JP2002090448A - レーダ装置および位置速度推定方法 - Google Patents

レーダ装置および位置速度推定方法

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JP2002090448A
JP2002090448A JP2000287036A JP2000287036A JP2002090448A JP 2002090448 A JP2002090448 A JP 2002090448A JP 2000287036 A JP2000287036 A JP 2000287036A JP 2000287036 A JP2000287036 A JP 2000287036A JP 2002090448 A JP2002090448 A JP 2002090448A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遠近に拘わらずターゲットの距離と速度をよ
り正確に推定する。 【解決手段】 上りフェーズと下りフェーズとを有する
よう周波数変調された高周波信号のターゲット10から
の反射信号を異なる位置に配置された二つの受信アンテ
ナ26a,26bで受信し、ビート信号を周波数分析し
て得られる各々の上りフェーズのエコーと下りフェーズ
のエコーとによりターゲット10の方位を検出する。各
フェーズのエコーのうち周波数の高い方のエコーを用い
て検出された方位に対して周波数の低い方のエコーを用
いて検出された方位が許容範囲内にないときに周波数の
低い方のエコーが検出周波数範囲の下限で折り返された
ものと判定し、そのエコーの周波数に−1を乗じて補正
し、これを用いて距離と相対速度とを演算する。この結
果、ターゲットが近傍に位置するときにエコーの折り返
しに基づいて生じる誤検出を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーダ装置および
位置速度推定方法に関し、詳しくは、ターゲットからの
反射信号に基づいてターゲットの位置または速度を検出
するレーダ装置および周波数変調された送信信号のター
ゲットからの反射信号に基づいてターゲットの位置また
は速度を推定する位置速度推定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のレーダ装置としては、遠
方のターゲットに対してFM−CWレーダを用いると共
に近傍のターゲットに対して位相差レーダを用いるもの
が提案されている(例えば、特開平8−170985号
公報など)。このレーダ装置では、遠方のターゲットの
位置と速度を検出する際にはFM−CWレーダを用いて
検出し、近傍のターゲットの位置と速度を検出する際に
はFM−CWレーダから位相差レーダに切り換えて検出
している。ターゲットとの相対速度はターゲットが近傍
に位置するときに比して遠方に位置するときの方が大き
い場合が多いことから、FM−CWレーダ装置は相対速
度の大きなターゲットの位置と速度をも検出するよう設
計されることが多い。こうした設計のFM−CWレーダ
装置で近傍のターゲットを検出しようとすると、検出さ
れる周波数領域では、受信信号に含まれる直流成分のた
めに、そのサイドローブの影響を受けて検出が困難にな
る。上述のレーダ装置は、こうした問題を近傍のターゲ
ットに対しては位相差レーダを用いることにより解決し
ようとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
たレーダ装置では、FM−CWレーダと位相差レーダと
を備える必要があり、装置が複雑化すると共に大型化し
てしまう。そのため、前述の問題を他の手法により解決
し、FM−CWレーダだけで近傍から遠方までのターゲ
ットに対応できる別の手法が望まれていた。また、FM
−CWレーダでは、直流成分のサイドローブの影響の他
に、検出されたエコーが反射信号を受信する際のサンプ
リング周期により定まるエコー検出周波数範囲を超える
ために、物理現象としてはエコー検出周波数範囲の上限
で折り返されて検出され、この折り返されたエコーに基
づいた推定によって誤りが生じるという問題があった。
【0004】本発明のレーダ装置および位置速度推定方
法は、ターゲットの遠近に拘わらず、ターゲットの位置
と速度をより正確に推定することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明のレーダ装置および位置速度推定方法は、上述の目
的を達成するために以下の手段を採った。
【0006】本発明のレーダ装置は、ターゲットからの
反射信号に基づいて該ターゲットの位置または速度を検
出するレーダ装置であって、周波数変調された送信信号
を前記ターゲットに送信する送信手段と、前記ターゲッ
トからの反射信号を受信アンテナを用いて受信する反射
信号受信手段と、該反射信号受信手段により受信した反
射信号を周波数分析して前記ターゲットにより生じるエ
コーを検出するエコー検出手段と、該検出されたエコー
のうちいずれかが検出周波数範囲の上下限で折り返され
ているかを判定する折り返し判定手段と、該判定結果と
前記検出されたエコーとに基づいて前記ターゲットの位
置または速度を推定する位置速度推定手段とを備えるこ
とを要旨とする。
【0007】この本発明のレーダ装置では、折り返し判
定手段を用いて検出されたエコーが検出周波数範囲の上
下限で折り返されているかを判定し、その判定結果に基
