JP2002089686A - 自動変速機の再変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の再変速制御装置

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JP2002089686A JP2000282339A JP2000282339A JP2002089686A JP 2002089686 A JP2002089686 A JP 2002089686A JP 2000282339 A JP2000282339 A JP 2000282339A JP 2000282339 A JP2000282339 A JP 2000282339A JP 2002089686 A JP2002089686 A JP 2002089686A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変速中における再変速の遅延を再変速要求時
期に応じて可変とし、再変速応答遅れと変速ショックと
の兼ね合いを希望通りに実現可能とする。 【解決手段】 好適変速段GPN がt1に4速から3速に切
り替わり、これに伴う変速中のt7にGPN が3速から2速
に切り替わって再変速要求があると、t1に指令変速段GP
S も4速から3速に切り替わり、GPS と現状変速段GPC
との不一致により圧P24B の低下と圧PLCの上昇とで4
→3変速を開始する。ギヤ比iが変速後ギヤ比へ変化し
始めるイナーシャフェーズ開始時t2に再変速禁止フラグ
FLAGS をONし、t7での再変速要求を以下により遅延させ
る。t7ではGPS を3速に保って4→3変速を継続させ
る。タイマTM1 はt7からイナーシャフェーズ終了t3まで
の時間を計測し、これが長いほど小さくなる再変速遅延
用所定時間TA を検索する。t3からイナーシャフェーズ
終了後処理時間TB とTA との合計時間が経過したのを
タイマTM2 が検知するt8にFLAGS をOFF して再変速を許
可し、このt8にGPS をGP N と同じ2速に切り替えて対応
する再変速を行わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機の変速
中に別の変速要求が発生した時の再変速を、再変速発生
遅れ時間と再変速ショックとの兼ね合いにおいて、適切
なタイミングで行わせるための自動変速機の再変速制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動変速機は、複数のクラッチやブレー
キ等の摩擦要素を選択的に油圧作動(締結)させること
により歯車伝動系の動力伝達経路(変速段)を決定し、
締結作動させる摩擦要素を切り換えることにより他の変
速段への変速を行うよう構成する。
【0003】上記の変速に当たって好適変速段を決定す
るには一般的に、エンジンスロットル開度や車速などの
車両運転情報からコントローラが予定のマップをもとに
運転状態に符合した好適変速段を定め、これへの変速が
行われるよう締結作動させる摩擦要素を切り換えるのが
普通である。これがため自動変速機は、変速中でも急な
アクセルペダル操作などにより車両運転状態が変化する
と、コントローラからの対応した再変速要求を受けて再
変速を実行することとなる。
【0004】しかるに変速中に再変速を強行すると、締
結作動過程にある摩擦要素を解放したり、解放途中にあ
る摩擦要素を締結させることになって、変速制御がでた
らめになることから変速応答遅れが著しく長くなった
り、大きな変速ショックを生ずる等の弊害を生ずる。こ
の問題解決のためには図9に破線で示すように再変速を
行うことが考えられる。
【0005】つまり、エンジンスロットル開度TVOの
図9に示すような増大に伴って瞬時t1に第4速から第
3速への変速が開始され、当該変速により変速機入力回
転数であるタービン回転数Nt の変化傾向から明らかな
ように瞬時t2にイナーシャフェーズが開始されて実効
ギヤ比(変速機入出力回転比)が変速前の第4速ギヤ比
から変速後の第3速ギヤ比に向けて変化し始め、瞬時t
4にイナーシャフェーズが終了して実効ギヤ比が変速後
の第3速ギヤ比に到達し、イナーシャフェーズ中の瞬時
t3に好適変速段が第3速から第2速に変化して第3速
から第2速への再変速要求が発生した場合について説明
するに、再変速要求がイナーシャフェーズ中の瞬時t3
に発生したことから、ここでは当該要求に対応した再変
速(3→2変速)を実行させず、この再変速を破線で示
すごとくイナーシャフェーズ終了瞬時t4に開始させ、
タービン回転数Nt の破線で示す変化傾向から明らかな
ように瞬時t6で第3速から第2速への再変速を完了す
る。
【0006】ところでイナーシャフェーズが終了した時
には未だ、締結作動過程にある摩擦要素の作動油圧を制
御する調圧系や、解放作動過程にある摩擦要素の作動油
圧を制御する調圧系が、変速終了後の変速段を成立させ
る定常状態に至っていないことからこれら調圧系の出力
油圧が不安定であり、図9の破線で示すごとくこのイナ
ーシャフェーズ終了瞬時t4に再変速を開始させると、
当該変速を制御するための調圧系が変速開始前の変速段
を成立させる定常状態に至っていないのに再変速を開始
することとなり、当該定常状態であることが前提の変速
制御が結果として狙い通りの油圧をつくることができな
い等により、再変速の変速制御に不都合をもたらし、変
速機出力トルクの破線で示す経時変化から明らかなごと
く変速ショックが大きくなる。しかして再変速の応答遅
れ時間は短くすることができる。
【0007】そこで従来、例えば特開平2−46352
号公報に記載のごとく、上記の再変速を図9に実線で示
すように行わせる技術も提案されている。つまり、イナ
ーシャフェーズ中の瞬時t3に第3速から第2速への再
変速要求が発生した時は、イナーシャフェーズ終了瞬時
