JPH11271433A - レーダ装置 - Google Patents

レーダ装置

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Publication number
JPH11271433A
JPH11271433A JP7872598A JP7872598A JPH11271433A JP H11271433 A JPH11271433 A JP H11271433A JP 7872598 A JP7872598 A JP 7872598A JP 7872598 A JP7872598 A JP 7872598A JP H11271433 A JPH11271433 A JP H11271433A
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JP
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phase
distance
speed
target
difference
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Application number
JP7872598A
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English (en)
Inventor
Koichi Asano
孔一 浅野
Shigeki Oshima
繁樹 大島
Tomoyasu Harada
知育 原田
Naoyuki Yamada
直之 山田
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Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ターゲットの距離、速度および方位の検出の
信頼性を向上する。 【解決手段】 送信アンテナ14は、周波数変調波を送
信する。ターゲットからの反射波は左右2チャネルの受
信アンテナ16a,16bで受信される。信号処理装置
20は、位相モノパルス方式にて左右の受信信号の位相
差に基づいてターゲットの方位を求める。方位検出は、
FMCW方式における上り、下りフェーズでそれぞれ行
われる。また信号処理装置20はFMCW方式でターゲ
ットの距離と速度を求める。距離と速度の検出は、左右
のチャネルの受信信号に基づいて個別に行われる。従っ
て、方位、距離、速度ともに1組の検出データが得られ
る。方位の差、距離の差、速度の差に基づき、これらの
差が小さい場合に、検出結果が有効と判定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、FMCW方式と位
相モノパルス方式を組み合わせてターゲットの距離、速
度および方位を検出するレーダ装置に関し、特に、検出
結果の有効性を的確に判定することにより信頼性の高い
検出を行うものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ターゲットの方位、距離、速
度を検出するために各種レーダが利用されている。例え
ば、道路における先行車両との相対方位、相対距離、相
対速度の検出にもレーダが用いられる。方位を検出する
レーダの1つとして、位相モノパルスレーダがある。ま
た、距離および速度を検出するレーダの1つとして、F
MCW(周波数変調連続波)レーダがある。
【0003】[位相モノパルスレーダ]位相モノパルス
レーダは、ターゲットからの反射波を複数の受信アンテ
ナで受信する。複数の受信アンテナは空間的に位置が異
なるので、同一のターゲットからの反射波の位相が受信
アンテナ間で異なる。この位相ずれを検出することでタ
ーゲットの方位を検出することができる。この位相モノ
パルスレーダは、基本的に送信アンテナ及び受信アンテ
ナを機械的に動かすことなく方位が検出できるというメ
リットがある。
【0004】図1を参照すると、ターゲットまでの距離
をR0、二つの受信アンテナの間隔をL、ターゲットの
方位をθとする。アンテナ1およびアンテナ2からター
ゲットまでの距離R1、R2は、
