JP4461599B2 - レーダ装置および位置速度推定方法 - Google Patents

レーダ装置および位置速度推定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーダ装置および位置速度推定方法に関し、詳しくは、ターゲットからの反射信号に基づいてターゲットの位置または速度を検出するレーダ装置および周波数変調された送信信号のターゲットからの反射信号に基づいてターゲットの位置または速度を推定する位置速度推定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のレーダ装置としては、遠方のターゲットに対してFM−CWレーダを用いると共に近傍のターゲットに対して位相差レーダを用いるものが提案されている(例えば、特開平8−170985号公報など)。このレーダ装置では、遠方のターゲットの位置と速度を検出する際にはFM−CWレーダを用いて検出し、近傍のターゲットの位置と速度を検出する際にはFM−CWレーダから位相差レーダに切り換えて検出している。ターゲットとの相対速度はターゲットが近傍に位置するときに比して遠方に位置するときの方が大きい場合が多いことから、FM−CWレーダ装置は相対速度の大きなターゲットの位置と速度をも検出するよう設計されることが多い。こうした設計のFM−CWレーダ装置で近傍のターゲットを検出しようとすると、検出される周波数領域では、受信信号に含まれる直流成分のために、そのサイドローブの影響を受けて検出が困難になる。上述のレーダ装置は、こうした問題を近傍のターゲットに対しては位相差レーダを用いることにより解決しようとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうしたレーダ装置では、FM−CWレーダと位相差レーダとを備える必要があり、装置が複雑化すると共に大型化してしまう。そのため、前述の問題を他の手法により解決し、FM−CWレーダだけで近傍から遠方までのターゲットに対応できる別の手法が望まれていた。また、FM−CWレーダでは、直流成分のサイドローブの影響の他に、検出されたエコーが反射信号を受信する際のサンプリング周期により定まるエコー検出周波数範囲を超えるために、物理現象としてはエコー検出周波数範囲の上限で折り返されて検出され、この折り返されたエコーに基づいた推定によって誤りが生じるという問題があった。
【0004】
本発明のレーダ装置および位置速度推定方法は、ターゲットの遠近に拘わらず、ターゲットの位置と速度をより正確に推定することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明のレーダ装置および位置速度推定方法は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
【0006】
本発明のレーダ装置は、ターゲットからの反射信号に基づいて該ターゲットの位置または速度を検出するレーダ装置であって、周波数変調された送信信号を前記ターゲットに送信する送信手段と、前記ターゲットからの反射信号を受信アンテナを用いて受信する反射信号受信手段と、該反射信号受信手段により受信した反射信号を周波数分析して前記ターゲットにより生じるエコーを検出するエコー検出手段と、該検出されたエコーのうちいずれかが検出周波数範囲の上下限で折り返されているかを判定する折り返し判定手段と、該判定結果と前記検出されたエコーとに基づいて前記ターゲットの位置または速度を推定する位置速度推定手段とを備え、前記反射信号受信手段は、前記ターゲットからの反射信号を異なる複数の位置で受信アンテナを用いて受信する手段であり、前記エコー検出手段は、前記異なる位置毎に受信した反射信号を周波数分析して該異なる位置毎に前記ターゲットにより生じるエコーを検出する手段であり、前記折り返し判定手段は、前記検出された異なる位置のエコーに基づいて前記ターゲットの方位を推定し、該推定された方位が許容範囲内にないときにエコーが前記検出周波数範囲の上下限で折り返されていると判定する手段であることを要旨とする。
【0007】
この本発明のレーダ装置では、折り返し判定手段を用いて検出されたエコーが検出周波数範囲の上下限で折り返されているかを判定し、その判定結果に基づいてターゲットの位置や速度を推定するから、ターゲットのより適正な位置や速度を推定することができる。ここで、「ターゲットの位置」にはターゲットとの距離の概念も含まれ、「ターゲットの速度」にはターゲットの相対速度も含まれる。また、エコーの折り返しの判定は、エコーの位相を検出できる装置を用いて時間の経過と共に変化する位相の変化方向を検出し、これが異なることを利用すれば実現できる。
【0008】
こうした本発明のレーダ装置において、前記反射信号受信手段は前記ターゲットからの反射信号を異なる複数の位置で受信アンテナを用いて受信する手段であり、前記エコー検出手段は前記異なる位置毎に受信した反射信号を周波数分析して該異なる位置毎に前記ターゲットにより生じるエコーを検出する手段であり、前記折り返し判定手段は前記検出された異なる位置のエコーに基づいて前記ターゲットの方位を推定することによりエコーの折り返しを判定する手段であるものとすることもできる。
