JP2002086502A - 光ディスク基板成形用金型及び光ディスク基板成形方法 - Google Patents

光ディスク基板成形用金型及び光ディスク基板成形方法

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JP2002086502A
JP2002086502A JP2000277591A JP2000277591A JP2002086502A JP 2002086502 A JP2002086502 A JP 2002086502A JP 2000277591 A JP2000277591 A JP 2000277591A JP 2000277591 A JP2000277591 A JP 2000277591A JP 2002086502 A JP2002086502 A JP 2002086502A
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stamper
disk substrate
molding
mirror surface
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JP2000277591A
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English (en)
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Keiji Ueda
恵司 上田
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】不均一に吹き出すことが避けられないエアーブ
ローを使用せざるを得ない光ディスク基板の離型法にお
いて、スタンパ裏面とスタンパ取り付け鏡面間の密着力
を適切に制御することによって、不均一な吹き出し方を
するエアーブローの悪影響を可及的に低減することがで
きる光ディスク基板の離型法を工夫すること。 【解決手段】光ディスク基板を成形することに用いられ
るスタンパについて、キャビティに面している側の転写
面と、金型のスタンパ取り付け鏡面と接する取り付け面
とで逆の極性となるように磁性を帯びさせたこと。光デ
ィスク基板の鏡面を形成する鏡面と、光ディスク基板上
に必要な情報を転写させるスタンパを取り付けるスタン
パ取り付け鏡面とを一対として有し、請求項1のスタン
パを用いて成形を行う光ディスク基板成形用金型につい
て、鏡面とスタンパ取り付け鏡面の双方に励磁させる機
構をそれぞれ設けたこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、射出成形法によって
成形した光ディスク基板を使用する光ディスク、特にD
VDあるいはそれ以上に大きな情報記録容量を有し、光
ディスク基板に対してより緻密な転写性とより良好な機
械特性が要求されている光ディスク基板の成形技術に関
するものである。
【0002】
【従来技術】本件と類似の構成(磁力を利用したスタン
パの保持)を有する従来技術として、特開平5−622
52号公報に記載された「ディスク製造装置」などがあ
る。また、これまでCD系やMO系等の様々な種類の光
ディスクが読みとり専用、追記用、書き換え用それぞれ
の用途に応じた型で利用されてきている。他方、1枚の
光ディスクに対してより大きな容量の情報を搭載するこ
とが要求されるようになり、例えばDVD、またDVD
以上の大きな容量の情報を搭載した新たな光ディスクに
ついての取り組みが進められている。それら光ディスク
の大容量化によって光ディスク基板に対して要求される
ことは、基板厚みをさらに薄くすること(例えばこれま
でのCD・MO系光ディスクの基板厚み1.2mmに対
してDVD系基板厚みは0.6mm)、また基板上にピ
ット列やピックアップのトラッキッングのための案内溝
をより緻密に転写させることである。このような光ディ
スクに用いられる基板は、生産効率やコストの点よりポ
リカーボネートを主とする樹脂を材料として射出成形法
あるいは射出圧縮成形法で成形・生産されている。
【0003】上述した光ディスク基板の成形方法は、光
ディスクの鏡面を形成する鏡面を持った可動金型(又は
固定金型)と光ディスクの情報をピット列あるいは案内
溝として刻み込まれたスタンパをセットする、固定金型
(又は可動金型)のスタンパ取付鏡面を有する型の一対
で構成される金型を閉止して形成したキャビティ内に、
溶融させた材料樹脂を充填する。そして金型外へ取り出
し可能な温度になるまで溶融樹脂を金型内で冷却・固化
させて所定の形状にまで成形する。なお上記キャビティ
を構成するスタンパ取付鏡面には、光ディスクに必要な
情報をピット列あるいは案内溝として刻み込まれたスタ
ンパがセットされており、上記溶融樹脂をキャビティ内
へ充填してから固化させるまでの工程中に、成形される
光ディスク基板上にスタンパに刻まれた必要な情報を転
写させる。
【0004】ところで、上記スタンパに刻まれた情報に
ついて、その情報量が多くなることはピット列あるいは
案内溝がより微細にかつより密にスタンパ上に刻まれる
ようになることを意味し、これら大容量化された情報
(ピット列あるいは案内溝)を光ディスク基板上に転写
