JP7067974B2 - レーダ装置およびレーダ装置の制御方法 - Google Patents

レーダ装置およびレーダ装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、レーダ装置およびレーダ装置の制御方法に関する。
従来、物標を検出するレーダ装置として、周波数が連続的に変化するチャープ波を送信して物標との距離、相対速度および角度を検出するFCM(Fast Chirp Modulation)方式のレーダ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016-3873号公報
しかしながら、上記した相対速度は、レーダ装置に対して近づくまたは遠ざかる縦方向への相対速度であるため、例えば、レーダ装置(あるいは車両)の前を横切る物標については上記した縦方向への相対速度がゼロに近い値として検出されるおそれがある。つまり、従来は、物標が横方向に移動する移動物であるか静止物かを精度良く判定する点で改善の余地があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、横方向に移動する移動物を高精度に検出することができるレーダ装置およびレーダ装置の制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るレーダ装置は、受信部と、第1処理部と、判定部とを備える。前記受信部は、周波数が連続的に変化する送信波が物標によって反射された反射波を複数の受信アンテナで受信する。前記第1処理部は、前記受信アンテナで受信した前記反射波と前記送信波とから生成されるビート信号に対して第1FFT処理を行うことで前記受信アンテナ毎に周波数スペクトルを生成する。前記判定部は、前記第1処理部によって生成された前記周波数スペクトルにおけるピークの前記複数の受信アンテナ間での位相差を算出し、当該位相差の時間変化に基づいて前記物標が横方向へ移動する移動物であるか否かを判定する。
本発明によれば、横方向に移動する移動物を高精度に検出することができる。
図1Aは、車両に搭載されたレーダ装置と物標との位置関係の一例を示す図である。 図1Bは、実施形態に係るレーダ装置の制御方法の概要を示す図である。 図2は、レーダ装置のブロック図である。 図3は、送信周波数と、受信周波数と、ビート周波数との関係の一例を示す図である。 図4は、一つのビート信号に対して距離FFT処理を行った結果を示す図である。 図5は、判定部の判定処理を示す図である。 図6は、第2処理部の処理内容を示す図である。 図7は、折返判定部の処理内容を示す図である。 図8は、折返判定部の処理内容を示す図である。 図9は、レーダ装置が実行する物標検出の処理手順を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本願の開示するレーダ装置およびレーダ装置の制御方法の実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
まず、図1Aおよび図1Bを用いて、実施形態に係るレーダ装置の制御方法の概要について説明する。図1Aは、車両に搭載されたレーダ装置と物標との位置関係の一例を示す図である。図1Bは、実施形態に係るレーダ装置の制御方法の概要を示す図である。
図1Aでは、停車中の車両MC(レーダ装置1)の前を1つの物標Pが横切る(横方向に移動する)移動物である場合を示している。また、図1Aに示すように、実施形態に係るレーダ装置1は、車両MCの前端部に設けられるとともに、4つの受信アンテナ21a~21dを備えていることとする。なお、受信アンテナ21a~21dの数は、複数であれば、3つ以下でも、5つ以上でもよい。また、レーダ装置1の搭載位置は、車両MCの前端部に限定されるものではなく、車両MCの側面や、後端部であってもよい。
図1Aに示すレーダ装置1は、例えば、FCM(Fast Chirp Modulation)方式のレーダ装置である。FCM方式とは、周波数が連続的に変化する複数のチャープ波が繰り返される送信波を出力して検出範囲内に存在する各物標Pとの距離および相対速度を検出する方式である。
