JP2002092955A - 光学記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

光学記録媒体およびその製造方法

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JP2002092955A
JP2002092955A JP2000278151A JP2000278151A JP2002092955A JP 2002092955 A JP2002092955 A JP 2002092955A JP 2000278151 A JP2000278151 A JP 2000278151A JP 2000278151 A JP2000278151 A JP 2000278151A JP 2002092955 A JP2002092955 A JP 2002092955A
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Toru Abiko
透 安孫子
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Sony Corp
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  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 支持基板上に光記録層と光透過保護層とが積
層された光学記録媒体において、腐食の発生を抑制して
再生不良を防止し、高い信頼性を確保する。 【解決手段】 接着層8の半径方向の外周端を光記録層
7の外周端より0.5mm以上外周側にする。接着層8
の半径方向の外周端を、光透過保護層9の外周端より内
周側に0.5mm以下、外周側に0.5mm以下の範囲
内とし、接着層8の半径方向における内周端を、光透過
保護層9の内周端より内周側に0.5mm以下、外周側
に0.5mm以下の範囲内とし、接着層8の内周端をデ
ィスク基板2の内周端より外周側かつ光記録層7の内周
端より内周側とし、接着層8の外周端をディスク基板2
の外周端より内周側かつ光記録層7の外周端より外周側
とする。接着層8の材料として紫外線硬化樹脂を用いた
場合、接着層8の外周端はディスク基板2の外周より外
側となることがある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光学記録媒体お
よびその製造方法に関し、特に、支持基板の一主面上に
情報記録層と、少なくとも1層の光透過保護層とが設け
られ、光透過保護層側からレーザ光を照射することによ
り、情報信号の記録/再生を行うようにした光学記録媒
体に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、相変化記録材料を用いた書き換え
可能な光ディスクの実用例として、いわゆるDVD−R
AM(Digital Versatile Disc-Ramdom Access Memory)
が市販されている。このDVD−RAMの構成を図8に
示す。
【0003】図8に示すように、DVD−RAM101
においては、ディスク基板102の、レーザ光が照射さ
れる面と反対側の一主面上に、少なくとも、第1の誘電
体層103、記録層104、第2の誘電体層105およ
び反射層106が順次積層されて設けられている。
【0004】このようなDVD−RAM101に対する
記録/再生時に用いられるレーザ光は、ディスク基板1
02側から記録層104に向けて照射されるように構成
される。そして、このDVD−RAM101において
は、線速が6m/s、ビット長が0.41μm/s、ト
ラックピッチ(Tp)が0.74μm、レーザ光の波長
が約650μm、データ転送レートが11Mbps、記
録容量2.6GBが実現されている。
【0005】さらに、このDVD−RAMを上回る大容
量化、高転送レート化を実現するためには、記録用のレ
ーザ光におけるスポットサイズ(スポット径)を小さく
し、記録線速の向上する方法が有効である。ここで、記
録用のレーザ光におけるスポットサイズを小さくするた
めには、具体的には、レーザ光を短波長化する方法や、
対物レンズの開口数(NA)を大きくする方法などを挙
げることができる。
【0006】特に、レーザ光の短波長化と対物レンズの
高NA化とを併用すると、これらのそれぞれの方法を単
独に採用した場合に比して、スポットサイズをより小さ
くすることができる。例えば、光源として、波長λが4
00nm付近のいわゆる青紫色レーザを用い、さらに対
物レンズの開口数NAが0.85の対物レンズを用いる
と、理論上さらなる高密度記録が可能となる。
【0007】このように、記録密度を上げるためには、
NA/λの向上を図ることが不可欠となる。この場合、
記録容量として8GBを達成するためには、少なくとも
NAを0.70以上とし、さらにレーザ光の波長λを
0.68μm(680nm)以下にする必要がある。
【0008】そして、現状用いられている赤色レーザか
ら将来普及が見込まれる青色レーザまで対応することを
考慮すると、光透過層は10〜177μmに設定するの
が最適であるとされている。すなわち、一般的にディス
クスキューマージンΘと、記録再生用光学ピックアップ
の光源波長λと、その開口数(NA)並びにディスクの
光透過保護層の膜厚tとは相関関係にある。そして、実
用上、そのプレイヤビリティが十分に実証されているコ
ンパクトディスク(CD)を基準として、これらのパラ
メータとΘとの関係が、特開平3−225650号公報
(文献1)に示されている。
【0009】文献1によると、−84.115(λ/N
3/t)≦Θ≦84.115(λ/NA3/t)であれ
ばいい。ここで、ディスクを実際に量産する場合のスキ
ューマージンΘの具体的な限界値を考えると、0.4°
とするのが妥当である。これは、量産を考えた場合、こ
