JP4249057B2 - Fm−cwレーダ - Google Patents

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本発明は、ミリ波帯の電磁波を用いて車両のクルーズコントロール、衝突回避などに適用されるFM−CWレーダに関するものである。
FM−CWレーダシステムは、ミリ波帯の電磁波を使用し、前方の車両との距離・速度の検知によるクルーズコントロールや衝突不可避時のドライバーへの被害軽減などの安全性対策に適用されている。このFM−CWレーダは、前方に向けて放射した電波が先行車両にあたって跳ね返ってくる受信波と送信波との差からビート周波数を求め、そのビート周波数を使って目標までの距離および相対速度を算出することができるものである。
従来のFM−CWレーダは、送信アンテナから送信波を空間に放射し、受信アンテナで目標から跳ね返ってきた受信波を受け、この受信波を信号処理することによって目標までの距離および相対速度を検出していた。このため、従来では、目標の反射面積、距離等が不明であるため、受信波の振幅値がどれぐらいあれば受信機能としては正常であるか否かを適格に判断することができないという問題点があった。
また、受信波のビート周波数にはレーダ装置内部の電気回路の電気的線路長による遅延によって生じる周波数も含まれてしまう。そのため、従来においては、目標までの距離を正確に求めるためには、レーダ内の電気的線路長によって生じるディレイ量を試験段階で予め測定し、この測定値を用いて目標までの距離を算出する際に補正する必要があった。このため、従来では、試験が複雑になり、また温度等の影響を受けてレーダ内の電気的線路長が変化した場合は目標までの距離を正確に算出できないという問題点があった。
特許文献1には、FM−CWレーダにおいて、チャネル毎の伝送線路の線路長による遅延位相のバラツキおよび車両の車軸と走査型車載レーダのレーダ軸の取付け誤差を補正するようにした発明が開示されている。この特許文献1においては、複数の送受信アンテナを切り替える方式のホログラフィック車載レーダにおいて、走査型車載レーダを車両に取り付けた後に車軸上に反射器等の反射物体を設置し、走査型車載レーダを動作させて当該反射物体の複素信号をチャネル毎に計測し、当該チャネル毎の複素信号の絶対値をそれぞれ求め、当該複素信号を絶対値で正規化した共役の複素数を算出し、これをチャネル毎の位相補正データとして予めメモリに記憶しておき、走査型車載レーダの実際の運用時にはチャネル毎の複素スペクトラム信号に対してメモリに記憶した各チャネルの位相補正データを読み出して乗算し、乗算後の複素スペクトラム信号に基づいて方位の算出を行うようにしている。
特開2003−315445号公報
しかしながら、上記特許文献1の従来技術によれば、車軸上に反射物体を設け、その反射波に基づいて各チャネル毎の伝送線路の線路長による位相補正データを求めるようにしているので、位相補正データ導出の際に反射体が必要となる。また、この特許文献1の従来技術によれば、位相補正データを予めメモリに記憶し、この記憶データを用いて計測方位を補正するようにしているので、計時変化、温度変化などの影響を大きく受け、正確な補正ができないという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、特別な反射体などを設置することなく、レーダを通常使用している状況下で、受信機能の故障診断を容易になし得るFM−CWレーダの故障診断方法およびFM−CWレーダを得ることを目的とする。
また、本発明は、特別な反射体などを設定することなく、レーダを通常使用している状況下で、レーダの電気的遅延量の測定を容易かつ正確になし得るFM−CWレーダの電気的遅延量導出方法およびFM−CWレーダを得ることを目的とする。