【0009】
このターゲットからの反射信号を異なる複数の位置に配置された受信アンテナを用いて受信する態様の本発明のレーダ装置において、前記折り返し判定手段は、前記ターゲットの方位を検出する方位検出手段と、前記検出された異なる位置のエコーに基づいて前記ターゲットの方位を推定する方位推定手段とを備え、該推定された方位と前記検出された方位とが許容範囲内にないときに該推定された方位の推定に用いたエコーが前記検出周波数範囲の上下限で折り返されていると判定する手段であるものとすることもできる。ターゲットの方位を検出する方位検出手段により検出された方位を用いて折り返しの判定をするから、より容易かつ適正に折り返しを判定することができる。
【0010】
また、ターゲットからの反射信号を異なる複数の位置に配置された受信アンテナを用いて受信する態様の本発明のレーダ装置において、前記送信手段は時間当たりの周波数変化量が同じで増減が異なる2つのフェーズを少なくとも有する周波数変調された送信信号を送信する手段であり、前記折り返し判定手段は、前記検出された異なる位置の各フェーズのエコーに基づいて各々前記ターゲットの方位を推定する方位推定手段を備え、該推定された各々の方位が許容範囲内にないときに周波数の低い方のエコーが前記検出周波数範囲の下限で折り返されていると判定する手段であるものとすることもできる。レーダ装置では、エコーの検出周波数範囲は反射信号を受信する際のサンプリング周期により定まるから、サンプリング周期を調節することによりエコーの検出周波数範囲をある程度設定することができる。したがって、対象となるターゲットの位置と速度に対して検出周波数範囲の上限が十分に高くなるようサンプリング周期を設計することもできる。この場合には、周波数の高い方のエコーの検出周波数範囲の上限での折り返しはないと考えることができるから、周波数の低い方のエコーの検出周波数範囲の下限での折り返しを判定すればよいことになる。周波数の高い方のエコーは検出周波数範囲の上限での折り返しはないと考えることができるから、これにより推定されるターゲットの方位は正しい方位と考えることができる。したがって、この方位と周波数の低い方のエコーにより推定される方位とを比較すれば、周波数の低い方のエコーが検出周波数範囲の下限で折り返されたものであるか否かを判定することができる。
【0011】
あるいは、ターゲットからの反射信号を異なる複数の位置に配置された受信アンテナを用いて受信する態様の本発明のレーダ装置において、前記送信手段は時間当たりの周波数変化量が同じで増減が異なる2つのフェーズを少なくとも有する周波数変調された送信信号を送信する手段であり、前記折り返し判定手段は、前記検出された異なる位置の各フェーズのエコーに基づいて各々前記ターゲットの方位を推定する方位推定手段を備え、該推定された各々の方位が許容範囲内にないときに周波数の高い方のエコーが前記検出周波数範囲の上限で折り返されていると判定する手段であるものとすることもできる。前述の対象となるターゲットの位置と速度に対して検出周波数範囲の上限が十分に高くなるようサンプリング周期を設計するものとは逆に、対象となるターゲットの位置と速度に対して検出周波数範囲の下限が十分に低くなるようサンプリング周期を設計することもできる。この場合には、周波数の低い方のエコーの検出周波数範囲の下限での折り返しはないと考えることができるから、周波数の高い方のエコーの検出周波数範囲の上限での折り返しを判定すればよく、周波数の低い方のエコーにより推定されるターゲットの方位を正しい方位としてこの方位と周波数の高い方のエコーにより推定される方位とを比較して、周波数の高い方のエコーが検出周波数範囲の上限で折り返されたものであるか否かを判定することができる。
【0012】
また、ターゲットからの反射信号を異なる複数の位置に配置された受信アンテナを用いて受信する態様の本発明のレーダ装置において、前記位置速度推定手段は、前記折り返し判定手段により前記検出周波数範囲の上下限で折り返されていると判定されたとき、該判定に係るエコーの周波数を折り返されていない周波数に補正すると共に該周波数を補正したエコーに基づいて前記ターゲットの位置または速度を推定する手段であるものとすることもできる。補正された周波数のエコーを用いるから、より正確にターゲットの位置と速度を推定することができる。
【0013】
さらに、ターゲットからの反射信号を異なる複数の位置に配置された受信アンテナを用いて受信する態様の本発明のレーダ装置において、前記送信手段は、送信信号の掃引周期を変更可能な手段であるものとすることもできる。送信信号の掃引周波数を変更することにより、ターゲットに対する直流成分のサイドローブの影響が異なるから、エコーの検出の際に直流成分のサイドローブの影響を軽減することができる。この結果、より正確にターゲットの位置と速度とを推定することができる。この態様の本発明のレーダ装置において、前記送信手段は第1の掃引周期の送信信号と該第1の掃引周期より大きな第2の掃引周期の送信信号とを切り換えて送信可能な手段であり、比較的遠方のターゲットを探索するときには前記第1の掃引周期の送信信号を送信すると共に比較的近傍のターゲットを探索するときには前記第2の掃引周期の送信信号を送信するよう前記送信手段による送信を切り換える送信切換手段を備えるものとすることもできる。こうすれば、遠方のターゲットでも近傍のターゲットでもより正確にその位置や速度を推定することができる。