れより小さくすると製造歩留まりが低下し、コストが増
加してしまうからである。既存の光学記録媒体について
も、CDにおいては0.6°、DVDにおいては0.4
°である。
【0010】そこで、Θ=0.4°として、レーザの短
波長化および高NA化により、光透過保護層の厚みをど
の程度に設定すべきかを計算すると、λ=0.65μm
(赤色レーザ)とすると、NAは0.78以上が要求さ
れる。また、将来、短波長化が進み、λ=0.4μmと
なったとすると、t=177μmとなる。この光透過保
護層の厚さの下限は、光記録層を保護する光透過保護層
の保護機能によって決まり、信頼性や2群レンズの衝突
の影響を考慮すると、10μm以上が望ましい。
【0011】ここで、図面を参照しつつ、このような光
学記録媒体(光ディスク)について説明する。図9に、
光ディスク201を示す。図9に示すように、光ディス
ク201は、支持基板202上に、反射層203、第1
の誘電体層204、記録層205および第2の誘電体層
206からなる光記録層207と、この光記録層207
上に、接着層208を介して光透過保護層209とが積
層された構成を有する。これらのうち、支持基板202
は、単板で構成する場合には、ある程度の剛性が要求さ
れる。そのため、支持基板202の厚さは、0.6mm
以上であることが望ましい。同様に、2枚を張り合わせ
る構造の場合においては、その半分の0.3mm以上で
あることが望ましい。また、CDの製造設備を流用する
ことを考慮すると、支持基板202の厚さは1.2mm
程度が一般的になる。
【0012】さて、このような光学記録媒体の支持基板
に用いられるポリカーボネート樹脂およびポリオレフィ
ン系樹脂においては、溶融成型時に耐熱性を有し、成型
しやすいこと、変質が少ないこと、機械的特性が優れて
いることなどの利点を有している。そのため、光学記録
媒体の基板として有用である。
【0013】また、2枚のディスクを貼り合わせて構成
されるものにおいては、支持基板上に記録用薄膜を形成
後、光透過保護層が貼り合わされる点が重要である。こ
の貼り合わせにより、歩留まりや光学記録媒体の信頼性
が左右されることも多い。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、支持基板上
に記録用薄膜を形成後、光透過保護層を接着層を介して
貼り合わされる光学記録媒体においては、その実用化に
当たって、耐食性の改善が大きな課題になる。
【0015】すなわち、ポリカーボネート樹脂からなる
成形体を光透過保護層とする光学記録媒体を高温高湿の
雰囲気に保存すると、記録層などの腐食が発生する。こ
の腐食は、光学記録媒体における再生不良などをもたら
す。そして、信頼性を保証しなければならない光学記録
媒体において、大きな問題となる。
【0016】したがって、この発明の目的は、支持基板
上に光記録層および光透過保護層が積層された光学記録
媒体において、その光学記録媒体における腐食の発生を
抑制することにより、この腐食により生じる再生不良を
防止することができ、高い信頼性を有する光学記録媒体
を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の第1の発明は、平面円環状の非磁性基板
上に、少なくとも光記録層、接着層および光透過保護層
が順次積層された光学記録媒体において、接着層の半径
方向における外周端が、光記録層における半径方向の外
周端より0.5mm以上外周側になるように構成されて
いることを特徴とするものである。
【0018】この発明の第2の発明は、平面円環状の非
磁性基板上に、少なくとも光記録層、接着層および光透
過保護層を順次積層するようにした光学記録媒体の製造
方法において、接着層を、接着層の半径方向における外
周が、光記録層における半径方向の外周端より0.5m
m以上外周側になるように形成するようにしたことを特
徴とするものである。
【0019】この発明において、典型的には、光記録
層、接着層および光透過保護層が平面円環状を有する。
また、この発明において、好適には、接着層の半径方向
における内周端は、光記録層における半径方向の内周端
より0.5mm以上内周側になるように構成されてい
る。
【0020】この発明において、典型的には、接着層の
半径方向における外周端が光透過保護層の半径方向にお
ける外周端より内周側に0.5mm以下、外周側に0.
5mm以下の範囲内にあり、接着層の半径方向における
内周端が光透過保護層の半径方向における内周端より内
周側に0.5mm以下、外周側に0.5mm以下の範囲
内にあり、接着層の内周端が非磁性基板の内周端より外
周側かつ光記録層の内周端より内周側にあり、接着層の
外周端が非磁性基板の外周端より内周側かつ光記録層の
外周端より外周側にある。
【0021】この発明において、非磁性基板の剛性を確
保し、反りを防止するために、典型的には、ディスクを
単板で形成する場合、0.6mm以上であり、2枚のデ
ィスク基板を貼り合わせた構造の場合においては、非磁
性基板の厚さは0.3mm以上である。また、従来のデ
ィスクの製造に用いられる製造設備を流用することを考
慮すると、非磁性基板の厚さは1.3mm以下であり、
好適には1.2mm程度である。
【0022】この発明において、典型的には、光透過保
護層は、ポリカーボネート系樹脂またはポリオレフィン
系樹脂からなる。
【0023】この発明において、典型的には、光記録層
は、反射膜、第1の誘電体層、相変化記録膜および第2
の誘電体層を順次積層されて構成されている。
【0024】この発明において、典型的には、接着層が
紫外線硬化樹脂または粘着性シートからなる。
【0025】この発明において、典型的には、光透過保
護層の材料として使用されるポリカーボネート樹脂は、
二価フェノール系(例えばビスフェノールA)を酸結合
剤(例えば水酸化ナトリウム(NaOH)など)の存在
下、ホスゲンと反応させることにより合成されるホスゲ