上記目的を達成するために、この発明では、目標探索時、周波数変調された送信波を送信し、この送信波と目標から跳ね返ってくる受信波との周波数差に対応するビート周波数を求め、このビート周波数に基づいて目標までの相対距離および相対速度を求めるFM−CWレーダにおいて、目標探索の空き時間中の故障判定時に、特定周波数成分を持った擬似目標信号を発生する擬似目標発生回路と、目標探索時には周波数変調された送信波を発生し、前記故障判定時には無変調の送信波を発生する発振器と、目標探索時には前記発振器から出力される周波数変調された送信波を送信アンテナに供給し、前記故障判定時には前記擬似目標信号および前記発振器から出力される無変調の送信波を合成した合成波を発生してミキサに供給する信号合成回路と、目標探索時には、受信アンテナから出力される受信波と前記発振器から出力される周波数変調された送信波との周波数差に対応するビート周波数を求め、前記故障判定時には前記合成波と前記発振器から出力される無変調の送信波との周波数差に対応するビート周波数を求めるミキサと、目標探索時には、ミキサから出力されるビート周波数に基づいて目標までの相対距離および相対速度を求め、前記故障判定時にはミキサから出力されるビート周波数を、前記擬似目標信号の特定周波数と前記発振器から出力される無変調の送信波との周波数差と比較することによって受信アンテナは含まずミキサを含むレーダ受信機能の故障判定を行う信号処理器とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、無変調の送信波に特定周波数成分を持った擬似目標信号を合成し、該合成信号と無変調の送信波との周波数差に対応するビート周波数を求め、該求めたビート周波数に基づいてレーダ受信機能の故障判定を行うようにしている。
また、この発明では、周波数変調された送信波を送信し、この送信波と目標から跳ね返ってくる受信波との周波数差に対応するビート周波数を求め、このビート周波数に基づいて目標までの相対距離および相対速度を求めるFM−CWレーダにおいて、目標探索の空き時間中の電気的遅延量の測定時に、前記送信波の中心周波数に所定の周波数シフト量を加えた値の特定周波数成分を持った擬似目標信号を発生する擬似目標発生回路と、周波数変調された送信波を発生する発振器と、目標探索時には前記発振器から出力される周波数変調された送信波を送信アンテナに供給し、前記電気的遅延量の測定時には、前記擬似目標信号および前記発振器から出力される周波数変調された送信波を合成した合成波を発生してミキサに供給する信号合成回路と、目標探索時には、受信アンテナから出力される受信波と前記発振器から出力される周波数変調された送信波との周波数差に対応するビート周波数を求め、前記電気的遅延量の測定時には前記合成波と前記発振器から出力される周波数変調された送信波との周波数差に対応するビート周波数を求めるミキサと、目標探索時には、ミキサから出力されるビート周波数に基づいて目標までの相対距離および相対速度を求め、前記電気的遅延量の測定時にはミキサから出力されるビート周波数と前記周波数シフト量とに基づいて発振器から信号合成回路を経由したミキサの入力までの電気的線路長と、発振器から直接的なミキサの入力までの電気的線路長との差に対応する電気的遅延量を求める信号処理器とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、周波数変調された送信波に、該送信波の中心周波数に所定の周波数シフト量を加えた値の特定周波数成分を持った擬似目標信号を合成し、該合成信号と周波数変調された送信波との周波数差に対応するビート周波数を求め、該求めたビート周波数と前記周波数シフト量とに基づいてレーダの電気的遅延量を求めるようにしている。
この発明によれば、無変調の送信波に特定周波数成分を持った擬似目標信号を合成し、該合成信号と無変調の送信波との周波数差に対応するビート周波数を求め、該求めたビート周波数に基づいてレーダ受信機能の故障判定を行うようにしているので、特別な反射体などを設置することなく、レーダ受信機能が正常であるかの故障診断を簡単な処理によって任意の時に常時実施することが可能となる。
また、この発明では、周波数変調された送信波に、該送信波の中心周波数に所定の周波数シフト量を加えた値の特定周波数成分を持った擬似目標信号を合成し、該合成信号と周波数変調された送信波との周波数差に対応するビート周波数を求め、該求めたビート周波数と前記周波数シフト量とに基づいてレーダの電気的遅延量を求めるようにしているので、特別な反射体などを設置することなく、レーダの電気的遅延量の測定を簡単な処理によって任意の時に常時実施することが可能となる。
