JP2002088132A - 放射線グラフト重合法 - Google Patents

放射線グラフト重合法

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JP2002088132A JP2000276183A JP2000276183A JP2002088132A JP 2002088132 A JP2002088132 A JP 2002088132A JP 2000276183 A JP2000276183 A JP 2000276183A JP 2000276183 A JP2000276183 A JP 2000276183A JP 2002088132 A JP2002088132 A JP 2002088132A
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carbon atoms
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Takanobu Sugo
高信 須郷
Noboru Abe
昇 阿部
Tomofumi Shiraishi
朋文 白石
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KANKYO JOKA GIJUTSU KENKYUSHO
KANKYO JOKA GIJUTSU KENKYUSHO KK
Japan Atomic Energy Agency
Original Assignee
KANKYO JOKA GIJUTSU KENKYUSHO
KANKYO JOKA GIJUTSU KENKYUSHO KK
Japan Atomic Energy Research Institute
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度などの物理的性質にすぐれ、用途に適し
た形状への成形加工が容易で優れた特性を有すると共に
耐熱性に優れ、合成工程が少なく経済効果も高く、さら
に溶出の少ないクリーンな機能材を製造する方法である 【解決手段】高分子基材上に少なくとも下記一般式
(1)〜(3)で表される重合性単量体を放射線によりグ
ラフト重合することを特徴とする放射線グラフト重合法
に存する。 【化3】 (式中、Aは炭素数3〜8のアルキレン基又は炭素数4
〜8のアルコキシメチレン基を示し、Zはハロゲン原子
又は水酸基を表す。環a、b、cは更に置換されていて
も良い。R1,R2,R3は、それぞれ独立に、水素原
子、炭素数1〜6のアルキル基又はアルカノール基を示
す。Xはアンモニウム塩の対イオンを表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線グラフト重
合技術を利用した新しい機能材の製造法にかかわるもの
である。
【0002】
【従来の技術】陰イオン交換体の官能基として最もよく
知られたスチレン重合体に導入されたトリメチルアンモ
ニウム基は、高温下では脱離しやすいことはよく知られ
ている。
【0003】一方、特開平4−349941号公報及び
特開平7−289921号公報には、従来のスチレン系
陰イオン交換体の官能基であるメチレン基を介してベン
ゼン環に結合したアミノ基又はアンモニウム基の代わり
に、ベンゼン環とアミノ基又はアンモニウム基の間に炭
素数3以上のアルキレン基或いはアルキレンオキシメチ
レン基からなるスペーサー基を導入したスチレン系重合
体が、高温においても官能基の脱離が少ない耐熱性イオ
ン交換体であることが開示されている。上記公報は、耐
熱性イオン交換体は繊維或いは膜等の種々の形状が可能
である旨記載しているが、具体的に開示されているの
は、粒状のイオン交換樹脂のみであり、織維或いは膜等
の形状に加工する方法に関する記載はない。
【0004】従来から、イオン交換繊維等の機能材の製
造法としては、いくつかの方法が知られている。1つ
は、イオン交換基を有するモノマーを重合し繊維化する
方法、もう一方でモノマーを重合し繊維化後官能基を導
入する方法等が有る。ポリスチレンに代表される芳香族
モノビニル化合物のポリマーは、単独では繊維化の際の
作業性(紡糸性)が著しく悪く、得られた繊維の強度が
低く成形性が劣る。そのため、芳香族ビニル系ポリマー
は、それ以外の熱可塑ポリマーを補強剤に用い、混合す
るまたは複合紡糸する事によってはじめて機能材として
使用可能となるものである。
【0005】上述特開平4−349941号公報で示さ
れたアニオン交換体前駆体の繰り返し単位も、重合ポリ
マーとして単独での紡糸、成形加工には困難さが予想さ
れる。 また、現状のイオン交換繊維には、ポリスチレ
ンが基材(matrix)又は海で、ポリエチレンが基
材内のフィラメント状の多芯又は島である多芯構造の織
維の基材部分にイオン交換基を導入したものや、ポリビ