ン法によって製造されるものであり、具体的には、通常
のポリカーボネート樹脂のほか、分岐化剤としてフェノ
ール性水酸基を有する分岐化ポリカーボネート、末端停
止剤として長鎖アルキル酸クロライドもしくは長鎖アル
キルエステル置換フェノールなどの末端長鎖アルキルポ
リカーボネート樹脂、上述の分岐剤および末端停止剤を
ともに用いた末端長鎖アルキル分岐ポリカーボネート樹
脂、さらにこれらの混合物などが使用される。そして、
これらのポリカーボネート樹脂は、押し出し装置に投入
し、ヒーターなどの加熱装置によって溶融してシート上
に押し出され、複数個の冷却ロールを用いることによ
り、シート状に形成される。
【0026】この発明において、典型的には、光記録層
の全体もしくは部分を構成する記録材料は、相変化材
料、すなわち、レーザ光の照射により可逆的な状態変化
を生じる材料からなる。特に、非晶質状態と結晶状態と
の間において、可逆的相変化を生じるものが好ましく、
カルゴゲン化合物または単体のカルゴゲンなどの、公知
のものがいずれも使用可能である。具体的には、テルル
(Te)、セレン(Se)、ゲルマニウム・アンチモン
・テルル(Ge−Sb−Te)、Ge−Te、Sb−T
e、インジウム・アンチモン・テルル(In−Sb−T
e)、銀・インジウム・アンチモン・テルル(Ag−I
n−Sb−Te)、金・インジウム・アンチモン・テル
ル(Au−In−Sb−Te)、ゲルマニウム・アンチ
モン・テルル・パラジウム(Ge−Sb―Te−P
d)、ゲルマニウム・アンチモン・テルル・セレン(G
e−Sb―Te−Se)、インジウム・アンチモン・セ
レン(In−Sb−Se)、ビスマス・テルル(Bi−
Te)、ビスマス・セレン(Bi−Se)、Sb−S
e、Ge−Sb−Te−Bi、ゲルマニウム・アンチモ
ン・テルル・コバルト(Ge−Sb−Te−Co)、ま
たはGe−Sb−Te−Auを含む系、あるいはこれら
の系に窒素(N)、酸素(O)などのガス添加物を導入
した系などを挙げることができる。これらのうち、特に
好ましいのは、Sb−Te系を主成分とするものであ
り、このSb−Te系を主成分としたものに、例えばS
e、Pd、Ge、またはInなどの任意の元素を添加し
たものを用いるのが好ましい。
【0027】この発明は、具体的には、DVR−re
d、DVR−blueなどのDVR(Digital Video Re
cording system)に適用することができるが、支持基板
上に、光記録層、接着層および光を透過する保護層が設
けられた光学記録媒体であれば、いかなる記録媒体に適
用することも可能である。
【0028】上述のように構成されたこの発明による光
学記録媒体およびその製造方法によれば、接着層の半径
方向における外周が、光記録層における半径方向の外周
端より0.5mm以上外周側になるように構成している
ことにより、光記録層の形成領域における。光透過保護
層と支持基板との間に、空隙が存在しないようにするこ
とができ、光記録層を接着層により被覆することができ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態
の全図においては、同一または対応する部分には同一の
符号を付す。
【0030】まず、この発明の第1の実施形態による光
ディスクについて説明する。図1に、この第1の実施形
態による光ディスクの部分的な断面を示し、図2に、こ
の光ディスクの半径方向の断面を示す。
【0031】図1および図2に示すように、この第1の
実施形態による相変化型の光ディスク1においては、デ
ィスク基板2の一主面上に、反射層3、第1の誘電体層
4、記録層5および第2の誘電体層6が順次積層されて
構成された光記録層7が設けられている。また、このデ
ィスク基板2の一主面上の光記録層7における、ディス
ク基板2が存在する側とは反対側の主面に、接着層8お
よび光透過保護層9が順次積層されて設けられ、光ディ
スク1が構成されている。また、この光ディスク1にお
いて、記録/再生用のレーザ光L1は、ディスク基板2
に対して光透過保護層9が設けられた側から照射され
る。
【0032】ディスク基板2は、例えばポリカーボネー
ト系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂など
の、低コスト化に優れたプラスチック材料からなり、こ
の第1の実施形態においては例えばポリカーボネート
(PC)からなる。このディスク基板2の作製は、例え
ば、射出成形法(インジェクション法)や紫外線硬化樹
脂を用いたフォトポリマー(2P(Photo Polymerizatio
n)法(感光性樹脂法))により行われる。また、ディス
ク基板2の厚さは、0.3〜1.3mmから選ばれ、こ
の第1の実施形態においては、例えば1.1mmに選ば
れる。これは、ディスク基板の厚さが0.3mmより小
さいと、相変化型の光ディスク1自体の強度が下がった
り反りやすくなったりするためである。他方、ディスク
基板2の厚さが1.3mmより大きいと、相変化型の光
ディスク1の厚みが、CDやDVDなどの光ディスクに
おける厚さ(約1.2mm)に比して大きくなってしま
い、これらのCDやDVD、およびこの第1の実施形態
による光ディスクに対応する駆動装置の商品化を考慮す
ると、同じディスクトレイを共用できなくなる可能性が
あるためである。
【0033】また、図2に示すように、ディスク基板2
は中央部にセンターホール2aが形成された平面円環形
状(図2中、O−O軸が中心)を有する。そして、ディ
スク基板2の内径(センターホール2aの径)は例えば
15mm(半径R1=7.5mm)、外径は例えば12
0mm(半径R2=60mm)である。なお、このディ
スク基板2の光記録層7が形成される一主面には、凹凸
の溝トラック(図示せず)を形成することも可能であ
る。この場合、溝トラックの形状は、スパイラル状、同
心円状、ピット列などの様々な形状とすることができ
