁
性支持基板の吸水率と光透過保護層の吸水率との差が
0.1%以下であることを特徴とするものである。
【0019】この発明において、非磁性基板の剛性を確
保し、反りを抑制するために、典型的には、非磁性基板
を単板で形成する場合、0.6mm以上であり、2枚の
非磁性基板を貼り合わせた構造の場合においては、非磁
性基板の厚さは0.3mm以上である。また、従来の光
学記録媒体の製造に用いられる製造設備を流用すること
を考慮すると、非磁性基板の厚さは1.3mm以下であ
り、好適には1.2mm程度である。
【0020】この発明において、光学記録媒体における
スキューマージンの限界値を考慮し、記録/再生に用い
られるレーザ光の短波長化、高開口数化(高NA化)に
対応するために、典型的には、光透過保護層の膜厚は、
10μm以上177μm以下である。
【0021】この発明において、非磁性支持基板と光透
過保護層との吸水率差を最小限にするために、好適に
は、非磁性支持基板を構成する材料と、光透過保護層を
構成する材料とは、同種の材料である。具体的には、非
磁性支持基板および光透過保護層をそれぞれポリカーボ
ネート系樹脂から構成するか、非磁性支持基板および光
透過保護層をそれぞれポリオレフィン系樹脂から構成す
るのが好ましい。
【0022】この発明において、非磁性基板に対して光
透過保護層が設けられた側からレーザ光を照射するた
め、典型的には、光記録層は、反射層、第1の誘電体
層、相変化材料層および第2の誘電体層が順次積層され
て構成されている。
【0023】この発明において、典型的には、光透過保
護層は、光記録層上に接着層を介して設けられている。
また、この発明において、具体的には、接着層が、紫外
線硬化樹脂、粘着性シートおよびホットメルト系接着剤
からなる群より選ばれた少なくとも1種類の材料から構
成されている。
【0024】この発明において、レーザ光を光学記録媒
体上で案内するために、典型的には、非磁性支持基板の
光記録層が設けられた主面に溝トラックが形成されてい
る。
【0025】この発明は、具体的には、DVR−re
d、DVR−blueなどのDVR(Digital Video Re
cording system)に適用することができるが、支持基板
上に、光記録層、接着層および光を透過する保護層が設
けられた光学記録媒体であれば、いかなる記録媒体に適
用することも可能である。
【0026】上述のように構成されたこの発明による光
学記録媒体およびその製造方法によれば、非磁性支持基
板の吸水率と光透過保護層の吸水率との差を0.1%以
下にしていることにより、非磁性支持基板と光透過保護
層とのスキュー差を最小限にすることができるので、光
学記録媒体において良好なスキュー特性を得ることがで
き、反りを最小限にすることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態
の全図においては、同一または対応する部分には同一の
符号を付す。
【0028】まず、この発明の第1の実施形態による光
学記録媒体について説明する。図1に、この第1の実施
形態による光学記録媒体を示す。
【0029】図1に示すように、この第1の実施形態に
よる相変化型の光ディスク1においては、ディスク基板
2の一主面上に、反射層3、第1の誘電体層4、記録層
5および第2の誘電体層6が順次積層されて構成された
光記録層7が設けられている。また、このディスク基板
2の一主面上の光記録層7における、ディスク基板2が
存在する側とは反対側の主面に、接着層8および光透過
保護層9が順次積層されて設けられ、光ディスク1が構
成されている。また、この光ディスク1において、記録
/再生用のレーザ光L1は、ディスク基板2に対して光
透過保護層9が設けられた側から照射される。
【0030】ディスク基板2は、例えばポリカーボネー
ト系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂など
の、低コスト化に優れたプラスチック材料からなる。こ
れらの材料のうち、ポリカーボネート(PC)を用いる
場合には、熱膨張係数α=7.0×10-5程度で、曲げ
弾性率が2.4×104程度のものが用いられる。ま
た、ポリオレフィン系樹脂(例えばゼオネックス(登録
商標))を用いる場合には、熱膨張係数α=6.0×1
-5程度で、曲げ弾性率が2.3×104程度のものが
用いられる。このディスク基板2の作製は、例えば、射
出成形法(インジェクション法)や紫外線硬化樹脂を用
いたフォトポリマー(2P(Photo Polymerization)法
(感光性樹脂法))により行われる。また、ディスク基
板2の厚さは、0.3〜1.3mmから選ばれ、この第
1の実施形態においては、例えば1.1mmに選ばれ
る。これは、ディスク基板の厚さが0.3mmより小さ
いと、相変化型の光ディスク1自体の強度が下がったり
反りやすくなったりするためである。他方、ディスク基
板2の厚さが1.3mmより大きいと、相変化型の光デ
