JP3633142B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用自動変速機の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
機関と、機関出力により駆動される車体側被駆動部材の間に配設され、機関に結合された入力軸と、車体側被駆動体に結合された出力軸とを有し、入力軸と出力軸の間に配設された摩擦係合装置により速度段を切り換える車両用自動変速機において、変速時に生ずる機関回転数と変速機の回転数の差による変速ショックを低減するために、摩擦係合装置を解放してから機関出力を調整して機関回転数と変速機回転数とを同調させるようにした変速制御装置が公知である(特開平5−302532号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記公報の装置では機関回転数と変速機回転数とを同調させるための機関出力の調整を摩擦係合装置を解放してから実施しているために、解放までの加速度状態または減速状態の加速度から、摩擦係合装置が解放された加速度が略ゼロの状態へ変化するために、乗員に不快感をあたえるショックが生じるという問題がある。
【0004】
本発明は上記問題に鑑み、変速時に乗員に不快感をあたえるショックを生じないように変速制御をおこなう自動変速機用の変速制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、機関と、機関出力により駆動される車体側被駆動部材の間に配設され、機関に結合された入力軸と、車体側被駆動体に結合された出力軸とを有し、該入力軸と出力軸の間に配置された摩擦係合装置の解放、係合を行ない減速比を変更して変速をおこなう車両用自動変速機の変速制御装置であって、変速時に解放される摩擦係合装置の解放動作の開始から摩擦係合装置が実質的に解放される実質解放時期までの遅れ時間を予想し、該予想される遅れ時間を含む実質解放時期までに、機関の駆動トルクを略ゼロの状態まで低減するよう機関の出力を調整する解放調整用機関出力制御手段を具備する変速制御装置が提供される。
この様に構成された変速制御装置では、摩擦係合装置の解放動作の開始後に摩擦係合装置が実質的に開放される時期までの遅れ時間を予想し、その予想遅れ時間までに機関の駆動トルクを略ゼロの状態まで低減する様に機関の出力が、解放調整用機関出力制御手段によって調整せしめられる。
【0006】
請求項2の発明によれば、請求項1において前記解放調整用機関出力制御手段を、前記変速時に解放される摩擦係合装置の解放動作の開始から摩擦係合装置が実質的に解放される実質解放時期までの期間、変速前の機関回転数を維持できるように機関への燃料供給量を調整する燃料供給量調整手段、とした変速制御装置が提供される。
この様に構成された変速制御装置では、燃料供給量調整手段により、機関の駆動トルクは略ゼロの状態まで低減せしめられる。
【0007】
請求項3の発明によれば、請求項1または2において前記解放調整用機関出力制御手段が機関の駆動トルクを徐々に低減するものであるようにした変速制御装置が提供される。
この様に構成された変速制御装置では、解放調整用機関出力制御手段は駆動トルクを徐々に低減して、機関の駆動トルクを略ゼロの状態まで変化せしめる。
【0008】
請求項4の発明によれば、請求項1から3のいずれかにおいて、さらに、前記解放される摩擦係合装置の実質解放時期と、係合される摩擦係合装置が実質的に係合される実質係合時期の間、前記機関の回転数を変速終了後に要求される機関の回転数に同調させる回転数同調手段を具備することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項の変速制御装置が提供される。
この様に構成された変速制御装置では、回転数同調手段によって、実質解放時期と実質係合時期の間、機関の回転数は変速終了後に要求される回転数に同調せしめられる。
【0009】
請求項5の発明によれば、請求項4において、さらに前記回転数同調手段により変速終了後の機関の要求回転数に同調せしめられている機関出力を変速後に要求される機関出力となるように、実質係合時期から変速完了するまでの間、機関の出力を徐々に変化せしめる係合調整用機関出力調整手段を具備する変速制御装置が提供される。
