JP2002089471A - ヘリカルブレード式コンプレッサ - Google Patents

ヘリカルブレード式コンプレッサ

Info

Publication number
JP2002089471A
JP2002089471A JP2000278551A JP2000278551A JP2002089471A JP 2002089471 A JP2002089471 A JP 2002089471A JP 2000278551 A JP2000278551 A JP 2000278551A JP 2000278551 A JP2000278551 A JP 2000278551A JP 2002089471 A JP2002089471 A JP 2002089471A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roller
thrust
helical blade
blade type
type compressor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000278551A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinobu Sato
佐藤  忍
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Carrier Corp
Original Assignee
Toshiba Carrier Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Carrier Corp filed Critical Toshiba Carrier Corp
Priority to JP2000278551A priority Critical patent/JP2002089471A/ja
Publication of JP2002089471A publication Critical patent/JP2002089471A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2201/00Metals
    • F05C2201/04Heavy metals
    • F05C2201/0433Iron group; Ferrous alloys, e.g. steel
    • F05C2201/0436Iron
    • F05C2201/0439Cast iron
    • F05C2201/0442Spheroidal graphite cast iron, e.g. nodular iron, ductile iron

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】長期に亘る運転においても回転軸のクランク部
とローラ内周面との摺動部の摩耗を抑制してこの摺動部
におけるシール性を向上させることにより高圧縮性能か
つ高信頼性のヘリカルブレード式コンプレッサを提供す
る。 【解決手段】シリンダ8内に偏心回転自在に収容された
ローラ9内に、回転軸7のクランク部7aを摺動自在に
嵌合させた嵌合部を有するヘリカルブレード式コンプレ
ッサ1において、クランク部が摺動するローラ9の内周
面の摺動部を、ローラ9の基材であるアルミニウム合金
の表面とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍機や空気調和
機等に使用されるヘリカルブレード式コンプレッサに係
り、特に、ローラ内周面と回転軸のクランク部との摺動
部、並びにローラスラスト面とスラスト受面との摺動部
を改良したヘリカルブレード式コンプレッサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のヘリカルブレード式コン
プレッサは、密閉ケース内にヘリカルブレード式圧縮機
構部とこの圧縮機構部を駆動する電動機部とを共に収容
している。
【0003】この圧縮機構部は、密閉ケース内に収容さ
れて固定される円筒状のシリンダと、このシリンダの内
周面に外周面の一部が摺動自在に接触した状態で偏心回
転(公転)自在にシリンダ内に収容されるローラと、こ
のローラの外周面の螺旋溝に出没自在に嵌入されてシリ
ンダの内周面を摺動する螺旋状のヘリカルブレードと、
ローラ内に嵌入されてローラ内周面を摺動してローラを
シリンダ内で偏心回転(公転)させる回転軸のクランク
部と、ローラの軸方向荷重が負荷されるローラスラスト
面を摺動自在にするスラスト受面を有する副軸受と、を
備えている。
【0004】そして、シリンダ内周面を外周面の一部が
摺動して公転するローラの当該外周面に硬質層を設ける
ことにより、ローラ外周面摺動部の耐摩耗性の向上を図
り、ひいては圧縮性能と信頼性の向上を図っている。
【0005】また、ローラのスラスト面を鋳鉄物または
アルミニウム合金の表面硬化処理により形成する一方、
このローラスラスト面を摺動自在に受ける副軸受のスラ
スト受面を自己潤滑性を有する鋳鉄物により形成し、ロ
ーラスラスト面と副軸受のスラスト受面のスラスト摺動
部の耐摩耗性の向上を図り、ひいては圧縮性能と信頼性
の向上を図っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のヘリカルブレード式コンプレッサでは、回転
軸のクランク部の外周面が摺動するローラの内周面にも
硬質層を形成して耐摩耗性の向上を図っているので、コ
ンプレッサの長時間運転によりローラ内周面を摺動する
例えば鋳鉄製のクランク部の摺動部の方に摩耗が発生し
て、圧縮性能低下と信頼性低下を招くという課題があ
る。
【0007】また、鋳鉄製副軸受のスラスト受面が例え
ばHRB80〜100程度の低硬度であるために、これ
