JP2002087998A - オクタフルオロプロパンの精製方法及び製造方法、高純度オクタフルオロプロパン並びにその用途 - Google Patents

オクタフルオロプロパンの精製方法及び製造方法、高純度オクタフルオロプロパン並びにその用途

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JP2002087998A
JP2002087998A JP2000279315A JP2000279315A JP2002087998A JP 2002087998 A JP2002087998 A JP 2002087998A JP 2000279315 A JP2000279315 A JP 2000279315A JP 2000279315 A JP2000279315 A JP 2000279315A JP 2002087998 A JP2002087998 A JP 2002087998A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粗オクタフルオロプロパン中に含まれる不純
物を除去することができる吸着剤を用い、高純度のオク
タフルオロプロパンを得るための精製方法及び製造方
法、高純度オクタフルオロプロパン並びにその用途を提
供する。 【解決手段】 (1)原料炭を酸洗浄処理し水洗浄処理
する工程、(2)原料炭の脱酸素及び/または脱水を行
う工程、(3)500〜700℃の温度範囲で原料炭を
再炭化処理する工程、(4)不活性ガス、二酸化炭素及
び水蒸気を含有する混合ガス気流中、700〜900℃
の温度範囲で原料炭を賦活処理する工程、を行うことに
より製造できる吸着剤を用いてオクタフルオロプロパン
を精製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オクタフルオロプ
ロパンの精製方法及び製造方法、高純度オクタフルオロ
プロパン並びにその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】オクタフルオロプロパン(以下「FC−
218」という。)は、半導体デバイス製造プロセスに
おいてエッチングガスまたはクリーニングガスとして用
いられ、FC−218の製造方法としては、1−クロル
プロパンを電解フッ素化する方法(米国特許第3709
800号公報)、トリフルオロペンタクロロプロパンと
三フッ化マンガンの反応(米国特許第2578721号
公報)、プロパン、プロピレン等をフッ化水素と塩素に
反応させる方法(米国特許第520083号公報)等が
知られている。しかしながら、それらの方法では、原料
等に塩素分を含む化合物等を使用しているため、含塩素
不純物が副生物として生成するという問題がある。
【0003】原料等に塩素分が含まれない方法として
は、プロパンを電解フッ素化する方法(米国特許第38
400445号公報)等が知られているが、装置が極め
て複雑であり、収率が低く、工業的に有利な方法とは言
えない。また、ヘキサフルオロプロペン(以下「FC−
1216」という。)をフッ素化してFC−218を製
造する方法が知られている。例えば、不活性ガスと反応
生成ガスによる希釈下で、FC−1216とフッ素ガス
を反応させる方法(特公昭62−61682号公報)、
FC−1216をフッ化水素中電解フッ素化させる方法
(特公昭62−61115号公報)、三フッ化コバル
ト、三フッ化マンガン及び二フッ化銀から選択された、
少なくとも1種を含む高次金属フッ化物を反応させる方
法(特公昭62−54777号公報)等が知られてい
る。
【0004】FC−1216を製造する方法としては、
HCFC−22の熱分解により製造する方法が知られて
いる。また、炭素原子数3のパーハロゲン化クロロフル
オロカーボンをフッ素化後、脱ハロゲン化してFC−1
216を製造する方法(米国特許第5057634号公
報)等が知られている。これらの方法も原料として含塩
素化合物を使用することから、FC−1216中には、
含塩素化合物が不純物として含まれることが多く、その
FC−1216を原料として製造されたFC−218中
には、未反応のFC−1216と共に含塩素不純物が含
まれている場合が多い。表1に含塩素不純物の沸点を示
したが、不純物の多くは蒸留により分離することができ
るが、クロロペンタフルオロエタン(以下「CFC−1
15」という。)とFC−1216の沸点はそれぞれF
C−218と沸点が近く、蒸留による分離は非常に困難
である。
【0005】
【表1】
【0006】蒸留分離以外の精製方法としては、抽出蒸
留法、膜分離法、吸着分離法等を挙げることができる。
しかし、抽出蒸留法は設備コストが高く、プロセスが煩
雑である等の問題があり、膜分離法は、FC−218と
不純物を分離するために必要な特性を有する適当な膜が
なく、不純物含有量を1質量ppm以下まで精製するこ
とは困難である。また、表2にFC−218と不純物化
合物の分子径(安定型構造時における計算値)を示す
が、既存の吸着剤、例えば、活性炭、シリカゲル、ゼオ
ライト(モレキュラーシーブ)、モレキュラーシービン
グカーボン(以下「MSC」という。)等を用いた吸着
分離法は、FC−218と不純物の分子径にほとんど差
がないこと、FC−218と不純物の沸点差がないこ
と、さらにはFC−218と不純物の構造と物性が相似
しているためと考えられること、等の理由により精製は
困難である。
【0007】
【表2】
【0008】このうち、活性炭は不純物の1つであるF
C−1216を吸着除去するには有効であるが、他の全