具体的には、FCM方式は、送信波が物標Pによって反射された反射波を複数の受信アンテナ21a~21dによって受信し、受信した反射波と送信波とから生成されるビート信号に対して2次元高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform)処理(以下、2次元FFT処理と記載する場合がある)を行って物標Pとの距離および相対速度を検出する。なお、2次元FFT処理は、距離FFT処理(第1FFT処理の一例)および速度FFT処理(第2FFT処理の一例)の2回のFFT処理を行うことである。
ここで、上記した相対速度は、レーダ装置に対して近づくまたは遠ざかる縦方向への相対速度であるため、例えば図1Aに示すような、レーダ装置の前を横切る物標については上記した縦方向への相対速度がゼロに近い値として検出されるおそれがある。換言すれば、縦方向への相対速度がゼロの物標が検出された場合、かかる物標が静止物であるか、横方向に移動する移動物であるかを精度良く判定できないおそれがあった。
また、仮に、物標の角度を演算し、かかる角度の時間変化をみれば、横方向への移動速度(以下、横速度と記載する)を算出できるため、移動物か静止物かを判定可能であるが、かかる手法では、必ず角度を算出する必要があるため、処理量が嵩んでしまう。
そこで、実施形態に係るレーダ装置1の制御方法では、複数の受信アンテナ21a~21d間の物理的な距離によって生じる位相差を利用して物標Pが移動物であるか静止物であるかを判定する。
図1Bでは、物理的に最も離れた2つの受信アンテナ21a,21dの位相差を利用した場合について説明する。図1Bに示すように、実施形態に係るレーダ装置1は、まず、受信アンテナ21a,21dで受信した反射波と送信波とから生成されるビート信号B1a~Bna,B1d~Bndに対して距離FFT処理を行うことで受信アンテナ21a,21d毎に周波数スペクトルを生成する。かかる周波数スペクトルは、ビート信号B1a~Bna,B1d~Bndの距離ビン毎(周波数毎)のパワー値(レベル)である。
図1Bでは、2つの受信アンテナ21a,21dそれぞれで、時系列に並べられたすべての周波数スペクトルにおいて距離ビンfr10(周波数fr10)にピークが出現している。これは、距離ビンfr10に対応する距離に物標Pが存在することを示している。
また、かかるピークは、受信アンテナ21a,21d間において、同一時間での位相が異なる。なお、受信アンテナ21a,21d間で生じる位相差は、受信アンテナ21a,21dの配置に基づく物理的な距離に起因している。
そこで、実施形態に係るレーダ装置1は、受信アンテナ21の配置により生じる位相差に着目して移動物判定を行う。具体的には、実施形態に係るレーダ装置1は、距離FFT処理の結果である周波数スペクトルにおけるピークの複数の受信アンテナ21a,21d間での位相差を算出し、かかる位相差の時間変化に基づいて物標Pが横方向へ移動する移動物であるか否かを判定する。
図1Bに示すグラフでは、ビート信号B1からビート信号Bnまでの各時間での位相差を時系列に並べている。具体的には、ビート信号B1aにおけるピークおよびビート信号B1dにおけるピークの位相差を左端、ビート信号Bnaにおけるピークおよびビート信号Bndにおけるピークの位相差を右端としたグラフを示している。
そして、実施形態に係るレーダ装置1は、位相差の時間変化を示すグラフに傾きがあれば横方向に移動する移動物であると判定し、傾きが無ければ静止物と判定する。つまり、レーダ装置1は、時間経過に伴って位相差が変化する場合には、横方向に移動する移動物であると判定し、時間経過に伴って位相差が変化しなければ横方向に移動する移動物ではないと判定する。
なお、上記した実施形態に係るレーダ装置1の制御方法は、物標Pが1つの場合や、複数の物標Pそれぞれが異なる距離ビンfrに存在する場合に好適である。つまり、一つの距離ビンfrに1つの物標Pが存在する場合に好適である。
なお、レーダ装置1は、横方向に移動する移動物ではないと判定し、かつ、後述する縦方向への相対速度もゼロの場合、つまり、縦方向に移動する移動物でもない場合に、最終的に物標Pが静止物であると判定する。
このように、実施形態に係るレーダ装置1の制御方法では、距離FFT処理後のピークの位相を複数の受信アンテナ21a~21dで比較することで、横方向へ移動する移動物を高精度に検出することができる。
さらに、実施形態に係るレーダ装置1の制御方法では、距離FFT処理後のピークを利用して移動物判定を行うため、物標Pの角度を演算する必要がない。すなわち、実施形態に係るレーダ装置1によれば、移動物判定の際に、処理量が嵩むことを防止できる。
なお、実施形態に係るレーダ装置1では、グラフの傾き度合いから横方向への移動速度(横速度)を導出可能であるが、かかる点については後述する。