【数1】R1=R0+(L/2)sinθ R2=R0−(L/2)sinθ である。二つの受信アンテナの受信信号(波長:λ)の
位相差Δφは、
【数2】Δφ=(L/λ)・sinθ であり、従って、ターゲットの方位θは、
【数3】θ=sin-1{Δφ・(λ/L)} である。このようにして、受信信号の位相差からターゲ
ットの方位を求めることができる。
【0005】[FMCWレーダ]FMCWレーダは連続
波を用いるものであり、この連続波の送信信号にFM変
調を施している。図2は、FMCWレーダによる相対距
離及び相対速度検出の原理を示すものである。例えば、
送信波を三角波で周波数変調する。これによって、送信
波の周波数は増加減少を順次繰り返す。この送信波がレ
ーダから放射され、ターゲットで反射して受信される
と、送信波と受信波の周波数は、図2(上)に示すよう
な関係をもつ。ただし、ターゲットの相対速度が0の場
合である。ここで、伝搬遅延時間τは、送信波が受信さ
れるまでの時間である。そして、参照波(送信波)に基
づいて受信波を検波することにより、送信周波数と受信
周波数の差の周波数成分を持つビート信号(図2
(下))が得られる。さらに、このビート信号にFFT
などの周波数分析をほどこし、そのピークをターゲット
に対応した信号として抽出する。そして、そのピークの
周波数がピーク周波数としてターゲットの距離、速度の
検出に用いられる。なお、先に述べた位相モノパルス方
式では、同一のターゲットに対して複数の受信アンテナ
で得られたピークの位相差がターゲットの方位検出に用
いられる。
【0006】ターゲットまでの相対距離をR、光速をc
とするとτ=2R/cである。さらに、FMの繰り返し
周波数(図2における三角波の周波数)をfm、FMの
周波数偏移幅(参照波の周波数の変化幅)をΔfとする
と、ビート周波数frは、
【数4】fr=4R・fm・Δf/c で表される。従って、ビート信号からビート周波数fr
を求めれば、相対距離Rが決定される。
【0007】図3(上)は、ターゲットの相対速度が0
でない場合における、送信波と受信波の周波数の関係を
示している。ターゲットがレーダに対して相対速度を有
すると、ドップラ周波数fdだけ受信波の周波数が上ま
たは下にシフトする。図3(下)にはビート信号が示さ
れている。このビート信号は、送信波の周波数が増加し
ている上りフェーズ期間においては、相対速度0のター
ゲットのビート周波数frにドップラ周波数fdだけ加
算されたものになる。一方、送信波の周波数が減少して
いる下りフェーズ期間においては、ビート周波数frか
らドップラ周波数fdだけ減算されたものがビート信号
になる。従って、このビート信号の上りフェーズ期間及
び下りフェーズ期間の周波数からドップラシフトが求め
られ、これからターゲットの相対速度が求められる。
【0008】すなわち、上りフェーズ期間及び下りフェ
ーズ期間におけるビート信号の周波数fbu、fbd
は、
【数5】fbu=fr+fd fbd=fr−fd である。そこで、ビート信号から周波数fbu、fbd
を個別に求めれば、相対距離を表すビート周波数fr、
相対速度を表すドップラ周波数fdが求められる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のFMCWレーダ
および位相モノパルスレーダを組み合わせれば、ターゲ
ットの距離、速度および方位を求めることができる。特
に、単一のターゲットだけが存在するような極めて理想
的な環境では、単にFMCW方式および位相モノパルス
方式を組み合わせるだけで、ターゲットの距離、速度お
よび方位を正確に検出することができる。
【0010】しかしながら、実際のレーダ使用環境で
は、様々な物体からの反射波が合成されて受信されるの
で、単に両方式を組み合わせるだけでは信頼性の高いタ
ーゲットの距離、速度および方位の検出を実現すること
は困難である。
【0011】道路における先行車の検出を行う場合を考
えると、ターゲットたる先行車の反射波に基づいて、先
行車の距離、速度および方位を検出できる。この際、受
信波から先行車の反射波を抽出したり選別する必要があ
る。ところが、自動車レーダ使用環境では、複数の先行
車が存在し、さらに、先行車以外の樹木やガードレール