づいてターゲットの位置や速度を推定するから、ターゲ
ットのより適正な位置や速度を推定することができる。
ここで、「ターゲットの位置」にはターゲットとの距離
の概念も含まれ、「ターゲットの速度」にはターゲット
の相対速度も含まれる。また、エコーの折り返しの判定
は、エコーの位相を検出できる装置を用いて時間の経過
と共に変化する位相の変化方向を検出し、これが異なる
ことを利用すれば実現できる。
【0008】こうした本発明のレーダ装置において、前
記反射信号受信手段は前記ターゲットからの反射信号を
異なる複数の位置で受信アンテナを用いて受信する手段
であり、前記エコー検出手段は前記異なる位置毎に受信
した反射信号を周波数分析して該異なる位置毎に前記タ
ーゲットにより生じるエコーを検出する手段であり、前
記折り返し判定手段は前記検出された異なる位置のエコ
ーに基づいて前記ターゲットの方位を推定することによ
りエコーの折り返しを判定する手段であるものとするこ
ともできる。
【0009】このターゲットからの反射信号を異なる複
数の位置に配置された受信アンテナを用いて受信する態
様の本発明のレーダ装置において、前記折り返し判定手
段は、前記ターゲットの方位を検出する方位検出手段
と、前記検出された異なる位置のエコーに基づいて前記
ターゲットの方位を推定する方位推定手段とを備え、該
推定された方位と前記検出された方位とが許容範囲内に
ないときに該推定された方位の推定に用いたエコーが前
記検出周波数範囲の上下限で折り返されていると判定す
る手段であるものとすることもできる。ターゲットの方
位を検出する方位検出手段により検出された方位を用い
て折り返しの判定をするから、より容易かつ適正に折り
返しを判定することができる。
【0010】また、ターゲットからの反射信号を異なる
複数の位置に配置された受信アンテナを用いて受信する
態様の本発明のレーダ装置において、前記送信手段は時
間当たりの周波数変化量が同じで増減が異なる2つのフ
ェーズを少なくとも有する周波数変調された送信信号を
送信する手段であり、前記折り返し判定手段は、前記検
出された異なる位置の各フェーズのエコーに基づいて各
々前記ターゲットの方位を推定する方位推定手段を備
え、該推定された各々の方位が許容範囲内にないときに
周波数の低い方のエコーが前記検出周波数範囲の下限で
折り返されていると判定する手段であるものとすること
もできる。レーダ装置では、エコーの検出周波数範囲は
反射信号を受信する際のサンプリング周期により定まる
から、サンプリング周期を調節することによりエコーの
検出周波数範囲をある程度設定することができる。した
がって、対象となるターゲットの位置と速度に対して検
出周波数範囲の上限が十分に高くなるようサンプリング
周期を設計することもできる。この場合には、周波数の
高い方のエコーの検出周波数範囲の上限での折り返しは
ないと考えることができるから、周波数の低い方のエコ
ーの検出周波数範囲の下限での折り返しを判定すればよ
いことになる。周波数の高い方のエコーは検出周波数範
囲の上限での折り返しはないと考えることができるか
ら、これにより推定されるターゲットの方位は正しい方
位と考えることができる。したがって、この方位と周波
数の低い方のエコーにより推定される方位とを比較すれ
ば、周波数の低い方のエコーが検出周波数範囲の下限で
折り返されたものであるか否かを判定することができ
る。
【0011】あるいは、ターゲットからの反射信号を異
なる複数の位置に配置された受信アンテナを用いて受信
する態様の本発明のレーダ装置において、前記送信手段
は時間当たりの周波数変化量が同じで増減が異なる2つ
のフェーズを少なくとも有する周波数変調された送信信
号を送信する手段であり、前記折り返し判定手段は、前
記検出された異なる位置の各フェーズのエコーに基づい
て各々前記ターゲットの方位を推定する方位推定手段を
備え、該推定された各々の方位が許容範囲内にないとき
に周波数の高い方のエコーが前記検出周波数範囲の上限
で折り返されていると判定する手段であるものとするこ
ともできる。前述の対象となるターゲットの位置と速度
に対して検出周波数範囲の上限が十分に高くなるようサ
ンプリング周期を設計するものとは逆に、対象となるタ
ーゲットの位置と速度に対して検出周波数範囲の下限が
十分に低くなるようサンプリング周期を設計することも
できる。この場合には、周波数の低い方のエコーの検出
周波数範囲の下限での折り返しはないと考えることがで
きるから、周波数の高い方のエコーの検出周波数範囲の
上限での折り返しを判定すればよく、周波数の低い方の
エコーにより推定されるターゲットの方位を正しい方位
としてこの方位と周波数の高い方のエコーにより推定さ
れる方位とを比較して、周波数の高い方のエコーが検出
周波数範囲の上限で折り返されたものであるか否かを判
定することができる。
【0012】また、ターゲットからの反射信号を異なる
複数の位置に配置された受信アンテナを用いて受信する
態様の本発明のレーダ装置において、前記位置速度推定
手段は、前記折り返し判定手段により前記検出周波数範
囲の上下限で折り返されていると判定されたとき、該判
定に係るエコーの周波数を折り返されていない周波数に
補正すると共に該周波数を補正したエコーに基づいて前
記ターゲットの位置または速度を推定する手段であるも
のとすることもできる。補正された周波数のエコーを用
いるから、より正確にターゲットの位置と速度を推定す
ることができる。