【0014】
本発明の位置速度推定方法は、ターゲットの位置または速度を推定する位置速度推定方法であって、(a)周波数変調された送信信号を前記ターゲットに送信し、(b)前記ターゲットからの反射信号を受信アンテナを用いて受信し、(c)該受信した反射信号を周波数分析して前記ターゲットにより生じるエコーを検出し、(d)該検出されたエコーが検出周波数範囲の上下限で折り返されているかを判定し、(e)該折り返しが判定されたとき、前記エコーの周波数を折り返されていない周波数に補正し、(f)該周波数の補正されたエコーまたは前記検出されたエコーに基づいて前記ターゲットの位置または速度を推定し、前記ステップ(b)は、前記ターゲットからの反射信号を異なる複数の位置で受信アンテナを用いて受信するステップであり、前記ステップ(c)は、前記異なる位置毎に受信した反射信号を周波数分析して該異なる位置毎に前記ターゲットにより生じるエコーを検出するステップであり、前記ステップ(d)は、前記検出された異なる位置のエコーに基づいて前記ターゲットの方位を推定し、該推定された方位が許容範囲内にないときにエコーが前記検出周波数範囲の上下限で折り返されていると判定するステップであることを要旨とする。
【0015】
この本発明の位置速度推定方法によれば、検出周波数範囲の上下限で折り返されたエコーについては折り返されていない周波数に補正し、この周波数が補正されたエコーに基づいてターゲットの位置や速度を推定するから、ターゲットのより適正な位置や速度を推定することができる。ここで、「ターゲットの位置」にはターゲットとの距離の概念も含まれ、「ターゲットの速度」にはターゲットの相対速度も含まれる。
【0016】
こうした本発明の位置速度推定方法において、前記ステップ(b)は、前記ターゲットからの反射信号を異なる複数の位置で受信アンテナを用いて受信するステップであり、前記ステップ(c)は、前記異なる位置毎に受信した反射信号を周波数分析して該異なる位置毎に前記ターゲットにより生じるエコーを検出するステップであり、前記ステップ(d)は、前記検出された異なる位置のエコーに基づいて前記ターゲットの方位を推定することによりエコーの折り返しを判定するステップであるものとすることもできる。
【0017】
このターゲットからの反射信号を異なる複数の位置に配置された受信アンテナを用いて受信する態様の本発明の位置速度推定方法において、前記ステップ(d)は、前記ターゲットの方位を検出し、前記検出された異なる位置のエコーに基づいて前記ターゲットの方位を推定し、該推定された方位と前記検出された方位とが許容範囲内にないときに該推定された方位の推定に用いたエコーが前記検出周波数範囲の上下限で折り返されていると判定するステップであるものとすることもできる。検出されたターゲットの方位を用いて折り返しの判定をするから、より容易かつ適正に折り返しを判定することができる。
【0018】
また、ターゲットからの反射信号を異なる複数の位置に配置された受信アンテナを用いて受信する態様の本発明の位置速度推定方法において、前記ステップ(a)は時間当たりの周波数変化量が同じで増減が異なる2つのフェーズを少なくとも有する周波数変調された送信信号を送信するステップであり、前記ステップ(d)は前記検出された異なる位置の各フェーズのエコーに基づいて各々前記ターゲットの方位を推定し、該推定された各々の方位が許容範囲内にないときに周波数の低い方のエコーが前記検出周波数範囲の下限で折り返されていると判定するステップであるものとすることもできる。対象となるターゲットの位置と速度に対して検出周波数範囲の上限が十分に高くなるようサンプリング周期が設計された場合、周波数の高い方のエコーの検出周波数範囲の上限での折り返しはないと考えられるから、周波数の高い方のエコーにより推定されるターゲットの方位を正しい方位としてこの方位と周波数の低い方のエコーにより推定される方位とを比較することにより、周波数の低い方のエコーが検出周波数範囲の下限で折り返されたものであるか否かを判定することができる。
【0019】
