JP2002087912A - 種子処理用イネ苗細菌病害防除剤 - Google Patents

種子処理用イネ苗細菌病害防除剤

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JP2002087912A
JP2002087912A JP2000276131A JP2000276131A JP2002087912A JP 2002087912 A JP2002087912 A JP 2002087912A JP 2000276131 A JP2000276131 A JP 2000276131A JP 2000276131 A JP2000276131 A JP 2000276131A JP 2002087912 A JP2002087912 A JP 2002087912A
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rice
zinc
bacterial disease
zinc compound
paddy
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JP2000276131A
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Yukio Oguri
幸男 小栗
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】イネ苗の細菌病害防除において、薬害の問題が
なく、かつ、イネ苗細菌病害を効果的に防除し得る剤を
提供する。 【解決手段】亜鉛化合物を含有することを特徴とする種
子処理用イネ苗細菌病害防除剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は種子処理用イネ苗細
菌病害防除剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より、イネ苗細菌病害の防除を行うための剤として、銅
含有剤が知られている。しかし、該剤は、植物に対する
生長阻害等の薬害について比較的大きな問題を有してい
ることもまた知られており、イネ苗細菌病害防除剤とし
ては十分なものではなかった。本発明の目的は、イネ苗
細菌病害防除の実用的な場面において薬害の問題がな
く、かつ、イネ苗細菌病害をより効果的に防除し得る剤
を提供することにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者はかかる状況下
鋭意検討した結果、亜鉛化合物を有効成分として含有す
る剤が、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明に
至った。
【0004】即ち本発明は、亜鉛化合物を有効成分とし
て含有することを特徴とする種子処理用イネ苗細菌病害
防除剤(以下、本防除剤と記す)及び、本防除剤をイネ
種子に処理することを特徴とするイネ苗細菌病害の防除
方法を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本防除剤に用いられる亜鉛化合物
としては、無機亜鉛化合物と有機亜鉛化合物が挙げら
れ、無機亜鉛化合物としては例えばハロゲン化亜鉛(塩
化亜鉛、臭化亜鉛等)、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸亜
鉛、リン酸亜鉛、炭酸亜鉛等が挙げられ、有機亜鉛化合
物としては例えばカルボン酸亜鉛(クエン酸亜鉛、酢酸
亜鉛、ステアリン酸亜鉛、安息香酸亜鉛、乳酸亜鉛、オ
レイン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、酒石酸亜鉛等)が挙げ
られる。
【0006】本防除剤は亜鉛化合物自体、亜鉛化合物を
含有する製剤、該製剤の水希釈液等の種々の形態を挙げ
ることができる。また、本防除剤は通常は水和剤、フロ
アブル剤、ドライフロアブル剤、粉剤、エアゾール剤、
マイクロカプセル剤等の製剤の形態で施用者に提供され
る。該製剤の水希釈液としては、水和剤、フロアブル
剤、ドライフロアブル剤、マイクロカプセル剤等を水に
希釈した希釈液が挙げられる。
【0007】本防除剤の一形態である亜鉛化合物を含有
する製剤(以下、本製剤と記す。)は通常亜鉛化合物を
固体担体、液体担体、界面活性剤などと混合し、必要に
より固着剤や分散剤、防腐剤、着色剤、増粘剤、安定剤
などの製剤用補助剤を適宜添加する一般的に知られた方
法によって得ることができる。
【0008】本製剤に用いられる固体担体としては、天
然有機物、合成有機物、合成無機物等の微粉末あるいは
粒状物質があげられる。具体的な天然有機物の例として
はカオリンクレ−、アッタパルジャイトクレ−、ベント
ナイト、モンモリロナイト、酸性白土、パイロフィライ
ト、タルク、珪藻土、方解石等の鉱物質、トウモロコシ