この様に構成された変速制御装置では、前記回転数同調手段により変速終了後の機関の回転数に同調せしめられている機関は、実質係合時期から変速完了するまでの間徐々に変化せしめられる。
なお、本明細書において駆動トルクとは減速、加速のトルクをすべて含んでいる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施の形態の構成を模式的に示した図である。図1において、100は4気筒のディーゼルエンジンである。101は出力を制御するために燃料噴射量を調整する燃料噴射ポンプ101である。燃料噴射ポンプ101にはアクセルペダルに連結されていてアクセルペダルの開度から負荷を検出する負荷センサ102、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ103が取り付けられている。また、104で示されるのは電子制御ユニット(以下ECUという)300からの信号により燃料噴射量を制御する噴射コントローラである。
【0011】
200で示されるのは前進4段、後進1段の速度段を有する自動変速機であって、トルクコンバータ210と変速機構部220、および油圧制御回路230から成る。油圧制御回路230は、所望の速度段を得るために後述する変速機構部220の各摩擦係合要素の係合、解放をおこなうための油圧の供給を制御するとともに、トルクコンバータ210に供給する油圧の制御もおこなう。
【0012】
トルクコンバータ210のポンプインペラ211はフロントカバ−212を介してエンジン1のクランク軸105に結合されており常にエンジン100と同じ回転数で回転する。一方、ポンプインペラ211と流体流を介して結合されるタービン213はトルクコンバータの出力軸214に結合されているが、トルクコンバータ出力軸214にはロックアップクラッチ215も取り付けられており、ロックアップクラッチ215を選択的にフロントカバ−212に押しつけて摩擦係合させることにより、トルクコンバータ出力軸214とエンジン100のクランク軸105を直接結合してロックアップ状態を得ることもできる。
【0013】
変速機構部220において、PG1 、PG2 、PG3 はそれぞれフロントプラネタリギヤユニット、リヤプラネタリギヤユニット、O/Dプラネタリギヤユニットである。R1 、R2 、R3 はそれぞれフロントプラネタリリングギヤ、リヤプラネタリリングギヤ、O/Dプラネタリリングギヤである。
K1 、K2 、K3 はそれぞれフロントプラネタリキャリヤ、リヤプラネタリキャリヤ、O/Dプラネタリキャリヤである。S1 はフロントプラネタリサンギヤであり、S2 はフロントプラネタリサンギヤS1 と共通の軸222に取り付けられているリヤプラネタリサンギヤであり、S3 はO/Dプラネタリサンギヤである。
【0014】
C1 は第1クラッチであって、入力軸221とフロントプラネタリリングギヤR1 を断接する。C2 は第2クラッチであって、入力軸221と軸222を断接する。C3 は第3クラッチであって、O/DプラネタリキャリヤK3 とO/DプラネタリサンギヤS3 を断接する。
B1 は第1ブレーキであって、軸222をロックする。B2 は第2ブレーキであって、軸222の逆回転をロックする。B3 は第3ブレーキであって、リヤプラネタリキャリヤK3 の回転をロックする。B4 は第4ブレーキであって、O/DプラネタリサンギヤS3 の回転をロックする。
【0015】
F1 は第1ワンウェイクラッチであって、第2ブレーキB2 が作用している時軸222の逆回転をロックする。F2 は第2ワンウェイクラッチであって、リヤプラネタリキャリヤK3 の逆回転をロックする。F3 は第3ワンウェイクラッチであって、O/DプラネタリサンギヤS3 に対するO/DプラネタリキャリヤK3 の逆回転をロックする。
なお、CG1 はカウンタドライブギヤであって、図示されないカウンタシャフトに取り付けられたカウンタドリブンギヤCG2 と噛合しており、変速されたエンジン出力を後段の機構に導くが、変速そのものには関係ない。
【0016】
そして、上記各摩擦係合要素を図2に示される様に組み合わせて作動させることによって各速度段が達成される。