る。また、この溝トラックによる案内により、光ディス
ク1を任意の位置に移動することができるようになる。
【0034】また、図1に示す反射層3は、例えば金属
や半金属からなる。そして、反射層3における反射機能
を考慮すると、反射層3の材料としては、記録再生用に
用いられるレーザ光の波長に対して反射能を有するとと
もに、熱伝導率が例えば4.0×10-2〜4.5×10
2J/m・K・s(4.0×10-4〜4.5J/cm・
K・s)の範囲内の値を有する金属元素、半金属元素、
およびこれらの化合物または混合物からなることが好ま
しい。すなわち、反射層3の材料としては、具体的に
は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、
ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、
パラジウム(Pd)、コバルト(Co)、シリコン(S
i)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブ
デン(Mo)、ゲルマニウム(Ge)などの単体、また
はこれらの単体を主成分とする合金を挙げることができ
る。そして、実用性の面を考慮すると、これらのうちの
Al系、Ag系、Au系、Si系またはGe系の材料が
好ましい。また、反射層3の材料として、合金を用いる
場合には、例えばAl−Ti、Al−Cr、Al−C
o、Al−Mg−Si、Ag−Pd−Cu、Ag−Pd
−Ti、Cu−Ag−Ti、またはSi−ホウ素(B)
などが好ましい。さらに、反射層3の材料は、光学特性
および熱特性を考慮して設定される。すなわち、一般的
に、反射層3の膜厚を、レーザ光が透過しない程度の大
きさ(例えば50nm以上)に設定すると、反射率が高
くなるとともに、放熱性が向上する。特に、Al系の材
料やAg系の材料は、レーザ光が短波長の場合において
も高い反射率を有する。例えば、波長λが400nm程
度の青色レーザ光の照射に対して、反射率は80%以上
になる。以上のことから、この第1の実施形態において
は、反射層3としてAg合金を用い、その膜厚を例えば
100nmとする。
【0035】また、図1に示す第1の誘電体層4および
第2の誘電体層6は、記録/再生に用いられるレーザ光
に対して吸収能が低い材料から構成され、具体的には、
消衰係数kの値が0.3以下の材料から構成することが
好ましい。この第1の実施形態においては、第1の誘電
体層4および第2の誘電体層6として、例えば硫化亜鉛
(ZnS)と酸化シリコン(SiO2)との混合体(特
に、モル比が約4:1のZnS−SiO2)が用いられ
る。ここで、第1の誘電体層4の膜厚は、例えば15n
mであり、第2の誘電体層6の膜厚は、例えば130n
mである。
【0036】また、この光ディスク1が相変化記録であ
るため、記録層5は、相変化記録材料からなる。具体的
には、この第1の実施形態においては、記録層は、例え
ばSbTe系材料からなり、その膜厚は、例えば20n
mである。
【0037】そして、ディスク基板2上に設けられた、
反射層3、第1の誘電体層4、記録層5および第2の誘
電体層6から構成される光記録層7は、平面円環形状を
有し、その内径は例えば44mm(半径r1=22m
m)、外径は例えば117.5mm(半径r2=58.
75mm)である。
【0038】また、光記録層7上に設けられた接着層8
は、例えば粘着剤、粘着シート、または紫外線硬化樹脂
などからなる。ここで、この第1の実施形態による光デ
ィスクにおいては、光透過保護層9と接着層8との合計
の膜厚が例えば100μm程度になるようにそれぞれの
膜厚が規定される。すなわち、接着層8が紫外線硬化樹
脂からなる場合には、その膜厚は例えば5μmであり、
接着層8を粘着シートから構成した場合、その膜厚は、
例えば30μmである。また、接着層8を紫外線硬化樹
脂、接着剤、または粘着シートから構成するいずれの場
合においても、光記録層7の腐食を防止するために、接
着層8の半径方向における外周端が、光記録層7におけ
る半径方向の外周端より0.5mm以上外周側になるよ
うに構成されている。
【0039】また、光記録層7上に接着層8を介して形
成された光透過保護層9は、記録/再生に用いられるレ
ーザ光に対して、吸収能が低い材料から構成することが
好ましく、レーザ光の透過率が90%以上の材料から構
成することがより望ましい。具体的には、光透過保護層
9は、例えばポリカーボネート樹脂材料やポリオレフィ
ン系樹脂から構成された平面円環状のシート状基材から
なる。また、この光透過保護層9の厚さは、3〜177
μmの範囲内から選ばれ、この第1の実施形態において
は、例えば100μmに選ばれる。また、光透過保護層
9は、平面円環形状を有し、その内径は例えば40m
m、外径は例えば119.5mmである。なお、この第
1の実施形態による光透過保護層9は、ポリカーボネー
ト樹脂を押出機に投入し、このポリカーボネート樹脂を
ヒータ(図示せず)を用いて250〜300℃の温度で
溶融させ、複数個の冷却ロールを用いてシート状に成形
され、ディスク基板2に合わせた形状に裁断することに
より形成されたものである。
【0040】また、これらの接着層8および光透過保護
層9と、ディスク基板2との関係は、次のように規定さ
れる。すなわち、接着層8の半径方向における外周端
を、光透過保護層9の半径方向における外周端より内周
側に0.5mm以下、外周側に0.5mm以下の範囲内
にあり、接着層8の半径方向における内周端は、光透過
保護層9の半径方向における内周端より内周側に0.5
mm以下、外周側に0.5mm以下の範囲内にあり、接
着層8の内周端がディスク基板2の内周端より外周側か
つ光記録層7の内周端より内周側にあり、接着層8の外
周端がディスク基板の外周端より内周側かつ光記録層7
の外周端より外周側にあるようにする。なお、接着層8
の材料として紫外線硬化樹脂を用いた場合、接着層8の