【0013】さらに、ターゲットからの反射信号を異な
る複数の位置に配置された受信アンテナを用いて受信す
る態様の本発明のレーダ装置において、前記送信手段
は、送信信号の掃引周期を変更可能な手段であるものと
することもできる。送信信号の掃引周波数を変更するこ
とにより、ターゲットに対する直流成分のサイドローブ
の影響が異なるから、エコーの検出の際に直流成分のサ
イドローブの影響を軽減することができる。この結果、
より正確にターゲットの位置と速度とを推定することが
できる。この態様の本発明のレーダ装置において、前記
送信手段は第1の掃引周期の送信信号と該第1の掃引周
期より大きな第2の掃引周期の送信信号とを切り換えて
送信可能な手段であり、比較的遠方のターゲットを探索
するときには前記第1の掃引周期の送信信号を送信する
と共に比較的近傍のターゲットを探索するときには前記
第2の掃引周期の送信信号を送信するよう前記送信手段
による送信を切り換える送信切換手段を備えるものとす
ることもできる。こうすれば、遠方のターゲットでも近
傍のターゲットでもより正確にその位置や速度を推定す
ることができる。
【0014】本発明の位置速度推定方法は、ターゲット
の位置または速度を推定する位置速度推定方法であっ
て、(a)周波数変調された送信信号を前記ターゲット
に送信し、(b)前記ターゲットからの反射信号を受信
アンテナを用いて受信し、(c)該受信した反射信号を
周波数分析して前記ターゲットにより生じるエコーを検
出し、(d)該検出されたエコーが検出周波数範囲の上
下限で折り返されているかを判定し、(e)該折り返し
が判定されたとき、前記エコーの周波数を折り返されて
いない周波数に補正し、(f)該周波数の補正されたエ
コーまたは前記検出されたエコーに基づいて前記ターゲ
ットの位置または速度を推定することを要旨とする。
【0015】この本発明の位置速度推定方法によれば、
検出周波数範囲の上下限で折り返されたエコーについて
は折り返されていない周波数に補正し、この周波数が補
正されたエコーに基づいてターゲットの位置や速度を推
定するから、ターゲットのより適正な位置や速度を推定
することができる。ここで、「ターゲットの位置」には
ターゲットとの距離の概念も含まれ、「ターゲットの速
度」にはターゲットの相対速度も含まれる。
【0016】こうした本発明の位置速度推定方法におい
て、前記ステップ(b)は、前記ターゲットからの反射
信号を異なる複数の位置で受信アンテナを用いて受信す
るステップであり、前記ステップ(c)は、前記異なる
位置毎に受信した反射信号を周波数分析して該異なる位
置毎に前記ターゲットにより生じるエコーを検出するス
テップであり、前記ステップ(d)は、前記検出された
異なる位置のエコーに基づいて前記ターゲットの方位を
推定することによりエコーの折り返しを判定するステッ
プであるものとすることもできる。
【0017】このターゲットからの反射信号を異なる複
数の位置に配置された受信アンテナを用いて受信する態
様の本発明の位置速度推定方法において、前記ステップ
(d)は、前記ターゲットの方位を検出し、前記検出さ
れた異なる位置のエコーに基づいて前記ターゲットの方
位を推定し、該推定された方位と前記検出された方位と
が許容範囲内にないときに該推定された方位の推定に用
いたエコーが前記検出周波数範囲の上下限で折り返され
ていると判定するステップであるものとすることもでき
る。検出されたターゲットの方位を用いて折り返しの判
定をするから、より容易かつ適正に折り返しを判定する
ことができる。
【0018】また、ターゲットからの反射信号を異なる
複数の位置に配置された受信アンテナを用いて受信する
態様の本発明の位置速度推定方法において、前記ステッ
プ(a)は時間当たりの周波数変化量が同じで増減が異
なる2つのフェーズを少なくとも有する周波数変調され
た送信信号を送信するステップであり、前記ステップ
(d)は前記検出された異なる位置の各フェーズのエコ
ーに基づいて各々前記ターゲットの方位を推定し、該推
定された各々の方位が許容範囲内にないときに周波数の
低い方のエコーが前記検出周波数範囲の下限で折り返さ
れていると判定するステップであるものとすることもで
きる。対象となるターゲットの位置と速度に対して検出
周波数範囲の上限が十分に高くなるようサンプリング周
期が設計された場合、周波数の高い方のエコーの検出周
波数範囲の上限での折り返しはないと考えられるから、
周波数の高い方のエコーにより推定されるターゲットの
方位を正しい方位としてこの方位と周波数の低い方のエ
コーにより推定される方位とを比較することにより、周
波数の低い方のエコーが検出周波数範囲の下限で折り返
されたものであるか否かを判定することができる。
【0019】あるいは、ターゲットからの反射信号を異
なる複数の位置に配置された受信アンテナを用いて受信
する態様の本発明の位置速度推定方法において、前記ス
テップ(a)は時間当たりの周波数変化量が同じで増減
が異なる2つのフェーズを少なくとも有する周波数変調
された送信信号を送信するステップであり、前記ステッ
プ(d)は、前記検出された異なる位置の各フェーズの
エコーに基づいて各々前記ターゲットの方位を推定し、
該推定された各々の方位が許容範囲内にないときに周波
数の高い方のエコーが前記検出周波数範囲の上限で折り
返されていると判定するステップであるものとすること
もできる。対象となるターゲットの位置と速度に対して