t4から一定時間T0 が経過する瞬時t5までの間、対
応する再変速を禁止して第3速を保持し、当該第3速か
ら第2速への再変速を一定の遅延時間T0 の経過瞬時t
5に開始させ、タービン回転数Nt の実線で示す変化傾
向から明らかなように瞬時t7に第2速への再変速を完
了する。この場合、変速機出力トルクは図9に実線で示
すごとくに時系列変化し、これと破線で示す変速機出力
トルクの時系列変化との比較から明らかなように、再変
速の応答遅れ時間が長くなるものの、上記の場合に問題
となった変速ショックの改善を実現することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記した従
来の再変速制御装置ではイナーシャフェーズ終了瞬時t
4から一定時間T0 中において再変速を禁止して遅延さ
せるといえども、当該再変速の遅延時間T0 が一定であ
るため、変速中における再変速要求時期の早い遅いに関
係なく全て同じタイミングで、すなわち、いずれの場合
もイナーシャフェーズ終了から一定の遅延時間T0 が経
過した瞬時t5に対応する再変速が実行されることとな
り、以下に説明するような問題が生ずることを確かめ
た。
【0009】つまり、変速中の比較的早い時期に再変速
要求が発生した場合は、運転者が早期の再変速を希望す
る運転をしていることになり、再変速ショックを少し犠
牲にしても再変速応答遅れ時間を短くしたい要求があ
り、極端に早い時期に再変速要求が発生した場合は、イ
ナーシャフェーズ終了後に前記した調圧系が未だ完全な
定常状態に至っておらず、調圧系が未だ少し不安定な状
態状態である可能性のあるタイミングでも再変速を行わ
せるのが良いことすらある。しかるに従来のように再変
速遅延時間T0 を、前記した変速ショックの問題が生じ
ないよう定めてこの値に固定する限り、当該要求を実現
すること不可能である。
【0010】かといって当該要求が満足されるよう再変
速遅延時間T0 を短い、若しくは負の一定値としたので
は、変速中の比較的遅い時期に再変速要求が発生した場
合に、さほど早期の再変速を希望していないにもかかわ
らず再変速を早期に行わせ、その結果として肝心の再変
速ショックを犠牲にすることとなる。
【0011】請求項1に記載の第1発明は、上記の問題
がとりもなおさず、再変速遅延時間が再変速要求時期の
早い遅いに関係なく一定であることに起因するとの事実
認識に基づき、そして、変速中の比較的早い時期に再変
速要求が発生した場合は変速ショックを少し犠牲にして
も運転者が早期の再変速を希望しており、逆に変速中の
比較的遅い時期に再変速要求が発生した場合は再変速応
答遅れ時間が少し長くなっても運転者が変速ショックの
改善を希望しているとの観点から、再変速遅延時間を、
再変速要求時期の早い遅いに応じて上記の要求が満足さ
れるよう可変にし、これにより上記の問題解決を実現し
た自動変速機の再変速制御装置を提案することを目的と
する。
【0012】請求項2に記載の第2発明は、再変速遅延
制御の開始タイミングを適切に定めて再変速の遅延が無
駄に行われることのないようにした自動変速機の再変速
制御装置を提案することを目的とする。
【0013】請求項3に記載の第3発明は、変速中の極
端に早い時期に再変速要求が発生した場合は要求に合わ
せ、イナーシャフェーズ終了直後における調圧系の不安
定が未だ収まっていなくてこれに伴う変速ショックが発
生する虞れがある、変速終了前の早いタイミングで再変
速を行わせることすら可能にした自動変速機の再変速制
御装置を提案することを目的とする。
【0014】請求項4に記載の第4発明は、遅延させて
いる再変速の許可タイミングを決める時の基準となる変
速終了を、イナーシャフェーズ終了後に締結側作動油圧
指令値が締結側摩擦要素の締結完了を指示する上限値と
なり、且つ、解放側作動油圧指令値が解放側摩擦要素の
解放完了を指示する下限値となった後となし得るように
することで、再変速を、調圧系が安定状態になるまでは
確実に遅延させ、その後に行わせ得るようにした自動変
速機の再変速制御装置を提案することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】これらの目的のため、先
ず第1発明による自動変速機の再変速制御装置は、複数
の摩擦要素を選択的に締結作動させることにより対応変
速段を選択可能で、締結作動させる摩擦要素を切り替え
ることにより他の変速段への変速を行うことができ、変
速中に別の変速要求が発生しても対応する再変速を遅延
させて、該再変速を変速終了から所定時間が経過した時
に行わせるようにした自動変速機において、前記別の変
速要求が発生した時から、変速機入出力回転数比で表さ
れる実効ギヤ比が変速後ギヤ比に到達するイナーシャフ
ェーズ終了時までの時間に応じ、該時間が長いほど前記
遅延のための所定時間を短くするよう構成したことを特
徴とするものである。
【0016】第2発明による自動変速機の再変速制御装
置は、第1発明において、前記実効ギヤ比が変速前ギヤ
比から変速後ギヤ比に向けて変化し始めるイナーシャフ
ェーズ開始時またはトルクフェーズ開始時より前に前記
別の変速要求が発生した時は、該別の変速要求に対応し
た再変速を直ちに実行させるよう構成したことを特徴と
するものである。
【0017】第3発明による自動変速機の再変速制御装
置は、第1発明または第2発明において、前記別の変速
要求発生時からイナーシャフェーズ終了時までの時間が
長い領域では前記遅延のための所定時間を負値とし、前
記変速終了よりも前に該別の変速要求に対応した再変速
を開始させるように構成したことを特徴とするものであ
る。
【0018】第4発明による自動変速機の再変速制御装
置は、第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、前記