ィスク1の厚みが、CDやDVDなどの光ディスクにお
ける厚さ(約1.2mm)に比して大きくなってしま
い、これらのCDやDVD、およびこの第1の実施形態
による光ディスクに対応する駆動装置の商品化を考慮す
ると、同じディスクトレイを共用できなくなる可能性が
あるためである。
【0031】また、ディスク基板2は、その中央部にセ
ンターホール(図示せず)が形成された平面円環形状を
有する。そして、ディスク基板2の内径(センターホー
ルの径)は例えば15mm、外径は例えば120mmで
ある。なお、このディスク基板2の光記録層7が形成さ
れる一主面には、凹凸の溝トラック(図示せず)を形成
することも可能である。この場合、溝トラックの形状
は、スパイラル状、同心円状、ピット列などの様々な形
状とすることができる。また、この溝トラックによる案
内により、光ディスク1を任意の位置に移動することが
できるようになる。
【0032】また、反射層3は、例えば金属や半金属か
らなる。そして、反射層3における反射機能を考慮する
と、反射層3の材料としては、記録再生用に用いられる
レーザ光の波長に対して反射能を有するとともに、熱伝
導率が例えば4.0×10-2〜4.5×102J/m・
K・s(4.0×10-4〜4.5J/cm・K・s)の
範囲内の値を有する金属元素、半金属元素、およびこれ
らの化合物または混合物からなることが好ましい。すな
わち、反射層3の材料としては、具体的には、アルミニ
ウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、ニッケル(N
i)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、パラジウム
(Pd)、コバルト(Co)、シリコン(Si)、タン
タル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(M
o)、ゲルマニウム(Ge)などの単体、またはこれら
の単体を主成分とする合金を挙げることができる。そし
て、実用性の面を考慮すると、これらのうちのAl系、
Ag系、Au系、Si系またはGe系の材料が好まし
い。また、反射層3の材料として、合金を用いる場合に
は、例えばAl−Ti、Al−Cr、Al−Co、Al
−Mg−Si、Ag−Pd−Cu、Ag−Pd−Ti、
Cu−Ag−Ti、またはSi−ホウ素(B)などが好
ましい。さらに、反射層3の材料は、光学特性および熱
特性を考慮して設定される。すなわち、一般的に、反射
層3の膜厚を、レーザ光が透過しない程度の大きさ(例
えば50nm以上)に設定すると、反射率が高くなると
ともに、放熱性が向上する。特に、Al系の材料やAg
系の材料は、レーザ光が短波長の場合においても高い反
射率を有する。例えば、波長λが400nm程度の青色
レーザ光の照射に対して、反射率は80%以上になる。
以上のことから、この第1の実施形態においては、反射
層3としてAg合金を用い、その膜厚を例えば100n
mとする。
【0033】また、第1の誘電体層4および第2の誘電
体層6は、記録再生用レーザ光に対して、吸収能が低い
材料から構成され、具体的には、消衰係数kの値が0.
3以下の材料から構成することが好ましい。この第1の
実施形態においては、第1の誘電体層4および第2の誘
電体層6として、例えば硫化亜鉛(ZnS)と酸化シリ
コン(SiO2)との混合体(特に、モル比が約4:1
のZnS−SiO2)が用いられる。また、第1の誘電
体層4の膜厚は、例えば15nmであり、第2の誘電体
層6の膜厚は、例えば130nmである。
【0034】また、記録層5は、この光ディスク1が相
変化型の光ディスクであるため、相変化記録材料からな
り、この第1の実施形態においては、例えばSbTe系
材料からなる。また、記録層5の膜厚は、例えば20n
mである。
【0035】また、光記録層7上に設けられた接着層8
は、例えば粘着剤や紫外線硬化樹脂などからなる。そし
て、光記録層7の経時変化を防止するために、好ましく
は、接着層8の半径方向における外周端は、光記録層7
における半径方向の外周端より0.5mm以上外周側に
なるように構成される。
【0036】また、光記録層7上に接着層8を介して形
成された光透過保護層9は、記録/再生に用いられるレ
ーザ光に対して、吸収能が低い材料から構成することが
好ましく、レーザ光の透過率が90%以上の材料から構
成することがより望ましい。具体的には、光透過保護層
9は、例えばポリカーボネート樹脂材料やポリオレフィ
ン系樹脂から構成された平面円環状のシート状基材から
なる。具体的には、ポリカーボネート(PC)を用いる
場合、熱膨張係数α=7.0×10-5程度、曲げ弾性率
が2.4×104程度の材料が用いられ、ポリオレフィ
ン系樹脂(例えばゼオネックス(登録商標))を用いる
場合、熱膨張係数α=6.0×10-5程度、曲げ弾性率
が2.3×104程度の材料が用いられる。また、この
光透過保護層9の厚さは、3〜177μmの範囲内から