検出周波数範囲の下限が十分に高くなるようサンプリン
グ周期が設計された場合、周波数の低い方のエコーの検
出周波数範囲の下限での折り返しはないと考えられるか
ら、周波数の低い方のエコーにより推定されるターゲッ
トの方位を正しい方位としてこの方位と周波数の高い方
のエコーにより推定される方位とを比較することによ
り、周波数の高い方のエコーが検出周波数範囲の上限で
折り返されたものであるか否かを判定することができ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例を用いて説明する。図1は、本発明の一実施例である
FM−CWレーダ装置20の構成の概略を示す構成図で
ある。実施例のFM−CWレーダ装置20は、図示する
ように、供給された電圧振幅の三角波による周波数変調
により、時間当たりの周波数変化量が同じで増減が異な
る上りフェーズと下りフェーズを有する高周波信号を発
生する電圧制御発振器22と、この高周波信号を送信す
る送信アンテナ24と、車両の前方に各々配置されター
ゲット10からの反射信号を受信する左右二つの受信ア
ンテナ26a,26bと、受信アンテナ26a,26b
により各々受信された反射信号と電圧制御発振器22か
らの高周波信号とを受けて反射信号の周波数と高周波信
号の周波数との差の周波数成分を持つ左右のビート信号
を得るミキサ28a,28bと、左右のビート信号の供
給を受けてターゲット10との距離と相対速度を推定す
る信号処理装置30とを備える。なお、受信アンテナ2
6a,26bは、同じアンテナを機械的に移動させて実
現してもよい。
【0021】信号処理装置30は、左右のビート信号を
周波数分析する周波数分析部32a,32bと、周波数
分析の結果に基づいて左右の上りフェーズおよび下りフ
ェーズのエコーを検出するエコー検出部34a,34b
と、左右の同一フェーズのエコーを用いてターゲット1
0の方位を検出する方位検出部36と、検出されたター
ゲット10の方位に基づいて周波数の低い方のエコーが
折り返しによるものであるかを判定すると共に折り返し
と判定されたときには判定に係るエコーの周波数を折り
返されていない周波数に補正する折り返し判定補正部3
8と、検出されたエコーと補正されたエコーとに基づい
てターゲット10の距離と速度と方位を演算する距離・
速度・方位演算部40とを備える。
【0022】周波数分析部32a,32bは、実施例で
は左右のビート信号を複素FFT(高速フーリエ変換)
により周波数分析を行ない適当な周波数間隔(周波数b
in)毎に複素振幅(電圧)を求めるものとした。周波
数分析の結果の一例を図2に示す。図2(a)は左の受
信アンテナ26aにより受信された反射信号に対するビ
ート信号を周波数分析したものであり、図2(b)は右
の受信アンテナ26bにより受信された反射信号に対す
るビート信号を周波数分析したものである。
【0023】エコー検出部34a,34bでは、周波数
分析の結果のピークをエコーとして検出する。図2の周
波数分析結果では、上りフェーズのピークの周波数fb
uと下りフェーズの周波数fbdが相当する。なお、図
2では、上りフェーズが下りフェーズより高い周波数と
なっているのは、ターゲット10が相対的に遠ざかって
いることを表わしている。
【0024】方位検出部36は、左右の同一フェーズの
エコーを用いて、即ち左右の上りフェーズのエコーおよ
び左右の下りフェーズのエコーをそれぞれ用いてターゲ
ット10の方位を次式(1)により演算する。式中、θ
は方位角、λは受信した反射波の波長、Lは左右の受信
アンテナ26a,26bの距離、Δφは受信アンテナ2
6a,26bにより受信した反射波の位相差である。
【0025】
【数1】
【0026】折り返し判定補正部38では、上りフェー
ズと下りフェーズのうち周波数の高い方のフェーズのエ
コーを用いて演算された方位を正しい方位として周波数
の低い方のフェーズのエコーを用いて演算された方位が
許容範囲内で正しいとした方位と一致するか否かによ
り、周波数の低い方のフェーズのエコーがその検出周波
数範囲の下限で折り返されているか否かを判定する。実
施例のFM−CWレーダ装置20では、受信アンテナ2
6a,26bによる受信の際のサンプリング周期がター
ゲット10の距離と速度とに対してエコーの検出周波数
範囲の上限が十分に高くなるよう設計されている。この
ため、対象となる範囲内の距離と速度のターゲット10
に対してはエコーの検出周波数範囲の上限による折り返
しはなく、エコーの検出周波数範囲の下限による折り返
しだけを判定すればよい。図2の周波数分析結果では、
上りフェーズのエコーはその検出周波数範囲の上限によ
る折り返しではなく、下りフェーズのエコーがその検出
周波数範囲の下限による折り返しであるか否かを判定す
る対象となる。折り返し判定補正部38では、周波数の
低い方のエコーがその検出周波数範囲の下限による折り
返しと判定されたときには、判定されたエコーの周波数
にマイナス1を乗じてエコーの検出周波数範囲の下限で
折り返されていない周波数に補正する。例えば、図2の
周波数分析結果による下りフェーズのエコーがエコーの
検出周波数範囲の下限による折り返しと判定されたとき
には、周波数fbdにマイナス1を乗じた「−fbd」
を下りフェーズのエコーの周波数とするのである。こう
した処理により正しい周波数に補正できるのは次の理由
による。
【0027】距離Rで静止したターゲット10のエコー
が周波数frで得られるものとし、相対速度vのターゲ
