JP2626919B2 - ディーゼルエンジンの急加速時スモーク低減装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの急加速時スモーク低減装置

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JP2626919B2 JP1329212A JP32921289A JP2626919B2 JP 2626919 B2 JP2626919 B2 JP 2626919B2 JP 1329212 A JP1329212 A JP 1329212A JP 32921289 A JP32921289 A JP 32921289A JP 2626919 B2 JP2626919 B2 JP 2626919B2
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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

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  • High-Pressure Fuel Injection Pump Control (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本発明はディーゼルエンジンを急加速操作した際に発
生するスモークを低減する装置に関する。
《従来技術》 ディーゼルエンジンでは燃料噴射ポンプのコントロー
ルラックをエンジンの回転軸に付設したガバナウエイト
からのガバナフォースとガバナレバーに作用しているガ
バナスプリング力との釣り合いでコントロールラックの
移動量を調整して燃料噴射量を制御してエンジン回転数
を制御するようにしているのであるが、従来、エンジン
始動時を円滑に行うために、ガバナレバーをコントロー
ルラックに係合するフオークレバーとガバナスプリング
を作用させているスプリングレバーとで構成し、エンジ
ン始動操作時に運転時の最大燃料噴射量よりも多量の燃
料を燃焼室に供給できるようにするために、スプリング
レバーを燃料制限ピンで受け止めるとともに、フォーク
レバーにスタートスプリングを作用させ、かつ、重負荷
時でのエンジンの粘りを出すためにフオークレバーとス
プリングレバーとをトルクスプリングで連動連結するよ
うにしたものが提供されている(実開昭62−82345号公
報)。
《解決しようとする課題》 ところが、従来のガバナ装置では、急加速操作をする
と、ガバナスプリングの張力は急激に増加するが、その
場合のエンジン回転数は低回転状態であるから、フォー
クレバーに作用しているガバナフォースは実回転数に応
じた力しか出ていない。このため、ガバナスプリング力
とガバナフォースとの釣り合いが崩れ、ガバナレバーは
燃料増量側に大きく移動することになるが、この移動時
にスプリングレバーは燃料制限ピンで受け止められる
が、スプリングレバーとフォークレバーとはトルクスプ
リングを介して連動するようになっていることから、そ
のトルクスプリングの蓄圧力及びスタートスプリングの
張力でフォークレバーを最大燃料噴射位置から燃料増量
側にオーバハングさせ、燃料噴射ポンプからの燃料送給
量が異常増量されてスモークを発生することがあるとい
う問題があった。
本発明はこのような点に着目してなされたもので、急
加速操作があつても、スモークの発生量を減少させるよ
うにすることを目的とする。
《課題を解決するための手段》 上述の目的を達成するために本発明は、ターボチャー
ジャ付きのディーゼルエンジンにおいて、コントロール
ラックの燃料増量側での端部に対応して燃料制限具を配
置し、この燃料制限具はソレノイドと感温作動具とを互
いに同心上で突き合わせて構成し、ソレノイドの出退作
動子に感温作動具を直接接当させ、感温作動具の作動部
をコントロールラックの燃料増量側端部に受け止め可能
に対向させ、感温作動具の作動量をソレノイドの出退量
とほぼ等しく設定し、ソレノイド(22)への給電回路
(27)中にターボチャージャ(28)のブースト圧を検出
