JP2002319193A - 光学記録媒体の製造装置および光学記録媒体の製造方法、並びに誘電体膜の成膜装置 - Google Patents

光学記録媒体の製造装置および光学記録媒体の製造方法、並びに誘電体膜の成膜装置

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JP2002319193A JP2001125738A JP2001125738A JP2002319193A JP 2002319193 A JP2002319193 A JP 2002319193A JP 2001125738 A JP2001125738 A JP 2001125738A JP 2001125738 A JP2001125738 A JP 2001125738A JP 2002319193 A JP2002319193 A JP 2002319193A
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dielectric film
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Toru Abiko
透 安孫子
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘電体膜などの積層膜を成膜する際に、それ
ぞれの膜の各膜厚における膜厚分布を均一にする。 【解決手段】 基板の一主面上に、情報信号を記録可能
および/または再生可能に構成された積層構造の情報信
号層7を形成する。情報信号層7を構成する積層膜の上
層誘電体膜6を、2回に分け、スパッタリング装置にお
ける第5の真空チャンバと第6の真空チャンバとを用い
て、第1の上層誘電体膜6aと第2の上層誘電体膜6b
とを用いて順次成膜する。この際、第5の真空チャンバ
および第6の真空チャンバを、これらの真空チャンバに
より成膜する膜の膜厚分布が互いに補間するように構成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光学記録媒体の
製造装置および光学記録媒体の製造方法、並びに誘電体
膜の成膜装置に関し、特に、複数のチャンバを用いて誘
電体膜を成膜する際に用いられる、光学記録媒体の製造
装置および誘電体膜の成膜装置に適用して好適なもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、相変化記録材料を用いた書き換え
可能な光ディスクの実用例として、いわゆるDVD−R
W(Digital Versatile Disc-ReWritable)が市販され
ている。このDVD−RWは、2枚の相変化型のディス
ク状光記録媒体(以下、光ディスク)を貼り合わせたも
のである。この貼り合わせ前の光ディスク101を図1
1に示す。
【0003】図11に示すように、この貼り合わせ前の
光ディスク101においては、PCからなるディスク基
板202の一主面102a上に、誘電体からなる第1の
誘電体膜103、結晶相と非晶質相との相変化を利用し
て情報信号が記録される相変化記録膜104、第2の誘
電体膜105、レーザ光を反射するための反射膜106
および、これらの第1の誘電体膜103から反射膜10
6の積層膜を保護するための保護層107が順次積層さ
れて設けられている。
【0004】そして、図12Aに示すように、以上のよ
うに構成された光ディスク101を2枚用意し、それら
の一主面102a側の保護層107どうしを、接着層1
08を介して貼り合わせることにより、両面記録構成の
DVD−RWを得ることができる。また、片面のみを記
録面とする場合には、図12Bに示すように、ディスク
基板202の一主面102a上に反射膜109および保
護層107が順次積層されて構成されたダミーディスク
と、図11に示す光ディスクとを、それらの保護層10
7側を、接着層108を介して貼り合わせることによ
り、片面記録構成のDVD−RWを得ることができる。
【0005】このようなDVD−RW101に対する記
録/再生時に用いられるレーザ光は、ディスク基板20
2側から相変化記録膜104に向けて照射される。そし
て、このDVD−RW101においては、線速が3.4
9m/s、記録ビット長が0.267μm/bit、ト
ラックピッチ(Tp)が0.74μm、レーザ光の波長
が約650μm、データ転送レートが11Mbps、記
録容量4.7GBが実現されている。ところが、近年の
コンピュータなどのアプリケーションを考慮すると、デ
ータ転送レートをより向上させ、この高転送レートでの
CAVによる記録/再生が望まれている。
【0006】そして、このDVD−RW101を上回る
大容量化、高転送レート化を実現するためには、記録用
のレーザ光におけるスポットサイズ(スポット径)を小
さくし、記録線速の向上する方法が有効である。ここ
で、記録用のレーザ光におけるスポットサイズを小さく
するためには、具体的には、レーザ光を短波長化する方
法や、対物レンズの開口数(NA)を大きくする方法な
どを挙げることができる。
【0007】特に、レーザ光の短波長化と対物レンズの
高NA化とを併用すると、これらのそれぞれの方法を単
独に採用した場合に比べ、スポットサイズをより小さく
することができる。例えば、光源として、波長λが40
0nm付近のいわゆる青紫色レーザを用い、さらに対物
レンズのNAが0.85の対物レンズを用いると、理論
上、さらなる高密度記録が可能となる。
【0008】このように、記録密度を上げるためには、
NA/λの向上を図ることが不可欠となる。この場合、
記録容量として8GBを達成するためには、少なくとも
NAを0.70以上とし、さらにレーザ光の波長λを
0.68μm(680nm)以下にする必要がある。
【0009】そして、現状用いられている赤色レーザか
ら、将来普及が見込まれる青色レーザまで対応すること
を考慮すると、光透過層は10〜177μmに設定する
のが最適である。すなわち、一般的に、ディスクスキュ
ーマージンΘと、記録再生用光学ピックアップの光源波
長λ、開口数(NA)および、ディスクの光透過保護層
の膜厚tとは相関関係にある。そして、実用上、そのプ
レイヤビリティが十分に実証されているコンパクトディ
スク(CD)を基準として、これらのパラメータとディ
スクスキューマージンΘとの関係が、特開平3−225
650号公報(文献1)に示されている。
【0010】すなわち、文献1によれば、−84.11
5(λ/NA3/t)≦Θ≦84.115(λ/NA3
t)にする必要がある。ここで、ディスクを実際に量産
する場合のスキューマージンΘの具体的な限界値を考え
ると、0.4°とするのが妥当である。これは、量産を
考えた場合、これより小さくすると製造歩留まりが低下
し、コストが増加してしまうからである。既存の光学記
録媒体についても、ディスクスキューマージンΘの限界
値は、CDにおいて0.6°、DVDにおいて0.4°
である。
【0011】そこで、Θ=0.4°として、レーザの短
波長化および高NA化により、光透過保護層の厚みをど
の程度に設定すべきかを計算すると、レーザ光の波長λ
がλ=0.65μm(赤色レーザ)である場合、NAは
0.78以上が要求される。また、レーザ光の短波長化
が進み、波長λが0.4μm程度の半導体レーザを用
い、NAを上述の0.78以上に固定した場合、ディス
クの光透過保護層の膜厚tは、177μm以下に小さく
する必要がある。他方、この光透過保護層の膜厚の下限
は、光記録膜を保護する光透過保護層の保護機能によっ
て決定される。さらに、信頼性や2群レンズの衝突など
の影響を考慮すると、光透過保護層の膜厚としては、1
0μm以上が望ましい。
【0012】ここで、光透過保護層が薄膜化された、上
述したような光学記録媒体(光ディスク)について説明
する。図13に、この光ディスク201を示す。
【0013】図13に示すように、光透過保護層が薄膜
化された光ディスク201は、支持基板202上に、反
射膜203、第1の誘電体膜204、記録膜205およ
び第2の誘電体膜206からなる光記録膜207と、こ
の光記録膜207上に、接着層208を介して光透過保
護層209とが積層された構成を有する。これらのうち
支持基板202は、これを単板で構成する場合にある程
度の剛性が要求される。そのため、支持基板202の厚
さは、0.6mm程度である。
【0014】ところで、上述したようなDVD−RW1
01や光ディスク201などの光学記録媒体において、
支持基板として用いられるポリカーボネート樹脂やポリ
オレフィン系樹脂は、溶融成型時に耐熱性を有しつつ、
成形しやすく、変質が少なく、さらに機械的特性も優れ
ているという利点を有している。そのため、光学記録媒
体の支持基板として有用な材料である。
【0015】また、2枚のディスクを貼り合わせて構成
されるものにおいては、支持基板上に記録用薄膜を形成
後、貼り合わせにより光透過保護層が形成される点が重
要である。光ディスクにおいては、このような貼り合わ
せによって歩留まりや光学記録媒体の信頼性が左右され
ることも多い。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】このような、情報信号
の記録/再生に400nm程度の短波長のレーザ光を用
いる、光透過保護層が薄膜化された光ディスク201に
おいては、波長が650nm程度のレーザ光を用いて情
報信号の記録/再生を行うようにした光ディスクに比し
て、情報信号が記録される積層膜のそれぞれの膜厚変動
に対して、特性上の変化が大きくなってしまう。
【0017】また、この光ディスクにおける積層膜を成
膜する際に用いられる製造装置においても、膜厚分布を
改良するために、マグネットの配置や、ガス噴出口の最
適化などを行っている。しかしながら、このような最適
化による膜厚分布の改良には限界がある。特に、ターゲ
ットの使用時間に応じて、エロージョンと呼ばれる溝が
生じるため、その膜厚分布はさらに悪くなってしまう。
【0018】したがって、この発明の目的は、ディスク
基板上に積層膜を成膜する際に、それぞれの膜の各膜厚
における膜厚分布を改良することができ、製造される光
学記録媒体の記録特性などの特性を向上させることがで
きる光学記録媒体の製造装置および光学記録媒体の製造
方法を提供することにある。
【0019】また、この発明の他の目的は、複数層の誘
電体膜を積層する際にそれらの誘電体からなる積層膜の
膜厚分布を、成膜される領域においてほぼ均一にするこ
とにより、誘電体からなる膜を積層させる際にその積層
された誘電体膜の膜厚均一性を向上させ、誘電体膜を用
いる種々の装置、媒体において、良好な誘電体膜を得る
ことができる誘電体膜の成膜装置を提供することにあ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の第1の発明は、基板の一主面上に、情報
信号を記録可能および/または再生可能に構成された、
積層構造の情報信号層を有し、情報信号層を構成する積
層膜の部分の、複数層からなる膜を順次成膜可能に構成
された光学記録媒体の製造装置であって、複数層からな