ての不純物を分離することは困難である。従来の精製法
では、特にCFC−115の濃度が1質量ppm以下で
あるFC−218を得ることは困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような背
景の下になされたものであって、本発明はFC−218
中に含まれる、FC−1216、1H−ヘプタフルオロ
プロパン(以下「HFC−227ca」という。)、C
FC−115等の不純物を除去することができる吸着剤
を用い、高純度のオクタフルオロプロパンを得るための
精製方法及び製造方法、高純度オクタフルオロプロパン
並びにその用途を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、原料炭を酸洗浄処理
し、原料炭中の金属、特にアルカリ金属を低減させた
後、一連の賦活処理を行うことにより得られる活性化さ
せた炭が、オクタフルオロプロパン中に含まれる不純物
を吸着する特性に優れた吸着剤であることを見いだし本
発明を完成するに至った。本発明は以下の[1]〜[2
9]に関する。
【0011】[1]粗オクタフルオロプロパンを、以下
の4つの工程を含む方法を用いて製造できる吸着剤に接
触させて精製することを特徴とするオクタフルオロプロ
パンの精製方法。 (1)原料炭を酸洗浄処理し水洗浄処理する工程 (2)不活性ガス気流中、50〜250℃の温度範囲
で、工程(1)で得られる原料炭の脱酸素及び/または
脱水を行う工程 (3)不活性ガス気流中、500〜700℃の温度範囲
で、工程(2)で得られる原料炭を再炭化処理する工程 (4)不活性ガス、二酸化炭素及び水蒸気を含有する混
合ガス気流中、700〜900℃の温度範囲で、工程
(3)で得られる原料炭を賦活処理する工程 [2]原料炭が、ヤシ殻炭、石炭、木炭、タールピッチ
からなる群から選ばれる少なくとも1種が400〜60
0℃の温度範囲で炭化処理されたものである上記[1]
に記載のオクタフルオロプロパンの精製方法。 [3]工程(1)の酸洗浄処理に用いる酸が鉱酸であ
り、酸の濃度が、1〜1000mol/m3の範囲であ
る上記[1]または[2]に記載のオクタフルオロプロ
パンの精製方法。 [4]工程(1)の酸洗浄処理に用いる酸が塩酸及び/
または硫酸である上記[1]〜[3]のいずれかに記載
のオクタフルオロプロパンの精製方法。 [5]工程(2)の後、不活性ガス気流中で300〜5
00℃/hrの速度で工程(3)の再炭化処理温度まで
昇温して工程(3)を行う上記[1]〜[4]のいずれ
かに記載のオクタフルオロプロパンの精製方法。
【0012】[6]工程(3)の後、不活性ガス気流中
で100〜200℃/hrの速度で工程(4)の賦活処
理温度まで昇温して工程(4)を行う上記[1]〜
[5]のいずれかに記載のオクタフルオロプロパンの精
製方法。 [7]工程(4)において、不活性ガス、二酸化炭素及
び水蒸気を含有する混合ガスが、不活性ガスを50〜8
9vol%、二酸化炭素を10〜30vol%、水蒸気
を1〜20vol%含有するものである上記[1]〜
[6]のいずれかに記載のオクタフルオロプロパンの精
製方法。 [8]工程(4)の後、不活性ガス気流中で200〜3
00℃/hrの速度で常温まで冷却する上記[1]〜
[7]のいずれかに記載のオクタフルオロプロパンの精
製方法。 [9]吸着剤のヨウ素吸着量が700〜1000mg/
gである上記[1]〜[8]のいずれかに記載のオクタ
フルオロプロパンの精製方法。 [10]吸着剤に含まれるアルカリ金属の総含有量が1
000ppm以下である上記[1]〜[9]のいずれか
に記載のオクタフルオロプロパンの精製方法。
【0013】[11]吸着剤に含まれるカリウムの含有
量が500ppm以下である上記[10]に記載のオク
タフルオロプロパンの精製方法。 [12]粗オクタフルオロプロパンが、10〜1000
0ppmの不純物を含むものである上記[1]〜[1
1]のいずれかに記載のオクタフルオロプロパンの精製
方法。 [13]不純物が、クロロペンタフルオロエタン、ヘキ
サフルオロプロペン及び1H−ヘプタフルオロプロパン
からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である
上記[12]に記載のオクタフルオロプロパンの精製方
法。 [14]以下の(I)〜(III)の工程を含むことを特徴
とするオクタフルオロプロパンの製造方法。 (I)クロロジフルオロメタンを熱分解してヘキサフル
オロプロペンを得る工程 (II)工程(I)で得られるヘキサフルオロプロペンを
フッ素化して粗オクタフルオロプロパンを得る工程 (III)工程(II)で得られる粗オクタフルオロプロパ
ンを、以下の(1)〜(4)の工程を含む方法を用いて
製造できる吸着剤に接触させて精製する工程 (1)原料炭を酸洗浄処理し水洗浄処理する工程 (2)不活性ガス気流中、50〜250℃の温度範囲
で、工程(1)で得られる原料炭の脱酸素及び/または
脱水を行う工程 (3)不活性ガス気流中、500〜700℃の温度範囲
で、工程(2)で得られる原料炭を再炭化処理する工程 (4)不活性ガス、二酸化炭素及び水蒸気を含有する混
合ガス気流中、700〜900℃の温度範囲で、工程
(3)で得られる原料炭を賦活処理する工程 [15]原料炭が、ヤシ殻炭、石炭、木炭、タールピッ
チからなる群から選ばれる少なくとも1種が400〜6
00℃の温度範囲で炭化処理されたものである上記[1
4]に記載のオクタフルオロプロパンの製造方法。
【0014】[16]工程(1)の酸洗浄処理に用いる
酸が鉱酸であり、酸の濃度が、1〜1000mol/m