ニルアルコール繊維を焼成したものにイオン交換基を導
入したイオン交換繊維も知られているが、これらは、基
材として使用されるポリマーが繊維加工可能なもので且
つ、イオン交換基を導入出来るという性質を兼ね備えて
いる必要が有り、使用できるポリマーが制限される。
【0006】一方、高分子基材上にグラフト重合により
重合性単量体を重合させた機能材が製造され、多くの分
野で使用されている。グラフト重合の利点は、使用する
高分子基材の種類、形状に制限がないため、成形加工が
比較的容易な点である。高分子基材と重合性単量体の両
者の特性を併せ持つ機能材を加工することが出来る。グ
ラフト重合法の中でも放射線グラフト重合法は、比較的
コントロールしやすい方法として注目されている。
【0007】機能材の中でも、イオン交換材や吸着剤な
どの分離機能性材料は、一般に表面積が大きい程交換速
度や吸着速度が大きく有利といわれている。そのため、
表面積の大きな繊維状の基材をイオン交換材や吸着材と
して使用する頻度が増えており、放射線グラフト重合に
よるこれらイオン交換体、吸着剤の製造は、この繊維状
基材の特性を活かすのに適している(特開平5−647
26号公報、特開平6−142439号公報等)。
【0008】しかし、グラフト重合法による合成法にも
欠点がある。放射線の照射総量をコントロールしなけれ
ば基材の物理的強度が低下する、或いは酸化劣化による
分解生成物が放出されるという不都合な点が指摘されて
いる。
【0009】また、使用するモノマーの反応性により不
都合が生ずる場合もある。例えばスチレンを重合性単量
体としてグラフト重合しイオン交換繊維とする場合に
は、カチオン交換基の導入のためには硫酸、クロルスル
ホン酸による長時間にわたる苛酷な条件下での反応が必
要であり、基材の損傷劣化を伴う。この損傷が強度低下
原因となる。また、アニオン交換基の導入には特定化学
物質のクロロメチルメチルエーテルを使用するクロロメ
チル化が必要であり、クロロメチル化後に4級アンモニ
ウム基の導人反応を行うため、反応が2段となり煩雑と
なるばかりでなく、反応工程が多くなると、反応後に使
用した溶剤、反応助剤等を除去する工程も必須となり、
経済性が悪いだけでなく、除去しきれなかったこれらの
物質が機能材性能を低下させる原因にもなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、強度などの
物理的性質にすぐれ、用途に適した形状への成形加工が
容易で優れた特性を有すると共に耐熱性に優れ、合成工
程が少なく経済効果も高く、さらに溶出の少ないクリー
ンな機能材を製造する方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の要旨は、高
分子基材上に少なくとも下記一般式(1)〜(3)で表さ
れる重合性単量体を放射線によりグラフト重合すること
を特徴とする放射線グラフト重合法に存する。
【0012】
【化3】
【0013】(式中、Aは炭素数3〜8のアルキレン基
又は炭素数4〜8のアルコキシメチレン基を示し、Zは
ハロゲン原子又は水酸基を表す。環a、b、cは更に置
換されていても良い。R1,R2,R3は、それぞれ独立
に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はアルカノ
ール基を示す。Xはアンモニウム塩の対イオンを表
す。)
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の放射線グラフト重合法は、高分子基材上に前記
一般式(1)〜(3)で表される重合性単量体を放射線
照射によりグラフト量合するものである。
【0015】前記一般式(1)〜(3)において、Aは
炭素数3〜8のアルキレン基又は炭素数4〜8のアルコ
キシメチレン基を表す。アルキレン基としては直鎖状、
分岐状、環状のプロピレン基、ブチレン基、ぺンチレン
基、へキシレン基、ヘプチレン基などが挙げられ、アル
コキシメチレン基としては、これらに対応するアルキレ
ンオキシメチレン基が挙げられるが、好ましくは直鎖状
のアルキレン基である。特に炭素数3〜4の直鎖状アル
キレン基が好ましい。Aがエチレン鎖の場合、アンモニ
ウム基がホフマン分解により分解脱離し易いため、化学
的に不安定であり、又Aが炭素数8を越えると、構造単
位当たりの分子量が大きくなり、機能材に変換した場合
の単位重量当たりのイオン交換基量が減少するので好ま
しくない。
【0016】一般式(1)〜(3)中のAは、スチレン
残基の置換位置、o−、m−、p−位のいずれに位置し
てもかまわないが、m−位あるいはp−位が好ましい。
環a、b、c、は更にアルキル基、ハロゲン原子などで
置換されていても良い。アルキル基としてはメチル基、
エチル基等の低級アルキル基が挙げられ、ハロゲン原子
としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げら
れる。
【0017】Zはハロゲン原子又は水酸基を表し、ハロ
ゲンの場合、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が用いら
れ、特に臭素原子が好ましい。一般式(2)、(3)に
おいて、R1,R2,R3は、それぞれ独立に、水素原
子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、n−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜6、
好ましくは1〜4のアルキル基、あるいはヒドロキシエ
チル基、ヒドロキシプロピル基等の炭素数1〜6、好ま
しくは1〜4のアルカノール基である。R1,R2,R3
は、同じであっても良い。しかして単位重量当たりのイ
オン交換容量を大きくしたり、耐熱性を考慮すると、R
1,R2,R 3はメチル基であることが好ましく、特に一
般式(3)の構造単位がトリメチルアンモニウム基を有
することが好ましい。
【0018】アンモニウム塩の対イオンであるX-とし
ては、例えば、OH-、HCO3ー、CO3 2-、Cl-、B
-、SO4 2-、CH3COO-等が挙げられる。一般式
(1)で表される重合性単量体は、公知のいくつかの方
法で合成することが出来る。例えば、クロロスチレンの
グリニャール試薬と1,ω−ジハロゲノアルカンを反応
させることにより合成することが出来る。或いは特開平
4−349941号公報或いは特開平7−289921
号公報に記載されている方法でも良い。
【0019】一般式(2)(3)で表される重合性単量
体は、一般式(1)の単量体にアンモニア又はアミンを
反応させ、Zをアミノ基又はアンモニウム基に変換する
ことにより得られる。更に一般式(3)の単量体は、一
般式(2)の単量体をアルキルハライド等のアルキル化
剤で処理することによっても得られる。
【0020】一般式(2)又は(3)において、官能基
Zをアミノ基又はアンモニウム基に変換する方法は、公
知の方法に従って行うことが出来る。すなわちZがハロ
ゲン原子の場合、アンモニア、メチルアミン、ジメチル
アミン、トリメチルアミン、ジメチルエタノールアミン
等のアルキルアミン類と反応させればよい。Zが水酸基
の場合には、一度ハロゲン原子に変換した後、上記のア
ンモニア或いはアルキルアミン類と反応させればよい。
【0021】上述の重合性単量体を放射線グラフト重合
する高分子基材の材質としては、特に限定されるもので
はないが、ポリオレフィンやハロゲン化ポリオレフィン
系のものが好適である。具体的には、エチレン、プロピ
レン、ブテン、ヘキセン、テトラフルオロエチレン、ク
ロロトリフルオロエチレン等の重合体または共重合体が
挙げられ、ポリプロピレンが好ましい。これら高分子基
材は共重合体でも良いし、2種以上のポリマーのブレン
ドであってもよく、或いは、接着、溶融又は融合によっ
て相互に結合されている種々のポリマーであってもよ
い。しかし、これらに限定されるものではない。
【0022】基材の形状は用途に応じて広い範囲から選
択できる。好ましい基材の形状としては、単繊維、織布
もしくは不織布、または前記の単繊維もしくは織布、不
繊布の加工品、中空糸及びその加工品、膜状材料及びそ
の加工品、板状材料及びその加工品が挙げられる。
【0023】放射線グラフト重合に用いられる電離性放
射線としては、α線、β線、γ線、加速電子線、紫外線
などがあり、いずれも使用可能だが、特に加速電子線、
γ線が好ましい。照射線量は特に20〜300kGyが
好ましい。20kGy以下の場合、反応に充分な活性点
が生成せず、また過剰な照射線量では高分子基材の損傷
劣化が大きく、コスト高となり問題となる。
【0024】放射線法によりグラフト化を行う場合、高
分子基材とグラフト化する重合性単量体を共存させ放射
線照射してグラフト化する同時放射法と、高分子基材に
のみ予め放射線を照射した後に、重合性単量体と接触さ
せる前照射法の二通りの方法があるが、重合性単量体の
単独重合物が生成する可能性が少ない前照射法がより好
ましい。
【0025】照射を受けた高分子基材は、重合性単量体
溶液と無酸素下、液相で接触させるあるいは含浸させる
ことによりグラフト化される。必要に応じて、重合性単
量体溶液は加熱することもできる。この時、重合性単量
体を溶解する溶媒が液相に混合されていてもかまわな
い。溶媒としては、水、メタノール、エタノールなどの
アルコール類、ジメチルスルホキシド、アセトンなどが
好適である。
【0026】照射済基材を、モノマー液に浸漬したまま
グラフト重合する液相グラフト重合では、通常、反応温
度が10〜90℃、好ましくは20〜60℃、反応時間
は通常、1〜12時間、好ましくは2〜10時間が適し
ている。