以下に、本発明にかかるFM−CWレーダの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1はFM−CWレーダの構成を示すブロック図である。図1に示すように、FM−CWレーダは、信号処理器1、マイクロコンピュータ(以下マイコンという)2、発振器3、増幅回路4,送信アンテナ5、受信アンテナ6、ミキサ7、ビデオ増幅器8を有する通常のFM−CWレーダの構成要素に対し、擬似目標発生回路9,信号合成回路10およびカプラ11が追加されている。
信号処理器1の出力端はマイコン2と擬似目標発生回路9と信号合成回路10に接続される。マイコン2の出力端は発振器3に接続される。発振器3の出力端は増幅回路4とミキサ7に接続される。増幅回路4の出力端は信号合成回路10に接続される。信号合成回路10の出力端は送信アンテナ5およびカプラ11に接続される。受信アンテナ6の出力端はカプラ11に接続される。カプラ11の出力端はミキサ7に接続される。ミキサ7の出力端はビデオ増幅器8に接続される。さらに、ビデオ増幅器8の出力端は信号処理器1に接続される。
信号処理器1は、FM−CWレーダの全体の制御を行う機能を有しており、信号処理器1から出力される送信タイミング信号ST、擬似目標制御信号GS、スイッチ切換信号SWはマイコン2、擬似目標発生回路9、信号合成回路10にそれぞれ供給される。
信号処理器1から送信タイミング信号STを供給されたマイコン2は、この送信タイミング信号STに従って送信コマンドSCを生成し、生成した送信コマンドSCを発振器3に供給する。発振器3は、発振器および変調回路などによって構成され、マイコン2から送信コマンドSCを供給された発振器3は、この送信コマンドSCに従って送信波SD、すなわち周波数変調された連続波を生成し、生成した送信波SDを増幅回路4およびミキサ7に供給する。
発振器3から送信波SDを供給された増幅回路4は、この送信波SDを増幅し、増幅した送信波SDを信号合成回路10に供給する。
一方、信号処理器1から擬似目標制御信号GSを供給された擬似目標発生回路9は擬似目標信号GMを生成し、生成した擬似目標信号GMを信号合成回路10に供給する。擬似目標信号GMは、送信波SDの中心周波数をf 0とし、Δfdを中心周波数f 0からの周波数シフト量とした場合、(f 0+Δfd)の周波数成分をもつものである。
信号合成回路10には、信号処理器1からのスイッチ切換信号SW、擬似目標発生回路9からの擬似目標信号GMおよび増幅回路4からの送信波SDが入力される。信号合成回路10は、図2に示すように、例えば、合成器12および切換スイッチ13によって構成されている。合成器12は、擬似目標発生回路9からの擬似目標信号GMと増幅回路4からの送信波SDとを合成し、その合成信号をスイッチ13に入力する。なお、合成器12では、擬似目標発生回路9から擬似目標信号GMが出力されていないときには、増幅回路4からの送信波SDのみをスイッチ13に入力する。
スイッチ13は、信号処理器1からのスイッチ切換信号SWに基づいて合成器12からの入力を送信アンテナ5およびカプラ11の何れかに出力するような出力切換処理を実行する。この場合、信号処理器1によるスイッチ切換信号SWおよび擬似目標制御信号GSの制御によって、合成器12から送信波SDのみが出力されているときは、この送信波SDは信号合成回路10から送信アンテナ5に供給され、また合成器12から送信波SDおよび擬似目標信号GMの合成波が出力されているときは、この合成波は信号合成回路10からカプラ11に供給されるようになっている。
送信アンテナ5は、信号合成回路10から供給された送信波SDを空間に放射する。受信アンテナ6は、目標から跳ね返ってくる受信波ZDを受信する。受信アンテナ6から出力される受信波ZDはカプラ11に供給される。カプラ11は、一方向にのみ信号を出力する機能を有しており、カプラ11は受信アンテナ6からの受信波ZD、または信号合成回路10から出力される送信波SDと擬似目標信号GMとの合成波をミキサ7に供給する。