選ばれ、この第1の実施形態においては、接着層8との
合計の厚さが例えば100μmになるように選ばれる。
なお、この第1の実施形態による光透過保護層9は、ポ
リカーボネート樹脂を押出機に投入し、このポリカーボ
ネート樹脂をヒータ(図示せず)を用いて250〜30
0℃の温度で溶融させ、複数個の冷却ロールを用いてシ
ート状に成形され、ディスク基板2に合わせた形状に裁
断することにより形成されたものである。
【0037】また、これらの接着層8および光透過保護
層9と、ディスク基板2との関係は、次のように規定さ
れる。すなわち、接着層8の半径方向における外周端
を、光透過保護層9の半径方向における外周端より内周
側に0.5mm以下、外周側に0.5mm以下の範囲内
にあり、接着層8の半径方向における内周端は、光透過
保護層9の半径方向における内周端より内周側に0.5
mm以下、外周側に0.5mm以下の範囲内にあり、接
着層8の内周端がディスク基板2の内周端より外周側か
つ光記録層7の内周端より内周側にあり、接着層8の外
周端がディスク基板の外周端より内周側かつ光記録層7
の外周端より外周側にあるようにする。なお、接着層8
の材料として紫外線硬化樹脂を用いた場合、接着層8の
外周端がディスク基板2の外周より外周側になる場合が
ある。この場合においては、上述の規定に必ずしも限定
されるものではない。
【0038】また、以上のように構成された光ディスク
1の作成方法としては、大きく分けて以下の2つの方法
を用いることができる。
【0039】第1の方法は、案内溝が形成された支持基
板上に多層膜を積層し、最後に平滑な光透過保護層を形
成する方法である。光透過保護層の形成方法としては、
例えば厚さ100μm以下のポリカーボネート系樹脂や
ポリオレフィン系樹脂などからなる光学的に十分平滑な
光透過性のシート(フィルム)を、紫外線硬化樹脂を接
着剤とし紫外線照射により貼り合わせる方法、または粘
着性の機能を有するシートを介し貼り合わせる方法を用
いることができる。
【0040】また、第2の方法は、案内溝が形成された
光透過保護層上に多層膜を積層し、最後に平滑なディス
ク基板2を形成する方法である。なお、厚さ100μm
以下の光透過保護層に凹凸の溝トラックを形成する方法
としては、射出成形(インジェクション)法、フォトポ
リマー(2P)法、圧着・加圧により凹凸を転写する方
法などを用いることができる。
【0041】以上のような2つの方法のうち、光透過保
護層上に凹凸を形成する工程または多層膜を成膜する工
程は必ずしも容易ではないので、量産性を考慮すると第
1の方法を用いることが望ましい。ここで、この第1の
方法による光ディスク1の製造方法について、図2〜図
5を参照しつつ説明する。なお、この第1の実施形態に
おいては、接着層8として、紫外線硬化樹脂を用いた場
合を例にして説明する。
【0042】この第1の実施形態による光ディスクの製
造方法においては、まず、ディスク基板2の一主面上
に、それぞれ例えばスパッタリング法により、例えばA
g合金からなる反射層3、例えばZnS−SiO2(硫
化亜鉛と酸化シリコンとの混合体)からなる第1の誘電
体層4、アンチモン−テルル(Sb−Te)系材料から
なる記録層5、および例えばZnS−SiO2からなる
第2の誘電体層6を順次成膜することにより積層膜を形
成する。これにより、ディスク基板2の一主面上に積層
膜からなる光記録層7が形成される。
【0043】次に、ディスク基板2の光記録層7が形成
された一主面上に、紫外線硬化樹脂11を供給し、塗布
する。紫外線硬化樹脂11の供給は、紫外線硬化樹脂供
給部12のノズル口から、ディスク基板2の内周側に、
例えば平面円環状になるようにして行われる。このと
き、紫外線硬化樹脂11としては、粘度が0.02〜
0.2Pa・s(20〜200cps)、表面張力が2
×10-2〜4×10-2N/m(20〜40dyn/c
m)のものを使用するのが好ましく、この第1の実施形
態においては、粘度が例えば0.1Pa・s(100c
ps)、表面張力が2.9×10-2N/m(29dyn
/cm)の粘度のものが用いられる。
【0044】次に、図3に示すように、ディスク基板2
のセンターホール2aと、シート上の光透過保護層9に
おける中心に形成された中心孔9aとの位置合わせを行
う。その後、紫外線硬化樹脂11が供給されたディスク
基板2の一主面上に、平面円環状でシート状の光透過保
護層9を載置する。
【0045】次に、図4に示すように、ディスク基板2
およびシート状の光透過保護層9を、装置の回転軸(図
示せず)を中心として面内方向(図4中、矢印M方向)
に回転させる。これにより、ディスク基板2上の紫外線
硬化樹脂11がディスク基板2とシート状の光透過保護
層9との間に行き渡る。また、余分な紫外線硬化樹脂1
1は振り切られる。このとき、振り切り後の紫外線硬化
樹脂11からなる膜の膜厚は5μmとなるようにし、シ
ート状の光透過保護層9と紫外線硬化樹脂11との合計
膜厚が100μmになるようにする。ここで、これらの
