JP7383937B2 - レーダ装置、及びレーダ試験方法 - Google Patents

レーダ装置、及びレーダ試験方法 Download PDF

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Description

本開示は、レーダ装置、及びレーダ試験方法に関する。
航空機などの目標物の捕捉に用いられるレーダとして、フェーズドアレイレーダ装置が知られている。フェーズドアレイレーダ装置は、アレイ状に配列された複数のアンテナ素子と、電子的に制御可能な位相器とを用いて電波を放射し、その反射を受信する。フェーズドアレイレーダ装置は、複数のアンテナ素子から放射される電波、及び複数のアンテナ素子で受信される電波の位相を位相器を用いて制御することで、電波の方向を所望の方向に指向させることができる。
関連技術として、特許文献1は、目標に対する追尾機能のチェック手段を有するフェーズドアレイレーダ装置を開示する。特許文献1に記載のフェーズドアレイレーダ装置は、疑似目標信号発生器を有する。疑似目標信号発生器は、あらかじめ設定する疑似目標の距離情報に基づいて振幅と発生タイミングを設定しつつ、送信信号と相似な疑似目標信号を発生する。フェーズドアレイレーダ装置において、疑似目標信号は、アンテナ素子から出力されるレーダ受信信号に代えて、受信回路に入力される。特許文献1では、疑似目標信号を用いることで、システム評価に必要な目標設定を任意に行うことができる。
特開平1-245173号公報
ここで、特許文献1では、各アンテナ素子の直後に方向性結合器が配置され、方向性結合器を用いて疑似目標信号が受信信号の信号線に入力される。例えば、試験者は、疑似目標が、あらかじめ設定した距離とは異なる位置や濃度などで表示されているか否かを調べることで、システム評価を実施することができる。しかしながら、特許文献1では、評価結果が良好でない場合、アンテナの直後から受信回路までのどの部分において不良が発生しているのか特定することが困難である問題がある。
本開示は、上記事情に鑑み、評価結果が良好でない場合に、不良個所の絞り込みが可能なレーダ装置、及びレーダ試験方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示は、複数の送信用アンテナ素子を含む送信モジュールと、複数の受信用アンテナ素子を含む受信モジュールと、前記複数の受信用アンテナ素子を用いて受信された複数のアナログレーダ受信信号を複数のデジタルレーダ受信信号に変換する受信部と、前記複数のデジタル受信信号に対してデジタルビームフォーミング処理を行い、前記アナログレーダ受信信号に含まれる目標物を表す目標信号を生成する信号処理部と、前記目標信号を表示する表示部と、前記送信用アンテナ素子から送信される励振信号、及び疑似目標を想定した場合のアナログレーダ受信信号を模したパイロット信号を生成する励振部と、レーダ送信時は前記励振部が生成する励振信号を前記送信モジュールに供給し、試験時は、前記受信モジュールから前記受信部の入力端までの2以上の個所において、選択的に前記アナログレーダ受信信号に前記パイロット信号を入力する信号切替部とを備えるレーダ装置を提供する。
本開示は、また、疑似目標を想定した場合の、送信用アンテナから送信された励振信号の反射信号を受信用アンテナ素子で受信したアナログレーダ受信信号を模したパイロット信号を生成し、前記アナログレーダ受信信号の信号経路の2以上の個所において、選択的に前記アナログレーダ受信信号に前記パイロット信号を入力し、前記アナログレーダ受信信号を複数のデジタルレーダ受信信号に変換し、前記複数のデジタル受信信号に対してデジタルビームフォーミング処理を行い、前記アナログレーダ受信信号に含まれる目標物を表す目標信号を生成し、前記目標信号を表示することを有するレーダ試験方法を提供する。
本開示に係るレーダ装置及びレーダ試験方法は、評価結果が良好でない場合に、不良個所を絞り込むことができる。
本開示に係るレーダ装置の概略的な構成を示すブロック図。 本開示の第1実施形態に係るレーダ装置の構成を示すブロック図。 受信モジュールの構成例を示すブロック図。 レーダ監視画面の表示例を示す図。 本開示の第2実施形態に係るレーダ装置の構成を示すブロック図。 本開示の第3実施形態におけるレーダ監視画面の表示例を示す図。
