JP4314262B2 - 車載用レーダ装置 - Google Patents
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Description
このような車載用レーダ装置において、レーダ装置で受信したレーダ信号のレベルが大きい場合には、レーダ装置から送信するレーダ信号のレベルを小さくし、レーダ装置で受信したレーダ信号のレベルが小さい場合には、レーダ装置から送信するレーダ信号のレベルを大きくなるように送信電力を制御するようにした車載レーダシステムがある。(特許文献1参照)
ターゲットで反射した電波の受信電力に応じてゲインを調節できるアンプを設け、受信信号のゲインを調節するようにした車載用レーダ装置がある。(特許文献2参照)
λは送信信号の波長 Rはターゲットまでの距離、
Proは直接波のみによる受信信号
σはターゲットの散乱断面積。
この発明の実施の形態1における車載用レーダ装置を図1〜図5について説明する。図1はこの発明の実施の形態1におけるブロック構成図、図2はレーダ装置におけるマルチパスの状態を示す図、図3はゲイン制御手段がない場合の受信信号およびベースバンド信号を示す図、図4はこの発明によってゲイン制御される場合のゲイン量と受信信号を示す図、図5はターゲットまでの距離に応じたゲイン量を示す図である。
送信オンオフ用スイッチ3とゲイン制御手段10にはタイミング制御回路13から信号が送られ、このタイミング制御回路13によって、送信部から電波を送信するタイミングとゲイン制御手段10によりゲイン量を調節するタイミングの同期をとるようになっている。
車載用レーダ装置101は、一般的なパルス方式に準じて動作するレーダ装置であり、発振器1にて電磁波の送信用信号が発生される。送信用信号は方向性結合器2を介し、送信オンオフ用スイッチ3で所定のオン時間、およびオフ時間で区切られパルス波とし、サーキュレータ4を介して送受信アンテナ5に供給され、電波として放射される。
その後、自車輌の前方を走行する車輌などのターゲット102にて反射された該電波は、アンテナ5にて受信され、受信信号としてサーキュレータ4を介してミキサ6に入力される。ミキサ6では受信信号が送信用信号と混合され、ベースバンド信号が生成される。その後、ベースバンド信号は可変ゲインアンプ7で、ターゲット102までの距離に応じてスロープ関数により設定されたゲイン調整を受ける。
ゲイン調整されたベースバンド信号はA/Dコンバータ8でサンプリングされた後、信号処理装置9により、電波を送信しターゲットに反射して受信するまでの遅延時間Tdに基づいて、R=c・Td/2(cは光速)の関係より、ターゲット距離Rを算出する。
図3(a)は図2に示すレーダ装置101とターゲット102の位置状態におけるレーダ装置からターゲットまでの距離Rに対する受信信号を示した図で、点線はマルチパスがない場合を、実線はマルチパスがある場合を示す。図3(b)はレーダ装置101からターゲット102までの距離Rに対するゲイン調整後のベースバンド信号を示した図である。
この発明の車載用レーダ装置において、発振器1による送信信号の発生からベースバンドの受信信号が生成されるところまでの動作は前述したと同様であるのでここでは説明を省略する。
受信信号から生成したベースバンド信号のゲイン調整は、可変ゲインアンプ7のゲインをゲイン制御手段10にて制御することにより行なわれる。ゲイン制御手段10におけるメモリ11に記憶する情報例を図4について説明する。図4(a)は可変ゲインアンプ7で調整するゲイン量を、図4(b)はゲイン調整後の受信信号を示す。
次にこのようなゲイン量G1に加え、マルチパス領域において、ベースバンド信号のレベルが低下する距離が存在するので、その領域においてのベースバンド信号を大きくする必要があるため、ベースバンド信号のレベルが低下する距離にタイミングを合わせてゲインが大きくなるよう山ギリ状にゲイン量を追加して調整する。このように距離に応じたゲイン量G1にマルチパスに応じたゲイン量を追加して、結果的に実線で示すゲイン量G2を情報としてメモリ11に記憶する。
STC回路は、レーダ装置での受信信号がターゲットまでの距離の4乗に反比例することから、近距離ではターゲットの受信信号が高く、ゲイン調整後のベースバンド信号がA/Dコンバータ8で飽和しないように、また遠距離ではターゲットの受信信号が低く,ゲイン調整後のベースバンド信号がスレッショルドレベルより低くならないようにするため、近距離ではゲインを小さいくし、遠距離ではゲインを大きくするための回路である。
STC回路はある一定のゲイン制御信号を積分回路により図5のように、ある時定数をもった信号に変換するもので、これらのゲイン量をメモリ11に記憶しておく。
また受信部の可変ゲインアンプ7のゲイン調整量をメモリ11からの信号により制御することができるので、より高精度なマルチパスに基づいたゲインの調整が可能となる。
次に、この発明の実施の形態2における車載用レーダ装置を図6及び図7について説明する。図6はこの発明の実施の形態2におけるブロック構成図、図7はレーダ装置で検出されるビート周波数信号を示す図である。