例えば、Dレンジの第4速段は第1クラッチC1 、第2クラッチC2 、第2ブレーキB2 、第4ブレーキB4 を係合することによって達成され、Dレンジの第2速段は第1クラッチC1 、第3クラッチC3 を係合し、それにより第1ワンウェイクラッチF1 、第3ワンウェイクラッチF3 が係合することによって達成される。
なお、第1クラッチC1 、第2クラッチC2 、第3クラッチC3 、第1ブレーキB1 、第2ブレーキB2 、第3ブレーキB3 、第4ブレーキB4 を係合するために供給される油圧を検出する油圧センサ、231、232、233、234、235、236、237が油圧回路230内に設けられている。
【0017】
ECU300は、ディーゼルエンジン100と自動変速機200の総合的な制御をおこない、デジタルコンピュータで構成され、相互に接続された入力インターフェイス回路301、CPU(マイクロプロセッサ)302、RAM(ランダムアクセスメモリ)303、ROM(リードオンリメモリ)304、出力インターフェイス回路305を具備している。
【0018】
400はパターンセレクタであって、運転者によりP,R,N,D,2,1のいずれかが選択され、また付属のODスィッチ410によりO/Dすなわち第4速段まで変速するかどうかが選択される。パターンセレクタ400がどの位置にあるか、およびO/Dスィッチ410のON、OFFを検出するポジションセンサ401を備えている。
【0019】
CPU302には、負荷センサ102、エンジン回転数センサ103、パターンセレクタ400等からの出力信号等が、入力インターフェイス回路301を経て入力され、また、RAM303、ROM304に記憶されたデータを必要に応じて取り込みながら、本発明による出力の制御、およびその他の各種の制御をおこなうための演算をおこない、その結果は、出力インターフェイス305を経て出力される。
【0020】
次に図3を参照して上記のように構成された実施の形態の制御の考え方を説明する。
図3は第4速段から第2速段へ、エンジンブレーキを得るためにダウンシフトした時の変化を説明するタイムチャートである。
図3において、
(A)はパターンセレクタ400のポジションの変化を示し、
(B)は上記ダウンシフト時に第2クラッチC2 および第4ブレーキB4 を解放するために減圧される油圧と、第3クラッチC3 および第1ブレーキB1 を係合するために増圧される油圧の変化を示し、
(C)は噴射コントローラ104により制御される燃料噴射量の変化を示し、
(D)はエンジン回転数NEの変化を示し、
(E)は車両の加速度の変化を示し、
(F)は車両の加速度の変化の時間変化である車両の加々速度の変化を示している。
【0021】
t1 はアクセル全閉状態で運転者がパターンセレクタ400をO/D(第4速段)から2(第2速段ホールド)へダウンシフトをおこなった時刻である。t2 は第2クラッチC2 および第4ブレーキB4 が実質的に解放する時刻である。
ところが、上記t2 の時点で車両加速度が残っている状況下で第2クラッチC2 および第4ブレーキB4 を実質的に開放すると、急激に車両加速度が略ゼロとなる様に低減され車両加々速度が急激に大きく発生し車両に不快なショックが生じてしまう。
【0022】
そこでt2 の時点でショックが生じないように、すなわち機関の駆動力が低減されるようにエンジンの出力をt1からt2の間で徐々に増大をする。そのために、図3の(C)の時刻t 1 とt2の間に示されるように燃料を徐々に増量する。
ここで、エンジン100はディーゼルエンジンであるのでアクセル全閉状態にされると燃料は噴射されない状態になるので、t1では燃料噴射量はゼロである。一方、時刻t2において変速前のエンジン回転数NE1を維持していることが必要であるが負荷はゼロである、したがって時刻t2においてはエンジン回転数NE1で駆動トルクが略ゼロとなる燃料噴射量Q1となるようにする。
そこで、図4に示すような駆動トルクが略ゼロとなる回転数毎の燃料噴射量をマップにして記憶しておき、それを基に変速前のエンジン回転数NE1に対応する燃料噴射量Q1を求める。そして、時刻t1においてゼロとして、その後は、Q1/t2−t1づつ増量していき時刻t2においてQ1となるようにする。
【0023】