外周端がディスク基板2の外周より外周側になる場合が
ある。この場合においては、上述の規定に必ずしも限定
されるものではない。
【0041】また、以上のように構成された光ディスク
1の作成方法としては、大きく分けて以下の2つの方法
を用いることができる。
【0042】第1の方法は、案内溝が形成された支持基
板上に多層膜を積層し、最後に平滑な光透過保護層を形
成する方法である。光透過保護層の形成方法としては、
例えば厚さ100μm以下のポリカーボネート系樹脂や
ポリオレフィン系樹脂などからなる光学的に十分平滑な
光透過性のシート(フィルム)を、紫外線硬化樹脂を接
着剤とし紫外線照射により貼り合わせる方法、または粘
着性の機能を有するシートを介し貼り合わせる方法を用
いることができる。
【0043】また、第2の方法は、案内溝が形成された
光透過保護層上に多層膜を積層し、最後に平滑なディス
ク基板2を形成する方法である。なお、厚さ100μm
以下の光透過保護層に凹凸の溝トラックを形成する方法
としては、射出成形(インジェクション)法、フォトポ
リマー(2P)法、圧着・加圧により凹凸を転写する方
法などを用いることができる。
【0044】以上のような2つの方法のうち、光透過保
護層上に凹凸を形成する工程または多層膜を成膜する工
程は必ずしも容易ではないので、量産性を考慮すると第
1の方法を用いることが望ましい。
【0045】また、以上のように構成された相変化型の
光ディスク1の記録/再生方法においては、レーザ光の
強弱により、記録層5において、結晶状態と非晶質状態
(アモルファス状態)とを可逆的に相変化させる。そし
て、このような状態変化による反射率などの光学的変化
を利用することによって、記録、再生、消去、オーバー
ライトなどの動作を行うことが可能となる。一般的に
は、成膜後、一旦結晶化(初期化)を行った後、記録/
再生を行う。
【0046】本発明者は、上述した光記録層7が形成さ
れた光ディスクにおいて、様々な寸法の接着層8を形成
し、ディスク基板2上に、この接着層8を介して光透過
保護層9を設けた光ディスクを製造した。なお、光記録
層7が形成されたディスク基板2上に接着層8を介して
光透過保護層9を貼り合わせた際に、加圧脱泡処理を行
うことにより、接着層8の貼り合わせ部分に泡や空隙は
存在しないようにした。
【0047】まず、第1のディスクとして、接着層8の
成膜領域の内径を40mm(半径r 3=20mm)と
し、外径を119.5mm(半径r4=59.75m
m)としたものを用いた。すなわち、第1のディスクと
して、接着層8の内周が光記録層7の成膜領域の内周よ
り半径方向に、(r3−r1=22−20=)2mm程度
内周側、接着層8の外周が光記録層7の成膜領域の外周
より半径方向に、(r4−r2=59.75−58.75
=)1mm程度外周側になるようにしたものを用いた。
【0048】また、第2のディスクとして、接着層8の
成膜領域の内径を39mm(半径r 3=19.50m
m)とし、外径を120mm(半径r4=60mm)と
したものを用いた。すなわち、第2のディスクとして、
接着層8の内周が光記録層7の成膜領域の内周より半径
方向に、(r3−r1=22−19.50=)2.5mm
程度内周側、接着層8の外周が光記録層7の成膜領域の
外周より半径方向に、(r 4−r2=60−58.75
=)1.25mm程度外周側になるようにしたものを用
いた。
【0049】また、第3のディスクとして、接着層8の
成膜領域の内径を41mm(半径r 3=20.5mm)
とし、外径を118.5mm(半径r4=59.25m
m)としたものを用いた。すなわち、第3のディスクと
して、接着層8の内周が光記録層7の成膜領域の内周よ
り半径方向に、(r3−r1=22−20.5=)1.5
mm程度内周側、接着層8の外周が光記録層7の成膜領
域の外周より半径方向に、(r4−r2=59.25−5
8.75=)0.5mm程度外周側になるようにしたも
のを用いた。
【0050】また、第4のディスクとして、接着層8の
成膜領域の内径を42mm(半径r 3=21mm)と
し、外径を118mm(半径r4=59mm)としたも
のを用いた。すなわち、第4のディスクとして、接着層
8の内周が光記録層7の成膜領域の内周より半径方向
に、(r3−r1=22−21=)1mm程度内周側、接
着層8の外周が光記録層7の成膜領域の外周より半径方
向に、(r4−r2=59−58.75=)0.25mm
程度外周側になるようにしたものを用いた。
【0051】また、第5のディスクとして、接着層8の
成膜領域の内径を40mm(半径r 3=20mm)と
し、外径を117mm(半径r4=58.50mm)と
したものを用いた。すなわち、第5のディスクとして、
接着層8の半径方向の内周が光記録層7の成膜領域の内
周より半径方向に、(r3−r1=22−20=)2mm
程度内周側、接着層8の半径方向の外周が光記録層7の
成膜領域の外周より半径方向に、(|r4−r2|=|5
8.50−58.75|=)0.25mm程度内周側に
なるようにしたものを用いた。
【0052】また、第6のディスクとして、光透過保護
層9をポリオレフィン系樹脂から構成すること以外のこ
とが、第1のディスクにおけると同様のものを用いた。
【0053】また、第7のディスクとして、紫外線硬化
樹脂をスピンコート法により成膜したものを、接着層8
として用いたディスクとした。ここで、接着層8の内径
は40.5mm(半径r3=20.25mm)であり、
外径は120.5mm(半径60.25mm)である。
なお、紫外線硬化樹脂からなる接着層8において、その
外径がディスク基板2の外径より大きくなっている。こ
れは、接着層8として、スピンコート法により塗布され
た紫外線硬化樹脂を用いているためであり、これによ
り、ディスク基板2の外周の側面にまで紫外線硬化樹脂
が被覆されているためである。
【0054】そして、本発明者は、上述した第1のディ