イナーシャフェーズ終了から設定時間が経過した時を前
記変速終了とするよう構成したことを特徴とするもので
ある。
【0019】
【発明の効果】複数の摩擦要素のうち選択的に締結作動
させる摩擦要素を切り替えることにより行う変速中に別
の変速要求が発生しても、当該変速中は対応する再変速
を遅延させて、この再変速を変速終了から所定時間が経
過した時に行わせる。かかる再変速の遅延によれば、そ
の分再変速の応答遅れ時間が発生するものの、変速中に
再変速が行われてしまう時のような変速ショックを回避
し得ると共に、イナーシャフェーズ終了直後における調
圧系の不安定に伴う変速ショックを回避することができ
る。
【0020】ここで第1発明においては特に、上記別の
変速要求が発生した時からイナーシャフェーズ終了時ま
での時間が長いほど上記再変速の遅延のための所定時間
を短くする。これがため、上記再変速の遅延のための所
定時間、つまり再変速遅延時間を再変速要求時期の早い
遅いに応じて変化させ、再変速要求時期が早いほど再変
速遅延時間を長くすることになる。従って、変速中の比
較的早い時期に再変速要求が発生した場合は早期に再変
速が開始され、変速ショックを少し犠牲にしても運転者
が早期の再変速を希望している要求を満足させることが
でき、逆に変速中の比較的遅い時期に再変速要求が発生
した場合は比較的遅くに再変速が開始され、早期に再変
速を開始させることに対する運転者の要求が低い分、再
変速応答遅れ時間を少し長くして運転者の望む良好な変
速ショックに対する要求を満足させることができ、相反
する2つの要求をともに満足する再変速制御を実現し得
る。
【0021】第2発明においては、イナーシャフェーズ
開始時またはトルクフェーズ開始時より前に上記別の変
速要求が発生した時は、これに対応した再変速を直ちに
実行させるため、再変速遅延制御の開始タイミングを、
再変速の遅延が無駄に行われることのないよう適切に定
め得ることとなって、当該無駄な再変速の遅延により運
転フィーリングが悪化するのを防止することができる。
【0022】第3発明においては、上記別の変速要求が
発生した時からイナーシャフェーズ終了時までの時間が
長い領域では上記遅延のための所定時間を負値とし、前
記変速終了よりも前に該別の変速要求に対応した再変速
を開始させるため、変速中の極端に早い時期に再変速要
求が発生した場合は、イナーシャフェーズ終了直後にお
ける調圧系の不安定が未だ収まっていなくて再変速時に
これに伴う変速ショックが発生する虞れがあっても変速
終了前の早いタイミングで対応する再変速を行わせるこ
とすら可能となり、更なる早期の再変速を運転者が希望
している要求をも満足させることができる。
【0023】第4発明においては、イナーシャフェーズ
終了から設定時間が経過した時を前記変速終了とするた
め、遅延させている再変速の許可タイミングを決める時
の基準となる変速終了を、イナーシャフェーズ終了後に
締結側作動油圧指令値が締結側摩擦要素の締結完了を指
示する上限値となり、且つ、解放側作動油圧指令値が解
放側摩擦要素の解放完了を指示する下限値となった後と
なし得て、再変速を、調圧系が安定状態になるまでは確
実に遅延させてその後に行わせるようにすることができ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は本発明一実施の形態に
なる自動変速機の再変速制御装置を示し、1はエンジ
ン、2は自動変速機である。エンジン1は、運転者が操
作するアクセルペダルに連動してその踏み込みにつれ全
閉から全開に向け開度増大するスロットルバルブにより
出力を加減され、エンジン1の出力回転はトルクコンバ
ータ3を経て自動変速機2の入力軸4に入力されるもの
とする。
【0025】自動変速機2は、同軸突き合わせ関係に配
置した入出力軸4,5上にエンジン1の側から順次フロ
ントプラネタリギヤ組6およびリヤプラネタリギヤ組7
を載置して具え、これらを自動変速機2における遊星歯
車変速機構の主たる構成要素とする。エンジン1に近い
フロントプラネタリギヤ組6は、フロントサンギヤS
F 、フロントリングギヤRF 、これらに噛合するフロン
トピニオンPF 、および該フロントピニオンを回転自在
に支持するフロントキャリアCF よりなる単純遊星歯車
組とし、エンジン1から遠いリヤプラネタリギヤ組7
も、リヤサンギヤSR 、リヤリングギヤRR 、これらに
噛合するリヤピニオンPR 、および該リヤピニオンを回
転自在に支持するリヤキャリアCR よりなる単純遊星歯
車組とする。
【0026】遊星歯車変速機構の伝動経路(変速段)を
決定する摩擦要素としてはロークラッチL/C、2速・
4速ブレーキ2−4/B、ハイクラッチH/C、ローリ
バースブレーキLR/B、ローワンウエイクラッチL/
OWC、およびリバースクラッチR/Cを、以下のごと
く両プラネタリギヤ組6,7の構成要素に相関させて設
ける。つまり、フロントサンギヤSF はリバースクラッ
チR/Cにより入力軸4に適宜結合可能にすると共に、
2速・4速ブレーキ2−4/Bにより適宜固定可能とす
る。
【0027】フロントキャリアCF はハイクラッチH/
Cにより入力軸4に適宜結合可能にする。フロントキャ
リアCF は更に、ローワンウエイクラッチL/OWCに
よりエンジン回転と逆方向の回転を阻止すると共に、ロ
ーリバースブレーキLR/Bにより適宜固定可能とす
る。そしてフロントキャリアCF と、リヤリングギヤR
R との間を、ロークラッチL/Cにより適宜結合可能と
する。フロントリングギヤRF およびリヤキャリアCR
間を相互に結合し、これらフロントリングギヤRF およ
びリヤキャリアCR を出力軸6に結合し、リヤサンギヤ
R を入力軸4に結合する。
【0028】上記遊星歯車変速機構の動力伝達列は、摩
擦要素L/C,2−4/B,H/C,LR/B,R/C
の図2に実線の〇印で示す選択的油圧作動(締結)と、
