JP2002089291A - 過給機付きエンジンの燃料制限装置 - Google Patents

過給機付きエンジンの燃料制限装置

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JP2002089291A
JP2002089291A JP2000282803A JP2000282803A JP2002089291A JP 2002089291 A JP2002089291 A JP 2002089291A JP 2000282803 A JP2000282803 A JP 2000282803A JP 2000282803 A JP2000282803 A JP 2000282803A JP 2002089291 A JP2002089291 A JP 2002089291A
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actuator
engine
fuel
temperature
swing
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Osamu Yoshii
理 吉井
Hidemasa Tsuji
英将 辻
Tomoyoshi Sakano
倫祥 坂野
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Kubota Corp
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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • High-Pressure Fuel Injection Pump Control (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡素で安価な構成によりエンジンの始動性を
確保しつつ、黒煙の発生や無駄な燃料の消費を防止す
る。 【解決手段】 過給機付きエンジンEの燃料噴射ポンプ
20の調量具21をガバナレバー14を介して調量移動
可能に構成し、揺動支軸Qで支えた揺動レバー31の力
点部Jにブースト作動器26の出力ロッド30を係止
し、エンジンの過給圧Pの上昇遅れに連動させて、揺動
レバー31の作用点部Kで調量具21の増量移動を抑制
する。揺動レバー31の一端部を揺動支軸Qで支え、力
点部Jと作用点部Kを、それぞれ揺動レバー31の中間
部と他端部に設定する。揺動レバー31の揺動支軸Qを
アクチュエータ40で変位可能に構成し、エンジン始動
時にはアクチュエータ40の不作動により、ブースト作
動器26の燃料制限機能を解除し、エンジン始動後は、
ブースト作動器26の燃料制限機能を維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、過給機を備えるデ
ィーゼルエンジンの燃料制限装置に関する。
【0002】
【従来の技術】過給機付きエンジンの燃料制限装置とし
ては、従来より例えば図7に示すものが知られている。
この燃料制限装置は、過給機付きエンジンEの燃料噴射
ポンプの調量具21を遠心式ガバナ10の2本式ガバナ
レバー14を介して調量移動可能に構成し、揺動支軸Q
で支えた揺動レバー31の力点部Jにブースト作動器2
6の出力ロッド30を係止し、上記エンジンEの過給圧
Pの上昇遅れに連動させて、上記揺動レバー31の作用
点部Kで上記調量具21の増量移動を抑制するように構
成されている。
【0003】上記ブースト作動器26は、上記過給圧P
により戻しバネ28に抗して出力ロッド30を突出させ
るように構成されており、急加速時等における過給機1
の回転遅れによる上記過給圧Pの上昇遅れに伴う過剰な
燃料供給を制限して、黒煙の発生や無駄な燃料の消費を
防止するように構成されている。また、エンジンの始動
時には、上記調量具21をブースト作動器26の戻しバ
ネ28に抗して強い力で始動増量位置に押し出す押出ロ
ッドMが付設されている。
【0004】ここで、図7中の符号2は上記過給機(タ
ーボチャージャ)のタービン、3はコンプレッサ、4は
高速運転時の排気ガスCによる過剰な排気圧を低下させ
るウエイストゲートバルブ、5は吸気管、6は排気管、
8は過給圧連通管、11は調速操作レバー、12は調速
レバー、13はガバナスプリング、14a及び14bは
2本式ガバナレバー14を構成する第1レバーと第2レ
バー、15はそのガバナレバー14の揺動支軸、16は
トルクアップ装置、18はスタートスプリング、46は