3の範囲である上記[14]または[15]に記載のオ
クタフルオロプロパンの製造方法。 [17]工程(1)の酸洗浄処理に用いる酸が塩酸及び
/または硫酸である上記[14]〜[16]のいずれか
に記載のオクタフルオロプロパンの製造方法。 [18]工程(2)の後、不活性ガス気流中で300〜
500℃/hrの速度で工程(3)の再炭化処理温度ま
で昇温して工程(3)を行う上記[14]〜[17]の
いずれかに記載のオクタフルオロプロパンの製造方法。 [19]工程(3)の後、不活性ガス気流中で100〜
200℃/hrの速度で工程(4)の賦活処理温度まで
昇温して工程(4)を行う上記[14]〜[18]のい
ずれかに記載のオクタフルオロプロパンの製造方法。 [20]工程(4)において、不活性ガス、二酸化炭素
及び水蒸気を含有する混合ガスが、不活性ガスを50〜
89vol%、二酸化炭素を10〜30vol%、水蒸
気を1〜20vol%含有するものである上記[14]
〜[19]のいずれかに記載のオクタフルオロプロパン
の製造方法。
【0015】[21]工程(4)の後、不活性ガス気流
中で200〜300℃/hrの速度で常温まで冷却する
上記[14]〜[20]のいずれかに記載のオクタフル
オロプロパンの製造方法。 [22]吸着剤のヨウ素吸着量が700〜1000mg
/gである上記[14]〜[21]のいずれかに記載の
オクタフルオロプロパンの製造方法。 [23]吸着剤に含まれるアルカリ金属の総含有量が1
000ppm以下である上記[14]〜[22]のいず
れかに記載のオクタフルオロプロパンの製造方法。 [24]吸着剤に含まれるカリウムの含有量が500p
pm以下である上記[23]に記載のオクタフルオロプ
ロパンの製造方法。 [25]粗オクタフルオロプロパンが、10〜1000
0ppmの不純物を含むものである上記[14]〜[2
4]のいずれかに記載のオクタフルオロプロパンの製造
方法。
【0016】[26]不純物が、クロロペンタフルオロ
エタン、ヘキサフルオロプロペン及び1H−ヘプタフル
オロプロパンからなる群から選ばれる少なくとも1種の
化合物である上記[25]に記載のオクタフルオロプロ
パンの製造方法。 [27]オクタフルオロプロパンの純度が99.999
9質量%以上である上記[14]〜[26]のいずれか
に記載のオクタフルオロプロパンの製造方法。 [28]純度が99.9999質量%以上のオクタフル
オロプロパンを含有することを特徴とするエッチングガ
ス。 [29]純度が99.9999質量%以上のオクタフル
オロプロパンを含有することを特徴とするクリーニング
ガス。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳しく説明す
る。本発明のオクタフルオロプロパンの精製方法は、粗
オクタフルオロプロパンを、以下の4つの工程を含む方
法を用いて製造できる吸着剤に接触させて精製すること
を特徴とする。 (1)原料炭を酸洗浄処理し水洗浄処理する工程 (2)不活性ガス気流中、50〜250℃の温度範囲
で、工程(1)で得られる原料炭の脱酸素及び/または
脱水を行う工程 (3)不活性ガス気流中、500〜700℃の温度範囲
で、工程(2)で得られる原料炭を再炭化処理する工程 (4)不活性ガス、二酸化炭素及び水蒸気を含有する混
合ガス気流中、700〜900℃の温度範囲で、工程
(3)で得られる原料炭を賦活処理する工程 本発明のオクタフルオロプロパンの精製方法に用いる吸
着剤は、上記の処理工程を行うことにより、細孔(ミク
ロポア)径が制御された吸着剤として得ることができ
る。
【0018】オクタフルオロプロパンを精製する吸着剤
の製造に使用される原料炭としては、ヤシ殻炭、石炭、
木炭及びタールピッチからなる群から選ばれる少なくと
も1種を用いることができる。細孔発達に必要な炭の緻
密性、吸着剤としての硬度等を考慮すると、ヤシ殻炭を
用いることが好ましい。また、原料炭の炭化温度は特に
制限はないが、ほとんど細孔の発達していない、400
〜600℃の範囲で炭化処理されたものを用いることが
でき、好ましくは400〜500℃の範囲で炭化処理さ
れたものがよい。
【0019】次に、選ばれた原料炭を酸洗浄処理し水洗
浄処理する工程(1)から、脱酸素及び/または脱水を
行う工程(2)、再炭化処理を行う工程(3)、賦活処
理する工程(4)までの処理工程について説明する。工
程(1)である、酸洗浄処理し水洗浄処理する工程は、
原料炭中に含まれる金属分、特にアルカリ金属を除去す
るために行う工程である。原料炭中の金属分、特にアル
カリ金属は、賦活処理工程(4)において触媒として作
用し、賦活ガス(水蒸気、二酸化炭素)と原料炭中の炭
素原子の反応を促進し、結果として細孔径の制御が困難
になる。従って、金属分、特にアルカリ金属を除去する
ために、酸及び水による洗浄工程(1)が行われる。
【0020】工程(1)の酸洗浄に用いられる酸として
は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸、酢酸、トリフ
ルオロ酢酸等の有機酸を用いることができる。好ましく
は鉱酸を用いるのがよく、さらに好ましくは塩酸及び/
または硫酸を用いることがよく、生成する金属塩を考慮
すると、塩酸を用いることが特に好ましい。酸の濃度と
しては薄すぎると金属除去効果が小さくなり、濃すぎる
とその効果は飽和になるため、1〜1000mol/m
3であるのがよく、好ましくは200〜500mol/
3であるのがよい。また、酸洗浄に用いる酸溶液の原
料炭に対する割合は、酸の濃度と同様、小さすぎると効
果がなく、大きすぎると飽和になるため、その容積比で