時刻t2 以降暫くの間は燃料噴射量はQ1 のままとし、エンジン回転数をNE1 に維持する。そして前述したようにt2 以降、残存していた第2クラッチC2 および第4ブレーキB4 の係合油圧はさらに減少し、やがて第2クラッチC2 および第4ブレーキB4 の解放が完了する。
また、変速後の目標エンジン回転数NE2 を、変速前のエンジン回転数NE1 とパターンセレクタ400の位置を基に計算する。
【0024】
時刻t3 からはエンジン回転数が上記の目標エンジン回転数NE2 に達するようにフィードバック制御で噴射量を増量する。時刻t4 で目標エンジン回転数NE2 に達した後もフィードバック制御を継続し、エンジン回転数をNE2 に維持する。時刻t5 からは第3クラッチC3 および第1ブレーキB1 の係合油圧が上昇し実質的に係合する。この時、第3クラッチC3 を加速するため等の負荷が加わるが、それらを含めてフィードバック制御によりエンジン回転数はNE2 に維持される。時刻t6 は第3クラッチC3 の係合が完了した時点であって、その後回転数をNE2 に維持するための噴射量を時間比例で減少させていって変速を終了する。
【0025】
上記のように制御される間の係合油圧、燃料噴射量、エンジン回転数、車両加速度、車両加々速度はそれぞれ図3の(B)、(C)、(D)、(E)、(F)に示されるように変化する。なお、図中、破線で示されるように、燃料噴射量を調整しない場合の変化に比べると、本発明では車両加々速度の変化が小さくなっておりショックが少なくなっていることがわかる。
【0026】
図5は、同様に、第1速段から第2速段にアップシフトする時に本発明による変速ショック緩和の制御をおこなった時の変化を説明するタイムチャートである。基本的な考え方はダウンシフトの場合と同じであるが、加速中であってアクセルペダルは踏まれている中で制御がおこなわれ、解放に際して回転が下がるように燃料噴射量の減少がおこなわれ、係合に際して回転が上がるように燃料噴射量を増加するところが異なる。
変速前に係合していた摩擦係合装置が実際に解放された時に駆動トルクがゼロ近傍になる様に徐々に燃料噴射量を減らしていく(t1〜t2)、次に解放した後に変速後の目標エンジン回転数になるように、さらに燃料噴射量を減らし(t 2 〜t 3 )、その後、目標エンジン回転数を維持できるように燃料噴射量をフィードバック制御する(t 3 〜t 4 〜t 5 )、さらに変速後に係合する摩擦係合装置の係合完了後に元のトルクが伝達できるように徐々に燃料噴射量を増やしていく(t 5 〜)。
【0027】
図6〜8に示すのが、上記の考え方に基づいて実行される制御のルーチンのフローチャートである。
ステップ101では各種パラメータを読み込み、ステップ102に進み現在第4速段で走行中かどうかを判定する。現在第4速段で走行中であれば、ステップ103〜109を実行する。現在第4速段で走行中でなければ、ステップ110に進み、現在第3速段で走行中かどうかを判定し、現在第3速段で走行中であれば、ステップ111〜117を実行する。現在第3速段で走行中でもなければ、ステップ118に進み、現在第2速段で走行中かどうかを判定し、現在第2速段で走行中であれば、ステップ118〜123を実行する。現在第2速段で走行中でもなければ、ステップ132に進む。
【0028】
現在第4速段で走行中でステップ103に進んだ場合は、ステップ103においてアクセルペダルがOFF状態かどうかを負荷センサ102からの信号で判定する。アクセルペダルがOFF状態であればステップ104に進み現在のエンジン回転数、すなわち変速前のエンジン回転数NE1 を燃料噴射ポンプ101に取り付けられたエンジン回転数センサ103からの信号から算出してRAM303に記憶してステップ105に進む。
【0029】
ステップ105ではダウンシフト信号が入力されたかどうかを判定する。この判定はパターンセレクタ400のポジションセンサ401の位置信号の変化から判定する。
そして、ダウンシフト信号が入力されるとステップ106に進みタイマーをスタートさせてから、ステップ107に進み、ステップ105で入力されたダウンシフト信号が第4速段から第3速段へのダウンシフトの信号であるかどうかを判定する。
【0030】