スクから第7のディスクを、それぞれ80℃の温度で8
5%の湿度の雰囲気下に保存した。そして、これらの第
1のディスクから第7のディスクにおける腐食の実験を
行った。この実験結果を以下の表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】表1から、第1のディスク、第2のディス
ク、第3のディスク、第6のディスクおよび第7のディ
スクにおいて、80℃の温度で85%の湿度の雰囲気下
に、480時間保存した場合であっても、腐食が観測さ
れないことがわかる。また、第4のディスクおよび第5
のディスクにおいては、80℃の温度で85%の湿度の
雰囲気下に、96時間保存した段階で、外周部エリアの
部分から腐食が発生していることがわかる。
【0057】そして、この実験結果から、接着層8の半
径方向における外周端が、光記録層における半径方向の
外周端より0.5mm以上外周側になるようにすること
により、光ディスク1における腐食の発生を抑制可能で
あることがわかる。
【0058】また、接着層8の半径方向における外周端
を光透過保護層9の半径方向における外周端より内周側
に0.5mm以下、外周側に0.5mm以下の範囲内と
し、接着層8の半径方向における内周端を光透過保護層
9の半径方向における内周端より内周側に0.5mm以
下、外周側に0.5mm以下の範囲内とし、接着層8の
内周端を非磁性基板の内周端より外周側かつ光記録層7
の内周端より内周側とし、接着層8の外周端を、ディス
ク基板2の外周端より内周側かつ光記録層7の外周端よ
り外周側にしていることにより、光ディスク1における
腐食の発生を抑制可能であることが確認された。
【0059】以上説明したように、この第1の実施形態
によれば、平面円環状のディスク基板2上に光記録層
7、接着層8および光透過保護層9が順次積層された光
ディスク1において、接着層8の半径方向における外周
端を、光記録層7における半径方向の外周端より0.5
mm以上外周側になるようにしていることにより、光デ
ィスク1の腐食の発生を大幅に抑制することができるこ
とがわかる。これによって、光記録層の腐食をも大幅に
抑制することができ、再生不良が少なく、長期信頼性に
優れた光ディスクを得ることができる。
【0060】次に、この発明の第2の実施形態による光
ディスクについて説明する。図3にこの第2の実施形態
による光記録層7を示す。
【0061】図3に示すように、この第2の実施形態に
よる光ディスクにおいては、第1の実施形態とは異な
り、光記録層7は、記録層21と、この記録層21の表
面のうち一方に接触して例えばAlなどの金属からなる
金属層22とが積層されて構成されている。この金属層
22は、反射層やヒートシンク層などの機能を有する。
なお、金属層22の代わりに半金属層を設けることも可
能であり、さらに、記録層21の両方の面に接触して金
属層22を設けることも可能である。この第2の実施形
態による光記録層7の構成以外のことは第1の実施形態
におけると同様であるので、説明を省略する。
【0062】この第2の実施形態による光ディスクによ
れば、第1の実施形態におけると同様の効果を得ること
ができる。
【0063】次に、この発明の第3の実施形態による光
ディスクについて説明する。図4にこの第3の実施形態
による光記録層7を示す。
【0064】図4に示すように、この第3の実施形態に
よる光ディスクにおいては、第1の実施形態とは異な
り、光記録層7は、第1の誘電体層31、記録層32お
よび第2の誘電体層33が順次積層されて構成される。
この第3の実施形態による光記録層7の構成以外のこと
は、第1の実施形態におけると同様であるので、説明を
省略する。
【0065】この第3の実施形態による光ディスクによ
れば、第1の実施形態におけると同様の効果を得ること
ができるとともに、第1の誘電体層31、記録層32お
よび第2の誘電体層33のそれぞれの膜厚を制御するこ
とにより、反射率や透過率を制御可能である。そのた
め、膜の構成の設計が容易になる。
【0066】次に、この発明の第4の実施形態による光
ディスクについて説明する。図5にこの第4の実施形態
による光記録層7を示す。
【0067】図5に示すように、この第4の実施形態に
よる光ディスクにおいては、第1の実施形態とは異な
り、光記録層7は、金属層41、第1の誘電体層42、
記録層43および第2の誘電体層44が順次積層されて
構成される。そのため、第3の実施形態による光ディス
クに比して、膜の構成の設計が容易になる。この第4の
実施形態による光記録層7の構成以外のことは、第1の
実施形態におけると同様であるので、説明を省略する。
【0068】この第4の実施形態による光ディスクによ
れば、第1の実施形態におけると同様の効果を得ること
ができるとともに、金属層41を設けるようにしている
ことにより、光学特性や熱特性を制御することが容易に
なるとともに、第1の誘電体層42、記録層43および
第2の誘電体層44におけるそれぞれの膜厚を制御する
ことにより、反射率や透過率を制御することが可能とな
る。
【0069】次に、この発明の第5の実施形態による光
ディスクについて説明する。図6にこの第5の実施形態
による光記録層7を示す。
【0070】図6に示すように、この第5の実施形態に
よる光ディスク1においては、第1の実施形態とは異な
り、光記録層7は、第1の反射層51、第2の反射層5
2、第1の誘電体層53、記録層54、第2の誘電体層
55が順次積層されて構成される。また、この第5の実
施形態による光記録層7の構成以外のことは、第1の実
施形態におけると同様であるので、説明を省略する。
【0071】この第5の実施形態による光ディスクによ
れば、第1の実施形態におけると同様の効果を得ること
ができるとともに、反射層を、第1の反射層51および
第2の反射層52の2層から構成していることにより、
光学特性や熱特性の制御がより容易になるとともに、第