よりも高硬度のローラスラスト面との摺動により、副軸
受のスラスト受面の方に大きな摩耗が発生して、このス
ラスト摺動部のシール性が低下し、ひいては圧縮性能低
下と信頼性低下を招くという課題がある。
【0008】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たもので、その目的は、長期に亘る運転においても回転
軸のクランク部とローラ内周面との摺動部の摩耗を抑制
してこの摺動部におけるシール性を向上させることによ
り高圧縮性能かつ高信頼性のヘリカルブレード式コンプ
レッサを提供することにある。
【0009】また本発明の他の目的は、長期に亘る運転
においてもローラスラスト面とそのスラスト受面のスラ
スト摺動部の摩耗を抑制して、この摺動部におけるシー
ル性を向上させることにより高圧縮性能かつ高信頼性の
ヘリカルブレード式コンプレッサを提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
シリンダ内に偏心回転自在に収容されたローラ内に、回
転軸のクランク部を摺動自在に嵌合させた嵌合部を有す
るヘリカルブレード式コンプレッサにおいて、上記クラ
ンク部が摺動する上記ローラの内周面の摺動部を、その
ローラの基材であるアルミニウム合金の表面としたこと
を特徴とするヘリカルブレード式コンプレッサである。
【0011】この発明によれば、鋳鉄製の回転軸のクラ
ンク部外周と摺動するローラの摺動部内周面がそのロー
ラの基材であるアルミニウム合金の表面自体であるの
で、長期に亘る運転においても、ローラ内周面に硬質層
を形成した場合に比して、そのローラ内周面を摺動する
鋳鉄製の回転軸のクランク部摺動部の摩耗を抑制するこ
とができる。このために、ローラ内周面とクランク部と
の摺動部の耐摩耗性を向上させることができるので、ヘ
リカルブレード式コンプレッサとしての圧縮性能と信頼
性の向上を共に図ることができる。
【0012】請求項2に係る発明は、シリンダ内に偏心
回転自在に収容されるローラの軸方向荷重が負荷される
スラスト面を摺動自在に受けるスラスト受面を有するヘ
リカルブレード式コンプレッサにおいて、上記スラスト
面を摺動自在に受けるスラストシートを設け、このロー
ラスラスト面とスラストシートのスラスト受面の双方を
共にHmV25gf450以上の表面硬度に形成したこ
とを特徴とするヘリカルブレード式コンプレッサであ
る。
【0013】この発明によれば、ローラスラスト面とス
ラストシートのスラスト受面の双方を共にHmV
25gf450以上の高硬度表面に形成したので、長期
に亘る運転においてもこのスラスト摺動部の摩耗を抑制
してシール性を向上させることができる。このために、
ヘリカルブレード式コンプレッサとしての圧縮性能と信
頼性の向上を共に図ることができる。
【0014】請求項3に係る発明は、上記ローラ基材
は、アルミニウム合金よりなり、少なくともローラスラ
スト面に硬質被膜が形成されていることを特徴とする請
求項1または2記載のヘリカルブレード式コンプレッサ
である。
【0015】この発明によれば、ローラの基材がアルミ
ニウム合金であり、しかもスラストシートのスラスト受
面を摺動するローラの少なくともスラスト面に硬質被膜
を形成しているので、そのローラスラスト面の耐摩耗性
を向上させることができ、長期に亘る運転においても、
このローラスラスト面の摩耗を抑制することができる。
【0016】請求項4に係る発明は、上記ローラ基材
は、金属添加元素としてシリコン(Si)を含有して線
膨張係数(α)が10×10−6〜25×10−6に調
整され、かつ摺動部材としての強度を確保するために硬
度がHRB55〜85であることを特徴とする請求項3
記載のヘリカルブレード式コンプレッサである。
【0017】この発明によれば、ローラ基材は線膨張係
数が小さいので、ローラスラスト面とそのスラスト受面
とのシール性を向上させることができる。また、ローラ
基材が高硬度であるので、ローラの強度が向上する。
【0018】請求項5に係る発明は、上記硬質被膜は、
その表面硬度がHmV25gf450以上で、その膜厚
が5〜30μmであることを特徴とする請求項3または
4記載のヘリカルブレード式コンプレッサである。
【0019】上記請求項3または4に係る発明のローラ
スラスト面の硬質被膜の膜厚が5〜30μmであるの
で、ローラスラスト面の摺動表面としての耐荷重性を確
保することができると共に、仮に硬質被膜を30μm以
上の過大な膜厚を形成した場合の寸法安定性の低下と表
面粗さの増大を防止することができる。
【0020】請求項6に係る発明は、上記硬質被膜の主
な化学組成がNi−P−B,Ni−B,Ni−Pのいず
れかであることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1
項記載のヘリカルブレード式コンプレッサである。
【0021】この発明によれば、上記請求項3〜5のい
ずれか1項に係る発明におけるローラスラスト面の硬質
被膜の主な化学組成がNi−P−B,Ni−B,Ni−
Pのいずれかであるので、ローラのような複雑な形状部
品についても硬質被膜を均一に形成することができる。
【0022】請求項7に係る発明は、上記硬質被膜は、
自己潤滑剤(C,MoS2,BN,SiN,SiC)を
分散させてなることを特徴とする請求項6記載のヘリカ
ルブレード式コンプレッサである。
【0023】この発明によれば、上記請求項6に係る発
明におけるローラスラスト面の硬質被膜に、自己潤滑剤
を分散させているので、このローラスラスト面の潤滑性
を向上させることができる。このために、ローラスラス
ト面における摩耗量を低減させることができる。
【0024】請求項8に係る発明は、上記回転軸は、そ
のクランク部と共に普通鋳鉄(FC)、球状黒鉛鋳鉄
(FCD)、炭素鋼、特殊鋼のいずれかを基材とするこ
とを特徴とする請求項1記載のヘリカルブレード式コン