あるいは、ターゲットからの反射信号を異なる複数の位置に配置された受信アンテナを用いて受信する態様の本発明の位置速度推定方法において、前記ステップ(a)は時間当たりの周波数変化量が同じで増減が異なる2つのフェーズを少なくとも有する周波数変調された送信信号を送信するステップであり、前記ステップ(d)は、前記検出された異なる位置の各フェーズのエコーに基づいて各々前記ターゲットの方位を推定し、該推定された各々の方位が許容範囲内にないときに周波数の高い方のエコーが前記検出周波数範囲の上限で折り返されていると判定するステップであるものとすることもできる。対象となるターゲットの位置と速度に対して検出周波数範囲の下限が十分に高くなるようサンプリング周期が設計された場合、周波数の低い方のエコーの検出周波数範囲の下限での折り返しはないと考えられるから、周波数の低い方のエコーにより推定されるターゲットの方位を正しい方位としてこの方位と周波数の高い方のエコーにより推定される方位とを比較することにより、周波数の高い方のエコーが検出周波数範囲の上限で折り返されたものであるか否かを判定することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。図1は、本発明の一実施例であるFM−CWレーダ装置20の構成の概略を示す構成図である。実施例のFM−CWレーダ装置20は、図示するように、供給された電圧振幅の三角波による周波数変調により、時間当たりの周波数変化量が同じで増減が異なる上りフェーズと下りフェーズを有する高周波信号を発生する電圧制御発振器22と、この高周波信号を送信する送信アンテナ24と、車両の前方に各々配置されターゲット10からの反射信号を受信する左右二つの受信アンテナ26a,26bと、受信アンテナ26a,26bにより各々受信された反射信号と電圧制御発振器22からの高周波信号とを受けて反射信号の周波数と高周波信号の周波数との差の周波数成分を持つ左右のビート信号を得るミキサ28a,28bと、左右のビート信号の供給を受けてターゲット10との距離と相対速度を推定する信号処理装置30とを備える。なお、受信アンテナ26a,26bは、同じアンテナを機械的に移動させて実現してもよい。
【0021】
信号処理装置30は、左右のビート信号を周波数分析する周波数分析部32a,32bと、周波数分析の結果に基づいて左右の上りフェーズおよび下りフェーズのエコーを検出するエコー検出部34a,34bと、左右の同一フェーズのエコーを用いてターゲット10の方位を検出する方位検出部36と、検出されたターゲット10の方位に基づいて周波数の低い方のエコーが折り返しによるものであるかを判定すると共に折り返しと判定されたときには判定に係るエコーの周波数を折り返されていない周波数に補正する折り返し判定補正部38と、検出されたエコーと補正されたエコーとに基づいてターゲット10の距離と速度と方位を演算する距離・速度・方位演算部40とを備える。
【0022】
周波数分析部32a,32bは、実施例では左右のビート信号を複素FFT(高速フーリエ変換)により周波数分析を行ない適当な周波数間隔(周波数bin)毎に複素振幅(電圧)を求めるものとした。周波数分析の結果の一例を図2に示す。図2(a)は左の受信アンテナ26aにより受信された反射信号に対するビート信号を周波数分析したものであり、図2(b)は右の受信アンテナ26bにより受信された反射信号に対するビート信号を周波数分析したものである。
【0023】
エコー検出部34a,34bでは、周波数分析の結果のピークをエコーとして検出する。図2の周波数分析結果では、上りフェーズのピークの周波数fbuと下りフェーズの周波数fbdが相当する。なお、図2では、上りフェーズが下りフェーズより高い周波数となっているのは、ターゲット10が相対的に遠ざかっていることを表わしている。
【0024】
方位検出部36は、左右の同一フェーズのエコーを用いて、即ち左右の上りフェーズのエコーおよび左右の下りフェーズのエコーをそれぞれ用いてターゲット10の方位を次式(1)により演算する。式中、θは方位角、λは受信した反射波の波長、Lは左右の受信アンテナ26a,26bの距離、Δφは受信アンテナ26a,26bにより受信した反射波の位相差である。
【0025】
【数1】
Figure 0004461599
【0026】
折り返し判定補正部38では、上りフェーズと下りフェーズのうち周波数の高い方のフェーズのエコーを用いて演算された方位を正しい方位として周波数の低い方のフェーズのエコーを用いて演算された方位が許容範囲内で正しいとした方位と一致するか否かにより、周波数の低い方のフェーズのエコーがその検出周波数範囲の下限で折り返されているか否かを判定する。実施例のFM−CWレーダ装置20では、受信アンテナ26a,26bによる受信の際のサンプリング周期がターゲット10の距離と速度とに対してエコーの検出周波数範囲の上限が十分に高くなるよう設計されている。このため、対象となる範囲内の距離と速度のターゲット10に対してはエコーの検出周波数範囲の上限による折り返しはなく、エコーの検出周波数範囲の下限による折り返しだけを判定すればよい。図2の周波数分析結果では、上りフェーズのエコーはその検出周波数範囲の上限による折り返しではなく、下りフェーズのエコーがその検出周波数範囲の下限による折り返しであるか否かを判定する対象となる。折り返し判定補正部38では、周波数の低い方のエコーがその検出周波数範囲の下限による折り返しと判定されたときには、判定されたエコーの周波数にマイナス1を乗じてエコーの検出周波数範囲の下限で折り返されていない周波数に補正する。例えば、図2の周波数分析結果による下りフェーズのエコーがエコーの検出周波数範囲の下限による折り返しと判定されたときには、周波数fbdにマイナス1を乗じた「−fbd」を下りフェーズのエコーの周波数とするのである。こうした処理により正しい周波数に補正できるのは次の理由による。