1:1〜5:1の範囲であるのがよく、好ましくは1:
1〜2:1の範囲であるのがよい。
【0021】洗浄時間は洗浄温度が高ければ数時間程度
でよく、常温程度に低い温度であっても一昼夜程度放置
すればよく、原料炭に含まれる金属分を十分に洗浄する
ことができる。また、酸洗浄後に行われる水洗浄処理
は、原料炭から溶解した金属塩を原料炭に残さないため
の洗浄であり、その洗浄方法は特に制限はない。例え
ば、上水等の金属塩の少ない水を使用し、連続あるいは
回分式のどちらでも十分に洗浄することができ、洗浄終
了は洗浄後の洗浄液のpH(pH3〜5)で知ることが
できる。
【0022】水洗浄を行った原料炭を乾燥する操作は工
程(2)の前に単独で行ってもよく、脱酸素及び/また
は脱水を行う工程(2)で行ってもよい。工程(2)
は、再炭化処理を行う工程(3)における酸素源の影響
を少なくするための酸素ガス及び水分のパージ工程であ
り、パージガスとしては各種不活性ガスを用いることが
でき、好ましくは窒素ガスを用いるのがよい。パージガ
スの流量と処理時間は特に制限はなく、原料炭から放出
される酸素ガス及び水分を系外にスムースに排気できる
ガス流量と処理時間を適宜選択することができる。工程
(2)の温度は、工程(3)での炭化温度に速やかに昇
温させる目的もあり、再炭化処理工程(3)の温度より
低く、かつ一定温度であり、かつ再炭化しない温度であ
る、50〜250℃の温度範囲がよく、好ましくは、1
00〜250℃の温度範囲がよい。また、オクタフルオ
ロプロパンの精製に用いられる吸着剤は、少なくとも工
程(1)の方法を用いて洗浄した前記の原料炭を出発原
料とする場合は、工程(2)から工程(4)を含む方法
を用いて製造することができる。
【0023】再炭化処理を行う工程(3)は、工程
(1)で金属除去された原料炭を加熱乾留することによ
り、タール分の分解、炭化マクロ孔の発現・発達及びタ
ール分の炭化を目的とするものであり、賦活処理工程
(4)における細孔の発現・発達に大きく関係する工程
である。そのため工程(3)では温度条件に留意する必
要がある。先ず、工程(2)から工程(3)に移行する
際の昇温速度は、昇温速度が遅いと、乾留揮発物として
タール分が除去されず、マクロ孔が発達しない傾向があ
る。昇温速度は速い程よいが、300〜500℃/hr
の範囲から選択することができる。また、昇温中は不活
性ガス気流下で行うことが好ましい。
【0024】再炭化処理を行う工程(3)の温度は、温
度が低いと揮発分を十分に除去できず、細孔分布の幅が
広くなり、温度が高いと炭素基質が収縮し、ミクロ孔の
収縮が起こる。そのため再炭化処理は500〜700℃
の温度範囲で行うことがよく、好ましくは600〜70
0℃の温度範囲であるのがよい。再炭化処理を行う処理
時間としては、前記の目的のためには1〜2時間でよ
い。また、再炭化処理は不活性ガス気流中で行われ、不
活性ガスとしては各種不活性ガスを用いることができ、
窒素ガスが好ましく用いられる。不活性ガスの流量は、
処理原料炭1L当たり2〜10L/minがよく、好ま
しくは3〜5L/minがよい。
【0025】賦活処理する工程(4)は、工程(3)で
再炭化した原料炭とガスを反応させ、細孔を発達させる
工程であり、結晶体内の閉鎖された細孔を開放する第一
段階と、隣接する細孔間の壁が完全に消失して、径が大
きい細孔が形成されていく第二段階で進行する。
【0026】工程(4)では、処理するガスの組成、温
度、時間等の条件に留意する必要がある。先ず、賦活処
理工程(4)における処理ガスの種類であるが、空気
(酸素)は好ましくない。その理由としては、原料炭の
炭素との反応が、発熱の大きな反応のため、炉内の温度
調節が難しく、部分的に過熱してしまい均一な賦活がで
きにくいことが挙げられる。また水蒸気も炭素との反応
は比較的激しいため、単独で使用すると賦活処理工程で
の細孔径制御が難しくなる。そのため、炭素との反応が
水蒸気より比較的緩やかな二酸化炭素や、不活性ガスで
ある窒素などを混合させて、緩やかな反応にする必要が
あり、窒素等の不活性ガス、二酸化炭素及び水蒸気を含
有する混合ガスを用いることができる。
【0027】混合ガスの各成分の比率としては、炭素と
激しく反応する水蒸気は低い方がよく、好ましくは不活
性ガス、二酸化炭素及び水蒸気からなる混合ガスで、不
活性ガスを50〜89vol%、二酸化炭素を10〜3
0vol%、水蒸気を1〜20vol%含むものを用い
るのがよい。さらに好ましくは、窒素ガスを70〜80
vol%、二酸化炭素を15〜25vol%、水蒸気を
2〜10vol%含むものがよい。混合ガスの流量は、
処理原料炭1L当たり0.5〜3L/minがよく、好
ましくは1〜2L/minがよい。
【0028】工程(2)〜工程(4)の各工程はそれぞ
れ加熱下で行うため、連続的に行うことが好ましく、特
により高温下での処理工程である工程(3)と工程
(4)は連続的に行うことが好ましい。工程(3)から
工程(4)に移行する際の昇温速度は、昇温速度が遅い
と、炭素結晶体内の閉鎖された細孔が開放せず、表面積
が増大しない。逆に昇温速度が速いと、比表面積、細孔
径が大きくなりすぎる傾向がある。そのため工程(3)
から工程(4)への昇温速度は100〜200℃/hr
であることが好ましい。
【0029】賦活処理工程(4)の温度は、温度が低い
と、細孔の開放、拡大が十分に進行せず、温度が高いと
その制御が難しい。そのため賦活処理工程の温度は70
0〜900℃の温度範囲がよく、好ましくは800〜9
00℃がよい。処理時間は、処理時間を長くすると、賦