させる操作は転写させる情報量の増加に比例して困難に
なることが明らかになっている。上記のように、転写さ
せることが困難になったピット列または案内溝を光ディ
スク基板上に転写させるためには、通常、樹脂温度及び
スタンパ鏡面温度設定を極力高めに設定し、さらにはキ
ャビティ内に充填した樹脂に対して大きな型締め力(圧
縮力)を加えて樹脂内部に高い圧力を発生させる操作を
行っており、これにより所要の効果を得ている。なおこ
れらの操作は、言い換えるとスタンパとキャビティ中の
樹脂(光ディスク基板)との間の密着力を高める操作を
行っているといえる。また、上記スタンパは、その製作
プロセスからして、ニッケル(電鋳ニッケル)製で、厚
さは約0.3mm程度であり、形状は中心に穴があいて
いるドーナツ状の形状で、またその裏面(金型側のスタ
ンパ取付鏡面と接する面)はよく研磨されていて良好な
平滑性を有している。
【0005】上述したようなスタンパを光ディスク基板
成形用金型にセットする際には、スタンパ取付鏡面を有
する型の構成部品であるスタンパ内周押さえでスタンパ
内穴縁を機械的に保持すると同時に、スタンパ取付鏡面
の光ディスク基板外径よりさらに外側に刻まれた吸引溝
によってスタンパ外周を真空吸着するのが一般的であ
る。なお、このような通常のスタンパのセット方法以外
に、磁石を使用してスタンパ(スタンパは磁性体である
ニッケル製であることを利用)をスタンパ取付鏡面に直
接吸着し、あるいはスタンパ内周押さえを磁石を使用し
て固定し、また、スタンパの内外周ともに真空吸引する
といった方法も従来技術として在る。金型内で成形され
た光ディスク基板は、金型内における冷却工程が完了し
た後に、金型外へ取り出され、成形以降の次工程へ受け
渡される。成形された光ディスク基板を冷却工程完了後
に金型から取り出す手順は、まず冷却工程が完了する前
後の適切なタイミングで、固定金型、可動金型のそれぞ
れの内周部に形成されているエアースリットから離型用
エアーブローが吹き出し、その空気圧を利用して光ディ
スク基板を金型から離型させる。特に、冷却工程完了後
の型開き動作(可動型の後退動作)開始時には基板が完
全に固定金型から離型していなければならない。そして
冷却工程後の型開き工程において、光ディスク基板は、
可動金型に支持されて可動金型の後退動作(型開き動
作)に従って型開後退限まで後退する。続いて可動金型
に支持されて型開後退限まで後退した光ディスク基板
は、後退限位置において、可動金型内周部に形成されて
いるエジェクター機構の突き出しによる機械的な離型操
作及び上述した可動金型内周部からのエアーブローによ
って、可動金型からも完全に離型される。そして固定金
型/可動金型双方から完全に離型された光ディスク基板
は、基板取り出しロボットによって型外へ取り出され、
成形以降の次工程へ受け渡される。
【0006】
【従来技術の問題点】ところが大容量化を目的として光
ディスク基板の基板厚みが薄くなり、またスタンパと成
形される光ディスク基板との間の密着力が大きくなるよ
うな成形手法が採られるようになったことで、従来行っ
てきた光ディスク基板の離型方法をそのまま展開するこ
とは困難であることが明らかになってきた。上述した困
難が生じた原因は、まず第一に離型用のエアーブローの
吹き出しが完全には均一に行われないことにある。離型
用のエアーは、金型の内周部に円環状に刻まれたスリッ
ト(通例:幅10〜20μm 程度)から(環状に)吹き
出す。また、この吹き出しについては、設計上では円周
方向に均等に吹き出すことになっているのであるが、実
際には吹き出しが良好な部分と、エアーの吹き出しが良
好でない部分が生じてしまう。この離型用エアーの吹き
出しムラは、設計上は円周方向で幅が一定となっている
エア吹出しスリットが、実際にはその構成部品の加工精
度及び組み付け精度上の問題で幅が広くなっている部分
と狭まっている部分があり、スリット幅の部分的な広狭
が離型用エアーの部分的な吹き出し易さの違いを生じる
ことに起因している。上記スリット幅の不均一性は金型
を構成する部品の加工上の寸法公差・加工精度や組み付
け精度の極く小さな(ミクロンオーダー)レベルの違い
に因って生じるものであり、これを完全に解消させるこ
とは実際問題として、不可能といえる。
【0007】一方、この離型用エアーの吹き出しムラを
離型される光ディスク基板から見れば、光ディスク基板
は離型の際に円周方向で不均一な力を離型用エアーから
受けることになる。この時、スタンパと光ディスク基板
は強い力で密着した状態にあるため、離型用エアーから
受ける力が他の部分と比較して弱くなっている部分の離
型が、他の部分より際立って遅れるようになり、したが
って、光ディスク基板全体について均一に行われること
はない。そして光ディスク基板は大容量化によって薄板
化され、それ自体の剛性が低下しているために、離型用
エアーによる不均一な力を受けて不均一に離型する際に
容易に変形してしまう。特に、より高い転写性が要求さ
れ、樹脂温度及び金型温度がより高めに設定され、キャ
ビティ中の溶融樹脂に加える型締め力(圧縮力)もより
大きな設定で成形される(結果としてスタンパと光ディ
スク基板間の密着力がより強くなる)追記型または書き
換え型の大容量光ディスク基板についてその傾向が強
