JP2003123311A - 光学記録媒体およびその製造方法と記録再生方法 - Google Patents

光学記録媒体およびその製造方法と記録再生方法

Info

Publication number
JP2003123311A
JP2003123311A JP2001313149A JP2001313149A JP2003123311A JP 2003123311 A JP2003123311 A JP 2003123311A JP 2001313149 A JP2001313149 A JP 2001313149A JP 2001313149 A JP2001313149 A JP 2001313149A JP 2003123311 A JP2003123311 A JP 2003123311A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
optical recording
film
optical
recording area
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001313149A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Kasami
裕 笠見
Shin Masuhara
慎 増原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2001313149A priority Critical patent/JP2003123311A/ja
Publication of JP2003123311A publication Critical patent/JP2003123311A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】グルーブ記録方式用とランドグルーブ記録方式
用ドライブのいずれにも対応可能な光学記録媒体と、そ
の製造方法および記録再生方法を提供する。 【解決手段】光透過層を通して光学記録膜に光を照射
し、データを記録または再生する光学記録媒体であっ
て、基板15と、基板に形成され、光に対するトラック
領域を区分する凹凸形状を有する光学記録膜16と、光
学記録膜を保護する保護層17とを有し、光学記録膜
は、第1記録領域と第2記録領域に区分されており、当
該第1記録領域と第2記録領域で、グルーブGやランド
Lの幅(WL1,W L2,WG1,WG2)あるいはグルーブ深
さ(d1 ,d2 )などの凹凸形状が異なっている構成と
する。第1記録領域とグルーブ記録方式用として、第2
記録領域をランドグルーブ記録方式用として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学記録媒体(以
下光ディスクとも言う)およびその製造方法並びに記録
再生方法に関し、特に記録再生方法の異なる2つの記録
領域を有する光学記録媒体およびその製造方法並びに記
録再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、動画、静止画などのビデオデータ
をデジタルに記録する技術の発展に伴い、大容量のデー
タが取り扱われるようになり、大容量記録装置としてC
DやDVDなどの光ディスク装置が脚光を浴びており、
さらなる大容量化の研究が進められている。
【0003】上記の光ディスクのうち、ユーザによって
情報信号の記録再生が可能な光ディスクとしては、相変
化材料を光学記録膜とする相変化光ディスク(商品例:
CD−RW,DVD+RW,DVD−RAM)や、磁気
光学効果を有する光磁気材料を光学記録膜とする光磁気
ディスク(同:5.25インチMO,3.5インチM
O,MD)、有機色素を光学記録膜とする有機色素ディ
スク(同:CD−R,DVD−R)、あるいはTe−O
等の無機酸化物を光学記録膜としたものなどがある。特
に、相変化光ディスクと光磁気ディスクは多数回の書換
えが可能という特徴を有している。
【0004】上記の光ディスクの大容量化は、主に、光
学情報記録方式に用いる光源となるレーザ光の短波長化
と、高開口のレンズを採用することにより、焦点面での
スポットサイズを小さくすることで達成してきた。
【0005】例えば、CDでは、レーザ光波長が780
nm、レンズの開口数(NA)が0.45であり、65
0MBの容量であったが、DVD−ROMでは、レーザ
光波長が650nm、NAが0.6であり、4.7GB
の容量となっている。さらに、次世代の光ディスクシス
テムにおいては、光学記録膜上に例えば100μm程度
の薄い光透過性の保護層(カバー層)が形成された光デ
ィスクを用いて、レーザ光波長を450nm以下、NA
を0.78以上とすることで、22GB以上の大容量化
が可能である。
【0006】図33(a)は、上記の大容量の記録可能
型光ディスクの光の照射の様子を示す模式斜視図であ
る。光ディスクDCは、中心部にセンターホールCHが
開口された略円盤形状をしており、ドライブ方向DRに
回転駆動される。情報を記録または再生するときには、
光ディスクDC中の光学記録膜に対して、例えば開口数
が0.8以上の対物レンズOLにより、青〜青紫色の領
域のレーザ光などの光LTが照射される。
【0007】図33(b)は模式断面図であり、図33
(c)は図33(b)の模式断面図の要部を拡大した断
面図である。厚さが約1.1mmのポリカーボネートな
どからなるディスク基板115の一方の表面に、凹部1
15rが設けられている。この凹部115rを含む凹凸
に沿って光学記録積層体116が形成されている。光学
記録積層体116は、上層側から例えば誘電体膜、相変
化膜などの光学記録膜、誘電体膜および反射膜などがこ
の順番で積層された構成であり、層構成や層数は、記録
材料の種類や設計によって異なる。さらに、光学記録積
層体116の上層に、例えば0.1mmの膜厚の光透過
性の保護層117が形成されている。
【0008】上記の構成の光ディスクにおいて、情報を
記録または再生するときには、保護層117側から光学
記録積層体116中の光学記録膜に対してレーザ光LT
が照射される。光ディスクの再生時においては、光学記
録膜で反射された戻り光が受光素子で受光され、信号処
理回路により所定の信号を生成して、再生信号が取り出
される。
【0009】上述の図33に示す光ディスクの他、従来
より用いられている光透過性の基板側からレーザ光を光
学記録膜に照射する光ディスクなどの記録可能型光ディ
スクにおいては、光ピックアップからのレーザ光により
記録を行う。このとき、記録密度を高密度化するには、
記録されたマークが並ぶ領域(トラック)を整然と並べ
る必要がある。すなわち、記録可能型光ディスクでは、
ユーザが情報を書き込むためにレーザ光をトラックに沿
ってガイドする(トラッキングする)必要がある。上記
の構成の光ディスクにおいては、ディスク基板115の
一方の表面に設けられた溝115rに応じて光学記録積
層体116も凹凸形状を有しており、これによりトラッ
ク領域が区分され、レーザ光LTのガイド用の案内溝と
して機能している。ガイド用の案内溝となる溝115r
は、一般に、ディスクの内周から外周に向けてスパイラ
ル状に、あるいは同心円状に設けられる。
【0010】上記の光ディスクの製造方法としては、例
えば、フォトレジストが塗布されたガラス原盤に対し
て、上記凹凸形状に沿ったパターンの露光処理を行い、
現像して凹凸形状のレジスト膜を形成する。上記のパタ
ーニングされたレジスト膜上にニッケルメッキを施して
メタルマスタと呼ばれる金型を作成する。次に、メタル
マスタから凹凸を転写させたマザースタンパと呼ばれる
金型を作成し、さらにマザースタンパから凹凸を転写さ
せたスタンパと呼ばれる金型を作成する。上記のスタン
パを金型とするプラスチック射出成型や紫外線硬化樹脂
を用いたいわゆる2P(フォトポリマー法)により、上
記の凹凸を転写してディスク基板を作成する。次に、デ
ィスク基板の凹凸形成面上に、光学記録積層体を積層さ
せ、保護層を成膜して図25に示す構成の光ディスクを
形成することができる。
【0011】上記の構成の光ディスクにおいては、一般
に、トラック領域を区分する案内溝となる凹部と凸部の
うち、一方をグルーブ、他方をランドと呼ぶが、ディス
クの作成プロセスの中に凹凸反転工程が入る場合もある
ので一義的ではない。そこで、本明細書では便宜上、製
造プロセスにおける原盤作成時に、溝となる凹凸を形成
するためのレーザ露光領域となった部分をグルーブ、露
光されずに残った部分をランドと呼ぶことにする。
【0012】上記のランドとグルーブについて、グルー
ブのみに記録するグルーブ記録方式あるいはランドのみ
に記録するランド記録方式(以下、代表してグルーブ記
録方式と称する)と、グルーブとランドすなわち凹凸の
両方に情報を記録するランドグルーブ記録方式とが知ら
れている(Jpn.J.Appl.Phys.V0l.
32(1993)pp.5324−5328)。ランド
グルーブ記録方式は、従来より採用されていたグルーブ
記録方式に対して記録可能型光ディスクの高密度化手法
の一つとして提案されたものであり、実際に相変化光デ
ィスクを用いたDVD−RAMが商品化されている。
【0013】ランドグルーブ記録方式においては、グル
ーブの深さを適当に選択する(レーザ光波長λおよび光
透過層の屈折率nに対して、グルーブの深さを例えばλ
/(6n)とする)ことで、隣接するグルーブ/ランド
間の情報信号の漏れ込み、即ち、クロストークを低減さ
せることができる。ランドグルーブ記録方式の技術は、
従来のグルーブ記録方式に比べて単純にはトラック密度
が2倍になるのでディスク1枚の記録容量を2倍にする
技術とされた。しかしながら、これまでのところグルー
ブ記録に対してそこまでの優位性は実証されていない。
【0014】例えば、最近商品化された二つの書き換え
可能型のDVD規格、すなわちランドグルーブ記録方式
を適用したDVD−RAMと、グルーブ記録方式を適用
したDVD−RW方式とを比較する。いずれも波長65
0nmのレーザ光と開口数NA0.6の対物レンズから
なる光ピックアップで記録再生するものであるが、DV
D−RAMでは、記録線密度が0.280μm/bi
t、トラックピッチが0.615μmであり、一方、D
VD−RWでは、記録線密度が0.267μm/bi
t、トラックピッチが0.740μmであるが、φ12
0mmのサイズの光ディスクでは記録容量は両規格とも
4.7GBで、同一ディスクサイズに対して全く同じ記
録容量となっている。これは、トラック密度ではランド
グルーブ記録を用いた効果によりDVD−RAMの優位
性が示されたが、線密度やフォーマット効率(全情報領
域中、ユーザが使用可能な領域の割合)の点でDVD−
RWが上回っているためである。
【0015】到達可能な記録容量は、ディスク、ドライ
ブ(サーボ、ピックアップ等)の製造マージンやシステ
ムマージン等をトータルに考慮し決められるが、ランド
グルーブ記録方式とグルーブ記録方式には、各々以下に
示すような長所と短所があり、トータルで見ると記録密
度の点で大差はないのが現状である。
【0016】(ランドグルーブ記録方式の利点) (1)グルーブ記録方式と比較し、トラック密度を上げ
やすい。クロストークに関して有利である。 (2)グルーブ記録方式と比較し、トラックピッチに対
してグルーブ幅が広いのでインジェクション成型工程等
ディスクの製造が容易である。 (3)グルーブ記録方式と比較し、トラックピッチに対
してグルーブ幅が広いのでトラッキング誤差信号振幅が
大きくサーボが安定である。 (4)グルーブ記録方式と比較し、記録マークの幅が広
くとれ、再生信号振幅を大きくとれる。 (5)グルーブ記録方式と比較し、反射光に対するグル
ーブ溝のエッジ部分の影響が小さく、ディスクノイズを
低く抑制できる。 (6)一般にディスク内の位置検出の精度が高いピット
アドレスフォーマットを適用できる。
【0017】(グルーブ記録方式の利点) (1)ランドグルーブ記録方式と比較し、再生専用ディ
スク(ROM)や追記型ディスクとほぼ同じディスク構
造なので、互換性確保が容易である。ランド、グルーブ
の切り替えが不要なので光ピックアップを単純化でき
る。 (2)ランドグルーブ記録方式と比較し、物理的に形状
が異なる2領域の信号品質のバランスをとる必要がない
ことから、例えば光学記録膜の設計マージンおよび製造
マージンなどのマージンが広がる。 (3)ランドグルーブ記録方式と比較し、記録時に隣接
トラックの信号を部分的に消去してしまういわゆるクロ
スイレース(またはクロスライト)の影響が小さい。 (4)ランドグルーブ記録方式の記録可能型光ディスク
において問題となる、予めディスク上に配置しておく記