本開示の実施の形態の説明に先立って、本開示の概要を説明する。図1は、本開示に係るレーダ装置の概略的な構成を示す。レーダ装置10は、送信モジュール11、受信モジュール12、受信部13、信号処理部14、表示部15、励振部16、及び信号切替部17を有する。
送信モジュール11は複数の送信用アンテナ素子を有する。受信モジュール12は複数の受信用アンテナ素子を有する。受信部13は、受信モジュール12の複数の受信用アンテナ素子で受信されたアナログレーダ受信信号を、デジタルレーダ受信信号に変換する。信号処理部14は、複数のデジタル受信信号に対してデジタルビームフォーミング(DBF:Digital Beam Forming)処理を行い、アナログレーダ受信信号に含まれる目標物を表す目標信号を生成する。表示部15は、目標信号を表示する。
励振部16は、送信モジュール11の送信用アンテナ素子から送信される励振信号を生成する。また、励振部16は、疑似目標を想定した場合のアナログレーダ受信信号を模したパイロット信号を生成する。信号切替部17は、レーダ送信時は、励振部16が生成する励振信号を、送信モジュール11に供給する。信号切替部17は、試験時は、受信モジュール12から受信部13の入力端までの2以上の個所において、選択的にアナログレーダ受信信号にパイロット信号を入力する。
本開示では、レーダ装置10は、受信モジュール12から受信部13の入力端までの2以上の個所において、アナログレーダ受信信号にパイロット信号が入力可能に構成される。レーダ装置10において受信系統に不具合などが生じていない場合、目標信号において、疑似目標はパイロット信号の生成時に想定した位置に表示される。一方、アナログレーダ受信信号を処理する回路、又はその信号経路に不具合がある場合、疑似目標の位置は想定した位置からずれると考えられる。あるいは、パイロット信号の振幅に応じて変化する疑似目標の表示濃度が、想定した濃度と異なる場合も考えられる。疑似目標の位置が想定した位置からずれるなどの場合、つまり、評価結果が良好ではない場合、試験者は、パイロット信号が入力される位置を、変更することができる。変更後、疑似目標が想定した位置などに表示される場合、パイロット信号が入力される位置の以降の回路などは正常であると判断できる。このように、本開示は、パイロット信号を用いたシステムの評価結果が良好でない場合に、レーダ装置10における不良個所の絞り込みが可能である。
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態を詳細に説明する。図2は、本開示の第1実施形態に係るレーダ装置を示す。レーダ装置100は、励振部101、信号切替部102、分配器103、送信モジュール104、受信モジュール111、合成器112、方向性結合器113、方向性結合器114、受信部116、信号処理部117、表示部118、及び制御部119を有する。レーダ装置100は、図1のレーダ装置10に対応する。
本実施形態において、レーダ装置100は、例えば、距離分解能が高いパルス圧縮レーダとして構成される。レーダ装置100は、デジタルビームフォーミング処理機能を有しており、空中線開口は2次元配列の3次元のフェーズドアレイレーダとして構成される。レーダ装置100からレーダ送信されるRF(Radio Frequency)信号は、例えば、パルスドFM(Frequency Modulation)変調信号などのリニアチャープ信号、又はパルスドCW(Continuous Wave)信号などである。
励振部101は、レーダ送信されるRF信号(励振信号)を生成する。また、励振部101は、受信性能の試験(評価)に使用されるパイロット信号を生成する。励振部101は、疑似目標を想定した場合のアナログレーダ受信信号を模した信号を、パイロット信号として生成する。信号切替部102は、励振部101が生成した信号の供給先を切り替える。信号切替部102は、レーダ送信時は、励振部101が生成した励振信号を、分配器103を介して送信モジュール104に供給する。信号切替部102は、試験時は、励振部101が生成したパイロット信号を、受信モジュール111、方向性結合器113、及び方向性結合器114に選択的に出力する。励振部101は図1の励振部16に対応し、信号切替部102は図1の信号切替部17に対応する。