【0027】
距離Rで静止したターゲット10のエコーが周波数frで得られるものとし、相対速度vのターゲット10で生じるドップラ周波数をfdとすると、距離Rに存在するターゲット10では、上りフェーズのエコーは周波数fbu=fr+fdで検出され、下りフェーズのエコーは周波数fbd=fr−fdで検出される。こうした上りフェーズのエコーの周波数fbuと下りフェーズのエコーの周波数fbdを用いると、距離Rに対する周波数frと相対速度vに対する周波数fdは、次式(2)および式(3)により求めることができる。
【0028】
fr=(fbu+fbd)/2 (2)
fd=(fbu−fbd)/2 (3)
【0029】
いま、図2における下りフェーズのエコーがその検出周波数範囲の下限で折り返されたものとすると、検出された下りフェーズのエコーの周波数fbdは周波数軸上での折り返しにより本来fbd=fr−fdとなるものがfbd=fd−frとして検出される。したがって、エコーの検出周波数範囲の下限で折り返されたものと判定されたときにマイナス1を乗じることにより折り返される前の本来の周波数とすることができる。この関係を図3に例示する。なお、図3に示された実際に検出された下りフェーズのエコーの周波数を上述の式(2)および式(3)に代入すると、距離Rに対する周波数fr=fdとなり、相対速度vに対する周波数fd=frとなって、距離と速度の情報が入れ替わるのが解る。これでは、ターゲット10の距離と速度を正確に推定することができない。
【0030】
距離・速度・方位演算部40では、検出されたエコーと補正されたエコーの周波数fbu,fbdから上述の式(2)および式(3)を用いて距離Rに対する周波数frと相対速度vに対する周波数fdとを演算し、演算した周波数fr,fdを用いて周知の式によりターゲット10との距離Rおよび相対速度vを演算する。なお、方位については上述の式(1)により演算する。
【0031】
次に、こうして構成された実施例のFM−CWレーダ装置20でターゲット10の距離と相対速度とが正しく検出される様子について説明する。ターゲット10を、図4に示すように、range方向に向けられた実施例のFM−CWレーダ装置20に対して側方からrange方向に沿って一定速度で移動させる状況を設定し、実施例のFM−CWレーダ装置20によりターゲット10の距離と速度を検出する。このときにエコー検出部34a,34bで検出される各フェーズのエコーの周波数と方位検出部36で各フェーズのエコーを用いて演算される方位とを図5に示す。ターゲット10がレーダから遠ざかっているから、上りフェーズのエコーの周波数の方が下りフェーズのエコーの周波数より高くなっている。ターゲット10が近くに位置するときには、ターゲット10が遠ざかっているにも拘わらず下りフェーズのエコーの周波数は低くなっていることから、検出されている下りフェーズのエコーがその検出周波数範囲の下限で折り返されているのが解る。このため、下りフェーズのエコーを用いて演算された方位は、上りフェーズのエコーを用いて演算された方位と符号が反転したものとなっている。したがって、上りフェーズのエコーを用いて演算された方位と下りフェーズのエコーを用いて演算された方位とを比較することにより周波数の低い方のエコー(下りフェーズのエコー)がエコーの検出周波数範囲の下限で折り返されているか否かを判定することができる。時間t1以降ではエコーの検出周波数範囲の下限で折り返されていた下りフェーズのエコーは周波数が検出周波数範囲になるから、下りフェーズのエコーの周波数は上りフェーズのエコーの周波数と同様にターゲット10が遠ざかっていくにしたがって高くなる。下りフェーズのエコーを用いて演算される方位は、時間t1で正転し、上りフェーズのエコーを用いて演算される方位と同一となる。
【0032】
以上説明した実施例のFM−CWレーダ装置20によれば、上りフェーズと下りフェーズのうち周波数の低い方のフェーズのエコーを用いて演算された方位が周波数の高い方のフェーズのエコーを用いて演算された方位の許容範囲内にあるか否かにより、周波数の低い方のフェーズのエコーがその検出周波数範囲の下限で折り返されているか否かを判定することができる。また、実施例のFM−CWレーダ装置20によれば、周波数の低い方のエコーがその検出周波数範囲の下限で折り返されているときには折り返されていない本来の周波数に補正することにより、ターゲット10の距離と相対速度とを正確に推定することができる。
【0033】