【0027】照射済基材に所定量のモノマーを付与して
真空中又は不活性ガス中で反応させる含浸グラフト重合
は、反応温度が、通常、10〜90℃、好ましくは20
〜60℃であり、反応時間が適常、0.1〜10時間、
好ましくは0.2〜8時間が適している。この場合グラ
フト重合後の基材が乾燥状態なので、基材の取扱いが簡
単、廃液の発生量が少ないなどの利点がある。
【0028】照射済基材とモノマー蒸気を接触させる気
相グラフト重合は比較的蒸気圧の高いモノマーにしか適
用できず、グラフトむらも発生しやすいが、廃液発生量
が少ないことやグラフト重合後の基材が乾燥状想である
という利点がある。この場合、反応温度は、通常、10
〜90℃、好ましくは20〜80℃、反応時間は、通
常、1〜12時間、好ましくは2〜10時間である。
【0029】本発明は、以上のいずれの放射線グラフト
重合法も用いることができる。また、重合性単量体の種
類、特に沸点により、反応温度、反応時間を適宜選択で
きる。
【0030】また本発明に於ける放射線グラフト重合に
よる製造においては、一般式(1)〜(3)で表される
単量体以外の重合性単量休が共存していてもかまわな
い。この第2の重合性単量体としては、不飽和性炭化水
素を2個以上持つ架橋性単量体、1個持つ重合性単量体
から選ばれる。具体的には、ジビニルベンゼン、ポリビ
ニルベンゼン、アルキルジビニルベンゼン、ジアルキル
ジビニルベンゼン、ビス(アルキルスチレン)、エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレンビ
ス(メタ)アクリルアミド、スチレン、アルキルスチレ
ン、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル
酸、アクリロニトリル、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、ビニルピロリドン、ジメチルアクリルアミド
等が挙げられる。
【0031】これらの第2の重合性単量体は、イオン交
換体の機能を低減させない範囲において添加することが
出来る。その含有率は、重合性単量体に対して通常、0
〜50重量%、好ましくは0〜20重量%で用いられ
る。
【0032】このように本発明の重合法によって得られ
る陰イオン交換体中間体ならびに陰イオン交換体は、ベ
ンゼン環とアミノ基又はアンモニウム基の間に炭素数3
以上のスペーサーが存在するため高温におけるイオン交
換基の脱離が少ない。また、従来のスチレン系陰イオン
交換体のグラフト化物に比し、緩やかな条件でイオン交
換基を導入できる、或いは、イオン交換基を導入した単
量体をグラフト化できるので、アミン等の溶出も少な
く、高分子基材の損傷、劣化が少ない。
【0033】更に、使用する高分子基材を選択すること
により、種々の形状のイオン交換体を得ることが出来、
又用途に合わせた性質の基材を選ぶこと、或いは成形加
工することも可能である等の種々の利点を有している。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の例
に限定されるものではない。なお、単量体の製法を参考
例として示した。
【0035】参考例1(4ーブロモブチルスチレンの合
成) 4−ブロモブチルスチレンの合成は、特開平4−349
941の実施例の中に記載されている方法を用いた。
【0036】参考例2(N,N−ジメチルアミノブチル
スチレンの合成) 冷却管、攪拌羽根を備えた1Lの4ツ口フラスコに、メ
タノール500ml、4−(4−ブロモブチル)スチレ
ン40g(0.167モル)、50%ジメチルアミン水
溶液0.75モルを溶解し、50℃で5時間反応した。
終了後、減圧下でメタノール、水を留去した。この反応
溶液に0.1N−NaOH水溶液300mlで弱塩基性
とし、分液し、水相中のビスジメチルビニルフェニルブ
チルアンモニウムプロマイドを抽出した。この操作を2
回繰り返し、副生したアンモニウム塩を除去した。油相
を回収した。重合禁止剤(ジフェニピクリルヒドラジ
ル)1000ppmを添加し、減圧下で蒸留(97℃/
0.4mmHg)した。真空蒸留直後は淡黄色透明溶液
であったが、空気中にさらすとオレンジ色透明溶液とな
った。
【0037】1H−NMR分析:アミノ基のメチル基水
素2.20(S)、アミノ基に隣接するメチレン鎖水素
2.26(t)、β、γ位メチレン鎖水素1.63
(m)、1.49(m)、ベンジル位メチレン鎖水素
2.62(t)、ビニル基βトランス位水素5.19
(dd)、ビニル基βシス位水素5.70(dd)、ビ
ニル基α位水素6.69(dd)、芳香族水素(2.6
位水素)7.13(d)、3.5位水素7.31(d)13 C−NMR測定:メチル基炭素45.2、アミノ基の
隣接メチレン鎖炭素59.4、β、γ位メチレン鎖炭素
27.1、28.8、ベンジル位メチレン鎖炭素35.