ット10で生じるドップラ周波数をfdとすると、距離
Rに存在するターゲット10では、上りフェーズのエコ
ーは周波数fbu=fr+fdで検出され、下りフェー
ズのエコーは周波数fbd=fr−fdで検出される。
こうした上りフェーズのエコーの周波数fbuと下りフ
ェーズのエコーの周波数fbdを用いると、距離Rに対
する周波数frと相対速度vに対する周波数fdは、次
式(2)および式(3)により求めることができる。
【0028】fr=(fbu+fbd)/2 (2) fd=(fbu−fbd)/2 (3)
【0029】いま、図2における下りフェーズのエコー
がその検出周波数範囲の下限で折り返されたものとする
と、検出された下りフェーズのエコーの周波数fbdは
周波数軸上での折り返しにより本来fbd=fr−fd
となるものがfbd=fd−frとして検出される。し
たがって、エコーの検出周波数範囲の下限で折り返され
たものと判定されたときにマイナス1を乗じることによ
り折り返される前の本来の周波数とすることができる。
この関係を図3に例示する。なお、図3に示された実際
に検出された下りフェーズのエコーの周波数を上述の式
(2)および式(3)に代入すると、距離Rに対する周
波数fr=fdとなり、相対速度vに対する周波数fd
=frとなって、距離と速度の情報が入れ替わるのが解
る。これでは、ターゲット10の距離と速度を正確に推
定することができない。
【0030】距離・速度・方位演算部40では、検出さ
れたエコーと補正されたエコーの周波数fbu,fbd
から上述の式(2)および式(3)を用いて距離Rに対
する周波数frと相対速度vに対する周波数fdとを演
算し、演算した周波数fr,fdを用いて周知の式によ
りターゲット10との距離Rおよび相対速度vを演算す
る。なお、方位については上述の式(1)により演算す
る。
【0031】次に、こうして構成された実施例のFM−
CWレーダ装置20でターゲット10の距離と相対速度
とが正しく検出される様子について説明する。ターゲッ
ト10を、図4に示すように、range方向に向けら
れた実施例のFM−CWレーダ装置20に対して側方か
らrange方向に沿って一定速度で移動させる状況を
設定し、実施例のFM−CWレーダ装置20によりター
ゲット10の距離と速度を検出する。このときにエコー
検出部34a,34bで検出される各フェーズのエコー
の周波数と方位検出部36で各フェーズのエコーを用い
て演算される方位とを図5に示す。ターゲット10がレ
ーダから遠ざかっているから、上りフェーズのエコーの
周波数の方が下りフェーズのエコーの周波数より高くな
っている。ターゲット10が近くに位置するときには、
ターゲット10が遠ざかっているにも拘わらず下りフェ
ーズのエコーの周波数は低くなっていることから、検出
されている下りフェーズのエコーがその検出周波数範囲
の下限で折り返されているのが解る。このため、下りフ
ェーズのエコーを用いて演算された方位は、上りフェー
ズのエコーを用いて演算された方位と符号が反転したも
のとなっている。したがって、上りフェーズのエコーを
用いて演算された方位と下りフェーズのエコーを用いて
演算された方位とを比較することにより周波数の低い方
のエコー(下りフェーズのエコー)がエコーの検出周波
数範囲の下限で折り返されているか否かを判定すること
ができる。時間t1以降ではエコーの検出周波数範囲の
下限で折り返されていた下りフェーズのエコーは周波数
が検出周波数範囲になるから、下りフェーズのエコーの
周波数は上りフェーズのエコーの周波数と同様にターゲ
ット10が遠ざかっていくにしたがって高くなる。下り
フェーズのエコーを用いて演算される方位は、時間t1
で正転し、上りフェーズのエコーを用いて演算される方
位と同一となる。
【0032】以上説明した実施例のFM−CWレーダ装
置20によれば、上りフェーズと下りフェーズのうち周
波数の低い方のフェーズのエコーを用いて演算された方
位が周波数の高い方のフェーズのエコーを用いて演算さ
れた方位の許容範囲内にあるか否かにより、周波数の低
い方のフェーズのエコーがその検出周波数範囲の下限で
折り返されているか否かを判定することができる。ま
た、実施例のFM−CWレーダ装置20によれば、周波
数の低い方のエコーがその検出周波数範囲の下限で折り
返されているときには折り返されていない本来の周波数
に補正することにより、ターゲット10の距離と相対速
度とを正確に推定することができる。
【0033】実施例のFM−CWレーダ装置20では、
受信アンテナ26a,26bによる受信の際のサンプリ
ング周期がターゲット10の距離と速度とに対してエコ
ーの検出周波数範囲の上限が十分に高くなるよう設計
し、対象となる範囲内の距離と速度のターゲット10に
対してはエコーの検出周波数範囲の上限による折り返し
がないようにして、周波数の低い方のエコーの検出周波
数範囲の下限による折り返しだけを判定するものとした
が、受信アンテナ26a,26bによる受信の際のサン
プリング周期がターゲット10の距離と速度とに対して
エコーの検出周波数範囲の下限が十分に低くなるよう設
計し、対象となる範囲内の距離と速度のターゲット10
に対してはエコーの検出周波数範囲の下限による折り返
しがないようにして、周波数の高い方のエコーの検出周
波数範囲の上限による折り返しだけを判定するものとし
てもよい。この場合、エコーの検出周波数範囲の上限に
よる折り返しが判定されたときにはエコーの周波数にマ