録セクタのアドレス情報の作成法に工夫を要し、マスタ
リング工程が複雑になることがなく、映像、音声などの
連続データの扱いが容易である。 (5)ランドグルーブ記録方式と比較し、フォーマット
利用効率が高い。これは(4)に関して後述するアドレ
ス方式の違いに起因する。ウォブルアドレスの方が、ピ
ットアドレスよりも有利である。 (6)ランドグルーブ記録方式と比較し、ピットアドレ
ス領域が不要なので、2層ディスクを作りやすい。
【0018】上記のグルーブ記録方式の利点(4)およ
び(5)の理由について、以下に説明する。従来、記録
可能型光ディスクは、同心円状の案内溝を有した構成が
知られており、ディスク一周分の記録が終了すると隣の
トラックにトラックジャンプして書き込みを続ける構成
であった。この場合、各セクタがセクタ番地で管理され
(プリピットで記録)、例えばコンピュータデータ等の
不連続データの記録再生に対応していた。ところが、動
画や音声等マルチメディア用の連続データに対しては、
CDのようにスパイラル状の案内溝構造が好ましい。
【0019】しかしながら、ランドグルーブ記録の場合
はランド部とグルーブ部の両方にプリピットを形成する
必要がある。グルーブ記録方式ではグルーブ部の形成と
プリピットの形成を同時に行うことが可能であるが、ラ
ンドグルーブ記録方式ではマスタリング時に新たなプリ
ピット形成工程を要する。また隣接するトラックのプリ
ピット間のクロストークが大きくなりやすく、マスタリ
ング時に高度な制御を要する。この問題に関しては、
(a)ランドとグルーブの中間にプリピットを配置す
る、(b)案内溝の片側のエッジのみウォブルさせる、
等の技術が開発されている。後者は、グルーブ記録方式
では、案内溝を適当な周波数と振幅で蛇行させるいわゆ
るウォブルアドレスが主流であるが、ランドグルーブで
はマスタリング時に露光しない部分(ランド)の幅がウ
ォブルの影響で広くなったり狭くなったりする影響を低
減するため、片側のみとしている。いずれにしても、グ
ルーブ記録用の基板製造工程と比較して、複雑な工程と
なる。
【0020】以上のような連続データの扱い易さの違い
が、各規格の普及当初において、ランドグルーブ記録が
コンピュータ用途、グルーブ記録がマルチメディア用途
とされた主な理由である。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように、ランドグルーブ記録方式とグルーブ記録方式に
は各々利点があることから、同一のレーザ波長および開
口数の対物レンズを用いた光学ピックアップを採用して
いる場合でも、互換性のない二つのフォーマットの光デ
ィスクシステムが商品化されているため、ユーザに対し
て混乱を招く原因の一つとなっている。
【0022】例えば、ランドグルーブ記録方式を採用し
た記録可能型の光ディスク装置を購入したユーザは、グ
ルーブ記録方式に対応した記録メディアに記録すること
はできない。その逆も不可能である。仮に、両方の記録
メディアに対応した記録可能型の光ディスク装置という
折衷案を実現しようとすると、異なる部品を組合せる場
合と比べて、より高度な技術を開発する必要があり、い
ずれにしても光ディスク装置のコストアップ、ひいては
ユーザの負担につながる可能性が高い。
【0023】また、次世代の光ディスクでは青紫色レー
ザによる短波長化や対物レンズの高NA化による高密度
化が進むが、これらは、上記で述べた各々の記録方式の
問題をより深刻なものとする。例えば、マスクリングや
記録膜成膜工程に要求される精度が格段に高まるので、
上記の折衷案の実現性はより低くなる。記録方式は業界
で統一することが望ましいが、前述のようにランドグル
ーブ記録方式とグルーブ記録方式の両記録方式には各々
利点があることから、同一のレーザ波長および開口数の
対物レンズを用いたシステムに関して、互換性のない両
記録方式のそれぞれに対する商品化が行われる場合もあ
る。
【0024】本発明は上記の状況に鑑みてなされたもの
であり、従って本発明の目的は、グルーブ記録方式(ま
たはランド記録方式)用およびランドグルーブ記録方式
用ドライブのいずれにも対応可能な光学記録媒体と、そ
の製造方法および記録再生方法を提供することである。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の光学記録媒体は、光透過層を通して光学
記録膜に光を照射し、データを記録または再生する光学
記録媒体であって、基板と、上記基板に形成され、上記
光に対するトラック領域を区分する凹凸形状を有する光
学記録膜と、上記光学記録膜を保護する保護層とを有
し、上記光学記録膜は、第1記録領域と第2記録領域に
区分されており、当該第1記録領域と第2記録領域で、
上記凹凸形状が異なっている。
【0026】また、上記の目的を達成するために、本発
明の光学記録媒体の製造方法は、基板の一方の面に領域
を区分して、第1の凹凸形状と当該第1の凹凸形状と異
なる形状の第2の凹凸形状を形成する工程と、上記基板
の第1および第2の凹凸形状の形成面上に少なくとも光
学記録膜を形成する工程と、上記光学記録膜を保護する
保護層を形成する工程とを有する。
【0027】また、上記の目的を達成するために、本発
明の光学記録媒体の製造方法は、少なくとも2層の光学
記録膜を有する光学記録媒体の製造方法であって、第1
基板の一方の面に第1の形状の凹凸形状を形成する工程
と、上記基板の凹凸形状形成面上に少なくとも第1光学
記録膜を形成する工程と、保護層となる第2基板の一方
の面に上記第1の形状と異なる第2の形状の凹凸形状を
形成する工程と、上記第2基板の凹凸形状形成面上に少
なくとも第2光学記録膜を形成する工程と、上記第1光
学記録膜の形成面と上記第2光学記録膜の形成面とを貼
り合わせる工程とを有する。
【0028】また、上記の目的を達成するために、本発
明の光学記録媒体の製造方法は、少なくとも2層の光学
記録膜を有する光学記録媒体の製造方法であって、基板
の一方の面に第1の凹凸形状を形成する工程と、上記基
板の他方の面に上記第1の凹凸形状と異なる形状の第2
の凹凸形状を形成する工程と、上記一方の面の第1の凹
凸形状形の成面上に少なくとも第1光学記録膜を形成す
る工程と、上記他方の面の第2の凹凸形状の形成面上に
少なくとも第2光学記録膜を形成する工程と、上記第1
光学記録膜を保護する光透過性の保護層を形成する工程
と、上記第2光学記録膜を保護する光透過性の保護層を
形成する工程とを有する。
【0029】また、上記の目的を達成するために、本発
明の光学記録媒体の記録再生方法は、光透過層を通して
光学記録膜に光を照射し、データを記録または再生する
光学記録媒体の記録再生方法であって、基板と、上記基
板に形成され、上記光に対するトラック領域を区分する
凹凸形状を有する光学記録膜と、上記光学記録膜上に形
成された保護層とを有し、上記光学記録膜は、第1記録
領域と第2記録領域に区分されており、当該第1記録領
域と第2記録領域で、上記凹凸形状が異なっている光学
記録媒体に対して、上記第1記録領域において上記凹凸
形状の凹部および凸部のいずれか一方のみで記録再生を
行い、上記第2記録領域において上記凹凸形状の凹部お
よび凸部の両方で記録再生を行う。
【0030】上記の本発明の光学記録媒体は、トラック
領域を区分する凹凸形状を有する光学記録膜が、第1記
録領域と第2記録領域に区分されており、第1記録領域
と第2記録領域で、上記凹凸形状が異なっている構成と
なっている。即ち、第1記録領域において凹凸形状の凹
部および凸部のいずれか一方のみで記録再生を行う、即
ちグルーブ記録方式(またはランド記録方式)の規格の
記録領域とし、一方、第2記録領域において凹凸形状の
凹部および凸部の両方で記録再生を行う、即ちランドグ
ルーブ記録方式の規格の記録領域とすることが可能とな
り、グルーブ記録方式(またはランド記録方式)用およ
びランドグルーブ記録方式用ドライブのいずれにも対応
可能な光学記録媒体である。
【0031】上記の光学記録媒体は、基板の一方の面に
領域を区分して第1の凹凸形状と第2の凹凸形状を形成
し、その凹凸形成面上に少なくとも光学記録膜を形成す
ることにより製造可能である。また、少なくとも2層の
光学記録膜を有する光学記録媒体の場合には、第1基板
に第1の凹凸形状を形成して少なくとも第1光学記録膜
を形成し、第2基板に第2の形状の凹凸形状を形成して
少なくとも第2光学記録膜を形成し、第1光学記録膜と
第2光学記録膜の各形成面を貼り合わせる、あるいは、
基板の一方の面に第1の凹凸形状を形成し、他方の面に
第2の凹凸形状を形成し、一方の面に少なくとも第1光
学記録膜を形成し、他方の面に少なくとも第2光学記録
膜を形成することで製造可能である。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を用いて詳しく説明する。本実施の形態は、光学
記録媒体(光ディスク)およびその製造方法並びに記録
再生方法に関する。
【0033】第1実施形態 図1(a)は本実施形態に係る光ディスクの光の照射の
様子を示す模式斜視図である。光ディスクDCは、中心
部にセンターホールCHが開口された略円盤形状をして
おり、ドライブ方向DRに回転駆動される。情報を記録
または再生するときには、光ディスクDC中の光学記録
膜に対して、例えば開口数が0.8以上の対物レンズO
Lにより、青〜青紫色の領域のレーザ光などの光LTが
照射されて用いられる。
【0034】図1(b)は模式断面図であり、図1
(c)は図1(b)の模式断面図の要部を拡大した断面
図である。厚さが約1.1mmのポリカーボネートなど
からなるディスク基板15の一方の表面に、凹部15r
が設けられている。この凹部15rを含む凹凸に沿って
光学記録積層体16が形成されている。光学記録積層体
16は、例えば、上層側から例えば誘電体膜、相変化膜
などの光学記録膜、誘電体膜および反射膜などがこの順
番で積層された構成であり、層構成や層数は、記録材料
の種類や設計によって異なる。光学記録膜としては、相
変化膜の他、例えば光磁気記録膜、あるいは有機色素を
含む記録膜を用いることもできる。さらに、光学記録積
層体16の上層に、例えば0.1mmの膜厚の光透過性
の保護層17が形成されている。
【0035】上記の構成の光ディスクにおいて、情報を
記録または再生するときには、保護層17側から光学記
録積層体16中の光学記録膜に対してレーザ光LTが照
射される。光ディスクの再生時においては、光学記録膜
で反射された戻り光が受光素子で受光され、信号処理回
路により所定の信号を生成して、再生信号が取り出され
る。
【0036】上記の構成の光ディスクにおいては、ディ
スク基板15の一方の表面に設けられた凹部(溝)15
rに応じて光学記録積層体16も凹凸形状を有してお
り、これによりトラック領域が区分され、レーザ光LT
のガイド用の案内溝として機能している。ガイド用の案
内溝となる凹部(溝)15rは、一般に、ディスクの内
周から外周に向けてスパイラル状に、あるいは同心円状
に設けられる。
【0037】上記の構成の光ディスクにおいては、トラ
ック領域を区分する案内溝となる凹部と凸部のうち、一
方をグルーブ、他方をランドと呼ぶが、ディスクの作成
プロセスの中に凹凸反転工程が入る場合もあるので一義
的ではない。そこで、本明細書では便宜上、下記にて説
明する製造プロセスにおける原盤作成時に、溝となる凹
凸を形成するためのレーザ露光領域となった部分をグル
ーブ、露光されずに残った部分をランドと呼ぶことにす
る。
【0038】上記のランドとグルーブに関して、グルー
ブのみに記録するグルーブ記録方式あるいはランドのみ
に記録するランド記録方式(以下、代表してグルーブ記
録方式とも称する)と、グルーブとランドすなわち凹凸
の両方に情報を記録するランドグルーブ記録方式とがあ
る。本実施形態の光ディスクにおいては、上記の同一の
層である光学記録膜に、第1記録領域と第2記録領域の
2つの領域が区分して配置されている。第1記録領域
は、グルーブ記録方式により記録再生を行う領域であ
り、第2記録領域は、ランドグルーブ記録方式により記
録再生を行う領域である。
【0039】図2(a)は、グルーブ記録方式の第1記
録領域の断面構造を示す模式図であり、図2(b)は図
2(a)中のランドとグルーブの部分R1 を拡大した模
式図である。ディスク基板15の表面に凹部15r1
よび凸部15p1 からなる凹凸形状が形成されており、
その上層に光学記録積層体16が形成され、その上層に
保護層17が形成されている。後述するように、本実施
形態においては、凹部15r1 に相当する部分をグルー
ブG、凸部15p1 に相当する部分をランドLとする。
第1記録領域においては、上記のグルーブGとランドL