送信モジュール104は、励振信号を航空機などの目標物が存在し得る空間に向けて放射する。送信モジュール104は、複数のアンテナ素子(送信用アンテナ素子)、増幅器、及び位相器を有する。送信モジュール104において、複数のアンテナ素子は、例えば2次元配列されている。分配器103は、励振信号を、複数のアンテナ素子に分配する。送信モジュール104の増幅器は、分配された励振信号を増幅する。位相器は、励振信号の位相を制御する。アンテナ素子は、励振信号を送信ビームとして放射する。
本実施形態において、送信モジュール104は、位相器をビームごと(パルス繰返し周期(PRT:Pulse Repetition Time)ごとに)制御し、送信ビームの方位と仰角の向きなどを制御する。ここで、PRTは、送信時間(レーダパルス信号送信)と、直後の受信時間(レーダパルス信号受信)とを含む。PRTは、方位、仰角、及び距離等に応じて変化する。送信モジュール104は、図1の送信モジュール11に対応する。
受信モジュール111は、複数のアンテナ素子(受信用アンテナ素子)を含む。受信モジュール111において、複数のアンテナ素子は、例えば2次元配列されている。受信モジュール111は、目標からの反射信号を含む空間からの受信信号(アナログレーダ受信信号)を受信する。受信モジュール111は、図1の受信モジュール12に対応する。
図3は、受信モジュール111の構成例を示す。受信モジュール111は、アンテナ素子120、方向性結合器121、増幅器122、及び位相器123を有する。なお、図3には、アナログレーダ受信信号の1チャンネル分の構成要素が示されている。受信モジュール111は、アンテナ素子120を複数有しており、複数のアンテナ素子120のそれぞれに対応して方向性結合器121、増幅器122、及び位相器123を有する。
アンテナ素子120は、アナログレーダ受信信号を受信する。方向性結合器121は、アナログレーダ受信信号(その信号経路)に励振部101が生成するパイロット信号を入力する。増幅器122は、アナログレーダ受信信号を増幅する。位相器123は、アナログレーダ受信信号の位相を制御する。受信モジュール111は、位相器をPRTごとに制御し、受信ビームの方位と仰角の向きなどを制御する。
ここで、励振部101(図2を参照)は、PRTの中で、受信時間において、レーダ送信されるRF信号と同等の信号を、パイロット信号として生成する。励振部101は、疑似目標の距離及び高度に応じて、パイロット信号がどの仰角及び方位のビームか、或いはパイロット信号において疑似目標の反射信号を受信時間のどこにどのレベルで発生させるかを選択する。パイロット信号は、空間において、設定した距離及び高度などに疑似目標が存在する場合に各アンテナ素子120が受信するアナログレーダ受信信号を模した信号である。パイロット信号は、図示しない分配器を用いて各アンテナ素子120に対応して分配され、方向性結合器121を用いてアナログレーダ受信信号に入力される。パイロット信号は、アナログレーダ受信信号に入力された後は、アナログレーダ受信信号と同様に処理される。
合成器112は、複数のアンテナ素子(チャネル)のアナログレーダ受信信号を合成する。合成器112は、例えば、方位方向の左右2チャンネルずつアナログレーダ受信信号を合成し、仰角方向に2チャンネルずつアナログレーダ受信信号を合成する。なお、レーダ装置100が1次元アレイの2次元のフェーズドアレイレーダとして構成される場合、デジタルビームフォーミング処理では全てのチャネルを処理する場合があり、合成器112が不要な場合もある。
受信モジュール111及び合成器112は、空中線部を構成する。空中線部は、例えば屋外やレドームなどの内部に設置され得る。受信部116は、空中線部から離れた場所、例えば屋内に設置され得る。合成器112及び受信部116は、ケーブル115を介して相互に接続されている。方向性結合器113は、ケーブル115の前段において、アナログレーダ受信信号にパイロット信号を入力する。方向性結合器114は、ケーブル115の後段において、アナログレーダ受信信号にパイロット信号を入力する。なお、パイロット信号は、図示しないスイッチと分配器とを用いて複数チャネルのアナログレーダ受信信号に対応して分配され、方向性結合器113及び114を用いてアナログレーダ受信信号に入力される。