プレッサである。
【0025】この発明によれば、クランク部を含む回転
軸の基材を普通鋳鉄(FC)、球状黒鉛鋳鉄(FC
D)、炭素鋼、特殊鋼のいずれかにより形成するので、
クランク部外周部と、これと摺動するローラ内周部の両
者の摩耗量を共に抑制することができる。
【0026】請求項9に係る発明は、上記回転軸は、そ
のクランク部と共に基材の外表面に硬化処理を施してな
ることを特徴とする請求項8記載のヘリカルブレード式
コンプレッサである。
【0027】この発明によれば、上記請求項8に係る発
明のように、クランク部を含む回転軸の基材として炭素
鋼や特殊鋼等を使用する場合に、その回転軸基材表面に
凝着が発生し易くなるが、その回転軸基材表面に硬化処
理を施しているので、その回転軸基材表面の凝着特性を
低減することができる。このために、回転軸クランク部
の潤滑性を向上させることができるので、回転軸クラン
ク部の摺動部の摩耗を抑制することができる。
【0028】請求項10に係る発明は、上記スラストシ
ートは、ローラスラスト面と摺動するために副軸受のロ
ーラスラスト受面上に設けられ、その基材は炭素鋼、工
具鋼、特殊鋼のいずれかよりなり、少なくともそのスラ
スト摺動面に硬度がHmV 5gf450以上の表面硬
度処理層が3μm以上形成されている特徴とする請求項
2〜7のいずれか1項記載のヘリカルブレード式コンプ
レッサである。
【0029】この発明によれば、ローラスラスト面と摺
動するスラストシートの基材を高硬度の炭素鋼、工具鋼
または特殊鋼により形成するので、このスラストシート
の摺動部の耐摩耗性を向上させることができる。その反
面、スラストシートの基材が炭素鋼等であるので、凝着
性が発生する。そこで、ローラスラスト面と摺動するス
ラストシートの摺動部表面に、窒化処理等により高硬度
(HmV25gf450以上)の表面硬化処理層を形成
しているので、その凝着特性を低減して潤滑性を向上さ
せることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態と実施例
とを図1〜図18に基づいて説明する。
【0031】図1は本発明の実施例が適用されるヘリカ
ルブレード式コンプレッサ1の一実施形態の縦断面図で
ある。図1に示すようにヘリカルブレード式コンプレッ
サ1は円筒状または角筒状の密閉ケース2内に、ヘリカ
ルブレード式圧縮機構部3とこの圧縮機構部3を駆動す
る電動機部4とを収容している。
【0032】電動機部4は密閉ケース2内に圧入等によ
り固定されるステータ5とこのステータ5内に回転自在
に収容されるロータ6とを有し、ロータ6には回転軸7
を同心状に固定している。
【0033】一方、ヘリカルブレード式圧縮機構部3は
密閉ケース2内で固定される円筒状のシリンダ8と、こ
のシリンダ8内に偏心回転(公転)自在に収容される円
筒状回転体のローラ9と、このローラ9の外周面に同心
状に形成されるに螺旋状のブレード溝10に出没自在に
収容される螺旋状のブレード11とを備えている。ブレ
ード溝10はそのピッチがシリンダ8の冷媒吸込口12
側から冷媒吐出口13に向けて徐々に小さくなるように
形成され、このブレード溝10内に出没自在に収容され
るヘリカルブレード11により、シリンダ8の内周面と
ローラ9の外周面との間の環状間隙を、複数の圧縮室1
4にローラ9の軸方向に沿ってラジアル状に区画形成し
ている。
【0034】ローラ9は回転軸7のクランク部7aに軸
装され、シリンダ8内に偏心して内接される。回転軸7
の回転により、そのクランク部がローラ9の摺動内周面
9aを摺動してローラ9がシリンダ8内を偏心回転する
ようになっている。その際、ヘリカルブレード11の摩
耗を防止ないし低減するために一般的なオルダム機構1
5等の回転防止機構によりローラ9が自転せず、公転だ
けするように構成されている。
【0035】一方、回転軸7のラジアル方向の荷重はシ
リンダ8の円筒状軸方向両端をそれぞれ気密に閉塞する
主軸受16と副軸受17とにより回転自在に支持され、
ローラ9の軸方向荷重が負荷されるスラスト面9bは、
このスラスト面9bと副軸受17との間に介在されたス
ラストシート18により回転自在に支持されている。回
転軸7は電動機部4への通電により回転するロータ6に
より回転され、この回転軸7のクランク部7aがローラ
9内の内周面に摺動自在に内接した状態で偏心運動し、
ローラ9をシリンダ8内で偏心回転、すなわち、公転さ
せるようになっている。このローラ9の公転により、シ
リンダ8とヘリカルブレード11により画成された各圧
縮室14の容積が順次縮小されて行く。このために、吸
込パイプ19から吸い込まれて冷媒吸込口12を経て各
圧縮室14内に順次収容された被圧縮冷媒ガスである冷
媒が連続的に順次圧縮されるようになっている。吸込口
12に連通する吸込パイプ19の外端は密閉ケース2を
気密に貫通して外部に延出し、図示しないアキュムレー
タの冷媒出口に接続される。
【0036】次に、上記回転軸7のクランク部7aと摺
動するローラ9の摺動内周面9a、ローラ9の軸方向荷
重が負荷されるスラスト面9bとスラストシート18と
のスラスト摺動部についてそれぞれ改良した発明の実施
例をそれぞれ説明する。
【0037】(実施例1)この実施例1は図2に示すよ
うに、回転軸7のクランク部7aの外周面が摺動するロ
ーラ9の内周面の摺動部、すなわち摺動内周面9aを、
例えば硬度HRB80のアルミニウム合金の外表面に形
成した点に特徴がある。すなわち、ローラ9全体を硬度
HRB80のアルミニウム合金により形成した後、ロー
ラ9の摺動内周面9aを含むローラ内周面を選択的にマ
スキングしてローラ9の外表面および端面に、例えばN
i−P−B,Ni−B,Ni−Pのいずれかのメッキ層
よりなる硬質被膜19を選択的に形成する一方、ローラ
9の摺動内周面9aに硬質被膜19を形成せずに、この
摺動内周面9aをローラ9の基材である硬度HRB80