イナス1を乗じてエコーの検出周波数範囲の上限で折り
返されていない周波数に補正すればよい。
【0034】実施例のFM−CWレーダ装置20では、
受信アンテナ26a,26bによる受信の際のサンプリ
ング周期がターゲット10の距離と速度とに対してエコ
ーの検出周波数範囲の上限が十分に高くなるよう設計
し、対象となる範囲内の距離と速度のターゲット10に
対してはエコーの検出周波数範囲の上限による折り返し
がないようにして、周波数の低い方のエコーの検出周波
数範囲の下限による折り返しだけを判定するものとした
が、図6の変形例のFM−CWレーダ装置20Bに示す
ように、ターゲット10の方位を検出する方位検出装置
37を設け、折り返し判定補正部38Bをこの方位検出
装置37により検出された方位と方位検出部36により
演算される各フェーズの方位とを比較することにより、
いずれかのフェーズのエコーが検出周波数範囲の上下限
で折り返されていないかを判定するものとしてもよい。
方位検出装置として、指向性ビームを向けてターゲット
の方位を確認できる電波レーダやレーザレーダ,超音波
レーダなどの各種レーダを用いるものとしたり、画像に
よる検出なども利用することができる。
【0035】次に、本発明の第2実施例としてのFM−
CWレーダ装置20Cについて説明する。図7は、第2
実施例のFM−CWレーダ装置20Cの構成の概略を示
す構成図である。第2実施例のFM−CWレーダ装置2
0Cは、図示するように、第1実施例のFM−CWレー
ダ装置20と同一の構成に、短い周期の三角波を出力す
る遠方領域探索用電圧発生器42と、遠方領域探索用電
圧発生器42から出力される三角波と振幅は同じだが長
い周期の三角波を出力する近傍領域探索用電圧発生器4
4と、遠方領域探索用電圧発生器42と電圧制御発振器
22とを接続するか近傍領域探索用電圧発生器44と電
圧制御発振器22とを接続するかを選択的に切り替える
モード切替器46とを備える。なお、第2実施例のFM
−CWレーダ装置20Cの構成のうち第1実施例のFM
−CWレーダ装置20の構成と同一の構成については同
一の符号を付し、その説明は省略する。第2実施例のF
M−CWレーダ装置20Cでは、モード切替器46の切
り替えにより、電圧制御発振器22から遠方領域探索用
電圧発生器42または近傍領域探索用電圧発生器44か
らの長短の周期の三角波により周波数変調された上りフ
ェーズと下りフェーズを有する高周波信号が出力され
る。
【0036】いま、遠方領域探索用電圧発生器42およ
び近傍領域探索用電圧発生器44から出力された三角波
により周波数変調された高周波信号を用いてターゲット
10の距離Rと相対速度vとを検出することを考える。
図8に例示するように、遠方探索モードと近傍探索モー
ドとにおいて送信アンテナ24から送信される周波数変
調された高周波信号の遷移周波数をΔf、掃引周期をT
c1,Tc2、距離Rに対する周波数をfr1,fr
2、相対速度vに対する周波数fd1,fd2とする
と、距離Rに対する周波数fr1,fr2は次式(4)
および式(5)により計算され、各モードの周波数に対
する最小分解能fmin1,fmin2は式(6)およ
び(7)により計算され、各モードの距離Rに対する最
小分解能Rmin1,Rmin2は式(8)および式
(9)により計算される。なお式中、cは光速である。
【0037】 fr1=(2R・Δf)/(Tc1・c) (4) fr2=(2R・Δf)/(Tc2・c) (5) fmin1=1/Tc1 (6) fmin2=1/Tc2 (7) Rmin1=c/(2・Δf) (8) Rmin2=c/(2・Δf) (9)
【0038】いま、近傍探索モードの掃引周期Tc2は
遠方探索モードの掃引周期Tc1より大きいから、周波
数の最小分解能については式(6)および式(7)から
fmin1>fmin2の関係となることから、周波数
に関して言えば、近傍探索モードの方が遠方探索モード
より直流成分のサイドローブの影響を軽減することがで
きる。一方、距離の最小分解能は式(8)および式
(9)からRmin1=Rmin2と同一となるから、
距離に対しては遠方探索モードと近傍探索モードとのい
ずれのモードを用いて同じ距離に位置するターゲット1
0の距離を検出しても同一の結果、即ち直流成分のサイ
ドローブによる影響は同一となる。
【0039】ここで、ターゲット10が相対速度vで移
動しているものとし、送信アンテナ24からの送信信号
の中心周波数をfcとすると、各モードにおけるドップ
ラ周波数fd1,fd2は次式(10)および式(1
1)により計算され、fd1=fd2となることから、
掃引周期による影響は受けないのが解る。
【0040】 fd1=(2v・fc)/(c+v)(10) fd2=(2v・fc)/(c+v)(11)
【0041】各モードで得られるエコーの周波数f1,
f2は、それぞれ距離Rに対する周波数fr1,fr2
とドップラ周波数fd1,fd2の和であり、周波数の
最小分解能についてはfmin1>fmin2であるか
ら、ドップラ周波数fd1,fd2が同じなら近傍探索
モードの方が遠方探索モードより直流成分のサイドロー
ブによる影響を軽減した状態でエコーを検出できること
になる。この関係の一例を図9に示す。近傍探索モード
では、ドップラ周波数fdが負の値のときには、fr+
fdも負の値となって検出されるエコーとしてはエコー
の検出周波数範囲の下限により折り返されたものとなる