受信部116は、合成器112が出力するアナログレーダ受信信号を、方向性結合器113及び114とケーブル115とを介して受信する。受信部116は、アナログレーダ受信信号をデジタルレーダ受信信号に変換する機能を有する。受信部116は、例えば、周波数をRFからベースバンドまでダウンコンバートする機能、及びアナログレーダ受信信号に対してI,Q検波を実施し、I,Qのデジタル信号(デジタルレーダ受信信号)を出力する機能を有する。受信部116は、図1の受信部13に対応する。
信号処理部117は、デジタルレーダ受信信号に対してデジタルビームフォーミングを含む信号処理を実施する。信号処理部117は、デジタルレーダ受信信号から、アナログレーダ受信信号に含まれる目標物を表す目標信号を生成する。信号処理部117は、試験時は、デジタルレーダ受信信号から、パイロット信号に含まれる疑似目標を表す目標信号を生成する。表示部118は、例えば液晶表示装置などの表示装置を含む。表示部118は、目標信号に含まれる目標物を、ユーザに視覚的に表示する。信号処理部117は図1の信号処理部14に対応し、表示部118は図1の表示部15に対応する。
制御部119は、レーダ装置100の各部を制御する。例えば、制御部119は、レーダ送信時は、信号切替部102に、励振部101が生成する励振信号を分配器103に出力させる。制御部119は、試験時は、パイロット信号の生成に用いられる、疑似目標の距離及び方位などのデータ(情報)を励振部101に通知し、励振部101にパイロット信号を生成させる。励振部101は、制御部119から受け取ったデータに基づいてパイロット信号を生成する。励振部101は、パイロット信号が受信モジュール111の方向性結合器121を用いてアナログレーダ受信信号に入力される場合は、アンテナ素子120が出力する信号に対応したパイロット信号を生成する。励振部101は、パイロット信号が方向性結合器113又は114を用いてアナログレーダ受信信号に入力される場合は、合成器112が出力する信号に対応したパイロット信号を生成する。制御部119は、試験時は、信号切替部102に、励振部101が生成するパイロット信号を受信モジュール111、方向性結合器113、及び方向性結合器114の何れかに出力させる。
なお、レーダ装置100内の各部の機能のうちの一部、例えば信号処理部117及び制御部119の機能の少なくとも一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの半導体処理装置やFPGA(field-programmable gate array)などのプログラマブルデバイスを用いて実現されてもよい。また、それらの機能は、少なくとも1つのプロセッサ(e.g. マイクロプロセッサ、Micro Processing Unit(MPU)、Central Processing Unit(CPU))を含むコンピュータにプログラムを実行させることで実現されてもよい。
次いで、レーダ装置100における試験時の動作手順(レーダ試験方法)を説明する。レーダ装置100は、通常のレーダ送信、及びレーダ受信の動作を行う。制御部119は、PRTの受信時間において、励振部101に疑似目標に対応するパイロット信号を生成させる。パイロット信号は、受信モジュール111の方向性結合器121、方向性結合器113、又は方向性結合器114において、アナログレーダ受信信号に入力される。信号処理部117は、パイロット信号が入力されたアナログレーダ受信信号に対してデジタルビームフォーミング処理を含む各種処理を行う。表示部118は、信号処理部117が生成する目標信号を、レーダ監視画面に表示し、実際の目標、及び疑似目標を表示画面上に表示する。
図4は、レーダ監視画面の具体例を示す。図4において、円の中心はレーダサイト、つまり送信モジュール104及び受信モジュール111が配置される場所を表す。また、白抜きの三角形は、実際の目標(存空機)を表す。黒四角は、疑似目標を表す。図4において、破線の矢印は、存空機及び疑似目標の航路を表す。ユーザは、このようなレーダ監視画面を観察し、存空機を監視する。また、ユーザは、レーダ監視画面において、疑似目標が、意図した位置や濃度で表示されているか否かを監視することで、レーダ装置100が正常に動作しているかどうかを判断する。なお、図4のレーダ監視画面に示される図形などは説明を容易にするための一例であり、実際にレーダ監視画面に表示される図形などは、これらには限定されない。