ローワンウェイクラッチL/OWCの同図に実線の〇印
で示す自己係合とにより、前進第1速(1st)、前進第
2速(2nd)、前進第3速(3rd)、前進第4速(4t
h)の前進変速段と、後退変速段(Rev )とを得ること
ができる。なお図2に点線の〇印で示す油圧作動(締
結)は、エンジンブレーキが必要な時に作動させるべき
摩擦要素である。
【0029】図2に示す変速制御用摩擦要素L/C,2
−4/B,H/C,LR/B,R/Cの締結論理は図1
に示すコントロールバルブボディー8により実現し、こ
のコントロールバルブボディー8には図示せざるマニュ
アルバルブの他に、ライン圧ソレノイド9、ロークラッ
チソレノイド10、2速・4速ブレーキソレノイド1
1、ハイクラッチソレノイド12、ローリバースブレー
キソレノイド13などを挿置する。
【0030】ライン圧ソレノイド9はそのON,OFF
により、変速制御の元圧であるライン圧を高低切り替え
し、図示せざるマニュアルバルブは、希望する走行形態
に応じて運転者により前進走行(D)レンジ位置、後退
走行(R)レンジ位置、または駐停車(P,N)レンジ
位置に操作されるものとする。Dレンジでマニュアルバ
ルブは、上記のライン圧を元圧としてロークラッチソレ
ノイド10、2速・4速ブレーキソレノイド11、ハイ
クラッチソレノイド12、ローリバースブレーキソレノ
イド13のデューティ制御により対応するロークラッチ
L/C、2速・4速ブレーキ2−4/B、ハイクラッチ
H/C、ローリバースブレーキLR/Bの作動油圧を個
々に制御し得るようライン圧を所定の回路に供給し、当
該各ソレノイドのデューティ制御により図2に示した第
1速〜第4速の締結論理を実現するものとする。但しR
レンジでは、マニュアルバルブはリバースクラッチR/
Cについてはライン圧を上記各ソレノイドのデューティ
制御に依存することなく直接供給し、ローリバースブレ
ーキLR/Bについては上記ローリバースブレーキソレ
ノイド13によるデューティ制御圧を供給し、これらを
締結作動させることにより図2に示した後退の締結論理
を実現するものとする。なおP,Nレンジでマニュアル
バルブはライン圧をどの回路にも供給せず、全ての摩擦
要素を解放状態にすることにより自動変速機を中立状態
にする。
【0031】ライン圧ソレノイド9のON,OFF制
御、およびロークラッチソレノイド10、2速・4速ブ
レーキソレノイド11、ハイクラッチソレノイド12、
ローリバースブレーキソレノイド13のデューティ制御
はそれぞれ変速機コントローラ14により実行し、その
ために変速機コントローラ14には、エンジン1のスロ
ットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ15
からの信号と、トルクコンバータ3の出力回転数(変速
機入力回転数)であるタービン回転数Nt を検出するタ
ービン回転センサ16からの信号と、自動変速機2の出
力軸5の回転数NO を検出する出力回転センサ17から
の信号と、選択レンジを検出するインヒビタスイッチ1
8からの信号とをそれぞれ入力する。
【0032】本発明が関与するDレンジでの自動変速作
用を説明するに、変速機コントローラ14は図示せざる
制御プログラムを実行して、予定の変速マップをもとに
スロットル開度TVOおよび変速機出力回転数NO (車
速)から、現在の運転状態において要求される好適変速
段(図3〜図5にGPN で示す)を検索する。次いで変
速機コントローラ14は、当該好適変速段GPN への変
速を許可すべきかどうかを判定し、許可すべきなら指令
変速段GPS (図3〜図5参照)を上記のGPN に更新
する。そして変速機コントローラ14は、現在選択中の
現状変速段GPC (図3〜図5参照)が指令変速段GP
S と一致しているか否かを判定し、不一致なら変速指令
を発して指令変速段GPS (好適変速段GPN )への変
速が実行されるよう、つまり図2の締結論理表にもとづ
き当該変速のための摩擦要素の締結、解放切換えが行わ
れるようソレノイド10〜13のデューティ制御によ
り、当該摩擦要素の作動油圧を変更する。
【0033】ここで本発明による再変速制御を説明する
ために、先ずスロットル開度TVOが図3に示すように
変化して好適変速段GPN が瞬時t1に第4速から第3
速に切り替わるも、その後は好適変速段GPN が第3速
のままで再変速要求がない場合の通常の4→3ダウンシ
フトを詳述する。瞬時t1における好適変速段GPN
切り替えが変速中におけるものでない(再変速要求)で
ないことから、指令変速段GPS も直ちに第4速から第
3速に切り替わり、瞬時t1に指令変速段GPS と現状
変速段GPC (第4速)との不一致に呼応して4→3ダ
ウンシフトが開始される。
【0034】当該ダウンシフトは図2の締結論理から明
らかなように、2速・4速ブレーキ2−4/Bを解放さ
せると共にロークラッチL/Cを締結させる摩擦要素の
切り替えにより行い、これがため2速・4速ブレーキ2
−4/Bの作動油圧(2速・4速ブレーキ圧)P24B
例えば図3のごとくに低下させると共にロークラッチL
/Cの作動油圧(ロークラッチ圧PLC)を同図に例示す
るごとくに上昇させる。かかる2速・4速ブレーキ2−
4/BおよびロークラッチL/C間における締結切り替
えにより変速が進行すると、変速機入出力回転比(Nt
/No )で表される実効ギヤ比iが図3の瞬時t2〜t
3間において変速前ギヤ比(第4速ギヤ比)から変速後
ギヤ比(第3速ギヤ比)へと変化する。
【0035】実効ギヤ比iが変速前ギヤ比から変速後ギ
ヤ比へ変化し始めるイナーシャフェーズ開始瞬時t2に
再変速禁止フラグFLAGS をONにして再変速禁止を
開始させ、実効ギヤ比iが変速後ギヤ比に到達するイナ
ーシャフェーズ終了瞬時t3にイナーシャフェーズ終了
判断フラグFLAGI をONにする。タイマTM2 はイ