ディスク基板2とシート状の光透過保護層9の回転速度
は、50〜116.7s-1(3000〜7000rp
m)の範囲内から選ばれ、この第1の実施形態において
は、例えば83.3s-1(5000rpm)に選ばれ
る。また、回転時間は、5〜60sの範囲から選ばれ、
この第1の実施形態においては、例えば20sに選ばれ
る。
【0046】次に、図5に示すように、紫外線を発光可
能に構成されているとともに、この紫外線をディスク基
板2に照射可能に構成された紫外線光源13の照射範囲
内に、ディスク基板2を載置する。このとき、ディスク
基板2は、そのシート状の光透過保護層9の接着された
側が紫外線光源13の設置側に対向するように配置され
る。その後、紫外線を、紫外線光源13からシート状の
光透過保護層9を介して、ディスク基板2の一主面上の
紫外線硬化樹脂11に照射する。このときの積算強度は
例えば500mJ/cm2とする。この紫外線の照射に
より、ディスク基板2とシート状の光透過保護層9との
間において、紫外線硬化樹脂11が硬化し、接着層8と
しての紫外線硬化樹脂層が形成される。ここで、シート
状の光透過保護層9の厚さと紫外線硬化樹脂層の膜厚の
合計は、100μmである。
【0047】また、以上のように構成された相変化型の
光ディスク1の記録/再生方法においては、レーザ光の
強弱により、記録層5において、結晶状態と非晶質状態
(アモルファス状態)とを可逆的に相変化させる。そし
て、このような状態変化による反射率などの光学的変化
を利用することによって、記録、再生、消去、オーバー
ライトなどの動作を行うことが可能となる。一般的に
は、成膜後、一旦結晶化(初期化)を行った後、記録/
再生を行う。
【0048】本発明者は、上述した光記録層7が形成さ
れた光ディスク1において、吸水率の異なる2種類のポ
リカーボネートからなるディスク基板2(具体的には、
吸水率が0.23%の三菱ガス化学社製H4000、お
よび吸水率が0.15%のST3000)と、ポリオレ
フィン系材料からなるディスク基板2(吸水率が0.0
1%以下の日本ゼオン社製ゼオネックス(登録商標))
とを用意した。また、光透過保護層9として、吸水率が
0.25%で厚さが100μmのポリカーボネート樹脂
からなるシートと、吸水率が0.01%以下のポリオレ
フィン系樹脂からなるものを用意した。そして、3種類
のディスク基板2と2種類の光透過保護層9とをすべて
組み合わせた光ディスクを製造し、環境温度変化に関す
る実験を行った。これらのディスク基板2と光透過保護
層9との全ての組み合わせを以下の表1に示す。なお、
光記録層7が形成されたディスク基板2上に、紫外線硬
化樹脂からなる接着層8を介して光透過保護層9を貼り
合わせた際に、加圧脱泡処理を行い、これにより、接着
層8の貼り合わせ部分に泡や空隙は存在しないようにし
た。
【0049】
【表1】
【0050】表1に示す全ての組み合わせに関する環境
温度変化の実験においては、環境温度変化として、温度
が25℃、湿度が50%の環境から、温度が25℃、湿
度が90%の環境に変化させ、それに伴ってスキュー特
性を時間ごとに評価した。ここで、スキュー特性の測定
ポイントは、光ディスク1の半径方向に沿った55mm
のポイントである。なお、図6に示すように、スキュー
の定義は、光透過保護層9が設けられた面(読み出し
面)側に反る方向を−方向とし、ディスク基板2側に反
る方向を+方向とする。
【0051】以上の環境温度変化の実験結果を図7に示
す。表1および図7から、吸水率差が0.22以上の光
ディスクDにおけるスキューの絶対値が0.7°程度ま
で増加することがわかり、吸水率差が0.14の光ディ
スクEおよび吸水率差が0.24以上の光ディスクCに
おけるスキューの絶対値が0.45程度まで増加するこ
とがわかる。そして、ディスク基板2と光透過保護層9
との吸水率差が少なくとも0.14以上になる光ディス
ク1において、そのスキュー特性が悪化することがわか
る。他方、吸水率差が0.02の光ディスクAにおいて
は、スキューの絶対値が0.2°程度にまでしか増加し
ないのみならず、この光ディスクAを長時間放置した場
合に、スキューが0°の近傍で安定することがわかり、
良好なスキュー特性を確保することができることがわか
る。また、吸水率差が0.10程度の光ディスクBおよ
び吸水率差が0.01以下の光ディスクFにおいては、
スキューの絶対値が高々0.1°程度までしか増加しな
いのみならず、この光ディスクを長時間放置した場合に
おいては、スキューが0°の近傍で安定することがわか
り、良好なスキュー特性を確保することができることが
わかる。
【0052】図7および、以上のことから、ディスク基
板2の吸水率と光透過保護層9の吸水率との差が少なく
とも0.14未満、好ましくは0.1以下の光ディスク
において、スキューの増加を抑制することができ、良好
なスキュー特性を確保することができることがわかる。
したがって、ディスク基板2と光透過保護層9との吸水