また、実施形態に係るレーダ装置1では、物標Pの角度を演算後、かかる角度が折り返しているか否かを、グラフの形状により判定可能であるが、かかる点についても後述する。
また、図1Bに示す例では、物理的に最も離れた2つの受信アンテナ21a,21dの位相差を利用した場合を一例として示したが、複数の受信アンテナ21a~21dのうち、任意の2つの受信アンテナ21a~21dの位相差を利用してもよい。
また、2つの受信アンテナ21a,21dの位相差に基づいて移動物判定をする場合に限定されるものではなく、3つ以上の受信アンテナ21a~21dの位相差に基づいて移動物判定をしてもよい。具体的には、3つの受信アンテナ21a~21dから得られる3通りの位相差(2つの受信アンテナ21a~21dの組み合わせが3通り)それぞれについて移動物判定を行い総合的に移動物か否かを判定してもよい。
次に、図2を用いて実施形態に係るレーダ装置1の構成について説明する。図2は、レーダ装置1のブロック図である。図2に示すように、レーダ装置1は、車両制御装置2に接続される。
車両制御装置2は、レーダ装置1による物標Pの検出結果に基づいてPCS(Pre-crash Safety System)やAEB(Advanced Emergency Braking System)などの車両制御を行う。なお、レーダ装置1は、車載レーダ装置以外の各種用途(例えば、飛行機や船舶の監視等)に用いられてもよい。
レーダ装置1は、送信部10と、受信部20と、処理部30とを備える。送信部10は、信号生成部11と、発振器12と、送信アンテナ13とを備える。信号生成部11はノコギリ波状に電圧が変化する変調信号を生成し、発振器12へ供給する。発振器12は、信号生成部11で生成された変調信号に基づいてチャープ信号STを生成して、送信アンテナ13へ出力する。
送信アンテナ13は、発振器12から入力されるチャープ信号STを送信波SWへ変換し、かかる送信波SWを車両MCの外部へ出力する。送信アンテナ13が出力する送信波SWは、複数のチャープ波が繰り返される波形である。送信アンテナ13から車両MCの前方に送信された送信波SWは、物標Pで反射されて反射波となる。
受信部20は、アレーアンテナを形成する複数の受信アンテナ21a~21d、ミキサ22a~22dおよびA/D変換器23a~23dを備える。各受信アンテナ21は物標Pからの反射波を受信波RWとして受信し、かかる受信波RWを受信信号SRへ変換して受信アンテナ21毎に設けられたミキサ22へそれぞれ出力する。なお、図2に示す受信アンテナ21の数は、4つであるが3つ以下または5つ以上であってもよい。
各受信アンテナ21から出力された受信信号SRは、不図示の増幅器(例えば、ローノイズアンプ)で増幅された後にミキサ22へ入力される。ミキサ22は、チャープ信号STと受信信号SRとの一部をミキシングし不要な信号成分を除去してビート信号SBを生成し、A/D変換器23へ出力する。
これにより、チャープ信号STの周波数fST(以下、送信周波数fSTと記載する)と受信信号SRの周波数fSR(以下、受信周波数fSRと記載する)との差となるビート周波数fSB(=fST-fSR)を有するビート信号SBが生成される。ミキサ22で生成されたビート信号SBは、A/D変換器23でデジタルの信号へ変換された後に処理部30に出力される。
図3は、送信周波数fSTと、受信周波数fSRと、ビート周波数fSBとの関係の一例を示す図である。図3に示すように、ビート信号SBは、チャープ波毎に生成される。なお、ここでは、1回目のチャープ波によって得られるビート信号SBを「B1」とし、2回目のチャープ波によって得られるビート信号SBを「B2」とし、n回目のチャープ波によって得られるビート信号SBを「Bn」としている。
また、図3に示す例では、送信周波数fSTは、チャープ波Ch毎に、基準周波数f0から時間に伴って傾きα(=(f1-f0)/Tm)で増加し、最大周波数f1に達すると基準周波数f0に短時間で戻るノコギリ波状(いわゆるアップチャープ)である。なお、送信周波数fSTは、チャープ波毎に基準周波数f0から最大周波数f1へ短時間で到達し、かかる最大周波数f1から時間に伴って傾きα(=(f0-f1)/Tm)で減少するノコギリ波状(いわゆるダウンチャープ)であってもよい。
図2の説明に戻り、処理部30について説明する。処理部30は、送信制御部31および信号処理部32を備える。信号処理部32は、第1処理部33、判定部34、導出部35、第2処理部36、ピーク抽出部37、演算部38、折返判定部39および出力部40を備える。