ナーシャフェーズ終了瞬時t3からの経過時間を計測
し、これがイナーシャフェーズ終了後の処理に必要なイ
ナーシャフェーズ終了後処理時間TB を示すようになる
瞬時t4に変速終了として現状変速段GPC を第3速に
セットする。
【0036】タイマTM2 が変速終了瞬時t4から更に
所定時間TA の経過を計測する瞬時t5に再変速禁止フ
ラグFLAGS をOFFにし、以後において再変速禁止
を解除して再変速を許可する。ここで上記の所定時間T
A は後で詳述するが、図6に示すごとく後述のタイマT
1 の計測時間に応じて変化する変数とする。しかして
所定時間TA の最大近辺の値(図6に示すようにタイマ
TM1 の計測時間が0に近い時の値)は、変速終了(瞬
時t4)から、変速制御装置の調圧系が完全に変速終了
後の変速段の状態で安定して長時間上記変速段の状態を
保持した後、次の変速を行っても支障なく所定通りに制
御油圧を作り出すことができるような状態に収まるのに
必要な時間とする。
【0037】次にスロットル開度TVOを図4に示すよ
うに変化させた結果、好適変速段GPN が瞬時t1に第
4速から第3速に切り替わり、これに伴う変速中の瞬時
t6に好適変速段GPN が第3速から第2速に切り替わ
って再変速要求があった場合の再変速制御を説明する。
瞬時t1における好適変速段GPN の切り替えが変速中
におけるものでない(再変速要求)でないことから、指
令変速段GPS も直ちに第4速から第3速に切り替わ
り、瞬時t1に指令変速段GPS と現状変速段GPC
(第4速)との不一致に呼応して図3につき前述したと
同様に、つまり2速・4速ブレーキ圧P24Bの低下によ
る2速・4速ブレーキ2−4/Bの解放と、ロークラッ
チ圧PLCの上昇によるロークラッチL/Cの締結とによ
って4→3ダウンシフトが開始される。
【0038】ところで、かかる変速によるイナーシャフ
ェーズが開始される前の瞬時t6に好適変速段GPN
第3速から第2速に切り替わって再変速要求が発生した
ため、つまり再変速禁止フラグFLAGS がONになる
前に当該再変速要求が発生したため、変速中の再変速要
求であっても変速の終了を待たずに対応する再変速を以
下のように許可する。つまり再変速要求瞬時t6に直ち
に指令変速段GPS を第3速から第2速に切り替え、指
令変速段GPS と現状変速段GPC (第4速)との不一
致に呼応し、4→3ダウンシフトに代えて4→2飛び越
しダウンシフトが開始される。
【0039】当該飛び越しダウンシフトは図2の締結論
理から明らかなように、そして図4のタイムチャートに
示すように、ロークラッチL/Cをロークラッチ圧PLC
の継続的な上昇により締結進行させたまま、低下中の2
速・4速ブレーキ圧P24B を再上昇させて2速・4速ブ
レーキ2−4/Bを再締結させると共に、締結状態であ
ったハイクラッチH/Cをその作動油圧(ハイクラッチ
圧)PHCの低下により解放させて行う。かかる4→2飛
び越しダウンシフトの進行につれ、実効ギヤ比iが図4
の瞬時t2〜t3間において変速前ギヤ比(第4速ギヤ
比)から変速後ギヤ比(第2速ギヤ比)へと変化する。
【0040】実効ギヤ比iが変速前ギヤ比から変速後ギ
ヤ比へ変化し始めるイナーシャフェーズ開始瞬時t2に
再変速禁止フラグFLAGS をONにして再変速禁止を
開始させ、実効ギヤ比iが変速後ギヤ比に到達するイナ
ーシャフェーズ終了瞬時t3にイナーシャフェーズ終了
判断フラグFLAGI をONにする。タイマTM2 はイ
ナーシャフェーズ終了瞬時t3からの経過時間を計測
し、これがイナーシャフェーズ終了後の処理に必要なイ
ナーシャフェーズ終了後処理時間TB を示すようになる
瞬時t4に変速終了として現状変速段GPC を第2速に
セットする。タイマTM2 が変速終了瞬時t4から更に
所定時間TA の経過を計測する瞬時t5に再変速禁止フ
ラグFLAGS をOFFにし、以後において再変速禁止
を解除して再変速を許可する。
【0041】次いでスロットル開度TVOを図5に示す
ように変化させた結果、好適変速段GPN が瞬時t1に
第4速から第3速に切り替わり、これに伴う変速中の瞬
時t7に好適変速段GPN が第3速から第2速に切り替
わって再変速要求があった場合の再変速制御を説明す
る。瞬時t1における好適変速段GPN の切り替えが変
速中におけるものでない(再変速要求)でないことか
ら、指令変速段GPS も直ちに第4速から第3速に切り
替わり、瞬時t1に指令変速段GPS と現状変速段GP
C (第4速)との不一致に呼応して図3につき前述した
と同様に、つまり2速・4速ブレーキ圧P24Bの低下に
よる2速・4速ブレーキ2−4/Bの解放と、ロークラ
ッチ圧PLCの上昇によるロークラッチL/Cの締結とに
よって4→3ダウンシフトが開始される。
【0042】かかる4→3ダウンシフトの進行につれ、
実効ギヤ比iが図5の瞬時t2〜t3間において変速前
ギヤ比(第4速ギヤ比)から変速後ギヤ比(第3速ギヤ
比)へと変化する。実効ギヤ比iが変速前ギヤ比から変
速後ギヤ比へ変化し始めるイナーシャフェーズ開始瞬時
t2に再変速禁止フラグFLAGS をONにして再変速
禁止を開始させ、実効ギヤ比iが変速後ギヤ比に到達す
るイナーシャフェーズ終了瞬時t3にイナーシャフェー
ズ終了判断フラグFLAGI をONにする。
【0043】ところで、かかる変速によるイナーシャフ
ェーズが開始され、再変速禁止フラグFLAGS がON
になって再変速が禁止された後の瞬時t7に好適変速段
GP N が第3速から第2速に切り替わって再変速要求が
発生したため、対応する再変速を以下のように禁止(遅
延)し、変速の終了を待って当該再変速を行わせること
とする。つまり再変速禁止フラグFLAGS がONにな
っていることにより指令変速段GPS の書き換えが禁止
されているため再変速要求瞬時t7に指令変速段GPS
を第3速から第2速に切り替えず第3速のままに保ち、
