JP4331657B2 - 多層相変化型情報記録媒体及びその記録再生方法 - Google Patents

多層相変化型情報記録媒体及びその記録再生方法 Download PDF

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Description

本発明は、レーザーなどの光により情報の記録、再生などを行うことができる多層相変化型情報記録媒体とその記録再生方法に関し、特に各層の構成と材料に関する。
CD−RWなどの相変化型光ディスク(相変化型情報記録媒体)は、一般的にプラスチック基板の上に相変化型材料からなる記録層を設け、その上に記録層の光吸収率を向上させ、かつ熱拡散効果を有する反射層を形成したものを基本構成とし、基板面側からレーザー光を入射して、情報の記録再生を行なう。
相変化型材料は、レーザー光照射による加熱とその後の冷却によって、結晶状態と非晶質状態の間で相変化し、急速加熱後急冷すると非晶質となり、徐冷すると結晶化するものであり、相変化型情報記録媒体は、この性質を情報の記録再生に応用したものである。
更に光照射による加熱によって起こる記録層の酸化、蒸散或いは変形を阻止する目的で、通常、基板と記録層の間に下部保護層(下部誘電体層ともいう)、及び記録層と反射層の間に上部保護層(上部誘電体層ともいう)を設ける。更に、これらの保護層は、その厚さを調節することによって、記録媒体の光学特性の調節機能を有するものであり、また下部保護層は、記録層への記録時の熱によって基板が軟化するのを防止する機能を併せ持つものである。
近年、コンピューター等で扱う情報量が増加したことによって、DVD−RAM、DVD+RWのような、光ディスクの信号記録容量が増大し、信号情報の高密度化が進んでいる。現在のCDの記録容量は650MB程度であり、DVDは4.7GB程度であるが、今後、更に高記録密度化の要求が高まっている。
相変化型情報記録媒体を高記録密度化する方法として、例えば使用するレーザー波長を青色光領域まで短波長化すること、或いは記録再生を行なうピックアップに用いられる対物レンズの開口数NAを大きくして、光記録媒体に照射されるレーザー光のスポットサイズを小さくする方法があり、例えば、NA0.85ピックアップ、λ=405nm波長の青紫色レーザーを用いた容量23.3GBのBlu−ray Discが開発されている。
従来では、記録媒体自体を改良して記録容量を高める方法としては、基板の片面側に記録層を有する情報層を2つ重ね、これら情報層間を紫外線硬化樹脂等で接着した構造の2層相変化型情報記録媒体が提案されている(例えば特許文献1〜4参照)。
この情報層間の接着部分である分離層(本発明においては中間層という)は、2つの情報層を光学的に分離する機能を有するもので、記録再生用レーザー光がなるべくロスされずに奥側の情報層に到達する必要があるため、レーザー光をなるべく吸収しないような材料から構成されている。
この2層相変化型情報記録媒体については、学会などでも発表されているが、未だ多くの課題が存在している(例えば、非特許文献1参照)。例えば、レーザー光照射側から見て手前側にある情報層(第1情報層)をレーザー光が十分に透過しなければ、奥側にある情報層(第2情報層)の記録層に情報を記録し再生することができないため、第1情報層を構成する反射層をなくすか又は極薄にするか、或いは第1情報層を構成する記録層を極薄にすることが考えられる。
しかし、記録層を薄くしすぎると、結晶化速度が急激に低下し、オーバーライトが困難になる。また、結晶-アモルファスの光学変化が小さくなり、反射率変調度がとれなくなるという不具合が生じてしまうので、あまり薄くすることができない。
また、相変化型情報記録媒体による記録は、記録層の相変化型材料にレーザー光を照射して急冷し、結晶を非晶質に変化させてマークを形成することにより行なわれるので、反射層を無くすか又は10nm程度と非常に薄くすると、熱拡散効果が小さくなって、非晶質マークを形成することが困難になってしまう。
特にCD−RWなどの相変化型情報記録媒体に広く用いられている材料の1つであるSb−Te共晶系記録材料は、Ge−Sb−Te化合物系記録材料に比べて消去比が優れ、また高感度であるため、記録マークのアモルファス部の輪郭が明確であるという点で優れている。
しかしながら、Sb−Te共晶系記録材料は、Ge−Sb−Te化合物系記録材料に比べて材料の結晶化速度が速いので、非晶質化するには、より単時間で急冷しなければならず、急冷構造をとることが必要な材料であり、反射層が薄い構造では、マーク形成が困難になる。
そこで、比較的熱伝導率が大きく光吸収率の小さな窒化物や炭化物等を用いて、反射層が担っていた熱拡散機能を補助する層(熱拡散層という)を反射層の上に更に設ける方法が、単層相変化型情報記録媒体に関して提案され(例えば、特許文献5参照)、また、2層相変化型情報記録媒体に関しては前出特許文献3などで提案されている。この方法は第1情報層を構成する反射層を薄くした場合に発生する前記のような欠点を解消するのに有効な方法であると考えられる。
しかしながら、特許文献5は、単層相変化型情報記録媒体に関するものであり、透過率については言及されておらず、熱拡散層の膜厚は、光学干渉を無視できるλ/2n前後としている。つまり、熱拡散層を設けても設けなくても、反射率、透過率、吸収率が変わらない膜厚に設定しており、熱拡散層によって積極的に透過率を向上させようという意図はない。
また、特許文献3では、熱拡散層の膜厚は0<d≦(5/16)λ/n又は(7/16)λ/n≦d≦(1/2)λ/nの範囲としている。この膜厚は記録層の結晶状態での吸収率Acおよびアモルファス状態での吸収率Aaの比Ac/Aaおよび透過率を向上させることを目的としている。しかしながら、この範囲内では記録層の結晶状態での反射率Rcとアモルファス状態での反射率Raの差(コントラスト)が小さくなってしまう範囲が含まれる。この差が小さいと、再生時のエラーが増大してしまう。特許文献3では、結晶-アモルファス間の反射率差については一切触れられていない。レーザー光が短波長になってくると、記録層材料の光学定数差が小さくなり、従ってコントラストが小さくなることがわかっている。そのため、特許文献3では、青色レーザーを用いた場合に、多層相変化型情報記録媒体を良好に記録再生することが困難になる。
また、非特許文献2では、反射層の上に、n=2.7程度の高屈折率材料(具体的には酸化チタン)をλ/8nの厚さで設けることを提案している。こうすることで透過率が向上し、かつ結晶-アモルファスの反射率差が大きくなるとしている。
しかしながら、本出願人の光学計算では、λ/8n付近で透過率が向上し、結晶-アモルファスの反射率差は大きくなるが、それ以上に結晶状態での反射率も大きくなるため、反射率変調度((Rc-Ra)/Rc)は低下することがわかっている。
又、2層情報媒体では、第1情報層と第2情報層のドライブ側で認識する反射率を同程度にしなければならないこと、及び第1情報層の感度(吸収率)の点から、第1情報層のRcは10%以下であることが望まれる。熱拡散層をλ/8nの厚さにすると、反射率が向上してしまうので、保護層などの膜厚を変えて反射率を10%以下に調整すると、結晶-アモルファスの反射率差(Rc-Ra)は熱拡散層を設けない場合よりも、低下してしまうことがわかった。