かかる処理部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポート等を含むマイクロコンピュータであり、レーダ装置1全体を制御する。
かかるマイクロコンピュータのCPUがROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、送信制御部31および信号処理部32として機能する。なお、送信制御部31および信号処理部32のうち少なくとも一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
送信制御部31は、送信部10の信号生成部11を制御し、信号生成部11からノコギリ状に電圧が変化する変調信号を発振器12へ出力させる。これにより、時間の経過に従って周波数が変化するチャープ信号STが発振器12から送信アンテナ13へ出力される。
信号処理部32は、各A/D変換器23から出力されるビート信号SBに対してそれぞれ2次元FFT処理(距離FFT処理および速度FFT処理)を行い、かかる2次元FFT処理の結果に基づいて物標Pの距離、相対速度(縦方向への相対速度および横方向への相対速度)および方位を演算する。以下、信号処理部32の各部の処理について説明する。
信号処理部32の第1処理部33は、各A/D変換器23から出力されるビート信号SBそれぞれに対して距離FFT処理を行うことで受信アンテナ21毎に周波数スペクトルを生成する。具体的には、第1処理部33は、ビート信号SB毎に各距離ビンfr(fr1~frm)について距離FFT処理を行う。ここで、図4を用いて、距離FFT処理の結果について具体的に説明する。
図4は、一つのビート信号SBに対して距離FFT処理を行った結果を示す図である。図4に示す周波数スペクトルでは、横軸を周波数(すなわち、距離ビン)とし、縦軸をパワーの大きさ(ピークの大きさ)としている。図4に示す例では、距離ビンfr10のみにピークが出現していることとする。
ここで、ビート信号SBの周波数は、物標Pとレーダ装置1との間の距離に比例して増減する。このため、第1処理部33は、ビート信号SBに対して距離FFT処理を行うことで、物標Pとの距離に対応する距離ビンfrに出現するピーク(パワーが所定値以上)を距離FFT処理の結果として取得する。
つまり、図4に示す例では、第1処理部33は、一つのビート信号SBにおいて、距離ビンfr10にピークが出現していることを示す情報を距離FFT処理の結果として取得する。そして、第1処理部33は、各ビート信号SBの距離FFT処理の結果を判定部34および第2処理部36へ出力する。
図2に戻って判定部34について説明する。判定部34は、第1処理部によって生成された距離FFT処理の結果である周波数スペクトルのピークの位相を用いて移動物判定を行う。
具体的には、判定部34は、周波数スペクトルにおけるピークについて、複数の受信アンテナ21間での位相差を算出し、位相差の時間変化に基づいて物標Pが横方向へ移動する移動物であるか否かを判定する。ここで、図5を用いて、判定部34の判定処理について具体的に説明する。
図5は、判定部34の判定処理を示す図である。図5では、2つの受信アンテナ21間での位相差を縦軸、時間を横軸に示している。例えば、図5では、1回目のチャープ波に対応する位相差(ビート信号B1の位相差)を左端にプロットし、n回目のチャープ波に対応する位相差(ビート信号Bnの位相差)を右端にプロットしている。
図5に示すように、ビート信号B1における位相差からビート信号Bnにおける位相差までに至る過程において、わずかな増減を繰り返しながら位相差が略2degから略-6degまで変化している。かかる場合、判定部34は、位相差が時間経過に伴って所定値以上変化している(時間変化している)として、物標Pが横方向への移動物であると判定する。なお、かかる所定値は、例えば、予め設定された値である。
一方、図示しないが、判定部34は、ビート信号B1からビート信号Bnまでにおいて位相差の時間変化が所定値未満であれば、時間変化していないとして、物標Pが横方向への移動物ではない(縦方向へのみ移動している移動物の可能性が残るため)と判定する。なお、静止物か否かの判定は、後述の演算部38で演算される縦方向への相対速度がゼロか否かで行われる。