指令変速段GPS (第3速)と現状変速段GPC (第4
速)との不一致に呼応して、4→3ダウンシフトを引き
続き継続して行わさせる。
【0044】一方で、上記のように再変速禁止フラグF
LAGS がONになって再変速が禁止された後に(イナ
ーシャフェーズ開始後)に再変速要求があった場合、タ
イマTM1 は図5に示すように当該瞬時t7からイナー
シャフェーズ終了瞬時t3までの時間を計測し、当該タ
イマTM1 の計測時間(長いほど再変速要求タイミング
が早い)をもとに図6の予定マップから再変速遅延用の
所定時間TA を検索する。ここで所定時間TA は、タイ
マTM1 により計測した再変速要求瞬時t7からイナー
シャフェーズ終了瞬時t3までの時間が長いほど、つま
り、変速中における再変速要求が早期に発生した時ほど
短くし、再変速要求タイミングが極端に早くてイナーシ
ャフェーズ開始直後に再変速要求が発生した時などは、
再変速遅延用の所定時間TA を負値とする。
【0045】なお、再変速遅延用の所定時間TA の長さ
と、変速ショックの大きさとの関係は図9につき前述し
た通り図6に示すような関係にあり、再変速遅延用の所
定時間TA が長いと再変速応答遅れが大きくなる反面、
変速ショックを小さくすることができ、再変速遅延用の
所定時間TA が短いと再変速応答遅れが少ない反面、変
速ショックが大きくなる。従って、タイマTM1 の計測
時間(再変速要求タイミングの早さ)に対して如何よう
な再変速遅延用の所定時間TA を与えるかを示す図6の
予定マップは、当該再変速要求タイミングの早さごとに
運転者が如何なる再変速応答遅れと変速ショックとの兼
ね合いを要求しているかに応じて定めることとする。
【0046】図5の場合においても、図3および図4に
おけると同様に、イナーシャフェーズ終了瞬時t3から
イナーシャフェーズ終了後処理時間TB と再変速遅延用
の所定時間TA との合計時間が経過したことをタイマT
2 が示した瞬時t8に再変速禁止フラグFLAGS
OFFにして再変速の禁止を解除し、再変速を許可する
と共に、変速終了に呼応して現状変速段GPC に第3速
をセットする。ここで瞬時t8の再変速禁止解除(FL
AGS =OFF)により、指令変速段GPS を第3速か
ら好適変速段GPN と同じ第2速に切り替え、指令変速
段GP S (第2速)と現状変速段GPC (第3速)との
不一致に呼応して対応する再変速(3→2ダウンシフ
ト)を以下のように行わせる。
【0047】つまり、当該再変速(3→2ダウンシフ
ト)は図2の締結論理から明らかなように、そして図5
のタイムチャートに示すように、ロークラッチL/Cを
ロークラッチ圧PLCの保持により締結状態に保ったま
ま、排除した2速・4速ブレーキ圧P24B を再上昇させ
て2速・4速ブレーキ2−4/Bを再締結させると共
に、締結状態であったハイクラッチH/Cをハイクラッ
チ圧PHCの低下により解放させて行う。かかる再変速
(3→2ダウンシフト)の進行につれ、実効ギヤ比iが
図5の瞬時t8以後において変速前ギヤ比(第3速ギヤ
比)から変速後ギヤ比(第2速ギヤ比)へと変化し、当
該変速によるイナーシャフェーズ終了瞬時からイナーシ
ャフェーズ終了後処理時間(前記TB )が経過した変速
終了時に現状変速段GPCを第2速とする。
【0048】ところで本実施の形態においては図5に示
すように、4→3変速のイナーシャフェーズ開始瞬時t
2よりも後に別の変速(3→2)要求(再変速要求)が
発生した場合は、対応する再変速を遅延させてこの再変
速を変速終了(イナーシャフェーズ終了瞬時t3よりも
イナーシャフェーズ終了後処理時間TB だけ遅い瞬時)
から所定時間TA が経過した瞬時t8に行わせるため
に、その分再変速の応答遅れ時間が発生するものの、変
速中に再変速が行われてしまう時のような変速ショック
を回避し得ると共に、イナーシャフェーズ終了直後にお
ける調圧系の不安定に伴う変速ショックを回避すること
ができる。
【0049】そして本実施の形態においては特に、上記
再変速要求が発生した時t7からイナーシャフェーズ終
了時t3までの時間(タイマTM1 の計測時間)が長い
ほど上記再変速の遅延のための所定時間TA を図6に例
示するごとく短くしたことから、上記再変速の遅延のた
めの所定時間TA 、つまり再変速遅延時間を再変速要求
タイミングt7の早い遅いに応じて変化させ、再変速要
求時期が早いほど再変速遅延時間を短くすることにな
る。従って、変速中の比較的早い時期に再変速要求が発
生した場合は早期に再変速が開始され、変速ショックを
少し犠牲にしても運転者が早期の再変速を希望している
要求を満足させることができ、逆に変速中の比較的遅い
時期に再変速要求が発生した場合は比較的遅くに再変速
が開始され、早期に再変速を開始させることに対する運
転者の要求が低い分、再変速応答遅れ時間を少し長くし
て運転者の望む良好な変速ショックに対する要求を満足
させることができ、相反する2つの要求をともに満足さ
せる再変速制御を実現し得る。
【0050】また本実施の形態においては、図4に示す
ようにイナーシャフェーズ開始時t2より前(図4では
瞬時t6)に再変速要求が発生した時は、これに対応し
た再変速を直ちに実行させるため、再変速遅延制御の開
始タイミングt2を、再変速の遅延が無駄に行われるこ
とのないよう適切に定め得ることとなって、当該無駄な
再変速の遅延により運転フィーリングが悪化するのを防
止することができる。
【0051】更に本実施の形態においては、図5に示す
ように再変速要求発生瞬時t7からイナーシャフェーズ
終了時t3までの時間(タイマTM1 の計測時間)が長
い場合は、再変速の遅延のための所定時間TA を図6に
示すごとく負値とし、前記の変速終了(図3および図4
のt4)よりも前の瞬時t8(図5参照)に該再変速要
求に対応した再変速を開始させるため、図5に示すよう