のアルミニウム合金の外表面により形成している。
【0038】(比較例1)この比較例1は図3に示すよ
うに、ローラ9の摺動内周面9aをマスキングせずに、
この摺動内周面9aを含むローラ9の全面に、例えばN
i−P−B,Ni−B,Ni−Pのいずれかのメッキ層
よりなる硬質被膜19を形成したものである。
【0039】図4は上記実施例1と比較例1の各々のロ
ーラ9と、硬度HRB93の鋳鉄(FC250)製のク
ランク部7aを含む各々の回転軸7を上記図1で示すヘ
リカルブレード式コンプレッサ1の実機にそれぞれ組み
込み耐久試験を行なったときの回転軸7のクランク部7
aの摩耗量の経時変化を示している。
【0040】図4に示すように上記回転軸7のクランク
部7aの摩耗量(μm)については、上記比較例1で
は、コンプレッサ1の運転初期から摩耗量が既に大き
く、例えば約500時間経過時で約3μmであり、運転
時間の経過に伴ってさらに増大し、例えば4000時間
経過時には約15μm程度まで増大する。
【0041】これに対し、実施例1ではクランク部7a
の摩耗量がコンプレッサ1の運転初期から小さく、例え
ば500時間経過時で例えば約0.5μm程度であり、
運転時間が長期に及んでも殆ど増大せず、例えば400
0時間経過時でも約1μm程度に過ぎない点が判明し
た。
【0042】また、上記実施例1ではローラ9の硬質被
膜19をNi−PやNi−BまたはNi−P−Bのメッ
キにより形成するので、この硬質被膜の膜厚を複雑な形
状のローラ9に均一に形成することができる。
【0043】(実施例2)この実施例2は図5に示すよ
うに上記実施例1と同様にローラ9の基材としてアルミ
ニウム合金を使用しているが、その硬度が実施例1のH
RB80よりも若干低いHRB60のものを使用する一
方、実施例1と同様にアルミニウム合金の外表面により
ローラ9の摺動内周面9aに形成した点に特徴がある。
【0044】(比較例2)この比較例2はローラ9の基
材として、実施例2よりもさらに低硬度のHRB40の
ADC12相当のアルミニウム合金を使用している。
【0045】図6は上記実施例2と比較例2の各々のロ
ーラ9と、硬度HRB93の鋳鉄(FC250)製のク
ランク部7aを含む各々の回転軸7を上記図1で示すコ
ンプレッサ1の実機にそれぞれ組み込み、耐久試験を行
なったときのローラ9の摺動内周面9aの摩耗量の経時
変化を示している。
【0046】図6に示すようにローラ9の摺動内周面9
aの摩耗量(μm)については、上記比較例2ではコン
プレッサ1の運転初期のときから大きく、例えば運転時
間約500時間経過時で既に約4μmもあり、さらに、
運転時間の経過に伴ってさらに増大し、例えば4000
時間経過時で約13μmまで増大する。
【0047】これに対し、実施例2ではコンプレッサ1
の運転初期のときからローラ9の摺動内周面9aの摩耗
量が少なく、例えば運転時間が約500時間経過時で約
1μmであり、運転時間が長期になっても殆ど増大せ
ず、例えば4000時間経過時でも約1μm程度であっ
た。
【0048】(実施例3)これは図7(A),(B)に
示すように上記実施例1と同様にローラ9の基材として
硬度HRB80のアルミニウム合金を使用する一方、ロ
ーラ9のブレード溝10を含む全外周面に、図7(B)
に示すようにNi−P−B,Ni−P,Ni−Bのいず
れかのメッキ層等の硬質被膜20を形成した点に特徴が
ある。
【0049】(比較例3)これはブレード溝10を含む
ローラ9の全外周面に、実施例3のような硬質被膜20
を形成せずに、ブレード溝10を含むローラ9全外周面
をローラ9基材のHRB80のアルミニウム合金の外表
面自体としたものである。
【0050】図8は上記実施例3と比較例3の各々のロ
ーラ9と、これらローラ9のブレード溝10内に出没自
在に収容されるブレード11の材料として、フッ素樹脂
(PTFE)にガラス繊維5重量%添加した材料を使用
したものを図1で示すコンプレッサ1の実機にそれぞれ
に組み込み、耐久試験を行なったときの各ブレード溝1
0の摩耗量(μm)の経時変化をそれぞれ示している。
【0051】この図8に示すようにブレード溝10の摩
耗量については、上記比較例3ではコンプレッサ1の運
転初期のときから摩耗量が比較的大きく、例えば運転時
間が約500時間経過時で摩耗量が既に約10μmもあ
り、さらに運転時間の経過に伴って摩耗量が増大し、例
えば運転時間が4000時間経過時で約45μmまで増
大する。
【0052】これに対し、実施例3ではコンプレッサ1
の運転初期のときからブレード溝10の摩耗量が少な
く、例えば運転時間が約500時間経過時で約1μm程
度であり、運転時間が長期に及んでも約1〜2μm程度
であった。
【0053】(実施例4)これは図9(A)に示すよう
にローラ9の基材として硬度HRB70のアルミニウム
合金を使用する一方、このローラ9のブレード溝10を
含む外周面に硬度HmV450以上の例えばその表面硬
度HmV550の硬質被膜20aを形成している。
【0054】また、硬質被膜20aをローラ9のように
複雑な形状の部品に均一に形成する法方として、例えば
Ni−PやNi−B、またはNi−P−Bの無電解被覆
処理が好適である。
【0055】さらに、この硬質被膜20aの膜厚として
は、その摺動表面としての耐荷重性の確保と、約30μ
m以上の過大な膜厚を形成した場合の寸法安定性の低下
と表面粗さの増加を防止するためには、例えば約5〜3
0μmが望ましい。
【0056】(比較例4)これは図9(B)に示すよう
に上記実施例4と同様にローラ9の基材として硬度HR
B70のアルミニウム合金を使用するものの、ローラ9
のブレード溝10を含む外周面に、表面硬度が、実施例
4のものよりも若干低い、例えばHmV400の硬質被
膜20bを形成している。
【0057】図10は上記実施例4と比較例4の各々の
ローラ9と、これらのローラ9のブレード溝10内に収