なお、判定部34は、ビート信号B1からビート信号Bnまでにおける位相差の時間変化が所定値以上か否かにより移動物判定を行ったが、例えば、図5に示すグラフの近似線を算出し、かかる近似線の傾きが所定角度以上か否かで移動物判定を行ってもよい。
なお、図5では、ビート信号B1からビート信号Bnまでのすべてのビート信号SBの位相差をプロットして移動物判定に用いたが、例えば、すべてのビート信号B1~Bnのうち、所定数のビート信号B1~Bnのみをプロットして移動物判定に用いてもよい。つまり、位相差が時間変化しているか否かが判定できれば、すべてのビート信号B1~Bnの位相差をプロットする必要はないため、処理量を抑えることができる。
なお、判定部34による移動物判定は、同一距離ビンfrに1つの物標Pのみが存在する場合に好適である。このため、判定部34は、後述の演算部38によって同一距離ビンfrに複数の物標Pが存在することが検出された場合には、かかる移動物判定および後述の導出部35によって導出される横速度を無効にすることが好ましい。
図2に戻って、導出部35について説明する。導出部35は、判定部34によって物標Pが横方向へ移動する移動物であると判定された場合、かかる横方向への移動速度(横速度)を算出する。
具体的には、導出部35は、判定部34によって算出された受信アンテナ21間のピークの位相差の時間変化による傾きに基づいて横速度を導出する。より具体的には、導出部35は、位相差をプロットしたグラフ(図5参照)の近似線を算出し、かかる近似線の傾斜角に基づいて横速度を算出する。例えば、導出部35は、傾斜角が大きい程、算出する横速度を大きくする。
このように、導出部35は、位相差の時間変化における傾きを用いることで、高精度に横速度を導出することができる。
なお、導出部35は、横速度の導出にグラフの近似線を用いたが、近似線に限定されるものではなく、例えば、最初のビート信号B1と最後のビート信号Bnとの位相差を通る直線(あるいは、任意の2つの位相差を通る直線)の傾斜角に基づいて横速度を算出してもよい。
第2処理部36は、第1処理部33における距離FFT処理の結果に対して速度FFT処理を行う。速度FFT処理とは、距離FFT処理の結果である周波数スペクトルの距離ビンfr毎に各速度ビンfvについて2回目のFFT処理を行うことである。これにより、速度FFT処理の結果として、物標Pの相対速度に対応する速度ビンfvにピークが出現することとなる。
具体的には、第2処理部36は、物標Pの相対速度がゼロでない場合に生じる受信信号SRのドップラ成分を利用する。より具体的には、第2処理部36は、各受信アンテナ21毎に、ビート信号SBの周波数スペクトルにおけるピークの位相の変化を検出する。ここで、図6を用いて、第2処理部36の処理内容について具体的に説明する。
図6は、第2処理部36の処理内容を示す図である。図6では、複数の受信アンテナ21のうち、任意の1つの受信アンテナ21の周波数スペクトルを時系列に並べて示している。また、図6では、時間的に連続するビート信号B1~B8の距離FFT処理の結果とビート信号B1~B8間のピークの位相変化の一例を示す。図6に示す例では、各ビート信号B1~B8の距離ビンfr10にピークがあり、かかるピークの位相が変化している。
ここで、物標Pとレーダ装置1との間の縦方向への相対速度がゼロでない場合、ビート信号B1~B8間において同一物標Pに相当する距離ビンfr10のピークにドップラ周波数に応じた位相の変化が現われる。
第2処理部36は、距離FFT処理して得られる周波数スペクトルを時系列に並べて速度FFT処理を行うことで、ドップラ周波数に対する周波数ビン(速度ビン)にピークが出現する周波数スペクトルを得る。
図2に戻ってピーク抽出部37について説明する。ピーク抽出部37は、第2処理部36における速度FFT処理の結果である周波数スペクトルからパワーが所定の閾値以上のピークを抽出する。かかる閾値は、予め定められた固定値であってもよく、動的に変化させてもよい。
演算部38は、ピーク抽出部37によって抽出されたピークに基づいて物標Pとの距離、縦方向への相対速度(縦速度)および角度(方位)を演算する。
具体的には、演算部38は、ピーク抽出部37によって抽出されたピークの距離ビンfrおよび速度ビンfvの組み合わせに基づいて物標Pとの距離および縦速度を導出する。
また、演算部38は、所定の角度演算処理により物標Pが存在する角度を推定する。具体的には、演算部38は、4つの受信アンテナ21a~21dの受信信号SRに基づく4つのビート信号SBの周波数スペクトルそれぞれの同一距離ビンfrのピークの位相の違いにより物標Pの角度を推定する。なお、同一距離ビンfrのピークの位相の違いにより、同一距離ビンに複数の物標Pが存在することが検出された場合、それら複数の物標Pそれぞれについて角度推定を行う。