して作動するブースト圧検出作動手段(29)を配置し、
エンジン機体温とターボチャージャ(28)のブースト圧
に基づいて燃料噴射ポンプ(3)の燃料噴射量を制御す
るように構成し、 感温作動具(23)は、エンジン温度が設定温度以下に
なる寒冷期でのエンジン始動時には、コントロールラッ
ク(9)から遠ざかる燃料増量側(R)の制限解除姿勢
に後退するのに対し、エンジン温度が設定温度以上にな
るエンジンの通常運転時には、コントロールラック
(9)に近づく燃料減量側(L)の制限作動姿勢に進出
するように構成し、 ソレノイド(22)は、エンジンの通常運転時のターボ
チャージャ(28)のブースト圧の高い状態では、ブース
ト圧検出作動手段(29)の高圧検出作動により、コント
ロールラック(9)から遠ざかる燃料増量側(R)の制
限解除姿勢に後退するのに対して、エンジンの始動時お
よび急加速時のターボチャージャ(28)のブースト圧の
低い状態では、ブースト圧検出作動手段(29)の低圧検
出作動により、コントロールラック(9)に近づく燃料
減量側(L)の制限作動姿勢に進出するように構成した
ことを特徴としている。
《作用》 本発明では、ターボチャージャ付きのディーゼルエン
ジンにおいて、コントロールラックの燃料増量側での端
部に対応して燃料制限具を配置し、感温作動具の作動量
をソレノイドの出退量とほぼ等しく設定し、この燃料制
限具をソレノイドと感温作動具を直列に配置して構成
し、ソレノイド(22)への給電回路(27)中にターボチ
ャージャ(28)のブースト圧を検出して作動するブース
ト圧検出作動手段(以下、スイッチと呼ぶ)(29)を配
置し、エンジン機体温とターボチャージャ(28)のブー
スト圧とに基づいて燃料噴射ポンプ(3)の燃料噴射量
を制御するように構成し、 感温作動具(23)は、エンジン温度が設定温度以下に
なる寒冷期でのエンジン始動時には、コントロールラッ
ク(9)から遠ざかる燃料増量側(R)の制限解除姿勢
に後退するのに対し、エンジン温度が設定温度以上にな
るエンジンの通常運転時には、コントロールラック
(9)に近づく燃料減量側(L)の制限始動姿勢に進出
するように構成し、 ソレノイド(22)は、エンジンの通常運転時のターボ
チャージャ(28)のブースト圧の高い状態では、ブース
ト圧検出作動手段(29)の高圧検出作動により、コント
ロールラック(9)から遠ざかる燃料増量側(R)の制
限解除姿勢に後退するのに対して、エンジンの始動時お
よび急加速時のターボチャージャ(28)のブースト圧の
低い状態では、ブースト圧検出作動手段(29)の低圧検
出作動により、コントロールラック(9)に近づく燃料
減量側(L)の制限作動姿勢に進出するように構成して
いる。
これにより、エンジン温度が設定温度以上になってい
る通常の運転時には、感温作動具はコントロールラツク
側に突出する作動姿勢となり、ソレノイドへの給電回路
中に装着したスイッチはターボチャージャのブースト圧
が十分昇圧していることから導通状態になってソレノイ
ドの出退作動子は引き込まれた待機姿勢になって、燃料
制限具の作動子は退避姿勢となって、コントロールラツ
クの移動領域を制限することのない状態で維持する。そ
して、運転中に急加速操作を行うと、一時的にターボチ
ャージャのブースト圧が低下することから、ソレノイド
の給電回路中に装着したスイッチが非導通状態に切換わ
り、ソレノイドの出退作動子が進出して作動姿勢とな
る。このとき、感温作動具は作動姿勢を維持しているか
ら、燃料制限具の作動子はコントロールラツクの移動領
域内に進出して、コントロールラツクを燃料最大噴射位
置に対応する位置で受け止めることになる。このため、
アクセルレバーを操作してエンジンを急加速させても、
コントロールラックが最大燃料噴射位置を越えて始動増
量側にオーバランすることがなくなる。
一方、寒冷期等でのエンジン始動時にはエンジンの温
度が設定温度以下になっていることから、感温作動具は
待機姿勢となり、また、ターボチャージャのブースト圧
は発生していないから、ソレノイドは出退作動子が退入
している待機姿勢になっているから、燃料制限具の作動
子はコントロールラツクの移動領域から退避することに