い。
【0008】上述した離型時における不均一な離型・変
形は、反りやうねりといった光ディスク基板の巨視的な
変形、言い換えると基板形状の全体的な変形になって残
るだけでなく、微視的な変形、つまり基板上に転写され
たピットあるいはグルーブ形状が不均一な離型動作によ
って変形するといった微細形状レベルにおける変形の要
因にもなって、最終的なメディア(信号)特性へ悪影響
を与えてしまう。図1に吹き出しの強い部分と弱い部分
がある離型用エアーによって離型が行われた光ディスク
基板の内周部における円周方向の形状プロファイル(う
ねり/歪み形状)を示し、また、図2に不均一な吹き出
し方をする離型用エアーによって光ディスク基板が全体
として不均一に離型したために、視認できる程度の光デ
ィスク基板の外観不良(通例クラウド等と呼ばれる)を
生じたものを示している。図2中の光ディスク基板内周
部に示した外観不良部分、特にその境界領域において
は、基板が不均一に離型したことが原因になって、基板
上に転写されたピットまたは案内溝の形状が変形してい
る。
【0009】ところで、成形された光ディスク基板の不
均一な離型及びそれに起因する光ディスク基板の巨視的
・微視的レベルでの変形原因として、離型用エアーブロ
ーの不均一な吹き出しとともに、光ディスク基板成形工
程中におけるスタンパの挙動状態が大きく取り上げられ
る。金型を閉止して形成したキャビティ中に溶融樹脂が
充填されると、スタンパは溶融樹脂により加熱されて温
度が上昇して熱膨張する(図3)。そしてキャビティ中
に樹脂が充填された後の冷却工程中には、温度の低下と
ともに熱収縮を起こす。しかしこの時、キャビティ中の
充填樹脂には大きな型締め力(圧縮力)が加えられて大
きな内部圧力が発生し、この内部圧力でスタンパをスタ
ンパ取付鏡面に強く押しつけるように押圧しているの
で、この間はスタンパは充填樹脂とともに収縮変形する
ことができないで、その形状を保ち、収縮応力がスタン
パ内部に発生する。またこの間、充填樹脂とスタンパ
間、及びスタンパとスタンパ取付鏡面間には、それぞれ
大きな密着力が生じて強く密着し、各界面における相対
的な位置関係が固定されている(図4)。
【0010】しかし冷却工程が完了して型開き、光ディ
スク基板の離型・取り出し動作が開始されると状況は一
変する。それまで光ディスク基板(充填樹脂)及びスタ
ンパの動きを規制していた型締め力(圧縮力)がなくな
るため、スタンパは収縮を開始するが、このときただち
に自由な挙動をとれるようになるわけではない。つま
り、スタンパは冷却工程完了時点で表面が光ディスク基
板と密着し、また裏面がスタンパ取付鏡面と密着した状
態にあり、それぞれの面で密着している相手の物性から
影響を受けるとともに、スタンパの厚みが薄いことか
ら、各面の挙動はその反対側の面における挙動からも影
響を受ける。例えば、冷却工程完了時点でスタンパの表
面は光ディスク基板と密着した状態にあり、両者を規制
していた型締め力(圧縮力)がなくなると、スタンパ及
び光ディスク基板はともに収縮動作を開始する。もし、
両者がそれぞれに収縮する速度が同一ならば、両者は密
着状態を冷却工程完了時点と同じ状態に保ったまま収縮
動作を行うが、しかし、実際には両者の熱容量、熱伝導
率そして線膨張率はまったく異なるために、互いに異な
る挙動で収縮動作を行う。そして、スタンパの方が光デ
ィスク基板に比して速い速度で収縮し、また強度的にも
強いことから、もし両者が密着状態を保ったまま収縮動
作を行うと、スタンパの収縮挙動に光ディスク基板が従
うことになって、光ディスク基板の密着面(転写面)に
圧縮応力を発生させながら、両者は一体となって収縮す
る(図5)。なお、この光ディスク基板中に発生した圧
縮応力は、金型から完全に離型させた後の光ディスク基
板の巨視的な変形(反りあるいはうねり)または微視的
な変形(ピット列あるいは案内溝の変形)の原因にな
る。また、両者の密着は完全に解かれる一方で、まだ両
者が全面で接触している状態で収縮動作を行う場合、両
者の収縮速度の違いから接触面で「滑り」が生じ、光デ
ィスク基板上に転写したピット列あるいは案内溝の形状
を変形させながら収縮する(図6)。さらに,両者の密
着も接触も完全に解かれ、互いに完全に自由な状態でそ
れぞれ収縮動作を行う場合は、光ディスク基板中に圧縮
応力を発生させることもなく、また、光ディスク基板上
に転写されたピット列あるいは案内溝の形状を滑りによ
って変形させることなしに収縮する(図7)。
【0011】しかし,実際問題として、冷却工程完了後
の型開き、光ディスク基板の離型・取り出し動作時にお
けるスタンパ及び光ディスク基板の挙動は、上述した3
つの例のいずれかひとつの挙動に完全に当てはまるもの
ではなく、光ディスク基板のある部分は図5のような、
他のある部分は図6のような、さらに他のある部分は図
7のような挙動をしながらスタンパから離型することに
なる。その理由は、まずスタンパから光ディスク基板を
離型させる駆動源となる離型用エアーブローが、上述し
たように円周方向に均一に吹き出すということは実際上
ないこと、またスタンパと光ディスク基板間の密着力そ
のものが、金型・成形機の仕上がり上及び動作上のバラ
ツキによって密着面全面にわたって均一とはなっていな