ミキサ7は、カプラ11から出力される受信波ZD、または送信波SDと擬似目標信号GMとの合成波を、発振器3から出力される送信波SDとミキシングし、ミキシングした結果得られるビデオ信号をビデオ増幅器8に供給する。すなわち、ミキサ7は、カプラ11から出力される受信波ZDと発振器3から出力される送信波SDとの周波数差の信号(ビート信号)、あるいはカプラ11から出力される前記合成波と発振器3から出力される送信波SDとの周波数差の信号(ビート信号)を発生してビデオ増幅器8に送る。ビデオ増幅器8は、入力されたビデオ信号(ビート信号)を増幅し、その増幅信号を信号処理器1に供給する。
信号処理器1は、入力されたビート信号を信号処理することでビデオ信号に含まれるビート周波数を抽出し、目標までの距離、および速度を検出する。すなわち、信号処理器1は、ビート信号をA/D変換するA/D変換器、デジタル化されたビート信号を取込み、高速フーリエ変換(FFT)処理などにより周波数スペクトルを求める周波数分析装置、周波数分布と閾値とを比較して閾値を越えたもののなかで極大となるものを目標物として検出する目標物検出手段、目標物検出手段でピックアップされた周波数により目標物との相対距離および相対速度を求める距離速度導出手段などを有している。
まず、送信波SDを目標に放射し、該送信波SDおよびその受信波ZDに基づいて目標までの距離Rおよび目標との相対速度Vを算出するFM−CWレーダの通常の目標捜索動作について説明する。
通常動作の際、信号処理器1は、送信タイミング信号STを所要のタイミングでマイコン2に出力するとともに、例えば、Lレベルのスイッチ切換信号SWを出力して信号合成回路10のスイッチ13がその出力を送信アンテナ5に供給するようにする。また、この場合、擬似目標制御信号GSは例えばLレベルであり、擬似目標発生回路9からは擬似目標信号GMは出力されない。
マイコン2から送信コマンドSCを供給された発振器3は、この送信コマンドSCに従って送信波、すなわち周波数変調された連続波を生成し、生成した送信波SDを増幅回路4およびミキサ7に供給する。発振器3から送信波SDを供給された増幅回路4は、この送信波SDを増幅し、増幅した送信波SDを信号合成回路10に供給する。この場合、擬似目標発生回路9からは擬似目標信号GMは出力されていないので、信号合成回路10の合成器12からは増幅回路4からの送信波SDがそのまま出力される。この送信波SDはスイッチ13を介して送信アンテナ5に供給される。
送信アンテナ5は、信号合成回路10から供給された送信波SDを空間に放射する。受信アンテナ6は、目標から跳ね返ってくる受信波ZDを受信する。受信アンテナ6から出力される受信波ZDはカプラ11に供給される。カプラ11は受信アンテナ6からの受信波ZDをミキサ7に供給する。ミキサ7は、カプラ11から出力される受信波ZDと発振器3から出力される送信波SDとをミキシングし、ミキシングした結果得られるビデオ信号をビデオ増幅器8に供給する。すなわち、ミキサ7は、カプラ11から出力される受信波ZDと発振器3から出力される送信波SDとの周波数差の信号(ビート信号)を形成し、形成したビート信号をビデオ増幅器8に供給する。ビデオ増幅器8は、入力されたビデオ信号を増幅し、その増幅信号を信号処理器1に供給する。
図3は、送信波SDと受信波ZDとビート周波数の関係を示したものである。信号処理器1は、ビデオ増幅器8から入力された送信波SDと受信波ZDとのミキシング信号(ビート信号)に基づいて送信波上昇時(アップチャープ区間)のビート周波数fbuおよび送信波下降時(ダウンチャープ区間)のビート周波数fbdを求め、これら求めたビート周波数fbu,fbdを用いて下式(1)(2)に従って距離Rに相当する周波数fbおよび相対速度Vに相当する周波数fdを求める。
fb =(|fbu|+|fbd|)/2 …(1)
fd =(|fbu|−|fbd|)/2 …(2)