のいずれかを記録領域として用いており、図面上は対物
レンズOLを用いてランドLにレーザ光LTを照射して
いる状態を示している。グルーグ幅WG1は、グルーブ上
端の幅をWGT1 、下底の幅をWGB1 としたとき、WG1
(WGT1 +WGB1 )/2で定義する。同様にランド幅W
L1についても、ランド上端の幅をWLT1 、下底の幅をW
LB1 としたとき、WL1=(WLT1 +WLB 1 )/2で定義
する。グルーブ幅WG1/ランド幅WL1比をグルーブデュ
ーティと呼ぶ。記録トラック中心から隣の記録トラック
中心までの距離をトラックピッチTP 1 とする。すなわ
ちトラックピッチは、図示するようにランド記録の場
合、隣接する2条のランドのトラック中心間の距離とす
る。案内溝の深さ(グルーブ底部からグルーブ上端まで
の距離)をグルーブ深さd 1 と呼び、光透過層である保
護層17の屈折率n、再生レーザ光の波長λに対して、
λ/(4n)〜λ/(12n)の範囲内に設定する。
【0040】また、図2(c)は、ランドグルーブ記録
方式の第2記録領域の断面構造を示す模式図であり、図
2(d)は図2(c)中のランドとグルーブの部分R2
を拡大した模式図である。上記と同様、凹部15r2
相当する部分をグルーブG、凸部15p2 に相当する部
分をランドLとする。第2記録領域においては、上記の
グルーブGとランドLの両方を記録領域として用いてお
り、図面上は対物レンズOLを用いてランドLにレーザ
光LTを照射している状態を示している。グルーグ幅W
G2は、グルーブ上端の幅をWGT2 、下底の幅をWGB2
したとき、WG2=(WGT2 +WGB2 )/2で定義する。
同様にランド幅WL2についても、ランド上端の幅をW
LT2 、下底の幅をWLB2 としたとき、WL2=(WLT2
LB 2 )/2で定義する。グルーブ幅WG2/ランド幅W
L2比をグルーブデューティと呼ぶ。記録トラック中心か
ら隣の記録トラック中心までの距離をトラックピッチT
2 とする。すなわちトラックピッチは、図示するよう
にランドグルーブ記録の場合、隣接するランドとグルー
ブのトラック中心間の距離とする。案内溝の深さ(グル
ーブ底部からグルーブ上端までの距離)をグルーブ深さ
2 と呼び、光透過層である保護層17の屈折率n、再
生レーザ光の波長λに対して、λ/(4n)〜λ/(1
2n)の範囲内に設定する。
【0041】本実施形態においては、第1記録領域と第
2記録領域でガイド溝形状(グルーブ深さ、グループ
幅)が異なる構成をとる。第1記録領域、第2記録領域
の各領域内においては、一種類の溝形状が形成されてい
てもよいし、各領域内に2種類以上の形状があってもよ
い。前者の方が作成プロセスが容易であるので好まし
い。溝形状は後述の製造プロセスにおいてフォトレジス
トの厚さやパターン露光時のレーザ光のパワー等を調整
することによりコントロールする。
【0042】上述の第1記録領域および第2記録領域で
は、トラックピッチTP1 =TP2であった場合、グル
ーブ記録とランドグルーブ記録の場合の幾何学的形状か
ら自明なように、必然的にグルーブ幅についてWG1<W
G2となり、ランド幅についてWL1<WL2となる。通常、
G1=WG2/2、および、WL1=WL2/2程度になる。
一方、溝深さはd1 =d2 でも構わないが、d1 <d2
とすることにより各々の領域で記録再生特性の向上が図
られる。特に、d1 <35nm、d2 >35nmとする
ことにより、第1記録領域では再生信号のキャリアレベ
ルの増大もしくはノイズレベル低減によるS/N比の向
上が図られ、第2記録領域ではクロストーク低減および
クロスイレース低減によるS/N比向上が図られる。
【0043】上記の構造の光ディスクに対する記録再生
方法は、以下のように行う。図3(a)は、第1記録領
域の断面構造を示す模式図であり、図3(b)はランド
記録方式での記録マークの配置の例を示す平面図、図3
(c)はグルーブ記録方式での記録マークの配置の例を
示す平面図である。第1記録領域では、ランド記録方式
の場合はランドLのみに記録マークRMが形成され、グ
ルーブ記録方式の場合はグルーブGのみに記録マークR
Mが形成される。一方、図3(d)は、第2記録領域の
断面構造を示す模式図であり、図3(e)はランドグル
ーブ記録方式での記録マークの配置の例を示す平面図で
ある。第2記録領域では、ランドグルーブ記録方式であ
るので、ランドLおよびグルーブGに記録マークRMが
形成される。
【0044】図4(a)〜(c)は、上記の第1記録領
域AR1 と第2記録領域AR2 の配置の例を示す平面図
である。図4(a)は、ディスクの内周側に第1記録領
域AR1 を、外周側に第2記録領域AR2 を配置した場
合である。図4(b)は、ディスクの外周側に第1記録
領域AR1 を、内周側に第2記録領域AR2 を配置した
場合である。図4(c)は、ディスク上に同心円状に領
域を複数に区分し、第1記録領域AR1 と第2記録領域
AR2 を交互に配置した場合である。図4(a)および
(b)の場合は、内周と外周の2領域に第1記録領域と
第2記録領域を分離した配置で、最もシンプルであり、
駆動装置側からみてもアクセスに半径方向の制御だけで
済むので駆動が容易であり、好ましい。
【0045】上記の光ディスクの製造方法について説明
する。まず、図5(a)に示すようなガラス原盤10の
表面を研磨および洗浄し、次に、図5(b)に示すよう
に、例えばスピン塗布などによりガラス原盤10上にレ
ジスト材料を数10〜100nmの膜厚で塗布してレジ
スト膜11を形成し、ガラス原盤10上にレジスト膜1
1が成膜されたレジスト原盤RDとする。
【0046】次に、図6(a)に示すように、対物レン
ズOLにより露光用のレーザ光LTを集光して露光する
レーザ露光装置などを用いて、レジスト膜11に対し
て、ディスク基板の凹凸形状を形成するためのパターニ
ング露光を行う。レーザ露光装置においては、例えば露
光用のレーザ光をレジスト膜11上に照射しながら、ガ
ラス基板を回転させることで、スパイラル状、あるいは
同心円状に露光する。この露光工程において、未露光の
レジスト膜11aの領域に相当するディスク基板の領域
をランドと呼び、露光されたレジスト膜11bの領域に
相当するディスク基板の領域をグルーブと呼ぶ。
【0047】ここで、本実施形態の光ディスクにおい
て、ディスク基板15の表面を第1記録領域と第2記録
領域に区分して、凹凸形状の幅が異なるように形成する
には、上記の露光領域で露光パターンを第1記録領域と
第2記録領域で変えることで対応することができる。即
ち、第1記録領域においては、幅の細いパターンで露光
し、第2記録領域においては、幅の広いパターンで露光
する。
【0048】次に、図6(b)に示すように、レジスト
膜を専用の現像液により現像処理を施して、未露光のレ
ジスト膜11aを残して露光されたレジスト膜11bを
溶出し、ディスク基板のグルーブとなる領域を開口する
ようにパターニングする。
【0049】次に、図7(a)に示すように、例えばニ
ッケルメッキ処理などを行い、上記ガラス原盤10およ
びレジスト膜11a上にメタルマスタ12と呼ばれる金
型を作成する。メタルマスタ12の表面には、レジスト
膜11aにより形成された凹部11rと逆パターンの凹
凸が転写され、凸部12pが形成されており、この領域
がグルーブとなる。
【0050】次に、図7(b)に示すように、ガラス原
盤10およびレジスト膜11aからメタルマスタ12を
離型する。
【0051】次に、図8(a)に示すように、メタルマ
スタ12の表面に重クロム酸によるニッケル表面酸化処
理を行い、不図示の皮膜を形成した後、さらにニッケル
メッキ処理などを行い、メタルマスタ12上にマザース
タンパ13と呼ばれる金型を作成する。マザースタンパ
13の表面には、メタルマスタ12の凸部12pと逆パ
ターンの凹凸が転写され、凹部13rが形成されてお
り、この領域がグルーブとなる。
【0052】次に、図8(b)に示すように、マザース
タンパ13の表面に重クロム酸によるニッケル表面酸化
処理を行い、不図示の皮膜を形成した後、さらにニッケ
ルメッキ処理などを行い、マザースタンパ13上にスタ
ンパ14と呼ばれる金型を作成する。スタンパ14の表
面には、マザースタンパ13の凹部13rと逆パターン
の凹凸が転写され、凸部14pが形成されており、この
領域がグルーブとなる。
【0053】次に、図9(a)に示すように、例えば、
上記のスタンパ14を金型に用いた射出成形により、デ
ィスク基板を形成する。即ち、上記で得られたスタンパ
14を金型(MD1,MD2)からなるキャビティ内に
固定し、射出成形用金型を構成する。このとき、スタン
パ14の凸部形成面14’がキャビティ内側を臨むよう
に設置する。上記の射出成形用金型のキャビティ内に、
例えば溶融状態のポリカーボネートなどの樹脂15’を
金型の注入口IMから射出することで、図9(b)に示
すように、スタンパ14の凹凸パターン上にディスク基
板15を形成する。ここで、ディスク基板15の表面に
は、スタンパ14の凸部14pと逆パターンの凹凸が転
写され、凹部15rが形成されており、この領域がグル
ーブとなる。凹部15rで挟まれた領域がランドとな
る。即ち、上記の第1記録領域において幅の細いパター
ンで露光し、第2記録領域において幅の広いパターンで
露光したのに対応し、第1記録領域においては幅の狭い
凹凸パターンが形成され、第2記録領域においては幅の
広い凹凸パターンが形成される。
【0054】上記の射出成形金型から離型することで、
図10(a)に示すような表面にランドとグルーブのパ
ターンとなる凹部15rが形成されたディスク基板15
が得られる。
【0055】次に、図10(b)に示すように、ディス
ク基板13の表面に空気や窒素ガスなどのガスを吹き付
けてダストを除去した後、例えばスパッタリング法など
により、反射膜、誘電体膜、光学記録膜、誘電体膜から
なる光学記録積層体16をこの成膜順序で成膜する。光
学記録膜は、例えば、相変化型の光学記録膜、光磁気記
録膜あるいは有機色素を含む記録膜を用いることができ
る。
【0056】次に、図10(c)に示すように、光学記
録積層体16の上層に光透過性の保護層17を形成す
る。以上で、図1に示す構造の光ディスクを製造するこ
とができる。
【0057】上記の本実施形態によれば、第1記録領域
においては幅の狭い凹凸パターンが形成され、第2記録
領域においては幅の広い凹凸パターンを形成することが
でき、これにより、同一の層である光学記録膜に、第1
記録領域と第2記録領域の2つの領域が区分して配置さ
れ、第1記録領域をグルーブ記録方式により記録再生を
行う領域とし、第2記録領域をランドグルーブ記録方式
により記録再生を行う領域として利用することができる
光ディスクを製造することができる。
【0058】近年商品化したDVDの記録密度以上の高
密度記録を実現するには、(1)波長380nm〜42
0nmのレーザ特に半導体レーザ、(2)対物レンズの
NAを0.80以上0.90以下(これ以上は製造マー
ジン、システムマージンの減少を招く)に設定した光ピ
ックアップの適用が有効である。この場合、上記の第1
記録領域のトラックピッチTP1 、第2記録領域のトラ
ックピッチTP2 をいずれも350nm以下とし、かつ
最短記録マーク長を第1記録領域AR1 および第2記録
領域AR2 のいずれにおいても200nm以下とする組
み合わせにより、例えば直径12cmのディスクで20
GB以上の記録容量を実現することが可能となる。
【0059】また、第1記録領域AR1 および第2記録
領域AR2 におけるグルーブデューティ(グルーブ幅/
ランド幅比)はいずれの値でも構わないが、記録再生信
号のバランス(キャリアレベルやクロストーク、クロス
イレース)を考慮し、40:60〜60:40の範囲と
することが好ましい。
【0060】本実施形態に係る光ディスクにおいて、デ
ィスク基板15に用いる材料としては、ポリカーボネイ
ト、アクリル系樹脂等のプラスチック材料がコスト等の
点で優れているが、ガラスを用いることもできる。作成
法には、射出成型法(インジェクション法)の他、紫外
線硬化樹脂を使うフォトポリマー法(2P法)を用いる
ことができる。これ以外にも所望の形状(例えば厚さ
1.1mm、直径120mmのディスク形状)と光学的
に十分な基板表面の平滑性が得られる方法であれば良
い。基板の直径はいずれでも構わないが、14cm以下
であれば現在市販されている12cmや13cmのディ
スクと同等のサイズでありユーザにとって利便性を損な
うことがない。
【0061】基板の厚さは特に限定されないが、特に
0.3mm以上1.3mm以下であることが好ましい。
基板の厚さが0.3mmより薄いとディスクの強度が下