活の進行により活性炭の細孔径が大きくなる傾向がある
ため、処理時間は、吸着除去の対象となる不純物の大き
さにより決定することができる。FC−218中に含ま
れる不純物を吸着するためには、処理時間は1〜20時
間の範囲から選択することができる。好ましくは、処理
時間は5〜18時間がよい。
【0030】工程(4)を行った後、不活性ガス気流下
で原料炭を常温まで冷却させるが、その降温速度は速い
程よい。降温速度は200〜300℃/hrの範囲から
選択することができ、速度が遅いと、降温に時間を要す
るため、細孔径を制御した吸着剤に細孔の変化が起こる
傾向があるので好ましくない。不活性ガスの流量は吸着
剤の持つ熱量を系外へ円滑に除去するためには大きい方
がよいが、処理炭1L当たり1.5〜3L/minの範
囲から選択することができる。
【0031】以上説明した方法を用いることにより、オ
クタフルオロプロパンを高純度に精製することができる
吸着剤を製造することができ、得られる吸着剤は、原料
炭を酸洗浄処理及び水洗浄処理しているので、特にアル
カリ金属の含有量が少ないことを特徴とする。吸着剤に
含まれるアルカリ金属の総含有量は1000ppm以下
であり、特にカリウムの含有量は500ppm以下であ
り、好ましくは200ppm以下である。吸着剤に含ま
れるアルカリ金属の含有量を測定する方法としては、例
えば吸着剤を灰化後、酸に溶解してICP測定すること
により求めることができる。また、吸着剤のヨウ素吸着
量は700〜1000mg/gであり、ヨウ素吸着量の
測定方法としてはJIS K 1474に基づいて求め
ることができる。
【0032】次に前記の方法を用いて製造した吸着剤を
用いて、FC−218を精製する方法について説明す
る。粗FC−218中には、CFC−115、FC−1
216及びHFC227caからなる群から選ばれる少
なくとも1種の化合物が不純物として含まれており、不
純物の含有量は通常、10〜10000ppmの範囲で
ある。本発明のFC−218を精製する方法としては、
公知の方法、例えば固定床による流通法が利用できる。
流通法を用いる接触方法は、連続的処理が可能であるこ
とから好ましく用いられる。接触させる相は気相、液相
どちらでもよく、FC−218から効果的に不純物を除
去することができる。
【0033】吸着剤に対する、FC−218の線速度
は、気相接触法では1〜10m/minであり、好まし
くは2〜5m/minであるのがよい。液相接触法では
0.2〜5m/hrであり、好ましくは0.5〜2m/
hrであるのがよい。気相、液相共に線速度が上記より
大きくなると、吸着帯が長くなり、破過までの時間が短
くなってしまうため、吸着能力が低下する傾向がある。
また小さい場合でも、特に吸着能力の向上は見られず、
かえって処理時間が長くかかるため好ましくない。ま
た、精製する処理温度は室温程度でよく、特に冷却、加
温を行わなくてもよい。圧力については、ゲージ圧力で
0〜3MPaでよく、通常の取り扱い易い圧力で処理可
能であり、加圧等の操作は行わなくてもよい。
【0034】吸着剤は、吸着能力が満たされてしまった
場合には、再生して使用することが可能である。吸着剤
を再生する場合は、不活性ガスを高められた温度で吸着
剤に通すことにより、FC−218を含む不純物を脱着
することができ、不活性ガスとしては窒素を用いること
ができる。再生温度は100〜400℃の範囲の温度が
よく、好ましくは100〜200℃の範囲で再生するの
がよい。
【0035】以上説明したように、本発明の精製方法を
用いれば、高純度のFC−218を得ることができる。
従って、例えば工程(I)において、クロロジフルオロ
メタンを熱分解してヘキサフルオロプロペンを得る工程
を行い、工程(II)において、工程(I)で得られるヘ
キサフルオロプロペンをフッ素化して粗オクタフルオロ
プロパンを得る工程を行い、さらに工程(III)におい
て、工程(II)で得られる粗オクタフルオロプロパン
を、前記の方法を用いて製造できる吸着剤に接触させて
精製する工程、を行うことにより、高純度のFC−21
8を製造することができる。
【0036】粗FC−218中に含まれる不純物の含有
量は通常、10〜10000ppmの範囲であるが、本
発明の製造方法を用いて得られるFC−218の純度は
99.9999質量%以上である。ここで、FC−21
8の純度は、FC−218以外のハロカーボン分を10
0質量%から差し引いた値として定義され、純度が9
9.9999質量%以上であるFC−218の分析方法
としては、(1)ガスクロマトグラフィ−(GC)のT
CD法、FID法(いずれもプレカット法を含む)、E
CD法、(2)ガスクロマトグラフィ−質量分析計(G
C−MS)等の分析機器を用いることができる。
【0037】また、高純度のFC−218は、半導体デ
バイス製造工程の中のエッチング工程におけるエッチン
グガスとして用いることができる。また、半導体デバイ
ス製造工程の中のクリーニング工程におけるクリーニン
グガスとしても用いることができる。LSIやTFTなどの半
導体デバイスの製造プロセスでは、CVD法、スパッタリ
ング法あるいは蒸着法などを用いて薄膜や厚膜を形成
し、回路パターンを形成するためにエッチングを行う。
また、薄膜や厚膜を形成する装置においては、装置内
壁、冶具等に堆積した不要な堆積物を除去するためのク
リーニングが行われる。これは不要な堆積物が生成する
とパーティクル発生の原因となるためであり、良質な膜
を製造するために随時除去する必要がある。
【0038】ここで、FC−218を用いるエッチング
方法は、プラズマエッチング、マイクロ波エッチング等