実施例のFM−CWレーダ装置20では、受信アンテナ26a,26bによる受信の際のサンプリング周期がターゲット10の距離と速度とに対してエコーの検出周波数範囲の上限が十分に高くなるよう設計し、対象となる範囲内の距離と速度のターゲット10に対してはエコーの検出周波数範囲の上限による折り返しがないようにして、周波数の低い方のエコーの検出周波数範囲の下限による折り返しだけを判定するものとしたが、受信アンテナ26a,26bによる受信の際のサンプリング周期がターゲット10の距離と速度とに対してエコーの検出周波数範囲の下限が十分に低くなるよう設計し、対象となる範囲内の距離と速度のターゲット10に対してはエコーの検出周波数範囲の下限による折り返しがないようにして、周波数の高い方のエコーの検出周波数範囲の上限による折り返しだけを判定するものとしてもよい。この場合、エコーの検出周波数範囲の上限による折り返しが判定されたときにはエコーの周波数にマイナス1を乗じてエコーの検出周波数範囲の上限で折り返されていない周波数に補正すればよい。
【0034】
実施例のFM−CWレーダ装置20では、受信アンテナ26a,26bによる受信の際のサンプリング周期がターゲット10の距離と速度とに対してエコーの検出周波数範囲の上限が十分に高くなるよう設計し、対象となる範囲内の距離と速度のターゲット10に対してはエコーの検出周波数範囲の上限による折り返しがないようにして、周波数の低い方のエコーの検出周波数範囲の下限による折り返しだけを判定するものとしたが、図6の変形例のFM−CWレーダ装置20Bに示すように、ターゲット10の方位を検出する方位検出装置37を設け、折り返し判定補正部38Bをこの方位検出装置37により検出された方位と方位検出部36により演算される各フェーズの方位とを比較することにより、いずれかのフェーズのエコーが検出周波数範囲の上下限で折り返されていないかを判定するものとしてもよい。方位検出装置として、指向性ビームを向けてターゲットの方位を確認できる電波レーダやレーザレーダ,超音波レーダなどの各種レーダを用いるものとしたり、画像による検出なども利用することができる。
【0035】
次に、本発明の第2実施例としてのFM−CWレーダ装置20Cについて説明する。図7は、第2実施例のFM−CWレーダ装置20Cの構成の概略を示す構成図である。第2実施例のFM−CWレーダ装置20Cは、図示するように、第1実施例のFM−CWレーダ装置20と同一の構成に、短い周期の三角波を出力する遠方領域探索用電圧発生器42と、遠方領域探索用電圧発生器42から出力される三角波と振幅は同じだが長い周期の三角波を出力する近傍領域探索用電圧発生器44と、遠方領域探索用電圧発生器42と電圧制御発振器22とを接続するか近傍領域探索用電圧発生器44と電圧制御発振器22とを接続するかを選択的に切り替えるモード切替器46とを備える。なお、第2実施例のFM−CWレーダ装置20Cの構成のうち第1実施例のFM−CWレーダ装置20の構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明は省略する。第2実施例のFM−CWレーダ装置20Cでは、モード切替器46の切り替えにより、電圧制御発振器22から遠方領域探索用電圧発生器42または近傍領域探索用電圧発生器44からの長短の周期の三角波により周波数変調された上りフェーズと下りフェーズを有する高周波信号が出力される。
【0036】
いま、遠方領域探索用電圧発生器42および近傍領域探索用電圧発生器44から出力された三角波により周波数変調された高周波信号を用いてターゲット10の距離Rと相対速度vとを検出することを考える。図8に例示するように、遠方探索モードと近傍探索モードとにおいて送信アンテナ24から送信される周波数変調された高周波信号の遷移周波数をΔf、掃引周期をTc1,Tc2、距離Rに対する周波数をfr1,fr2、相対速度vに対する周波数fd1,fd2とすると、距離Rに対する周波数fr1,fr2は次式(4)および式(5)により計算され、各モードの周波数に対する最小分解能fmin1,fmin2は式(6)および(7)により計算され、各モードの距離Rに対する最小分解能Rmin1,Rmin2は式(8)および式(9)により計算される。なお式中、cは光速である。
【0037】
fr1=(2R・Δf)/(Tc1・c) (4)
fr2=(2R・Δf)/(Tc2・c) (5)
fmin1=1/Tc1 (6)
fmin2=1/Tc2 (7)
Rmin1=c/(2・Δf) (8)
Rmin2=c/(2・Δf) (9)
【0038】
いま、近傍探索モードの掃引周期Tc2は遠方探索モードの掃引周期Tc1より大きいから、周波数の最小分解能については式(6)および式(7)からfmin1>fmin2の関係となることから、周波数に関して言えば、近傍探索モードの方が遠方探索モードより直流成分のサイドローブの影響を軽減することができる。一方、距離の最小分解能は式(8)および式(9)からRmin1=Rmin2と同一となるから、距離に対しては遠方探索モードと近傍探索モードとのいずれのモードを用いて同じ距離に位置するターゲット10の距離を検出しても同一の結果、即ち直流成分のサイドローブによる影響は同一となる。
【0039】
ここで、ターゲット10が相対速度vで移動しているものとし、送信アンテナ24からの送信信号の中心周波数をfcとすると、各モードにおけるドップラ周波数fd1,fd2は次式(10)および式(11)により計算され、fd1=fd2となることから、掃引周期による影響は受けないのが解る。
【0040】