なり、コントロールラックの移動を制限することはない
から、コントロールラックを始動増量位置まで移動させ
ることができ、始動操作に支障をきたすことはない。ま
た、以上のように、通常運転時およびエンジン始動時に
は燃料制限具の作動子を退避姿勢にして燃料制限を解除
し、急加速操作時には燃料制限具の作動子を制限作動姿
勢にして燃料制限するという機能を有する公知技術とし
て、実願昭54−111282号(実開昭56−29235号)のマイ
クロフィルムに記載されたものがある。
この公知技術では、揺動アームの下端入力部に給気圧
作動器の出退作動子が連接され、揺動アームの中間支点
部に感温作動部の作動具が連接され、揺動アームの上端
出力部がコントロールラックの燃料増量側端部に受け止
め可能に向かい合わせて構成されているため、燃料制限
位置の集積誤差が大きくなり易い。
すなわち、(A)給気圧作動器と揺動アームとの相対
位置の製造誤差、(B)感温作動具と揺動アームとの相
対位置の製造誤差、および(C)揺動アームの下端入力
部−中間支点部間の入力側腕長さと中間支点部−上端出
力部間の出力側腕長さとの腕比の製造誤差の、合計三つ
の製造誤差の集積誤差が、揺動アームの上端出力部の燃
料制限作動位置の大きな誤差となって現れ易いのであ
る。
これに対し、本発明では、燃料制限具(21)はソレノ
イド(22)と感温作動具(23)とを互いに同心上で突き
合わせて構成し、ソレノイド(22)の出退作動子(25)
に感温作動具(23)を直接接当させ、感温作動具(23)
の作動部(24)をコントロールラック(9)の燃料増量
側(R)端部に受け止め可能に対向させ、感温作動具
(23)の作動量をソレノイド(22)の出退量とほぼ等し
く設定するので、上記公知技術の揺動アームの介在によ
る上記(A)・(B)および(C)の三つの製造誤差の
集積誤差を全て無くすことができる。
これにより、エンジンの急加速操作時に作動部(24)
が燃料制限作動位置(M)に作動した状態において、こ
の燃料制限作動位置(M)が燃料増量側(R)に大きな
誤差となって偏倚する場合の黒煙の発生量の増加を無く
すとともに、その燃料制限作動位置(M)が燃料減量側
(L)に大きな誤差となって偏倚する場合のエンジン回
転の加速遅れを無くすことができるのである。
そのうえ、ソレノイド(22)および感温作動具(23)
が作動するときには、ソレノイド(22)の出退作動子
(25)と感温作動具(23)とが単に接当しているだけで
あって、伝動部分で相対摺動することがないため、この
伝動部分の摩耗が起こらず、耐久性に優れる。
さらに、燃料制限具(21)はソレノイド(22)と感温
作動具(23)とを互いに同心上で突き合わせて構成し、
ソレノイド(22)の出退作動子(25)に感温作動具(2
3)を直接接当させるので、燃料制限具(21)の構造は
直線状の簡単で小形のものにすることができるのであ
る。
《実施例》 図面は本発明の実施例を示し、第1図は要部の概略構
成図、第2図は燃料噴射量制御部の縦断面図である。
この燃料噴射量制御装置は、デイーゼルエンジン
(E)のポンプ収容室(2)に燃料噴射ポンプ(3)を
配置するとともに、ポンプ収容室(2)内に燃料噴射カ
ム軸(4)とガバナ軸(5)とを配置し、この燃料噴射
カム軸(4)とガバナ軸(5)とをクランク軸(図外)
に連動連結し、ガバナ軸(5)にウエイトホルダー
(6)を固定するとともに、ガバナ軸(5)にガバナス
リーブ(7)をガバナ軸軸芯方向に移動可能な状態で套
嵌させ、ウエイトホルダー(6)に揺動開閉可能に支持
させたガバナウエイト(W)の開閉揺動に伴い出退移動
するガバナスリーブ(7)の移動量をガバナレバー
(8)を介して燃料噴射ポンプ(3)をコントロールラ
ック(9)に制御移動可能に構成したものである。
ガバナレバー(8)はコントロールラック(9)のラ
ックピン(9a)に係合しているフォークレバー(10)と
ガバナスプリング(11)の一端部を係止しているスプリ
ングレバー(12)とで構成してあり、フォークレバー
(10)に前記ガバナスリーブ(7)のスラスト力(ガバ
ナフォース)(F)を作用させるようにするとともに、
フォークレバー(10)とスプリングレバー(12)とをト