ガバナスリーブをそれぞれ示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例によれば、
過給圧Pの上昇遅れに伴う過剰な燃料供給を制限するこ
とにより、黒煙の発生や無駄な燃料の消費を防止するこ
とができるが、なお、以下の点で改良の余地がある。即
ち、エンジンの始動時において、ブースト作動器26に
作用するブースト圧はゼロで、その出力ロッド30は退
入状態にあるため、上記揺動レバー31の作用点部Kが
燃料噴射ポンプの調量具21が始動増量位置へ移動する
のを妨げる。
【0006】そこで従来では、エンジンの始動に際し
て、上記調量具21をブースト作動器26の戻しバネ2
8に抗して始動増量位置に押し出す押出ロッドMを別途
付設する必要があるが、それには上記押出ロッドMをブ
ースト作動器26の戻しバネ28に抗して押し出すため
の強力な駆動力が必要になる。他方、エンジンの始動時
に常に調量具21を始動増量位置に位置させると、温暖
始動時に過剰の燃料が供給されて、黒煙の発生や無駄な
燃料が消費されるという問題がある。
【0007】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、上記調量具を始動増量位置に
位置させるためにブースト作動器の戻しバネに打ち勝つ
強力な駆動力を必要とせず、簡素で安価な構成によりエ
ンジンの始動性を確保すること。また、温暖始動時にお
ける過剰な燃料供給を抑制し、黒煙の発生や無駄な燃料
の消費を防止する燃料制限装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、例えば図1に
示すように、従来例(図7)と同様の基本構成を備え
る。即ち、過給機付きエンジンEの燃料噴射ポンプ20
の調量具21をガバナレバー14を介して調量移動可能
に構成し、揺動支軸Qで支えた揺動レバー31の力点部
Jにブースト作動器26の出力ロッド30を係止し、上
記エンジンEの過給圧Pの上昇遅れに連動させて、上記
揺動レバー31の作用点部Kで上記調量具21の増量移
動を抑制するように構成する。
【0009】請求項1に記載の発明は、前記課題を解決
するために、以下の特徴構成を備える。即ち、上記基本
構成を備える過給機付きエンジンの燃料制限装置におい
て、例えば図1に示すように、上記揺動レバー31の一
端部を揺動支軸Qで支え、上記力点部Jと作用点部K
を、それぞれ上記揺動レバー31の中間部と他端部に設
定し、上記揺動レバー31の揺動支軸Qをアクチュエー
タ40で変位可能に構成し、エンジン始動時には、上記
アクチュエータ40の不作動により、上記ブースト作動
器26の燃料制限機能を解除し、エンジン始動後は、上
記ブースト作動器26の燃料制限機能を維持するように
構成したことを特徴とする。
【0010】ここで、「ブースト作動器26の燃料制限
機能を解除する」とは、ブースト作動器26の出力ロッ
ド30が突出しない状態のままで、上記揺動支軸Qの不
変位により、上記揺動レバー31の作用点部Kが燃料の
始動増量側に位置し、前記調量具21が始動増量位置S
tにくることを意味する(以下同じ)。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
した過給機付きエンジンの燃料制限装置において、上記
アクチュエータ40を感温作動器32により構成し、冷
始動時には、当該感温作動器32を不作動とし、温暖始
動時には、当該感温作動器32の作動により上記揺動支
軸Qを変位させて、上記調量具21を始動減量位置Ls
へ位置させるように構成した、ことを特徴とする。ここ
で冷始動とは、エンジンを暖機前の状態で始動させるこ
とをいい、温暖始動とは、エンジンをその環境温度が温
暖の状態(例えば22℃以上)で始動させること(エン
ジンの暖機後の始動をも含む、以下同じ)をいう。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
した過給機付きエンジンの燃料制限装置において、上記
感温作動器32を、容器34内に収容したワックスの感
温体積膨張により、出力ロッド35を突出させて上記揺
動支軸Qを変位させるように構成した、ことを特徴とす
る。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
した過給機付きエンジンの燃料制限装置において、エン
ジンの環境温度を検知する温度検知器41と、この温度
検知器41からの検知信号Nにより前記アクチュエータ