fd1=(2v・fc)/(c+v)(10)
fd2=(2v・fc)/(c+v)(11)
【0041】
各モードで得られるエコーの周波数f1,f2は、それぞれ距離Rに対する周波数fr1,fr2とドップラ周波数fd1,fd2の和であり、周波数の最小分解能についてはfmin1>fmin2であるから、ドップラ周波数fd1,fd2が同じなら近傍探索モードの方が遠方探索モードより直流成分のサイドローブによる影響を軽減した状態でエコーを検出できることになる。この関係の一例を図9に示す。近傍探索モードでは、ドップラ周波数fdが負の値のときには、fr+fdも負の値となって検出されるエコーとしてはエコーの検出周波数範囲の下限により折り返されたものとなることが多くなるが、この場合についての処理については第1実施例で用いた手法により対応することができる。
【0042】
なお、第2実施例のFM−CWレーダ装置20Cでは、モード切替器46による切り替えは、車両の運転席近傍に配置された探索切替スイッチが操作されることにより行なうものとしたが、遠方探索モードと近傍探索モードとを所定時間毎に切り替えるものとしたり、遠方探索モードによりターゲット10の距離が所定範囲内になったときに近傍探索モードに切り替えるものとしてもよい。
【0043】
以上説明した第2実施例のFM−CWレーダ装置20Cによれば、掃引周期の異なる送信信号を切り替えて送信することにより、ターゲット10の位置が遠方であっても近傍であっても、より高い精度で距離と相対速度とを検出することができる。
【0044】
第2実施例のFM−CWレーダ装置20Cでは、異なる二つの掃引周期の送信信号を用いて遠方探索モードと近傍探索モードの二つのモードによりターゲット10の距離と相対速度を検出するものとしたが、三つ以上の掃引周期の送信信号を用いて三つ以上のモードによりターゲット10の距離と相対速度を検出するものとしてもよい。
【0045】
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例であるFM−CWレーダ装置20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】 周波数分析部32a,32bによる周波数分析の結果の一例を示す説明図である。
【図3】 エコーの折り返しを説明する説明図である。
【図4】 ターゲット10の移動を説明する説明図である。
【図5】 エコー検出部34a,34bで検出される各フェーズのエコーの周波数と方位検出部36で各フェーズのエコーを用いて演算される方位の一例を示す説明図である。
【図6】 変形例のFM−CWレーダ装置20Bの構成の概略を示す構成図である。
【図7】 第2実施例のFM−CWレーダ装置20Cの構成の概略を示す構成図である。
【図8】 異なる二つの掃引周期の送信信号を説明する説明図である。
【図9】 直流成分のサイドローブとこの影響を受けるエコーの関係を例示する説明図である。
【符号の説明】
20,20B,20C FM−CWレーダ装置、22 電圧制御発振器、24送信アンテナ、26a,26b 受信アンテナ、28a,28b ミキサ、30,30B 信号処理装置、32a,32b 周波数分析部、34a,34b エコー検出部、36 方位検出部、37 方位検出装置、38,38B 折り返し判定補正部、40 距離・速度・方位演算部、42 遠方領域探索用電圧発生器、44 近傍領域探索用電圧発生器、46 モード切替器。

Claims (11)

  1. ターゲットからの反射信号に基づいて該ターゲットの位置または速度を検出するレーダ装置であって、
    周波数変調された送信信号を前記ターゲットに送信する送信手段と、
    前記ターゲットからの反射信号を受信アンテナを用いて受信する反射信号受信手段と、
    該反射信号受信手段により受信した反射信号を周波数分析して前記ターゲットにより生じるエコーを検出するエコー検出手段と、
    該検出されたエコーのうちいずれかが検出周波数範囲の上下限で折り返されているかを判定する折り返し判定手段と、
    該判定結果と前記検出されたエコーとに基づいて前記ターゲットの位置または速度を推定する位置速度推定手段とを備え、
    前記反射信号受信手段は、前記ターゲットからの反射信号を異なる複数の位置で受信アンテナを用いて受信する手段であり、
    前記エコー検出手段は、前記異なる位置毎に受信した反射信号を周波数分析して該異なる位置毎に前記ターゲットにより生じるエコーを検出する手段であり、
    前記折り返し判定手段は、前記検出された異なる位置のエコーに基づいて前記ターゲットの方位を推定し、該推定された方位が許容範囲内にないときにエコーが前記検出周波数範囲の上下限で折り返されていると判定する手段である
    レーダ装置。
  2. 前記折り返し判定手段は、前記ターゲットの方位を検出する方位検出手段と、前記検出された異なる位置のエコーに基づいて前記ターゲットの方位を推定する方位推定手段とを備え、該推定された方位と前記検出された方位とが許容範囲内にないときに該推定された方位の推定に用いたエコーが前記検出周波数範囲の上下限で折り返されていると判定する手段である請求項記載のレーダ装置。