る膜を順次それぞれ成膜可能に構成された複数の成膜手
段を有し、複数の成膜手段が、成膜手段によって成膜さ
れる膜の膜厚分布が、互いに補間するように構成されて
いることを特徴とするものである。
【0021】この第1の発明において、製造タクトを向
上させるために、典型的には、複数層からなる膜は、第
1の誘電体膜と第2の誘電体膜とが順次積層されて構成
されている。そして、この第1の発明において、好適に
は、第1の誘電体膜と第2の誘電体膜とが互いに同種の
材料から構成されている。また、このときの材料として
は、好適には、窒化シリコン、または硫化亜鉛と酸化シ
リコンとの混合体である。また、この第1の発明におい
て、典型的には、第1の誘電体膜および第2の誘電体膜
がレーザ光を透過可能に構成されている。
【0022】この第1の発明において、複数層からなる
膜は、第1の誘電体膜と第2の誘電体膜とが順次積層さ
れて構成されており、この第1の誘電体膜と第2の誘電
体膜とが互いに異なる材料から構成されている。また、
このときの材料としては、窒化シリコン、または硫化亜
鉛と酸化シリコンとの混合体である。
【0023】この第1の発明において、典型的には、情
報信号の記録/再生に用いられるレーザ光の波長は、4
00nm以上650nm以下である。
【0024】この第1の発明において、典型的には、情
報信号の記録/再生の際に用いられる対物レンズの開口
数が0.60以上0.85以下である。
【0025】この第1の発明において、典型的には、情
報信号の記録/再生の際に用いられる対物レンズは、超
半球状レンズまたはソリッドイマージョンレンズであ
る。
【0026】この第1の発明において、典型的には、成
膜手段は、スパッタリングチャンバであり、スパッタリ
ングチャンバに設置されるスパッタリング用ターゲット
が1つである。そして、このようにスパッタリングチャ
ンバに1つのターゲットを設置して、1枚のディスク基
板に膜を成膜する場合には、典型的には、ディスク基板
とスパッタリング用ターゲットとを互いに対向させると
ともに、ディスク基板の一主面に垂直な方向のディスク
基板の中心軸と、スパッタリング用ターゲットの固着面
に垂直な方向のスパッタリング用ターゲットの中心軸と
が互いに重なるように配置した状態で、膜を成膜するよ
うに構成されている。
【0027】この第1の発明において、典型的には、成
膜手段は枚葉式である。また、一方で、この第1の発明
において、好適には、成膜手段が複数のディスク基板に
同時に成膜を行うように構成されている。
【0028】この第1の発明において、典型的には、情
報信号層が、下層誘電体膜、情報信号を記録可能に構成
された記録膜、上層誘電体膜、および情報信号の記録/
再生に用いられるレーザ光を反射可能に構成された反射
膜が順次積層されて構成され、レーザ光をディスク基板
側から情報信号層に向けて照射することにより、情報信
号を記録可能および/または再生可能に構成されてい
る。そして、典型的には、この複数層からなる膜は、光
学記録媒体における反射率に大きな影響を及ぼすので、
より高い平坦性を保つことによって、その成膜領域の反
射率を一定にするために、この複数層からなる膜は下層
誘電体膜である。
【0029】この第1の発明において、典型的には、情
報信号層が、情報信号の記録/再生に用いられるレーザ
光を反射可能に構成された反射膜、下層誘電体膜、情報
信号を記録可能に構成された記録膜、および上層誘電体
膜が順次積層されて構成され、レーザ光を上層誘電体膜
側から情報信号層に向けて照射することにより、情報信
号を記録可能および/または再生可能に構成されてい
る。そして、この第1の発明において、好適には、複数
層からなる膜は、光学記録媒体における反射率に大きな
影響を及ぼすので、より高い平坦性を保つことによっ
て、その成膜領域の反射率を一定にするために、上層誘
電体膜である。
【0030】この第1の発明において、アルミニウム合
金における熱伝導率の制御を容易に行うとともに、十分
な耐食性を確保するために、典型的には、添加物は銅で
あり、添加物の含有率は、0.5重量パーセント以上
1.5重量パーセント以下である。
【0031】この発明の第2の発明は、基板の一主面上
に、情報信号を記録可能および/または再生可能に構成
された、積層構造の情報信号層を構成する積層膜の部分
の、複数層からなる膜を、複数の成膜手段を用いて順次
成膜するようにした光学記録媒体の製造方法であって、
複数層からなる膜を、複数の成膜手段における個々の成
膜手段によって成膜される膜の膜厚分布が互いに補間す
るように、順次成膜するようにしたことを特徴とするも
のである。
【0032】この第2の発明において、典型的には、複
数層の膜が、第1の誘電体膜と第2の誘電体膜との2層
の誘電体膜である。また、好適には、第1の誘電体膜と
第2の誘電体膜とが互いに同種の材料からなる。そし
て、この材料は、窒化シリコン、または硫化亜鉛と酸化
シリコンとの混合体であるが、その他の材料を用いるこ
とも可能である。
【0033】この第2の発明において、典型的には、第
1の誘電体膜と第2の誘電体膜とが互いに異なる材料か
らなる。このとき、この材料としては、窒化シリコン、
または硫化亜鉛と酸化シリコンとの混合体である。
【0034】この第2の発明において、好適には、複数
層からなる膜が、レーザ光を透過可能に構成されてい
る。
【0035】この第2の発明において、好適には、情報
信号の記録/再生に用いられるレーザ光の波長は400
nm以上650nm以下である。
【0036】この第2の発明において、好適には、情報
信号の記録/再生の際に用いられる対物レンズの開口数
は、0.60以上0.85以下である。
【0037】この第2の発明において、好適には、情報
信号の記録/再生の際に用いられる対物レンズは、超半
球状レンズまたはソリッドイマージョンレンズである。
【0038】この第2の発明において、好適には、成膜
手段がスパッタリングチャンバであり、このスパッタリ
ングチャンバに設置されるスパッタリング用ターゲット
は、好適には1つである。そして、この第2の発明にお
いて、典型的には、ディスク基板とスパッタリング用タ
ーゲットとを互いに対向させるとともに、ディスク基板
の一主面に垂直な方向のディスク基板の中心軸と、スパ
ッタリング用ターゲットの固着面に垂直な方向のスパッ
タリング用ターゲットの中心軸とが互いに重なるように
配置した状態で、膜を成膜する。
【0039】この第2の発明において、典型的には、情
報信号層は、下層誘電体膜、情報信号を記録可能に構成
された記録膜、上層誘電体膜、および情報信号の記録/
再生に用いられるレーザ光を反射可能に構成された反射
膜が順次積層されて構成され、レーザ光をディスク基板
側から情報信号層に向けて照射することにより、情報信
号を記録可能および/または再生可能に構成されてい
る。そして、この複数層からなる膜は、下層誘電体膜で
ある。
【0040】この第2の発明において、好適には、情報
信号層は、情報信号の記録/再生に用いられるレーザ光
を反射可能に構成された反射膜、下層誘電体膜、情報信
号を記録可能に構成された記録膜、および上層誘電体膜
が順次積層されて構成され、レーザ光を上層誘電体膜側
から情報信号層に向けて照射することにより、情報信号
を記録可能および/または再生可能に構成されている。
また、好適には、複数層からなる膜は上層誘電体膜であ
る。
【0041】この第2の発明において、好適には、成膜
手段は枚葉式である。一方で、この第2の発明におい
て、成膜手段は、複数のディスク基板に同時に成膜を行
うように構成されている。
【0042】この第2の発明において、銀合金における
熱伝導率の制御を容易に行うとともに、十分な耐食性を
確保するために、典型的には、添加物は、カルシウム
(Ca)、マグネシウム(Mg)、パラジウム(P
d)、鉄(Fe)および銅(Cu)からなる群より選ば
れた少なくとも1種類の元素であり、良好な信号特性
と、十分な耐食性を確保するために、好適には、添加物
の含有率は、0.5重量パーセント以上3.3重量パー
セント以下である。
【0043】この第1および第2の発明において、平面
円環状の光学記録媒体において、内周部の熱伝導率を増
加させるとともに、外周部の熱伝導率を内周部に比して
低くするために、反射膜の外周部における添加物の添加
量を、反射膜の内周部における添加物の添加量より多く
する。そして、角速度一定で情報信号の記録/再生を行
う場合に良好に信号特性を確保するために、好適には、
この反射膜に添加された添加物の添加量を、ディスク基
板の半径方向に沿って、反射膜の内周部から外周部に向
けて増加させる。
【0044】この第1および第2の発明において、従来
のDVD−RWなどの光学記録媒体よりも大容量化する
ために、典型的には、ディスク基板の一主面に凹凸の溝
トラックが形成されており、溝トラックのトラックピッ
チは0.74μm以下である。また、溝トラックのトラ
ックピッチは、照射されるレーザ光のスポット径などに
よって決定され、好適には、トラックピッチは、0.2
4μm以上である。
【0045】この第1および第2の発明において、光学
記録媒体を書換可能または追記可能とするために、典型
的には、記録膜は、少なくとも2つの可逆的な状態の変
化により情報信号を記録可能に構成されており、好適に
は、記録膜は、結晶相と非晶質相との相変化(相転移)
により情報信号を記録可能に構成された相変化材料から
なる。
【0046】この第1および第2の発明において、65
0nm程度のレーザ光を用いて情報信号の記録および/
または再生を行うために、具体的には、ディスク基板の
一主面上に、下層誘電体膜、記録膜、上層誘電体膜およ
び反射膜が順次積層されて構成された情報信号層が設け
られ、ディスク基板の一主面とは反対側の他主面から情
報信号層に向けてレーザ光を照射することにより、情報
信号層に対して情報信号を記録可能および/または再生
可能に構成されている。また、情報信号の記録/再生に
寄与する情報信号層を保護するために、典型的には、デ
ィスク基板の一主面上における情報信号層上に接着層を
介して保護層が設けられている。また、このように構成
された光学記録媒体を2枚用いて、それらの保護層側
を、接着剤を介して貼り合わせることにより、両面記録
型の光学記録媒体を構成することも可能である。また、
上述のように構成された光学記録媒体と、記録/再生す
るための情報信号層を有しないダミーディスクとを用い
て、これらを貼り合わせることにより、片面記録型の光
学記録媒体を構成することも可能である。
【0047】この第1および第2の発明において、レー
ザ光の波長がより短波長化され、対物レンズがより高開
口数(NA)化された光学ピックアップを用いて情報信
号の記録/再生を行うために、好適には、この第1およ
び第2の発明による光学記録媒体は、ディスク基板の一
主面上に、反射膜、下層誘電体膜、記録膜および上層誘
電体膜が順次積層されて構成された情報信号層が設けら
れ、ディスク基板に対して情報信号層が存在する側か
ら、この情報信号層に向けてレーザ光を照射することに
より、情報信号を記録可能および/または再生可能に構