そして、信号処理器1は、これら求めた距離Rに相当する周波数fbおよび相対速度Vに相当する周波数fdなどに基づいて下式(3)(4)に従って目標までの距離Rおよび目標との相対速度Vを算出する。
R=(C/4*Δf*fm)*fb …(3)
V=(C/(2*f 0))*fd …(4)
ここで、
fb:距離に相当する周波数
fd:相対速度に相当する周波数
fbu:送信波上昇時(アップチャープ区間)のビート周波数
fbd:送信波下降時(ダウンチャープ区間)のビート周波数
R:目標までの距離
V:目標との相対速度
C:光速
Δf:周波数変調幅
fm :繰り返し周波数
f 0:送信波SDの中心周波数
である。
つぎに、故障診断時の動作について説明する。図4は、故障診断時の信号処理結果を概念的に示したものである。
信号処理器1は、上述した通常の目標捜索の空き時間を使ってレーダの受信機能が正常であるかの故障診断を行う。信号処理器1は故障診断を実施する場合、マイコン2に故障診断実施コマンドを出力するとともに、送信タイミング信号STを出力する。さらに、信号処理器1は擬似目標制御信号GSを擬似目標発生回路9に出力するとともに、スイッチ切換信号SWをスイッチ13に出力して、スイッチ13が合成器12からの入力をカプラ11に出力するようにスイッチ13を切り替える。
故障診断実施コマンドを受信したマイコン2は、今回は故障診断を実行することを認知し、無変調の送信波SDを送信する旨の指示コマンドを、送信タイミング信号STと共に発振器3に対し出力する。この結果、発振器3からは送信タイミング信号STに従ったタイミングで無変調の送信波(周波数f 0)SDが生成されて増幅回路4に出力される。また擬似目標発生回路からは(f 0+Δfd)の周波数成分をもった擬似目標信号GMが生成されて信号合成回路10に出力される。なお、Δfdは、前述したように、送信波SDの中心周波数f 0からの周波数シフト量である。増幅回路4は、入力された無変調の送信波SDを増幅して信号合成回路10に出力する。
信号合成回路10の合成器12は、無変調の送信波SD(周波数f 0)と(f 0+Δfd)の周波数成分をもった擬似目標信号GMとを合成し、合成信号をスイッチ13に出力する。この場合、スイッチ13は、スイッチ切換信号SWによって合成器12からの入力をカプラ11に出力するように切り替えられている。したがって、上記合成信号はスイッチ13を介してカプラ11に供給される。カプラ11は入力された合成信号をミキサ7に出力する。
ミキサ7には、合成信号の他に発振器3からの無変調の送信波SDが入力されており、ミキサ7はカプラ11から出力される無変調の送信波SD(周波数f 0)と(f 0+Δfd)の周波数成分をもった擬似目標信号GMと、発振器3から出力される送信波SD(周波数f 0)との周波数差のビート信号(この場合、ビート信号のビート周波数はΔfdとなる)を発生してビデオ増幅器8に送る。ビデオ増幅器8は、入力されたビート信号を増幅し、その増幅信号を信号処理器1に供給する。
信号処理器1は、入力されたビート信号のビート周波数を求め、このビート周波数がΔfdで合った場合、別言すれば図4に示すように送信波SDの中心周波数f 0からΔfdだけシフトしたところに信号が検出された場合はレーダの受信機能が正常に動作していると判断し、そうでなければレーダの受信機能に異常が発生していると判断する。そして、その判定結果を、表示、あるいは音などで利用者に報知する。
つぎに、レーダ内の電気的線路長によるディレイ量計測時の動作について説明する。図5は、ディレイ量計測時の信号処理結果を概念的に示したものである。
信号処理器1は、上述した通常の目標捜索の空き時間を使ってレーダ装置内のディレイ量を計測する。信号処理器1はディレイ量計測を実施する場合、マイコン2にディレイ量計測実施コマンドを出力するとともに、送信タイミング信号STを出力する。さらに、信号処理器1は、擬似目標制御信号GSを擬似目標発生回路9に出力するとともに、スイッチ切換信号SWをスイッチ13に出力して、スイッチ13が合成器12からの入力をカプラ11に出力するようにスイッチ13を切り替える。