率差を0.14%未満、好ましくは0.1%以下にする
ことによって、光ディスク1における経時変化を抑制す
ることができることがわかる。また、表1および図7か
ら、吸水率差を最小限にするために、ディスク基板2と
光透過保護層9とを同種の材料から構成することが望ま
しいことがわかる。
【0053】また、本発明者は、よりスキュー特性に優
れ、高信頼性の光ディスクを製造するために、ディスク
基板2と光透過保護層9との貼り合わせに用いられる接
着層8の材料に関する検討を行った。ここで、上述した
実験により、ディスク基板2と光透過保護層9との材料
が互いに同種の材料から構成されることが望ましい。そ
のため、ディスク基板2と光透過保護層9との材料を互
いに同種の材料から構成した場合に、好ましい接着剤に
関しての実験を行った。
【0054】すなわち、本発明者は、ポリカーボネート
樹脂およびポリオレフィン系樹脂に関して、それらの樹
脂の最適条件において射出成形を行い、試験片を作製し
た。ここで、この試験片の寸法を、横25mm、長さ1
00mm、厚さ2mmとする。そして、このように作製
した試験片を2枚用いて接着力の実験を行う。すなわ
ち、まず、これらの2枚の試験片の両方に様々な接着剤
を、その寸法が縦25mm、横25mmの接着面となる
ように塗布する。次に、これらの試験片を貼り合わせ、
コールドプレス機により加圧する。ここで、コールドプ
レス機による加圧は、9.8×104N/m2(1kgw
/cm2)とする。次に、20℃±2℃の温度下で24時
間放置した後、接着した2枚の試験片のうちの一方の試
験片を固定する。そして、固定されていない他方の試験
片に10kgのおもりをぶら下げる。この状態で10分
間静置し、この貼り合わせられた2枚の試験片におい
て、接着面が剥がれなかった場合を「○」とし、接着面
が剥がれた場合を「×」とした。この実験結果を以下の
表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】表2から、ディスク基板2と光透過保護層
9とが、ともにポリカーボネートから構成される場合、
種々の接着剤を用いても接着性が非常に良好であること
がわかる。また、ディスク基板2と光透過保護層9とが
ともにポリオレフィン系樹脂から構成される場合、接着
層8の材料として、紫外線硬化樹脂、接着シートおよび
ホットメルト系接着剤を用いるのが好ましく、良好な接
着力を確保することができることわかる。
【0057】以上説明したように、この第1の実施形態
によれば、平面円環状のディスク基板2上に光記録層
7、接着層8および光透過保護層9が順次積層された光
ディスク1において、ディスク基板2の吸水率と光透過
保護層9の吸水率との差が0.1以下になるようにして
いることにより、光ディスク1の経時変化の発生を大幅
に抑制することができる。これによって、光記録層7の
経時変化をも大幅に抑制することができ、再生不良が少
なく、長期信頼性に優れた光ディスクを得ることができ
る。
【0058】次に、この発明の第2の実施形態による光
ディスクについて説明する。図8にこの第2の実施形態
による光記録層7を示す。
【0059】図8に示すように、この第2の実施形態に
よる光ディスクにおいては、第1の実施形態とは異な
り、光記録層7は、記録層21と、この記録層21の表
面のうち一方に接触して例えばAlなどの金属からなる
金属層22とが積層されて構成されている。この金属層
22は、反射層やヒートシンク層などの機能を有する。
なお、金属層22の代わりに半金属層を設けることも可
能であり、さらに、記録層21の両方の面に接触して金
属層22を設けることも可能である。この第2の実施形
態による光記録層7の構成以外のことは第1の実施形態
におけると同様であるので、説明を省略する。
【0060】この第2の実施形態による光ディスクによ
れば、第1の実施形態におけると同様の効果を得ること
ができる。
【0061】次に、この発明の第3の実施形態による光
ディスクについて説明する。図9にこの第3の実施形態
による光記録層7を示す。
【0062】図9に示すように、この第3の実施形態に
よる光ディスクにおいては、第1の実施形態とは異な
り、光記録層7は、第1の誘電体層31、記録層32お
よび第2の誘電体層33が順次積層されて構成される。
この第3の実施形態による光記録層7の構成以外のこと
は、第1の実施形態におけると同様であるので、説明を
省略する。
【0063】この第3の実施形態による光ディスクによ
れば、第1の実施形態におけると同様の効果を得ること
ができるとともに、第1の誘電体層31、記録層32お
よび第2の誘電体層33のそれぞれの膜厚を制御するこ
とにより、反射率や透過率を制御可能である。そのた
め、膜の構成の設計が容易になる。
【0064】次に、この発明の第4の実施形態による光
ディスクについて説明する。図10に、この第4の実施
形態による光記録層7を示す。
【0065】図10に示すように、この第4の実施形態