ことが多くなるが、この場合についての処理については
第1実施例で用いた手法により対応することができる。
【0042】なお、第2実施例のFM−CWレーダ装置
20Cでは、モード切替器46による切り替えは、車両
の運転席近傍に配置された探索切替スイッチが操作され
ることにより行なうものとしたが、遠方探索モードと近
傍探索モードとを所定時間毎に切り替えるものとした
り、遠方探索モードによりターゲット10の距離が所定
範囲内になったときに近傍探索モードに切り替えるもの
としてもよい。
【0043】以上説明した第2実施例のFM−CWレー
ダ装置20Cによれば、掃引周期の異なる送信信号を切
り替えて送信することにより、ターゲット10の位置が
遠方であっても近傍であっても、より高い精度で距離と
相対速度とを検出することができる。
【0044】第2実施例のFM−CWレーダ装置20C
では、異なる二つの掃引周期の送信信号を用いて遠方探
索モードと近傍探索モードの二つのモードによりターゲ
ット10の距離と相対速度を検出するものとしたが、三
つ以上の掃引周期の送信信号を用いて三つ以上のモード
によりターゲット10の距離と相対速度を検出するもの
としてもよい。
【0045】以上、本発明の実施の形態について実施例
を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例であるFM−CWレーダ装
置20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】 周波数分析部32a,32bによる周波数分
析の結果の一例を示す説明図である。
【図3】 エコーの折り返しを説明する説明図である。
【図4】 ターゲット10の移動を説明する説明図であ
る。
【図5】 エコー検出部34a,34bで検出される各
フェーズのエコーの周波数と方位検出部36で各フェー
ズのエコーを用いて演算される方位の一例を示す説明図
である。
【図6】 変形例のFM−CWレーダ装置20Bの構成
の概略を示す構成図である。
【図7】 第2実施例のFM−CWレーダ装置20Cの
構成の概略を示す構成図である。
【図8】 異なる二つの掃引周期の送信信号を説明する
説明図である。
【図9】 直流成分のサイドローブとこの影響を受ける
エコーの関係を例示する説明図である。
【符号の説明】
20,20B,20C FM−CWレーダ装置、22
電圧制御発振器、24送信アンテナ、26a,26b
受信アンテナ、28a,28b ミキサ、30,30B
信号処理装置、32a,32b 周波数分析部、34
a,34bエコー検出部、36 方位検出部、37 方
位検出装置、38,38B 折り返し判定補正部、40
距離・速度・方位演算部、42 遠方領域探索用電圧
発生器、44 近傍領域探索用電圧発生器、46 モー
ド切替器。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ターゲットからの反射信号に基づいて該
    ターゲットの位置または速度を検出するレーダ装置であ
    って、 周波数変調された送信信号を前記ターゲットに送信する
    送信手段と、 前記ターゲットからの反射信号を受信アンテナを用いて
    受信する反射信号受信手段と、 該反射信号受信手段により受信した反射信号を周波数分
    析して前記ターゲットにより生じるエコーを検出するエ
    コー検出手段と、 該検出されたエコーのうちいずれかが検出周波数範囲の
    上下限で折り返されているかを判定する折り返し判定手
    段と、 該判定結果と前記検出されたエコーとに基づいて前記タ
    ーゲットの位置または速度を推定する位置速度推定手段
    とを備えるレーダ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のレーダ装置であって、 前記反射信号受信手段は、前記ターゲットからの反射信
    号を異なる複数の位置で受信アンテナを用いて受信する
    手段であり、 前記エコー検出手段は、前記異なる位置毎に受信した反
    射信号を周波数分析して該異なる位置毎に前記ターゲッ
    トにより生じるエコーを検出する手段であり、 前記折り返し判定手段は、前記検出された異なる位置の
    エコーに基づいて前記ターゲットの方位を推定すること
    によりエコーの折り返しを判定する手段であるレーダ装
    置。
  3. 【請求項3】 前記折り返し判定手段は、前記ターゲッ
    トの方位を検出する方位検出手段と、前記検出された異
    なる位置のエコーに基づいて前記ターゲットの方位を推
    定する方位推定手段とを備え、該推定された方位と前記
    検出された方位とが許容範囲内にないときに該推定され
    た方位の推定に用いたエコーが前記検出周波数範囲の上
    下限で折り返されていると判定する手段である請求項2
    記載のレーダ装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のレーダ装置であって、 前記送信手段は、時間当たりの周波数変化量が同じで増
    減が異なる2つのフェーズを少なくとも有する周波数変
    調された送信信号を送信する手段であり、 前記折り返し判定手段は、前記検出された異なる位置の
    各フェーズのエコーに基づいて各々前記ターゲットの方
    位を推定する方位推定手段を備え、該推定された各々の
    方位が許容範囲内にないときに周波数の低い方のエコー