また、酸化チタンのような高屈折率な誘電体材料は、400nm程度の短波長領域では吸収が大きくなり、レーザー光のエネルギー損失が増えてしまい、第2情報層の感度が低下してしまうので、あまり厚く設けることはできない。また、熱拡散の効果については触れられていない。
特許第2702905号公報 特開2000−215516号公報 特開2000−222777号公報 特開2001−243655号公報 特許第3313246号公報 ODS2001 Technical Digest P22 第14回相変化記録研究会シンポジウム(PCOS2002)講演予稿集 P80
本発明は、上述した実情を考慮してなされたもので、手前側情報層の反射率変調度を低下させることなく透過率を向上させることができ、片面多層記録を良好に行なえる多層相変化型情報記録媒体及びその記録再生方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記従来技術の問題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、次のような解決手段を見出した。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、第1基板と第2基板との間に、光の入射によって結晶状態と非晶質状態との間で相変化を起して情報を記録し得る記録層を有する情報層がN層(N:2以上の整数)設けられ、各情報層間に中間層を有する多層相変化型光情報記録媒体において、各情報層を、光が入射する第1基板側からみて、第1情報層、第2情報層、…第N情報層としたとき、第N情報層以外の1層以上の情報層が、光入射側からみて、少なくとも下部保護層、記録層、上部保護層、反射層、熱拡散層、透過率向上層の順に積層された層構成を有し、熱拡散層の屈折率nH、透過率向上層の屈折率nT、該透過率向上層に隣接して設けられた中間層の屈折率nIが、nT<nI<nHの関係であることを特徴とする多層相変化型情報記録媒体である。
請求項2に記載の発明は、上記下部保護層、記録層、熱拡散層、透過率向上層のうち、透過率向上層が、酸化物又はハロゲン化物を主成分とする材料からなることを特徴とする請求項1記載の多層相変化型情報記録媒体である。
請求項3に記載の発明は、上記下部保護層、記録層、熱拡散層、透過率向上層のうち、透過率向上層の厚さdTが、0<dT<λ/2nT(λは入射する光の波長)であることを特徴とする請求項1又は2記載の多層相変化型情報記録媒体である。
請求項4に記載の発明は、上記下部保護層、記録層、熱拡散層、透過率向上層のうち、熱拡散層の熱伝導率が、0.5W/m・K以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体である。
請求項5に記載の発明は、上記下部保護層、記録層、熱拡散層、透過率向上層のうち、熱拡散層がIZO(酸化インジウム-酸化亜鉛)又はITO(酸化インジウム-酸化スズ)を主成分とする材料からなることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体である。
請求項6に記載の発明は、上記下部保護層、記録層、熱拡散層、透過率向上層のうち、熱拡散層の厚さdHが、(α/2)λ/nH<dH<[(1+2α)/4]λ/nH(α:0以上の整数)であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体である。
請求項7に記載の発明は、上記中間層が樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の多層相変化型情報記録媒体である。
請求項8に記載の発明は、上記上部保護層が酸化物、窒化物、硫化物、炭化物のいずれかを主成分とすることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体である。
請求項9に記載の発明は、上記記録層が、Sb−Te共晶系材料を主成分とし、Ag、In、Ge、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Bi、Si、Dy、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜6、8の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体である。
請求項10に記載の発明は、上記記録層が、GeTeを主成分とし、Ag、In、Sb、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Bi、Si、Dy、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜6、8の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体である。
請求項11に記載の発明は、上記記録層の厚さが3〜15nmであることを特徴とする請求項1〜6、8〜10の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体である。
請求項12に記載の発明は、上記記録層に隣接して、酸化物、窒化物、硫化物、炭化物のいずれかを主成分とする厚さ1〜5nmの界面層を設けることを特徴とする請求項1〜6、8〜11の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体である。
請求項13に記載の発明は、上記反射層がAu、Ag、Cu、W、Al、Taの少なくとも1種を主成分とすることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体である。
請求項14に記載の発明は、上記反射層の厚さが3〜20nmであることを特徴とする請求項13に記載の多層相変化型情報記録媒体である。
請求項15に記載の発明は、上記上部保護層と上記反射層との間に酸化物、窒化物、炭化物のいずれかを主成分とするバリア層を有することを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体である。
請求項16に記載の発明は、第1基板の厚さが10〜600μmであることを特徴とする請求項1に記載の多層相変化型情報記録媒体である。
請求項17に記載の発明は、請求項1〜16の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体の各情報層に対し、第1情報層側から波長350〜700nmの光ビームを入射させて情報の記録再生を行なうことを特徴とする多層相変化型情報記録媒体の記録再生方法である。
本発明によれば、第1基板と第2基板との間に、光の入射によって結晶状態と非晶質状態との間で相変化を起して情報を記録し得る記録層を有する情報層がN層(N:2以上の整数)設けられ、各情報層間に中間層を有する多層相変化型光情報記録媒体において、各情報層を、光が入射する第1基板側からみて、第1情報層、第2情報層、…第N情報層としたとき、第N情報層以外の1層以上の情報層が、光入射側からみて、少なくとも下部保護層、記録層、上部保護層、反射層、熱拡散層、透過率向上層の順に積層された層構成を有し、熱拡散層の屈折率nH、透過率向上層の屈折率nT、該透過率向上層に隣接して設けられた中間層の屈折率nIが、nT<nI<nHの関係であることを特徴とする多層相変化型情報記録媒体により、第N層以外の情報層の透過率が高く、かつ、反射率変調度の大きな多層相変化型情報記録媒体を提供することが可能となる。