いことがあげられる。そのため、スタンパからの光ディ
スク基板の離型動作は、光ディスク基板全体が瞬間的か
つ均一に離型するのではなく、ある期間の時間をかけて
離型されやすい部分から徐々に離型動作が光ディスク基
板全体に拡がるように進行するためで、その間光ディス
ク基板の各部で上述した異なる挙動を生じているのであ
る。
【0012】さらに大きな理由として取り上げられるこ
とは、スタンパ裏面とスタンパ取付鏡面の間の密着状態
が与える影響である。例えば冷却工程完了から型開き
し、光ディスク基板の離型・取り出し動作が開始される
時点において、スタンパとスタンパ取付鏡面間にスタン
パの熱収縮力に打ち勝つほどの大きな密着力が生じてい
る場合、スタンパは上述したプロセスにおいて収縮動作
を行うことができない。そのため、この際に図5のよう
なスタンパと光ディスク基板間の密着が保たれる関係が
生じる場合、光ディスク基板中には自らの収縮動作とス
タンパとの密着面における相対関係より図5とは逆に引
っぱり応力が発生する(図8)。上述したように、冷却
工程完了から型開きし、光ディスク基板の離型・取り出
す工程におけるスタンパと光ディスク基板の界面の関係
は、スタンパ裏面とスタンパ取付鏡面の密着力によって
大きな影響を受ける。このことから逆に、スタンパ裏面
とスタンパ取付鏡面の密着力を積極的に制御することが
できれば、光ディスク基板のスタンパからの離型状態を
制御することが可能になるといえる。
【0013】
【解決しようとする課題】本発明は上述のような問題に
鑑みてなされたものであり、不均一に吹き出すことが避
けられないエアーブローを使用せざるを得ない光ディス
ク基板の離型法において、スタンパ裏面とスタンパ取付
鏡面間の密着力を適切に制御することによって、不均一
な吹き出し方をするエアーブローの悪影響を可及的に低
減することができる光ディスク基板の離型法を工夫する
ことをその課題とするものである。
【0014】
【各請求項に係る発明の具体的目的】〔請求項1に係る
発明の目的〕請求項1に係る発明は、光ディスク基板を
成形することに用いられるスタンパに、磁性を帯びさせ
ることによって、キャビティ周囲の磁場を制御すること
でスタンパとスタンパ取付鏡面との密着力を制御するこ
とを目的とするものである。
【0015】〔請求項2に係る発明の目的〕請求項2に
係る発明は、光ディスク基板の鏡面を形成する、可動金
型(又は固定金型)の鏡面と、光ディスク基板上に必要
な情報を転写させるスタンパを取付ける、固定金型(又
は可動金型)のスタンパ取付鏡面とを一対として有し、
請求項1のスタンパを用いて成形を行う光ディスク基板
成形用金型において、上記鏡面とスタンパ取付鏡面の双
方に励磁させる機構をそれぞれ設け、上記励磁機構を制
御することによって、キャビティ周囲の磁場を制御でき
るようにすることを目的とするものである。
【0016】〔請求項3に係る発明の目的〕請求項3に
係る発明は、請求項2の光ディスク基板成形用金型にお
いて、可動金型の鏡面と固定金型のスタンパ取付鏡面の
それぞれに設けた励磁機構が、上記各鏡面中の任意の位
置で強さを変化させた磁界を発生させることが可能な機
構を備えている光ディスク基板成形用金型を工夫して、
キャビティ周囲に発生させる磁場を上記鏡面の任意の位
置で制御可能とさせることを目的とする。
【0017】〔請求項4に係る発明の目的〕請求項4に
係る発明は、請求項2及び請求項3の光ディスク基板成
形用金型において、上記の各鏡面で発生している磁場の
強さを測定する磁力センサを備え、キャビティ周囲に発
生させる磁界を意図するとおりに確実に制御することを
目的とするものである。
【0018】〔請求項5に係る発明の目的〕請求項5に
係る発明は、請求項2乃至請求項4の光ディスク基板成
形用金型において、上記の各鏡面に使用されている鏡面
材質を非磁性材料とすることによって、キャビティ周囲
の磁場制御操作によって、上記鏡面が帯磁するようにな
ることを回避できるようにすることを目的とするもので
ある。
【0019】〔請求項6に係る発明の目的〕請求項6に
係る発明は、請求項1の光ディスク基板成形用スタンパ
と請求項2乃至請求項5の光ディスク基板成形用金型を
用いて成形を行う光ディスク基板成形装置において、上
記の各鏡面のそれぞれに対して任意のタイミングで任意
の強さの磁場を任意の極性で発生させることが可能な機
構を設けることによって、キャビティ周囲の磁場を制御
しながら成形がなされるようにすることを目的とするも
のである。
【0020】〔請求項7に係る発明の目的〕請求項7に
係る発明は、請求項1の光ディスク基板成形用スタン
パ、請求項2乃至請求項5の光ディスク基板成形用金型
並びに請求項6の光ディスク基板成形装置を用いて光デ
ィスク基板の成形を行う光ディスク基板成形方法におい
て、成形工程の各工程に合わせて金型の一対の上記各鏡
面にそれぞれ発生させる磁場を変化させながら成形を行
えるようにすることを目的とするものである。
【0021】〔請求項8に係る発明の目的〕請求項8に
係る発明は、請求項7の光ディスク基板成形方法におい
て、成形工程の各工程に合わせて金型の一対の上記各鏡
面にそれぞれ発生させる磁場を変化させながら成形を行
うための磁場の変化のさせ方を、その直前の成形サイク