成されている。また、レーザ光の波長がより短波長化さ
れ、対物レンズがより高開口数(NA)化された光学ピ
ックアップを用いて情報信号の記録/再生を行う際に、
光学ヘッドから情報信号層を保護するために、ディスク
基板の一主面上における情報信号層上に接着層を介し
て、少なくともレーザ光を透過可能な光透過保護層が設
けられている。
【0048】この発明の第3の発明は、基板の一主面上
に、複数の誘電体膜を順次成膜可能に構成された誘電体
膜の成膜装置であって、複数の誘電体膜の成膜にそれぞ
れ用いられる複数の成膜手段を有し、複数の成膜手段に
おける誘電体膜の膜厚分布特性が、それぞれの成膜手段
において互いに補正し合うように構成されていることを
特徴とするものである。
【0049】この第3の発明において、典型的には、複
数の誘電体膜が互いに同種の材料からなり、好ましい具
体例は、材料は、窒化シリコン(SiN,Si34)、
または硫化亜鉛と酸化シリコンとの混合体(ZnS−S
iO2)である。なお、言うまでもなく、材料として
は、上述の材料に限定するものではなく、その他の材料
を用いることが可能である。
【0050】この第3の発明において、典型的には、複
数の誘電体膜が2層の誘電体膜からなる。そして、典型
的には、複数の成膜手段として、第1の成膜手段により
基板上に第1の誘電体膜を成膜した場合の膜厚分布特性
と、第2の成膜手段により基板上に第2の誘電体膜を成
膜した場合の膜厚分布特性とが、互いに補間し合うよう
に第1の成膜手段と第2の成膜手段とを選択する。ま
た、他方、2層の誘電体膜は、互いに異なる材料から構
成することも可能であり、この場合、材料の具体例は、
窒化シリコン、または硫化亜鉛と酸化シリコンとの混合
体である。
【0051】この第3の発明において、典型的には、複
数の誘電体膜は、レーザ光を透過可能に構成されてい
る。
【0052】この第3の発明において、典型的には、成
膜手段がスパッタリングチャンバであり、スパッタリン
グチャンバに設置されるスパッタリング用ターゲット
は、1つである。そして、このとき、1枚の基板と1つ
のスパッタリング用ターゲットとを互いに対向させると
ともに、基板の一主面に垂直な方向の基板の中心軸と、
スパッタリング用ターゲットの固着面に垂直な方向のス
パッタリング用ターゲットの中心軸とが互いに重なるよ
うに配置した状態で、誘電体膜を成膜可能に構成されて
いる。
【0053】この第3の発明において、典型的には、成
膜手段は枚葉式に構成されているか、または、成膜手段
が複数の基板に同時に成膜を行うように構成されてい
る。
【0054】この発明において、典型的には、光透過性
シートの材料として使用されるポリカーボネート樹脂
は、二価フェノール系(例えばビスフェノールA)を酸
結合剤(例えば水酸化ナトリウム(NaOH)など)の
存在下、ホスゲンと反応させることにより合成されるホ
スゲン法によって製造されるものであり、具体的には、
通常のポリカーボネート樹脂のほか、分岐化剤としてフ
ェノール性水酸基を有する分岐化ポリカーボネート、末
端停止剤として長鎖アルキル酸クロライドもしくは長鎖
アルキルエステル置換フェノールなどの末端長鎖アルキ
ルポリカーボネート樹脂、上述の分岐剤および末端停止
剤をともに用いた末端長鎖アルキル分岐ポリカーボネー
ト樹脂、さらにこれらの混合物などが使用される。そし
て、これらのポリカーボネート樹脂は、押し出し装置に
投入され、ヒータなどの加熱装置によって溶融してシー
ト状に押し出され、複数個の冷却ロールを用いることに
より、シート状に形成される。
【0055】この発明において、典型的には、記録膜の
全体もしくは部分を構成する記録材料は、レーザ光の照
射により可逆的な状態変化を生じる材料からなる。特
に、非晶質状態と結晶状態との間において、可逆的相変
化(相転移)を生じる相変化材料が好ましく、カルゴゲ
ン化合物または単体のカルゴゲンなどの、公知のものが
いずれも使用可能である。具体的には、テルル(T
e)、セレン(Se)、ゲルマニウム・アンチモン・テ
ルル(Ge−Sb−Te)、Ge−Te、Sb−Te、
インジウム・アンチモン・テルル(In−Sb−T
e)、銀・インジウム・アンチモン・テルル(Ag−I
n−Sb−Te)、金・インジウム・アンチモン・テル
ル(Au−In−Sb−Te)、ゲルマニウム・アンチ
モン・テルル・パラジウム(Ge−Sb―Te−P
d)、ゲルマニウム・アンチモン・テルル・セレン(G
e−Sb―Te−Se)、インジウム・アンチモン・セ
レン(In−Sb−Se)、ビスマス・テルル(Bi−
Te)、ビスマス・セレン(Bi−Se)、Sb−S
e、Ge−Sb−Te−Bi、ゲルマニウム・アンチモ
ン・テルル・コバルト(Ge−Sb−Te−Co)、ま
たはGe−Sb−Te−Auを含む系、あるいはこれら
の系に窒素(N)、酸素(O)などのガス添加物を導入
した系などを挙げることができる。これらのうち、特に
好ましいのは、Sb−Te系を主成分とするものであ
り、このSb−Te系を主成分としたものに、例えばS
e、Pd、Ge、またはInなどの任意の元素を添加し
たものを用いるのが好ましい。
【0056】また、この発明において、記録膜として相
変化記録膜を用いた場合、レーザ光の強弱により非晶質
(アモルファス)状態と結晶状態の間を可逆的に相変化
(相転移)させることができる。そして、この非晶質状
態と結晶状態との2つの状態変化による反射率などの光
学的変化を利用して、記録、再生、消去などを行った
り、消去を行わずに直接上書き(オーバーライト)など
を行ったりすることができる。通常、記録膜を成膜した
後、いったん結晶化して初期化(フォーマット)を行
い、その後に記録/再生を行うようにする。
【0057】この発明は、例えば、DVR(Digital Vid
eo Recording system)などの、薄い光透過層を有する光
ディスクに適用することができ、発光波長が650nm
程度の半導体レーザを用いて情報信号の記録や再生を行
うように構成された、いわゆるDVR−redや、発光
波長が400nm程度の半導体レーザを用いて情報信号
の記録や再生を行うように構成された、いわゆるDVR
−blueなどの光ディスクに適用することが可能であ
る。このDVRは、好ましくは、2個のレンズを直列に
組み合わせることによりNAを0.85以上にまで高め
た対物レンズを用いて、情報信号を記録可能に構成され
ており、具体的には、片面で22GB程度の記憶容量を
有する。また、このDVRなど、この発明の適用が好ま
しい光ディスクは、好適にはカートリッジに納められて
いるが、この発明の適用は、必ずしもカートリッジに納
められているものに限定されるものではない。
【0058】上述のように構成された第1および第2の
発明による光学記録媒体の製造装置および光学記録媒体
の製造方法によれば、複数層からなる膜を順次それぞれ
成膜可能に構成された複数の成膜手段を有し、複数の成
膜手段が、個々の成膜手段によって成膜される膜の膜厚
分布が、互いに補間するように構成されているので、複
数の成膜手段を用いて、複数層からなる膜を成膜する際
に、その膜厚分布を均一にすることができる。
【0059】また、上述のように構成された第3の発明
による誘電体膜の成膜装置によれば、複数の誘電体膜の
成膜にそれぞれ用いられる複数の成膜手段における誘電
体膜の膜厚分布特性が、それぞれの成膜手段において互
いに補正し合うように構成されていることにより、同
種、異種に限らず、複数の誘電体膜を順次成膜する場合
に、その膜厚分布を相互に補正し合うことができ、膜厚
分布を均一にすることができる。
【0060】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態
の全図においては、同一または対応する部分には同一の
符号を付す。
【0061】次に、この発明の一実施形態による光学記
録媒体について説明する。図1に、この一実施形態によ
る光ディスクを示す。
【0062】図1に示すように、この一実施形態による
相変化型の光ディスク1においては、ディスク基板2の
一主面上に、反射膜3、下層誘電体膜4、記録膜5およ
び上層誘電体膜6が順次積層されて構成された情報信号
層7が設けられている。また、このディスク基板2の一
主面上の情報信号層7における、ディスク基板2が存在
する側とは反対側の主面に、接着層8および光透過性シ
ート9が順次積層された光透過層10が設けられてい
る。以上のようにして、ディスク基板2の一主面上に情
報信号層7および光透過層10が順次設けられ、この一
実施形態による光ディスク1が構成されている。また、
この光ディスク1において、記録/再生用のレーザ光L
1は、ディスク基板2に対して光透過層10が設けられ
た側から照射される。また、この光ディスク1は、その
一主面に形成された凹凸の双方に情報信号が記録され
る、いわゆるランド・グルーブ記録方式を採用した光デ
ィスクである。
【0063】ディスク基板2は、例えばポリカーボネー
ト系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂など
の、低コスト化に優れたプラスチック材料からなる。こ
れらの材料のうち、ポリカーボネート(PC)を用いる
場合には、熱膨張係数が7.0×10-5程度で、曲げ弾
性率が2.4×104程度のものが用いられる。また、
シクロオレフィンポリマーなどの低吸水性のポリオレフ
ィン系樹脂(例えばゼオネックス(登録商標))を用い
る場合には、熱膨張係数が6.0×10-5程度で、曲げ
弾性率が2.3×104程度のものが用いられる。な
お、この一実施形態による光ディスク1は、ディスク基
板2に対して、薄い光透過層10が設けられた側からレ
ーザ光を照射することにより、情報信号の記録/再生を
行うように構成されている。そのため、ディスク基板2
としては、透過性を有するか否かを考慮する必要がない
ので、例えばAlなどの金属からなる基板を用いること
も可能である。また、このディスク基板2の作製は、例
えば、射出成形法や紫外線硬化樹脂を用いた2P法によ
り行われる。また、ディスク基板2の厚さは、0.3〜
1.3mmから選ばれ、この一実施形態においては、例
えば1.1mmに選ばれる。これは、ディスク基板の厚
さが0.3mmより小さいと、光ディスク1自体の強度
が下がったり、反りやすくなったりするためである。他
方、ディスク基板2の厚さが1.3mmより大きいと、
光ディスク1の厚みが、CDやDVDなどの光ディスク
の厚さ(約1.2mm)に比して大きくなってしまい、
CDやDVDと、この一実施形態による光ディスクとの
両方に対応する駆動装置の商品化を考慮すると、同じデ
ィスクトレイを共用できなくなる可能性があるためであ
る。
【0064】また、ディスク基板2は、その中央部にセ
ンターホール(図示せず)が形成された平面円環形状を
有する。そして、ディスク基板2の内径(センターホー
ルの径)は例えば15mm、外径は例えば120mmで
ある。なお、このディスク基板2の情報信号層7が形成
される一主面には、ランドおよびグルーブからなる凹凸
の溝トラック(図示せず)が形成されている。この凹凸