がったり反りやすくなったりする。逆に1.3mmより
厚いとディスクの厚みがCDやDVDの1.2mmより
厚くなるので、これら全てに対応する駆動装置を商品化
するときに同じディスクトレイを共用できなくなる可能
性がある。
【0062】また、記録再生のためのレーザが光透過性
の保護層側から入射する場合においては、基板の材料を
金属等の非透明材料としてもよい。
【0063】上記光透過性の保護層は、記録再生を行う
レーザの波長に対して吸収能を有しない材料からなるこ
とが好ましく、具体的には透過率は90%以上の材料と
する。光透過性の保護層の厚さは0.3mm以下とす
る。特に、特開平10−326435に記載されている
ように、厚さを3μm〜177μmとし、高い開口率例
えばNA=0.85と組み合わせることで、これまでに
ない高記録密度を実現することができる。
【0064】また、光透過性の保護層の表面上にゴミが
付着したり、キズがついたりすることを防止する目的
で、有機系あるいは無機系の材料からなる保護層を形成
してもよい。この場合も記録再生を行うレーザの波長に
対して吸収能を殆ど有しない材料が望ましい。
【0065】上述の光透過性の保護層側からレーザ光を
照射して記録再生を行う光ディスクの作製法としては、
大きく分けて以下の二つの方法を用いることができる。
第一の方法は、案内溝が形成された基板上に光学記録積
層体を積層し、最後に平滑な光透過性の保護層を形成す
る方法である。この方法を用いる場合、光透過性の保護
層の形成方法としては、例えば、厚さ0.3mm以下の
ポリカーボネイト、アクリル系樹脂等のプラスチック材
料からなる光学的に十分平滑な光透過性のシート(フィ
ルム)を紫外線硬化樹脂を接着材(例えば5〜15μ
m)とし紫外線照射により貼り合わせる方法を用いるこ
とができる。また、例えば、紫外線硬化樹脂をスピンコ
ーター等で0.3mm以下の所望の厚さになるように塗
布した後、紫外線照射をする方法を用いてもよい。
【0066】第二の方法は、案内溝が形成された光透過
性の保護層上に光学記録積層体を積層し、最後に平滑な
ディスク基板を貼り合わせる方法である。厚さ0.3m
m以下の光透過性の保護層に凹凸のトラックを形成する
方法としては、射出成型(インジェクション)法、フォ
トポリマー法(2P法)、圧着・加圧により凹凸を転写
する方法等を用いることができる。ただし、光透過性の
保護層上に凹凸を形成する工程、あるいは、光学記録積
層体を成膜する工程は必ずしも容易ではないので、量産
等を考えた場合には第一の方法を用いる方が有利であ
る。
【0067】本実施形態に係る光ディスクとしては、上
述の反射膜、誘電体膜、光学記録膜、誘電体膜からなる
構成の光学記録積層体のほか、下記に示す種々の構成の
光学記録膜または積層体を用いることができる。図11
(a)は、光学記録膜16RLの単層構成の断面図であ
る。図11(b)は、ディスク基板15側から、反射膜
16RFと光学記録膜16RLが積層した構成の断面図
である。図11(c)は、ディスク基板15側から、誘
電体膜16IB、光学記録膜16RL、誘電体膜16I
Aが積層した構成の断面図である。図11(d)は、デ
ィスク基板15側から、反射膜16RF、誘電体膜16
IB、光学記録膜16RL、誘電体膜16IAが積層し
た構成の断面図である。図12(e)は、ディスク基板
15側から、反射膜16RF、誘電体膜16IB、光学
記録膜16RL、誘電体膜16IA、光吸収制御層16
ABが積層した構成の断面図である。図12(f)は、
ディスク基板15側から、反射膜16RF、腐食防止層
16CP、誘電体膜16IB、光学記録膜16RL、誘
電体膜16IA、熱ダメージ低減層16DRが積層した
構成の断面図である。
【0068】上述の光学記録膜は、相変化材料、光磁気
材料、有機色素材料、無機酸化物材料のいずれかにより
なる。
【0069】相変化材料とは、レーザビームの照射を受
けて可逆的な状態変化を生じる材料である。特に、アモ
ルファス状態と結晶状態の可逆的相変化しく、カルコゲ
ン化合物あるいは単体のカルコゲン等、公知のものがい
ずれも使用可能である。例示するならば、Te,Se,
Ge−Sb−Te,Ge−Te,Sb−Te,In−S
b−Te,Ag−In−Sb−Te,Ag−In−Sb
−Te−Ge,Ag−Sb−Te,Au−In−Sb−
Te,Ge−Sb−Te−Pd,Ge−Sb−Te−S
e,In−Sb−Se,Bi−Te,Bi−Se,Sb
−Se,Sb−Te,Ge−Sb−Te−Bi,Ge−
Sb−Te−Co,Ge−Sb−Te−Au等を含む
系、あるいはこれらの系に窒素、酸素等のガス添加物を
導入した系等を挙げることができる。
【0070】これらのうち、特に好適なのは、(1)S
b−Teの共晶組成(Sb70Te30)にマークの保
存安定性や結晶化速度をコントロールするための添加元
素(Ge,In,Si,Sn,Pb,Zn,Ag等)を
導入した化合物、(2)GexSbyTez(x,y,
zは各元素の原子比)なる組成式で表したときに、17
≦x≦25,17≦y≦25,45≦Z≦65の組成範
囲となるようなGe−Sb−Te系を主成分とする材料
(これにPd,Sn等の元素を添加してもよい)の二つ
のタイプである。(1)はCD−RW,DVD−RW
に、(2)はDVD−RAMに適用されている。
【0071】相変化材料は、レーザビームの強弱によ
り、アモルファス状態と結晶状態の間を可逆的に相変化
させることができる。この状態変化による反射率等の光
学的変化を利用して、記録、再生、消去、オーバーライ
ト等の動作を行うことができる。一般的には、一旦結晶
化(一般に初期化という)し、記録再生等を行う。
【0072】光磁気材料は、希土類元素例えばTb,G
d,Dy,Ndと遷移金属例えばFe,Co,Niがフ
エリ磁性結合したもので、TbFeCo合金やGdFe
Co合金など垂直磁気異方性、保磁力、カー回転角が大
きい材料である。これらの材料に光を照射したときの反
射光の偏向面が回転する硬化すなわちカー効果を用いて
信号の再生が可能である。記録は光照射で媒体の温度を
キュリー温度以上に上昇させ磁石により磁化反転させ
る。これらの材料はISO規格のMOやミニディスクに
適用されている。この他にPtCoを適用してもよい。
【0073】有機色素材料のうち特に本発明に有効なも
のは、シアニン系、フタロシアニン系、アゾ系である。
これらは光ディスクに適用したときに、良好な耐久性、
光学特性、色素分解性、安定な塗布成膜性を有してい
る。
【0074】無機酸化物材料の代表例としては、Te−
O−PdまたはTe−O−Au系が挙げられる。TeO
2 中のアモルファス中にTe微粒子が分散された状態に
あり、レーザ光照射によりこのTe粒子が大きくなって
結晶化する。結晶化による反射率変化を再生する。この
膜はアモルファス化しにくく、追記型光ディスクへの適
用が可能である。
【0075】なお、光学記録膜は連続する2層以上の異
なる層(材料、組成、複素屈折率のいずれかが異なる)
で構成してもよい。これらの層は連続していてもよい
し、間に誘電体層が介在されていてもよい。
【0076】上述の反射層は、記録再生用レーザの波長
に対して反射能を有し、熱伝導率が0.0004[J/
cm・K・s]〜4.5[J/cm・K・s]なる値を
有する金属元素、半金属元素、半導体およびそれらの化
合物または混合物からなることが好ましい。基本的には
従来の光ディスクに用いられてきたいずれの反射膜も適
用することができる。
【0077】例示するならば、Al,Ag,Au,N
i,Cr,Ti,Pd,Co,Si,Ta,W,Mo,
Ge等の単体、あるいはこれらを主成分とする合金を用
いることができる。このうち特にAl系、Ag系、Au
系、Si系、Ge系の材料が実用性の面から好ましい。
合金としては、例えばN−Ti,Al−Cr,Al−C
u,Al−Co,Al−Mg−Si,Ag−Pd−C
u,Ag−Pd−Ti,Si−B等が挙げられる。これ
らの材料を光学特性および熱特性を考慮し設定する。一
般的には材料の膜厚を光が透過しない程度の厚さ(例え
ば40nm以上)に設定すると反射率が高くなりまた熱
が逃げやすくなる。特にAl系やAg系材料は短波長領
域例えば波長400nmにおいても80%以上の高反射
率を有するので好適である。
【0078】例えば、Al−Ti,Al−Cr,Al−
Co,Al−Mg−Si,Ag−Pd−Cu,Ag−P
d−Ti等の合金も好適である。なお、Agを用いる場
合、硫化反応(例えばZnS−SiO2 のSと反応)の
懸念があるので、Agを合金化する、あるいはAgとZ
nS−Sio2 等Sを含む層との間にSを含まない別の
層を挿入してAgの硫化反応を抑制してもよい。後者の
方法としては、例えばSiN,AlN,Al23 ,G
eNからなる誘電体層を挿入する方法が好適である。
【0079】また、例えば特開平8−124218号公
報や特開平9−91755号公報に記載されているよう
に、高速ダイレクトオーバーライトを実現するための一
手法として吸収率制御技術がある。この技術は、光学記
録膜が結晶状態にあるときの光学記録膜における吸収率
Acとアモルファス状態にあるときの光学記録膜におけ
る吸収率Aaの比Ac/Aaを1以上とすることによ
り、記録前の状態によらず高精度で記録マークを形成す
る技術である。この吸収率制御を実現する一手段とし
て、反射層の透過率を、例えば30%以上の意図的に高
める手法がある。本発明における光ディスクにもこの構
成を適用してもよく、例えばSi,Ge,Auの単体あ
るいはこれらを主成分とする化合物あるいは混合物を適
用できる。また上述に反射層の例として示した材料の厚
さを10nm以下に薄くする構成をとってもよい。な
お、反射層は連続する2層以上の異なる層(材料、組
成、複素屈折率のいずれかが異なる)で構成してもよ
い。これらの層は連続していてもよいし、間に誘電体層
が介在されていてもよい。
【0080】上述の誘電体層に用いる材料としては、記
録再生用レーザの波長に対して吸収能のないものが望ま
しく、具体的には消衰係数kの値が0.3以下である材
料が好ましい。かかる材料としては、例えばZnS−S
iO2 混合体(特にモル比約4:1)を挙げることがで
きる。ただし、ZnS−SiO2 混合体以外にも従来よ
り光記録媒体に用いられている材料がいずれも誘電体層
に適用可能である。例えば、Al,Si,Ta,Ti,
Zr,Nb,Mg,B,Zn,Pb,Ca,La,Ge
等の金属および半金属等の元素の窒化物、酸化物、炭化
物、フッ化物、硫化物、窒酸化物、窒炭化物、酸炭化物
等からなる層およびこれらを主成分とする層を用いるこ
とができる。具体的には、AlNx (0.5≦x≦
1)、A123-x (0≦x≦1)、Si34-x (0
≦x≦1)、SiOx (1≦x≦2)、MgO、Y2
3 、MgA124 、TiOx (1≦x≦2)、BaT
iO3 、StTiO3 、Ta2 5 、GeOx (1≦X
≦2)、SiC、ZnS、PbS、Ge−N、Ge−N
−O、Si−N−O、CaF2 、LaF、MgF2 、N
aF、ThF4 等を挙げることができる。特に好ましい
のは、AlN、A123 、Si34 、SiO2、S
iO、TiO2 、Ta25 などである。これらからな
る層およびこれらを主成分とする層が適用可能である。
あるいはこれらの混合物、例えばAlN−SiO2 から
なる層を誘電体層とすることも可能である。
【0081】なお、誘電体層は連続する2層以上の異な
る層(材料、組成、複素屈折率のいずれかが異なる)で
構成してもよい。この場合、光学設計上(例えば上述の
吸収率比Ac/Aaを高める)、特に隣接する2つの誘
電体層の屈折率n(記録再生用レーザに対する複素屈折
率をn−iKとするとき)の差が大きい方が望ましい。
特に0.2以上であると望ましい。例えば、一般に相変
化光ディスクで用いられるZnS−Si02 (モル比
4:1)に対しては、例えばSiO2 、LiF,MgF
2 、CaF2 、NaF,ZnS,TiO2 等の材料を隣
接して設定すると吸収率比AclAaを高めることが容
易になる。また、例えばZnS−Si02 /Si02
ZnS−SiO2 というように同一層を2層以上挿入し
た構成としてもよい。いずれにしろ、隣接する誘電体同
士が異なる層(材料、組成、複素屈折率のいずれかが異
なる)であれば何層であってもよい。層の数が多くなる
ほど光学設計自由度が増すのでAc/Aaを高めやすく
なる。
【0082】また、多層誘電体の位置は全多層膜のどの
位置にきてもよいが、特に光学記録膜と光透過性の保護
層の間に設けると吸収率比Ac/Aaのコントロールが
容易になる。以上が、光学設計からみた誘電体の多層化
であるが、熱設計的観点から誘電体を多層化してもよ
い。例えば、光学記録膜と反射層間の誘電体層の熱伝導