40を作動させる電気駆動回路42とを設け、冷始動時
には、上記アクチュエータ40を不作動とし、温暖始動
時には、上記アクチュエータ40のオン作動により、上
記揺動支軸Qを変位させて、上記調量具21を始動減量
位置Lsへ位置させるように構成した、ことを特徴とす
る。
【0014】請求項5に記載の発明は、請求項1に記載
した過給機付きエンジンの燃料制限装置において、上記
アクチュエータ40を、エンジンの吸気負圧、背圧、又
は潤滑油圧により作動するピストン作動器44により構
成した、ことを特徴とする。
【0015】
【発明の作用・効果】本発明によれば、以下の作用・効
果を奏する。 (イ)請求項1の発明では、揺動レバー31の揺動支軸
Qをアクチュエータ40で変位可能に構成し、エンジン
始動時には、上記アクチュエータ40の不作動により、
上記ブースト作動器26の燃料制限機能を解除し、エン
ジン始動後は、上記ブースト作動器26の燃料制限機能
を維持するように構成したことから、従来例(図7)の
ような押出ロッドMを必要としない。つまり、揺動レバ
ー31の揺動支軸Qをアクチュエータ40で変位可能に
設けただけなので、エンジン始動時に調量具21をブー
スト作動器26の戻しバネ28に抗して始動増量位置に
押し出す強い駆動力を必要とせず、簡素で安価な構成と
なる。
【0016】また、エンジンの始動時において、ブース
ト作動器26に作用するブースト圧はゼロで、揺動レバ
ー31の力点部Jが係止されているブースト作動器26
の出力ロッド30は退入状態にある。そして揺動レバー
31を支える揺動支軸Qは、エンジンの始動時には燃料
増量側Rに位置しており、上記揺動レバー31の作用点
部Kは燃料噴射ポンプの調量具21が図示しないスター
トスプリングで弾圧されて始動増量位置Stへ位置する
のを許容する。これにより、上記ブースト作動器26の
燃料制限機能は解除され、エンジンの始動に必要な燃料
を供給して始動を容易にする。
【0017】(ロ)また、請求項1に記載の発明では、
例えば図1に示すように、揺動レバー31の一端部を揺
動支軸Qで支え、上記力点部Jと作用点部Kを、それぞ
れ上記揺動レバー31の中間部と他端部に設定したこと
から、揺動レバー31の一端部を支える揺動支軸Qの変
位量は、作用点部Kの変位量とほぼ等しくなる。従っ
て、揺動支軸Qを変位させるアクチュエータ40は、燃
料噴射ポンプ20の調量具21を始動増量位置Stに位
置させるスタートスプリングの付勢力に打ち勝つもので
あればよく、小型で小出力のものであれば足りる。
【0018】(ハ)請求項2に記載の発明では、請求項
1に記載した過給機付きエンジンの燃料制限装置におい
て、上記アクチュエータ40を感温作動器32により構
成し、冷始動時には上記感温作動器32を不作動とし、
温暖始動時には上記感温作動器32により上記揺動支軸
Qを変位させて、上記調量具21を始動減量位置Lsへ
位置させるように構成したことから、エンジンの冷始動
性を確保しつつ、温暖始動時における過剰の燃料供給を
抑制して黒煙の発生等防止することができる。
【0019】即ち、エンジンの冷始動時においては、請
求項1の発明と同様にブースト作動器26の出力ロッド
30は退入状態にあり、感温作動器32の不作動により
揺動レバー31の揺動支軸Qは不変位状態にあるため、
上記揺動レバー31の作用点部Kは燃料噴射ポンプの調
量具21が始動増量位置Stへ位置するのを許容する。
これにより、エンジンの冷始動に必要な燃料を供給して
冷始動性を確保する。
【0020】また、温暖始動時において、ブースト作動
器26の出力ロッド30は退入状態にあり、揺動レバー
31の揺動支軸Qは、感温作動器32により燃料減量側
へ変位しているため、上記揺動レバー31の作用点部K
も始動減量側へ移動して、燃料噴射ポンプの調量具21
を始動減量位置Lsに規制する。これにより、温暖始動
時において過剰な燃料供給を抑制して黒煙の発生等防止
する。
【0021】(ニ)請求項3に記載の発明では、前記感
温作動器32を、容器34内に収容したワックスの感温
体積膨張により、出力ロッド35を突出させて上記揺動
支軸Qを変位させるように構成したことから、当該感温
作動器32を簡素な構成で安価に実施することができ
る。
【0022】(ホ)請求項4に記載の発明では、エンジ
ンの環境温度を検知する温度検知器41と、上記温度検
知器41からの検知信号Nにより前記アクチュエータ4
0を作動させる電気駆動回路42とを設け、冷始動時に
は、上記アクチュエータ40を不作動とし、温暖始動時
には、上記アクチュエータ40により上記揺動支軸Qを