の溝トラックにおけるトラックピッチTpは、例えば
0.3μmである。また、溝トラックの形状において
は、スパイラル状、同心円状、ピット列などの様々な形
状とすることが可能である。そして、このような溝トラ
ックによる案内により、光ディスク1を回転させてレー
ザスポットを任意の位置に移動可能に構成されている。
【0065】また、反射膜3は、例えば金属や半金属か
らなる。そして、反射膜3における反射機能を考慮する
と、反射膜3の材料としては、記録再生用に用いられる
レーザ光の波長に対して反射能を有するとともに、熱伝
導率が例えば4.0×10-2〜4.5×102J/m・
K・s(4.0×10-4〜4.5J/cm・K・s)の
範囲内の値を有する金属元素、半金属元素、およびこれ
らの化合物または混合物からなることが好ましい。すな
わち、反射膜3の材料としては、具体的には、Al、A
g、Au、Ni、Cr、Ti、Pd、Co、Si、T
a、W、Mo、Geなどの単体、またはこれらの単体を
主成分とする合金を挙げることができる。そして、実用
性の面を考慮すると、これらのうちのAl系、Ag系、
Au系、Si系またはGe系の材料が好ましい。また、
反射膜3の材料として合金を用いる場合には、例えば、
AlCu、AlTi、AlCr、AlCo、AlMgS
i、AgPdCu、AgPdTi、AgCuTi、Ag
PdCa、AgPdMg、AgPdFe、AgまたはS
iBなどが好ましい。さらに、反射膜3の材料は、光学
特性および熱特性を考慮して設定される。すなわち、一
般的に、反射膜3の膜厚を、レーザ光L2が透過しない
程度の大きさ(例えば50nm以上)に設定すると、反
射率が高くなるとともに、放熱性が向上する。特に、A
l系の材料やAg系の材料は、波長λが400nm程度
の青色レーザ光の照射に対して、その反射率が80%以
上になるなど、レーザ光が短波長の場合においても高い
反射率を有するため、Alを主成分とした合金またはA
gを主成分とした合金が好ましい。以上のことから、こ
の一実施形態においては、反射膜3として、例えばAg
合金を用いる。また、反射膜3の膜厚は、記録膜5に生
じる熱の拡散、すなわち熱冷却特性を十分確保し、ジッ
ター特性を良好に保つとともに、反射膜3に生じる応力
により、スキューなどの機械的特性に与える影響を最小
限に抑える観点から設定され、具体的には、50〜20
0nmから選ばれ、この一実施形態においては、例えば
120nmに選ばれる。
【0066】また、下層誘電体膜4および上層誘電体膜
6は、記録再生用レーザ光に対して、吸収能が低い材料
から構成され、具体的には、消衰係数kの値が0.3以
下の材料から構成することが好ましい。この一実施形態
においては、下層誘電体膜4および上層誘電体膜6とし
て、例えばZnS−SiO2(特に、モル比が約4:
1)が用いられる。また、下層誘電体膜4の膜厚は、例
えば14nmであり、上層誘電体膜6の膜厚は、例えば
140nmである。
【0067】また、記録膜5は、この光ディスク1とし
て相変化型の光ディスクを採用する場合、相変化記録材
料からなり、この一実施形態においては、例えばSbT
e系材料、具体的にはSbTeからなる。また、記録膜
5の膜厚は、例えば12nmである。
【0068】また、情報信号層7上に設けられた接着層
8は、例えば感圧性粘着剤や紫外線硬化樹脂などからな
る。そして、情報信号層7の経時変化を防止するため
に、好ましくは、接着層8の半径方向における外周端
は、情報信号層7における半径方向の外周端より0.5
mm以上外周側になるように設けられる。
【0069】また、情報信号層7上に接着層8を介して
形成された光透過性シート9は、記録/再生に用いられ
るレーザ光に対して、吸収能が低い材料から構成するこ
とが好ましく、レーザ光の透過率が90%以上の材料か
ら構成することがより望ましい。具体的には、光透過性
シート9は、例えばポリカーボネート樹脂材料やポリオ
レフィン系樹脂から構成された平面円環状のシート状基
材からなる。具体的には、ポリカーボネート(PC)を
用いる場合、熱膨張係数が7.0×10-5程度、曲げ弾
性率が2.4×104程度の材料が用いられ、ポリオレ
フィン系樹脂(例えばゼオネックス(登録商標))を用
いる場合、熱膨張係数が6.0×10-5程度、曲げ弾性
率が2.3×104程度の材料が用いられる。また、こ
の光透過性シート9の厚さは、3〜177μmの範囲内
から選ばれ、この一実施形態においては、接着層8との
合計の厚さが例えば100μmになるように選ばれる。
また、このような薄い光透過層と、0.85程度の高N
A化された対物レンズとを組み合わせることによって、
高密度記録を実現することができる。なお、この一実施
形態による光透過性シート9は、ポリカーボネート樹脂
を押出機に投入し、このポリカーボネート樹脂をヒータ
(図示せず)を用いて250〜300℃の温度で溶融さ
せ、複数個の冷却ロールを用いてシート状に成形され、
ディスク基板2に合わせた形状に裁断することにより形
成されたものである。
【0070】また、以上のように構成された光ディスク
1の作成方法としては、大きく分けて以下の2つの方法
を用いることができる。
【0071】第1の方法は、案内溝が形成された支持基
板上に多層膜を積層し、最後に平滑な光透過保護層を形
成する方法である。光透過保護層の形成方法としては、
例えば厚さ100μm以下のポリカーボネート系樹脂や
ポリオレフィン系樹脂などからなる光学的に十分平滑な
光透過性のシート(フィルム)を、紫外線硬化樹脂を接
着剤とし紫外線照射により貼り合わせる方法、または粘
着性の機能を有する感圧性粘着剤を介し貼り合わせる方
法を用いることができる。
【0072】また、第2の方法は、案内溝が形成された
光透過保護層上に多層膜を積層し、最後に平滑なディス
ク基板2を形成する方法である。なお、厚さ100μm
以下の光透過保護層に凹凸の溝トラックを形成する方法
としては、射出成形法、2P法、または圧着および加圧
により凹凸を転写する方法などを用いることができる。
【0073】以上のような2つの方法のうち、光透過保
護層上に凹凸を形成する工程または多層膜を成膜する工
程は必ずしも容易ではないので、量産性を考慮すると第
1の方法を用いることが望ましい。以下に、上述の2つ
の方法のうちの、第1の方法による光ディスク1の製造
方法について説明する。まず、この第1の方法による成
膜に用いられるスパッタリング装置について説明する。
【0074】すなわち、この一実施形態による光ディス
ク1の製造に用いられるスパッタリング装置は、基板自
転可能な枚葉式の静止対向型スパッタリング装置であ
る。まず、ここで、図2に、この一実施形態による静止
対向型のDCスパッタリング装置を示す。また、この静
止対向型のスパッタリング装置は、1つのターゲットを
用い、1枚のディスク基板2上に薄膜を成膜する枚葉式
のスパッタリング装置である。
【0075】図2に示すように、この一実施形態による
スパッタリング装置においては、成膜室となる真空チャ
ンバ21、この真空チャンバ21内の真空状態を制御す
る真空制御部22、プラズマ放電用DC高圧電源23、
このプラズマ放電用DC高圧電源23と電源ライン24
を通じて接続されているスパッタリングカソード部2
5、このスパッタリングカソード部25と所定の距離を
持って対向配置されているパレット26および、Arな
どの不活性ガスや反応ガスといったスパッタガスを真空
チャンバ21内に供給するためのスパッタガス供給部2
7を有して構成されている。
【0076】スパッタリングカソード部25において
は、負電極として機能するAlCu合金や、SbTe合
金や、ZnS−SiO2などのターゲット材料からなる
ターゲット28、このターゲット28を固着するように
構成されたバッキングプレート29および、このバッキ
ングプレート29のターゲット28が固着される面とは
反対側の面に設けられた磁石系30から構成されてい
る。また、正電極として機能するパレット26と、負電
極として機能するターゲット28とから、一対の電極が
構成されている。パレット26上には、スパッタリング
カソード部25と対向して被成膜体であるディスク基板
2が内周マスク31と外周マスク32とにより、ディス
クベース33を間にはさんで取り付けられている。ま
た、パレット26のディスクベース33が取り付けられ
る面とは反対側の面に、パレット26を、ディスク基板
2の面内方向に回転させ、これによってディスク基板2
を自転させるための基板自転駆動部34が連動可能に設
けられている。
【0077】また、この一実施形態によるスパッタリン
グ装置20において、図3Aに示すような平面円環状を
有する被成膜体としてのディスク基板2と、図3Bに示
すような円板形状を有する成膜材料からなるターゲット
28とは、図3Cに示すように、それらの平面的な位置
関係において、ディスク基板2の中心Oと、ターゲット
28の中心O′とがほぼ一致するように配置される。ま
た、ディスク基板2は、図2に示す基板自転駆動部34
により、その中心Oの周りで自転させることができるよ
うに構成されている。
【0078】以上のようにして、この一実施形態におけ
る光ディスクの製造に用いられるスパッタリング装置が
構成されている。
【0079】上述した図2に示すDCスパッタリング装
置を使用する際においては、まず、真空制御部22によ
り、真空チャンバ21内を、スパッタリングに好ましい
所定の真空状態になるまで排気を行う。
【0080】次に、スパッタガス供給部27により、真
空チャンバ21内に、例えばArガスやN2ガスなどの
スパッタガスを、所定の圧力になるまで導入する。その
後、この状態において、プラズマ放電用DC高圧電源2
3より、バッキングプレート29に所定の負電位を印加
することによって、ターゲット28に所定の負電位を印
加する。これにより一対の電極を形成するパレット26
とバッキングプレート29との間に電界が生じ、グロー
放電が発生する。このグロー放電によって、イオン化し
たArガスがターゲット28をスパッタリングする。こ
れにより、ターゲット28からターゲット材料が原子な
どの状態となって叩き出される。この叩き出されたター
ゲット材料は、ターゲット28に対向して配置されたパ
レット26に取り付けられたディスク基板2表面に堆積
する。この堆積を所定の時間継続させることにより、デ
ィスク基板2上に所望の材料からなる薄膜が形成され
る。
【0081】この一実施形態による光ディスクの製造に
おいては、ディスク基板2上に反射膜3、下層誘電体膜
4、記録膜5、および2層の誘電体膜からなる上層誘電
体膜6を順次成膜する際には、それらの界面を清浄に保
つために、以上のように構成されたDCスパッタリング
チャンバを複数台、この一実施形態においては、6台の
第1〜第6のDCスパッタリングチャンバを用いて、情
報信号層7を構成する膜を順次成膜する。なお、以下の
製造プロセスにおいて、各層の成膜にそれぞれ用いられ
るスパッタリングチャンバの符号に関しては、上述した
DCスパッタリング装置20におけると同様の符号を用
いる。
【0082】さて、この一実施形態による光ディスクの