ルまでの実際の磁場測定の累積データをもとに逐次更新
させながら行うことにより、成形ショット毎の動作バラ
ツキを抑制できるようにすることを目的とするものであ
る。
【0022】
【課題解決のために講じた手段】請求項1乃至請求項8
に係る発明の、それぞれの解決手段は次のとおりであ
る。〔請求項1に係る発明の手段〕請求項1に係る発明
の手段は、光ディスク基板を成形することに用いられる
スタンパについて、キャビティに面している側の転写面
と、金型のスタンパ取付鏡面と接する取付け面とで逆の
極性となるように磁性を帯びさせたことである。
【0023】〔請求項2に係る発明の手段〕請求項2に
係る発明の手段は、光ディスク基板の鏡面を形成する鏡
面と、光ディスク基板上に必要な情報を転写させるスタ
ンパを取付けるスタンパ取付鏡面とを一対として有し、
請求項1のスタンパを用いて成形を行う光ディスク基板
成形用金型について、鏡面とスタンパ取付鏡面の双方に
励磁させる機構をそれぞれ設けたことである。
【0024】〔請求項3に係る発明の手段〕請求項3に
係る発明は、請求項2の光ディスク基板成形用金型につ
いて、鏡面とスタンパ取付鏡面のそれぞれに設けた励磁
機構が、上記各鏡面中の任意の位置で強さを任意に変化
させられる磁界を発生させることが可能な機構を設けた
ことである。
【0025】〔請求項4に係る発明の手段〕請求項4に
係る発明の手段は、請求項2又は請求項3の光ディスク
基板成形用金型について、上記各鏡面で発生している磁
場の強さを測定する磁力センサを設けたことである。
【0026】〔請求項5に係る発明の手段〕請求項5に
係る発明の手段は、請求項2乃至請求項4の光ディスク
基板成形用金型について、上記各鏡面に使用されている
鏡面材質を非磁性材料としたことである。
【0027】〔請求項6に係る発明の手段〕請求項6に
係る発明の手段は、請求項1の光ディスク基板成形用ス
タンパと請求項2乃至請求項5の光ディスク基板成形用
金型を用いて成形を行う光ディスク基板成形装置につい
て、上記各鏡面のそれぞれに対して任意のタイミングで
任意の強さの磁場を任意の極性で発生させることが可能
な機構を設けたことである。
【0028】〔請求項7に係る発明の手段〕請求項7に
係る発明の手段は、請求項1の光ディスク基板成形用ス
タンパ、請求項2乃至請求項5の光ディスク基板成形用
金型並びに請求項6の光ディスク基板成形装置を用いて
光ディスク基板の成形を行う光ディスク基板成形方法に
ついて、成形工程の各工程に合わせて金型の一対の上記
各鏡面にそれぞれ発生させる磁場を変化させながら成形
を行うことである。
【0029】〔請求項8に係る発明の手段〕請求項8に
係る発明の手段は、請求項7の光ディスク基板成形方法
について、成形工程の各工程に合わせて金型の一対の上
記各鏡面にそれぞれ発生させる磁場を変化させながら成
形を行うための磁場の変化のさせ方を、その直前の成形
サイクルまでの実際の磁場測定の累積データをもとに逐
次更新させながら行うことである。
【0030】
【発明の実施形態及び作用】次いで、上記解決手段の具
体的な実施形態を説明するとともに、その作用を説明す
る。本発明による金型のキャビティ部分の回転対称軸断
面図が図9に示されているが、この金型は固定金型10
側にスタンパ2を装着するタイプで、通例スタンパをス
タンパ取付鏡面3にセットするのに用いられる、スタン
パ内周押え4の爪でスタンパ内穴縁を固定し、さらにス
タンパ外周吸引溝5でスタンパ2のキャビティ領域相当
部のやや外側部を真空吸引する2通りの手法を用いてス
タンパをスタンパ取付鏡面3に装着している。ただし本
発明においては、スタンパ外周部を吸引する力を通例
(−50mmHg以上)より弱めの大きさに設定してい
る。また本発明においては、スタンパ2に予めその表裏
面で逆の極性となるようにある大きさの磁性を帯びさせ
ている。そして固定金型10及び可動金型6のそれぞれ
には、キャビティ周囲に任意の磁界を発生させる励磁機
構を内蔵しており、キャビティ周囲の磁場を制御するこ
とによってスタンパ2とスタンパ取付鏡面3間の密着状
態について、その密着力の大きさ、及びその場所を任意
に制御することができる。
【0031】上記励磁機構20の例を図10に示してい
る。この例は、磁界を発生させるコイル(巻き線軸は鏡
面に対して垂直方向)20aを、固体金型1に同心円状
かつ放射状に多数組み込んで励磁機構20を構成した例
である。これらの各コイル20aのそれぞれに対して流
す電流量及び電流の方向を制御することによってキャビ
ティ周囲の磁場に関して、キャビティの任意の場所に、
また任意の時間に任意の大きさの磁界を発生させ、それ
によってスタンパ2とスタンパ取付鏡面3間の密着力を
任意の場所・時間で制御することが可能になる。さら
に、上述した励磁機構20を固定金型10及び可動金型
6の双方に備えることで、この機構が一対となっている
ことを利用して発生させる磁界を強調したり、あるいは
キャンセルさせることも可能になり、したがって、キャ
ビティ周囲の磁場を自在に制御することが可能となる。
【0032】上述した本発明による光ディスク基板の成
形用金型を用いた光ディスク基板の成形方法について述
べる。まず射出成形法による場合においては、金型を閉
止してキャビティを形成し、極低い圧力設定で型締め力