本実施形態では、励振部101は、レーダ送信される励振信号に加えて、疑似目標からの反射信号を模したパイロット信号を生成する。パイロット信号は、受信モジュール111内の方向性結合器121、方向性結合器113、又は方向性結合器114を用いて、アナログレーダ受信信号に入力される。パイロット信号は、レーダ送信に使用される高周波信号と同じ諸元で、かつ高周波信号と同期が取れている。このため、パイロット信号は、受信モジュール111のアンテナ素子で受信されるアナログレーダ受信信号と同様に、疑似目標信号として、信号処理部117において、デジタルビームフォーミング処理などの処理が可能である。本実施形態では、任意の距離、方位、及び高度の疑似目標の出力が可能であり、各種信号処理機能の確認を、オンライン(レーダ送受信時)で即時に行うことができる。
本実施形態では、パイロット信号は、受信モジュール111、空中線部(合成器112)の後段、及び受信部116の前段においてアナログレーダ受信信号に入力可能である。例えば、受信モジュール111の方向性結合器121においてアナログレーダ受信信号にパイロット信号が入力される場合に、疑似目標が意図した位置や濃度で表示されていないとする。その場合、アナログ段では、受信モジュール111の増幅器122、位相器123、及び受信モジュール111と受信部116とを接続するケーブル115の何れかにおいて、不具合が発生していると判断できる。その場合、ユーザは、パイロット信号を入力する位置を、方向性結合器113に変更する。仮に、パイロット信号の入力位置が変更された後、疑似目標が意図した位置濃度で表示されたとする。その場合、ケーブル115以降の回路などには問題はなく、受信モジュール111内で不具合が発生していると判断できる。
パイロット信号の入力位置が変更された後も、疑似目標が意図した位置や濃度で表示されない場合、ユーザは、パイロット信号を入力する位置を、方向性結合器114に変更する。その場合、疑似目標が意図した位置や濃度で表示されていれば、方向性結合器114以降の回路などに問題はなく、受信モジュール111又はケーブル115に問題があると判断できる。本実施形態では、レーダ装置100は、アナログレーダ受信信号に対して、2以上の個所においてパイロット信号を入力可能に構成される。本実施形態では、疑似目標が意図した位置や濃度で表示されない場合、パイロット信号を入力する位置を変更することで、レーダ装置100において、どの個所に不具合があるかを判別することができ、細部評価が可能である。
レーダ装置100において、受信性能を決める大きなファクタにNF(Noise Factor)がある。NFの主要因は、受信部116の前段(受信モジュール111から受信部116の入力段まで)におけるノイズレベルである。特に、受信モジュール111における受信信号の増幅器は、NFの主要因となる。本実施形態では、受信モジュール111から受信部116までを物理的に接続したまま、システム動作評価が可能である。本実施形態では、ノイズレベルはオンラインと試験時とで変わらないため、システム動作評価の精度を向上することができる。
レーダ装置100において、受信部116と励振部101とは、同じLOCAL信号を使用する。受信部116は、同じLOCAL信号を使用して目標からの反射信号をダウンコンバートすることで、目標探知性能を満足することができる。LOCAL信号の位相ずれや電圧レベル、雑音レベルの変動は、目標探知性能の劣化に繋がる。本実施形態では、励振部101は、レーダ送信するRF信号と同等の信号をパイロット信号とし生成し、そのようなパイロット信号が、アナログレーダ受信信号に入力される。このため、本実施形態は、LOCAL信号の位相ずれや電圧レベル、雑音レベルの変動に起因する目標探知性能の劣化を抑制することができる。
続いて、本開示の第2実施形態を説明する。図5は、本開示の第2実施形態に係るレーダ装置を示す。本開示におけるレーダ装置100は、図2に示される第1実施形態に係るレーダ装置100の構成要素に加えて、外部空中線130を有する。本実施形態において、信号切替部102は、パイロット信号を外部空中線130に供給することができる。他の点は、第1実施形態と同様でよい。