製造方法においては、まず、PC基板などのディスク基
板2を、真空チャンバ21に、例えばAgM(M:添加
物)からなるターゲット28が設置された第1のスパッ
タリング装置に搬入し、パレット26に固定する。次
に、スパッタガスとして例えばArガスを用いたスパッ
タリング法により、ディスク基板2の一主面上にAg合
金を成膜する。これにより、ディスク基板2の一主面上
にAg合金からなる反射膜3が形成される。また、並行
して、他のディスク基板2の一主面上に、第1のスパッ
タリング装置におけると同様の、Ag合金ターゲットが
設置された第2のスパッタリング装置を用いて、Ag合
金からなる反射膜3を形成する。
【0083】次に、反射膜3が形成されたディスク基板
2を、ZnS−SiO2からなるターゲット28が設置
された第2のスパッタリング装置に搬入し、パレット2
6に固定する。次に、真空チャンバ21内の圧力を、例
えば1.0×10-4Pa程度まで真空引きする。その
後、真空チャンバ21内に例えばArガスなどの不活性
ガスを導入しつつ、スパッタリングを行うことにより、
反射膜3上にZnS−SiO2を成膜する。これによ
り、反射膜3上に、ZnS−SiO2からなる下層誘電
体膜4が形成される。その後、このZnS−SiO2
らなるターゲット28が設置された真空チャンバ21か
ら、下層誘電体膜4が形成されたディスク基板2を搬出
する。
【0084】次に、反射膜3および下層誘電体膜4が形
成されたディスク基板2を、相変化記録材料としてのS
bTe合金からなるターゲット28が設置された真空チ
ャンバ21内に搬入し、パレット26に固定する。次
に、この真空チャンバ21内の圧力を、例えば1.0×
10-4Pa程度にまで真空引きする。その後、真空チャ
ンバ21内に例えばArガスなどの不活性ガスを導入し
つつ、下層誘電体膜4上にSbTeを成膜する。これに
より、下層誘電体膜4上にSbTe合金からなる記録膜
5が形成される。その後、SbTe合金ターゲットが設
置されている真空チャンバ21から、記録膜5まで形成
されたディスク基板2を搬出する。
【0085】その後、反射膜3から記録膜5まで順次積
層されたディスク基板2上に、スパッタリング法によ
り、例えばZnS−SiO2からなる上層誘電体膜6を
形成する。このとき、この上層誘電体膜6は、下層誘電
体膜4や記録膜5に比して、その膜厚が非常に大きいの
みならず、反射膜3を構成するAg合金などの成膜に比
べてもその成膜速度が小さい。そのため、上層誘電体膜
6を成膜する時間は非常に長くなり、結果的に、ディス
ク基板2上における情報信号層7の形成は、上層誘電体
膜6の成膜時間に律速されてしまう。そこで、上層誘電
体膜6は少なくとも2回に分けて成膜するのが望まし
い。このとき、各スパッタリング装置において成膜する
膜の膜厚は、互いにほぼ等しくなるように設定するのが
好ましい。なお、上層誘電体膜6の所望とする膜厚、そ
の材料の成膜速度に応じて、これらを最適化し、上層誘
電体膜6を構成する複数の膜の成膜時間が、情報信号層
7における他の膜の成膜時間に近くなるようにする。こ
れにより、情報信号層7を構成する積層膜の各膜におけ
る成膜時間を最小限にすることができる。
【0086】すなわち、まず、反射膜3、下層誘電体膜
4および記録膜5が順次積層されたディスク基板2を、
ZnS−SiO2からなるターゲット28が設置された
真空チャンバ21内に搬入し、パレット26に固定す
る。次に、この真空チャンバ21内の圧力を、例えば
1.0×10-4Pa程度まで真空引きする。その後、真
空チャンバ21内に例えばArガスなどの不活性ガスを
導入しつつ、スパッタリングを行うことによって、記録
膜5上にZnS−SiO2を成膜する。これにより、記
録膜5上にZnS−SiO2からなる第1の上層誘電体
膜6aが形成される。このとき、第1の上層誘電体膜6
aは、所望とする上層誘電体膜6の膜厚に対して、ほぼ
中間の膜厚に成膜する。その後、真空チャンバ21か
ら、一主面上に反射膜3から第1の上層誘電体膜6aが
順次積層されたディスク基板2を搬出する。
【0087】その後、反射膜3、下層誘電体膜4、記録
膜5および第1の上層誘電体膜6aが順次積層されたデ
ィスク基板2を、ZnS−SiO2からなるターゲット
28が設置された真空チャンバ21内に搬入し、パレッ
ト26に固定する。次に、この真空チャンバ21内の圧
力を、例えば1.0×10-4Pa程度まで真空引きす
る。その後、真空チャンバ21内に例えばArガスなど
の不活性ガスを導入しつつ、スパッタリングを行うこと
によって、第1の上層誘電体膜6a上にZnS−SiO
2を成膜する。これにより、第1の上層誘電体膜6a上
にZnS−SiO2からなる第2の上層誘電体膜6bが
形成され、第1の上層誘電体膜6aおよび第2の上層誘
電体膜6bからなる上層誘電体膜6が形成される。その
後、真空チャンバ21から、一主面上に反射膜3から上
層誘電体膜6が順次積層されたディスク基板2を搬出す
る。
【0088】以上により、ディスク基板2の一主面上に
情報信号層7が形成される。
【0089】その後、例えばブロッキング現象や気泡混
入の防止が図られた所定の貼り合わせ装置を用いて、平
面円環形状の光透過性シートからなる光透過性シート9
の一面に感圧性粘着剤(PSA)からなる接着層8が被
着されたシートを、ディスク基板2の情報信号層7が形
成された一主面に、接着層8の面において貼り合わせ
る。これにより、ディスク基板2の情報信号層7を覆う
ようにして、光透過層10が形成される。
【0090】以上により、図1に示す光ディスク1が製
造される。
【0091】その後、必要に応じて、以上のようにして
製造された光ディスク1を2枚用意し、それらのディス
ク基板2側が内側になるようにして、所定の接着剤を用
いて貼り合わせることにより、両面記録型光ディスクが
製造される。このように光ディスク1を2枚用意して貼
り合わせる場合、ディスク基板2の厚さを0.5mm程
度とし、2枚貼り合わせた状態においてディスク基板2
の厚さが1.0mm程度になるようにする。
【0092】ここで、本発明者は、上述した上層誘電体
膜6の膜厚の変動が光ディスクに及ぼす影響について、
実験を行った。すなわち、上層誘電体膜6の膜厚を14
0nmから±3%増減させた場合における、光ディスク
の特性のうちの反射率、ジッター、変調度(モジュレー
ション)、リソリューションの測定結果を表1に示す。
なお、この評価結果に用いられる記録発光パターンを図
4に示す。
【0093】
【表1】
【0094】表1から、反射率に関しては、膜厚を3%
増加させて144.2nmとした場合に6.8%減少
し、膜厚を3%減少させて135.8nmとした場合に
13.7%も増加することが分かる。また、ジッターに
関しては、膜厚を3%増加させた場合に1.3%増加
し、膜厚を3%減少させた場合に3.8%減少すること
が分かる。また、モジュレーションに関しては、膜厚を
3%増加させた場合に5.0%増加し、膜厚を3%減少
させた場合に6.6%減少することが分かる。また、リ
ソリューションに関しては、膜厚を3%増加させた場合
に0.9%減少し、膜厚を3%減少させた場合に9.3
%増加することが分かる。
【0095】このように、上層誘電体膜6の膜厚を±3
%程度変動させることによって、反射率に関しては、1
0%以上変動してしまうことが分かる。すなわち、この
上層誘電体膜6の膜厚は、光ディスクの特性に大きな影
響を及ぼし、同一の光ディスクにおいて上層誘電体膜6
の膜厚変動が生じると、反射率の変動が生じてしまう。
【0096】次に、上述の一実施形態に基づいた実施
例、およびこの一実施形態による効果を比較するための
比較例について説明する。
【0097】実施例 この実施例においては、スパッタリング装置として、図
2に示す枚葉式の静止対向型のスパッタリング装置20
を用いる。また、図3Cに示すように、このスパッタリ
ング装置20においては、ディスク基板2とターゲット
28とは、図3Aに示すディスク基板2の円環中心O
と、図3Bに示すターゲット28の円の中心O′とが重
なるようにして配置されている。
【0098】また、ディスク基板2上に情報信号層7の
各膜を成膜するスパッタリング装置としては、真空チャ
ンバ21が6基設けられて構成されている。すなわち、
第1の真空チャンバ21と第2の真空チャンバ21に
は、反射膜3を成膜するための、AgPdCu合金から
なるターゲット28が設けられている。また、第3の真
空チャンバ21には、下層誘電体膜4を成膜するための
ZnS−SiO2からなるターゲット28が設けられて
いる。また、第4の真空チャンバ21には、記録膜5を
成膜するためのSbTeからなるターゲット28が設け
られている。また、第5の真空チャンバ21および第6
の真空チャンバ21には、それぞれ第1の上層誘電体膜
6aおよび第2の上層誘電体膜6bを成膜するための、
ZnS−SiO2からなるターゲットが設けられてい
る。これらの第5の真空チャンバ21および第6の真空
チャンバ21においては、それぞれにおいてマグネット
配置が異なっている。通常、第5の真空チャンバ21お
よび第6の真空チャンバ21においてマグネットは、可
能な限り、ディスク基板2上での成膜される膜の膜厚分
布が均一になるように配置されているが、成膜される膜
の膜厚分布は、完全に均一にはならず、そのマグネット
配置に応じて、膜厚分布がやや不均一になっていく。そ
のため、第5の真空チャンバ21および第6の真空チャ
ンバ21としては、ディスク基板2上に成膜する膜の膜
厚分布が相互で逆になるものを選択する。
【0099】そして、これらの互いに逆の膜厚分布特性
を有する第5の真空チャンバ21および第6の真空チャ
ンバ21において、これらのチャンバを単独で用いて、
誘電体からなる膜の成膜を行った場合における成膜され
る膜の半径方向の膜厚分布を、それぞれ図5Aおよび図
5Bに示す。
【0100】すなわち、図5Aに示すように、第5の真
空チャンバ21を用いて、平面上にZnS−SiO2
成膜する場合においては、ディスク基板2の中心から半
径r=35mmにおけるZnS−SiO2膜の膜厚を1
00とした場合に、ディスク基板2の中心から半径r=
25mmの位置におけるZnS−SiO2膜の膜厚比が
101.2程度、半径r=45mmの位置におけるZn
S−SiO2膜の膜厚比が99.2程度、半径r=55
mmの位置におけるZnS−SiO2膜の膜厚比が9
8.5程度である。
【0101】また、図5Bに示すように、第6の真空チ
ャンバ21を用いて、平面上にZnS−SiO2を成膜
する場合においては、ディスク基板2の中心から半径r
=35mmにおけるZnS−SiO2膜の膜厚を100
とした場合に、半径r=25mmの位置におけるZnS
−SiO2膜の膜厚比が99.2程度、半径r=45m
mの位置におけるZnS−SiO2膜の膜厚比が10
0.7程度、半径r=55mmの位置におけるZnS−
SiO2膜の膜厚比が101.5程度である。
【0102】そして、これらの第5の真空チャンバ21
と第6の真空チャンバ21とを順次用いて、平面上に2
層のZnS−SiO2膜を順次積層させた場合の膜厚分