また、更に第1情報層、第2情報層共に感度がよく、記録再生特性の優れた2層相変化型情報記録媒体を提供することができる。
また、反射層の腐食を抑えた保存信頼性の優れた多層相変化型情報記録媒体を提供することができる。
また、対物レンズの開口数NAが変化した場合でも良好に記録再生を行なうことが可能な多層相変化型情報記録媒体を提供することができる。
さらに、本発明の多層相変化型情報記録媒体を用いて大容量の記録再生を行なうことができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態である2層相変化型情報記録媒体の一例を示す概略断面図であり、第1基板3の上に、第1情報層1、中間層4、第2情報層2、第2基板5を順次蓄積した構造からなるものである。
第1情報層1は、第1下部保護層11、第1記録層12、熱拡散層13、透過率向上層14からなり、第2情報層2は、第2下部護層21、第2記録層22、第2上部保護層23、第2反射層24からなる。
また、図2のように、第1記録層と熱拡散層との間に第1上部保護層15を設けて、第1記録層を上部下部保護層で挟む形にしてもよいし、図3のように、更に第1上部保護層の上に第1反射層16を設けても構わない。ただし、第1反射層の厚さは、レーザー光が第2情報層へ十分到達できる厚さとする。第1上部保護層15と第1反射層16との間及び/又は第2上部保護層23と第2反射層24との間にバリア層(図示せず)を設けても構わない。また、図4のように、記録層に隣接して上部界面層及び/又は下部界面層を設けても構わない。なお、本発明の第1情報層及び第2情報層は、上記層構成に限定されるものではない。
また図5は、本発明の2層相変化型情報記録媒体の他の例を示す概略断面図であり、第1基板3と第1下部保護層11との間に透明層6を設けたものである。このような透明層は、第1基板に厚さの薄いシート状物を用い、製法が図1の記録媒体と相違する場合に設けられる。
第1基板は、記録再生光が十分透過できる材質とする必要があるが、当該技術分野において従来から知られているものを用いればよい。その材料としては、通常ガラス、セラミックス、樹脂等が用いられるが、特に樹脂が成形性、コストの点で好適である。
樹脂としては、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられるが、成形性、光学特性、コストの点で優れるポリカーボネート樹脂やポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル系樹脂が好ましい。
第1基板の情報層を形成する面には、必要に応じて、レーザー光のトラッキング用のスパイラル状又は同心円状の溝などであって通常グルーブ部及びランド部と称される凹凸パターンが形成されていてもよく、これは通常、射出成形法又はフォトポリマー法などによって成型される。また、第1基板の厚さは、10〜600μm程度が好ましい。
第2基板の材料としては、第1基板と同じ材料を用いることができるが、記録再生光に対して不透明な材料を用いても良く、第1基板とは、材質、溝形状が異なっても良い。
第2基板の厚さは特に限定されないが、第1基板との合計の厚さが1.2mmになるように第2基板の厚さを選択することが好ましい。第2基板は、第1基板と同様に、射出成形又はフォトポリマー法などによって成形される、グルーブ、案内溝などの凹凸パターンが形成されていてもよい。
中間層、透明層は、記録再生用レーザー光の波長における光吸収が小さい方が好ましく、材料としては、樹脂が成形性、コストの点で好適であり、例えば紫外線硬化性樹脂、遅効性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。また、透明層はグルーブ、案内溝などの凹凸パターンを形成する必要がない場合には、常温で圧着して接着できる接着剤を用いることもでき、例えば天然ゴムやSBR、ポリイソブチレン、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルエーテル、ポリビニルイソビチエーテル等を主成分とし、これにロジン、ロジンエステル、クロマン樹脂、テルペン樹脂、炭化水素樹脂、油用性フェノール樹脂などの接着付与剤や老化防止剤、安定化剤が加えられたものが挙げられる。これらの材料のもつ屈折率は、おおよそ1.6程度である。
中間層には、第1基板と同様に、射出成形又はフォトポリマー法などによって成形される、グルーブ、案内溝などの凹凸パターンが形成されていてもよい。中間層は、記録再生を行なう際に、ピックアップが第1情報層と第2情報層とを識別して光学的に分離可能とするものであり、その厚さは10〜70μmが好ましい。10μmより薄いと層間クロストークが生じ、また70μmより厚いと、第2記録層を記録再生する際に球面収差が発生し、記録再生が困難になる傾向がある。
透明層の厚さは特に限定されないが、図1のような透明層を設けない製法により作製した光情報記録媒体の最適な第1基板の厚さと、図5のような製法の異なる光情報記録媒体の第1基板と透明層の厚さの合計が同程度となるように、第1基板と透明層の厚さを調整する必要がある。例えば、NA=0.85の場合であって、図1の光情報媒体の第1基板の厚さが100μmで良好な記録、消去性能が得られたとすると、図5の光情報媒体の第1基板の厚さが50μmならば、透明層の厚さを50μmとすることが好ましい。
第1記録層と第2記録層の材料としては、光照射による加熱と冷却によって、結晶と非晶質の間で相変化する材料であれば特に限定はなく、当該技術分野において従来から知られているものが適用される。例えば、Ge−Te系、Ge−Te−Sb系、Ge−Sn−Te系などのカルコゲン系合金、及びSb−Te共晶系材料を主成分とする薄膜を挙げることができる。ここで、主成分とは薄膜材料全体の90原子%以上を占めることを意味する。
記録(アモルファス化)感度・速度、及び消去比の点では、Sb−Te共晶系材料を用いることが好ましい。更なる性能向上、信頼性向上などを目的としてAg、In、Ge、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Bi、Si、Dy、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pなど他の元素や不純物を添加することができる。
また、GeTe化合物材料は、Sb−Te共晶系材料に比べて透過率が高く、結晶-アモルファスのコントラストが大きいという点で優れており、特に第1記録層に用いるのが好ましい。ただ、結晶化速度が比較的遅いので、記録層に隣接して界面層を設けたりして、結晶促進を向上させた方が好ましい。GeTe化合物材料も、更なる性能向上、信頼性向上などを目的としてAg、In、Sb、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Bi、Si、Dy、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pなど他の元素や不純物を添加することができる。
これらの記録層は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できるが、中でもスパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