ディレイ量計測実施コマンドを受信したマイコン2は、今回はディレイ量計測を実行することを認知し、周波数変調された送信波SDを送信する旨の指示コマンドを、送信タイミング信号STと共に発振器3に対し出力する。この結果、発振器3からは送信タイミング信号STに従ったタイミングで周波数変調された送信波(中心周波数f 0)SDが生成されて増幅回路4に出力される。また擬似目標発生回路からは(f 0+Δfd)の周波数成分をもった擬似目標信号GMが生成されて信号合成回路10に出力される。増幅回路4は、入力される周波数変調された送信波SDを増幅して信号合成回路10に出力する。
信号合成回路10の合成器12は、変調された送信波SD(中心周波数f 0)と(f 0+Δfd)の周波数成分をもった擬似目標信号GMとを合成し、合成信号をスイッチ13に出力する。この場合、スイッチ13は、スイッチ切換信号SWによって合成器12からの入力をカプラ11に出力するように切り替えられている。したがって、上記合成信号はスイッチ13を介してカプラ11に供給される。カプラ11は入力された合成信号をミキサ7に出力する。
ミキサ7には、合成信号の他に発振器3からの変調された送信波SDが入力されている。ミキサ7に入力される合成信号には、変調された送信波SD(中心周波数f 0)および(f 0+Δfd)の周波数成分をもった擬似目標信号GMの他に、レーダ装置の電気的線路長によって生じる周波数frも含まれている。したがって、ミキサ7では、(f 0+Δfd+fr)の周波数成分を持った合成信号と、発振器3から出力される変調された送信波SD(中心周波数f 0)との周波数差のビート信号(ビート周波数はΔfd+fr)を発生してビデオ増幅器8に送る。なお、上記レーダ装置の電気的線路長によって生じる周波数frは、発振器3から、増幅回路4、信号合成回路10、カプラ11を経由したミキサ7の入力までの電気的線路長と、発振器3から直接でのミキサ7の入力までの電気的線路長との差に対応している。
信号処理器1は、入力されたビート信号のビート周波数(Δfd+fr)を求める。すなわち、図5に示すように、擬似目標信号は、レーダ内の電気的線路長によって擬似目標発生回路9で発生させた擬似目標の周波数成分(f 0+Δfd)よりさらにfrだけシフトするため、信号処理結果としては(Δfd+fr)のビート周波数が検出されることになる。信号処理器1は、、このビート周波数(Δfd+fr)から擬似目標信号の周波数シフト量Δfdを差し引いて、レーダ装置の電気的線路長によって生じる周波数frを求める。そして、該求めた周波数frを上記式(3)の距離に相当する周波数fbに差し替えて代入することにより、電気的遅延量ΔR(式(3)のRに対応)を求める。そして、信号処理器1では、このようにして求められた電気的遅延量ΔRを用いて、通常の目標捜索動作の際に求めた目標までの距離Rを補正する。
このようにこの実施の形態によれば、無変調の送信波f 0に特定周波数成分(f 0+Δfd)を持った擬似目標信号を合成し、該合成信号と無変調の送信波との周波数差に対応するビート周波数Δfdを求め、該求めたビート周波数に基づいてレーダ受信機能の故障判定を行うようにしているので、特別な反射体などを設置することなく、レーダ受信機能が正常であるかの故障診断を簡単な処理によって任意の時に常時実施することが可能となる。
また、この実施の形態では、周波数変調された送信波f 0に、該送信波の中心周波数に所定の周波数シフト量を加えた値の特定周波数成分(f 0+Δfd)を持った擬似目標信号を合成し、該合成信号と周波数変調された送信波との周波数差に対応するビート周波数(Δfd+fr)を求め、該求めたビート周波数(Δfd+fr)から擬似目標信号の周波数シフト量Δfdを差し引いて、レーダ装置の電気的線路長によって生じる周波数frを求め、該求めた周波数frを式(3)に代入することにより、電気的遅延量ΔRを求めるようにしているので、特別な反射体などを設置することなく、レーダの電気的遅延量の測定を簡単な処理によって任意の時に常時実施することが可能となる。したがって、この電気的遅延量ΔRを用いて、通常の目標捜索動作の際に求めた目標までの距離Rを補正するようにすれば、正確な距離Rの測定が可能となる。