図6に示す実施の形態2のブロック構成図において、発振器1には変調信号発生部14が接続されている。この変調信号発生部14は、一般的なFMCW(Frequency Modulation Continuous Wave)方式のレーダ装置と同様に、時間とともに周波数が上昇または下降するような信号を出力し、発振器1に変調信号として入力される。発振器1からは変調信号発生部14により変調された変調信号にしたがい、周波数変調された送信信号が出力される。またタイミング制御回路13は、送信オンオフ用スイッチ3をオンして送信部から電波を送信するタイミングと、ゲイン制御手段10によりゲイン量を大きくするタイミングと、変調信号発生部14により周波数を上昇または下降するタイミングの同期をとるようになっている。その他の構成は、実施の形態1と同じ構成および相当する構成につき、同一の符号を付して説明を省略する。
ベースバンド信号は、信号処理装置9によりFFT(Fast FourierTransform)を用いてビート周波数が抽出される。その後、一般的なFMCWレーダと同様に送信用信号の周波数変調において周波数が上昇する区間(UP側)、および周波数が下降する区間(DOWN側)それぞれに対して周波数解析を行い、ターゲットまでの距離、および速度に関する演算を行う。
R=α・(Fbu+Fbd) ・・・(3)
V=β・(Fbu−Fbd) ・・・(4)
ここで、Rはターゲットまでの距離、Vはターゲットの速度、α、βはそれぞれ送信用信号の周波数変調幅、周波数の変調時間、中心周波数等により定まる定数である。
次に距離分解能について説明する。τを送信するパルス幅とすると、パルス方式のレーダの距離分解能ΔDpは式(5)で決まる。
ΔDp>c・τ/2 ・・・(5)
一方、周波数変調幅をBとすると、FMCW方式のレーダの距離分解能ΔDfは式(6)で決まる。
ΔDf>c/(2・B) ・・・(6)
FMCW方式においては、1mの距離分解能を得るために必要な変調幅は150MHzである。そのような発振器は市販されているものもあり、H/Wを安価に実現できるためFMCW方式の方がパルス方式に比べて距離分解能を細かくすることができる。
したがって、この発明の車載用レーダ装置を用いることにより、より高精度にターゲットまでの距離を計測でき、且つ、ロストすることなくターゲットを検知できるため、滑らかで快適な車間距離制御および高精度、且つ、途切れることのない衝突被害軽減動作を実現することができる。
3 スイッチ、 4 サーキュレータ、
5 送受信アンテナ、 6 ミキサ、
7 可変ゲインアンプ、 8 A/Dコンバータ、
9 信号処理装置、 10 ゲイン制御手段、
11 メモリ、 12 D/Aコンバータ、
13 タイミング制御回路、 14 変調信号発生部、
101 レーダ装置、 102 ターゲット、
103 直接波、 104 路面反射波
Claims (4)
- 送信部からターゲットに向けて電波を送信し、受信部により前記ターゲットで反射した電波を受信し、前記電波の送信から受信するまでの時間から前記ターゲットまでの距離を計測する車載用レーダ装置において、前記受信部に設けられ、受信信号のゲインを調整する可変ゲインアンプと、前記電波の路面反射によるマルチパスの影響により受信信号が低下するターゲットまでの距離において前記可変ゲインアンプのゲイン量を大きくするよう制御するゲイン制御手段と、前記送信部から電波を送信するタイミングと前記ゲイン制御手段によりゲイン量を大きくするタイミングの同期をとるタイミング制御回路とを備え、前記路面反射によるマルチパスの影響により受信信号が低下するターゲットまでの距離は、下記式のレーダ装置での受信信号Prが極小となる前後の距離とした車載用レーダ装置。
λは送信信号の波長 Rはターゲットまでの距離、
Proは直接波のみによる受信信号
σはターゲットの散乱断面積 - ゲイン制御手段は、ターゲットまでの距離に応じ、近距離に相当する場合はゲイン量を小さく、遠距離に相当する場合はゲイン量を大きくなるようにゲイン制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の車載用レーダ装置。
- ゲイン制御手段は、メモリおよびD/Aコンバータを有し、前記メモリはゲイン調整量を予め記憶し、前記メモリからのデジタル信号を前記D/Aコンバータによりアナログ信号に変換し、前記アナログ信号を用いて可変ゲインアンプのゲイン量を制御するようにした請求項1または請求項2に記載の車載用レーダ装置。
- 送信信号を時間とともに周波数が上昇または下降するように変化させる周波数変調手段を設け、受信信号のビート信号から周波数解析してターゲットまでの距離および相対速度を測定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに1つに記載の車載用レーダ装置。
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