なお、演算部38における角度の推定は、例えば、ESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)、DBF(Digital Beam Forming)、または、MUSIC(Multiple Signal Classification)などの所定の推定方式を用いて行われる。
折返判定部39は、演算部38によって演算された角度が角度の折り返しゴーストによるものか否かの折返判定を行う。具体的には、折返判定部39は、判定部34によって算出されたピークの位相差の時間変化に基づいて折返判定を行う。ここで、図7および図8を用いて、折返判定部39の処理内容について説明する。
図7および図8は、折返判定部39の処理内容を示す図である。図7では、車両MCと物標Pとの位置関係を示している。図8では、演算部38によって演算された物標Pの角度と2つの受信アンテナ21間のピークの位相差との関係の理論値を示している。
図7に示すように、演算部38によって物標Pが存在すると推定される角度-θが算出されたとする。しかしながら、角度-θの物標Pは、実体である可能性と、あるいは、角度θの物標Paや、角度がゼロの物標Pb等が折り返された角度の折り返しゴーストである可能性とを含む。このような角度の折り返しゴーストは、特に角度-θが所定角度以上である広角の場合に発生しやすい。
そこで、折返判定部39は、導出部35で生成されたグラフの近似線の形状に基づいて角度-θが実体の物標Pによるものか、折り返しゴーストである物標Pa,Pbによるものかを判定する。
具体的には、折返判定部39は、グラフの近似線と、図8に示すグラフとを比較して折返判定を行う。より具体的には、図8に示すように、位相差のグラフによる近似線が、下に凸形状、上に凸形状および直線のいずれであるかにより、実体であるか折り返しゴーストであるかを判定する。
例えば、演算部38によって物標Pが角度-θの実体であった場合、図8に示す理論値のように、導出部35のグラフの近似線AL1は、上に凸形状となる。
つまり、折返判定部39は、演算部38によって物標Pが角度-θであった場合において、導出部35のグラフの近似線が上に凸形状ならば、角度-θが実体の物標Pによるものであると判定する。
一方、図8に示すように、折返判定部39は、演算部38によって物標Pが角度-θであった場合において、導出部35のグラフの近似線AL2が下に凸形状ならば、角度-θが折り返しゴーストである角度θの物標Paによるものと判定する。
また、図8に示すように、折返判定部39は、演算部38によって物標Pが角度-θであった場合において、導出部35のグラフの近似線AL3が直線ならば、角度-θが折り返しゴーストである角度ゼロの物標Pbによるものと判定する。
このように、折返判定部39は、受信アンテナ21間のピークの位相差の時間変化を利用することで、演算部38によって推定される角度が実体の物標Pによるものか折り返しゴーストの物標Pa,Pbによるものかを高精度に検出することができる。
出力部40は、車両制御装置2に対して各種情報を出力する。例えば、出力部40は、検出した物標Pに関する物標情報を車両制御装置2へ出力する。物標情報には、物標Pの距離、相対速度(縦速度および横速度)および角度(折返判定後の角度)が含まれる。
次に、図9を用いて実施形態に係るレーダ装置1が実行する処理手順について説明する。図9は、レーダ装置1が実行する物標検出の処理手順を示すフローチャートである。なお、図9に示す処理手順は、レーダ装置1によって繰り返し実行される。
図9に示すように、まず、送信部10は、n個のチャープ波を含む送信波SWを出力する(ステップS101)。つづいて、受信部20は、物標Pによる送信波SWの反射波に応じた受信信号SRとチャープ信号STとからn個のビート信号SBを生成する(ステップS102)。
つづいて、第1処理部33は、n個の各ビート信号SBに対して距離FFT処理を行う(ステップS103)。つづいて、第2処理部36は、距離FFT処理の結果に対して速度FFT処理を行う(ステップS104)。
つづいて、演算部38は、速度FFT処理の結果に基づいて、物標Pの距離、縦速度および角度を演算する(ステップ105)。