などの物体が存在する。そして、このような様々な物体
の反射波が合成されて受信される。そのため、同一ター
ゲットからの複数チャネルの反射波を正しく組み合わせ
たり、同一ターゲットからの上りフェーズ、下りフェー
ズの反射波を正しく組み合わせることが困難な場合もあ
る。このような場合に、本来は利用すべきでない不適正
な検出結果が得られてしまったことを確実に見分けられ
るようにすることが望まれる。
【0012】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、適正な検出結果が得られたか否かを
的確に判別でき、これにより信頼性の高い検出を行うこ
とができるレーダ装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】(1)本発明は、FMC
W方式と位相モノパルス方式を組み合わせてターゲット
の距離、速度および方位を検出するレーダ装置であっ
て、周波数の上昇期間たる上りフェーズおよび下降期間
たる下りフェーズを有する周波数変調波を送信する送信
部と、ターゲットからの反射波を複数チャネルで受信す
る受信部と、前記複数チャネルの受信波に基づいた位相
モノパルス方式でのターゲット方位の検出を、上りフェ
ーズおよび下りフェーズのそれぞれにて行う方位検出部
と、上りフェーズおよび下りフェーズの受信波に基づい
たFMCW方式でのターゲット距離および速度の検出
を、前記複数チャネルのそれぞれにて行う距離・速度検
出部と、上りフェーズと下りフェーズの検出方位差、お
よび、前記複数チャネルの間の検出距離差と検出速度差
に基づいて、検出結果の有効性を判定する判定手段と、
を含むことを特徴とする。
【0014】本発明によれば、位相モノパルス方式に基
づく方位検出が、FMCW方式の上りフェーズと下りフ
ェーズそれぞれで行われる。また、FMCW方式に基づ
く距離、速度検出が、複数の受信チャネルの信号それぞ
れを用いて行われる。
【0015】ここで、位相モノパルス方式で上り、下り
フェーズで求めた方位が同等か近いということは、FM
CW方式に基づいて距離、速度を検出する際に上り、下
りフェーズでのピークの組合せが正しいことを意味す
る。同様に、FMCW方式で複数チャネルで求めた距
離、速度が同等か近いということは、位相モノパルス方
式で方位を検出する際に複数チャネルでのピークの組合
せが正しいことを意味する。
【0016】そこで、判定手段により、距離、速度、方
位の検出値の差に基づいて検出結果の有効性が判定され
る。検出値の差が小さければ、適正なピークの組合せか
ら検出結果が得られており、従って正確な検出結果が得
られているので、そのような検出結果が有効とされる。
【0017】例えば、距離、速度、方位の検出値の差
が、それぞれ所定の判断基準値以下であれば、検出結果
が有効と判断できる。後述するように、検出値の差から
検出信頼度を求め、信頼度に基づいて有効性を判定する
ことも好適である。
【0018】このように、本発明によれば、FMCW方
式と位相モノパルス方式が一体化されていることを利用
して、互いの方式を利用して、上り、下りフェーズ間お
よび複数のチャネル間での正しいピーク組合せに基づい
た有効な検出結果が得られているか否かを確認できる。
FMCW方式の上り、下りフェーズそれぞれで方位を求
め、位相モノパルス方式の複数チャネルそれぞれで距離
および速度を求め、それらの値を互いに比較して大きな
差が生じていないことを確認することにより、信頼性の
高い距離、速度、方位の検出が可能になる。
【0019】(2)本発明の好ましい一態様のレーダ装
置は、上りフェーズと下りフェーズの検出方位差、およ
び、前記複数チャネルの間の検出距離差と検出速度差に
基づいて、検出結果の信頼度を求める信頼性算出手段を
含む。前記判定手段は、信頼性算出手段により算出され
た信頼度が、任意に設定された所定判断基準値を上回る
場合に、検出結果が有効であると判断する。方位差、距
離差および速度差に対応する信頼度を用いて確実かつ的
確に有効性を判断することができる。
【0020】(3)また好ましくは、レーダ装置は、検
出距離、速度および方位に時系列処理を施す予測フィル
タを含む。上記のようにして有効と判断された検出結果
(距離、速度および方位)のみを予測フィルタに入力