外部空中線130は、例えば所定の位置関係に固定される。外部空中線130と受信モジュール111とは、所定の距離を隔てて対向する。外部空中線130は、例えば、受信モジュール111の中心に対して正対するように配置される。外部空中線130は、信号切替部102から入力されるパイロット信号を受信モジュール111に送信する。外部空中線130が送信するパイロット信号は、受信モジュール111において、アナログレーダ受信信号の信号経路に入力される。外部空中線130と受信モジュール111との間の距離は、受信モジュール111においてパイロット信号が等位相で受信されるように決定される。外部空中線130が用いられる場合、疑似目標の位置は仰角、方位、及び距離などが制御できる。
本実施形態では、パイロット信号を、外部空中線130から受信モジュール111に入力する。この場合、パイロット信号を、受信モジュール111の各アンテナ素子に直接入力することができる。このため、アナログレーダ受信信号の全てのチャネル、及び全受信系統の動作確認が可能である。他の効果は、第1実施形態と同様である。
なお、外部空中線130が用いられる場合、受信モジュール111の各アンテナ素子で受信されるパイロット信号には空間経路誤差が生じる可能性がある。空間経路誤差が生じる場合、受信モジュール111から信号処理部117までの間において、空間誤差を補正するとよい。
引き続き、本開示の第3実施形態を説明する。本実施形態に係るレーダ装置の構成は、図2に示される第1実施形態に係るレーダ装置100の構成と同様である。あるいは、本実施形態に係るレーダ装置の構成は、図5に示される第1実施形態に係るレーダ装置100aの構成と同様でもよい。
本実施形態において、制御部119は、信号処理部117に、デジタルテスト信号を出力する。デジタルテスト信号は、疑似目標を想定した場合のデジタルレーダ受信信号を模した信号である。デジタルテスト信号は、疑似目標からのアナログレーダ受信信号を受信部116で処理することで生成されるデジタルレーダ受信信号に相当する。
本実施形態において、信号処理部117は、パイロット信号が入力されたアナログレーダ受信信号と、デジタルテスト信号とに対して、デジタルビームフォーミング処理などの処理を行う。信号処理部117が生成する目標信号は、パイロット信号に含まれる疑似目標、及びデジタルテスト信号に含まれる疑似目標を含む。
図6は、レーダ監視画面の具体例を示す。図6において、円の中心はレーダサイトを表し、白抜きの三角形は存空機を表し、黒四角は、パイロット信号に対応する疑似目標を表す。また、黒丸は、デジタルテスト信号に対応する疑似目標を表す。図6において、破線の矢印は、存空機及び疑似目標の航路を表す。ユーザは、レーダ監視画面において、疑似目標が、意図した位置に表示されているか否かを監視することで、レーダ装置100が正常に動作しているかどうかを判断する。このとき、パイロット信号に対応する疑似目標の位置が正しくない場合、デジタルテスト信号に対応する疑似目標の位置が正しい場合、ユーザは、受信部116までのどこかにおいて、不具合があると判断できる。なお、図6のレーダ監視画面に示される図形などは説明を容易にするための一例であり、実際にレーダ監視画面に表示される図形などは、これらには限定されない。
本実施形態では、疑似目標を想定した場合のデジタルレーダ受信信号を模したデジタルテスト信号が用いられる。デジタルテスト信号を用いることで、レーダ装置100において、デジタル信号の領域に不具合が生じているか、アナログ信号の領域に不具合が生じているかを判断することができる。他の効果は、第1実施形態又は第2実施形態と同様である。
なお、上記各実施形態では、受信モジュール111と、ケーブル115の両端においてアナログレーダ受信信号にパイロット信号を入力する例を説明したが、本開示はこれには限定されない。レーダ装置100において、パイロット信号は、受信モジュール111から受信部116の前段までの間の少なくとも2箇所で入力されればよい。例えば、第1実施形態において、方向性結合器113を省略し、受信モジュール111の方向性結合器121と方向性結合器114とを用いて、アナログレーダ受信信号にパイロット信号を入力してもよい。また、第2実施形態において、受信モジュール111の方向性結合器121と方向性結合器113とを省略し、外部空中線130と方向性結合器114とを用いて、アナログレーダ受信信号にパイロット信号を入力してもよい。