穂軸粉、クルミ殻粉等があげられ、合成無機物の例とし
ては、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム等の塩類、合
成含水酸化珪素等が挙げられ、合成有機物としては尿素
等が挙げられる。また、液体担体としては、水等があげ
られる。界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エス
テル塩、アルキル(アリ−ル)スルホン酸塩、ジアルキ
ルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリ
−ルエ−テルリン酸エステル塩、リグニンスルホン酸
塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等の陰イオ
ン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルアリールエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルポリオキシプロピ
レンブロックコポリマ−、ソルビタン脂肪酸エステル等
の非イオン界面活性剤等があげられる。製剤用補助剤と
しては、分散剤、固着剤、防腐剤、着色剤、安定剤、増
粘剤等があげられ、具体的には例えば、ポリビニルアル
コ−ル、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、アラ
ビアガム、アルギン酸またはその塩、CMC(カルボキ
シメチルセルロ−ス)、ザンサンガム等の多糖類、アル
ミニウムマグネシウムシリケート、アルミナゾル等の無
機物、PAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT等が
挙げられる。
【0009】本製剤中には、製剤形態によっても変わり
得るが、亜鉛化合物が通常1〜99%、好ましくは5〜
90%含有される。
【0010】本製剤を水に希釈した希釈液(以下、本希
釈液と記す。)は、通常本防除剤の施用時に調製され、
水和剤、フロアブル剤、ドライフロアブル剤、マイクロ
カプセル剤等の製剤を水と混合する一般的な方法によっ
て得ることができる。
【0011】本防除剤のイネ種子への処理方法として
は、亜鉛化合物がイネ種子に接触する方法であればよ
く、具体的には例えば、本防除剤をイネ種子に直接散布
処理する方法、本防除剤にイネ種子を浸漬処理する方
法、本防除剤をイネ種子に直接粉衣処理する方法等を挙
げることができ、さらにイネ種子を播いた土壌に本防除
剤を散布し、亜鉛化合物とイネ種子とを接触させる処理
方法等を挙げることもできる。
【0012】本防除剤をイネ種子に直接散布処理する場
合には、通常本希釈液が用いられ、その際用いられる本
希釈液中の亜鉛化合物の濃度は、通常0.1重量%〜1
0重量%、好ましくは0.2重量%〜5重量%である。
該処理における本希釈液の処理量は亜鉛化合物の量に換
算して、イネ種子1Kgあたり通常0.03g〜3g、
好ましくは0.06g〜1.5gである。
【0013】本防除剤にイネ種子を浸漬処理する場合に
は、通常本希釈液が用いられ、その際用いられる本希釈
液中の亜鉛化合物の濃度は通常0.01重量%〜4重量
%、好ましくは0.025重量%〜2重量%である。該
浸漬処理における本希釈液の処理量は亜鉛化合物の量に
換算して、イネ種子1Kgに対して通常0.2g〜80
g、好ましくは0.5g〜40gである。また、該浸漬
処理における浸漬時間は、本希釈液中の亜鉛化合物の濃
度にもよるが、通常は約10分間から約24時間であ
る。
【0014】本防除剤をイネ種子に粉衣処理する場合に
は、通常亜鉛化合物自体や粉剤が用いられる。粉衣処理
における本防除剤の施用量は、イネ種子1Kgあたり亜
鉛化合物の量に換算して、通常0.1g〜4g、好まし
くは0.2g〜1gである。
【0015】本希釈液をイネ種子を播いた土壌の上に散
布し、イネ種子と亜鉛化合物とを接触させる処理をする
場合には、通常本希釈液が用いられ、その際用いられる
本希釈液中の亜鉛化合物の濃度は通常0.05重量%〜
2重量%、好ましくは重量0.1%〜1重量%である。
また、該処理における本希釈液の処理量は亜鉛化合物の
量に換算して、土壌1m2あたり通常1.5g〜60
g、好ましくは3g〜30gである。
【0016】本防除剤により防除しうるイネ苗細菌病害
としては、褐条病菌(Acidovorax avenae)によって引
き起こされる褐条病、白葉枯病菌(Xanthomonas oryza
e)によって引き起こされる白葉枯病、もみ枯細菌病菌
(Burkholderia glumae)によって引き起こされる苗腐
敗症、苗立枯細菌病菌(Burkholderia plantarii)によ
って引き起こされる苗立枯細菌病等のイネ苗細菌病害が
挙げられる。
【0017】本発明の種子処理用イネ苗細菌病害防除剤