ステップ105で第4速段から第3速段へのダウンシフトの信号が入力されたのであればステップ108に進み、第4速段から第3速段へのダウンシフトの制御をおこない、ステップ105で第4速段から第3速段へのダウンシフトの信号が入力されたのでなければ第4速段から第2速段へのダウンシフトの信号が入力されたものと判定してステップ109に進み、第4速段から第2速段へのダウンシフトの制御をおこなう。
なお、第4速段から第1速段への2段飛ばしのダウンシフトはないものとしている。
【0031】
第3速段で走行していた場合に実行されるステップ111〜117、第2速段で走行していた場合に実行されるステップ119〜123は上記のステップ103〜109と同じ内容であるので省略する。
なお、ステップ111でNOと判定された場合はステップ124に進み、アップシフト信号が入力されたならば、タイマーをスタートさせてから第3速段から第4速段へのアップシフト制御をおこなう(ステップ125〜127)。
同様に、ステップ119でNOと判定された場合はステップ128に進み、アップシフト信号が入力されたならば、タイマーをスタートさせてから第2速段から第3速段へのアップシフト制御をおこなう(ステップ129〜131)。
同様に、ステップ118でNOと判定された場合はステップ132に進み、アップシフト信号が入力されたならば、タイマーをスタートさせてから第1速段から第2速段へのアップシフト制御をおこなう(ステップ133〜135)。
なお、第1速段から第3速段へあるいは、第2速段から第4速段へ移行するような1段飛ばしのアップシフト制御はないものとする。
【0032】
上記のルーチンは、前述の制御の考え方で説明に則して、エンジンブレーキを得るために運転者がパターンセレクタをシフトさせたダウンシフトの場合のものであり、そのため、アクセルペダルがOFFであるかを確認するステップ103を有し、またダウンシフト信号の入力の判定をパターンセレクタ400のポジションセンサ401の信号でおこなっている。
しかし、本願発明のダウンシフト制御は、アクセルペダルがOFFでない場合でも適用でき、その場合はステップ103は不要であり、また、ダウンシフト信号の入力の判定を車速と負荷によりおこなうこともできる。
【0033】
次に、前述のフローチャートの109で実行されるダウンシフト制御のルーチンの詳細について説明する。なお、第4速段から第2速段へのダウンシフト制御であるので最初のステップを4201番としてある。
そして、この最初のステップ4201では第4速段から第2速段への変速にともない、係合していた第2クラッチC2 および第4ブレーキB4 を解放するために供給されていた係合油圧を抜く信号を発するとともに、逆に解放されていた第3クラッチC3 および第1ブレーキB1 に係合油圧を供給するための信号を発する。
【0034】
ステップ4202ではエンジン回転数NEを基に、ROM304に記憶されている図4に示されるマップからQ1 を算出する。ステップ4203では図3のタイムチャートではt2 −t1 に想当する解放側の予想遅れ時間taをROM304から読み込む。ステップ4204ではNE1 とシフト位置の変化から変速後のエンジン回転数NE2 を算出する。
【0035】
ステップ4205では図6のステップ106でスタートさせたタイマーがTだけ経過した時点の燃料噴射量Qを、タイマーの経過時間Tの予想遅れ時間taに対する比率であるT/taをステップ4202で算出したQ1 に乗算したQ1 ×T/taでもとめ、その量の燃料を噴射する。この量はタイマーの経過時間Tに応じて増大する。そしてステップ4206に示されるようにT=taとなって、Q=Q1 となるまで燃料噴射量を増大していく。
【0036】
ステップ4206でQ≧Q1 となった時点でステップ4207に進みタイマーをクリアしてステップ4208に進む。
ステップ4208では第2クラッチC2 および第4ブレーキB4 の解放が完了したかどうかを判定するが、この判定は油圧センサ232、237の値が予め定めた所定値を下回ったかどうかによって判定する。
なお、解放の完了時期が略一定となる場合には、タイマーをステップ4207でクリアーせずに、作動させ続け、そのスタート時からの経過時間が、一定時間を超えたかどうかで判定してもよく、その場合には油圧センサ231〜237は不要である。