変位させて、上記調量具21を始動減量位置Lsへ位置
させるように構成したことから、請求項2の発明と同様
に、エンジンの冷始動性を確保しつつ、温暖始動時にお
いて、燃料の過剰な供給を制限して、黒煙の発生や無駄
な燃料の消費を防止することができる。
【0023】(ヘ)請求項5に記載の発明では、上記ア
クチュエータ40を、エンジンの吸気負圧、背圧、又は
潤滑油圧、により作動するピストン作動器44により構
成したことから、エンジンの環境気温度に関係なくブー
スト作動器26の燃料制限機能を解除することにより、
燃料の始動増量を確保して始動を容易にする。例えば、
エンジン発電機等のように、エンジンが始動時に大きな
引きずり負荷を有する場合には、温暖始動時において
も、燃料の始動増量を確保しなければ始動不良を生ずる
が、本発明によれば、エンジンが大きな引きずり負荷を
有する場合における始動不良を解消することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に基づいて説明する。図1は本発明に係る過給機付き
エンジンの燃料制限装置の縦断面図である。先ず、本発
明が適用される遠心式ガバナについて簡単に説明する。
【0025】この遠心式ガバナ10は、図1に示すよう
に、第1レバー14aと第2レバー14bとから構成さ
れる2本式ガバナレバー14を備え、上記第1レバー1
4aと第2レバー14bとの間にトルクアップ装置16
を介在させて一体揺動可能に構成される。燃料噴射ポン
プ20の調量具(以下「調量ラック21」という)の左
端部には、図示しないスタートスプリングが弾圧接当さ
れており、当該調量ラック21は始動増量位置Stに付
勢されている。そして上記第1レバー14aの上端部に
は上記調量ラック21に設けたラックピン23が接当す
る。また、上記第2レバー14bは、図7中の符号13
と同様のガバナスプリングで燃料増量側Rへ弾圧され、
上記第1レバー14aを燃料減量側Lへ押圧するガバナ
力GFと上記スタートスプリング及びガバナスプリング
の付勢力とのバランスにより、上記調量ラック21を調
量移動するように構成されている。
【0026】本発明に係る過給機付きエンジンの燃料制
限装置25は、図1に示すように、従来例(図7)と同
様の基本構成を備える。即ち、前記過給機付きエンジン
Eの燃料噴射ポンプ20の調量ラック21を遠心式ガバ
ナ10のガバナレバー14を介して調量移動可能に構成
し、揺動支軸Qで支えた揺動レバー31の力点部Jにブ
ースト作動器26の出力ロッド30を係止し、上記エン
ジンEの過給圧Pの上昇遅れに連動させて、上記揺動レ
バー31の作用点部Kで上記調量具21の増量移動を抑
制することにより、急加速時等における過給圧Pの上昇
遅れに伴う燃料の過剰な供給を制限して、黒煙の発生や
無駄な燃料の消費を防止するよするように構成されてい
る。
【0027】上記ブースト作動器26は、図1に示すよ
うに、ケーシング26a内に、エンジンEの過給圧Pを
受けるダイヤフラム27と、このダイヤフラム27に対
抗する戻しバネ28とを設け、上記過給圧Pによりダイ
ヤフラム27を押圧して出力ロッド30を突出させ、揺
動支軸Qで支えた上記揺動レバー31の力点部Jに上記
出力ロッド30を作用させるように構成されている。
【0028】以下、本発明に係る燃料制限装置25の特
徴構成について説明する。この実施形態では、図1に示
すように、上記揺動レバー31の揺動支軸Qをアクチュ
エータ40で変位可能に構成し、エンジン始動時には、
上記アクチュエータ40の不作動により、上記ブースト
作動器26の燃料制限機能を解除し、エンジン始動後
は、上記ブースト作動器26の燃料制限機能を維持する
ように構成されている。また、この実施形態では、上記
揺動レバー31の上端部を揺動支軸Qで支え、上記力点
部Jと作用点部Kをそれぞれ上記揺動レバー31の中間
部と下端部に設定している。
【0029】上記構成は、従来例(図7)のような押出
ロッドMを必要とせずに、換言すれば、調量ラック21
をブースト作動器26の戻しバネ28に抗して押し出す
強い駆動力を必要とせずに、揺動レバー31の揺動支軸
Qをアクチュエータ40で変位可能に設けることによ
り、エンジン始動時に調量ラック21を始動増量位置S
tに位置させることを意図したものである。
【0030】即ち、エンジンの始動時において、ブース
ト作動器26に作用するブースト圧はゼロで、揺動レバ
ー31の力点部Jが係止されているブースト作動器26
の出力ロッド30は退入状態にある。そして揺動レバー
31の揺動支軸Qを変位させるアクチュエータ40は不