    が前記検出周波数範囲の下限で折り返されていると判定
    する手段であるレーダ装置。
  5. 【請求項5】 請求項2記載のレーダ装置であって、 前記送信手段は、時間当たりの周波数変化量が同じで増
    減が異なる2つのフェーズを少なくとも有する周波数変
    調された送信信号を送信する手段であり、 前記折り返し判定手段は、前記検出された異なる位置の
    各フェーズのエコーに基づいて各々前記ターゲットの方
    位を推定する方位推定手段を備え、該推定された各々の
    方位が許容範囲内にないときに周波数の高い方のエコー
    が前記検出周波数範囲の上限で折り返されていると判定
    する手段であるレーダ装置。
  6. 【請求項6】 前記位置速度推定手段は、前記折り返し
    判定手段により前記検出周波数範囲の上下限で折り返さ
    れていると判定されたとき、該判定に係るエコーの周波
    数を折り返されていない周波数に補正すると共に該周波
    数を補正したエコーに基づいて前記ターゲットの位置ま
    たは速度を推定する手段である請求項1ないし5いずれ
    か記載のレーダ装置。
  7. 【請求項7】 前記送信手段は、送信信号の掃引周期を
    変更可能な手段である請求項1ないし6いずれか記載の
    レーダ装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のレーダ装置であって、 前記送信手段は、第1の掃引周期の送信信号と該第1の
    掃引周期より大きな第2の掃引周期の送信信号とを切り
    換えて送信可能な手段であり、 比較的遠方のターゲットを探索するときには前記第1の
    掃引周期の送信信号を送信すると共に比較的近傍のター
    ゲットを探索するときには前記第2の掃引周期の送信信
    号を送信するよう前記送信手段による送信を切り換える
    送信切換手段を備えるレーダ装置。
  9. 【請求項9】 ターゲットの位置または速度を推定する
    位置速度推定方法であって、(a)周波数変調された送
    信信号を前記ターゲットに送信し、(b)前記ターゲッ
    トからの反射信号を受信アンテナを用いて受信し、
    (c)該受信した反射信号を周波数分析して前記ターゲ
    ットにより生じるエコーを検出し、(d)該検出された
    エコーが検出周波数範囲の上下限で折り返されているか
    を判定し、(e)該折り返しが判定されたとき、前記エ
    コーの周波数を折り返されていない周波数に補正し、
    (f)該周波数の補正されたエコーまたは前記検出され
    たエコーに基づいて前記ターゲットの位置または速度を
    推定する位置速度推定方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の位置速度推定方法であ
    って、 前記ステップ(b)は、前記ターゲットからの反射信号
    を異なる複数の位置で受信アンテナを用いて受信するス
    テップであり、 前記ステップ(c)は、前記異なる位置毎に受信した反
    射信号を周波数分析して該異なる位置毎に前記ターゲッ
    トにより生じるエコーを検出するステップであり、 前記ステップ(d)は、前記検出された異なる位置のエ
    コーに基づいて前記ターゲットの方位を推定することに
    よりエコーの折り返しを判定するステップである位置速
    度推定方法。
  11. 【請求項11】 前記ステップ(d)は、前記ターゲッ
    トの方位を検出し、前記検出された異なる位置のエコー
    に基づいて前記ターゲットの方位を推定し、該推定され
    た方位と前記検出された方位とが許容範囲内にないとき
    に該推定された方位の推定に用いたエコーが前記検出周
    波数範囲の上下限で折り返されていると判定するステッ
    プである請求項10記載の位置速度推定方法。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の位置速度推定方法で
    あって、 前記ステップ(a)は、時間当たりの周波数変化量が同
    じで増減が異なる2つのフェーズを少なくとも有する周
    波数変調された送信信号を送信するステップであり、 前記ステップ(d)は、前記検出された異なる位置の各
    フェーズのエコーに基づいて各々前記ターゲットの方位
    を推定し、該推定された各々の方位が許容範囲内にない
    ときに周波数の低い方のエコーが前記検出周波数範囲の
    下限で折り返されていると判定するステップである位置
    速度推定方法。
  13. 【請求項13】 請求項10記載の位置速度推定方法で
    あって、 前記ステップ(a)は、時間当たりの周波数変化量が同
    じで増減が異なる2つのフェーズを少なくとも有する周
    波数変調された送信信号を送信するステップであり、 前記ステップ(d)は、前記検出された異なる位置の各
    フェーズのエコーに基づいて各々前記ターゲットの方位
    を推定し、該推定された各々の方位が許容範囲内にない
    ときに周波数の高い方のエコーが前記検出周波数範囲の
    上限で折り返されていると判定するステップである位置
    速度推定方法。
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