は、連続使用による耐性菌を生じにくく、また、銅含有
剤等でしばしば見られるイネ苗の生育阻害等の薬害のみ
ならず、土壌汚染等の問題も生じにくい。
【0018】
【実施例】以下、製剤例および試験例にて本発明をさら
に詳しく説明するが、本発明は以下の例のみに限定され
るものではない。尚、部は重量部を表す。
【0019】製剤例1 酸化亜鉛10部、ホワイトカーボンとポリオキシエチレ
ンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩との混
合物(重量割合1:1)35部及び水55部を混合し、
湿式粉砕法で微粉砕することによりフロアブル製剤を得
る。
【0020】製剤例2 塩化亜鉛20部、リグニンスルホン酸カルシウム3部、
ラウリル硫酸ナトリウム2部及び合成含水酸化珪素75
部をよく粉砕混合することにより水和剤を得る。
【0021】製剤例3 酸化亜鉛1部、カオリンクレ−89部及びタルク10部
をよく粉砕混合することにより粉剤を得る。
【0022】試験例1 イネの褐条病菌を人工的に感染させたイネ種子(籾)を
作製した。該籾を健全籾に対して重量比で5%混合し
て、試験用汚染籾を準備した。製剤例2に準じて作製し
た、表1に記載の各種の亜鉛化合物の水和剤をそれぞれ
水で表1に示す濃度に希釈し、希釈液を調製した。該希
釈液20mlを用いて10gの前記試験用汚染籾を、室
温で10分間浸漬処理し、風乾させた。その後、該籾を
通常のイネの栽培方法に従い、浸種(18℃、3日
間)、催芽(30℃、1日間)、出芽(30℃、3日
間)処理を行った。また、比較のため薬剤無処理の前記
試験用汚染籾を準備し、同様の処理を行った。その後、
温室で14日間栽培して、発病苗数を調査した後、以下
に記載の算定方法にしたがって、苗発病率を算定した。
結果を表1に示す。
【0023】発病苗率の算定方法 発病苗率(%)=発病苗数/(発病苗数+健全苗数)×10
【表1】 また、薬剤無処理籾由来のイネ苗と比較した結果、上記
の亜鉛化合物含有希釈液で処理された籾由来のイネ苗の
いずれも生育不良、褐点等の薬害は認められなかった。
【0024】試験例2 イネのもみ枯細菌病菌を人工的に感染させたイネ種子
(籾)を作製し、該籾を健全籾に対して重量比で10%
混合して、試験用汚染籾を準備した。製剤例2に準じて
作成された表2に記載の各種の亜鉛化合物の水和剤をそ
れぞれ水で表2に示す濃度に希釈し、希釈液を調製し
た。該希釈液20mlを用いて10gの前記試験用汚染
籾を、室温で10分間浸漬処理し、風乾させた。その
後、該籾をイネの通常の栽培方法に従い、浸種(18
℃、3日間)、催芽(30℃、1日間)、出芽(30
℃、3日間)処理を行った。また、比較のため薬剤無処
理の前記試験用汚染籾を準備し、同様の処理を行った。
その後、温室で14日間栽培して、発病苗数を調査した
後、発病苗率を前述の方法により算出した。結果を表2
に示す。
【0025】
【表2】 また、薬剤無処理籾由来のイネ苗と比較した結果、上記
の亜鉛化合物含有希釈液で処理された籾由来のイネ苗の
いずれも生育不良、褐点等の薬害は認められなかった。
【0026】試験例3 イネの苗立枯病菌を人工的に感染させたイネ種子(籾)
を作製し、該籾を健全籾に対して重量比で10%混合
し、試験用汚染籾を準備した。製剤例2に準じて作成さ
れた表3に記載の各種の亜鉛化合物の水和剤を表3に示
す濃度にそれぞれ水で希釈し、希釈液を調製した。該希
釈液20mlを用いて10gの前記試験用汚染籾を室温
で24時間浸漬処理し、風乾させた。その後、該籾をイ
ネの通常の栽培方法に従い、浸種(18℃、3日間)、
催芽(30℃、1日間)、出芽(30℃、3日間)処理
を行った。また、比較のため薬剤無処理の前記試験用汚
染籾を準備し、同様の処理を行った。その後、温室で1
4日間栽培して、発病苗数を調査した後、発病苗率を前
述の方法により算出した。結果を表3に示す。
【0027】
【表3】 また、薬剤無処理籾由来のイネ苗と比較した結果、上記
の亜鉛化合物含有希釈液で処理された籾由来のイネ苗の
いずれも生育不良、褐点等の薬害は認められなかった。
【0028】
【発明の効果】本発明の種子処理用イネ苗細菌病害防除
剤をイネ種子に処理することにより、イネ苗細菌病害の
効果的な防除が可能になる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜鉛化合物を含有することを特徴とする種
    子処理用イネ苗細菌病害防除剤。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の防除剤をイネ種子に処理
    することを特徴とするイネ苗細菌病害の防除方法。
  3. 【請求項3】イネ種子への処理が、散布処理、浸漬処理
    または粉衣処理のいずれかである請求項2に記載の方
    法。
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