第1記録層の厚さは特に限定されないが、3〜15nmであることが好ましい。3nm未満では、均一な膜にするのが困難となったり、結晶化速度が低下する傾向があり、15nmを超えると透過率が低下し第2情報層の記録再生が困難になる。
第2記録層の厚さも特に限定されないが、3〜25nmであることが好ましい。3nm未満では、均一な膜にするのが困難となったり、結晶化速度が低下する傾向があり、25nmを超えると記録感度が低下してしまう傾向があるので、好ましくない。
第1反射層、第2反射層は、入射光を効率良く使い、冷却速度を向上させて非晶質化し易くするなどの機能を有するものであり、そのために通常、熱伝導率の高い金属が用いられ、例えば、Au、Ag、Cu、W、Al、Ta又はそれらの合金などを用いることができる。また、これらの元素の少なくとも1種を主成分とし、Cr、Ti、Si、Pd、Ta、Nd、Znなどから選ばれた少なくとも1種の元素を添加した材料を用いてもよい。ここで主成分とは、反射層材料全体の90原子%以上、好ましくは95原子%以上を占めることを意味する。
中でもAg系材料は、青色波長領域でも屈折率が小さく、光吸収を小さく抑えることができるので、本発明のような多層の情報記録媒体の、特に第1情報層の反射層に用いる材料として好ましいものである。
このような反射層は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
第1情報層は高い透過率が必要とされるため、第1反射層の材料として、屈折率が小さく熱伝導率の高いAg又はその合金を用いることが好ましい。また、その厚さは、3〜20nm程度であることが好ましい。3nm未満にすると、厚さが均一で緻密な膜を作ることが困難になる。20nmより厚いと、透過率が減少し第2情報層の記録再生が困難になる。
また、第2情報層を構成する第2反射層の厚さは、30〜200nm、好適には80〜150nmとするのがよい。30nm未満になると繰り返し記録特性が低下し、200nmより厚くなると感度の低下を生じる傾向があるので好ましくない。
第1下部保護層と第2下部保護層及び第1上部保護層と第2上部保護層の機能と材質は、単層相変化型情報記録媒体の場合と同様であり、第1記録層と第2記録層の劣化変質を防ぎ、接着強度を高め、かつ記録特性を高めるなどの作用を有する。材料の具体例としては、SiO、SiO2、ZnO、SnO2、Al23、TiO2、In23、MgO、ZrO2などの酸化物;Si34、AlN、TiN、ZrNなどの窒化物;ZnS、In23、TaS4などの硫化物;SiC、TaC、B4C、WC、TiC、ZrCなどの炭化物;ダイヤモンドライクカーボン;或いはそれらの混合物が挙げられる。
これらの材料は、単体で保護層とすることもできるが、互いの混合物としてもよい。また、必要に応じて不純物を含んでもよい。保護層の融点は記録層よりも高いことが必要である。最も好ましいのは、ZnSとSiO2の混合物である。
このような保護層は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
第1下部保護層と第2下部保護層の厚さは、30〜200nmであることが好ましい。30nm未満では、記録時の熱によって、第1基板又は中間層が変形してしまう恐れがあるし、200nmより厚いと、量産性に問題が生じる傾向がある。従って、上記の範囲で、最適な反射率になるように膜厚の設計を行なう。
また、第1上部保護層と第2上部保護層の厚さは、3〜40nmであることが好ましい。3nm未満になると記録感度が低下し、40nmより厚くなると放熱効果が得られなくなる傾向がある。
本発明の多層相変化型情報記録媒体は、上部保護層と反射層との間にバリア層を設けても構わない。前述のように、反射層としては、Ag合金、保護層としては、ZnSとSiO2の混合物が最も好ましいが、この2層が隣接した場合、保護層中の硫黄が反射層のAgを腐食させる可能性があり、保存信頼性が低下する恐れがある。
この不具合をなくすために、反射層にAg系材料を用いた場合にはバリア層を設けることが好ましい。バリア層は、硫黄を含まず、かつ融点が記録層よりも高い必要があり、具体的にはSiO、SiO2、ZnO、SnO2、Al23、TiO2、In23、MgO、ZrO2などの酸化物;Si34、AlN、TiN、ZrNなどの窒化物;SiC、TaC、B4C、WC、TiC、ZrCなどの炭化物;或いはそれらの混合物が挙げられる。中でもSiC、SiO2が好ましい。また、これらのバリア層は、レーザー波長での吸収率が小さいことが望ましい。
バリア層は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。バリア層の厚さは、2〜10nmであることが好ましい。2nm未満になると、Agの腐食を防止する効果が得られなくなり保存信頼性が低下する。10nmより厚くなると、放熱効果が得られなくなったり透過率が低下する傾向がある。
熱拡散層としては、レーザー照射された記録層を急冷させるために、熱伝導率が大きいことが望まれる。具体的には熱伝導率は、0.5W/m・K以上であることが好ましく、より好ましくは1.0W/m・K以上である。また、奥側の情報層を記録再生できるように、記録再生用レーザー光波長での吸収率が小さいことも望まれる。情報の記録再生用レーザー光波長において、消衰係数が0.5以下であることが好ましく、より好ましくは0.3以下である。0.5より大きいと第1情報層での吸収率が増大し、第2情報層の記録再生が困難になる。また、クラックや腐食、剥離などを生じない良好な膜であるべきことは言うまでもない。また、熱拡散層の屈折率nHは、隣接する中間層の屈折率nIと、nI<nHの関係であることが好ましい。これは、熱拡散層と中間層の屈折率の差が大きいほど、透過率を大きくする効果が顕著になるからである。
また、透過率向上層は、第1情報層の透過率を上げる作用を有するもので、光吸収の小さい材料が望まれる。情報の記録再生用レーザー光波長において、消衰係数が0.5以下であることが好ましく、より好ましくは0.3以下である。0.5より大きいと第1情報層での吸収率が増大し、第2情報層の記録再生が困難になる。
透過率向上層を設けて、透過率を大きくする効果を得るには、熱拡散層の屈折率nH、透過率向上層の屈折率nT、中間層の屈折率nIが、nT<nI<nHの関係であることであることが好ましい。nI<nHの関係であることが好ましいのは、前述のとおりだが、本出願人等は、さらにnT<nIなる関係の層を設けることによって、反射率変調度を低下させることなく更なる透過率向上の効果をもつことを見出した。また、1.8<nH<2.7、nT<1.6の範囲がより好ましい。中間層に用いる材料の屈折率nIは前述のように、おおむね1.6なので、nHが1.8以下、又はnTが1.6以上であると、透過率向上の効果が小さくなる。また、nHが2.7以上であると、反射率変調度が小さくなる傾向にあるので好ましくない。nT<nI<nHの関係による透過率向上効果の詳細は、実施例において、我々の行なった光学計算結果で説明する。