また、ステップS104およびステップS105と並行して、判定部34は、距離FFT処理の結果である周波数スペクトルにおけるピークの受信アンテナ21間の位相差を算出する(ステップS106)。
つづいて、判定部34は、算出した位相差の時間変化に基づいて移動物判定を行い、物標Pが横方向へ移動する移動物であるか否かを判定する(ステップS107)。
導出部35は、判定部34によって物標Pが横方向へ移動する移動物であると判定された場合(ステップS107,Yes)、位相差の時間変化における傾きに基づいて横速度を算出する(ステップS108)。
折返判定部39は、演算部38によって演算された角度が角度の折り返しゴーストによるものか否かの角度折り返し判定を行う(ステップS109)。つづいて、出力部40は、物標Pの距離、相対速度(縦速度および横速度)および角度を含む物標情報を車両制御装置2へ出力し(ステップS110)、処理を終了する。
上述してきたように、実施形態に係るレーダ装置1は、受信部20と、第1処理部33と、判定部34とを備える。受信部20は、周波数が連続的に変化する送信波SWが物標Pによって反射された反射波を複数の受信アンテナ21で受信する。第1処理部33は、受信アンテナ21で受信した反射波と送信波SWとから生成されるビート信号SBに対して第1FFT処理を行うことで受信アンテナ21毎に周波数スペクトルを生成する。判定部34は、第1処理部33によって生成された周波数スペクトルにおけるピークの複数の受信アンテナ21間での位相差を算出し、当該位相差の時間変化に基づいて物標Pが横方向へ移動する移動物であるか否かを判定する。これにより、横方向に移動する移動物を高精度に検出することができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 レーダ装置
2 車両制御装置
10 送信部
11 信号生成部
12 発振器
13 送信アンテナ
20 受信部
21,21a~21d 受信アンテナ
22,22a~22d ミキサ
23,23a~23d A/D変換器
30 処理部
31 送信制御部
32 信号処理部
33 第1処理部
34 判定部
35 導出部
36 第2処理部
37 ピーク抽出部
38 演算部
39 折返判定部
40 出力部
MC 車両
P,Pa,Pb 物標

Claims (3)

  1. 周波数が連続的に変化する送信波が物標によって反射された反射波を複数の受信アンテ
    ナで受信する受信部と、
    前記受信アンテナで受信した前記反射波と前記送信波とから生成されるビート信号に対
    して第1FFT処理を行うことで前記受信アンテナ毎に周波数スペクトルを生成する第1
    処理部と、
    前記第1処理部によって生成された前記周波数スペクトルにおけるピークの前記複数の
    受信アンテナ間での位相差を算出し、当該位相差の時間変化に基づいて前記物標が横方向
    へ移動する移動物であるか否かを判定する判定部と
    前記位相差の時間変化による傾きに基づいて前記横方向への相対速度を導出する導出部と、
    を備えることを特徴とするレーダ装置。
  2. 前記第1処理部によって生成された前記周波数スペクトルに対して第2FFT処理を行
    い、当該第2FFT処理の結果に基づいて前記物標が存在する角度を演算する演算部と、
    前記位相差の時間変化に基づいて、前記演算部によって演算された前記角度が角度の折
    り返しゴーストによるものか否かを判定する折返判定部とをさらに備えること
    を特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
  3. 周波数が連続的に変化する送信波が物標によって反射された反射波を複数の受信アンテ
    ナで受信する受信工程と、
    前記受信アンテナで受信した前記反射波と前記送信波とから生成されるビート信号に対
    して第1FFT処理を行うことで前記受信アンテナ毎に周波数スペクトルを生成する第1
    処理工程と、
    前記第1処理工程によって生成された前記周波数スペクトルにおけるピークの前記複数
    の受信アンテナ間での位相差を算出し、当該位相差の時間変化に基づいて前記物標が横方
    向へ移動する移動物であるか否かを判定する判定工程と
    前記位相差の時間変化による傾きに基づいて前記横方向への相対速度を導出する導出工程と、
    を含むことを特徴とするレーダ装置の制御方法。
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