し、時系列処理を施すことにより、現実のターゲットの
距離、速度および方位の真の値を正確に推定し検出する
ことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]以下、本発明の
好適な実施の形態(以下、実施形態という)について、
図面を参照し説明する。図4は、本発明の実施形態のF
MCW・位相モノパルスレーダ装置の構成を示してお
り、このレーダ装置は車両に搭載するためのものであ
る。
【0022】電圧制御発振器(VCO)10は周波数変
調器として機能する。このVCO10には、図示しない
制御部より、電圧が時間に応じて増減する三角波が供給
される。VCO10は、この三角波で周波数変調された
高周波を発生する。この高周波は、分配器12で分配さ
れ、その一つが送信アンテナ14に送られる。このよう
にして、三角波で周波数変調された高周波が、電波とし
て外部に向けて放射される。
【0023】送信アンテナ14から放射された電波はタ
ーゲットで反射する。図中には2つの先行車両が、ター
ゲット1、2として示されている。反射信号は、左右2
つの受信アンテナ16a,16bで受信される。この2
つの受信アンテナ16a,16bは、空間的に所定距離
Lだけ離れて配置されている。そして、この受信アンテ
ナ16a、16bには、検波器18a,18bがそれぞ
れ接続されている。検波器18a,18bには、分配器
12から、三角波で周波数変調された高周波(送信信
号)が参照波として供給されている。検波器18a,1
8bは、受信波を参照波に基づいて検波して、ベースバ
ンド信号に変換する。上記の検波処理により、送信周波
数と受信周波数の差の周波数成分をもつビート信号が得
られ、信号処理装置20に供給される。
【0024】信号処理装置20では、周波数分析部22
a,22bが、それぞれ、左チャネルおよび右チャネル
の受信信号から得られたビート信号の周波数分析を行
い、信号の周波数成分についてのデータを得る。ここで
は、複素FFT(高速フーリエ変換)が行われ、適当な
周波数間隔(周波数bin)ごとの複素振幅(電圧)が
求められる。以降の処理では、binの番号が、周波数
に対応するインデックスとして用いられる。ピーク検出
部24a,24bは、周波数分析結果に基づき、位相モ
ノパルスの左、右チャネルのそれぞれでピーク(ピーク
をもつ周波数binの番号およびその周波数binの複
素振幅値)を検出する。
【0025】図5(a)、(b)は、それぞれ左チャネ
ルおよび右チャネルの周波数分析結果の例である。左チ
ャネルにおいて、大きい振幅をもつピークUL1,DL
1は、それぞれターゲット1の上りフェーズおよび下り
フェーズのピークである。下りフェーズのピークの周波
数が上りフェーズより大きいのは、ターゲット1が自車
よりも相対的に遅い(近づいている)ことを示してい
る。また、小さい振幅をもつピークUL2,DL2は、
それぞれターゲット2の上りフェーズおよび下りフェー
ズのピークである。下りフェーズのピークの周波数が上
りフェーズより小さいのは、ターゲット2が自車よりも
相対的に速い(遠ざかっている)ことを示している。同
様に、右チャネルでは、ピークUR1,DR1は、それ
ぞれターゲット1の上りフェーズおよび下りフェーズの
ピークである。また、ピークUR2,DR2は、それぞ
れターゲット2の上りフェーズおよび下りフェーズのピ
ークである。
【0026】距離・速度・方位演算部26(以下、単に
演算部26という)は、本発明の方位検出部および距離
・速度検出部として機能し、検出されたピークを用い
て、各ターゲットの相対距離、相対速度および相対方位
を求める。ここでは、位相モノパルス処理を実施してタ
ーゲットの方位を検出する。また、FMCW処理を実施
してターゲットの距離及び速度を検出する。
【0027】図1を用いて説明したように、2つの受信
アンテナ16a,16bで受信した信号の位相を比較す
ることで、その位相差から方位が求められる。方位角θ
は、2つの受信波の位相差をΔφ、2つの受信アンテナ
の距離をL、電波の波長をλとすれば、
【数6】θ=sin-1{Δφ・(λ/L)} であらわされる。本実施形態では、ビート信号の対応す
る2つのピークの位相差から方位が求められる。