布を図5Cに示す。
【0103】図5Cに示すように、第5の真空チャンバ
21と第6の真空チャンバ21とを順次用いて、ディス
ク基板2上に同種の誘電体(例えばZnS−SiO2
を2層成膜した場合においては、その膜厚分布が、半径
r=35mmにおける誘電体膜の膜厚を100(%)と
した場合に、ディスク基板2の中心から半径r=25m
mの位置におけるZnS−SiO2膜の膜厚比が10
0.2(%)、ディスク基板2の中心から半径r=45
mmにおける誘電体膜の膜厚比が100(%)程度、デ
ィスク基板2の中心から半径r=55mmにおける誘電
体膜の膜厚比が99.9(%)程度であることが分か
る。
【0104】また、これらの第5の真空チャンバ21と
第6の真空チャンバ21とを順次用いて、それぞれの真
空チャンバ21を200kWh使用した後に、ディスク
基板2上にZnS−SiO2を成膜した場合の膜厚分布
を、それぞれ図6Aおよび図6Bに示す。
【0105】すなわち、図6Aに示すように、200k
Wh使用後の第5の真空チャンバ21を用いてディスク
基板2の主面上にZnS−SiO2を成膜した場合、デ
ィスク基板2の中心から半径r=35mmにおけるZn
S−SiO2膜の膜厚を100とした場合にディスク基
板2の中心から半径r=25mmの位置におけるZnS
−SiO2膜の膜厚比が101.2程度、半径r=45
mmの位置におけるZnS−SiO2膜の膜厚比が9
9.2程度、半径r=55mmの位置におけるZnS−
SiO2膜の膜厚比が98.5程度である。
【0106】また、図6Bに示すように、200kWh
使用後の第6の真空チャンバ21を用いて、平面上にZ
nS−SiO2を成膜した場合には、ディスク基板2の
中心から半径r=35mmにおけるZnS−SiO2
の膜厚を100とした場合に、半径r=25mmの位置
におけるZnS−SiO2膜の膜厚比が98.2程度、
半径r=45mmの位置におけるZnS−SiO2膜の
膜厚比が101程度、半径r=55mmの位置における
ZnS−SiO2膜の膜厚比が102.4程度である。
【0107】そして、これらの第5の真空チャンバ21
と第6の真空チャンバ21とを順次用いて、平面上に2
層のZnS−SiO2膜を順次積層させた場合の膜厚分
布を図6Cに示す。
【0108】図6Cに示すように、第5の真空チャンバ
21と第6の真空チャンバ21とを順次用いて、ディス
ク基板2上にZnS−SiO2を2層成膜した場合にお
いては、その膜厚分布が、半径r=35mmにおける誘
電体膜の膜厚を100(%)とした場合に、ディスク基
板2の中心から半径r=25mmの位置におけるZnS
−SiO2膜の膜厚比が99.5(%)、半径r=45
mmにおける誘電体膜の膜厚比が99.8(%)程度、
ディスク基板2の中心から半径r=55mmにおける誘
電体膜の膜厚比が99.5(%)程度であることが分か
る。
【0109】比較例 この比較例においては、実施例におけると同様に、光デ
ィスク1における上層誘電体膜6を2層のZnS−Si
2膜から構成する。また、ディスク基板2上に情報信
号層7の各膜を成膜するスパッタリング装置としては、
真空チャンバ21が6基設けられて構成されている。す
なわち、第1の真空チャンバ21と第2の真空チャンバ
21には、反射膜3を成膜するための、AgPdCu合
金からなるターゲット28が設けられている。また、第
3の真空チャンバ21には、下層誘電体膜4を成膜する
ためのZnS−SiO2からなるターゲット28が設け
られている。また、第4の真空チャンバ21には、記録
膜5を成膜するためのSbTeからなるターゲット28
が設けられている。また、第5の真空チャンバ21およ
び第6の真空チャンバ21には、それぞれ第1の上層誘
電体膜6aおよび第2の上層誘電体膜6bを成膜するた
めの、ZnS−SiO2からなるターゲットが設けられ
ている。また、実施例と異なり、第5の真空チャンバ2
1と第6の真空チャンバ21とにおけるマグネット配置
は、ほぼ同じマグネット配置となる。
【0110】そして、これらの互いに逆の膜厚分布特性
を有する第5の真空チャンバ21および第6の真空チャ
ンバ21において、これらのチャンバを単独で用いて、
誘電体からなる膜の成膜を行った場合における成膜され
る膜の半径方向の膜厚分布を、それぞれ図7Aおよび図
7Bに示す。
【0111】すなわち、図7Aに示すように、第5の真
空チャンバ21を用いて、平面上にZnS−SiO2
成膜する場合においては、ディスク基板2の中心から半
径r=35mmにおけるZnS−SiO2膜の膜厚を1
00とした場合に、ディスク基板2の中心から半径r=
25mmの位置におけるZnS−SiO2膜の膜厚比が
101.2程度、半径r=45mmの位置におけるZn
S−SiO2膜の膜厚比が99.2程度、半径r=55
mmの位置におけるZnS−SiO2膜の膜厚比が9
8.5程度である。
【0112】また、図7Bに示すように、第6の真空チ
ャンバ21を用いて、平面上にZnS−SiO2を成膜
する場合においては、ディスク基板2の中心から半径r
=35mmにおけるZnS−SiO2膜の膜厚を100
とした場合に、半径r=25mmの位置におけるZnS
−SiO2膜の膜厚比が101.5程度、半径r=45
mmの位置におけるZnS−SiO2膜の膜厚比が9
9.5程度、半径r=55mmの位置におけるZnS−
SiO2膜の膜厚比が98.3程度である。
【0113】そして、これらの第5の真空チャンバ21
と第6の真空チャンバ21とを順次用いて、平面上に2
層のZnS−SiO2膜を順次積層させた場合の膜厚分
布を図7Cに示す。
【0114】図7Cに示すように、第5の真空チャンバ
21と第6の真空チャンバ21とを順次用いて、ディス
ク基板2上に同種の誘電体を2層成膜した場合において
は、その膜厚分布が、半径r=35mmにおける誘電体
膜の膜厚を100(%)とした場合に、ディスク基板2
の中心から半径r=25mmの位置におけるZnS−S
iO2膜の膜厚比が101.3(%)、ディスク基板2
の中心から半径r=45mmにおける誘電体膜の膜厚比
が99.3(%)程度、ディスク基板2の中心から半径
r=55mmにおける誘電体膜の膜厚比が98.4
(%)程度であることが分かる。
【0115】また、これらの第5の真空チャンバ21と
第6の真空チャンバ21とを順次用いて、それぞれの真
空チャンバ21を200kWh使用した後に、ディスク
基板2上にZnS−SiO2を成膜した場合の膜厚分布
を、それぞれ図8Aおよび図8Bに示す。
【0116】すなわち、図8Aに示すように、200k
Wh使用後の第5の真空チャンバ21を用いてディスク
基板2の主面上にZnS−SiO2を成膜した場合、デ
ィスク基板2の中心から半径r=35mmにおけるZn
S−SiO2膜の膜厚を100とした場合にディスク基
板2の中心から半径r=25mmの位置におけるZnS
−SiO2膜の膜厚比が101程度、半径r=45mm
の位置におけるZnS−SiO2膜の膜厚比が98.7
程度、半径r=55mmの位置におけるZnS−SiO
2膜の膜厚比が96.8程度である。
【0117】また、図8Bに示すように、200kWh
使用後の第6の真空チャンバ21を用いて、平面上にZ
nS−SiO2を成膜した場合には、ディスク基板2の
中心から半径r=35mmにおけるZnS−SiO2
の膜厚を100とした場合に、半径r=25mmの位置
におけるZnS−SiO2膜の膜厚比が101.5程
度、半径r=45mmの位置におけるZnS−SiO2
膜の膜厚比が98.8程度、半径r=55mmの位置に
おけるZnS−SiO2膜の膜厚比が96.8程度であ
る。
【0118】そして、これらの第5の真空チャンバ21
と第6の真空チャンバ21とを順次用いて、平面上に2
層のZnS−SiO2膜を順次積層させた場合の膜厚分
布を図8Cに示す。
【0119】図8Cに示すように、第5の真空チャンバ
21と第6の真空チャンバ21とを順次用いて、ディス
ク基板2上にZnS−SiO2を2層成膜した場合にお
いては、その膜厚分布が、半径r=35mmにおける誘
電体膜の膜厚を100(%)とした場合に、ディスク基
板2の中心から半径r=25mmにおける誘電体膜の膜
厚比が、101.2(%)程度、半径r=45mmにお
ける誘電体膜の膜厚比が98.7(%)程度、ディスク
基板2の中心から半径r=55mmにおける誘電体膜の
膜厚比が96.8(%)程度であることが分かる。
【0120】そして、以上の実施例による第5の真空チ
ャンバ21および第6の真空チャンバ21を用いて製造
された光ディスクと、比較例による第5の真空チャンバ
21および第6の真空チャンバ21を用いて製造された
光ディスクとに対して、記録領域の内周部と外周部とに
おける反射率の比較を行った。その比較結果を以下の表
2に示す。
【0121】
【表2】
【0122】表2から、光ディスクの記録領域の内周部
(半径r=25mm)においては、実施例による光ディ
スクにおける反射率に比して、比較例による光ディスク
における反射率がわずかに小さくなっていることが分か
る。また、光ディスクの記録領域の外周部(半径r=5
5mm)においては、実施例による光ディスクに比し
て、比較例による光ディスクにおける反射率が大幅に大
きいことが分かる。また、比較例による光ディスクにお
いては、記録領域の内周部における反射率に比して外周
部における反射率が3.7ポイントも増加しているのに
対し、実施例による光ディスクにおいては、0.6ポイ
ントの増加にとどまっていることが分かる。すなわち、
第5の真空チャンバ21および第6の真空チャンバ21
として、それらの膜厚分布が互いに補間し合うような2
つのチャンバを選択することにより、光ディスク全面に
おいて、その反射率をほぼ均一化することができ、信号
特性に優れた光ディスクを得ることができる。
【0123】以上説明したように、この一実施形態によ
れば、光ディスク1における上層誘電体膜6を、少なく
とも2基の真空チャンバ21を順次用いて成膜する際
に、この少なくとも2基の真空チャンバの膜厚分布が互
いに補間し合うような真空チャンバを選ぶようにしてい
ることにより、光ディスク1を構成する上層誘電体膜6
におけるディスク基板2の半径方向に沿った膜厚分布を
均一にすることができるので、光ディスク1の半径方向
に沿った上層誘電体膜6の膜厚分布に依存する、光ディ
スク1における反射率の変動を抑制することができる。
したがって、薄い膜からなる光透過層を有し、ディスク
基板に対してこの光透過層が設けられた側からレーザ光
を照射することにより情報信号の記録/再生が行われ
る、高記録密度化された良好な信号特性を有する光ディ
スクを得ることができる。
【0124】以上、この発明の一実施形態について具体
的に説明したが、この発明は、上述の一実施形態に限定
されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各
種の変形が可能である。
【0125】例えば、上述の一実施形態において挙げ
た、各膜の成膜方法、ディスク基板や保護層の材料はあ
くまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる成膜方