容されるブレード11の材料として、フッ素樹脂(PT
FF)にガラス繊維5重量%添加した材料を使用したも
のを上記コンプレッサ1の実機にそれぞれ組み込み、耐
久試験を行なったときの各ブレード溝10の摩耗量(μ
m)の経時変化をそれぞれ示している。
【0058】この図10に示すようにブレード溝10の
摩耗量については、上記比較例4ではコンプレッサ1の
運転初期のときから摩耗量が比較的大きく、例えば運転
時間が約500時間経過時で既に約1μmもあり、さら
に運転時間の経過に伴って摩耗量が増大し、例えば運転
時間が4000時間で摩耗量が約9μm程度まで増大す
る。
【0059】これに対し、実施例4ではブレード溝10
の摩耗量は極く小さな値で推移し、運転時間に対する経
時変化も殆ど確認されず、良好な耐摩耗性を発揮してい
る。このために、ブレード11により画成される各圧縮
室14のシールを向上させることができるので、圧縮性
能と信頼性を向上させることができる。
【0060】(実施例5)これはローラ9の基材として
硬度HRB60のADC12相当のアルミニウム合金を
使用したときに、クランク部7aを含む回転軸7の基材
として例えば硬度HRB92の鋳鉄(FC250)を使
用したものである。また、この回転軸7の基材として例
えば硬質HRB92の炭素鋼または特殊鋼を使用する場
合は、その凝集特性を軽減するために窒化処理や浸炭処
理、または浸硼処理等の表面硬化処理を施した材料が好
適である。
【0061】(比較例5)これは上記実施例5と同様に
ローラ9の基材として硬度HRB60のADC12相当
のアルミニウム合金を使用するものの、クランク部7a
を含む回転軸7の基材として炭素鋼(S20C)を使用
したものである。
【0062】図11は上記実施例5と比較例5の各々の
ローラ9と、各々の回転軸7を上記コンプレッサ1の実
機に組み込み、耐久試験を行なったときの各ローラ9の
摺動内周面9aと各回転軸クランク部7aの各々の摩耗
量(μm)の経時変化をそれぞれ示している。
【0063】この図11に示すようにローラ9の摺動内
周面9aの摩耗量については、上記比較例5ではコンプ
レッサ1の運転初期のときから摩耗量が比較的大きく、
例えば運転時間が約500時間経過時で摩耗量が既に約
1μmもあり、さらに、運転時間の経過に伴って摩耗量
が増大し、例えば運転時間が4000時間経過時で約9
μmまで増大する。
【0064】これに対し、実施例5ではローラ9の摺動
内周面9aの摩耗量(μm)が運転初期から極く小さ
く、例えば運転時間が約500時間経過時で約0.6〜
0.7μm程度しかなく、運転時間が長期に及んでも殆
ど増大せず、例えば4000時間経過時でも約0.8〜
0.9μm程度である。
【0065】また、回転軸7のクランク部7aの摩耗量
についても、上記比較例5ではコンプレッサ1の運転初
期のときから摩耗量が比較的大きく、例えば運転時間が
約500時間経過時で摩耗量が既に約2μmもあり、さ
らに、運転時間の経過に伴って摩耗量が増大し、例えば
運転時間が4000時間で約6.8〜6.9μm程度ま
で増大する。
【0066】これに対し、実施例5では回転軸クランク
部7aの外径の摩耗量(μm)についても、運転初期か
ら極く小さく、例えば運転時間が約500時間経過時で
約0.6μm程度しかなく、運転時間が長期に及んでも
殆ど増大せず、例えば4000時間経過時でも約0.8
〜0.9μm程度である。
【0067】(実施例6)これは図12の表の実施例6
の欄に示すようにローラ9の基材として硬度HRB80
のアルミニウム合金を使用し、このローラ9の軸方向荷
重が負荷されるローラスラスト面9bには、ローラ基材
のアルミニウム合金の表面に、表面硬度がHmV800
で膜厚が例えば15μmの硬質被膜21を形成してい
る。
【0068】このローラスラスト面9bのように複雑な
形状部品に均一な硬質被膜21を形成する方法として
は、上記実施例4とほぼ同様に例えばNi−PやNi−
B,またはNi−P−Bの無電解被覆処理が好適であ
る。
【0069】さらに、この硬質被膜21の膜厚として
は、その摺動表面としての耐荷重性の確保と、約30μ
m以上の過大な膜厚を形成した場合の寸法安定性の低下
と表面粗さの増大を防止するためには、例えば約5〜3
0μm程度が好ましい。
【0070】一方、図12に示すように、スラストシー
ト18は例えば硬度HRB92の鋳鉄(FC250)製
の副軸受17とローラスラスト面9bとの間に介在され
るが、このスラストシート18の基材18aとしては例
えばステンレス(SUS)が使用され、このスラストシ
ート基材18aの外表面、すなわちローラスラスト面9
bの軸方向荷重を回転自在に支持する摺動面には表面硬
化処理層18bを形成し、この表面硬化処理層18bの
ローラスラスト面9bを受ける面をスラスト受面に形成
している。
【0071】この表面硬化処理層18bは窒化処理や浸
炭処理、または浸硼処理により、例えば表面硬度HmV
が900で膜厚が8μmに形成されている。
【0072】この表面等硬化処理層18bの膜厚として
は、その摺動表面としての耐荷重性の確保と、約30μ
m以上の過大な膜厚を形成した場合の寸法安定性の低下
と表面粗さの増大を防止するためには、例えば5〜30
μm程度が好ましい。
【0073】なお、このローラ9の基材に、シリコン
(Si)等の金属元素を添加して線膨張係数(α)を1
0×10−6〜25×10−6に調整してローラスラス
ト面9bの熱変形量を低減することにより、このローラ
スラスト面9bとそのスラスト受面18cとのシール性
の向上を図ってもよい。また、HRB55〜85の高硬
度のアルミニウム合金をローラ9の基材として使用する
ことにより、このローラ9の強度の向上を図ることがで
きる。
【0074】(比較例6)これは図12の表の比較例6
の欄で示すようにローラスラスト面9bを上記実施例6
と同様に構成する一方、そのスラストシート18を省略