【0028】また、図2、図3を用いて説明したよう
に、ビート信号は、ターゲットの距離に応じた受信波の
遅延に基づく成分と、ターゲットの速度に応じたドップ
ラシフトに基づく成分からなっている。上りフェーズ期
間及び下りフェーズ期間におけるビート信号の周波数f
bu、fbdは、相対距離を表すビート周波数をfr、
相対速度を表すドップラ周波数をfdとすると、
【数7】fbu=fr+fd fbd=fr−fd である。従って、周波数fbu、fbdから、ビート周
波数frおよびドップラ周波数fdが求められ、相対距
離および相対速度が求められる。本実施形態では、上
り、下りフェーズの対応するピークのbin番号に基づ
いて、距離および速度を求める。このbin番号はその
ピークのもつ周波数に対応している。
【0029】上記のようにして、位相モノパルス方式と
FMCW方式で、ターゲットの方位、距離、速度が求め
られる。しかし、本実施形態ではレーダ装置が車両に搭
載されて道路で使用される。このようなレーダ使用環境
では複数のターゲット(先行車)が存在し、さらに、タ
ーゲット以外の樹木やガードレールなどの物体が存在す
る。レーダには様々な物体の反射波が合成されて受信さ
れる。従って、実際には、図5に示すピークの他にもさ
らに多数のピークが存在している。そのため、同一ター
ゲットからの複数チャネルのピークを正しく組み合わせ
たり、同一ターゲットからの上りフェーズ、下りフェー
ズのピークを正しく組み合わせることができない可能性
もあり、その結果、本来は無効とすべき不適正なデータ
が得られてしまうこともあり得る。そこで、本発明で
は、以下のようにして、適正なデータが得られているか
否かを判定する。
【0030】本実施形態では、演算部26により、上り
フェーズ、下りフェーズのそれぞれについて、位相モノ
パルス方式で方位が求められる。また、左チャネル、右
チャネルのそれぞれについて、FMCW方式で距離およ
び速度が求められる。これにより、左右両チャネルの上
り、下りフェーズの4つのピークを利用して、同一ター
ゲットに対して、1組の方位、1組の距離および1組の
速度が求められる。
【0031】有効性判断部28は、上記の複数の検出結
果を比較して、検出結果の有効性を判定する。この有効
性判断部28は、検出結果が下記の2つの条件を両方と
も満たす場合に、検出結果が有効であると判断する。
【0032】(1)「方位差」が所定の判断基準値以下
であること(「方位差」:上りフェーズと下りフェーズ
のそれぞれで検出された方位の差) (2)「距離差」および「速度差」が所定の判断基準値
以下であること(「距離差」および「速度差」:右チャ
ネルと左チャネルのそれぞれで検出された距離の差、お
よび速度の差) 図5を参照すると、1つのターゲットに関して、上りフ
ェーズのピークペア(UL1,UR1)から求めた方位をθ(U
L1,UR1)とし、下りフェーズのピークペア(DL1,DR1)
から求めた方位をθ(DL1,DR1)とする。さらに、左チ
ャネルのピーク(UL1,DL1)から求めた距離および速度
を、それぞれ、R(UL1,DL1)、v(UL1,DL1)とす
る。また、右チャネルのピーク(UR1,DR1)から求めた
距離および速度を、R(UR1,DR1)、v(UR1,DR1)と
する。その際、上記(1)(2)の条件は式で表すと、
下記のようになる。これらの式が成立する場合に、選択
したピークペアが正しいと判断される。
【0033】
【数8】 |θ(UL1,UR1)−θ(DL1,DR1)|≦判断基準値 |R(UL1,DL1)−R(UR1,DR1)|≦判断基準値 |v(UL1,DL1)−v(UR1,DR1)|≦判断基準値 有効性判断部28にて有効と判断されたデータは、例え
ば、先行車両への自動追尾制御に利用される。有効なデ
ータは、そのまま追尾制御に利用される。また、有効な
データが得られない場合には、有効なデータが得られる
までペアリングを変更することも考えられる。ペアリン
グを変更しても有効なデータが得られない場合には、無
効なデータは棄却され、追尾制御には利用されない。無
効なデータの代わりに、適当な推定処理や補間処理を行
って、過去の検出結果を用いて現在のターゲットの距