解放が完了すればステップ4210に進むが、完了していない場合はQ1 の量の燃料を噴射し続ける。
【0037】
ステップ4210では図3のタイムチャートではt5 −t6 に相当する係合側の予想遅れ時間tbをROM304から読み込む。
ステップ4211〜4213ではエンジン回転数NEがNE2 になるように、すなわち、NE−NE2 を予め定めた所定の幅αよりも小さくするように燃料噴射量のフィードバック制御を係合が完了するまでおこなう。これはタイムチャートではt3 からt4 を経てt5 に到る部分である。
【0038】
係合の完了は油圧センサ233の値が予め定めた所定値を上回ったかどうかによって判定するが、係合が完了するとステップ4214に進み、完了時の燃料噴射量をQ2としてRAM303に記憶する。
ステップ4215ではタイマーをスタートさせる。ステップ4216ではステップ4215でスタートさせたタイマーがTだけ経過した時点の燃料噴射量Qを、タイマーの経過時間Tの予想遅れ時間tbに対する比率であるT/tbをステップ4214で算出したQ2に乗算したQ2×T/tbをQ2から減算した値、すなわちQ2×{1−(T/tb)}でもとめ、その量の燃料を噴射する。この量はタイマーの経過時間Tに応じて減少する。そして、ステップ4217に示されるようにT=tbとなって、Q≦0となるまで燃料噴射量が減少させてから、ステップ4218に進みタイマーをクリアして終了する。これは図3のタイムチャートのt6以降の状態に相当する。
【0039】
ステップ108でおこなわれる第4速段から第3速段へのダウンシフト制御、
ステップ116でおこなわれる第3速段から第2速段へのダウンシフト制御、
ステップ117でおこなわれる第3速段から第1速段へのダウンシフト制御、
ステップ123でおこなわれる第2速段から第1速段へのダウンシフト制御、
も同じようにして実行されるので説明は省略する。
ステップ108、116、117、123でおこなわれるダウンシフト制御のそれぞれの最初のステップは4301、3201、3101、2101となり、それぞれ下記のようなに係合油圧を変化させる制御の指示が出されるが、それ以降のステップは上記説明したのと同じようにおこなわれる。
【0040】
ステップ4301:C3係合油圧(油圧センサ233で検出される)を増圧、B4係合油圧(油圧センサ237で検出される)を減圧。
ステップ3201:C2係合油圧(油圧センサ232で検出される)を減圧。
ステップ3101:C2係合油圧(油圧センサ232で検出される)を減圧、B2係合油圧(油圧センサ235で検出される)を減圧。
ステップ2101:B2係合油圧(油圧センサ235で検出される)を減圧、〔Dレンジの第2速段からの減速の場合〕。
B1係合油圧(油圧センサ234で検出される)を減圧、B2係合油圧(油圧センサ235で検出される)を減圧。〔2レンジの第2速段からの減速の場合〕。
ステップ3201、3101、2101のように、減圧のみの指令を発する場合は解放の制御のみが要求されるので図8のフローチャートのステップ4208に相当するところまで実行するればよい。
【0041】
ステップ127、131、135で、それぞれ、実行される第3速段から第4速段へのアップシフト制御、第2速段から第3速段へのアップシフト制御、第1速段から第2速段へのアップシフト制御は前述のダウンシフト制御と基本的に同じであるので説明は省略する。
【0042】
上述のように発明の実施の形態としてプラネタリギヤを有する自動変速機を例にとって説明してきたが、本発明は、その他、例えばマニュアル.トランスミッションのクラッチ操作のみを自動制御する技術にも適用できる。
【0043】
【発明の効果】
本発明の各請求項の発明によれば、係合されていた摩擦係合装置の解放動作において完全解放の前後の駆動力の変化を縮小して変速ショックが軽減することができると共に、摩擦係合装置等変速制御装置の耐久性が向上する。
特に請求項2のようにすれば、燃料供給量の制御のみで変速ショックが軽減される。
特に請求項3のようにすれば、係合されていた摩擦係合装置の解放動作において完全解放の前の駆動力の変化を、より滑らかにすることができる。
特に請求項4のようにすれば、係合されていた摩擦係合装置が完全解放され、解放されていた摩擦係合装置が完全係合される前に機関は変速後の回転数に同調されるので変速時に生じるショックを低減することができると共に、摩擦係合装置等変速制御装置の耐久性が向上する。