の各種ドライエッチング条件で行うことができ、FC−
218とHe、N2、Arなどの不活性ガスあるいはH
Cl、O2、H2などのガスと適切な割合で混合して使用
してもよい。
【0039】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明をより
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。 (実施例1)原料炭である、ヤシ殻炭(フィリピン産)
75Lを300mol/m3の濃度の塩酸で洗浄し、そ
の後水洗浄操作を3回繰り返した。300mol/m3
の濃度の塩酸の使用量は、洗浄する原料炭と同体積量で
あり、塩酸を原料炭に加えた後、15時間静置した後に
液抜きをした。水洗時の水の量は、原料炭の5倍体積量
であり、洗浄の完了は、洗浄後の洗浄液のpHが4とな
ったことにより確認した。
【0040】表3に酸洗浄前後の原料炭中の金属濃度の
分析結果を示した。
【表3】 表3に示した金属含有量の測定結果から明らかなよう
に、酸洗浄を行うことにより原料炭中の金属含有量を低
減することができ、特に細孔径の制御の妨害物質である
アルカリ金属のうち、カリウムの含有量を著しく低減で
きることが分かった。
【0041】その後原料炭を焼成炉(電気外熱式金属ロ
ータリーキルン:回転数8rpm設定、炉内径950m
m、直胴部620mm、50kw、150A(ma
x))に入れ、90℃で2時間窒素乾燥した。窒素は純
度99%以上のものを用い、その流量は50L/min
とした。さらに、乾燥した原料炭は前述の焼成炉におい
て、表4に示す条件で工程(2)〜工程(4)の処理を
行った。
【0042】
【表4】
【0043】(実施例2)内径11mm×塔長100c
mの吸着塔に、実施例1と同様の方法で賦活処理まで行
うことにより得られた55gの吸着剤を充填し、FC−
218中に含まれる不純物の吸着を行った。吸着剤中の
水分及び揮発分の除去のため、予め吸着剤は60℃で1
時間、160℃で7時間、計8時間窒素気流中(>1L
/min)で処理した後使用した。この吸着剤を用い
て、CFC−115を400質量ppm、FC−121
6を600質量ppm含むFC−218を、室温、0.
7MPaの加圧、1m/minの線速度で、気相で吸着
剤中に流通し、不純物を吸着させた。吸着剤で処理する
前と後の不純物の量は、ガスクロマトグラフィーで定量
した。ガスクロマトグラフィ−分析における分析条件は
次の通りである。
【0044】 機器本体: GC−14B ((株)島津製作所製) キャリアー: Heガス 検出器: 水素炎イオン化検出器(FID) 試料量: 0.2ml 定量法: 絶対検量線
【0045】表5にFC−218を流通し始めてから、
50、100、150、200分経過後の、吸着塔出口
でのFC−218中のCFC−115、FC−1216
の分析結果を示す。吸着塔出口での不純物濃度は、どち
らの物質の濃度も、200分経過後において1質量pp
m以下であることが分かる。この結果から、一連の賦活
処理した吸着剤を、上記の不純物を含むFC−218と
接触させることにより、不純物を効果的に吸着分離で
き、FC−218を高純度に精製できることが分かっ
た。
【0046】(比較例1)実施例1で用いた原料炭のヤ
シ殻炭の酸洗浄及び水洗浄工程を行わない以外は、実施
例1と同様の賦活処理を行い、得られた吸着剤を用いて
実施例2と同様にFC−218中の不純物の吸着処理を
行った。吸着剤で処理する前と後の不純物の量を、同様
にガスクロマトグラフィーで定量した。表5には、FC
−218を流通し始めてから、50、100分経過後
の、吸着塔出口でのFC−218中のCFC−115及
びFC−1216の分析結果を示す。FC−1216に
ついては、実施例2と同様に吸着分離されているが、C
FC−115は、50分経過後、すでに破過が見られて
いる。この結果から、原料炭を処理する工程のうち、酸
洗浄処理及び水洗浄処理を行う工程を省くと、活性炭の
細孔径が制御されず、CFC−115が吸着分離されな
くなることが分かった。
【0047】(比較例2、3)武田薬品工業(株)製の
モルシーボンX2M/6を46g(通称MSC−5A)
(比較例2)、味の素ファインテクノ(株)製のヤシ殻
活性炭Y−10を57g(比較例3)を吸着剤として、
比較例1の吸着剤の代わりに用いた以外は、実施例2と
同様にFC−218中の不純物の吸着を行った。上記活
性炭で処理する前と後の不純物の量を、同様にガスクロ
マトグラフィーで定量した。表5には、FC−218を
流通し始めてから、50、100分経過後の、吸着塔出
口でのFC−218中のCFC−115及びFC−12
16の分析結果を示す。FC−1216については、実
施例2と同様に吸着分離されているが、CFC−115
は、50分経過後、すでに破過が見られている。実施例
1の方法で得られた吸着剤と比べて、CFC−115の
吸着能が劣ることが分かった。
【0048】
【表5】
【0049】また、実施例2及び比較例1〜3で用いた
吸着剤に対する各不純物の吸着容量を表6に示した。不
純物の吸着容量は、吸着塔出口のガス中の不純物濃度
が、1質量ppmを超えるところを破過点とし、そこに
至るまでの各不純物の吸着容量を求め、その値を、用い
た吸着剤の重量で除することにより算出した。実施例2
と比較例1〜3の吸着剤を比較すると、実施例2で用い
た吸着剤は、不純物の吸着容量が比較例のものより向上
することが分かった。
【0050】
【表6】
【0051】(実施例3)実施例2で用いたものと同様
の吸着剤101gを、内径22mm×塔長60cmの吸