を発生させた状態(キャビティには弱い力が加えられて
いる状態)で溶融樹脂をスプルー7からキャビティ内に
充填し、溶融樹脂の充填工程が射出工程から保圧工程に
切り換わった前後の適切なタイミングで型締め力を所定
の圧力まで上げる操作を行って、キャビティ内に充填さ
れた樹脂内部に高い圧力を発生させ、この圧力を利用し
て充填した樹脂とスタンパ2を強い力で密着させてスタ
ンパ2上に刻まれた必要な情報を転写させる。また射出
圧縮成形法による場合においては、まず金型を閉止・型
締め力を加える一方で圧縮力はほとんど加えずにキャビ
ティ厚みを所定の圧縮代だけ拡げた状態で溶融樹脂の充
填を行ない、充填完了後に大きな圧縮力をキャビティに
加えることで同様の効果を得る。
【0033】上述した射出充填工程において、スタンパ
2は溶融樹脂からの熱で温度が上昇し、熱膨張する。こ
のときスタンパ2とスタンパ取付鏡面3間が過度に強い
力で密着した状態にあると、スタンパ2は上述した熱膨
張ができなくなるためにその内部に歪み(圧縮応力)が
発生する。この歪みは、成形される光ディスク基板1の
特性に対して悪影響を及ぼす。そのため本発明において
射出充填工程中は、ごく弱い磁場をキャビティ周囲に発
生させて弱い力でスタンパ2をスタンパ取付鏡面3に吸
着させる操作を行う。そのため、射出充填工程中に溶融
樹脂から熱を供給されたスタンパは、外部から規制され
ることなくスタンパ取付鏡面上を滑って熱膨張すること
が可能になる。その結果、上述した射出充填工程中にス
タンパ内部に不要な歪みを発生させることがない。なお
この工程中は、キャビティ内に充填される溶融樹脂の充
填圧によってスタンパ2はスタンパ取付鏡面3に押しつ
けられるので、スタンパ2がスタンパ取付鏡面3に弱い
力で吸着されている状態であっても、スタンパ取付鏡面
3から引き剥がされることはない。
【0034】続いてキャビティ中に充填された樹脂に型
締め力(圧縮力)を加える操作によって樹脂中に大きな
圧力が発生し、その結果、樹脂がスタンパ表面に強く密
着して、ピット列や案内溝として刻まれている情報が転
写される。また同時に、スタンパ2の裏面はスタンパ取
付鏡面3に強く密着する。そして続く冷却工程中に充填
された樹脂及びスタンパ2の温度は低下し、ともに熱収
縮しようとするのだが、型締め力(圧縮力)の大きな力
で外部から規制を受けているために収縮できずその形状
を固定される。
【0035】そして、冷却工程完了後に成形された光デ
ィスク基板1をスタンパ2から離型する操作を行う。こ
の成形された光ディスク基板1をスタンパ2から離型す
る操作は、光ディスク基板成形装置(図示なし)による
冷却工程完了後の可動金型の後退動作(型開動作)によ
って行われる。つまり、冷却工程完了後の型開き工程開
始時において成形された光ディスク基板1は可動型鏡面
8と密着した状態が保たれた状態にあると同時に、キャ
ビリング9で光ディスク基板外周を支持されている。そ
のため、このような状態で可動金型の後退動作が開始さ
れると、光ディスク基板も同時に可動金型に支持された
ままで後退し、スタンパから機械的に引き離される。し
かし、上記のような機械的な離型操作だけでは、密着し
ている光ディスク基板1とスタンパ2間を完全に引き離
して離型させるのは不可能であることが明らかになって
いる。そのため、スタンパ2と光ディスク基板1間の密
着を破壊し、両者を分離させるために内周部から離型用
エアーの吹き出し操作を行うのだが、既に述べたよう
に、離型用エアーの均一な吹き出しを行うことは実際上
ありえず、このため逆に不均一な離型のきっかけを与
え、また型締め力(圧縮力)による規制から解放された
光ディスク基板1及びスタンパ2がそれぞれの特性で収
縮を開始するために、光ディスク基板1に巨視的及び微
視的な変形・歪みが発生する。
【0036】そこで、本発明においては、スタンパ2の
裏面とスタンパ取付鏡面3間の密着力を固定金型10及
び可動金型6双方に備えた励磁機構20を用いて制御す
ることによって、スタンパ2と光ディスク基板1間の密
着力を制御し、光ディスク基板1に変形・歪みが残らな
いような離型操作を実現させた。まず、冷却工程が完了
し可動金型が後退を開始する瞬間に、スタンパ2が可動
金型6側に引きつけられるようにキャビティ周囲の磁場
を制御する。ただし、この時、スタンパ2がスタンパ取
付鏡面から引き離され、外周の真空吸引によるスタンパ
2とスタンパ取付鏡面3間の真空が破壊されることのな
いように、可動金型6に引きつけられる力(を発生させ
る磁場)及び引きつける時間を設定する。そして次の瞬
間、スタンパ2をふたたびスタンパ取付鏡面3に引きつ
けて密着させるように磁場を制御する。このような一連
の操作によって、光ディスク基板1とスタンパ2間の密
着力は低下する。
【0037】なお、上述したスタンパ2を再びスタンパ
取付鏡面3に引きつけて密着させる力は、スタンパ全面
にわたって均一に発生させるものではない。上述した操
作と同時進行で内周部から離型用エアーの吹き出しが行
われ、スタンパ2と光ディスク基板1間の離型が開始し
ているのであるが、既に両者が離れ、あるいは離れよう
としているスタンパ2の部分をスタンパ取付鏡面3と強
い密着力で吸着させ、まだ両者が密着している部分が可