率が高いほど急冷構成とすることが可能になるが、一方
で高熱伝導性の誘電体が必ずしも光学記録膜とのなじみ
が良いとは限らない。
【0083】例えば相変化ディスクでは、光学記録膜と
接触する誘電体は、熱伝導率の高いAlNやSiN、S
iO2 よりもZnS−SiO2 が用いられることが多
い。これは記録マーク(アモルファス)が年月を経て消
去(結晶化)する問題に関し、ZnS−SiO2 が好ま
しいことが一因である。以上を踏まえ、例えば、光学記
録膜/ZnS−SiO2 /高熱伝導性誘電体(AlN,
SiN等)/反射膜の順に積層した構成をとることもで
きる。
【0084】前述の吸収率制御を実現する他の方法とし
ては、光透過性の保護層と光学記録膜間の任意の位置
に、光吸収制御層を設ける方法が挙げられる。光吸収制
御層は、記録再生用レーザの波長に対して吸収能を有
し、かつ光吸収制御層のみ(単層)での透過率が3%以
上の金属、半金属元素、半導体およびそれらの化合物ま
たは混合物からなることを特徴とする。特に光吸収制御
層のみ(単層)での吸収率が3%以上で、かつ光吸収制
御層のみ(単層)での透過率が20%以上である場合に
吸収率制御の効果が高くなる。単層での透過率が3%よ
り低い場合は記録および消去感度が悪くなってしまう。
光吸収制御層には、Al,Ag,Au,Ni,Cr,T
i,Pd,Co,Si,Ta,W,MO,Ge等の単
体、あるいはこれらを主成分とする合金を用いることが
できる。このうち特にAu,Al,Ag,Si,Geの
単体、あるいはいずれかを主成分とする化合物または混
合物が実用性の面から好ましい。Au,Al,Agを用
いる場合は膜厚を3〜30nmにすることが光学的に好
ましい。なお、光吸収制御層は連続する2層以上の異な
る層(材料、組成、複素屈折率のいずれかが異なる)で
構成してもよい。これらの層は連続していてもよいし、
間に誘電体層が介在されていてもよい。
【0085】上記熱ダメージ低減層は、例えば相変化材
料を光学記録膜としたディスクへの記録時に、光学記録
膜の温度は一般に600℃以上の高温になるが、この熱
が光透性の保護過層に伝播し、保護層に変形等のダメー
ジを与える現象を低減する役割を果たす(反射層側は熱
伝導の高い反射層の存在により急冷するのでダメージは
少ない)。例えば、光学記録膜/光透過性の保護層間の
誘電体層の熱伝導率が低い(例えばZnS−SiO
2 )、または膜厚が薄い場合は熱ダメージが大きくな
る。熱ダメージ低減層としては、熱伝導が高く、かつ記
録再生用レーザの波長に対する吸収能が殆どない材料が
好ましく、SiN,AlN,Al23 等の高熱伝導性
誘電体が特に好ましい。光学記録膜/熱ダメージ低減層
/保護層としてもよいが、その場合、光学記録膜との接
触により悪影響(記録マークの保存安定性の劣化)をお
よぼす材料は好ましくない。
【0086】上記腐食防止層は、反射層/誘電体層界面
で生じる腐食反応を抑制する役割を果たす。例えば反射
層にAg合金、誘電体層にZnS−SiO2を用いた場
合、高温になるとAg元素とS元素の化学反応によりA
g−S系化合物が生成しやすい。これは局所的な再生信
号の劣化をもたらす。これを抑制するために、SiN,
AlN,Al2O3等Sを含まない誘電体を腐食防止層
そして適用することが好ましい場合がある。光学記録膜
/腐食防止層/反射層としてもよいが、その場合、光学
記録膜との接触により悪影響(記録マークの保存安定性
の劣化)をおよぼす材料は好ましくない。
【0087】以上のような各層の組み合わせにより形成
される情報記録面に関し、第1記録領域と第2記録領域
で、各層の組成、膜厚および積層構造を全て同一として
も良いし、変えても良い。同一である場合、光学記録積
層体の成膜工程を第1記録領域と第2記録領域で変える
必要がないので、製造時の低コスト化をもたらす。一
方、第1記録領域と第2記録領域で、それぞれ最適な組
成、膜厚、積層構造を適用することにより、信号特性を
改善することができる。例えば、グルーブ記録では、ラ
ンドグルーブ記録のようにランドとグループの信号バラ
ンスをはかる必要がないので、例えばグルーブに有利な
膜厚とした方が望ましい。
【0088】第2実施形態 図13(a)は、本実施形態に係る光ディスクの断面構
造を示す模式図である。第1ディスク基板15aの一方
の表面に、凹部15r1 が設けられている。この凹部1
5r1 を含む凹凸に沿って第1光学記録積層体16aが
形成され、その上層に、例えば0.1mmの膜厚の光透
過性の保護層17aが形成されている。一方、第2ディ
スク基板15bの一方の表面に、凹部15r2 が設けら
れている。この凹部15r2 を含む凹凸に沿って第2光
学記録積層体16bが形成され、その上層に、例えば
0.1mmの膜厚の光透過性の保護層17bが形成され
ている。上記の第1ディスク基板15aの第1光学記録
積層体16aの反対側の面と、第2ディスク基板15b
の第2光学記録積層体16bの反対側の面とが接着層B
Lにより貼り合わされて一体化されている。
【0089】本実施形態に係る光ディスクは、上記の第
1ディスク基板15aの凹部15r 1 による凹凸形状と
第2ディスク基板15bの凹部15r2 による凹凸形状
は異なっており、第1ディスク基板15aに形成された
第1光学記録積層体16aがグルーブ記録領域となる第
1記録領域として、また、第2ディスク基板15bに形
成された第2光学記録積層体16bがランドグルーブ記
録領域となる第2記録領域として区分されている。本実
施形態に係る光ディスクの上記のこと以外については、
第1実施形態に説明した光ディスクと同様の構成とする
ことができる。
【0090】この場合、ディスクを裏返すだけグルーブ
記録用駆動装置とランドグルーブ記録用,駆動装置に対
応することが可能である。例えば、表面にDVD−RW
のメディアを、裏面にDVD−RAMのメディアを配し
た構成とすれば、各々4.7GB容量のコンテンツを従
来同様の使い勝手で利用できる。
【0091】上記の光ディスクは、DVD−RW,DV
D−RAMなどの2種類の光ディスクを接着層で貼り合
わせることで製造することが可能である。
【0092】また、図13(b)の模式図に示すよう
に、上記光ディスクにおける第1ディスク基板と第2デ
ィスク基板を予め一体に形成した構成とすることもでき
る。この場合には、例えば射出成形工程において、ディ
スク基板の一方の表面上にグルーブ記録領域となる第1
記録領域用の凹凸形状を形成し、他方の表面上にグルー
ブ記録領域となる第2記録領域用の凹凸形状を形成し、
それぞれの面に光学記録積層体および保護層を形成する
ことで、形成することができる。
【0093】第3実施形態 図14(a)は、本実施形態に係る2層の光学記録膜を
設けた光ディスクの光の照射の様子を示す模式斜視図で
ある。光ディスクDCは、中心部にセンターホールCH
が開口された略円盤形状をしており、ドライブ方向DR
に回転駆動される。情報を記録または再生するときに
は、光ディスクDC中の光学記録膜に対して、例えば開
口数が0.8以上の対物レンズOLにより、青〜青紫色
の領域のレーザ光などの光LTが照射される。
【0094】図14(b)は模式断面図であり、図14
(c)は図14(b)の模式断面図の要部を拡大した断
面図である。厚さが約1.1mmのポリカーボネートな
どからなるディスク基板15の一方の表面に、凹部15
rが設けられている。この凹部15rを含む凹凸に沿っ
て第1光学記録積層体16が形成されている。第1光学
記録積層体16は、例えば、上層側から例えば誘電体
膜、相変化膜などの光学記録膜、誘電体膜および反射膜
などがこの順番で積層された構成であり、層構成や層数
は、記録材料の種類や設計によって異なる。第1光学記
録積層体16の上層に接着層18が形成されており、そ
の上層に第2光学記録積層体24が形成されている。第
2光学記録積層体24は、例えば、上層側から例えば誘
電体膜、相変化膜などの光学記録膜、誘電体膜および反
射膜などがこの順番で積層された構成であり、層構成や
層数は、記録材料の種類や設計によって異なる。第2光
学記録積層体24の上層に、例えば0.1mmの膜厚の
光透過性の保護層23が形成されている。光透過性の保
護層23は、第2光学記録積層体24側の表面に凹部2
3rが設けられている。この凹部23rを含む凹凸に沿
って、第2光学記録積層体24が形成されている。
【0095】上記の光ディスクを記録あるいは再生する
場合には、対物レンズOLにより、レーザ光などの光L
Tを光透過性の保護層23側から第1光学記録積層体1
6あるいは第2光学記録積層体24に合焦するように照
射する。対物レンズOLの光ディスクからの距離を調整
して、第1光学記録積層体16と第2光学記録積層体2
4のいずれかに焦点を合わせるかにより、第1光学記録
積層体16と第2光学記録積層体24のいずれかを選択
的に記録または再生する。上記の構成で、第2光学記録
積層体24は半透過性であり、光LTを第1光学記録積
層体16に照射する場合には第2光学記録積層体24を
透過させて行う。光ディスクの再生時においては、第1
および第2光学記録積層体(16、24)のいずれかで
反射された戻り光が受光素子で受光され、信号処理回路
により所定の信号を生成して、再生信号が取り出され
る。
【0096】本実施形態に係る光ディスクは、上記のデ
ィスク基板15の凹部15rによる凹凸形状と保護層2
3の凹部23rによる凹凸形状は異なっている。例えば
図15(a)の断面図に示すように、ディスク基板15
の凹凸形状に沿って形成された第1光学記録積層体16
がランドグルーブ記録領域となる第2記録領域AR2
して、また、保護層23の凹凸形状に沿って形成された
第2光学記録積層体24がグルーブ記録領域となる第1
記録領域AR1 として区分されている。
【0097】また、例えば図15(b)の断面図に示す
ように、ディスク基板15の凹凸形状に沿って形成され
た第1光学記録積層体16がグルーブ記録領域となる第
1記録領域AR1 として、また、保護層23の凹凸形状
に沿って形成された第2光学記録積層体24がランドグ
ルーブ記録領域となる第2記録領域AR2 として区分さ
れている。
【0098】また、例えば図15(c)の断面図に示す
ように、ディスク基板15側から第1光学記録積層体1
6、第2光学記録積層体26、第3光学記録積層体2
4’が、光透過性の接着層(18、25)を介して積層
している構成とし、第1光学記録積層体16および第3
光学記録積層体24’をグルーブ記録領域となる第1記
録領域AR1 として、第2光学記録積層体26をランド
グルーブ記録領域となる第2記録領域AR2 として区分
している構成とすることもできる。
【0099】上記の構成の光ディスクは、例えば光ピッ
クアップから見て1層目にDVD−RWのメディアを2
層目にDVD−RAMのメディアを配した構成とすれ
ば、各々4.7GB容量のコンテンツを層間ジャンプに
よる焦点位置制御により、従来同様の使い勝手で利用で
きる。
【0100】次に、上記の2層の光学記録膜を有する光
ディスクの製造方法について説明する。まず、別工程に
おいて予め、第1実施形態と同様にして、表面に例えば
第1光学記録積層体用の形状の凹部(溝)15rが形成
されたディスク基板15を形成し、第1光学記録積層体
16を形成する。
【0101】一方、図16(a)に示すように、例えば
第2光学記録積層体用の形状の凸部20pを含む凹凸パ
ターンを有する光透過性の保護層用スタンパ20上に、
紫外線硬化樹脂21を塗布などにより供給し、図16
(b)に示すように、その上層に光透過性の保護層用シ
ート22を配置する。この状態で回転させるスピンコー
トの手法により、図16(c)に示すように、光透過性
の保護層用スタンパ20と光透過性の保護層用シート2
2の間隙に均一な膜厚となるように紫外線硬化樹脂21
を行き渡らせる。
【0102】次に、図17(a)に示すように、紫外線
UVを照射して、紫外線硬化樹脂21を硬化せしめ、光
透過性の保護層用シート22と紫外線硬化樹脂21を一
体化させ、光透過性の保護層23を形成する。次に、図
17(b)に示すように、光透過性の保護層用スタンパ
20から離型すると、得られた光透過性の保護層23の
表面には、光透過性の保護層用スタンパ20の凸部20
pに対応する位置に凹部(溝)23rが転写されてい
る。
【0103】次に、図18(a)に示すような光透過性
の保護層23の凹凸形成面上に、図18(b)に示すよ
うに、第2光学記録積層体24を成膜する。次に、図1
9(a)に示すように、上記のディスク基板15に形成
した第1光学記録積層体16と光透過性の保護層23に
形成した第2光学記録積層体24とを接着層18により
貼り合わせて、図19(b)に示す構成とする。接着層