ルクスプリング装置(13)を介して連動するように構成
し、ガバナフォース(F)とガバナスプリング力(Gs)
との釣り合いで燃料噴射ポンプ(3)のコントロールラ
ック(9)を制御するようにしてある。そして、ポンプ
収容室(2)の側面開口部を覆う状態で配置したポンプ
室蓋に調速レバー(15)を揺動可能に枢支し、この調速
レバー(15)にガバナスプリング(11)の他端部を係合
させてある。また、調速レバー(15)のレバー軸(16)
はポンプ室蓋を貫通しており、その外端部に変速レバー
が固定してある。
なお、フォークレバー(10)は、ガバナフォース
(F)を受けて揺動するレバーアーム部(10a)とレバ
ーアーム部(10a)の先端部に揺動可能に装着したスラ
ストレバー(10b)とで構成してあり、コントロールラ
ック(9)のラックピン(a)をレバーアーム部(10
a)とスラストレバー(10b)で挟持することによりガバ
ナの応答感度を高めるようにしている。そして、このス
ラストレバー(10b)とコントロールラック(9)の燃
料増量側(R)に位置するポンプ収容室壁(18)との間
にコントロールラック(9)を燃料増量側(R)に付勢
するスタートスプリング(19)が係着してある。また、
スラストレバー(10b)の燃料減量側(L)にはアイド
ルリミットスプリング(20)が配置してあって、コント
ロールラック(9)が不測に燃料無噴射位置に移動しな
いようにしてある。
また、燃料増量側(R)に位置するポンプ収容室壁
(18)には燃料制限具(21)がコントロールラツク
(9)の燃料増量側端部に対応させて配置してある。こ
の燃料制限具(21)は、ソレノイド(22)とサーモワッ
クスを封入したシリンダで形成した感温作動具(23)と
を直列に配置して構成してあり、感温作動具(23)の作
動部(24)がコントロールラツク(9)の端部に対向し
ている。すなわち、この燃料制限具(21)はソレノイド
(22)と感温作動具(23)とを互いに同心上で突き合わ
せて構成し、ソレノイド(22)の出退作動子(25)に感
温作動具(23)を直接接当させ、感温作動具(23)の作
動部(24)をコントロールラック(9)の燃料増量側
(R)端部に受け止め可能に対向させる。また、ソレノ
イド(21)の出退作動子(25)は戻しバネ(26)で進出
側に付勢してある。そして、感温作動具(23)はエンジ
ンの機体温度に基づき作動するようにしてあり、例えば
機体温度が5℃以上になるとその作動部(24)が進出作
動するようになっている。また、ソレノイド(22)の出
退量は感温作動具(23)の伸縮量とほぼ等しく設定して
ある。
ソレノイド(22)の給電回路(27)にはターボチャー
ジャ(28)のブースト圧により切換え作動されるスイッ
チ(29)が介装してあり、このスイッチ(29)はブース
ト圧が所定圧(例えば100mmHg)以上の場合に導通し、
所定圧に達しない場合に比導通となるように形成してあ
る。従って、エンジンの運転中には、機体温度が所定温
度以上に昇温しており、また、ターボチャージャ(28)
のブースト圧も所定圧力以上に上昇しているから、燃料
制限具(21)は第3図(a)に示すように、ソレノイド
(22)の出退作動子(25)が退入し、感温作動具(23)
の作動部(24)が伸長した状態にあるが、両者の作動量
を等しく設定してあることから、燃料制限具(21)の作
動端、即ち、感温作動具(23)の作動部先端はコントロ
ールラツク(9)の始動増量位置(I)に対応して位置
することになる。
また、寒冷期等での始動操作時には、ブースト圧は発
生していないから、ソレノイド(22)には通電されず、
ソレノイド(22)の出退作動子(25)は戻しバネ(26)
で付勢されて進出するが、感温作動具(23)はエンジン
機体温度が所定温度まで昇温していないため、その作動
部は収縮姿勢になっていることから、第3図(b)に示
すように、燃料制限具(21)の作動端はコントロールラ
ツク(9)の始動増量位置(I)に対応して位置するこ
とになる。
そして、調速レバー(15)の操作で急加速操作を行う
と、ガバナスプリング力(Gs)が急に増大することか
ら、コントロールラツク(9)が燃料増量側に急速に移