1の誘電体層53、記録層54および第2の誘電体層5
5のそれぞれの膜厚を制御することにより、反射率や透
過率を制御可能となる。そのため、第4の実施形態によ
る光ディスクに比して、光学設計がより容易になり、熱
特性とのバランスも容易にとることができるようにな
る。
【0072】次に、この発明の第6の実施形態による光
ディスクについて説明する。図7にこの第6の実施形態
による光記録層7を示す。
【0073】図7に示すように、この第6の実施形態に
よる光ディスク1においては、第1の実施形態とは異な
り、光記録層7は、反射層61、第1の誘電体層62、
第1の記録層63、第2の記録層64、第2の誘電体層
65が順次積層されて構成される。ここで、第1の記録
層63と第2の記録層64とは、材料、組成、複素屈折
率のいずれかが異なるように構成される。なお、記録層
を3層以上の異なる層から構成することも可能である。
この第6の実施形態による光記録層7の構成以外のこと
は、第1の実施形態におけると同様であるので、説明を
省略する。
【0074】この第6の実施形態による光ディスクによ
れば、第1の実施形態におけると同様の効果を得ること
ができる。
【0075】以上、この発明の実施形態について具体的
に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定され
るものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の
変形が可能である。
【0076】例えば、上述の実施形態において挙げた数
値、材料、ディスク基板の製造方法はあくまでも例に過
ぎず、必要に応じてこれと異なる数値、材料、ディスク
基板の製造方法を用いてもよい。
【0077】例えば、上述の第1の実施形態において
は、ディスク基板2を射出成形法やフォトポリマー法に
より作製しているが、これらの2つの方法以外であって
も、所望の形状、すなわち、厚さが例えば1.1mm、
直径が例えば120mmのディスク形状と、光学的に十
分な基板表面の平滑性を得ることができる方法であれ
ば、どのような方法を用いることも可能である。
【0078】また、上述の第1の実施形態においては、
記録層の材料として、SbTe系材料からなる相変化材
料を用いているが、相変化材料以外の材料に限定される
ものではなく、比較的腐食に弱いとされているテルビウ
ム・鉄(Tb−Fe)系、Tb−Fe−Co系、Gd−
Fe系、Gd−Fe−Co系の光磁気記録材料を用いる
ことも可能である。また、この発明を、アルミニウム
(Al)合金や銀(Ag)合金を反射膜として用いた再
生専用(ROM)ディスクに適用することも可能であ
る。
【0079】また、例えば上述の第1の実施形態におい
ては、第1の誘電体層および第2の誘電体層の材料とし
て、ZnS−SiO2を用いたが、消衰係数kが0.3
以下の材料であれば、どのような材料を用いることも可
能である。具体的には、第1の誘電体層および第2の誘
電体層の材料として、Al、Si、Ta、Ti、Zr、
Nb、Mg、B、Zn、Pb、Ca、La、Geなどの
金属および半金属などの元素の、窒化物、酸化物、炭化
物、フッ化物、硫化物、窒酸化物、窒炭化物、または酸
炭化物などからなる材料や、これらを主成分とする材料
を用いることが可能である。また、より具体的には、第
1の誘電体層4および第2の誘電体層6の材料として、
AlNx(0.5≦x≦1、特に、AlN))、Al2
3-x(0≦x≦1、(特に、Al23))、Si34-x
(0≦x≦1、(特に、Si34))、SiOx(1≦
x≦2、(特に、SiO2、SiO)、MgO、Y
23、MgAl24、TiOx(1≦x≦2、(特に、
TiO2))、BaTiO3、SrTiO3、Ta25-x
(0≦x≦1、(特に、Ta25))、GeOx(1≦
x≦2)、SiC、ZnS、PbS、Ge−N、Ge−
N−O、Si−N−O、CaF2、LaF、MgF2、N
aF、TiF4などを用いることも可能であり、さら
に、これらの材料を主成分とする材料や、これらの材料
の混合物、例えばAlN−SiO2を用いることも可能
である。
【0080】また、例えば上述の第1〜第6の実施形態
においては、光ディスクの最表層を光透過保護層9とし
ているが、光透過保護層9の表面に異物が付着したり、
傷が付いたりすることを防止するために、光透過保護層
9上に無機系または有機系の材料からなる保護層を、さ
らに設けることも可能である。そして、この無機系また
は有機系の材料としては、記録/再生を行う際に用いら
れるレーザ光に対して、ほとんど吸収能を有しない材料
を用いることが望ましい。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、平面円環状の非磁性基板上に、少なくとも光記録
層、接着層および光透過保護層が順次積層された光学記
録媒体において、接着層の半径方向における外周端が、
光記録層における半径方向の外周端より0.5mm以上
外周側になるように構成されていることにより、光学記
録媒体における腐食の発生を抑制することができ、この
腐食により生じる再生不良を防止することができるの
で、長期にわたって高い信頼性を確保可能な光学記録媒
体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態による光学記録媒体
を説明するための断面図である。
【図2】この発明の第1の実施形態による光学記録媒体
を説明するための断面図である。
【図3】この発明の第2の実施形態による光ディスクに
おける光記録層を示す断面図である。
【図4】この発明の第3の実施形態による光ディスクに
おける光記録層を示す断面図である。
【図5】この発明の第4の実施形態による光ディスクに
おける光記録層を示す断面図である。
【図6】この発明の第5の実施形態による光ディスクに
おける光記録層を示す断面図である。
【図7】この発明の第6の実施形態による光ディスクに