18としては、例えば紫外線硬化樹脂系の接着剤や感圧
性粘着剤などを用いることができる。以上で、図14に
示す構成の2層の光学記録積層体を設けた光ディスクを
製造することができる。
【0104】上記の実施形態において、3層の光学記録
積層体を積層させる場合には、予め別工程で形成してお
いた光学記録積層体を他の光学記録積層体上に接着剤で
貼り合わせて転写するなどの工程を行うことにより、上
記と同様に製造することができる。
【0105】第4実施形態 本実施形態に係る光ディスクは、第2実施形態の光ディ
スクの構成と第3実施形態の光ディスクの構成を組み合
わせた構成である。即ち、ディスク基板の表面と裏面の
各々において、2層以上の光学記録積層体が光透過性の
接着層を介して積層して設けられている構成である。
【0106】例えば、図20(a)の断面構造を示す模
式図に示すように、ディスク基板の一方の表面に光学記
録積層体(16a,24a)が積層しており、他方の表
面に光学記録積層体(16b,24b)が積層している
構成とし、光学記録積層体(16a,24a)をグルー
ブ記録領域となる第1記録領域AR1 とし、光学記録積
層体(16b,24b)をランドグルーブ記録領域とな
る第2記録領域AR2として区分している構成とする。
【0107】あるいは、例えば、図20(b)の断面構
造を示す模式図に示すように、ディスク基板の一方の表
面に光学記録積層体(16a,24a)が積層してお
り、他方の表面に光学記録積層体(16b,24b)が
積層している構成とし、光学記録積層体(24a,24
b)をグルーブ記録領域となる第1記録領域AR1
し、光学記録積層体(16a,16b)をランドグルー
ブ記録領域となる第2記録領域AR2 として区分してい
る構成とする。
【0108】あるいは、例えば、図21(a)の断面構
造を示す模式図に示すように、ディスク基板の一方の表
面に光学記録積層体(16a,24a)が積層してお
り、他方の表面に光学記録積層体(16b,24b)が
積層している構成とし、光学記録積層体(16a,16
b)をグルーブ記録領域となる第1記録領域AR1
し、光学記録積層体(24a,24b)をランドグルー
ブ記録領域となる第2記録領域AR2 として区分してい
る構成とする。
【0109】あるいは、例えば、図21(b)の断面構
造を示す模式図に示すように、ディスク基板の一方の表
面に光学記録積層体(16a,24a)が積層してお
り、他方の表面に光学記録積層体(16b,24b)が
積層している構成とし、光学記録積層体(24a,16
b)をグルーブ記録領域となる第1記録領域AR1
し、光学記録積層体(16a,24b)をランドグルー
ブ記録領域となる第2記録領域AR2 として区分してい
る構成とする。
【0110】第5実施形態 上記の第1〜4実施形態において、ディスク基板の光学
記録膜が成膜される側の面に形成される案内溝は、スパ
イラル上、同心円状、ピット列等、各種の形状が適用可
能である。また、第1記録領域、第2記録領域の各領域
内に記録再生に供する部分に加えて、通常は、位置情報
(アドレス情報)検出用のピットアドレスあるいはウォ
ブル(蛇行)アドレス等が設定された構成とする。以下
に、その例を示す。
【0111】図22(a)は、スパイラル状のピット列
パターンPPのレイアウトを示し、図22(b)はその
全体のレイアウトパターンを示す。例えば、DVD−R
OMのようなROMディスクにおいて用いられる。
【0112】また、図23(a)は、同心円状のグルー
ブGおよびその間のランドLのそれぞれに記録マークR
Mが形成されるランドグルーブ記録方式において、グル
ーブGにウォブルアドレスWが形成されており、かつ各
同心円の一部がアドレスを示すピットパターンPPによ
るピットヘッダPHとして形成されている構成のレイア
ウトを示し、図23(b)はその全体のレイアウトパタ
ーンを示す。例えばランドグルーブ記録を適用したDV
D−RAMにおいて用いられる。
【0113】また、図24(a)は、スパイラル状のグ
ルーブGおよびランドLの内のグルーブGに記録マーク
RMが形成されるグルーブ記録方式において、グルーブ
GにウォブルアドレスWが形成されている構成のレイア
ウトを示し、図24(b)はその全体のレイアウトパタ
ーンを示す。
【0114】本実施形態に係る光ディスクのディスク基
板には、上記に代表される案内溝やアドレスが予め形成
され、ディスク内の任意の位置に高速、高精度にアクセ
スすることが可能である。
【0115】第6実施形態 図25は、本実施形態に係る光ディスクの光の照射の様
子を示す断面構成を示す模式図である。ディスク基板3
6の第1記録領域において、第1光学記録積層体用の第
1の深さの凹部36r1 が形成されており、第2記録領
域において、第2光学記録積層体用の第2の深さの凹部
36r2 が形成されている。この上層に光透過性の保護
層38が形成されている。凹部36r1 と凹部36r2
は深さが異なっており、例えば第1記録領域と第2記録
領域の内の一方をグルーブ記録方式とし、他方をランド
グルーブ記録方式として適用することが可能である。
【0116】上記の光ディスクの製造方法について説明
する。まず、図26(a)に示すように、ガラス原盤3
0上に第1レジスト膜31を形成して、第1記録領域A
1 において対物レンズOLによりレーザ光LTを照射
してグルーブのパターン31aで露光を行う。
【0117】次に、図26(b)に示すように、現像し
て、パターン化されたレジスト膜を得た後、レジスト膜
31をマスクとするRIE(反応性イオンエッチング)
などの異方性エッチング処理Eにより、ガラス原盤30
に深さd1 の溝30rを形成する。
【0118】次に、図27(a)に示すように、レジス
ト膜31を除去した後、図27(b)に示すように、第
2記録領域における厚さがd2 であるレジスト膜32を
全面に形成する。次に、図27(c)に示すように、第
2記録領域AR2 において対物レンズOLによりレーザ
光LTを照射してグルーブのパターン32aで露光を行
う。
【0119】次に、図28(a)に示すように、第1記
録領域AR1 において全面に露光を行う。次に、図28
(b)に示すように、現像処理を行うことで、第1記録
領域AR 1 に深さd1 の凹部30rが形成され、第2記
録領域AR2 において深さd2 の凹部32rが形成され
たスタンパ形成用原盤33を形成する。
【0120】次に、図29(a)に示すように、スタン
パ形成用原盤33上にニッケルなどの金属メッキ層34
を形成し、離型してスタンパ35を得る。以降は、第1
実施形態と同様にして、図25に示すような深さの異な
る2種類の凹部(36r1 ,36r2 )が形成された光
ディスクを製造することができる。
【0121】次に示す製造工程により、深さの異なる3
種類の凹部が形成された光ディスクを製造することがで
きる。図30(a)に至るまでは、上記の図28(b)
までの工程と同様にして形成可能である。次に、図30
(a)に示すように、RIEなどの異方性エッチング処
理Eを全面に行う。この結果、ガラス原盤30の第1記
録領域AR1 に深さd1 の溝30r1 形成し、第2記録
領域AR2 に深さd3 の溝30r2 形成する。次に、図
30(c)に示すようにレジスト膜を除去する。
【0122】次に、図31(a)に示すように、第3記
録領域における厚さがd3 であるレジスト膜36を全面
に形成する。次に、図31(b)に示すように、第3記
録領域AR3 において対物レンズOLによりレーザ光L
Tを照射してグルーブのパターン36aで露光を行う。
【0123】次に、図32(a)に示すように、第1記
録領域AR1 および第2記録領域AR2 において全面に
露光を行う。次に、図32(b)に示すように、現像処
理を行うことで、第1記録領域AR 1 に深さd1 の凹部
30r1 が形成され、第2記録領域AR2 において深さ
3の凹部30r2 が形成され、第3記録領域AR3
おいて深さd4 の凹部36rが形成されたスタンパ形成
用原盤33を形成する。
【0124】以降は、第1実施形態と同様にして、深さ
の異なる3種類の凹部が形成された光ディスクを製造す
ることができる。
【0125】実施例 本発明を適用した具体的な実施例について、実験結果に
基づいて説明する。以下の実施例1〜6においては、特
に説明している場合を除いて、光学記録積層体は図12
(f)に示した構成とした。
【0126】光ディスクの基本構成は、以下の通りとし
た。 ディスク基板 :ポリカーボネイト基板(厚さ1.1mm,直径12c m) 反射層 :Ag合金(厚さ100nm) 腐食防止層 :SiN(厚さ10nm) 誘電体層 :ZnS−SiO2 (厚さ5nm) 光学記録膜(相変化材料):AgGeSbTe(厚さ12nm) 誘電体層 :ZnS−SiO2 (厚さ25nm) 熱ダメージ低減層 :SiN(厚さ25nm) 保護層 :紫外線硬化樹脂(厚さ100μm)
【0127】光源には波長266nmの固体紫外レーザ
を使用したマスタリングプロセスを行い、射出成型プロ
セスを経て凹凸が形成されたディスク基板を形成した。
得られたディスク基板上に、反射層、腐食防止層、誘電
体層、光学記録膜、誘電体層、熱ダメージ低減層の順に
スパッタリングプロセスにより順次成膜し、最後にスピ
ンコーターにより紫外線硬化樹脂を厚さ100μmにな
るように塗布し、紫外線により硬化した。なお厚さ10
0μmの光透過性の保護層として、厚さ90μmのポリ
カーボネイトからなる光学的に十分平滑な光透過性のシ
ート(フィルム)を紫外線硬化樹脂を接着材(厚さ10
μm)で接着して場合も、同様な実験結果を得ている。
ディスク基板に形成される凹凸に関しては、第1記録領
域と第2記録領域で以下のように異なる溝形状とした。
【0128】(記録エリア) 第1記録領域(グルーブ記録方式用):トラックピッチ
320nm、グルーブ幅130nm、グルーブ深さ20
nm 第1記録領域(ランドグルーブ記録方式用):トラック
ピッチ300nm、グルーブ幅240nm、グルーブ深
さ40nm
【0129】(アドレスエリア) 第1記録領域(グルーブ記録方式用): ウォブルアドレス 第2記録領域(ランドグルーブ記録方式用): ピットアドレスとウォブルの併用
【0130】以上のように作成した相変化光ディスクの
記録エリア全面を、市販の初期化装置(日立コンピュー
タ製)を用いて初期化、即ち、相変化材料を結晶化し
た。以下の各実施例ごとに初期化するタイミングを考慮
した。次に、初期化後の相変化光ディスクの記録再生特
性を測定した。第1記録領域での評価はグルーブ記録用
の駆動装置で行い、第2記録領域の評価はランドグルー
ブ記録用の装置で行った。グルーブ記録用とランドグル
ーブ記録用とは、両駆動装置は主に光学系が異なるもの
である。
【0131】(評価条件) ・レーザ:波長404nmのGaN系半導体レーザ ・対物レンズ:開口数NA=0.85の2群レンズ ・変調方式:(1,7) ・記録線密度:120nm/bit(第1記録領域)、
130nm/bit(第2記録領域) ・記録再生線速度:5.5m/s
【0132】(実施例1)図4(a)に示す領域に区分
して、半径22mm〜40mmを第1記録領域(グルー
ブ記録用)とし、半径40mm〜58mmを第2記録領
域(ランドグルーブ記録)とした。製造方法は第1実施
形態に第6実施形態に示す方法を適用した。即ち、ガラ
ス原盤の第1記録領域に、エッチングにより、深さd1
=20nmを有するパターンを直接形成し、このガラス
原盤上にレジスト膜を厚さd2 =40nmで塗布し、第
2記録領域においてパターン露光し、また第1記録領域
においては全面に充分強く露光し、現像を行って露光し
た部分を溶解した。このように形成されたスタンパ用原
盤から、スタンパを作成し、射出成形などによりディス
ク基板を形成し、相変化材料を含む光学記録積層体、光
透過性の保護層を形成し、記録エリア全面を初期化し
た。
【0133】上記の実施例1に係る光ディスクについ
て、上述の評価条件で2種類の駆動装置で記録再生実験
を行ったところ、(1)100回オーバーライト後のジ
ッター値およに(2)100回オーバーライト後、両隣
のトラックを100回オーバーライトした際の真中のト
ラックのジッター値は、第1記録領域、第2記録領域の
いずれのエリアにおいても、11%以下の良好な値を得
た。従って、本実施例1の光ディスクは、グルーブ記録
用、ランドグルーブ記録用いずれの駆動装置での正常に
動作することが証明された。
【0134】また、上記の例では第1記録領域、第2記
録領域で同一の光学記録積層体の構成としたが、第1記
録領域用の光学記録膜の厚さを12nmから14nmに
変更し、第2記録領域用の光学記録膜の厚さを12nm
から10nmに変更すると、各々のジッター値は約0.