2、ビニル基β位炭素112.2、ビニル基α位炭素1
41.8、芳香族水素炭素125.8、128.2、1
36.4、1位(ビニル基イプソ位)炭素134.8 実施例1 平均径20μmのポリエチレン被覆ポリプロピレン不織
布(目付50g/m2)に電子線を窒素雰囲気で200
kGy照射した後、4−ブロモブチルスチレンの50%
ジメチルスルホキシド溶液に浸漬し、40℃で5時間反
応し、58%のグラフト率を得た。 実施例2 実施例1と同様のポリエチレン被覆ポリプロピレン不織
布に電子線を照射した後、参考例2で得られたN,N−
ジメチルアミノブチルスチレンの50%メタノール溶液
に浸漬、60℃で7時間の反応を行って、N,N−ジメ
チルアミノブチルスチレンのグラフト率110%の不織
布が得られた。
【0038】
【発明の効果】本発明の方法によれば、陰イオン交換体
を製造する際の中間体あるいは陰イオン交換体を作るに
当たり、強度などの物理的性質にすぐれ、用途に適した
形状への成形加工が容易であるという利点を有する。
フロントページの続き (72)発明者 阿部 昇 群馬県高崎市片岡町1丁目16番21号 株式 会社環境浄化技術研究所 (72)発明者 白石 朋文 群馬県高崎市片岡町1丁目16番21号 株式 会社環境浄化技術研究所 Fターム(参考) 4F073 AA11 BA06 BB01 CA42 FA05 4J026 AA11 AA12 AA13 AA14 AA26 BA06 BB01 CA09 CA10 DB06 DB36 GA01 4L033 AA05 AB07 AC15 CA13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子基材上に、少なくとも下記一般式
    (1)で表される重合性単量体を放射線によりグラフト
    重合させることを特徴とする放射線グラフト量合法。 【化1】 (式中、Aは炭素数3〜8のアルキレン基又は炭素数4
    〜8のアルコキシメチレン基を示し、Zはハロゲン原子
    又は水酸基を表す。環aは更に置換されていても良
    い。)
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表される重合性単量体が
    4−ブロモブチルスチレンであることを特徴とする詩求
    項1に記載の放射線グラフト重合法。
  3. 【請求項3】 高分子基材に、下記一般式(2)又は
    (3) 【化2】 (式中、Aは炭素数3〜8のアルキレン基又は炭素数4
    〜8のアルコキシメチレン基を示し、R1,R2,R
    3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアル
    キル基又はアルカノール基を示す。Xはアンモニウム塩
    の対イオンを表す。環b、cは更に置換されていてもよ
    い。)で表される重合性単量体を放射線によりグラフト
    重合させることを特徴とする放射線グラフト重合法。
  4. 【請求項4】 一般式(3)で示される重合性単量体
    が、トリメチルビニルフェニルブチルアンモニウムブロ
    マイドであることを特徴とする請求項3に記載の放射線
    グラフト重合法。
  5. 【請求項5】 高分子基材が、単繊維、織布もしくは不
    織布、またはそれらの加工品、膜状材料及びその加工
    品、板状材料及びその加工品から選択されることを特徴
    とする請求項1乃至4の何れかに記載の放射線グラフト
    重合法。
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