以上、本開示の実施形態を詳細に説明したが、本開示は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に対して変更や修正を加えたものも、本開示に含まれる。
10:レーダ装置
11:送信モジュール
12:受信モジュール
13:受信部
14:信号処理部
15:表示部
16:励振部
17:信号切替部
100:レーダ装置
101:励振部
102:信号切替部
103:分配器
104:送信モジュール
111:受信モジュール
112:合成器
113、114、121:方向性結合器
115:ケーブル
116:受信部
117:信号処理部
118:表示部
119:制御部
120:アンテナ素子
122:増幅器
123:位相器
130:外部空中線

Claims (8)

  1. 複数の送信用アンテナ素子を含む送信モジュールと、
    複数の受信用アンテナ素子を含む受信モジュールと、
    前記複数の受信用アンテナ素子を用いて受信された複数のアナログレーダ受信信号を複数のデジタルレーダ受信信号に変換する受信部と、
    前記複数のデジタルレーダ受信信号に対してデジタルビームフォーミング処理を行い、前記アナログレーダ受信信号に含まれる目標物を表す目標信号を生成する信号処理部と、
    前記目標信号を表示する表示部と、
    前記送信用アンテナ素子から送信される励振信号、及び疑似目標を想定した場合のアナログレーダ受信信号を模したパイロット信号を生成する励振部と、
    レーダ送信時は前記励振部が生成する励振信号を前記送信モジュールに供給し、試験時は、前記受信モジュールから前記受信部の入力端までの2以上の個所において、選択的に前記アナログレーダ受信信号に前記パイロット信号を入力する信号切替部とを備えるレーダ装置。
  2. 前記信号切替部は、方向性結合器を介して前記パイロット信号を前記アナログレーダ受信信号に入力する請求項1に記載のレーダ装置。
  3. 前記信号切替部は、外部空中線を用いて前記受信用アンテナ素子に前記パイロット信号を受信させることで、前記パイロット信号を前記アナログレーダ受信信号に入力する請求項1又は2に記載のレーダ装置。
  4. 前記パイロット信号は、前記複数のアナログレーダ受信信号の数だけ分配され、各アナログレーダ受信信号に入力される請求項1から3何れか1項に記載のレーダ装置。
  5. 更に、疑似目標を想定した場合のデジタルレーダ受信信号を模したデジタルテスト信号を前記信号処理部に入力する制御部を有する請求項1から4何れか1項に記載のレーダ装置。
  6. 前記受信部には、ケーブルを介して前記アナログレーダ受信信号が入力され、
    前記信号切替部は、前記ケーブルの前後の少なくとも一方において前記パイロット信号を前記アナログレーダ受信信号に入力する請求項1から5何れか1項に記載のレーダ装置。
  7. 前記受信モジュールは前記アナログレーダ受信信号を増幅する増幅器と、前記アナログレーダ受信信号の位相を制御する位相器とを含み、
    前記信号切替部は、前記増幅器の前段において前記パイロット信号を前記アナログレーダ受信信号に入力する請求項1から6何れか1項に記載のレーダ装置。
  8. レーダ装置が、疑似目標を想定した場合の、送信用アンテナから送信された励振信号の反射信号を受信用アンテナ素子で受信したアナログレーダ受信信号を模したパイロット信号を生成し、
    前記レーダ装置が、前記アナログレーダ受信信号の信号経路の2以上の個所において、選択的に前記アナログレーダ受信信号に前記パイロット信号を入力し、
    前記レーダ装置が、前記アナログレーダ受信信号を複数のデジタルレーダ受信信号に変換し、
    前記レーダ装置が、前記複数のデジタルレーダ受信信号に対してデジタルビームフォーミング処理を行い、前記アナログレーダ受信信号に含まれる目標物を表す目標信号を生成し、
    前記レーダ装置が、前記目標信号を表示することを有するレーダ試験方法。
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