することにより、ローラスラスト面9bの軸方向荷重
を、硬度HRB92で鋳鉄(FC250)製の副軸受1
7のスラスト受面17aにより回転摺動自在に支持する
ように構成したものである。
【0075】図13は上記実施例6と比較例6の各々の
ローラ9と、各副軸受17およびスラストシート18を
上記コンプレッサ1の実機に組み込み、耐久試験を行な
ったときの各ローラスラスト面9bを受けるスラスト受
面、すなわち、スラストシート18のスラスト受面18
cとこのスラストシート18を具備していない場合の副
軸受17のスラスト受面17aの摩耗量(μm)の経時
変化をそれぞれ示している。
【0076】この図13に示すように上記比較例6では
コンプレッサ1の運転初期のときから副軸受17のスラ
スト受面17aでの摩耗量が比較的大きく、例えば運転
時間が約500時間経過時で摩耗量が既に約5μmもあ
り、さらに、運転時間の経過に伴って摩耗量が増大し、
例えば運転時間が4000時間経過時で約40μmまで
増大する。
【0077】これに対し、実施例6ではスラストシート
18での摩耗量(μm)が運転初期から極く小さく、例
えば運転時間が約500時間経過時で約0.6μm程度
しかなく、運転時間が長期に及んでも殆ど増大せず、例
えば4000時間経過時でも約1μm程度である。
【0078】(実施例7)これは図14の実施例7の欄
で示すように上記実施例6のローラ基材であるアルミニ
ウム合金の硬度をHRB80からHRB60に低下させ
た点のみが実施例6と相違し、副軸受17側はスラスト
シート18を具備する点を含めて、実施例6と同様に構
成されている。
【0079】(比較例7)これは上記比較例6のローラ
基材であるアルミニウム合金の硬度をHRB80からH
RB40に低下させる点で相違するうえに、副軸受17
側には上記実施例6と同様構成のスラストシート18を
具備する点で相違する。
【0080】図15は上記実施例7と比較例7の各ロー
ラ9と、スラストシート18を上記コンプレッサ1の実
機に組み込み、耐久試験を行なったときの各ローラ9の
スラスト面9aの各々の摩耗量(μm)と表面粗さ(μ
mRy)の経時変化をそれぞれ示している。
【0081】この図15に示すようにローラ9のスラス
ト面9aの摩耗量については、上記比較例7ではコンプ
レッサ1の運転初期のときでは摩耗量は少なく、例えば
運転時間が約500時間経過時で摩耗量が1μmであ
り、運転時間の経過に伴っても摩耗量の変化は少なく、
例えば運転時間が4000時間経過時でも約1μmであ
り、後述する実施例7のスラストシート18の摩耗量と
ほぼ同量である。
【0082】これに対し、実施例7ではローラスラスト
面9bの摩耗量(μm)が運転初期から極く小さく、例
えば運転時間が約500時間経過時で約0.5μm程度
しかなく、運転時間が長期に及んでも僅かしか増大せ
ず、例えば4000時間経過時でも約1μm程度であ
る。
【0083】また、スラストシート18の表面粗さにつ
いては、ローラ9の基材であるアルミニウム合金の硬度
がHRB40と低硬度であるために変形するために上記
比較例7ではコンプレッサ1の運転初期のときから比較
的大きく、例えば運転時間が約500時間経過時で表面
粗さが既に約2.2μmRyもあり、さらに、運転時間
の経過に伴って表面粗さが増大し、例えば運転時間が4
000時間で6.3〜6.4μmRy程度まで増大す
る。すなわち、比較例7のようにローラ9の基材を低硬
度とした場合はスラストシート18の摩耗量の経時変化
は少ないが、スラストシート18の表面粗さが増大する
傾向が確認された。
【0084】これに対し、上記実施例7では、スラスト
シート18の表面粗さがコンプレッサ1の運転初期のと
きから比較的小さく、例えば運転時間が約500時間経
過時で約1.5〜1.6μmRy程度であるが、運転時
間が長期に及んでも殆ど変化せず、例えば4000時間
経過時でも約1.5〜1.6μmRy程度である。
【0085】(実施例8)これは上記実施例6と同様の
ローラスラスト面4bとスラストシート18とを備えて
いる。
【0086】(比較例8)これは上記比較例6と同様に
ローラ基材として硬度HRB80のアルミニウム合金を
使用するが、このローラ9から硬質被膜21を省略し
て、このローラ基材の外表面自体をローラスラスト面9
bに構成した点で比較例6と相違している。また、副軸
受17側には実施例6と同様構成のスラストシート18
を設けている。
【0087】図17は上記実施例8と比較例8を上記コ
ンプレッサ1の実機にそれぞれ組み込み、耐久試験を行
なったときの各ローラスラスト面9bの摩耗量(μm)
の経時変化をそれぞれ示している。
【0088】この図17に示すように上記比較例8では
ローラスラスト面9bに硬質被膜21を形成せずに、硬
度HRB80のアルミニウム合金の外表面自体によりロ
ーラスラスト面9bを形成しているので、コンプレッサ
1の運転初期のときは摩耗量が比較的少ないものの、例
えば運転時間が約500時間経過時で摩耗量が約1μm
程度であるが、運転時間の経過に伴って摩耗量が増大
し、例えば運転時間が4000時間経過時で約15μm
程度まで大きく増大する。
【0089】これに対し、実施例8は上記実施例6と同
様の構成であるので、ローラスラスト面9bの摩耗量
(μm)の経時変化は図13とほぼ同様に推移する。す
なわち、図17に示すようにコンプレッサ1の運転初期
で摩耗量が極く小さく、例えば運転時間が約500時間
経過時で約0.6〜1μm程度しかなく、運転時間が長
期に及んでも殆ど増大せず、例えば4000時間経過時
でも約1μm程度である。
【0090】図18は上記実施例6と比較例9を上記コ
ンプレッサ1の実機にそれぞれ組み込み、耐久試験を行
なったときの各スラストシート18の摩耗量の経時変化
をそれぞれ示している。
【0091】上記比較例9は上記比較例7または8のス