離、速度および方位を推定することが好ましい。
【0034】以上、本実施形態のレーダ装置について説
明した。本実施形態では、位相モノパルス方式の検出方
位が、FMCW方式における上りフェーズと下りフェー
ズでそれぞれ求められる。また、FMCW方式の検出距
離、検出速度が、左右の受信チャネルの信号からそれぞ
れ求められる。
【0035】上り、下りフェーズで求めた1組の方位が
ほぼ等しいということは、FMCW方式に基づいて距
離、速度を検出する際に上り、下りフェーズでのピーク
の組合せが正しかったことを意味する。同様に、左右チ
ャネルで求めた距離、速度がほぼ等しいということは、
位相モノパルス方式に基づいて方位を検出する際に左右
チャネルでのピークの組合せが正しかったことを意味す
る。
【0036】そこで、距離、速度の差が判断基準値以下
であり、方位の差が判断基準値以下である場合には、ピ
ークの組合せが正しかったと考えられ、正確なデータが
得られているとみられるので、検出結果が有効と判定さ
れる。
【0037】このようにして、本発明によれば、FMC
W方式の上り、下りフェーズおよび位相モノパルス方式
の左右チャネルでもって、同一ターゲットに対する1組
の方位、距離、速度を求め、それらの値を互いに比較し
て、所定判断基準値より大きな差が生じていないことを
確認することにより、信頼性の高い距離、速度、方位の
検出が可能になる。
【0038】なお、本実施形態の距離、速度、方位の判
断基準値は、予め適当な値に決められている。判断基準
値は、同一ターゲットのピークの組合せが正確に行われ
た場合の検出ばらつきを考慮して設定することが好適で
ある。例えば、判断基準値を、ばらつきの標準的な大き
さに設定したり、ばらつきの最大値に設定することがで
きる。判断基準値は、実験結果や経験に基づいて設定し
てもよい。
【0039】[実施の形態2]次に、図6を参照し、本
発明の第2の実施形態を説明する。本実施形態でも、実
施形態1と同様に、複数の距離、速度および方位の比較
によって検出結果の有効性が判断される。ただし、実施
形態2では、複数の検出結果の比較によって検出データ
の信頼度が求められ、この信頼度から検出データの有効
性が判断される。そして、有効なデータが予測フィルタ
に入力され、この予測フィルタではデータの予測フィル
タリングが行われる。このようにして、さらにターゲッ
トの距離、測度および方位の検出の信頼性の向上が図ら
れる。
【0040】図6において、図4の実施形態1の構成と
同様の構成要素には同一符号を付し、これらの構成要素
の説明は省略する。距離・速度・方位演算部26は、実
施形態1と同様に、左右両チャネルの上りフェーズおよ
び下りフェーズの4つのピークを利用して、同一ターゲ
ットに対して、1組の方位、1組の距離および1組の速
度を求める。
【0041】本実施形態の信号処理装置30には、信頼
度演算部32が、有効性判断部34の前段に設けられて
いる。信頼度演算部32は、上記の演算部26によって
計算された検出データの信頼度REを求めるものであ
り、下記の検出データ差に基づいて信頼度REを求め
る。
【0042】(1)「方位差」:上りフェーズと下りフ
ェーズのそれぞれで検出された方位の差(実施形態1と
同様) (2)「距離差」および「速度」:右チャネルと左チャ
ネルのそれぞれで検出された距離の差、および速度の差
(実施形態1と同様) ここで,信頼度REは、例えば、下式によって演算され
る。
【0043】
【数9】REr=1−|R10−R20|/R00(但し,RE
r<0の場合は0とする。) REv=1−|v1−v2|/v0(但し,REv<0の場合
は0とする。) REθ=1−|θ1−θ2|/θ0(但し,REθ<0の場
合は0とする。) REr、REv、REθは、それぞれ、距離、速度およ
び方位の信頼度である。R10,R20は1組の検出距離の値
であり、R00は距離用の信頼度評価基準値である。同様
に、v1,v2は1組の検出速度の値であり、v0は速度用の
信頼度評価基準値である。θ1,θ2は1組の検出方位の
値であり、θ0は方位用の信頼度評価基準値である。上
記のR00、v0、θ0の値は検出対象により異なり、例えば
装置の検出精度の数倍程度とすることができる。
【0044】有効性判断部34は、上記の信頼度RE