以上のことから、熱拡散層としては具体的にはZnO、SnO2、TiO2、In2O3、ZrO2などの酸化物;Si34、AlN、TiN、ZrNなどの窒化物;ZnS、In23、TaS4などの硫化物;SiC、TaC、B4C、WC、TiC、ZrCなどの炭化物;或いはそれらの混合物が挙げられるが、とりわけ電気伝導性を示す酸化物を主成分とする材料が好ましく、具体的には、ITO(酸化インジウム-酸化スズ)、IZO(酸化インジウム-酸化亜鉛)、ATO(酸化スズ-アンチモン)などが挙げられる。中でも、IZO、ITOが好ましい材料である。ここで、主成分とは薄膜材料全体の90原子%以上を占めることを意味する。
熱拡散層の膜厚dHは、(α/2)λ/nH<dH<[(1+2α)/4]λ/nH範囲であることが好ましい。ここで、λは記録再生用レーザー光の波長であり、αは0以上の整数である。[(1+2α)/4]λ/nH<dH<[(1+α)/2]λ/nHの範囲であると、透過率が減少してしまう。αは0又は1が好ましい。αが2以上だと膜厚が厚すぎるためクラック、基板変形などの不具合が生じる可能性があるので好ましくない。
透過率向上層としては、比較的屈折率の小さく、吸収も小さい酸化物やハロゲン化物が好ましく、具体的には、SiO2、CaO、MgO、V25、GeO2、Y23、Ce23CaF2、MgF2、BaF2、LiFなどの単体あるいはそれらの混合物が挙げられる。
透過率向上層の膜厚dTは、0<dT<λ/2nTの範囲であることが好ましい。より好ましくは0<dT<3λ/8nTの範囲である。λ/2nT<dTでも透過率を向上させる効果は有するが、熱拡散層同様、膜厚が厚すぎるためクラック、基板変形などの不具合が生じる可能性があるので好ましくない。
熱拡散層、透過率向上層は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。なお、熱拡散層を第1下部保護層と第1基板との間にも設けて、熱拡散効果の更なる向上を図っても何ら問題はない。
また、第1情報層は、記録再生用レーザー光波長350〜700nmでの光透過率が40〜70%であることが好ましく、より好ましくは、40〜60%である。
初期化後に記録を行なった2層相変化型情報記録媒体では、記録層がアモルファス状態である面積が結晶状態である面積よりも小さいので、アモルファス状態での光透過率は結晶状態での光透過率より小さくても構わない。
次に、本発明の多層相変化型情報記録媒体の製造方法について説明する。
本発明の2層相変化型情報記録媒体の製造方法の一つは、成膜工程、初期化工程、密着工程からなり、基本的にはこの順に各工程を行なう。図6に示すのが、この方法により製造した2層相変化型情報記録媒体の概略断面図であり、第1基板、第2基板にグルーブが形成されている。
成膜工程としては、第1基板のグルーブが設けられた面に第1情報層を形成したものと、第2基板のグルーブが設けられた面に第2情報層を形成したものを別途作成する。
第1情報層、第2情報層のそれぞれを構成する各層は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成される。中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。スパッタリング法は、一般にアルゴンなどの不活性ガスを流しながら成膜を行なうが、その際、酸素、窒素などを混入させながら、反応スパッタリングさせてもよい。
初期化工程としては、第1情報層、第2情報層に対して、レーザー光などのエネルギー光を出射することにより記録層全面を初期化(結晶化)する。初期化工程の際にレーザー光エネルギーにより膜が浮いてきてしまう恐れがある場合には、初期化工程の前に、第1情報層及び第2情報層の上にUV樹脂などをスピンコートし、紫外線を照射して硬化させオーバーコートを施しても良い。また、次の密着工程を先に行なった後に、第1基板側から、第1情報層、第2情報層を初期化しても構わない。
次に、以上のようにして初期化した、第1基板面上に第1情報層を形成したものと、第2基板面上に第2情報層を形成したものとを、第1情報層と第2情報層を向かい合わせながら、中間層を介して貼り合わせる。
例えば、何れか一方の膜面に中間層となる紫外線硬化性樹脂をスピンコートし、膜面同士を向かい合わせて両基板を加圧、密着させた上で、紫外線を照射して樹脂を硬化させる。
また、図5に示すような本発明に係る2層相変化型情報記録媒体を製造するための他の方法について説明する。この方法は、第一成膜工程、中間層形成工程、第二成膜工程、基板貼り合わせ工程及び初期化工程からなり、基本的にこの順に各工程を行なう。図7に示すのが、この方法により製造した2層相変化型情報記録媒体の概略断面図であり、中間層、第2基板にグルーブが形成されている。
第一成膜工程としては、第2基板上の案内溝の設けられた面に第2情報層を成膜する。成膜方法は、前述の通りである。
中間層形成工程としては、第2情報層上に案内溝を有する中間層を形成する。例えば、第2情報層上に紫外線硬化性樹脂を全面に塗布し、紫外線を透過することのできる材料で作られたスタンパを押し当てたまま紫外線を照射して硬化させ、溝を形成することができる。
第二成膜工程としては、中間層上に第1情報層を成膜する。成膜方法は、前述の通りである。
基板貼り合わせ工程としては、第1情報層と第1基板を、透明層を介して貼り合わせる。例えば、第1情報層上又は第1基板上に、透明層の材料である紫外線硬化性樹脂をスピンコートし、第1情報層と第1基板とを貼り合わせてから、紫外線を照射して硬化させる。また、透明層を形成せずに、第1基板の材料である樹脂を第1情報層上に塗布し、硬化させることによって、第1基板を形成してもよい。
初期化工程として、第1基板側から、第1情報層、第2情報層に対して、レーザー光などのエネルギー光を出射することにより記録層全面を初期化(結晶化)する。第2情報層に対しては、中間層形成工程直後に初期化を行なっても何ら問題はない。
更に、図8に示されるような、3つの情報層を有する相変化型情報記録媒体の製造は、次のような工程順で行なわれる。第一成膜工程(第1基板に第1情報層、第2基板に第3情報層を成膜)→中間層形成工程(第2基板の第3情報層の上に第2中間層を形成する)→第二成膜工程(第2基板の第2中間層の上に第2情報層を成膜)→密着工程(第1基板と第2基板を第1情報層と第2情報層を向かい合わせながら、第1中間層を介して貼り合わせる)→初期化工程、なお初期化工程は、各情報層を成膜した直後でもよい。
次に、図9に示されるような、3つの情報層を有する相変化型情報記録媒体の製造は、次のような工程順で行なわれる。
第一成膜工程(第3情報層を成膜)→第一中間層形成工程(第2中間層を形成)→第二成膜工程(第2情報層を成膜)→第二中間層形成工程(第1中間層を形成)→第三成膜工程(第1情報層を成膜)→第1基板貼り合わせ工程(透明層を介して貼り合わせる)→初期化工程
なお、初期化工程については、第3情報層は第一成膜工程後又は第一中間層形成直後、第2情報層は第二成膜工程後又は第二中間層形成直後、第1情報層は第三成膜工程後でもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例及び比較例により何ら限定されるものではない。
〈実施例1〜4、比較例1〜3〉