以上のように、本発明にかかるFM−CWレーダの故障診断方法、電気的遅延量導出方法およびFM−CWレーダは、車両のクルーズコントロールや衝突不可避時のドライバーへの被害軽減などの安全性対策に有用である。
この発明にかかるFM−CWレーダの構成を示すブロック図である。 図1の信号合成回路の内部構成を示すブロック図である。 送信波と受信波とビート周波数との関係を示す図である。 故障診断時の信号処理を示す図である。 電気的遅延量測定時の信号処理を示す図である。
符号の説明
1 信号処理器、
2 マイコン(マイクロコンピュータ)、
3 発振器、
4 増幅回路、
5 送信アンテナ、
6 受信アンテナ、
7 ミキサ、
8 ビデオ増幅器、
9 擬似目標発生回路、
10 信号合成回路、
11 カプラ、
12 合成器、
13 スイッチ(切換スイッチ)。

Claims (2)

  1. 目標探索時、周波数変調された送信波を送信し、この送信波と目標から跳ね返ってくる受信波との周波数差に対応するビート周波数を求め、このビート周波数に基づいて目標までの相対距離および相対速度を求めるFM−CWレーダにおいて、
    目標探索の空き時間中の故障判定時に、特定周波数成分を持った擬似目標信号を発生する擬似目標発生回路と、
    目標探索時には周波数変調された送信波を発生し、前記故障判定時には無変調の送信波を発生する発振器と、
    目標探索時には前記発振器から出力される周波数変調された送信波を送信アンテナに供給し、前記故障判定時には前記擬似目標信号および前記発振器から出力される無変調の送信波を合成した合成波を発生してミキサに供給する信号合成回路と、
    目標探索時には、受信アンテナから出力される受信波と前記発振器から出力される周波数変調された送信波との周波数差に対応するビート周波数を求め、前記故障判定時には前記合成波と前記発振器から出力される無変調の送信波との周波数差に対応するビート周波数を求めるミキサと、
    目標探索時には、ミキサから出力されるビート周波数に基づいて目標までの相対距離および相対速度を求め、前記故障判定時にはミキサから出力されるビート周波数を、前記擬似目標信号の特定周波数と前記発振器から出力される無変調の送信波との周波数差と比較することによって受信アンテナは含まずミキサを含むレーダ受信機能の故障判定を行う信号処理器と、
    を備えることを特徴とするFM−CWレーダ。
  2. 周波数変調された送信波を送信し、この送信波と目標から跳ね返ってくる受信波との周波数差に対応するビート周波数を求め、このビート周波数に基づいて目標までの相対距離および相対速度を求めるFM−CWレーダにおいて、
    目標探索の空き時間中の電気的遅延量の測定時に、前記送信波の中心周波数に所定の周波数シフト量を加えた値の特定周波数成分を持った擬似目標信号を発生する擬似目標発生回路と、
    周波数変調された送信波を発生する発振器と、
    目標探索時には前記発振器から出力される周波数変調された送信波を送信アンテナに供給し、前記電気的遅延量の測定時には、前記擬似目標信号および前記発振器から出力される周波数変調された送信波を合成した合成波を発生してミキサに供給する信号合成回路と、
    目標探索時には、受信アンテナから出力される受信波と前記発振器から出力される周波数変調された送信波との周波数差に対応するビート周波数を求め、前記電気的遅延量の測定時には前記合成波と前記発振器から出力される周波数変調された送信波との周波数差に対応するビート周波数を求めるミキサと、
    目標探索時には、ミキサから出力されるビート周波数に基づいて目標までの相対距離および相対速度を求め、前記電気的遅延量の測定時にはミキサから出力されるビート周波数と前記周波数シフト量とに基づいて発振器から信号合成回路を経由したミキサの入力までの電気的線路長と、発振器から直接的なミキサの入力までの電気的線路長との差に対応する電気的遅延量を求める信号処理器と、
    を備えることを特徴とするFM−CWレーダ。
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