動しようとするが、ターボチャージャ(28)のブースト
圧はリアルタイムに対応できないことから、ブースト圧
が減少してソレノイド(22)の給電回路(27)に介装し
たスイッチ(29)が非導通状態に切換り、第3図(c)
に示すように、ソレノイド(22)の出退作動子(25)が
戻しバネ(26)で進出し、エンジン機体温度は十分上昇
しているから、感温作動具(23)は伸長した作動姿勢に
なり、燃料制限具(21)の作動端はコントロールラツク
(9)を最大燃料噴射位置(M)で受け止めることにな
る。
第2図中、符号(30)はスプリングレバー(12)の燃
料増量側への移動を制限するための制限ピンである。
上記実施例では、感温作動具(23)としてサーモワツ
クスを封入したシリンダを使用したが、形状記憶合金や
形状記憶樹脂で感温作動具(23)を構成してもよい。
このように構成した燃料噴射量制限装置では、運転状
態において急加速操作すると、ガバナスプリング力(G
s)が増大するが、エンジン回転数の上昇は少し遅れる
ことから、ガバナ力(F)とガバナスプリング力(Gs)
との釣り合いが崩れ、スプリングレバー(12)、フォー
クレバー(10)を燃料増量側(R)に移行させる。この
とき、スプリングレバー(12)の移動速度が急速である
ことから、スプリングレバー(12)が燃料制限ピン(3
0)で受け止められたあとでも、トルクスプリング装置
(13)のトルクスプリングの蓄圧力でフォークレバー
(10)が燃料増量側に移行しようとするが、この急加速
操作によりターボチャージャ(28)のブースト圧が降下
することから、燃料制限具(21)のソレノイド(22)へ
の通電が遮断されて出退作動子(25)が進出しするう
え、燃料制限具(21)の感温作動具(23)は伸長姿勢に
なっているから、燃料制限具(23)の出力端部はコント
ロールラツク(9)を最大燃料噴射位置(M)に対応す
る位置でで受け止めることになる。これにより、コント
ロールラック(9)が最大燃料噴射位置を越えて燃料増
量側にオーバーランすることがなくなるから、燃料噴射
量は制限されることになる。したがって、エンジンの燃
焼室には制限された燃料が供給されることになるから、
燃料過剰になることがなくなり、スモークの発生を抑制
することになる。そして、通常運転時やエンジン始動時
には感温作動具(23)やソレノイド(22)が待機姿勢に
なっていることから、燃料制限具(21)の出力端部はコ
ントロールラック(9)の移動領域から退避して、コン
トロールラック(9)の移動量を始動増量位置までは規
制することがない。
《効果》 本発明は、ターボチャージャ付きのディーゼルエンジ
ンにおいて、コントロールラックの燃料増量側での端部
に対応して燃料制限具を配置し、感温作動具の作動量を
ソレノイドの出退量とほぼ等しく設定し、この燃料制限
具をソレノイドと感温作動具を直列に配置して構成し、
ソレノイド(22)への給電回路(27)中にターボチャー
ジャ(28)のブースト圧を検出して作動するブースト圧
検出作動手段(29)を配置し、エンジン機体温とターボ
チャージャ(28)のブースト圧とに基づいて燃料噴射ポ
ンプ(3)の燃料噴射量を制御するように構成し、 感温作動具(23)は、エンジン温度が設定温度以下に
なる寒冷期でのエンジン始動時には、コントロールラッ
ク(9)から遠ざかる燃料増量側(R)の制限解除姿勢
に後退するのに対し、エンジン温度が設定温度以上にな
るエンジンの通常運転時には、コントロールラック
(9)に近づく燃料減量側(L)の制限始動姿勢に進出
するように構成し、 ソレノイド(22)は、エンジンの通常運転時のターボ
チャージャ(28)のブースト圧の高い状態では、ブース
ト圧検出作動手段(29)の高圧検出作動により、コント
ロールラック(9)から遠ざかる燃料増量側(R)の制
限解除姿勢に後退するのに対して、エンジンの始動時お
よび急加速時のターボチャージャ(28)のブースト圧の
低い状態では、ブースト圧検出作動手段(29)の低圧検
出作動により、コントロールラック(9)に近づく燃料
減量側(L)の制限作動姿勢に進出するように構成して
いる。
これにより、エンジン温度が設定温度以上になってい