ポリカーボネート樹脂からなる第1基板上に(ZnS)70・(SiO230からなる第1下部保護層、Ge5Ag1In2Sb70Te22からなる第1記録層(厚さ6nm)、(ZnS)70・(SiO230からなる第1上部保護層(厚さ15nm)、Ag98Zn1Al1からなる第1反射層(厚さ10nm)、IZO(In2O3-10wt%ZnO)からなる熱拡散層(厚さ23nm)、透過率向上層の順に設けた第1情報層の透過率と反射率変調度のシミュレーション結果を図10、図11に示す。ここで、透過率向上層は複素屈折率の虚部kTを0とし、実部nTを1.4〜2.6の間としたとき、厚さを0〜λ/2nTの間で変化させ、記録層が結晶のときの反射率Rcとアモルファスのときの反射率Raとの変調度((Rc-Ra)/Rc)と、記録層が結晶のときの透過率Tcを光学計算した。各点における第1下部保護層の膜厚は、Rcが8%になるように100〜150nmの範囲で変化させた(計算波長λ=405nm)。また、入射側とは反対側の媒体の屈折率を1.58として計算した(本発明の多層情報記録媒体では中間層にあたる)。
図10からわかるように、透過率向上層の屈折率nTが中間層の屈折率nIより小さい場合、透過率向上層を設けることによって透過率が上がり、膜厚λ/4nT付近で極大値をとることがわかる。一方、nT>nIでは、逆に透過率が減少することがわかった。
一方、図11の反射率変調度は、nTが小さいと大きな変化は見られないが、nTが大きくなると3λ/8nT〜λ/2nTの範囲で変調度が大きくなるものの、概ね急激に変調度が小さくなることがわかった。変調度が小さくなると、結晶部-アモルファス部の反射率コントラストがとれなくなり、再生エラーに繋がる。nTが小さいと、反射率変調度は透過率向上層を設けない場合とほとんど変わらないことがわかった。
以上のことから、nT<nIとなる材料を透過率向上層として設けることによって、反射率変調度を低下させることなく、透過率を向上させることができるがわかった。上記した材料を使って実際に第1情報層を作製した。第1基板には、直径12cm、厚さ0.6mmで表面にトラックピッチ0.43μmの連続溝によるトラッキングガイド用の凹凸を持つポリカーボネート樹脂基板を用いた。第1下部保護層の膜厚および透過率向上層の材料、膜厚dTは表1に示すとおりである。各層の成膜は、Balzers社製枚葉スパッタ装置を用いて、Arガス雰囲気中のスパッタ法で行なった。
また、これとは別に、熱拡散層、透過率向上層の材料の単層膜を作製し、光学定数(複素屈折率)を測定した。光学定数の測定は、シリコンウェハ上に熱拡散層、透過率向上層の材料の単層膜を100nm程度の厚さで成膜し、Woollam社製分光エリプソメーターを用いて測定した。また、熱拡散層の熱伝導率も測定した。熱伝導率は、30μm厚のガラス基板に第1熱拡散層材料の単層膜を1000nm程度成膜し、レーザー加熱法により測定した。熱拡散層の屈折率nHは2.2、熱伝導率aHは5.6W/m・Kであった。透過率向上層の屈折率nTは表1に示す。
次に、第1基板と同じ形状の第2基板上にAl99−Ti1からなる第2反射層(厚さ120nm)、(ZnS)70・(SiO230からなる第2上部保護層(厚さ20nm)、Ge4Ag1In3Sb70Te22からなる第2記録層(厚さ12nm)、(ZnS)70・(SiO230からなる第2下部保護層(厚さ130nm)の順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜し、第2情報層を作製した。
次に、第1情報層、第2情報層に対して、それぞれ第1基板側、第2情報層膜面側からレーザー光を照射し、初期化処理を行った。ここで、第1情報層の、波長405nmでの光透過率Tcを、SHIMADZU製分光光度計を用いて第1基板側から測定した。
次に、第1情報層の膜面上に紫外線硬化樹脂(日本化薬社製DVD003;屈折率nI=1.58)を塗布し、第2基板の第2情報層面側と貼り合わせてスピンコートし、第1基板側から紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させて中間層とし、2つの情報層を有する2層相変化型情報記録媒体を作成した。中間層の厚さは35μmとした。
実施例1〜4、比較例1〜3の初期化後の透過率測定結果を表1に示す。透過率向上層を設けていない比較例1の透過率は47%であるが、屈折率が中間層よりも小さい材料を設けた実施例1〜4のサンプルは、透過率を向上させることができることがわかった。一方、屈折率の大きい材料を設けた比較例2、3のサンプルは、透過率が減少してしまった。
Figure 0004331657
次に、実施例1〜4、比較例2、3の記録媒体に対し、下記の条件で記録を行った。
・レーザー波長:405nm
・NA=0.65
・線速:6.0m/s
線密度0.18μm/bitでの第1情報層の変調度((Rc-Ra)/Rc)および、第1情報層、第2情報層のジッターを測定した。各記録媒体の測定結果を表2に示す。
Figure 0004331657
実施例1〜4の記録媒体の変調度は0.6以上と大きく、ジッター値は第1情報層、第2情報層ともに9%以下となり、光記録媒体として優れていることが分った。これに対し、比較例1の記録媒体は、第1情報層の透過率が低いため、第2情報層のジッターが9%以上となり、実施例1〜4よりも劣っていることが分った。比較例2の記録媒体は、光透過率が40%以下で、第2情報層のジッター値が大きく、実施例1〜4よりも劣っていることが分った。比較例3の記録媒体は、透過率が40%以上であるが、変調度が0.4以下と小さいため、第1情報層のジッター値を測定することができず、実施例1〜4よりも劣っていることが分った。以上のことから、本発明の透過率向上層を設けた記録媒体は、従来技術である比較例1の記録媒体に比べて、変調度を低下させることなく、透過率を従来比で20%近く向上させることができ、第2情報層のジッターを従来比で最大15%低下させることができた。
〈実施例5〉
熱拡散層にIZOを35nm設けた以外は、実施例1と同様にして、実施例5の2層相変化型情報記録媒体を作製した。第1情報層の初期化後の透過率は52%だった。作製された記録媒体に対して、実施例1と同条件で記録を行い、第1情報層、第2情報層の3T再生信号のジッターを測定したところ、第1情報層、第2情報層共に9%以下で、良好に記録再生を行なうことができた。
また、その他の試作実験からも、熱拡散層の膜厚が0<dH<(1/4)λ/nH、(1/2)λ/nH<dH<(3/4)λ/nHの範囲であると、第1情報層の透過率を効果的に向上させることができ、第1情報層、第2情報層共に良好に記録再生ができた。
〈実施例6〉
第1反射層にAgを用い、第1上部保護層と第1反射層との間にバリア層として膜厚3nmのSiCを設けた点以外は実施例1と同様にして、サンプルNo.6−1の2層相変化型情報記録媒体を作製した。
また、バリア層を設けない点以外は、No.6−1と同様にして、サンプルNo.6−2の2層相変化型情報記録媒体を作製した。
作成された各サンプルについて実施例1と同条件で記録を行い、第1情報層、第2情報層の3T再生信号のジッターを測定した。更に保存信頼性を調べるために、初期記録した各サンプルを80℃・85%RHで300時間保存した後の初期記録マークのジッターを測定した。結果は表3に示す通りであり、バリア層を設けたサンプルNo.6−1の保存後のジッター上昇は1%弱であり、光記録媒体としてより好ましい構成であることが分った。以上のことから、上部保護層に硫黄を含む材料、反射層にAgを用いた場合には、保存信頼性を向上させるために、バリア層を設けることが好ましいことがわかった。