法を用いても良く、ディスク基板や保護層をこれら以外
の材料から構成することも可能である。
【0126】また、例えば上述の一実施形態において
は、DCスパッタリング装置として、1枚のディスク基
板に対して1つのターゲットとを対向させた、静止対向
型枚葉式スパッタリング装置を用い、それらの平面的な
位置関係を図3に示すようにしているが、この発明は、
必ずしも静止対向型枚葉式スパッタリング装置に限定さ
れるものではなく、図9Aに示すようにパレット26に
複数枚(図9A中、8枚)のディスク基板2を固定する
とともに、図9Bに示すように真空チャンバ21に複数
のターゲット28を固定し、図9Cに示す位置関係で矢
印b方向にパレット26を回転させつつ複数枚のディス
ク基板2に対して成膜を行うようにした、スパッタリン
グ装置に適用することも可能である。
【0127】例えば、上述の一実施形態における情報信
号層7として、図10に示すように、添加物の濃度がデ
ィスク基板の半径方向に沿って変化するように構成され
た反射膜41、SiNやZnS−SiO2からなる下層
誘電体膜42、第1の記録膜43、第2の記録膜44、
誘電体からなる上層誘電体膜45を順次積層したもの、
もしくは逆順に積層したものから構成することも可能で
ある。ここで、第1の記録膜43と第2の記録膜44と
は、材料、組成、複素屈折率のいずれかが異なるような
ものが選ばれる。なお、この記録膜を3層以上の、材
料、組成、複素屈折率のいずれかが互いに異なる層から
構成することも可能である。
【0128】また、例えば上述の一実施形態において
は、誘電体材料として、ZnS−SiO2を用いたが、
記録/再生に用いられるレーザ光の波長に対して吸収能
のない材料であればどのような材料を用いることも可能
であり、具体的には、消衰係数kが0.3以下の材料を
用いることが望ましい。より具体的には、誘電体膜の材
料としては、Al、Si、Ta、Ti、Zr、Nb、M
g、B、Zn、Pb、Ca、La、Geなどの金属およ
び半金属などの元素の、窒化物、酸化物、炭化物、フッ
化物、硫化物、窒酸化物、窒炭化物、または酸炭化物な
どからなる材料や、これらを主成分とする材料を用いる
ことが可能である。また、より具体的には、下層誘電体
膜4および上層誘電体膜6の材料として、AlN
x(0.5≦x≦1、特に、AlN))、Al2
3-x(0≦x≦1、(特に、Al23))、Si 34-x
(0≦x≦1、(特に、Si34))、SiOx(1≦
x≦2、(特に、SiO2、SiO)、MgO、Y
23、MgAl24、TiOx(1≦x≦2、(特に、
TiO2))、BaTiO3、SrTiO3、Ta25-x
(0≦x≦1、(特に、Ta25))、GeOx(1≦
x≦2)、SiC、ZnS、PbS、Ge−N、Ge−
N−O、Si−N−O、CaF2、LaF、MgF2、N
aF、TiF4などを用いることも可能であり、さら
に、これらの材料を主成分とする材料や、これらの材料
の混合物、例えばAlN−SiO2を用いることも可能
である。
【0129】例えば、上述の一実施形態においては、デ
ィスク基板2を射出成形法やフォトポリマー法(2P
法)により作製しているが、これらの2つの方法以外で
あっても、所望の形状、すなわち、厚さが例えば1.1
mm、直径が例えば120mm程度のディスク形状と、
光学的に十分な基板表面の平滑性を得ることができる方
法であれば、どのような方法を用いることも可能であ
る。
【0130】また、例えば上述の一実施形態において
は、記録膜の材料として、SbTe系材料からなる相変
化材料を用いているが、相変化材料以外の材料に限定さ
れるものではなく、テルビウム・鉄(TbFe)系、T
bFeCo系、GdFe系、GdFeCo系の光磁気記
録材料を用いることも可能である。また、この発明を、
Al合金やAg合金を反射膜として用いた再生専用(R
OM)型ディスクや、有機色素からなる層を記録膜とし
て用いた光ディスクに適用することも可能である。
【0131】また、例えば上述の一実施形態において
は、反射膜3としてAgPdCu合金層の1層からなる
ものを用いているが、1層からなる反射膜の代わりに、
金属または半金属からなる、少なくとも2層の材料層か
ら構成することも可能である。このように反射膜を複数
の材料層から構成することにより、光学設計がしやすく
なるとともに、熱特性とのバランスも取りやすくなる。
【0132】また、上述の一実施形態においては、この
発明による成膜装置としてのスパッタリング装置を、光
ディスクの情報信号層を構成する上層誘電体膜の形成に
適用するようにしているが、この成膜装置は、例えば半
導体装置におけるSiN膜やSiO2膜などの誘電体膜
や絶縁膜の形成に用いることも可能であり、その他の誘
電体膜や絶縁膜の形成に用いることが可能である。
【0133】
【発明の効果】以上説明したように、この発明による光
学記録媒体の製造装置および光学記録媒体の製造方法に
よれば、情報信号層にレーザ光を照射することによって
情報信号の記録/再生を行うように構成された光学記録
媒体において、情報信号層の部分を構成する膜の膜厚変
動を抑制することができるので、光ディスク全面におけ
る反射率の差を抑制することができ、短波長化されたレ
ーザ光を用いて情報信号の記録/再生を行う、良好な記
録再生特性を有する光ディスクを得ることができる。
【0134】また、この発明による誘電体膜の成膜装置
によれば、複数層の誘電体膜を積層する際にそれらの誘
電体からなる積層膜の膜厚分布を、成膜される領域にお
いてほぼ均一にすることができる。したがって、誘電体
からなる膜を積層させる際にその積層された誘電体膜の
膜厚均一性を向上させることができ、誘電体膜を用いる
種々の装置、媒体において、良好な誘電体膜を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による光ディスクを示す
断面図である。
【図2】この発明の一実施形態による情報信号層を構成
する各層の成膜に用いられるDCスパッタリング装置を
示す略線図である。
【図3】この発明の一実施形態によるディスク基板と、
ターゲットと、これらの平面的な位置関係とを示す平面
図である。
【図4】この発明の一実施形態による光ディスクのジッ
ター特性を評価する際に用いられる記録発光パターンを
示すグラフである。
【図5】この発明の一実施形態に基づいた実施例による
光ディスクにおける第1の上層誘電体膜と第2の上層誘
電体膜と上層誘電体膜とを示すグラフである。
【図6】この発明の一実施形態に基づいた実施例による
光ディスクの内周部および外周部におけるジッターの記
録パワー依存性を示すグラフである。
【図7】この発明の一実施形態に基づいた実施例と比較
するための比較例における示すグラフである。
【図8】この発明の一実施形態による光ディスクを示す
断面図である。
【図9】この発明の一実施形態によるスパッタリング装
置の他の適用例を示す平面図である。
【図10】この発明による情報信号層の他の例を示す断
面図である。
【図11】従来のDVD−RWを構成する貼り合わせ前
の光ディスクを示す断面図である。
【図12】従来技術による両面記録型DVD−RWと片
面記録型DVD−RWとを示す断面図である。
【図13】薄い光透過層を有し、光透過層が設けられた
側からレーザ光を照射して情報信号の記録/再生を行う
高記録密度化された光ディスクを示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・光ディスク、2・・・ディスク基板、3・・・
反射膜、4・・・下層誘電体膜、5・・・記録膜、6・
・・上層誘電体膜、6a・・・第1の上層誘電体膜、6
b・・・第2の上層誘電体膜、7・・・情報信号層、8
・・・接着層、9・・・光透過性シート、10・・・光
透過層、20・・・スパッタリング装置、21・・・真
空チャンバ、22・・・真空制御部、23・・・高圧電
源、24・・・電源ライン、25・・・スパッタリング
カソード部、26・・・パレット、27・・・スパッタ
ガス供給部、28・・・ターゲット、29・・・バッキ
ングプレート、30・・・磁石系、31・・・内周マス
ク、32・・・外周マスク、33・・・ディスクベー
ス、34・・・基板自転駆動部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 534 G11B 7/24 534M 534N 535 535H

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の一主面上に、情報信号を記録可能
    および/または再生可能に構成された、積層構造の情報
    信号層を有し、 上記情報信号層を構成する積層膜の部分の、複数層から
    なる膜を順次成膜可能に構成された光学記録媒体の製造
    装置であって、 上記複数層からなる膜を順次それぞれ成膜可能に構成さ
    れた複数の成膜手段を有し、 上記複数の成膜手段が、上記成膜手段によって成膜され
    る膜の膜厚分布が、互いに補間するように構成されてい
    ることを特徴とする光学記録媒体の製造装置。
  2. 【請求項2】 上記複数層からなる膜が、第1の誘電体
    膜と第2の誘電体膜とが順次積層されて構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の光学記録媒体の製造装
    置。
  3. 【請求項3】 上記第1の誘電体膜と上記第2の誘電体
    膜とが互いに同種の材料から構成されていることを特徴
    とする請求項2記載の光学記録媒体の製造装置。
  4. 【請求項4】 上記材料が、窒化シリコン、または硫化
    亜鉛と酸化シリコンとの混合体であることを特徴とする
    請求項3記載の光学記録媒体の製造装置。
  5. 【請求項5】 上記第1の誘電体膜と上記第2の誘電体
    膜とが互いに異なる材料から構成されていることを特徴
    とする請求項2記載の光学記録媒体の製造装置。
  6. 【請求項6】 上記材料が、窒化シリコン、または硫化
    亜鉛と酸化シリコンとの混合体であることを特徴とする
    請求項5記載の光学記録媒体の製造装置。
  7. 【請求項7】 上記複数層からなる膜が上記レーザ光を
    透過可能に構成されていることを特徴とする請求項1記
    載の光学記録媒体の製造装置。
  8. 【請求項8】 上記情報信号の記録/再生に用いられる
    レーザ光の波長が400nm以上650nm以下である
    ことを特徴とする請求項1記載の光学記録媒体の製造装
    置。
  9. 【請求項9】 上記情報信号の記録/再生の際に用いら
    れる対物レンズの開口数が0.60以上0.85以下で
    あることを特徴とする請求項1記載の光学記録媒体の製
    造装置。
  10. 【請求項10】 上記情報信号の記録/再生の際に用い
    られる対物レンズが超半球状レンズまたはソリッドイマ
    ージョンレンズであることを特徴とする請求項1記載の
    光学記録媒体の製造装置。