おける光記録層を示す断面図である。
【図8】従来技術による光ディスクを示す断面図であ
る。
【図9】従来技術による光ディスクを示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1・・・光ディスク、2・・・ディスク基板、2a・・
・センターホール、3、61・・・反射層、4,31,
42,53,62・・・第1の誘電体層、5,21,3
2,43,54・・・記録層、6,33,44,55,
65・・・第2の誘電体層、7・・・光記録層、8・・
・接着層、9・・・光透過保護層、22,41・・・金
属層、51・・・第1の反射層、52・・・第2の反射
層、63・・・第1の記録層、64・・・第2の記録層

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面円環状の非磁性基板上に、少なくと
    も光記録層、接着層および光透過保護層が順次積層され
    た光学記録媒体において、 上記接着層の半径方向における外周端が、上記光記録層
    における半径方向の外周端より0.5mm以上外周側に
    なるように構成されていることを特徴とする光学記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 上記光記録層、接着層および光透過保護
    層が平面円環状を有することを特徴とする請求項1記載
    の光学記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記接着層の半径方向における内周端
    が、上記光記録層における半径方向の内周端より0.5
    mm以上内周側になるように構成されていることを特徴
    とする請求項2記載の光学記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記接着層の半径方向における外周端が
    上記光透過保護層の半径方向における外周端より内周側
    に0.5mm以下、外周側に0.5mm以下の範囲内に
    あり、上記接着層の半径方向における内周端が上記光透
    過保護層の半径方向における内周端より内周側に0.5
    mm以下、外周側に0.5mm以下の範囲内にあり、上
    記接着層の内周端が上記非磁性基板の内周端より外周側
    かつ上記光記録層の内周端より内周側にあり、上記接着
    層の外周端が上記非磁性基板の外周端より内周側かつ上
    記光記録層の外周端より外周側にあることを特徴とする
    請求項2記載の光学記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記非磁性基板の厚さが0.3mm以上
    1.3mm以下であることを特徴とする請求項1記載の
    光学記録媒体。
  6. 【請求項6】 上記光透過保護層がポリカーボネート系
    樹脂またはポリオレフィン系樹脂からなることを特徴と
    する請求項1記載の光学記録媒体。
  7. 【請求項7】 上記光記録層が、反射膜、第1の誘電体
    層、相変化記録膜および第2の誘電体層を順次積層され
    て構成されていることを特徴とする請求項1記載の光学
    記録媒体。
  8. 【請求項8】 上記接着層が紫外線硬化樹脂または粘着
    性シートからなることを特徴とする請求項1記載の光学
    記録媒体。
  9. 【請求項9】 平面円環状の非磁性基板上に、少なくと
    も光記録層、接着層および光透過保護層を順次積層する
    ようにした光学記録媒体の製造方法において、 上記接着層を、上記接着層の半径方向における外周が、
    上記光記録層における半径方向の外周端より0.5mm
    以上外周側になるように形成するようにしたことを特徴
    とする光学記録媒体の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記光記録層、接着層および光透過保
    護層が平面円環状を有することを特徴とする請求項9記
    載の光学記録媒体の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記接着層の半径方向における外周端
    を上記光透過保護層の半径方向における外周端より内周
    側に0.5mm以下、外周側に0.5mm以下の範囲内
    とし、上記接着層の半径方向における内周端を上記光透
    過保護層の半径方向における内周端より内周側に0.5
    mm以下、外周側に0.5mm以下の範囲内とし、上記
    接着層の内周端を上記非磁性基板の内周端より外周側か
    つ上記光記録層の内周端より内周側とし、上記接着層の
    外周端を上記非磁性基板の外周端より内周側かつ上記光
    記録層の外周端より外周側になるように形成するように
    したことを特徴とする請求項10記載の光学記録媒体の
    製造方法。
  12. 【請求項12】 上記非磁性基板の厚さが0.3mm以
    上1.3mm以下であることを特徴とする請求項9記載
    の光学記録媒体の製造方法。
  13. 【請求項13】 上記光透過保護層がポリカーボネート
    系樹脂またはポリオレフィン系樹脂であることを特徴と
    する請求項9記載の光学記録媒体の製造方法。
  14. 【請求項14】 上記光記録層が、反射膜、第1の誘電
    体層、相変化記録膜および第2の誘電体層を順次積層さ
    れて構成されていることを特徴とする請求項9記載の光
    学記録媒体の製造方法。
  15. 【請求項15】 上記接着層が紫外線硬化樹脂または粘
    着性シートからなることを特徴とする請求項9記載の光
    学記録媒体の製造方法。
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