る通常の運転時には、感温作動具はコントロールラツク
側に突出する作動姿勢となり、ソレノイドは出退作動子
が引き込まれた待機姿勢となるから、燃料制限具の作動
子を退避姿勢となり、コントロールラツクの移動領域を
制限することのない状態を維持するが、運転中に急加速
操作を行うと、一時的にターボチャージャのブースト圧
が低下することから、ソレノイド作動姿勢に切り換わ
り、燃料制限具の作動子はコントロールラツクの移動領
域内に進出して、コントロールラツクを燃料最大噴射位
置に対応する位置で受け止めることになる。これによ
り、アクセルレバーを操作してエンジンを急加速させて
も、コントロールラックが最大燃料噴射位置を越えて始
動増量側にオーバランすることがなくなる、スモークの
発生を抑制することができる。
一方、寒冷期等でのエンジン始動時にはエンジンの温
度が設定温度以下になっていることから、感温作動具は
待機姿勢となり、また、ターボチャージャのブースト圧
は発生していないから、ソレノイドは出退作動子が退入
している待機姿勢になっているから、燃料制限具の作動
子はコントロールラツクの移動領域から退避することに
なり、コントロールラックの移動を制限することはない
から、コントロールラックを始動増量位置まで移動させ
ることができ、始動操作に支障をきたすことはない。ま
た、以上のように、通常運転時およびエンジン始動時に
は燃料制限具の作動子を退避姿勢にして燃料制限を解除
し、急加速操作時には燃料制限具の作動子を制限作動姿
勢にして燃料制限するという機能を有する公知技術とし
て、実願昭54−111282号(実開昭56−29235号)のマイ
クロフィルムに記載されたものがある。
この公知技術では、揺動アームの下端入力部に給気圧
作動器の出退作動子が連接され、揺動アームの中間支点
部に感温作動部の作動具が連接され、揺動アームの上端
出力部がコントロールラックの燃料増量側端部に受け止
め可能に向かい合わせて構成されているため、燃料制限
位置の集積誤差が大きくなり易い。
すなわち、(A)給気圧作動器と揺動アームとの相対
位置の製造誤差、(B)感温作動具と揺動アームとの相
対位置の製造誤差、および(C)揺動アームの下端入力
部−中間支点部間の入力側腕長さと中間支点部−上端出
力部間の出力側腕長さとの腕比の製造誤差の、合計三つ
の製造誤差の集積誤差が、揺動アームの上端出力部の燃
料制限作動位置の大きな誤差となって現れ易いのであ
る。
これに対し、本発明では、燃料制限具(21)はソレノ
イド(22)と感温作動具(23)とを互いに同心上で突き
合わせて構成し、ソレノイド(22)の出退作動子(25)
に感温作動具(23)を直接接当させ、感温作動具(23)
の作動部(24)をコントロールラック(9)の燃料増量
側(R)端部に受け止め可能に対向させ、感温作動具
(23)の作動量をソレノイド(22)の出退量とほぼ等し
く設定するので、上記公知技術の揺動アームの介在によ
る上記(A)・(B)および(C)の三つの製造誤差の
集積誤差を全て無くすことができる。
これにより、エンジンの急加速操作時に作動部(24)
が燃料制限作動位置(M)に作動した状態において、こ
の燃料制限作動位置(M)が燃料増量側(R)に大きな
誤差となって偏倚する場合の黒煙の発生量の増加を無く
すとともに、その燃料制限作動位置(M)が燃料減量側
(L)に大きな誤差となって偏倚する場合のエンジン回
転の加速遅れを無くすことができるのである。
そのうえ、ソレノイド(22)および感温作動具(23)
が作動するときには、ソレノイド(22)の出退作動子
(25)と感温作動具(23)とが単に接当しているだけで
あって、伝動部分で相対摺動することがないため、この
伝動部分の摩耗が起こらず、耐久性に優れる。
さらに、燃料制限具(21)はソレノイド(22)と感温
作動具(23)とを互いに同心上で突き合わせて構成し、
ソレノイド(22)の出退作動子(25)に感温作動具(2
3)を直接接当させるので、燃料制限具(21)の構造は
直線状の簡単で小形のものにすることができるのであ
る。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示し、第1図は要部概略構成