  3. 請求項記載のレーダ装置であって、
    前記送信手段は、時間当たりの周波数変化量が同じで増減が異なる2つのフェーズを少なくとも有する周波数変調された送信信号を送信する手段であり、
    前記折り返し判定手段は、前記検出された異なる位置の各フェーズのエコーに基づいて各々前記ターゲットの方位を推定する方位推定手段を備え、該推定された各々の方位が許容範囲内にないときに周波数の低い方のエコーが前記検出周波数範囲の下限で折り返されていると判定する手段である
    レーダ装置。
  4. 請求項記載のレーダ装置であって、
    前記送信手段は、時間当たりの周波数変化量が同じで増減が異なる2つのフェーズを少なくとも有する周波数変調された送信信号を送信する手段であり、
    前記折り返し判定手段は、前記検出された異なる位置の各フェーズのエコーに基づいて各々前記ターゲットの方位を推定する方位推定手段を備え、該推定された各々の方位が許容範囲内にないときに周波数の高い方のエコーが前記検出周波数範囲の上限で折り返されていると判定する手段である
    レーダ装置。
  5. 前記位置速度推定手段は、前記折り返し判定手段により前記検出周波数範囲の上下限で折り返されていると判定されたとき、該判定に係るエコーの周波数を折り返されていない周波数に補正すると共に該周波数を補正したエコーに基づいて前記ターゲットの位置または速度を推定する手段である請求項1ないしいずれか記載のレーダ装置。
  6. 前記送信手段は、送信信号の掃引周期を変更可能な手段である請求項1ないしいずれか記載のレーダ装置。
  7. 請求項記載のレーダ装置であって、
    前記送信手段は、第1の掃引周期の送信信号と該第1の掃引周期より大きな第2の掃引周期の送信信号とを切り換えて送信可能な手段であり、
    比較的遠方のターゲットを探索するときには前記第1の掃引周期の送信信号を送信すると共に比較的近傍のターゲットを探索するときには前記第2の掃引周期の送信信号を送信するよう前記送信手段による送信を切り換える送信切換手段を備える
    レーダ装置。
  8. ターゲットの位置または速度を推定する位置速度推定方法であって、
    (a)周波数変調された送信信号を前記ターゲットに送信し、
    (b)前記ターゲットからの反射信号を受信アンテナを用いて受信し、
    (c)該受信した反射信号を周波数分析して前記ターゲットにより生じるエコーを検出し、
    (d)該検出されたエコーが検出周波数範囲の上下限で折り返されているかを判定し、
    (e)該折り返しが判定されたとき、前記エコーの周波数を折り返されていない周波数に補正し、
    (f)該周波数の補正されたエコーまたは前記検出されたエコーに基づいて前記ターゲットの位置または速度を推定し、
    前記ステップ(b)は、前記ターゲットからの反射信号を異なる複数の位置で受信アンテナを用いて受信するステップであり、
    前記ステップ(c)は、前記異なる位置毎に受信した反射信号を周波数分析して該異なる位置毎に前記ターゲットにより生じるエコーを検出するステップであり、
    前記ステップ(d)は、前記検出された異なる位置のエコーに基づいて前記ターゲットの方位を推定し、該推定された方位が許容範囲内にないときにエコーが前記検出周波数範囲の上下限で折り返されていると判定するステップである
    位置速度推定方法。
  9. 前記ステップ(d)は、前記ターゲットの方位を検出し、前記検出された異なる位置のエコーに基づいて前記ターゲットの方位を推定し、該推定された方位と前記検出された方位とが許容範囲内にないときに該推定された方位の推定に用いたエコーが前記検出周波数範囲の上下限で折り返されていると判定するステップである請求項記載の位置速度推定方法。
  10. 請求項記載の位置速度推定方法であって、
    前記ステップ(a)は、時間当たりの周波数変化量が同じで増減が異なる2つのフェーズを少なくとも有する周波数変調された送信信号を送信するステップであり、
    前記ステップ(d)は、前記検出された異なる位置の各フェーズのエコーに基づいて各々前記ターゲットの方位を推定し、該推定された各々の方位が許容範囲内にないときに周波数の低い方のエコーが前記検出周波数範囲の下限で折り返されていると判定するステップである
    位置速度推定方法。
  11. 請求項記載の位置速度推定方法であって、
    前記ステップ(a)は、時間当たりの周波数変化量が同じで増減が異なる2つのフェーズを少なくとも有する周波数変調された送信信号を送信するステップであり、
    前記ステップ(d)は、前記検出された異なる位置の各フェーズのエコーに基づいて各々前記ターゲットの方位を推定し、該推定された各々の方位が許容範囲内にないときに周波数の高い方のエコーが前記検出周波数範囲の上限で折り返されていると判定するステップである
    位置速度推定方法。
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