特に請求項5のようにすれば、解放されていた摩擦係合装置の係合動作において完全係合の前後の駆動力の変化が縮小され変速ショックが軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の実施の形態において各速度段を得るための摩擦係合要素の係合、解放の組み合わせを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるダウンシフト時の制御を説明するタイムチャートである。
【図4】エンジン回転数に対するQ1を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるアップシフト時の制御を説明するタイムチャートである。
【図6】本発明の実施の形態における制御のルーチンのフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態における制御のルーチンのフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態における制御のルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
100…ディーゼルエンジン
101…噴射ポンプ
102…負荷センサ
103…エンジン回転数センサ
104…噴射コントローラ
105…クランク軸
200…自動変速機
210…トルクコンバータ
220…変速機構部
230…油圧制御回路
231〜237…油圧センサ
300…ECU
400…パターンセレクタ
401…ポジションセンサ
410…O/Dスィッチ
Claims (5)
- 機関と、機関出力により駆動される車体側被駆動部材の間に配設され、機関に結合された入力軸と、車体側被駆動体に結合された出力軸とを有し、該入力軸と出力軸の間に配置された摩擦係合装置の解放、係合を行ない減速比を変更して変速をおこなう車両用自動変速機の変速制御装置であって、
変速時に解放される摩擦係合装置の解放動作の開始から摩擦係合装置が実質的に解放される実質解放時期までの遅れ時間を予想し、該予想される遅れ時間を含む実質解放時期までに、機関の駆動トルクを略ゼロの状態まで低減するよう機関の出力を調整する解放調整用機関出力制御手段を具備することを特徴とする変速制御装置。 - 前記解放調整用機関出力制御手段は、前記変速時に解放される摩擦係合装置の解放動作の開始から摩擦係合装置が実質的に解放される実質解放時期までの期間、変速前の機関回転数を維持できるように機関への燃料供給量を調整する燃料供給量調整手段であることを特徴とする請求項1の変速制御装置。
- 前記解放調整用機関出力制御手段が、機関の駆動トルクを徐々に低減することを特徴とする請求項1または2の変速制御装置。
- 前記解放される摩擦係合装置の実質解放時期と、係合される摩擦係合装置が実質的に係合される実質係合時期の間、前記機関の回転数を変速終了後に要求される機関の回転数に同調させる回転数同調手段を具備することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項の変速制御装置。
- 前記回転数同調手段により変速終了後の機関の要求回転数に同調せしめられている機関を、
変速後に要求される機関出力となるように、実質係合時期から変速完了するまでの間、機関出力を徐々に変化せしめる係合調整用機関出力調整手段を具備することを特徴とする請求項4の変速制御装置。
Priority Applications (1)
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JP26173896A JP3633142B2 (ja) | 1996-10-02 | 1996-10-02 | 自動変速機の変速制御装置 |
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JPH10103100A JPH10103100A (ja) | 1998-04-21 |
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