図、第2図は燃料噴射量制御部の縦断面図、第3図は燃
料制限具の作動説明図である。 3……燃料噴射ポンプ、8……ガバナレバー、9……コ
ントロールラック、10……フォークレバー、11……ガバ
ナスプリング、12……スプリングレバー、13……トルク
スプリング装置、15……調速レバー、19……スタートス
プリング、21……燃料制限具、22……ソレノイド、23…
…感温作動具、24……作動部、25……出退作動子、27…
…給電回路、28……ターボチャージャ、29……スイッ
チ、E……ディーゼルエンジン、R……燃料増量側。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森岡 和良 大阪府堺市石津北町64 久保田鉄工株式 会社堺製造所内 (72)発明者 梅田 裕三 大阪府堺市石津北町64 久保田鉄工株式 会社堺製造所内 (56)参考文献 特開 昭58−140433(JP,A) 実開 昭64−25431(JP,U) 実開 昭56−22432(JP,U) 実開 昭56−29235(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ターボチャージャ(28)を付設したディー
    ゼルエンジン(E)に装備されている燃料噴射ポンプ
    (3)のコントロールラック(9)に係合するフォーク
    レバー(10)と、調速レバー(15)にガバナスプリング
    (11)を介して連動連結したスプリングレバー(12)と
    でガバナレバー(8)を構成し、 フォークレバー(10)とスプリングレバー(12)とをト
    ルクスプリング装置(13)を介して連動連結し、フォー
    クレバー(10)にスタートスプリング(19)を係止して
    コントロールラック(9)を最大燃料噴射位置から始動
    増量位置まで移動可能に構成してなるガバナ装置を備え
    たデイーゼルエンジンにおいて、 コントロールラック(9)の燃料増量側(R)での端部
    に対応して燃料制限具(21)を配置し、この燃料制限具
    (21)はソレノイド(22)と感温作動具(23)とを互い
    に同心上で突き合わせて構成し、ソレノイド(22)の出
    退作動子(25)に感温作動具(23)を直接接当させ、感
    温作動具(23)の作動部(24)をコントロールラック
    (9)の燃料増量側(R)端部に受け止め可能に対向さ
    せ、感温作動具(23)の作動量をソレノイド(22)の出
    退量とほぼ等しく設定し、 ソレノイド(22)への給電回路(27)中にターボチャー
    ジャ(28)のブースト圧を検出して作動するブースト圧
    検出作動手段(29)を配置し、エンジン機体温とターボ
    チャージャ(28)のブースト圧とに基づいて燃料噴射ポ
    ンプ(3)の燃料噴射量を制御するように構成し、 感温作動具(23)は、エンジン温度が設定温度以下にな
    る寒冷期でのエンジン始動時には、コントロールラック
    (9)から遠ざかる燃料増量側(R)の制限解除姿勢に
    後退するのに対し、エンジン温度が設定温度以上になる
    エンジンの通常運転時には、コントロールラック(9)
    に近づく燃料減量側(L)の制限始動姿勢に進出するよ
    うに構成し、 ソレノイド(22)は、エンジンの通常運転時のターボチ
    ャージャ(28)のブースト圧の高い状態では、ブースト
    圧検出作動手段(29)の高圧検出作動により、コントロ
    ールラック(9)から遠ざかる燃料増量側(R)の制限
    解除姿勢に後退するのに対して、エンジンの始動時およ
    び急加速時のターボチャージャ(28)のブースト圧の低
    い状態では、ブースト圧検出作動手段(29)の低圧検出
    作動により、コントロールラック(9)に近づく燃料減
    量側(L)の制限作動姿勢に進出するように構成した、 ことを特徴とするディーゼルエンジンの急加速時スモー
    ク低減装置。
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