ラストシート18の表面硬化処理層18bを省略して、
そのステンレス製のスラストシート基材18aの外表面
自体をスラストシート18のスラスト受面18cに構成
したものである。
【0092】図18に示すように上記比較例9では表面
硬化処理層18bを省略してステンレス製のスラストシ
ート基材18aによりスラストシート受面18cを構成
しているので、コンプレッサ1の運転初期のときからス
ラストシート18の摩耗量が比較的大きく、例えば運転
時間が約500時間経過時で摩耗量が既に約10μmも
あり、さらに、運転時間の経過に伴って摩耗量が増大
し、例えば運転時間が4000時間経過時で約100μ
mまで増大する。
【0093】これに対し、実施例6では図13に基づい
て前述したように、図18で示すようにスラストシート
18のスラスト受面18cの摩耗量(μm)が運転初期
から極く小さく、例えば運転時間が約500時間経過時
で約0.6〜1μm程度しかなく、運転時間が長期に及
んでも殆ど増大せず、例えば4000時間経過時でも約
1μm程度である。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、ヘリカル
ブレード式コンプレッサの少なくとも回転軸クランク部
と内周面が摺動するローラの基材としてアルミニウム合
金を使用し、このアルミニウム合金の外表面自体をロー
ラの摺動内周面としたので、例えば鋳鉄製の回転軸のク
ランク部の摩耗量を小さく抑制することができる。
【0095】このために、回転軸クランク部とローラと
のシール性を向上させることができるので、圧縮性能の
向上と信頼性向上とを共に図ることができる。
【0096】また、ローラのスラスト面と、このローラ
スラスト面の軸方向荷重を摺動自在に受けるスラストシ
ートのスラスト受面の両面双方を共に高硬度表面に形成
したので、スラストシートのスラスト受面の摩耗量を小
さく抑制することができる。
【0097】このために、ローラスラスト面とスラスト
シートのスラスト受面とのシール性を向上させることが
できるので、圧縮性能と信頼性の向上とを共に図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るヘリカルブレード式
コンプレッサの縦断面図。
【図2】本発明の実施例1に係るローラの縦断面図。
【図3】本発明の実施例1に対する比較例1のローラの
縦断面図。
【図4】実施例1とその比較例1の各回転軸クランク部
の摩耗量の経時変化を示すグラフ。
【図5】本発明の実施例2に係るローラの縦断面図。
【図6】実施例2とその比較例2の各ローラ内周面の摩
耗量の経時変化を示すグラフ。
【図7】(A)は本発明の実施例3のローラの縦断面
図、(B)は同(A)のVIIB部拡大図。
【図8】本発明の実施例3とその比較例3の各ブレード
溝の摩耗量の経時変化をそれぞれ共に示すグラフ。
【図9】(A)は本発明の実施例4のローラスラスト面
の部分縦断面図、(B)は比較例4のローラスラスト面
の部分縦断面図。
【図10】本発明の実施例4とその比較例4のブレード
溝の各摩耗量の経時変化をそれぞれ示すグラフ。
【図11】本発明の実施例5とその比較例5の各ローラ
または回転軸クランク部の摩耗量の経時変化をそれぞれ
示すグラフ。
【図12】本発明の実施例6とその比較例6の各ローラ
スラスト面とスラスト受面の各部分縦断面図。
【図13】実施例6とその比較例6のスラスト受面の摩
耗量の経時変化をそれぞれ示すグラフ。
【図14】本発明の実施例7とその比較例7の各ローラ
スラスト面とスラスト受面の各部分縦断面図。
【図15】実施例7とその比較例7の各スラスト受面の
摩耗量と表面粗さの経時変化をそれぞれ示すグラフ。
【図16】本発明の実施例8とその比較例8の各ローラ
スラスト面と副軸受側のスラスト受面の各部分縦断面
図。
【図17】実施例8とその比較例8の各ローラスラスト
受面の摩耗量の経時変化をそれぞれ示すグラフ。
【図18】本発明の実施例6とその比較例9の各スラス
トシートのスラスト受面の摩耗量の経時変化をそれぞれ
示すグラフ。
【符号の説明】
1 ヘリカルブレード式コンプレッサ 2 密閉ケース 3 ヘリカルブレード式圧縮機構部 4 電動機部 5 ステータ 6 ロータ 7 回転軸 7a 回転軸のクランク部 8 シリンダ 9 ローラ 9a ローラの摺動内周面 9b ローラスラスト面 10 ブレード溝 11 ブレード 12 冷媒吸込口 13 冷媒吐出口 14 圧縮室 15 オルダム機構 16 主軸受 17 副軸受 18 スラストシート 18a スラストシートの基材 18b 表面硬化処理層 18c スラスト受面 19,20,20a,20b,21 硬質被膜

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内に偏心回転自在に収容された
    ローラ内に、回転軸のクランク部を摺動自在に嵌合させ
    た嵌合部を有するヘリカルブレード式コンプレッサにお
    いて、 上記クランク部が摺動する上記ローラの内周面の摺動部
    を、そのローラの基材であるアルミニウム合金の表面と
    したことを特徴とするヘリカルブレード式コンプレッ
    サ。
  2. 【請求項2】 シリンダ内に偏心回転自在に収容される
    ローラの軸方向荷重が負荷されるスラスト面を摺動自在
    に受けるスラスト受面を有するヘリカルブレード式コン
    プレッサにおいて、 上記スラスト面を摺動自在に受けるスラストシートを設
    け、このローラスラスト面とスラストシートのスラスト
    受面の双方を共にHmV25gf450以上の表面硬度
    に形成したことを特徴とするヘリカルブレード式コンプ
    レッサ。
  3. 【請求項3】 上記ローラ基材は、アルミニウム合金よ
    りなり、少なくともローラスラスト面に硬質被膜が形成
    されていることを特徴とする請求項1または2記載のヘ