による光ディスクにおいては、第1の実施形態とは異な
り、光記録層7は、金属層41、第1の誘電体層42、
記録層43および第2の誘電体層44が順次積層されて
構成される。そのため、第3の実施形態による光ディス
クに比して、膜の構成の設計が容易になる。この第4の
実施形態による光記録層7の構成以外のことは、第1の
実施形態におけると同様であるので、説明を省略する。
【0066】この第4の実施形態による光ディスクによ
れば、第1の実施形態におけると同様の効果を得ること
ができるとともに、金属層41を設けるようにしている
ことにより、光学特性や熱特性を制御することが容易に
なるとともに、第1の誘電体層42、記録層43および
第2の誘電体層44におけるそれぞれの膜厚を制御する
ことにより、反射率や透過率を制御することが可能とな
る。
【0067】次に、この発明の第5の実施形態による光
ディスクについて説明する。図11に、この第5の実施
形態による光記録層7を示す。
【0068】図11に示すように、この第5の実施形態
による光ディスク1においては、第1の実施形態とは異
なり、光記録層7は、第1の反射層51、第2の反射層
52、第1の誘電体層53、記録層54、第2の誘電体
層55が順次積層されて構成される。また、この第5の
実施形態による光記録層7の構成以外のことは、第1の
実施形態におけると同様であるので、説明を省略する。
【0069】この第5の実施形態による光ディスクによ
れば、第1の実施形態におけると同様の効果を得ること
ができるとともに、反射層を、第1の反射層51および
第2の反射層52の2層から構成していることにより、
光学特性や熱特性の制御がより容易になるとともに、第
1の誘電体層53、記録層54および第2の誘電体層5
5のそれぞれの膜厚を制御することにより、反射率や透
過率を制御可能となる。そのため、第4の実施形態によ
る光ディスクに比して、光学設計がより容易になり、熱
特性とのバランスも容易にとることができるようにな
る。
【0070】次に、この発明の第6の実施形態による光
ディスクについて説明する。図12に、この第6の実施
形態による光記録層7を示す。
【0071】図12に示すように、この第6の実施形態
による光ディスク1においては、第1の実施形態とは異
なり、光記録層7は、反射層61、第1の誘電体層6
2、第1の記録層63、第2の記録層64、第2の誘電
体層65が順次積層されて構成される。ここで、第1の
記録層63と第2の記録層64とは、材料、組成、複素
屈折率のいずれかが異なるように構成される。なお、記
録層を3層以上の異なる層から構成することも可能であ
る。この第6の実施形態による光記録層7の構成以外の
ことは、第1の実施形態におけると同様であるので、説
明を省略する。
【0072】この第6の実施形態による光ディスクによ
れば、第1の実施形態におけると同様の効果を得ること
ができる。
【0073】以上、この発明の実施形態について具体的
に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定され
るものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の
変形が可能である。
【0074】例えば、上述の実施形態において挙げた数
値、材料、ディスク基板の製造方法はあくまでも例に過
ぎず、必要に応じてこれと異なる数値、材料、ディスク
基板の製造方法を用いてもよい。
【0075】例えば、上述の第1の実施形態において
は、ディスク基板2を射出成形法やフォトポリマー法に
より作製しているが、これらの2つの方法以外であって
も、所望の形状、すなわち、厚さが例えば1.1mm、
直径が例えば120mmのディスク形状と、光学的に十
分な基板表面の平滑性を得ることができる方法であれ
ば、どのような方法を用いることも可能である。
【0076】また、上述の第1の実施形態においては、
記録層の材料として、SbTe系材料からなる相変化材
料を用いているが、相変化材料以外の材料に限定される
ものではなく、比較的経時変化に弱いとされているテル
ビウム・鉄(Tb−Fe)系、Tb−Fe−Co系、G
d−Fe系、Gd−Fe−Co系の光磁気記録材料を用
いることも可能である。また、この発明を、アルミニウ
ム(Al)合金や銀(Ag)合金を反射膜として用いた
再生専用(ROM)ディスクに適用することも可能であ
る。
【0077】また、例えば上述の第1の実施形態におい
ては、第1の誘電体層および第2の誘電体層の材料とし
て、ZnS−SiO2を用いたが、消衰係数kが0.3
以下の材料であれば、どのような材料を用いることも可
能である。具体的には、第1の誘電体層および第2の誘
電体層の材料として、Al、Si、Ta、Ti、Zr、
Nb、Mg、B、Zn、Pb、Ca、La、Geなどの
金属および半金属などの元素の、窒化物、酸化物、炭化
物、フッ化物、硫化物、窒酸化物、窒炭化物、または酸
炭化物などからなる材料や、これらを主成分とする材料
を用いることが可能である。また、より具体的には、第
