JP2003340877A - 記録媒体用基板を製造する方法、記録媒体用基板、記録媒体および射出成形装置 - Google Patents

記録媒体用基板を製造する方法、記録媒体用基板、記録媒体および射出成形装置

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JP2003340877A JP2002157801A JP2002157801A JP2003340877A JP 2003340877 A JP2003340877 A JP 2003340877A JP 2002157801 A JP2002157801 A JP 2002157801A JP 2002157801 A JP2002157801 A JP 2002157801A JP 2003340877 A JP2003340877 A JP 2003340877A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂の射出中におけるスキン層の発生を抑制
して記録媒体用基板の形状特性を向上させることを低コ
ストかつ容易に実現すると共に、タクト時間の短縮化を
図る。 【解決手段】 固定型10と可動型15とに熱可塑性樹
脂を射出して記録媒体用基板を製造するに際して、成形
面10a,15aに密着させることができる加熱ユニッ
ト20を用い、固定型10と可動型15との内部に熱可
塑性樹脂を射出する前に、成形面10a,15aに加熱
ユニット20を押し当てて成形面10a,15aの表面
温度を上昇させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体用基板の
製造方法、記録媒体用基板、記録媒体および射出成形装
置に関し、特に、熱可塑性樹脂を用いて記録媒体用基板
を製造する方法、、熱可塑性樹脂製の記録媒体用基板、
それを用いた記録媒体およびそれを製造可能な射出成形
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、各種情報を記録するための記
録媒体として、磁気記録媒体、光記録媒体、および光磁
気記録媒体が知られている。
【0003】これらの記録媒体のうち、磁気記録媒体
(ハードディスク)のためのディスク基板としては、高
い表面精度が要求されることから、Al等の非磁性金属
のディスク基板が用いられてきた。この場合、非磁性金
属製のディスク基板にはスパッタ法などによりCo合金
磁性層等が形成される。また、走行方向に粒子の長軸を
配向させて磁気特性を向上させるために、ディスク基板
の表面には、高度な精密加工によりテクスチャが形成さ
れる。
【0004】この種の磁気記録媒体の構成手法は多数存
在しているが、その一例では、ディスク基板を精密洗浄
した後、その基板上に、厚さ50nm(500Å)のC
r下地層、厚さ30nm(300Å)のCoCrTa磁
性層(Co:Cr:Ta=82:14:4)、および、
厚さ8.0nm(80Å)のカーボン保護層をDCスパ
ッタ法等により順次形成する。そして、半製品の表面に
は、テープバニッシュが施されると共に、ディップコー
ト法またはスピンコート法により、厚さ2nm(20
Å)のフッ素系潤滑層が更に塗布され、これにより磁気
記録媒体が形成される。
【0005】また、例えばコンパクトディスクのような
光記録媒体は、ディスク基板上に少なくとも反射層と保
護層とを含むものである。このような光記録媒体から
は、基板上の反射層からの反射光を用いて情報が読み出
される。更に、近年では、CD−R,CD−RW,PD
等の書き込み(および書き換え)可能な光ディスクも知
られている。これらの書き込み可能な光ディスクは、デ
ィスク基板上に少なくとも記録層、反射層および保護層
を積層させたものであり、記録層に対して、レーザ光を
用いた情報の読み書きを実行することができる。また、
光磁気記録媒体は、ディスク基板上に、例えば保護膜に
挟持された磁性記録層、反射膜および保護コ一トを積層
させたものである。磁性記録層には、レーザ光および磁
気を用いて情報が記録され、記録された情報は、磁性記
録層によるレーザ光の反射を利用して読み出される。
【0006】上述の各種記録媒体の中でも、特に磁気記
録媒体(ハードディスク)に関して言えば、近年の高記
録密度化への要求に伴い、ディスク基板および磁気記録
媒体の製造方法はますます複雑化している。その一方
で、高い性能を維持したままで、これまで以上に安価な
ディスク基板や磁気記録媒体が求められている。
【0007】このような相反する要求を満たすべく、例
えば、特開平5−4231号公報、特開平5−6535
号公報、特開平5−28488号公報等により、熱可塑
性樹脂(プラスチック)を用いてディスク基板を製造す
る手法が開示されている。これらの公報に開示された手
法は、微細な凹凸、溝、パターン等を含む成形面を備え
た金型内に、例えばポリカーボネート、ポリアクリル、