に、イナーシャフェーズ開始直後のような変速中の極端
に早い時期t7に再変速要求が発生した場合は、イナー
シャフェーズ終了(t3)直後における調圧系の不安定
が未だ収まっていなくてこれに伴う変速ショックが発生
する虞れがあっても変速終了(図3および図4のt4)
よりも前の早いタイミングt8(図5参照)で対応する
再変速を行わせることすら可能となり、更なる早期の再
変速を運転者が希望している要求をも満足させることが
できる。
【0052】なお、イナーシャフェーズ終了t3から設
定のイナーシャフェーズ終了後処理時間TB が経過した
時を変速終了とするため、遅延させている再変速の許可
タイミングt8(図5参照)を決める時の基準となる変
速終了(図3および図4のt4)を例えば、イナーシャ
フェーズ終了後に締結側作動油圧指令値が締結側摩擦要
素の締結完了を指示する上限値となり、且つ、解放側作
動油圧指令値が解放側摩擦要素の解放完了を指示する下
限値となった後となし得て、再変速を、調圧系が安定状
態になるまでは確実に遅延させ、その後の変速ショック
の少ない一層実情にマッチした好適なタイミングで行わ
せることができる。
【0053】上記のような作用効果を奏する図3〜図5
の変速制御は、一定時間ΔTごとの定時割り込みにより
実行される図7および図8に示すプログラムにより実現
することができる。先ず図7において、ステップ21で
はスロットル開度TVOおよび車速VSPから予定の変
速マップをもとに、現在の運転状態に適切な好適変速段
GPN を検索する。ステップ22では、再変速禁止フラ
グFLAGS がOFF(再変速許可状態)か否かをチェ
ックし、再変速許可状態ならステップ23で指令変速段
GPS に好適変速段GPN をセットし、再変速禁止状態
ならステップ23をスキップして指令変速段GPS の変
更を行わずに現在のままに保持する。
【0054】次のステップ24では、上記のようにして
決定した指令変速段GPS と現状変速段GPC との対比
により、両者が異なっていればステップ25において現
状変速段GPC から指令変速段GPS への変速指令を発
して変速制御を実行する。しかして指令変速段GPS
現状変速段GPC とが一致していれば、ステップ26で
変速制御終了(図3および図4の瞬時t4に至ったと
の)判断を行い、ステップ27において再変速禁止フラ
グFLAGS がON(再変速禁止状態)と判定する限り
において、ステップ28でタイマTM2 のインクリメン
トにより当該瞬時t4からの経過時間を計測し、ステッ
プ29で当該タイマTM2 が再変速遅延用の所定時間T
A を示していると判定した時に(図3および図4の瞬時
t5に至った時に)、ステップ30で再変速禁止フラグ
FLAGS をOFFして再変速許可状態にする。なお、
ステップ30で再変速禁止フラグFLAGS をOFFし
た後はステップ27がステップ28〜30をスキップす
る。
【0055】以上の後は制御が図8のステップ31に進
み、ここで、ステップ25における変速指令が存在する
か否かをチェックし、変速指令がなければ制御をそのま
ま終了する。変速指令が存在する場合、ステップ32に
おいて通常通りの変速制御を実行させ、ステップ33に
おいて再変速禁止条件が成立しているか否かを、つまり
図3〜図5の場合イナーシャフェーズが開始されている
か否かを判定する。ただし再変速禁止条件は、運転者に
変速が実際に起こったことを感じさせるフェーズの発生
を意味し、トルクフェーズの開始である場合もある。条
件が成立していればステップ34において、再変速禁止
フラグFLAGS をONにして再変速を禁止する。
【0056】次いでステップ35において、好適変速段
GPN と指令変速段GPS とが不一致か否かをチェック
し、再変速禁止中に再変速要求が有ったか否かを判定す
る。ステップ35において再変速禁止中に再変速要求が
有ったと判定する場合は、ステップ36においてタイマ
TM1 のインクリメントにより当該再変速要求からの経
過時間を計測した後、制御をステップ37に進める。な
お、ステップ33で再変速禁止条件が成立していないと
判定したり、ステップ35で再変速要求がなかったと判
定する場合はステップ34,36をスキップし、ステッ
プ48でタイマTM1 を0にリセットした後、制御をス
テップ37に進める。
【0057】次のステップ37では、変速機入出力回転
比(Nt /No )で表される実効ギヤ比iが変速後ギヤ
比に到達したか否かによりイナーシャフェーズが終了し
たか否かをチェックする。イナーシャフェーズが終了し
ていなければ制御をそのまま終了し、イナーシャフェー
ズが終了したらステップ38において、上記タイマTM
1 の計測時間から図6のマップをもとに再変速遅延用の
所定時間TA を読み込み、次いでステップ39におい
て、イナーシャフェーズ終了後処理時間TB を読み込
み、更にステップ40でタイマTM2 のインクリメント
によりイナーシャフェーズ終了時からの経過時間を計測
する。
【0058】ステップ41では当該タイマTM2 の計測
時間(イナーシャフェーズ終了時からの経過時間)が、
イナーシャフェーズ終了後処理時間TB および再変速遅
延用の所定時間TA の合計時間を示しているか否かをチ
ェックし、ステップ42ではタイマTM2 の計測時間
(イナーシャフェーズ終了時からの経過時間)がイナー
シャフェーズ終了後処理時間TB を示しているか否かを
チェックする。タイマTM2 の計測時間(イナーシャフ
ェーズ終了時からの経過時間)がイナーシャフェーズ終
了後処理時間TB にも満たなければ制御をそのまま終了
し、イナーシャフェーズ終了後処理時間TB を示すよう
になった時は、ステップ43において変速制御終了判断
を行うと共に、ステップ44において好適変速段GPN
を現状変速段GPC にセットする。タイマTM2 の計測
時間(イナーシャフェーズ終了時からの経過時間)が、