    リカルブレード式コンプレッサ。
  4. 【請求項4】 上記ローラ基材は、金属添加元素として
    シリコン(Si)を含有して線膨張係数(α)が10×
    10−6〜25×10−6に調整され、かつ摺動部材と
    しての強度を確保するために硬度がHRB55〜85で
    あることを特徴とする請求項3記載のヘリカルブレード
    式コンプレッサ。
  5. 【請求項5】 上記硬質被膜は、その表面硬度がHmV
    25gf450以上で、その膜厚が5〜30μmである
    ことを特徴とする請求項3または4記載のヘリカルブレ
    ード式コンプレッサ。
  6. 【請求項6】 上記硬質被膜の主な化学組成がNi−P
    −B,Ni−B,Ni−Pのいずれかであることを特徴
    とする請求項3〜5のいずれか1項記載のヘリカルブレ
    ード式コンプレッサ。
  7. 【請求項7】 上記硬質被膜は、自己潤滑剤(C,Mo
    S2,BN,SiN,SiC)を分散させてなることを
    特徴とする請求項6記載のヘリカルブレード式コンプレ
    ッサ。
  8. 【請求項8】 上記回転軸は、そのクランク部と共に普
    通鋳鉄(FC)、球状黒鉛鋳鉄(FCD)、炭素鋼、特
    殊鋼のいずれかを基材とすることを特徴とする請求項1
    記載のヘリカルブレード式コンプレッサ。
  9. 【請求項9】 上記回転軸は、そのクランク部と共に基
    材の外表面に硬化処理を施してなることを特徴とする請
    求項8記載のヘリカルブレード式コンプレッサ。
  10. 【請求項10】 上記スラストシートは、ローラスラス
    ト面と摺動するために副軸受のローラスラスト受面上に
    設けられ、その基材は炭素鋼、工具鋼、特殊鋼のいずれ
    かよりなり、少なくともそのスラスト摺動面に硬度がH
    mV25gf450以上の表面硬度処理層が3μm以上
    形成されている特徴とする請求項2〜7のいずれか1項
    記載のヘリカルブレード式コンプレッサ。
JP2000278551A 2000-09-13 2000-09-13 ヘリカルブレード式コンプレッサ Pending JP2002089471A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000278551A JP2002089471A (ja) 2000-09-13 2000-09-13 ヘリカルブレード式コンプレッサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000278551A JP2002089471A (ja) 2000-09-13 2000-09-13 ヘリカルブレード式コンプレッサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002089471A true JP2002089471A (ja) 2002-03-27

Family

ID=18763696

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000278551A Pending JP2002089471A (ja) 2000-09-13 2000-09-13 ヘリカルブレード式コンプレッサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002089471A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008286374A (ja) * 2007-05-21 2008-11-27 Ntn Corp 転がり軸受

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008286374A (ja) * 2007-05-21 2008-11-27 Ntn Corp 転がり軸受

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20140294643A1 (en) Refrigerant Compressor
WO2005068840A1 (ja) 流体機械
US20080025861A1 (en) Sliding Element and Fluid Machine
JP4846586B2 (ja) ベーンロータリ型空気ポンプ
JP2008286148A (ja) 圧縮機
JP2001065458A (ja) 圧縮機
JPS6358273B2 (ja)
JP2842421B2 (ja) 圧縮機の鉄系摺動部品及びこれの表面処理方法と圧縮機
JP2008261261A (ja) 摺動部材及びそれを用いたスクロール型電動圧縮機
JPWO2004111460A1 (ja) ベーンロータリ型空気ポンプ
JP4069839B2 (ja) 摺動装置とその製造法及び冷媒圧縮機
JP2002147354A (ja) 圧縮機
JP2006275280A (ja) 摺動部材及び流体機械
JP2002089471A (ja) ヘリカルブレード式コンプレッサ
JP4743067B2 (ja) スクロール型圧縮機
JP2009287483A (ja) 冷媒圧縮機
JP2011174439A (ja) ロータリコンプレッサ
JPH06159242A (ja) 冷媒圧縮機
JP2012167667A (ja) ロータリコンプレッサ
JP2002147377A (ja) スクロール圧縮機およびジャーナル軸受部の製造方法
JP2001115958A (ja) 圧縮機
JP4194144B2 (ja) スクロール圧縮機
JPH02248676A (ja) スクロール形流体機械
JP2002115681A (ja) ヘリカルブレード式コンプレッサ
JPH06137287A (ja) スクロール流体圧縮機