ポリオレフィン等のプラスチックを射出することにより
ディスク基板を製造するものである。これらの手法を用
いれば、製造プロセスを大幅に短縮化できるだけではな
く、CSSゾーンやサーボパターン等をディスク基板に
同時に形成することが可能となる。
【0008】ここで、一般にプラスチック製のディスク
基板の機械的強度は、金属、ガラスあるいはセラミック
製のディスク基板と比較して低い。このため、プラスチ
ック製のディスク基板には、ラッピング、ポリッシュ等
の仕上げ研磨を施すことは困難である。従って、射出成
形の完了段階までに、成形品の表面精度(平坦度、真直
度、うねり、粗さ等)を磁気記録媒体用のディスク基板
として要求されるレベルに調整しておく必要がある。し
かしながら、従来のプラスチック射出成形では、表面う
ねりを低減させたり、フローマークのような成形欠陥の
発生を完全に防止したりすることは困難であった。
【0009】すなわち、従来のプラスチック射出成形で
は、金型101の表面温度が、成形に使用される樹脂の
ガラス転移温度(Tg)よりも低く設定されていた。こ
のため、充填時にキャビティに流入した樹脂のうち、成
形面に接触した部分が瞬時に固化し、図9に示されるよ
うに、スキン層102を形成して全体の樹脂流動への抵
抗となる。その一方、スキン層の内側を流動する樹脂
(以下、「バルク層」という)103は、キャビティ内
を満たすまで流動を続ける。
【0010】この結果、従来のプラスチック射出成形に
際しては、スキン層102とバルク部103との間で冷
却・固化プロセスが大きく異なることになるので、スキ
ン層102とバルク部103との間に収縮率の差が生
じ、両者の境界には残留応力が生じてしまう。従って、
バルク部103が固化・収縮する前に成形面の凹凸形状
等がスキン層に良好に転写されていたとしても、バルク
部103が固化・収縮を開始すると、スキン層102は
バルク部103の収縮によりに引張られることになる。
これにより、最終的に成形品の表面形状が変形してしま
い、その表面部分にうねりが発生してしまう。
【0011】また、従来のプラスチック射出成形に関し
ては、金型の表面温度が低いことに起因して樹脂の溶融
粘度が高くなるため、溶融樹脂が成形面に含まれる凹部
に入り難くなり、転写性が悪化するという問題も指摘さ
れている。さらに、樹脂の溶融粘度が高い場合、金型の
成形面に対する樹脂の濡れ性が低下するため、成形面と
樹脂との接触が金型全体において均一とはならず、熱交
換が良好に行われていない領域が局所的に発生してしま
う。このため、樹脂の収縮具合も局所的に異なることに
なり、フローマークのような成形欠陥が発生してしま
う。これらの理由から、非常に高い表面精度をもったデ
ィスク基板の製造に従来のプラスチック射出成形を適用
することが困難となっていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】これに対して、上述の
問題点を解決するために、例えば特開平7−17877
4号公報により、金型の成形面に断熱性の薄膜を積層さ
せることが提案されている。しかしながら、断熱性の金
型を用いると、金型の表面温度が逆に低下し難くなるこ
とから、タクト時間が長くなってしまう。その上、樹脂
充填時に金型の表面温度を十分に上昇させ難くなること
から、上述のスキン層の発生を阻止することは困難とな
る。
【0013】また、上述の問題点を解決するための手法
としては、特開平11−58476号公報により、表面
温度を樹脂のガラス転移温度以上に上昇させた金型内に
樹脂を充填する手法が提案されている。かかる手法は、
樹脂の射出中におけるスキン層の発生を抑制して記録媒
体用基板の形状特性を向上させる上で有用なものである
と考えられる。しかしながら、高い表面精度をもった記
録媒体用基板の生産に際し、記録媒体用基板を安価に大
量生産可能とするというプラスチック射出成形のメリッ
トを最大限に発揮させるためには、かかる手法の実施も
できるだけ低コストかつ容易に行われるべきであり、ま
た、タクト時間も必要最小限とすべきである。
【0014】そこで、本発明は、樹脂の射出中における
スキン層の発生を抑制して記録媒体用基板の形状特性を
向上させることを低コストかつ容易に実現すると共に、
タクト時間の短縮化を図ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】まず、本発明者らは、表
面温度を樹脂のガラス転移温度以上に上昇させた金型内
に樹脂を充填する手法が、樹脂の射出中におけるスキン
層の発生を抑制して記録媒体用基板の形状特性を向上さ
せる上で有用なものであることを確認した。そして、プ
ラスチック射出成形によるメリットを最大限に発揮させ
るべく、樹脂の射出中におけるスキン層の発生を抑制し
て記録媒体用基板の形状特性を向上させることを低コス
トかつ容易に実現すると共に、タクト時間の短縮化を図
ることを目的として更なる研究を進めた。
【0016】ここで、金型の成形面を昇温させる手法と