5%改善した。この場合は、スパッタリング時に、第1
記録領域あるいは第2記録領域をマスクすることにより
エリアごとに異なる膜構成となるようにした。
【0135】なお、比較実験として第1記録領域と第2
記録領域のグルーブ深さを同じにしたときは、以下の問
題が生じた。d1 =d2 =20nmのときは、第2記録
領域で、クロストークおよびクロスライトが大きくなる
問題が生じた。一方、d1 =d2 =40nmのときは、
第1記録領域で、キャリアレベルおよびRF振幅が低下
した。また、d1 =d2 =30nmのときは、第1記録
領域、第2記録領域のいずれの特性も悪化し、ジッター
値は11%以上になった。
【0136】(実施例2)図13(a)に示した構成の
光ディスクを作成した。厚さを1.1mmから0.55
mmと実施例1の場合の半分としたディスク基板を2枚
形成し、一方に第1記録領域用の光学記録積層体を形成
し、他方に第2記録領域用の光学記録積層体を形成し、
両ディスク基板を貼り合わせた構成とした。接着層には
紫外線硬化樹脂を用いた。その他は実施例1に示したデ
ィスク基本構成と同様の膜構成とした。
【0137】このように形成されたディスクを市販の初
期化装置で全面初期化した。まず第1記録領域側を初期
化し、次にディスクを裏返して第2記録領域側を初期化
した。前述の評価条件で2種類の駆動装置で記録再生実
験を行ったところ、(1)100回オーバーライト後の
ジッター値と、(2)100回オーバーライト後、両隣
のトラックを100回オーバーライトした際の真中のト
ラックのジッター値は、第1記録領域、第2記録領域の
いずれの領域においても、11%以下の良好な値を得
た。従って、本ディスクは、グルーブ記録用、ランドグ
ルーブ記録用いずれの駆動装置での正常に動作すること
が証明された。
【0138】また、上記の例では、第1記録領域、第2
記録領域で、同一の光学記録積層体の構成としたが、第
1記録領域用の光学記録膜の厚さを12nmから14n
mに変更し、第2記録領域用の光学記録膜の厚さを12
nmから10nmに変更すると、各々のジッター値は約
0.5%改善した。この場合は、スパッタリング時に、
第1記録領域あるいは第2記録領域をマスクすることに
よりエリアごとに異なる膜構成となるようにした。
【0139】なお、比較実験として第1記録領域と第2
記録領域のグルーブ深さを同じにしたときは、以下の問
題が生じた。d1 =d2 =20nmのときは、第2記録
領域で、クロストークおよびクロスライトが大きくなる
問題が生じた。一方、d1 =d2 =40nmのときは、
第1記録領域で、キャリアレベルおよびRF振幅が低下
した。また、d1 =d2 =30nmのときは、第1記録
領域、第2記録領域のいずれの特性も悪化し、ジッター
値は11%以上になった。
【0140】(実施例3)図15(a)に示した構成の
光ディスクを、第3実施形態で説明した製造方法により
作成した。但し、ポリカーネイトシートと紫外線硬化樹
脂の薄板に1層目の成膜を行う工程の際、安定に作業を
行うために、シート側にポリカーボネイトの支持台を一
時的に設定した。なお、基板の厚さを1.1mm、光透
過性の保護層の厚さを90μm、接着部分である圧着シ
ートの厚さを20μmとした。
【0141】また、膜厚構成としては、1層目(第1記
録領域)は、ZnS−SiO2 /AlN/ZnS−Si
2 /AgGeSbTe/ZnS−SiO2 /AlN/
ZnS−SiO2 とし、2層目(第2記録領域)は、Z
nS−SlO2 /AgGeSbTe/ZnS−SiO2
/Ag−alloyとした。初期化は、第1記録領域側
と第2記録領域側を接着する前に行った。
【0142】前述の評価条件で、2種類の駆動装置で記
録再生実験を行った。記録再生用のレーザ光は図15
(a)に示すように光透過性の保護層側から入射した。
グルーブ記録用駆動装置では手前側の第1記録領域に、
ランドグルーブ記録用駆動装置では奥側の第2記録領域
にフォーカスが合うように調整した。(1)100回オ
ーバーライト後のジッター値、および(2)100回オ
ーバーライト後、両隣のトラックを100回オーバーラ
イトした際の真中のトラックのジッター値は、第1記録
領域、第2記録領域のいずれのエリアにおいても、12
%以下の良好な値を得た。従って、本ディスクは、グル
ーブ記録用、ランドグルーブ記録用いずれの駆動装置で
も正常に動作することが証明された。
【0143】また、上記の例では第1記録領域、第2記
録領域で、同一の光学記録積層体の構成としたが、第1
記録領域用の光学記録膜の厚さを12nmから14nm
に変更し、第2記録領域用の光学記録膜の厚さを12n
mから10nmに変更すると、各々のジッター値は約
0.5%改善した。この場合は、スパッタリング時に、
第1記録領域あるいは第2記録領域をマスクすることに
よりエリアごとに異なる膜構成となるようにした。
【0144】なお、比較実験として第1記録領域と第2
記録領域のグルーブ深さを同じにしたときは、以下の問
題が生じた。d1 =d2 =20nmのときは、第2記録
領域で、クロストークおよびクロスライトが大きくなる
問題が生じた。一方、d1 =d2 =40nmのときは、
第1記録領域で、キャリアレベルおよびRF振幅が低下
した。また、d1 =d2 =30nmのときは、第1記録
領域、第2記録領域のいずれの特性も悪化し、ジッター
値は11%以上になった。
【0145】(実施例4)図20(a)に示した構成の
光ディスクを作成した。まず、実施例3と同様な方法に
より、厚さが0.55mmディスク基板を用いて第1記
録領域となる光学記録積層体を2層積層させたディスク
を形成した。一方、厚さが0.55mmディスク基板を
用いて第2記録領域となる光学記録積層体を2層積層さ
せたディスクを形成した。上記の2枚のディスクを実施
例2と同様な方法で貼り合わせた。
【0146】前述の評価条件で2種類の駆動装置で記録
再生実験を行った。記録再生用のレーザ光は図20
(a)に示すように入射した。グルーブ記録用駆動装置
では2層の第1記録領域の光学記録積層体のいずれか
に、ランドグルーブ記録用駆動装置では2層の第2記録
領域の光学記録積層体のいずれかにフォーカスが合うよ
うに調整した。(1)100回オーバーライト後のジッ
ター値、および(2)100回オーバーライト後、両隣
のトラックを100回オーバーライトした際の真中のト
ラックのジッター値は、第1記録領域、第2記録領域い
ずれのエリア(合計4層)においても、12%以下の良
好な値を得た。従って、本ディスクは、グルーブ記録
用、ランドグルーブ記録用いずれの駆動装置でも正常に
動作すること、かつ各々2層化により約2倍の記録容量
を実現できることが証明された。
【0147】また、上記の例では第1記録領域、第2記
録領域で、同一の光学記録積層体の構成としたが、第1
記録領域用の光学記録膜の厚さを12nmから14nm
に変更し、第2記録領域用の光学記録膜の厚さを12n
mから10nmに変更すると、各々のジッター値は約
0.5%改善した。この場合は、スパッタリング時に、
第1記録領域あるいは第2記録領域をマスクすることに
よりエリアごとに異なる膜構成となるようにした。
【0148】なお、比較実験として第1記録領域と第2
記録領域のグルーブ深さを同じにしたときは、以下の問
題が生じた。d1 =d2 =20nmのときは、第2記録
領域で、クロストークおよびクロスライトが大きくなる
問題が生じた。一方、d1 =d2 =40nmのときは、
第1記録領域で、キャリアレベルおよびRF振幅が低下
した。また、d1 =d2 =30nmのときは、第1記録
領域、第2記録領域のいずれの特性も悪化し、ジッター
値は12%以上になった。
【0149】(実施例5)実施例1〜4において、第1
記録領域の光学記録膜をシアニン系の有機色素とし、反
射層をAuとした。他の誘電体層などの層は省いた。即
ち、ディスク基板/Au/シアニン系有機色素/光透過
性の保護層を基本構成とした。実施例1〜4と同様な評
価を行い、いずれもジッター値12%以下を得た。但
し、第1記録領域での測定は1回記録の結果とした。以
上により、本発明による構成は、書き換え型、追記型い
ずれにも対応可能であることが証明された。
【0150】(実施例6)実施例1〜4において、第1
記録領域の光学記録膜をTe−O−Pd系の無機酸化物
材料とした。即ち、ディスク基板/Al合金/ZnS−
SiO2 誘電体/Te−O−Pd系の無機酸化物/Zn
S−SiO2 誘電体/光透過性の保護層を基本構成とし
た。実施例1〜4と同様な評価を行い、いずれもジッタ
ー値12%以下を得た。但し、第1記録領域での測定は
1回記録の結果とした。以上により、本発明による構成
は、書き換え型、追記型いずれにも対応可能であること
が証明された。
【0151】(実施例7)以上の実施例1〜6の構成
は、高NA(0.85)の対物レンズ、短波長(404
nm)光源を採用した次世代光ディスクシステムに対応
するために、記録再生用レーザ光を0.1mm厚光透過
性の保護層側から入射するディスクを適用した例であっ
た。本実施例では、現在市販されているDVD−RWの
構成を第1記録領域に、DVD−RAMの構成を第2記
録領域に配置したディスク構成とした。
【0152】第1記録領域は、DVD−RW規格、即
ち、記録線密度が0.267μm/bit、トラックピ
ッチが0.740μmとして、φ120mmのサイズで
4.7GBの記録容量を実現する規格とした。一方、第
2記録領域は、DVD−RAM、即ち、記録線密度が
0.280μm/bit、トラックピッチが0.615
μmとして、φ120mmのサイズで4.7GBの記録
容量を実現する規格とした。いずれの領域も、650n
mのレーザとNA0.6の対物レンズからなる光ピック
アップで記録再生した。評価条件も規格化されている条
件とした。アドレスフォーマット、記録エリアのグルー
ブ形状(グルーブ深さは、DVD−RW<DVD−RA
M)も市販されているものと同様とした。
【0153】(評価条件) ・レーザ:波長650nmの半導体レーザ ・対物レンズ:開口数NA=0.60の単レンズ ・記録線密度:267nm/bit(第1記録領域)、
280nm/bit(第2記録領域) ・記録再生線速度:3.49m/s(第1記録領域)、
8.2m/s(第2記録領域) ・アドレスフォーマット:ウォブルを形成されたグルー
ブ(第1記録領域)、ウォブルを形成されたランドグル
ーブ(第2記録領域)
【0154】また、本実施例では保護層側からレーザ光
を入射するのではなく、市販のDVD−RW、DVD−
RAMと同じように0.6mm厚の光透過性のディスク
基板側から光を入射して行う構成とした。
【0155】上記の評価条件で2種類の駆動装置で記録
再生実験を行った。(1)100回オーバーライト後の
ジッター値、および(2)100回オーバーライト後、
両隣のトラックを100回オーバーライトした際の真中
のトラックのジッター値は、第1記録領域、第2記録領
域いずれのエリアにおいても、12%以下の良好な値を
得た。従って、現在既に商品化されているグルーブ記録
方式用、ランドグルーブ記録方式用いずれの駆動装置で
も正常に動作する光ディスクができることが証明され
た。
【0156】本発明は、上記の実施の形態に限定されな
い。例えば第1および第3実施形態に係る光ディスクに
おいては、ディスク基板を光透過性の保護層として、デ
ィスク基板側から光学記録膜にレーザ光を照射する構成
とすることも可能である。ディスク基板側からレーザ光
を入射する場合は、記録再生を行うレーザの波長に対し
て吸収能を殆ど有しない材料であれば、任意の材料を用
いることができる。なお、この場合、ディスク基板と保
護層の間に設置した光学記録積層体の層構成の順序を保
護層側からレーザ光を入射する場合の順序と逆にする。
【0157】また、例えば、光学記録膜の層構成は、実
施形態で説明した構成に限らず、記録膜の材料などに応
じて種々の構造とすることができる。また、相変化型の
光学記録媒体の他、光磁気記録媒体や、有機色素材料を
用いた光ディスク媒体にも適用可能である。その他、本
発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更をすることが
できる。
【0158】
【発明の効果】本発明の光学記録媒体は、グルーブ記録
方式(またはランド記録方式)用およびランドグルーブ
記録方式用ドライブのいずれにも対応可能である。
【0159】また、本発明の光学記録媒体の製造方法
は、グルーブ記録方式(またはランド記録方式)用およ
びランドグルーブ記録方式用ドライブのいずれにも対応
可能な光学記録媒体を製造できる。
【0160】また、本発明の光学記録媒体の記録再生方
法は、グルーブ記録方式(またはランド記録方式)用お
よびランドグルーブ記録方式用ドライブのいずれにも対
応して記録再生が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は第1実施形態に係る光ディスクの
光の照射の様子を示す模式斜視図であり、図1(b)は
模式断面図であり、図1(c)は図1(b)の模式断面
図の要部を拡大した断面図である。
【図2】図2は第1実施形態に係る光ディスクのグルー
ブ記録方式の第1記録領域の断面構造を示す模式図であ
る。
【図3】図3(a)は第1実施形態に係る光ディスクの
第1記録領域の断面構造を示す模式図であり、図3
(b)はランド記録方式での記録マークの配置の例を示
す平面図、図3(c)はグルーブ記録方式での記録マー
クの配置の例を示す平面図である。図3(d)は第1実
施形態に係る光ディスクの第2記録領域の断面構造を示
す模式図であり、図3(e)はランドグルーブ記録方式
での記録マークの配置の例を示す平面図である。
【図4】図4は第1実施形態に係る光ディスクの第1記
録領域AR1 と第2記録領域AR2 の配置の例を示す平
面図である。
【図5】図5は第1実施形態に係る光ディスクの製造方
法の製造工程を示す断面図である。
【図6】図6は第1実施形態に係る光ディスクの製造方
法の製造工程を示す断面図である。
【図7】図7は第1実施形態に係る光ディスクの製造方
法の製造工程を示す断面図である。
【図8】図8は第1実施形態に係る光ディスクの製造方
法の製造工程を示す断面図である。
【図9】図9は第1実施形態に係る光ディスクの製造方
法の製造工程を示す(a)模式図および(b)断面図で
ある。
【図10】図10は第1実施形態に係る光ディスクの製
造方法の製造工程を示す断面図である。
【図11】図11は光学記録積層体の構成を示す断面図
である。
【図12】図12は光学記録積層体の構成を示す断面図
である。
【図13】図13は第2実施形態に係る光ディスクの断
面構造を示す模式図である。
【図14】図14(a)は第3実施形態に係る光ディス
クの光の照射の様子を示す模式斜視図であり、図14
(b)は模式断面図であり、図14(c)は図14
(b)の模式断面図の要部を拡大した断面図である。
【図15】図15は第3実施形態に係る光ディスクの断
面構造を示す模式図である。
【図16】図16は第3実施形態に係る光ディスクの製
造方法の製造工程において凹凸パターンを有する光透過
性の保護層を形成する工程を示す断面図である。
【図17】図17は第3実施形態に係る光ディスクの製
造方法の製造工程において凹凸パターンを有する光透過
性の保護層を形成する工程を示す断面図である。
【図18】図18は第3実施形態に係る光ディスクの製
造方法の製造工程において凹凸パターンを有する光透過
性の保護層に第2光学記録積層体を形成する工程を示す
断面図である。
【図19】図19は第1実施形態に係る光ディスクの製
造方法の製造工程において第1光学記録積層体と第2光
学記録積層体を貼り合わせる工程を示す断面図である。
【図20】図20は第4実施形態に係る光ディスクの断
面構造を示す模式図である。
【図21】図21は第4実施形態に係る光ディスクの断
面構造を示す模式図である。
【図22】図22は第5実施形態に係る光ディスクのピ
ット列パターンのレイアウトおよびその全体のレイアウ
トパターンを示す。
【図23】図23は第5実施形態に係る光ディスクのウ
ォブルおよびアドレスピットのレイアウトおよびその全
体のレイアウトパターンを示す。
【図24】図24は第5実施形態に係る光ディスクのウ
ォブルのレイアウトおよびその全体のレイアウトパター
ンを示す。
【図25】図25は第6実施形態に係る光ディスクの模
式断面図である。
【図26】図26は第6実施形態に係る光ディスクの製
造方法の製造工程を示す断面図である。
【図27】図27は第6実施形態に係る光ディスクの製
造方法の製造工程を示す断面図である。
【図28】図28は第6実施形態に係る光ディスクの製
造方法の製造工程を示す断面図である。
【図29】図29は第6実施形態に係る光ディスクの製
造方法の製造工程を示す断面図である。
【図30】図30は第6実施形態に係る光ディスクの製
造方法の製造工程を示す断面図である。
【図31】図31は第6実施形態に係る光ディスクの製
造方法の製造工程を示す断面図である。