Figure 0004331657
〈実施例7〉
直径12cm、厚さ1.1mmで表面にトラックピッチ0.32μmの連続溝によるトラッキングガイド用の凹凸を持つポリカーボネート樹脂からなる第2基板上に、Al99−Ti1からなる第2反射層(厚さ120nm)、(ZnS)70・(SiO230からなる第2上部保護層(厚さ20nm)、Ge5Ag1In2Sb70Te22からなる第2記録層(厚さ12nm)、(ZrO270・(SiO230からなる第2下部保護層(厚さ130nm)の順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜し、第2情報層を形成した。この第2情報層上に樹脂(日本化薬社製DVD003)を塗布し、2P(photo polymerization、光重合)法によって、連続溝によるトラッキングガイド用の凹凸を持つ中間層を形成した。中間層の厚さは30μmである。
更にその上に、SiO2からなる透過率向上層(厚さ68nm(λ/4nT))、ITO(In23-10wt%SnO2)からなる熱拡散層(厚さ24nm)、Ag98Pd1Cu1からなる第1反射層(厚さ10nm)、(ZrO270・(SiO230からなる第1上部保護層(厚さ10nm)、Ge4Ag1In3Sb70Te22からなる第1記録層(厚さ6nm)、(ZnS)70・(SiO230からなる第1下部保護層(厚さ120nm)の順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜し、第1情報層を形成した。
更に第1情報層膜面上に、直径12cm、厚さ40μmのポリカーボネートフィルムからなる第1基板を、45μmの厚さの両面粘着シートからなる透明層を介して貼り合わせて、2層相変化型情報記録媒体を作成した。
また、これとは別に、透過率測定用として、厚さ1.1mmの基板に第1情報層と透明層、第1基板を同様に設け、初期化後の第1基板側からの光透過率を測定したところ55%であった。また、ITOの屈折率、熱伝導率を前述の方法で測定したところ、nH=2.1、aH=4.2W/m・Kであった。
上記のようにして作成した記録媒体に対し、下記の条件で記録を行った。
・レーザー波長:405nm
・NA=0.85
・線速:5.3m/s
線密度0.12μm/bitでの第1情報層、第2情報層のジッター、及び、100回オーバーライト後の第1情報層、第2情報層のジッターを測定したところ、反射率変調度は0.63と大きく、第1情報層、第2情報層共に9%以下で、良好に記録再生を行なうことができた。
〈実施例8〜14〉
第1反射層、第1記録層の膜厚をそれぞれ表4に記載した厚さに変えた点以外は実施例7と同様にして2層相変化型情報記録媒体を作成した。
作成された各記録媒体について、実施例7と同様の条件で第1情報層、第2情報層のジッター、及び100回オーバーライト後の第1情報層、第2情報層のジッターを測定した結果を表4に示すが、何れの記録媒体も光透過率は46%以上で、反射率変調度も0.60以上と大きく、1回記録後、100回オーバーライト後のジッター共に9%以下となり、光記録媒体として優れていることが分った。
Figure 0004331657
また、その他の試作実験からも、NA=0.85のピックアップで記録再生を行なう場合でも、第2情報層を良好に記録再生するためには、第1情報層の透過率が40%以上必要であることが確認された。
以上のことから、本発明の光記録媒体は、記録再生を行なう対物レンズの開口数NAが変化した場合でも、第1基板の厚さを10〜600μmの範囲で調整することによって、良好に記録再生を行なうことが出来る。
また、その他の試作実験からも、第1情報層の記録層膜厚が3〜15nm、反射層が3〜20nmの範囲であると、第1情報層、第2情報層共に良好に記録再生ができた。特に、第1情報層の記録層膜厚、反射層膜厚がそれぞれ15nm、20nmより厚いと初期化後の光透過率を40%以上にすることが出来ないために、ライトパワー10mW以下で第2情報層を良好には記録することができなかった。
〈実施例15〉
第1記録層にSn3Ge47Te50を用い、第1下部保護層-第1記録層間および第1上部保護層-第1記録層間に界面層としてGeNをそれぞれ3nm設けた以外は、実施例7と同様にして、実施例15の2層相変化型情報記録媒体を作製した。第1情報層の透過率は55%であった。作製された記録媒体に対して、実施例7と同条件で記録を行い、第1情報層、第2情報層の3T再生信号のジッターを測定したところ、反射率変調度は0.67で、第1情報層、第2情報層共に9%以下で、良好に記録再生を行なうことができた。
〈実施例16〉
第1記録層にBi3Ge47Te50を用い、第1下部保護層-第1記録層間および第1上部保護層-第1記録層間に界面層としてTa23をそれぞれ2nm設けた以外は、実施例7と同様にして、実施例15の2層相変化型情報記録媒体を作製した。第1情報層の透過率は55%であった。作製された記録媒体に対して、実施例7と同条件で記録を行い、第1情報層、第2情報層の3T再生信号のジッターを測定したところ、反射率変調度は0.68で、第1情報層、第2情報層共に9%以下で、良好に記録再生を行なうことができた。
〈実施例17〉
直径12cm、厚さ0.6mmで表面にトラックピッチ0.74μmの連続溝によるトラッキングガイド用の凹凸を持つポリカーボネート樹脂からなる第1基板上に(ZnS)80・(SiO220からなる第1下部保護層(厚さ50nm)、Ge5Ag1In2Sb70Te22からなる第1記録層(厚さ6nm)、(ZnS)80・(SiO220からなる第1上部保護層(厚さ15nm)、Ag99−Zn1−Al1からなる第1反射層(厚さ10nm)、IZO(In23-10wt%ZnO)からなる第1熱拡散層(厚さ17nm(3λ/32nH))、SiO2からなる透過率向上層(厚さ110nm(λ/4nT))の順にBalzers社製枚葉スパッタ装置を用いてArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜した。
次に、第1基板と同じ構成の第2基板上にAl99−Ti1からなる第2反射層(厚さ80nm)、(ZnS)80・(SiO220からなる第2上部保護層(厚さ20nm)、Ge4Ag1In3Sb67Te25からなる第2記録層(厚さ12nm)、(ZnS)80・(SiO220からなる第2下部保護層(厚さ80nm)の順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜した。ここで、第1情報層の波長660nmでの光透過率を、SHIMADZU製分光光度計を用いて第1基板側から測定した。
次に、第1情報層、第2情報層に対して、それぞれ第1基板側、第2情報層膜面側からレーザー光を照射し、初期化処理を行なった。ここでまた、第1情報層の波長660nmでの透過率を測定した。
次に、第1情報層の膜面上に紫外線硬化樹脂(日本化薬社製DVD003)を塗布し、第2基板の第2情報層面側を貼り合わせてスピンコートし、第1基板側から紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させて中間層とし、2つの情報層を有する2層相変化型情報記録媒体を作成した。中間層の厚さは50μmとした。
本実施例の第1情報層は、初期化前の波長660nmでの透過率が59%、初期化後の透過率が54%であった。