着塔に充填し、120℃2時間、150℃4時間、ヘリ
ウム気流中で処理した後使用した。この吸着剤を用い
て、FC−1216のみを600質量ppm含むFC−
218を、吸着剤中に室温、0.7MPaの加圧、5m
/minの線速度で気相で流通し、不純物を吸着させ
た。吸着剤で処理する前と後の不純物の量を、同様にガ
スクロマトグラフィーで定量した。実施例2と同様に破
過点を求め、FC−1216の吸着容量を算出した。そ
の結果を表7に示す。
【0052】(比較例4〜6)ヤシ殻活性炭Y−10を
104g(比較例4)、粒状石炭系活性炭CL−Hを9
4g(味の素ファインテクノ(株)製)(比較例5)、
MSC−5Aを91g(比較例6)を吸着剤として、実
施例3の吸着剤の代わりに用いた以外は、実施例3と同
様にFC−1216の吸着を行った。吸着剤で処理する
前と後の不純物の量を、同様にガスクロマトグラフィー
で定量した。このとき実施例2と同様に、FC−121
6の吸着容量を算出した。その結果を表7に示した。
【0053】
【表7】 実施例3と比較例4〜6の結果によると、不純物として
FC−1216単独での吸着は、従来の活性炭系では確
かに有効であったが、本発明の吸着剤の吸着容量は約1
0倍量を示すなど顕著に向上しており、従来の吸着剤よ
り、さらに有効であることが分かった。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のFC−2
18の製造方法を用いれば、高純度のFC−218を得
ることができ、本発明を用いて製造された、高純度のF
C−218は、半導体デバイスの製造工程でエッチング
ガスあるいはクリーニングガスとして用いることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 19/08 C07C 19/08 H01L 21/3065 H01L 21/304 645Z 21/304 645 B01J 20/20 B // B01J 20/20 H01L 21/302 F Fターム(参考) 4D012 BA04 4G066 AA04A AA80A AB29A BA36 CA32 CA33 DA05 EA20 FA11 FA17 FA18 FA21 FA23 FA33 FA34 FA37 4H006 AA02 AC29 AC30 AD17 BD70 EA02 5F004 AA13 AA16 BB13 BB14 DA00 DA22 DA23 DA24 DA25 DA26 DA29

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗オクタフルオロプロパンを、以下の4
    つの工程を含む方法を用いて製造できる吸着剤に接触さ
    せて精製することを特徴とするオクタフルオロプロパン
    の精製方法。 (1)原料炭を酸洗浄処理し水洗浄処理する工程 (2)不活性ガス気流中、50〜250℃の温度範囲
    で、工程(1)で得られる原料炭の脱酸素及び/または
    脱水を行う工程 (3)不活性ガス気流中、500〜700℃の温度範囲
    で、工程(2)で得られる原料炭を再炭化処理する工程 (4)不活性ガス、二酸化炭素及び水蒸気を含有する混
    合ガス気流中、700〜900℃の温度範囲で、工程
    (3)で得られる原料炭を賦活処理する工程
  2. 【請求項2】 原料炭が、ヤシ殻炭、石炭、木炭、ター
    ルピッチからなる群から選ばれる少なくとも1種が40
    0〜600℃の温度範囲で炭化処理されたものである請
    求項1に記載のオクタフルオロプロパンの精製方法。
  3. 【請求項3】 工程(1)の酸洗浄処理に用いる酸が鉱
    酸であり、酸の濃度が、1〜1000mol/m3の範
    囲である請求項1または2に記載のオクタフルオロプロ
    パンの精製方法。
  4. 【請求項4】 工程(1)の酸洗浄処理に用いる酸が塩
    酸及び/または硫酸である請求項1〜3のいずれかに記
    載のオクタフルオロプロパンの精製方法。
  5. 【請求項5】 工程(2)の後、不活性ガス気流中で3
    00〜500℃/hrの速度で工程(3)の再炭化処理
    温度まで昇温して工程(3)を行う請求項1〜4のいず
    れかに記載のオクタフルオロプロパンの精製方法。
  6. 【請求項6】 工程(3)の後、不活性ガス気流中で1
    00〜200℃/hrの速度で工程(4)の賦活処理温
    度まで昇温して工程(4)を行う請求項1〜5のいずれ
    かに記載のオクタフルオロプロパンの精製方法。
  7. 【請求項7】 工程(4)において、不活性ガス、二酸
    化炭素及び水蒸気を含有する混合ガスが、不活性ガスを
    50〜89vol%、二酸化炭素を10〜30vol
    %、水蒸気を1〜20vol%含有するものである請求
    項1〜6のいずれかに記載のオクタフルオロプロパンの
    精製方法。
  8. 【請求項8】 工程(4)の後、不活性ガス気流中で2
    00〜300℃/hrの速度で常温まで冷却する請求項
    1〜7のいずれかに記載のオクタフルオロプロパンの精
    製方法。
  9. 【請求項9】 吸着剤のヨウ素吸着量が700〜100
    0mg/gである請求項1〜8のいずれかに記載のオク
    タフルオロプロパンの精製方法。
  10. 【請求項10】 吸着剤に含まれるアルカリ金属の総含
    有量が1000ppm以下である請求項1〜9のいずれ
    かに記載のオクタフルオロプロパンの精製方法。