【図32】図32は第6実施形態に係る光ディスクの製
造方法の製造工程を示す断面図である。
【図33】図33(a)は従来例に係る光ディスクの光
の照射の様子を示す模式斜視図であり、図33(b)は
模式断面図であり、図33(c)は図33(b)の模式
断面図の要部を拡大した断面図である。
【符号の説明】
10…ガラス原盤、11…レジスト膜、11a…未露光
のレジスト膜、11b…露光済のレジスト膜、11r…
凹部、12…メタルマスタ、12p…凸部、13…マザ
ースタンパ、13r…凹部、14…スタンパ、14p…
凸部、14’…凸部形成面、15,15a,15b…デ
ィスク基板、15r,15r1 ,15r 2 …凹部、15
1 ,15p2 …凸部、15’…樹脂、16,16a,
16b…光学記録積層体、16RL…光学記録膜、16
RF…反射膜、16IA,16IB…誘電体膜、16A
B…光吸収制御層、16CP…腐食防止層、16DR…
熱ダメージ低減層、17,17a,17b…保護層、1
8…接着層、20…保護層用スタンパ、20p…凸部、
21…紫外線硬化樹脂、22…保護層用シート、23…
保護層、23r…凹部、24,24a,24b,24’
…光学記録積層体、25…接着層、26…光学記録積層
体、30…ガラス原盤、30r,30r1 ,30r2
凹部、31…レジスト膜、31a…グルーブのパター
ン、32…レジスト膜、32a…グルーブのパターン、
32r…凹部、33…スタンパ形成用原盤、34…金属
メッキ層、35…スタンパ、36…ディスク基板、36
a…グルーブのパターン、36r…凹部、37…光学記
録積層体、38…保護層、TP1,TP2 …トラックピ
ッチ、WL1,WL2…ランド幅、WG1,WG2…グルーブ
幅、d1 ,d2 …グルーブ深さ、PP…ピットパター
ン、G…グルーブ、L…ランド、W…ウォブル、PH…
ピットヘッダ、RM…記録マーク、E…エッチング、A
1 …第1記録領域、AR2 …第2記録領域、AR3
第3記録領域、UV…紫外線、IM…注入口、LT…レ
ーザ光、MD1,MD2…金型、OL…対物レンズ、R
D…レジスト原盤、DR…回転方向、DC…光ディス
ク、CH…センターホール。
フロントページの続き Fターム(参考) 5D029 JB08 RA01 RA44 RA49 WB17 WD07 5D090 AA01 BB05 BB07 BB10 BB11 CC12 CC14 DD02 GG01 GG03 GG07 GG10 5D121 AA01 AA02 AA07 FF01

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光透過層を通して光学記録膜に光を照射
    し、データを記録または再生する光学記録媒体であっ
    て、 基板と、 上記基板に形成され、上記光に対するトラック領域を区
    分する凹凸形状を有する光学記録膜と、 上記光学記録膜を保護する保護層とを有し、 上記光学記録膜は、第1記録領域と第2記録領域に区分
    されており、当該第1記録領域と第2記録領域で、上記
    凹凸形状が異なっている光学記録媒体。
  2. 【請求項2】上記保護層が光透過性である請求項1に記
    載の光学記録媒体。
  3. 【請求項3】上記基板が光透過性である請求項1に記載
    の光学記録媒体。
  4. 【請求項4】上記第1記録領域における上記凹凸形状の
    凹部の深さと、上記第2記録領域における上記凹凸形状
    の凹部の深さが異なっている請求項1記載の光学記録媒
    体。
  5. 【請求項5】上記第1記録領域と第2記録領域の各領域
    内においては、それぞれ一種類の凹凸形状が形成されて
    いる請求項1記載の光学記録媒体。
  6. 【請求項6】上記第1記録領域と第2記録領域が、上記
    基板に形成された同一の層の光学記録膜について、区分
    して配置されている請求項1に記載の光学記録媒体。
  7. 【請求項7】上記第1記録領域と第2記録領域が、上記
    基板の内周側と外周側に区分して配置されている請求項
    6に記載の光学記録媒体。
  8. 【請求項8】上記第1記録領域と第2記録領域が、上記
    基板上において同心円状に区分して配置されている請求
    項6に記載の光学記録媒体。
  9. 【請求項9】上記光学記録膜として、上記基板に複数の
    光学記録膜が形成されており、上記複数の光学記録膜
    は、各光学記録膜毎に上記第1記録領域と第2記録領域
    のいずれかに区分されている請求項1に記載の光学記録
    媒体。
  10. 【請求項10】上記複数の光学記録膜は、上記基板の一
    方の面と他方の面側にそれぞれ少なくとも1層ずつ形成
    されている請求項9に記載の光学記録媒体。
  11. 【請求項11】上記複数の光学記録膜は、上記基板の一
    方の面側に、光透過性の接着層を介して積層して形成さ
    れている請求項9に記載の光学記録媒体。
  12. 【請求項12】上記複数の光学記録膜は、上記基板の一
    方の面と他方の面側にそれぞれ多層ずつ光透過性の接着
    層を介して積層して形成されている請求項10に記載の
    光学記録媒体。
  13. 【請求項13】上記第1記録領域および第2記録領域の
    各領域内における上記凹凸形状に、アドレス情報検出用
    のウォブルが設けられている請求項1記載の光学記録媒
    体。
  14. 【請求項14】上記第1記録領域および第2記録領域の
    各領域内に、アドレス情報検出用のピットアドレスが設
    けられている請求項1記載の光学記録媒体。
  15. 【請求項15】上記光学記録膜と上記基板の間および上
    記光学記録膜と上記保護層の間の少なくともいずれか一
    方に機能膜が形成されており、 上記機能膜と上記光学記録膜からなる光学積層体が、上
    記第1記録領域と上記第2記録領域とで同一の構成とな
    っている請求項1に記載の光学記録媒体。
  16. 【請求項16】上記機能膜は、誘電体膜、反射膜、光吸
    収制御膜、熱ダメージ低減膜、腐食防止膜の少なくとも
    いずれかを含む請求項15に記載の光学記録媒体。
  17. 【請求項17】上記光学記録膜と上記基板の間および上
    記光学記録膜と上記保護層の間の少なくともいずれか一
    方に機能膜が形成されており、 上記機能膜と上記光学記録膜からなる光学積層体が、上
    記第1記録領域と上記第2記録領域とで異なる構成とな
    っている請求項1に記載の光学記録媒体。
  18. 【請求項18】上記機能膜は、誘電体膜、反射膜、光吸
    収制御膜、熱ダメージ低減膜、腐食防止膜の少なくとも
    いずれかを含む請求項17に記載の光学記録媒体。
  19. 【請求項19】基板の一方の面に領域を区分して、第1
    の凹凸形状と当該第1の凹凸形状と異なる形状の第2の
    凹凸形状を形成する工程と、 上記基板の第1および第2の凹凸形状の形成面上に少な
    くとも光学記録膜を形成する工程と、 上記光学記録膜を保護する保護層を形成する工程とを有
    する光学記録媒体の製造方法。
  20. 【請求項20】上記第1の形状と上記第2の形状は、深
    さが異なっている請求項19に記載の光学記録媒体の製
    造方法。
  21. 【請求項21】少なくとも2層の光学記録膜を有する光
    学記録媒体の製造方法であって、 第1基板の一方の面に第1の形状の凹凸形状を形成する
    工程と、 上記基板の凹凸形状形成面上に少なくとも第1光学記録
    膜を形成する工程と、保護層となる第2基板の一方の面
    に上記第1の形状と異なる第2の形状の凹凸形状を形成
    する工程と、 上記第2基板の凹凸形状形成面上に少なくとも第2光学
    記録膜を形成する工程と、 上記第1光学記録膜の形成面と上記第2光学記録膜の形
    成面とを貼り合わせる工程とを有する光学記録媒体の製
    造方法。
  22. 【請求項22】上記第1の形状と上記第2の形状は、深
    さが異なっている請求項21に記載の光学記録媒体の製
    造方法。
  23. 【請求項23】少なくとも2層の光学記録膜を有する光
    学記録媒体の製造方法であって、 基板の一方の面に第1の凹凸形状を形成する工程と、上
    記基板の他方の面に上記第1の凹凸形状と異なる形状の
    第2の凹凸形状を形成する工程と、 上記一方の面の第1の凹凸形状形の成面上に少なくとも
    第1光学記録膜を形成する工程と、 上記他方の面の第2の凹凸形状の形成面上に少なくとも
    第2光学記録膜を形成する工程と、 上記第1光学記録膜を保護する光透過性の保護層を形成
    する工程と、 上記第2光学記録膜を保護する光透過性の保護層を形成
    する工程とを有する光学記録媒体の製造方法。
  24. 【請求項24】上記第1の形状と上記第2の形状は、深
    さが異なっている請求項23に記載の光学記録媒体の製
    造方法。
  25. 【請求項25】光透過層を通して光学記録膜に光を照射
    し、データを記録または再生する光学記録媒体の記録再
    生方法であって、 基板と、上記基板に形成され、上記光に対するトラック
    領域を区分する凹凸形状を有する光学記録膜と、上記光
    学記録膜上に形成された保護層とを有し、上記光学記録
    膜は、第1記録領域と第2記録領域に区分されており、
    当該第1記録領域と第2記録領域で、上記凹凸形状が異
    なっている光学記録媒体に対して、 上記第1記録領域において上記凹凸形状の凹部および凸
    部のいずれか一方のみで記録再生を行い、 上記第2記録領域において上記凹凸形状の凹部および凸
    部の両方で記録再生を行う光学記録媒体の記録再生方
    法。
JP2001313149A 2001-10-10 2001-10-10 光学記録媒体およびその製造方法と記録再生方法 Pending JP2003123311A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001313149A JP2003123311A (ja) 2001-10-10 2001-10-10 光学記録媒体およびその製造方法と記録再生方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001313149A JP2003123311A (ja) 2001-10-10 2001-10-10 光学記録媒体およびその製造方法と記録再生方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003123311A true JP2003123311A (ja) 2003-04-25

Family

ID=19131688

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001313149A Pending JP2003123311A (ja) 2001-10-10 2001-10-10 光学記録媒体およびその製造方法と記録再生方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003123311A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006526868A (ja) * 2003-06-03 2006-11-24 エルジー エレクトロニクス インコーポレーテッド 高密度記録媒体ならびにその記録および/または再生装置
KR100694036B1 (ko) * 2000-06-01 2007-03-12 삼성전자주식회사 그루브와 피트의 깊이가 다른 디스크 및 그 제조방법
WO2007063800A1 (ja) * 2005-12-02 2007-06-07 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 光学的情報記録媒体とその記録再生方法及び記録再生装置
US7831986B2 (en) 2003-06-03 2010-11-09 Lg Electronics Inc. High-density recording medium and recording and/or reproducing device therefor

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100694036B1 (ko) * 2000-06-01 2007-03-12 삼성전자주식회사 그루브와 피트의 깊이가 다른 디스크 및 그 제조방법
JP2006526868A (ja) * 2003-06-03 2006-11-24 エルジー エレクトロニクス インコーポレーテッド 高密度記録媒体ならびにその記録および/または再生装置
US7831986B2 (en) 2003-06-03 2010-11-09 Lg Electronics Inc. High-density recording medium and recording and/or reproducing device therefor
JP4755976B2 (ja) * 2003-06-03 2011-08-24 エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド 高密度記録媒体ならびにその記録および/または再生装置
WO2007063800A1 (ja) * 2005-12-02 2007-06-07 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 光学的情報記録媒体とその記録再生方法及び記録再生装置
US8110273B2 (en) 2005-12-02 2012-02-07 Panasonic Corporation Optical information recording medium, recording/reproducing method thereof and recording/reproducing apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100506553B1 (ko) 광정보 기록매체, 그 기록 및 재생방법, 및 광정보 기록 및 재생장치
JP3250989B2 (ja) 光学情報記録媒体、その記録再生方法、その製造法及び光学情報記録再生装置
US7986601B2 (en) Multi-purpose high-density optical disc
JPH11195243A (ja) 多層光ディスク及び記録再生装置
JPH09326136A (ja) 光記録媒体及びその製造方法
US8675464B2 (en) Dual sided optical storage media and method for making same
JPH08203126A (ja) 光学的情報記録媒体ならびに光学的情報再生方法および 光学的情報記録再生消去方法
JP3698905B2 (ja) 光学的情報記録媒体、その情報記録方法、その情報消去方法
JPH06187662A (ja) 光記録媒体
JP2003123311A (ja) 光学記録媒体およびその製造方法と記録再生方法
US7033659B2 (en) Optical information recording medium and method of recording and reproducing information on and from optical information recording medium
KR101017004B1 (ko) 광기록 매체 및 그 제조 방법
JP4266044B2 (ja) 情報記録媒体
JP2008097794A (ja) 片面2層光記録媒体
JP2002279707A (ja) 片面2層ディスクの作製方法、該2層ディスク及び記録再生装置
US20050073943A1 (en) Optical recording medium and method of manufacturing the same
JP3830938B2 (ja) 光情報記録媒体及び光情報記録媒体の情報記録再生方法
JPH1031844A (ja) 多層構造光情報媒体
JP2001273674A (ja) 光学情報記録媒体、その記録再生方法、その製造法及び光学情報記録再生装置
JP4116422B2 (ja) 光情報記録媒体及び光情報記録媒体の情報記録再生方法
JP2003006930A (ja) 光学記録媒体
JPH10293942A (ja) 光学情報記録媒体および光学情報記録再生消去方法
US7986611B1 (en) High-density optical recording media and method for making same
KR100266219B1 (ko) 상변화 광기록매체와 그 제조방법
JP2006318645A (ja) 情報記録媒体