作動状態であるため、揺動レバー31の作用点部Kは燃
料増量側Rに位置している。他方、燃料噴射ポンプ20
の調量ラック21は図示しないスタートスプリングで燃
料増量側Rへ付勢されており、当該調量ラック21が始
動増量位置Stへ位置するのを許容する。これにより上
記ブースト作動器26の燃料制限機能は解除され、エン
ジンの始動に必要な燃料を供給してエンジンの始動性を
確保する。
【0031】上記揺動レバー31は、図2に示すよう
に、その力点部Jに上記出力ロッド30の係止孔31a
があけられ、その作用点部Kにエンジン停止ソレノイド
43の作動ロッド43aの貫通孔31bがあけられ、そ
の一端部に前記揺動支軸Qの貫通孔31cがあけられて
いる。上述したように、調量ラック21はスタートスプ
リングにより燃料増量側へ付勢されており、スライド自
在に設けられた緩衝ロッド22を介して、その先端部2
2aが上記揺動レバー31の作用点部Kに圧接するよう
に構成されている。
【0032】上記アクチュエータ40は、図1及び図3
に示す感温作動器32により構成されている。ここで図
3は感温作動器32の動作説明図で、図3(A)は不作
動状態を示し、図3(B)は作動状態を示す。この感温
作動器32は、機壁48bに装着されたケーシング33
と、上記ケーシング33内に収容された容器34と、上
記容器34を弾発可能に受け止める受けバネ36と、上
記容器34より突出する出力ロッド35と、この出力ロ
ッド35の先端部に被着された揺動支軸Qとを備え、容
器34内に収容したワックスの感温体積膨張により、出
力ロッド35を突出させて上記揺動レバー31を支える
揺動支軸Qを進退変位させるように構成されている。上
記感温作動器32によれば、アクチュエータ40を簡素
で安価に構成することができる。なお、上記感温作動器
32に代えて、バイメタルや形状記憶手段を用いること
もできる。
【0033】上記感温作動器32は、図3に示すよう
に、その感温温度が例えば15℃未満の場合には、不作
動により出力ロッド35を突出せず、エンジン始動時に
おける上記ブースト作動器26の燃料制限機能を解除す
る。また、その感温温度が例えば22℃以上の場合に
は、出力ロッド35を突出させて、上記揺動レバー31
を支える揺動支軸Qを右側へ変位させ、温暖始動時に上
記調量ラック21を始動減量位置Lsへ位置させるよう
に構成されている。ちなみに、上記容器34内に収容し
たワックスは、15℃〜25℃で固体から液体に変化す
る。そして上記出力ロッド35の最大突出量は3.5m
m程度になる。
【0034】上記揺動支軸Qに対向して、戻しバネ38
で弾圧された接当具39が設けられている。この接当具
39は、機壁48bに進退調節可能に設けられた規制ピ
ン37の先端部に被着されており、エンジンの環境温度
の低下に伴って、感温作動器32の出力ロッド35を戻
しバネ38で容器34内に押し戻すように構成されてい
る。また、上記規制ピン37は感温作動器32の出力ロ
ッド35の突出量を規制するもので、ワックスの膨張に
より出力ロッド35が規制値をこえて突出する場合に
は、図3(B)に示すように、当該容器34が受けバネ
36に抗して後退するように構成されている。
【0035】図4は本発明に係る要部の動作説明図で、
図4(A)は冷始動時の状態を示し、図4(B)は温暖
始動時の状態を示し、図4(C)は冷始動後の状態を示
す。即ち、冷始動時には、図4(A)に示すように、ブ
ースト作動器26の出力ロッド30と感温作動器32の
出力ロッド35は突出せず、揺動レバー31の作用点部
Kは始動増量側に位置しており、燃料噴射ポンプ20の
調量ラック21は緩衝ロッド22を介して始動増量位置
Stに位置する。これにより、エンジンの冷始動性を確
保する。
【0036】温暖始動時(その環境温度が例えば22℃
以上の場合)には、図4(B)に示すように、ブースト
作動器26の出力ロッド30は突出せず、感温作動器3
2の出力ロッド35は突出するため、揺動レバー31の
作用点部Kは始動減量側に位置し、燃料噴射ポンプ20
の調量ラック21は緩衝ロッド22を介して始動減量位
置Lsに位置する。これにより、温暖始動時における過
剰の燃料供給を抑制して黒煙の発生等を防止する。
【0037】始動後に調速レバーを急加速すると、図4
(C)に記すように、過給圧Pの上昇遅れに連動してブ
ースト作動器26の出力ロッド30が突出するため、揺
動レバー31の作用点部Kも遅れて燃料増量側Rに変位
し、燃料噴射ポンプ20の調量ラック21は緩衝ロッド
22を介して遅れて燃料増量側Rに移動する。図4