r,REv,REθに基づいて、検出結果の有効性を判
断する。(1)例えば、検出対象ごとに個別に信頼度の
しきい値REr0,REv0,REθ0を設定してお
く。そして、信頼度REr,REv,REθがすべてし
きい値以上である場合に、検出結果が有効であると判断
される。しきい値REr0,REv0,REθ0は、同
一であってもよく、異なっていてもよい。(2)あるい
は、信頼度REr,REv,REθの積を全体の信頼度
REとする。この全体信頼度を、所定のしきい信頼度R
E0と比較することにより、一度に検出結果の有効性が
判断される。すなわち、しきい信頼度RE0以上の全体
信頼度REが得られた場合に、検出結果が有効であると
判断される。
【0045】本実施形態では、信号処理装置30に予測
フィルタ36が設けられている。予測フィルタ36は、
カルマンフィルタやα−βフィルタなどである。予測フ
ィルタ36には、有効性判断部34が有効と判断した検
出結果のみが入力される。予測フィルタ36では、この
有効なデータに基づく予測フィルタリングが行われる。
予測フィルタリングでは、検出結果の平滑化が行われ
る。予測位置データと測定位置データを使って、平滑化
された位置および速度が求められ、平滑化されたデータ
がターゲット情報として出力される。
【0046】以上、実施形態2のレーダ装置について説
明した。実施形態2においても、実施形態1と同様に、
1組の方位、1組の距離、および1組の速度が求めら
れ、そして、方位差、距離差および速度差に基づいて検
出データの有効性の判断が行われ、差の値が小さいとき
に検出データが有効であると判定される。特に、上記の
様な信頼度演算、その演算結果に基づく検出結果の有効
性判断、さらに有効な検出結果だけを用いた予測フィル
タリングを行うことにより、信頼性の高い距離、速度、
方位の検出が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 位相モノパルスレーダの原理を示す図であ
る。
【図2】 FMCWレーダの原理を示す図である。
【図3】 FMCWレーダの原理を示す図である。
【図4】 本発明の第1の実施形態の構成を示す図であ
る。
【図5】 図4の装置の左チャネルおよび右チャネルの
受信信号の周波数分析結果を示す図である。
【図6】 本発明の第2の実施形態の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
10 電圧制御発振器(VCO)、14 送信アンテ
ナ、16a,16b 受信アンテナ、18a,18b
検波器、20 信号処理装置、22a,22b周波数分
析部、24a,24b ピーク検出部、26 距離・速
度・方位演算部、28 有効性判断部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 知育 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 山田 直之 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 FMCW方式と位相モノパルス方式を組
    み合わせてターゲットの距離、速度および方位を検出す
    るレーダ装置であって、 周波数の上昇期間たる上りフェーズおよび下降期間たる
    下りフェーズを有する周波数変調波を送信する送信部
    と、 ターゲットからの反射波を複数チャネルで受信する受信
    部と、 前記複数チャネルの受信波に基づいた位相モノパルス方
    式でのターゲット方位の検出を、上りフェーズおよび下
    りフェーズのそれぞれにて行う方位検出部と、 上りフェーズおよび下りフェーズの受信波に基づいたF
    MCW方式でのターゲット距離および速度の検出を、前
    記複数チャネルのそれぞれにて行う距離・速度検出部
    と、 上りフェーズと下りフェーズの検出方位差、および、前
    記複数チャネルの間の検出距離差と検出速度差に基づい
    て、検出結果の有効性を判定する判定手段と、 を含むことを特徴とするレーダ装置。
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