  11. 【請求項11】 吸着剤に含まれるカリウムの含有量が
    500ppm以下である請求項10に記載のオクタフル
    オロプロパンの精製方法。
  12. 【請求項12】 粗オクタフルオロプロパンが、10〜
    10000ppmの不純物を含むものである請求項1〜
    11のいずれかに記載のオクタフルオロプロパンの精製
    方法。
  13. 【請求項13】 不純物が、クロロペンタフルオロエタ
    ン、ヘキサフルオロプロペン及び1H−ヘプタフルオロ
    プロパンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合
    物である請求項12に記載のオクタフルオロプロパンの
    精製方法。
  14. 【請求項14】 以下の(I)〜(III)の工程を含むこ
    とを特徴とするオクタフルオロプロパンの製造方法。 (I)クロロジフルオロメタンを熱分解してヘキサフル
    オロプロペンを得る工程 (II)工程(I)で得られるヘキサフルオロプロペンを
    フッ素化して粗オクタフルオロプロパンを得る工程 (III)工程(II)で得られる粗オクタフルオロプロパ
    ンを、以下の(1)〜(4)の工程を含む方法を用いて
    製造できる吸着剤に接触させて精製する工程 (1)原料炭を酸洗浄処理し水洗浄処理する工程 (2)不活性ガス気流中、50〜250℃の温度範囲
    で、工程(1)で得られる原料炭の脱酸素及び/または
    脱水を行う工程 (3)不活性ガス気流中、500〜700℃の温度範囲
    で、工程(2)で得られる原料炭を再炭化処理する工程 (4)不活性ガス、二酸化炭素及び水蒸気を含有する混
    合ガス気流中、700〜900℃の温度範囲で、工程
    (3)で得られる原料炭を賦活処理する工程
  15. 【請求項15】 原料炭が、ヤシ殻炭、石炭、木炭、タ
    ールピッチからなる群から選ばれる少なくとも1種が4
    00〜600℃の温度範囲で炭化処理されたものである
    請求項14に記載のオクタフルオロプロパンの製造方
    法。
  16. 【請求項16】 工程(1)の酸洗浄処理に用いる酸が
    鉱酸であり、酸の濃度が、1〜1000mol/m3
    範囲である請求項14または15に記載のオクタフルオ
    ロプロパンの製造方法。
  17. 【請求項17】 工程(1)の酸洗浄処理に用いる酸が
    塩酸及び/または硫酸である請求項14〜16のいずれ
    かに記載のオクタフルオロプロパンの製造方法。
  18. 【請求項18】 工程(2)の後、不活性ガス気流中で
    300〜500℃/hrの速度で工程(3)の再炭化処
    理温度まで昇温して工程(3)を行う請求項14〜17
    のいずれかに記載のオクタフルオロプロパンの製造方
    法。
  19. 【請求項19】 工程(3)の後、不活性ガス気流中で
    100〜200℃/hrの速度で工程(4)の賦活処理
    温度まで昇温して工程(4)を行う請求項14〜18の
    いずれかに記載のオクタフルオロプロパンの製造方法。
  20. 【請求項20】 工程(4)において、不活性ガス、二
    酸化炭素及び水蒸気を含有する混合ガスが、不活性ガス
    を50〜89vol%、二酸化炭素を10〜30vol
    %、水蒸気を1〜20vol%含有するものである請求
    項14〜19のいずれかに記載のオクタフルオロプロパ
    ンの製造方法。
  21. 【請求項21】 工程(4)の後、不活性ガス気流中で
    200〜300℃/hrの速度で常温まで冷却する請求
    項14〜20のいずれかに記載のオクタフルオロプロパ
    ンの製造方法。
  22. 【請求項22】 吸着剤のヨウ素吸着量が700〜10
    00mg/gである請求項14〜21のいずれかに記載
    のオクタフルオロプロパンの製造方法。
  23. 【請求項23】 吸着剤に含まれるアルカリ金属の総含
    有量が1000ppm以下である請求項14〜22のい
    ずれかに記載のオクタフルオロプロパンの製造方法。
  24. 【請求項24】 吸着剤に含まれるカリウムの含有量が
    500ppm以下である請求項23に記載のオクタフル
    オロプロパンの製造方法。
  25. 【請求項25】 粗オクタフルオロプロパンが、10〜
    10000ppmの不純物を含むものである請求項14
    〜24のいずれかに記載のオクタフルオロプロパンの製
    造方法。
  26. 【請求項26】 不純物が、クロロペンタフルオロエタ
    ン、ヘキサフルオロプロペン及び1H−ヘプタフルオロ
    プロパンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合
    物である請求項25に記載のオクタフルオロプロパンの
    製造方法。
  27. 【請求項27】 オクタフルオロプロパンの純度が9
    9.9999質量%以上である請求項14〜26のいず
    れかに記載のオクタフルオロプロパンの製造方法。
  28. 【請求項28】 純度が99.9999質量%以上のオ
    クタフルオロプロパンを含有することを特徴とするエッ
    チングガス。
  29. 【請求項29】 純度が99.9999質量%以上のオ
    クタフルオロプロパンを含有することを特徴とするクリ
    ーニングガス。
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