  11. 【請求項11】 上記成膜手段がスパッタリングチャン
    バであり、上記スパッタリングチャンバに設置されるス
    パッタリング用ターゲットが1つであることを特徴とす
    る請求項1記載の光学記録媒体の製造装置。
  12. 【請求項12】 上記ディスク基板と上記スパッタリン
    グ用ターゲットとを互いに対向させるとともに、上記デ
    ィスク基板の一主面に垂直な方向の上記ディスク基板の
    中心軸と、上記スパッタリング用ターゲットの固着面に
    垂直な方向の上記スパッタリング用ターゲットの中心軸
    とが互いに重なるように配置した状態で、上記膜を成膜
    するように構成されていることを特徴とする請求項11
    記載の光学記録媒体の製造装置。
  13. 【請求項13】 上記成膜手段が枚葉式であることを特
    徴とする請求項1記載の光学記録媒体の製造装置。
  14. 【請求項14】 上記成膜手段が複数の上記ディスク基
    板に同時に成膜を行うように構成されていることを特徴
    とする請求項1記載の光学記録媒体の製造装置。
  15. 【請求項15】 上記情報信号層が、下層誘電体膜、上
    記情報信号を記録可能に構成された記録膜、上層誘電体
    膜、および上記情報信号の記録/再生に用いられるレー
    ザ光を反射可能に構成された反射膜が順次積層されて構
    成され、上記レーザ光を上記ディスク基板側から上記情
    報信号層に向けて照射することにより、上記情報信号を
    記録可能および/または再生可能に構成されていること
    を特徴とする請求項1記載の光学記録媒体の製造装置。
  16. 【請求項16】 上記複数層からなる膜が、下層誘電体
    膜であることを特徴とする請求項15記載の光学記録媒
    体の製造装置。
  17. 【請求項17】 上記情報信号層が、上記情報信号の記
    録/再生に用いられるレーザ光を反射可能に構成された
    反射膜、下層誘電体膜、上記情報信号を記録可能に構成
    された記録膜、および上層誘電体膜が順次積層されて構
    成され、上記レーザ光を上記上層誘電体膜側から上記情
    報信号層に向けて照射することにより、上記情報信号を
    記録可能および/または再生可能に構成されていること
    を特徴とする請求項1記載の光学記録媒体の製造装置。
  18. 【請求項18】 上記複数層からなる膜が、上層誘電体
    膜であることを特徴とする請求項17記載の光学記録媒
    体の製造装置。
  19. 【請求項19】 基板の一主面上に、情報信号を記録可
    能および/または再生可能に構成された、積層構造の情
    報信号層を構成する積層膜の部分の、複数層からなる膜
    を、複数の成膜手段を用いて順次成膜するようにした光
    学記録媒体の製造方法であって、 上記複数層からなる膜を、上記複数の成膜手段における
    個々の成膜手段によって成膜される膜の膜厚分布が互い
    に補間するように、順次成膜するようにしたことを特徴
    とする光学記録媒体の製造方法。
  20. 【請求項20】 上記複数層の膜が、第1の誘電体膜と
    第2の誘電体膜との2層の誘電体膜であることを特徴と
    する請求項19記載の光学記録媒体の製造方法。
  21. 【請求項21】 上記第1の誘電体膜と上記第2の誘電
    体膜とが互いに同種の材料からなることを特徴とする請
    求項20記載の光学記録媒体の製造方法。
  22. 【請求項22】 上記材料が、窒化シリコン、または硫
    化亜鉛と酸化シリコンとの混合体であることを特徴とす
    る請求項21記載の光学記録媒体の製造方法。
  23. 【請求項23】 上記第1の誘電体膜と上記第2の誘電
    体膜とが互いに異なる材料からなることを特徴とする請
    求項20記載の光学記録媒体の製造方法。
  24. 【請求項24】 上記材料が、窒化シリコン、または硫
    化亜鉛と酸化シリコンとの混合体であることを特徴とす
    る請求項23記載の光学記録媒体の製造方法。
  25. 【請求項25】 上記複数層からなる膜が、上記レーザ
    光を透過可能に構成されていることを特徴とする請求項
    19記載の光学記録媒体の製造方法。
  26. 【請求項26】 上記情報信号の記録/再生に用いられ
    るレーザ光の波長が400nm以上650nm以下であ
    ることを特徴とする請求項19記載の光学記録媒体の製
    造方法。
  27. 【請求項27】 上記情報信号の記録/再生の際に用い
    られる対物レンズの開口数が0.60以上0.85以下
    であることを特徴とする請求項19記載の光学記録媒体
    の製造方法。
  28. 【請求項28】 上記情報信号の記録/再生の際に用い
    られる対物レンズが、超半球状レンズまたはソリッドイ
    マージョンレンズであることを特徴とする請求項19記
    載の光学記録媒体の製造方法。
  29. 【請求項29】 上記成膜手段がスパッタリングチャン
    バであり、上記スパッタリングチャンバに設置されるス
    パッタリング用ターゲットが1つであることを特徴とす
    る請求項19記載の光学記録媒体の製造方法。
  30. 【請求項30】 上記ディスク基板と上記スパッタリン
    グ用ターゲットとを互いに対向させるとともに、上記デ
    ィスク基板の一主面に垂直な方向の上記ディスク基板の
    中心軸と、上記スパッタリング用ターゲットの固着面に
    垂直な方向の上記スパッタリング用ターゲットの中心軸
    とが互いに重なるように配置した状態で、上記膜を成膜
    するようにしたことを特徴とする請求項29記載の光学
    記録媒体の製造方法。
  31. 【請求項31】 上記情報信号層が、下層誘電体膜、上
    記情報信号を記録可能に構成された記録膜、上層誘電体
    膜、および上記情報信号の記録/再生に用いられるレー
    ザ光を反射可能に構成された反射膜が順次積層されて構
    成され、上記レーザ光を上記ディスク基板側から上記情
    報信号層に向けて照射することにより、上記情報信号を
    記録可能および/または再生可能に構成されていること
    を特徴とする請求項19記載の光学記録媒体の製造方
    法。
  32. 【請求項32】 上記複数層からなる膜が、上記下層誘
    電体膜であることを特徴とする請求項31記載の光学記
    録媒体の製造方法。
  33. 【請求項33】 上記情報信号層が、上記情報信号の記
    録/再生に用いられるレーザ光を反射可能に構成された
    反射膜、下層誘電体膜、上記情報信号を記録可能に構成
    された記録膜、および上層誘電体膜が順次積層されて構
    成され、上記レーザ光を上記上層誘電体膜側から上記情
    報信号層に向けて照射することにより、上記情報信号を
    記録可能および/または再生可能に構成されていること
    を特徴とする請求項19記載の光学記録媒体の製造方
    法。
  34. 【請求項34】 上記複数層からなる膜が、上記上層誘
    電体膜であることを特徴とする請求項33記載の光学記
    録媒体の製造方法。
  35. 【請求項35】 上記成膜手段が枚葉式であることを特
    徴とする請求項19記載の光学記録媒体の製造方法。
  36. 【請求項36】 上記成膜手段が複数の上記ディスク基
    板に同時に成膜を行うように構成されていることを特徴
    とする請求項19記載の光学記録媒体の製造方法。
  37. 【請求項37】 基板の一主面上に、複数の誘電体膜を
    順次成膜可能に構成された誘電体膜の成膜装置であっ
    て、 上記複数の誘電体膜の成膜にそれぞれ用いられる複数の
    成膜手段を有し、 上記複数の成膜手段における上記誘電体膜の膜厚分布特
    性が、それぞれの成膜手段において互いに補正し合うよ
    うに構成されていることを特徴とする誘電体膜の成膜装
    置。
  38. 【請求項38】 上記複数の誘電体膜が互いに同種の材
    料からなることを特徴とする請求項37記載の誘電体膜
    の成膜装置。
  39. 【請求項39】 上記材料が、窒化シリコン、または硫
    化亜鉛と酸化シリコンとの混合体であることを特徴とす
    る請求項38記載の誘電体膜の成膜装置。
  40. 【請求項40】 上記複数の誘電体膜が2層の誘電体膜
    であることを特徴とする請求項37記載の誘電体膜の成
    膜装置。
  41. 【請求項41】 上記複数の成膜手段として2基の成膜
    手段を用い、第1の成膜手段により基板上に第1の誘電
    体膜を成膜した場合の所定の膜厚分布特性と、第2の成
    膜手段により基板上に第2の誘電体膜を成膜した場合の
    膜厚分布特性とが、互いに補間し合うように上記第1の
    成膜手段と上記第2の成膜手段とを選択するようにした
    ことを特徴とする請求項40記載の誘電体膜の成膜装
    置。
  42. 【請求項42】 上記2層の誘電体膜が互いに異なる材
    料から構成されていることを特徴とする請求項40記載
    の誘電体膜の成膜装置。
  43. 【請求項43】 上記材料が、窒化シリコン、または硫
    化亜鉛と酸化シリコンとの混合体であることを特徴とす
    る請求項42記載の誘電体膜の成膜装置。
  44. 【請求項44】 上記複数の誘電体膜が上記レーザ光を
    透過可能に構成されていることを特徴とする請求項37
    記載の誘電体膜の成膜装置。
  45. 【請求項45】 上記成膜手段がスパッタリングチャン
    バであり、上記スパッタリングチャンバに設置されるス
    パッタリング用ターゲットが1つであることを特徴とす
    る請求項37記載の誘電体膜の成膜装置。
  46. 【請求項46】 上記基板と上記スパッタリング用ター
    ゲットとを互いに対向させるとともに、上記基板の一主
    面に垂直な方向の上記基板の中心軸と、上記スパッタリ
    ング用ターゲットの固着面に垂直な方向の上記スパッタ
    リング用ターゲットの中心軸とが互いに重なるように配
    置した状態で、上記誘電体膜を成膜可能に構成されてい
    ることを特徴とする請求項37記載の誘電体膜の成膜装
    置。
  47. 【請求項47】 上記成膜手段が枚葉式であることを特
    徴とする請求項37記載の誘電体膜の成膜装置。
  48. 【請求項48】 上記成膜手段が複数の上記基板に同時
    に成膜を行うように構成されていることを特徴とする請
    求項37記載の誘電体膜の成膜装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100383873C (zh) * 2005-09-30 2008-04-23 罗铁威 高密度光盘生产的真空隔膜粘合方法及其装置

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