1の誘電体層4および第2の誘電体層6の材料として、
AlNx(0.5≦x≦1、特に、AlN))、Al2
3-x(0≦x≦1、(特に、Al23))、Si34-x
(0≦x≦1、(特に、Si34))、SiOx(1≦
x≦2、(特に、SiO2、SiO)、MgO、Y
23、MgAl24、TiOx(1≦x≦2、(特に、
TiO2))、BaTiO3、SrTiO3、Ta25-x
(0≦x≦1、(特に、Ta25))、GeOx(1≦
x≦2)、SiC、ZnS、PbS、Ge−N、Ge−
N−O、Si−N−O、CaF2、LaF、MgF2、N
aF、TiF4などを用いることも可能であり、さら
に、これらの材料を主成分とする材料や、これらの材料
の混合物、例えばAlN−SiO2を用いることも可能
である。
【0078】また、例えば上述の第1〜第6の実施形態
においては、光ディスクの最表層を光透過保護層9とし
ているが、光透過保護層9の表面に異物が付着したり、
傷が付いたりすることを防止するために、光透過保護層
9上に、さらに無機系または有機系の材料からなる保護
層を設けることも可能である。そして、この無機系また
は有機系の材料としては、記録/再生を行う際に用いら
れるレーザ光に対して、ほとんど吸収能を有しない材料
を用いることが望ましい。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、平面円環状の非磁性基板上に、少なくとも光記録
層、接着層および光透過保護層が順次積層された光学記
録媒体において、非磁性支持基板の吸水率と光透過保護
層の吸水率との差を0.1%以下としていることによ
り、光学記録媒体における経時変化の発生を抑制するこ
とができ、この経時変化により生じる再生不良を防止す
ることができるので、長期にわたって高い信頼性を確保
することができる光学記録媒体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態による光学記録媒体
を説明するための断面図である。
【図2】この発明の第1の実施形態による光学記録媒体
の製造方法を説明するための断面図である。
【図3】この発明の第1の実施形態による光学記録媒体
の製造方法を説明するための断面図である。
【図4】この発明の第1の実施形態による光学記録媒体
の製造方法を説明するための断面図である。
【図5】この発明の第1の実施形態による光学記録媒体
の製造方法を説明するための断面図である。
【図6】スキューの定義を示す断面図である。
【図7】経時変化特性(スキュー変化特性)の経過時間
依存性を示すグラフである。
【図8】この発明の第2の実施形態による光ディスクに
おける光記録層を示す断面図である。
【図9】この発明の第3の実施形態による光ディスクに
おける光記録層を示す断面図である。
【図10】この発明の第4の実施形態による光ディスク
における光記録層を示す断面図である。
【図11】この発明の第5の実施形態による光ディスク
における光記録層を示す断面図である。
【図12】この発明の第6の実施形態による光ディスク
における光記録層を示す断面図である。
【図13】従来技術による光ディスクを示す断面図であ
る。
【図14】従来技術による光ディスクを示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1・・・光ディスク、2・・・ディスク基板、2a・・
・センターホール、3,61・・・反射層、4,31,
42,53,62・・・第1の誘電体層、5,21,3
2,43,54・・・記録層、6,33,44,55,
65・・・第2の誘電体層、7・・・光記録層、8・・
・接着層、9・・・光透過保護層、11・・・紫外線硬
化樹脂、12・・・紫外線硬化樹脂供給部、13・・・
紫外線光源、22,41・・・金属層、51・・・第1
の反射層、52・・・第2の反射層、63・・・第1の
記録層、64・・・第2の記録層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 535 G11B 7/24 535C 535G 535L 7/26 521 7/26 521 531 531 (72)発明者 中野 淳 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5D029 HA04 KA01 KA07 KB03 KC20 LA03 LB07 LB17 LC08 LC21 5D121 AA02 AA04 FF02 FF03

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持基板上に、少なくとも光記録
    層および光透過保護層が順次積層されて設けられ、 上記光透過保護層の側からレーザ光を照射することによ
    り情報信号の記録および/または再生可能に構成された
    光学記録媒体において、 上記非磁性支持基板の吸水率と上記光透過保護層の吸水
    率との差が0.1%以下であることを特徴とする光学記