動金型6の後退動作による機械的な離型操作にある程度
追従できるように、比較的弱い力でスタンパ取付鏡面3
と吸着するように磁場を制御する。上述したような操作
によって、光ディスク基板1の各部がスタンパ2から離
型する瞬間及びその直後の離型状態を均一かつ確実にさ
せているので、両者の線膨張率などの熱特性の違いによ
る離型前後の挙動の差によって光ディスク基板1に生じ
る微視的な変形・歪みを抑えることが可能になる。また
光ディスク基板1の離型状態を光ディスク基板全体にわ
たり均一にさせていることで、光ディスク基板1に生じ
る巨視的な変形・歪みの発生も抑えることが可能にな
る。
【0038】また本発明においては、キャビティ周囲の
磁場の状態を、内蔵させた磁力センサ(図示せず)で測
定し、かつその測定データを適宜更新しながら累積して
いく。そして上述した累積データをもとにして成形時に
おける磁場制御を適宜調整しながら成形を行う。このよ
うな制御法を採ることによって、はじめスタンパ2に帯
磁させた磁気の状態が、その後の周囲の磁場環境によっ
て変化する現象に対しても適切に対応することが可能と
なる。さらに本発明においては、使用する金型のキャビ
ティを形成する鏡面材質に非磁性材料を採用している。
そのため、本発明による成形法で成形を行った場合にお
いて、キャビティ周りの磁場環境によって鏡面材質その
ものが帯磁し、本発明によるキャビティ周りの磁場を制
御しながら成形をすることに対して悪影響を与えること
を回避することができる。
【0039】
【発明の効果】この発明の作用効果を、主な請求項に係
る発明毎にまとめれば次のとおりである。 〔請求項1に係る発明の効果〕光ディスク基板を成形す
ることに用いられるスタンパに、磁性を帯びさせること
によって、キャビティ周囲の磁場を制御することでスタ
ンパとスタンパ取付鏡面との密着力を制御することが可
能になり、それによって成形された光ディスク基板とス
タンパの離型状態を制御することが可能になる。
【0040】〔請求項2に係る発明の効果〕光ディスク
基板の鏡面を形成する鏡面と、光ディスク基板上に必要
な情報を転写させるスタンパを取付けるスタンパ取付鏡
面とを一対として有し、請求項1で述べたスタンパを用
いて成形を行う光ディスク基板成形用金型において、鏡
面とスタンパ取付鏡面の双方に励磁させる機構をそれぞ
れ有している光ディスク基板成形用金型を提供し、上述
した励磁機構を制御することによって、キャビティ周囲
の磁場を制御することが可能になり、スタンパとスタン
パ取付鏡面との密着力、さらには成形された光ディスク
基板とスタンパの離型状態を制御することが可能にな
る。
【0041】〔請求項3に係る発明の効果〕請求項2の
光ディスク基板成形用金型において、鏡面とスタンパ取
付鏡面それぞれに有している励磁機構が、各鏡面中の任
意の位置で変化した強度分布を有する磁場を発生させる
ことが可能な機構を有している光ディスク基板成形用金
型を提供しているので、キャビティ周囲に発生させる磁
場を鏡面の任意の場所で制御可能となる。
【0042】〔請求項4に係る発明の効果〕請求項2及
び請求項3の光ディスク基板成形用金型において、各鏡
面で発生している磁場の強さを測定する磁力センサを有
させているので、キャビティ周囲に発生させる磁界を意
図するとおりに確実に制御することが可能である。
【0043】〔請求項5に係る発明の効果〕請求項2乃
至請求項4の光ディスク基板成形用金型において、各鏡
面に使用されている鏡面材質として非磁性材料を用いて
いるので、キャビティ周囲の磁界制御操作によって鏡面
が帯磁するようになることを避けることができる。
【0044】〔請求項6に係る発明の効果〕請求項1の
光ディスク基板成形用スタンパと請求項2乃至請求項5
の光ディスク基板成形用金型を用いて成形を行う光ディ
スク基板成形装置において、各鏡面それぞれに対して任
意のタイミングで任意の強さの磁場を任意の極性で発生
させることが可能な機構を与えているので、キャビティ
周囲の磁界を制御しながら成形することが可能となる。
【0045】〔請求項7に係る発明の効果〕請求項1の
光ディスク基板成形用スタンパ、請求項2乃至請求項5
の光ディスク基板成形用金型並びに請求項6の光ディス
ク基板成形装置を用いて光ディスク基板の成形を行う光
ディスク基板成形方法において、成形工程の各工程に合
わせて金型の一対の各鏡面にそれぞれ発生させる磁場を
変化させながら成形を行う光ディスク基板成形方法を得
ることができるので、これによって、成形した光ディス
ク基板とスタンパ間の離型状態を適切に制御した、光デ
ィスク基板の成形を行うことができる。
【0046】〔請求項8に係る発明の効果〕請求項7の
光ディスク基板成形方法において、成形工程の各工程に
合わせて金型の一対の各鏡面にそれぞれ発生させる磁場
を変化させながら成形を行うための磁場の変化のさせ方
を、その直前の成形サイクルまでの実際の磁場測定の累
積データをもとに逐次更新させながら行うことにより、
成形ショット毎の動作バラツキを抑えた成形法を得るこ
とができるので、これにより、スタンパが帯びている磁
性の変化に対応した、適切な成形を行うことが可能にな
る。
【0047】〔請求項9に係る発明の効果〕請求項7及
び請求項8の方法で成形した光ディスク基板であり、巨