イナーシャフェーズ終了後処理時間TB および再変速遅
延用の所定時間TA の合計時間をも示すようになった時
は、ステップ45において変速制御終了判断を行うと共
に、ステップ46において好適変速段GPN を現状変速
段GPC にセットし、更にステップ47において再変速
禁止フラグFLAGS のOFFにより再変速を許可す
る。
【0059】図7および図8に示す上記の変速制御によ
れば、4→3変速指令に伴う変速中に再変速要求が発生
しない場合、図3につき前述した4→3ダウンシフトを
通常通りに行わせることができ、また同じ4→3変速指
令に伴う変速中のイナーシャフェーズ開始前に3→2再
変速要求が発生した場合、図4につき前述した通りに再
変速を遅延させずに4→2飛び越しダウンシフトを行わ
せることができ、更に同じ4→3変速指令に伴う変速中
のイナーシャフェーズ開始後に3→2再変速要求が発生
した場合、図5につき前述した通りに再変速を遅延させ
て4→3→2ダウンシフトを行わせることができ、前記
した特異な作用効果を達成することができる。
【0060】なお上記各実施の形態においては、自動変
速機が摩擦要素の作動油圧を個々のソレノイドで直接的
に制御されるようにした直動弁式である場合について、
また当該自動変速機がダウンシフト変速を行う場合につ
いて説明したが、本発明はこれら自動変速機の型式や変
速の種類に限定されるものではなく、他の型式の自動変
速機や他の変速に対しても同様の考え方により適用可能
で、これらの場合も同様の作用効果を奏し得ること勿論
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態になる再変速制御装置
を具えた自動変速機の伝動列、およびその変速制御シス
テムを示す概略系統図である。
【図2】 同自動変速機の選択変速段と、摩擦要素の締
結論理との関係を示す図である。
【図3】 同実施の形態における再変速制御装置が、再
変速要求なし故に通常の4→3ダウンシフトを行う場合
の動作タイムチャートである。
【図4】 同実施の形態における再変速制御装置が、イ
ナーシャフェーズ開始前の再変速要求に呼応して再変速
を即座に開始させた結果、4→2飛び越しダウンシフト
を行う場合の動作タイムチャートである。
【図5】 同実施の形態における再変速制御装置が、イ
ナーシャフェーズ開始後の再変速要求に呼応して再変速
を遅延させた結果、4→3→2ダウンシフトを行う場合
の動作タイムチャートである。
【図6】 同実施の形態において用いる再変速遅延用の
所定時間に係わる変化特性を、発生する変速ショックと
の関連において示す線図である。
【図7】 図3〜図5の変速制御を行うためのプログラ
ムの前半部分を示すフローチャートである。
【図8】 同変速制御プログラムの後半部分を示すフロ
ーチャートである。
【図9】 従来装置において行われる再変速制御を示す
動作タイムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン 2 自動変速機 3 トルクコンバータ 4 入力軸 5 出力軸 6 フロントプラネタリギヤ組 7 リヤプラネタリギヤ組 8 コントロールバルブ 9 ライン圧ソレノイド 10 ロークラッチソレノイド 11 2速・4速ブレーキソレノイド 12 ハイクラッチソレノイド 13 ローリバースブレーキソレノイド 14 変速機コントローラ 15 スロットル開度センサ 16 タービン回転センサ 17 出力回転センサ 18 インヒビタスイッチ L/C ロークラッチ 2-4/B 2速・4速ブレーキ H/C ハイクラッチ LR/B ローリバースブレーキ R/C リバースクラッチ L/OWC ローワンウエイクラッチ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の摩擦要素を選択的に締結作動させ
    ることにより対応変速段を選択可能で、締結作動させる
    摩擦要素を切り替えることにより他の変速段への変速を
    行うことができ、変速中に別の変速要求が発生しても対
    応する再変速を遅延させて、該再変速を変速終了から所
    定時間が経過した時に行わせるようにした自動変速機に
    おいて、 前記別の変速要求が発生した時から、変速機入出力回転
    数比で表される実効ギヤ比が変速後ギヤ比に到達するイ
    ナーシャフェーズ終了時までの時間に応じ、該時間が長
    いほど前記遅延のための所定時間を短くするよう構成し
    たことを特徴とする自動変速機の再変速制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記実効ギヤ比が変
    速前ギヤ比から変速後ギヤ比に向けて変化し始めるイナ
    ーシャフェーズ開始時またはトルクフェーズ開始時より
    前に前記別の変速要求が発生した時は、該別の変速要求
    に対応した再変速を直ちに実行させるよう構成したこと
    を特徴とする自動変速機の再変速制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記別の変
    速要求発生時からイナーシャフェーズ終了時までの時間
    が長い領域では前記遅延のための所定時間を負値とし、
    前記変速終了よりも前に該別の変速要求に対応した再変
    速を開始させるよう構成したことを特徴とする自動変速
    機の再変速制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項におい
    て、前記イナーシャフェーズ終了から設定時間が経過し
    た時を前記変速終了とするよう構成したことを特徴とす
    る自動変速機の再変速制御装置。
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