    録媒体。
  2. 【請求項2】 上記非磁性支持基板の厚さが、0.3m
    m以上1.3mm以下であることを特徴とする請求項1
    記載の光学記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記光透過保護層の膜厚が、10μm以
    上177μm以下であることを特徴とする請求項1記載
    の光学記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記非磁性支持基板を構成する材料と、
    上記光透過保護層を構成する材料とが同種の材料である
    ことを特徴とする請求項1記載の光学記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記非磁性支持基板および上記光透過保
    護層がそれぞれポリカーボネート系樹脂からなることを
    特徴とする請求項1記載の光学記録媒体。
  6. 【請求項6】 上記非磁性支持基板および上記光透過保
    護層がそれぞれポリオレフィン系樹脂からなることを特
    徴とする請求項1記載の光学記録媒体。
  7. 【請求項7】 上記光記録層が、反射層、第1の誘電体
    層、相変化材料層および第2の誘電体層が順次積層され
    て構成されていることを特徴とする請求項1記載の光学
    記録媒体。
  8. 【請求項8】 上記光透過保護層が、上記光記録層上に
    接着層を介して設けられていることを特徴とする請求項
    1記載の光学記録媒体。
  9. 【請求項9】 上記接着層が、紫外線硬化樹脂、粘着性
    シートおよびホットメルト系接着剤からなる群より選ば
    れた少なくとも1種類の材料からなることを特徴とする
    請求項8記載の光学記録媒体。
  10. 【請求項10】 上記非磁性支持基板の上記光記録層が
    設けられた主面に溝トラックが形成されていることを特
    徴とする請求項1記載の光学記録媒体。
  11. 【請求項11】 非磁性支持基板上に、少なくとも光記
    録層および光透過保護層を順次積層する工程を有し、 上記光透過保護層の側からレーザ光を照射することによ
    り情報信号の記録および/または再生可能に構成された
    光学記録媒体の製造方法において、 上記肘性支持基板の上記光記録層が設けられた一主面上
    に、上記非磁性支持基板の吸水率と上記光透過保護層の
    吸水率との差が0.1%以下の、上記光透過保護層を形
    成するようにしたことを特徴とする光学記録媒体の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 上記非磁性支持基板の厚さが、0.3
    mm以上1.3mm以下であることを特徴とする請求項
    11記載の光学記録媒体の製造方法。
  13. 【請求項13】 上記光透過保護層の膜厚が、10μm
    以上177μm以下であることを特徴とする請求項11
    記載の光学記録媒体の製造方法。
  14. 【請求項14】 上記非磁性支持基板を構成する材料
    と、上記光透過保護層を構成する材料とが同種の材料で
    あることを特徴とする請求項11記載の光学記録媒体の
    製造方法。
  15. 【請求項15】 上記非磁性支持基板および上記光透過
    保護層がそれぞれポリカーボネート系樹脂からなること
    を特徴とする請求項11記載の光学記録媒体の製造方
    法。
  16. 【請求項16】 上記非磁性支持基板および上記光透過
    保護層がそれぞれポリオレフィン系樹脂からなることを
    特徴とする請求項11記載の光学記録媒体の製造方法。
  17. 【請求項17】 上記光記録層が、反射層、第1の誘電
    体層、相変化材料層および第2の誘電体層が順次積層さ
    れて構成されていることを特徴とする請求項11記載の
    光学記録媒体の製造方法。
  18. 【請求項18】 上記光透過保護層が上記非磁性支持基
    板上に接着層を介して設けられていることを特徴とする
    請求項11記載の光学記録媒体の製造方法。
  19. 【請求項19】 上記接着層が、紫外線硬化樹脂、粘着
    性シートおよびホットメルト系接着剤からなる群より選
    ばれた少なくとも1種類の材料からなることを特徴とす
    る請求項18記載の光学記録媒体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1333398C (zh) * 2002-10-18 2007-08-22 松下电器产业株式会社 光信息记录媒体
WO2009110185A1 (ja) * 2008-03-05 2009-09-11 オリンパス株式会社 複合光学素子及びその製造方法

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