上記のようにして作成した記録媒体に対し、下記の条件で記録を行った。
・レーザー波長:660nm
・NA=0.65
・線速:3.49m/s
線密度0.267μm/bitでの第1情報層、第2情報層のジッター、及び100回オーバーライト後の第1情報層、第2情報層のジッターを測定したところ、反射率変調度は0.71で、第1情報層、第2情報層共に良好に記録再生を行なうことができた。
〈実施例18〉
第1記録層、第2記録層にGe4Ga3Sb69Te24を用いた以外は実施例17と同様にして、実施例18の2層相変化型情報記録媒体を作製した。第1情報層の透過率は55%であった。作製された記録媒体に対して、下記の条件で記録を行い、第1情報層、第2情報層の3T再生信号のジッターを測定したところ、反射率変調度は0.68で、第1情報層、第2情報層共に9%以下で、良好に記録再生を行なうことができた。
・レーザー波長:660nm
・NA=0.65
・線速:6.98m/s
・線密度=0.267μm/bit
本発明の2層情報記録媒体の一例を示す概略断面図である。 本発明の2層情報記録媒体の他の例を示す概略断面図である。 本発明の2層情報記録媒体の他の例を示す概略断面図である。 本発明の2層情報記録媒体の他の例を示す概略断面図である。 本発明の2層情報記録媒体の他の例を示す概略断面図である。 本発明の第1、第2基板にグルーブ溝を設けた2層相変化型情報記録媒体の概略断面図である。 本発明の第1基板及び中間層にグルーブ溝を設けた2層相変化型情報記録媒体の概略断面図である。 本発明の3情報層を有する相変化型情報記録媒体の断面図である。 本発明の他の3情報層を有する相変化型情報記録媒体を示す概略図である。 本発明の透過率向上層膜厚と結晶状態における透過率の関係を示す説明図である。 本発明の透過率向上層膜厚と反射率変調度の関係を示す説明図である。
符号の説明
1 第1情報層
2 第2情報層
3 第1基板
4 中間層
5 第2基板
6 透明層
7 第3情報層
8 第2中間層
11 第1下部保護層
12 第1記録層
13 熱拡散層
14 透過率向上層
15 第1上部保護層
16 第1反射層
21 第2下部護層
22 第2記録層
23 第2上部保護層
24 第2反射層

Claims (17)

  1. 第1基板と第2基板との間に、光の入射によって結晶状態と非晶質状態との間で相変化を起して情報を記録し得る記録層を有する情報層がN層(N:2以上の整数)設けられ、各情報層間に中間層を有する多層相変化型光情報記録媒体において、各情報層を、光が入射する第1基板側からみて、第1情報層、第2情報層、…第N情報層としたとき、第N情報層以外の1層以上の情報層が、光入射側からみて、少なくとも下部保護層、記録層、上部保護層、反射層、熱拡散層、透過率向上層の順に積層された層構成を有し、熱拡散層の屈折率nH、透過率向上層の屈折率nT、該透過率向上層に隣接して設けられた中間層の屈折率nIが、nT<nI<nHの関係であることを特徴とする多層相変化型情報記録媒体。
  2. 上記下部保護層、記録層、熱拡散層、透過率向上層のうち、透過率向上層が、酸化物又はハロゲン化物を主成分とする材料からなることを特徴とする請求項1記載の多層相変化型情報記録媒体。
  3. 上記下部保護層、記録層、熱拡散層、透過率向上層のうち、透過率向上層の厚さdTが、0<dT<λ/2nT(λは入射する光の波長)であることを特徴とする請求項1又は2記載の多層相変化型情報記録媒体。
  4. 上記下部保護層、記録層、熱拡散層、透過率向上層のうち、熱拡散層の熱伝導率が、0.5W/m・K以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体。
  5. 上記下部保護層、記録層、熱拡散層、透過率向上層のうち、熱拡散層がIZO(酸化インジウム-酸化亜鉛)又はITO(酸化インジウム-酸化スズ)を主成分とする材料からなることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体。
  6. 上記下部保護層、記録層、熱拡散層、透過率向上層のうち、熱拡散層の厚さdHが、(α/2)λ/nH<dH<[(1+2α)/4]λ/nH(α:0以上の整数)であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体。
  7. 上記中間層が樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の多層相変化型情報記録媒体。
  8. 上記上部保護層が酸化物、窒化物、硫化物、炭化物のいずれかを主成分とすることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体。
  9. 上記記録層が、Sb−Te共晶系材料を主成分とし、Ag、In、Ge、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Bi、Si、Dy、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜6、8の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体。
  10. 上記記録層が、GeTeを主成分とし、Ag、In、Sb、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Bi、Si、Dy、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜6、8の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体。
  11. 上記記録層の厚さが3〜15nmであることを特徴とする請求項1〜6、8〜10の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体。
  12. 上記記録層に隣接して、酸化物、窒化物、硫化物、炭化物のいずれかを主成分とする厚さ1〜5nmの界面層を設けることを特徴とする請求項1〜6、8〜11の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体。
  13. 上記反射層がAu、Ag、Cu、W、Al、Taの少なくとも1種を主成分とすることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体。
  14. 上記反射層の厚さが3〜20nmであることを特徴とする請求項13に記載の多層相変化型情報記録媒体。
  15. 上記上部保護層と上記反射層との間に酸化物、窒化物、炭化物のいずれかを主成分とするバリア層を有することを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体。
  16. 第1基板の厚さが10〜600μmであることを特徴とする請求項1に記載の多層相変化型情報記録媒体。
  17. 請求項1〜16の何れかに記載の多層相変化型情報記録媒体の各情報層に対し、第1情報層側から波長350〜700nmの光ビームを入射させて情報の記録再生を行なうことを特徴とする多層相変化型情報記録媒体の記録再生方法。
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