視的及び微視的なレベルで変形・歪みが小さい光ディス
ク基板を得ることができ、その良好な特性を活用でき
る。
【0048】〔請求項10に係る発明の効果〕請求項9
の光ディスク基板を用いて作製した光ディスクであり、
光ディスク基板の巨視的及び微視的なレベルで変形・歪
みが小さい光ディスク基板を用いて製作することによ
り、ディスク特性の優れた光ディスクを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】は離型用エアーの吹き出しムラによる光ディス
ク基板の円周方向の変形状態の模式的断面図である。
【図2】は離型用エアーの吹き出しムラによる光ディス
ク基板の外観不良の模式的平面図である。
【図3】は溶融樹脂充填時におけるスタンパの挙動概念
図である。
【図4】は型締め(圧縮)中のキャビティ概念図であ
る。
【図5】は離型操作開始時における光ディスク基板とス
タンパ密着時の熱収縮挙動概念図である。
【図6】は離型操作開始時における光ディスク基板とス
タンパ接触時の熱収縮挙動概念図である。
【図7】は離型操作開始時における光ディスク基板とス
タンパ分離時の熱収縮挙動概念図である。
【図8】は離型操作開始時における光ディスク基板とス
タンパ、スタンパと取付鏡面の密着時の熱収縮挙動概念
図である。
【図9】はこの発明の光ディスク基板成形用キャビティ
対称軸断面図である。
【図10】は励磁機構を組み込んだ光ディスク金型の平
面図である。
【符号の説明】
1:光ディスク基板 2:スタンパ 3:スタンパ取付鏡面 4:スタンパ内周押え 5:スタンパ外周吸引機構 6:可動金型 7:スプルー 8:可動型鏡面 9:キャビリング 10:固定金型 20:励磁機構 20a:コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29L 17:00 B29L 17:00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ディスク基板を成形することに用いられ
    るスタンパにおいて、 キャビティに面している側の転写面と、金型のスタンパ
    取付鏡面と接する取付け面とで逆の極性となるように磁
    性を帯びていることを特徴とする光ディスク基板成形用
    スタンパ。
  2. 【請求項2】光ディスク基板の鏡面を形成する可動金型
    の鏡面と、光ディスク基板上に必要な情報を転写させる
    スタンパを取付ける、固定金型のスタンパ取付鏡面とを
    一対として有し、請求項1のスタンパを用いて成形を行
    う光ディスク基板成形用金型において、 上記鏡面とスタンパ取付鏡面の双方に励磁させる機構を
    それぞれ有していることを特徴とする光ディスク基板成
    形用金型。
  3. 【請求項3】請求項2の光ディスク基板成形用金型にお
    いて、 上記鏡面とスタンパ取付鏡面のそれぞれに有している励
    磁機構が、各鏡面中の任意の位置で強さを任意に変化さ
    せられる磁界を発生させることが可能な機構を有するこ
    とを特徴とする光ディスク基板成形用金型。
  4. 【請求項4】請求項2又は請求項3の光ディスク基板成
    形用金型において、 上記の各鏡面で発生している磁場の強さを測定する磁力
    センサを有していることを特徴とする光ディスク基板成
    形用金型。
  5. 【請求項5】請求項2乃至請求項4の光ディスク基板成
    形用金型において、各鏡面に使用されている鏡面材質を
    非磁性材料としたことを特徴とする光ディスク基板成形
    用金型。
  6. 【請求項6】請求項1の光ディスク基板成形用スタンパ
    と請求項2乃至請求項5の光ディスク基板成形用金型を
    用いて成形を行う光ディスク基板成形装置において、 上記の各鏡面のそれぞれに対して任意のタイミングで任
    意の強さの磁場を任意の極性で発生させることが可能な
    機構を設けたことを特徴とする光ディスク基板成形装
    置。
  7. 【請求項7】請求項1の光ディスク基板成形用スタン
    パ、請求項2乃至請求項5の光ディスク基板成形用金型
    並びに請求項6の光ディスク基板成形装置を用いて光デ
    ィスク基板の成形を行う光ディスク基板成形方法におい
    て、成形工程の各工程に合わせて金型の一対の上記の各
    鏡面にそれぞれ発生させる磁場を変化させながら成形を
    行うことを特徴とする光ディスク基板成形方法。
  8. 【請求項8】請求項7の光ディスク基板成形方法におい
    て、成形工程の各工程に合わせて金型の一対の上記各鏡
    面にそれぞれ発生させる磁場を変化させながら成形を行
    うための磁場の変化のさせ方を、その直前の成形サイク
    ルまでの実際の磁場測定の累積データをもとに逐次更新
    させながら行うことを特徴とする光ディスク基板成形方
    法。
  9. 【請求項9】請求項7又は請求項8の光ディスク基板成
    形方法で成形した光ディスク基板。
  10. 【請求項10】請求項9の光ディスク基板を用いて作製
    した光ディスク。
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