(C)では、例えば環境温度が22℃以上の場合を示
し、感温作動器32の出力ロッド35は突出している。
なお、環境温度が15℃以下のときは、ブースト作動器
26の燃料制限機能は解除される。
【0038】図5は本発明の変形例1を示す図4(B)
相当図であり、この変形例1は、上記感温作動器32に
代えて、エンジンの環境温度を検知する温度検知器41
と、この温度検知器41からの検知信号Nによりアクチ
ュエータ40を作動させる電気駆動回路42とを設け、
上記温度検知器41による検知温度が所定温度(例えば
15℃)未満の場合に、上記アクチュエータ40のオフ
作動により、エンジン始動時における上記ブースト作動
器26の燃料制限機能を解除し、当該検知温度が所定温
度(例えば22℃)以上の場合には、上記アクチュエー
タ40のオン作動により上記揺動支軸Qを変位させて、
上記調量具21を始動減量位置Lsへ位置させるように
構成されている。
【0039】即ち、エンジンの冷始動時においては、前
記実施形態と同様にブースト作動器26の出力ロッド3
0は退入状態にあり、アクチュエータ40のオフ作動に
より揺動レバー31の揺動支軸Qは不変位状態にあるた
め、上記揺動レバー31の作用点部Kは後退して燃料噴
射ポンプの調量具21が始動増量位置Stへ位置するの
を許容する。これにより、エンジンの冷始動に必要な燃
料を供給して冷始動性を確保する。
【0040】また、温暖始動時において、ブースト作動
器26の出力ロッド30は退入状態にあり、揺動レバー
31の揺動支軸Qは、上記アクチュエータ40のオン作
動により右側へ変位しているため、上記揺動レバー31
の作用点部Kは始動減量側へ変位し、燃料噴射ポンプの
調量ラック21を始動減量位置Lsに規制する。これに
より温暖始動時において過剰な燃料供給を抑制して黒煙
の発生等防止することができる。なお、エンジンの環境
温度には、エンジンの雰囲気温度や潤滑油温度、あるい
は冷却水温度等が含まれる。
【0041】図6は本発明の変形例2を示す図4(B)
相当図であり、この変形例2では、上記アクチュエータ
40を、エンジンの吸気負圧、背圧、又は潤滑油圧によ
り作動するピストン作動器44により構成されている。
上記ピストン作動器44は、シリンダケース33内にピ
ストンロッド35aのピストン35bを摺動自在に収容
し、ピストン作動室34a内にエンジンの背圧又は潤滑
油圧pを導入してピストン35bを押圧することによ
り、ピストンロッド35aを突出させるように構成され
ている。なお、エンジンの吸気負圧によりピストン作動
器44を作動させる場合には、ロッド側のピストン作動
室34bに吸気負圧を作用させてピストンロッド35a
を突出させる。
【0042】この実施形態によれば、エンジンの環境気
温度に関係なくブースト作動器26の燃料制限機能を解
除することにより、燃料の始動増量を確保して始動を容
易にすることができる。例えば、エンジン発電機等のよ
うに、エンジンが始動時に大きな引きずり負荷を有する
場合には、温暖始動時においても、燃料の始動増量を確
保しなければ始動不良を生ずるが、本発明によれば、エ
ンジンが大きな引きずり負荷を有する場合における始動
不良を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る過給機付きエン
ジンの燃料制限装置の縦断面図である。
【図2】本発明に係る揺動レバーの平面図である。
【図3】本発明に係る感温作動器の動作説明図であり、
図3(A)は冷始動時の作動状態を示し、図3(B)は
温暖時の作動状態を示す。
【図4】本発明に係る要部の作動説明図であり、図4
(A)は冷始動時の作動状態を示し、図4(B)は温暖
始動時の作動状態を示し、図4(C)始動後の急加速後
の状態を示す。
【図5】本発明の変形例1を示す図4(B)相当図であ
る。
【図6】本発明の変形例2を示す図4(B)相当図であ
る。
【図7】従来例に係る過給機付きエンジンの燃料制限装
置の模式図である。
【符号の説明】
14…ガバナレバー、20…燃料噴射ポンプ、21…調
量具(調量ラック)、26…ブースト作動器、30…ブ
ースト作動器の出力ロッド、31…揺動レバー、32…
感温作動器、34…感温作動器の容器、35…感温作動
器の出力ロッド、40…アクチュエータ、41…温度検
知器、42…電気駆動回路、44…ピストン作動器、E
…過給機付きエンジン、J…揺動レバーの力点部、K…
揺動レバーの作用点部、Ls…始動減量位置、N…検知
信号、P…過給圧、Q…揺動支軸。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 33/00 303 F02D 33/00 303E 310 310B F02M 59/28 F02M 59/28 S 59/42 59/42 (72)発明者 坂野 倫祥 大阪府堺市築港新町3丁8番 株式会社ク ボタ堺臨海工場内 Fターム(参考) 3G060 AA05 AB01 AC01 BA03 BA11 CA01 CB01 CC02 EA07 FA03 FA06 GA05 GA07 GA08 GA11 GA12 3G066 AA07 AA11 AB02 AC06 BA17 BA23 CE00 CE01 CE15 CE21 CE34 CE38 DA01 DB01 DC13 DC14 DC17 DC19 DC21 3G092 AA02 AA18 AB03 BB01 DF05 DG05 DG10 EA01 EA09 EA14 EA15 GA01 HA04Z HA05Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過給機付きエンジン(E)の燃料噴射ポ
    ンプ(20)の調量具(21)をガバナレバー(14)
    を介して調量移動可能に構成し、 揺動支軸(Q)で支えた揺動レバー(31)の力点部
    (J)にブースト作動器(26)の出力ロッド(30)
    を係止し、上記エンジン(E)の過給圧(P)の上昇遅
    れに連動させて、上記揺動レバー(31)の作用点部
    (K)で上記調量具(21)の増量移動を抑制するよう
    に構成した、過給機付きエンジンの燃料制限装置におい
    て、 上記揺動レバー(31)の一端部を揺動支軸(Q)で支
    え、上記力点部(J)と作用点部(K)を、それぞれ上
    記揺動レバー(31)の中間部と他端部に設定し、 上記揺動レバー(31)の揺動支軸(Q)をアクチュエ
    ータ(40)で変位可能に構成し、エンジン始動時に
    は、上記アクチュエータ(40)の不作動により、上記
    ブースト作動器(26)の燃料制限機能を解除し、エン
    ジン始動後は、上記ブースト作動器(26)の燃料制限
    機能を維持するように構成した、ことを特徴とする過給
    機付きエンジンの燃料制限装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した過給機付きエンジン
    の燃料制限装置において、 上記アクチュエータ(40)を感温作動器(32)によ
    り構成し、冷始動時には、当該感温作動器(32)を不
    作動とし、温暖始動時には、当該感温作動器(32)に
    より上記揺動支軸(Q)を変位させて、上記調量具(2
    1)を始動減量位置(Ls)へ位置させるように構成し
    た、ことを特徴とする過給機付きエンジンの燃料制限装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載した過給機付きエンジン
    の燃料制限装置において、 上記感温作動器(32)を、容器(34)内に収容した
    ワックスの感温体積膨張により、出力ロッド(35)を
    突出させて上記可動支軸(Q)を変位させるように構成
    した、ことを特徴とする過給機付きエンジンの燃料制限
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載した過給機付きエンジン
    の燃料制限装置において、 エンジンの環境温度を検知する温度検知器(41)と、
    この温度検知器(41)からの検知信号(N)により前
    記アクチュエータ(40)を作動させる電気駆動回路
    (42)とを設け、冷始動時には、上記アクチュエータ
    (40)を不作動とし、温暖始動時には、上記アクチュ
    エータ(40)により、上記揺動支軸(Q)を変位させ
    て、上記調量具(21)を始動減量位置(Ls)へ位置
    させるように構成した、ことを特徴とする過給機付きエ
    ンジンの燃料制限装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載した過給機付きエンジン
    の燃料制限装置において、 上記アクチュエータ(40)を、エンジンの吸気負圧、
    背圧、又は潤滑油圧、により作動するピストン作動器
    (44)により構成した、ことを特徴とする過給機付き
    エンジンの燃料制限装置。
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