しては、まず、金型内部に埋設されたヒータにより成形
面の表面温度を上昇させることが考えられる。しかしな
がら、極めて複雑かつ高価な金型構造を採用せざるを得
ず、これでは、プラスチック射出成形により記録媒体用
基板を製造するメリットが失われてしまう。また、ハロ
ゲンランプやセラミクスヒータ等を用いて金型を外側か
ら輻射加熱することも考えられる。しかしながら、この
ような輻射加熱は、金型の温度のみならず、成形室全体
の温度に影響を与えることから、雰囲気温度の上昇をも
招いてしまう。このため、樹脂冷却に長い時間が必要と
なり、基板1枚当たりに要するタクト時間が非常に長く
なってしまうおそれがある。
【0017】これらの検討結果を踏まえた上で、本発明
では、金型内に熱可塑性樹脂を射出して記録媒体用基板
を製造する方法において、金型の成形面に密着させるこ
とができる加熱ユニットを用い、金型内に熱可塑性樹脂
を射出する前に、金型の成形面に加熱ユニットを押し当
てて成形面の表面温度を上昇させることとした。
【0018】このように、金型とは別体の加熱ユニット
を用いることにより、金型の構造を必要以上に複雑化さ
せる必要がなくなるのでコストアップを抑制可能とな
り、しかも、既存の設備への適用も容易となる。また、
成形面に加熱ユニットを直接押し当てて加熱することに
より、成形面を効率よく昇温させることが可能となる。
そして、このような加熱は金型内への樹脂の射出の直前
に実行される。従って、金型の成形面以外の領域の温度
や、雰囲気温度等が必要以上に上昇してしまうことを防
止でき、樹脂の冷却時間、ひいては、基板1枚当たりに
要するタクト時間を大幅に短縮化することができる。こ
の結果、この方法によれば、プラスチック射出成形によ
るメリットを最大限に活用しつつ、樹脂の射出中におけ
るスキン層の発生を抑制してタクト時間の短縮化を図る
ことができ、記録媒体用基板の形状特性を向上させるこ
とが可能となる。
【0019】また、加熱ユニットとして、ヒータと当該
ヒータが発する熱を金型の成形面に伝える接触部とを含
み、接触部が成形面を形成する素材よりも低い硬度を有
しているものを用いると好ましい。これにより、金型の
成形面に微細な凹凸、溝、パターン等が含まれていて
も、これらの凹凸等を損傷させることなく、金型の成形
面を所望温度まで上昇させることができる。
【0020】これらの場合、加熱ユニットの表面温度
は、熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上であって、か
つ、熱可塑性樹脂の融点よりも低い温度、好ましくは、
ガラス転移温度をTgとして、(Tg+50)℃以上か
つ(Tg+130)℃以下の温度に設定されるとよい。
【0021】これらの本発明の方法により製造される熱
可塑性樹脂製基板は、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁
気記録媒体等の各種記録媒体に適用可能であり、その用
途は、何ら限定されるものではないが、本発明の方法
は、ハードディスク等の磁気記録媒体のための高い表面
精度をもった基板を製造するのに特に好適である。
【0022】また、本発明による射出成形装置は、それ
ぞれ所定の成形面を有する固定型と可動型との間に熱可
塑性樹脂を射出して記録媒体用基板を製造可能なもので
あり、この装置は、固定型と可動型との間に配置可能で
あり、固定型の成形面および可動型の成形面の双方を昇
温させることができる加熱ユニットを備え、この加熱ユ
ニットは、固定型の成形面に密着させることができる第
1の加熱部と、可動型の成形面に密着させることができ
る第2の加熱部と、第1の加熱部と第2の加熱部とを可
動型の移動方向に接近離間させる伸縮手段とを有してい
ることを特徴とする。
【0023】この場合、第1の加熱部と第2の加熱部と
は、ヒータと当該ヒータが発する熱を金型の成形面に伝
える接触部とを含み、接触部は、成形面を形成する素材
よりも低い硬度を有していると好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明による記
録媒体用基板を製造する方法、記録媒体用基板、記録媒
体および射出成形装置の好適な実施形態について詳細に
説明する。
【0025】図1は、本発明による射出成形装置を示す
概略構成図である。図1に示される射出成形装置1は、
熱可塑性樹脂の溶融、計量および射出といった各機能が
集約された、いわゆるインラインスクリュ式射出成形装
置である。射出成形装置1は、射出用ヒータ2と射出口
3とを有する加熱シリンダ4を含み、加熱シリンダ4の
内部には、樹脂の溶融、計量および射出を行う可動式の
スクリュ5が配置されている。スクリュ5は、加熱シリ
ンダ4の後端に配置されたスクリュ駆動ユニット6によ
って駆動される。また、加熱シリンダ4には、スクリュ
5に対して熱可塑性樹脂を供給するためのホッパ7が接
続されている。なお、本発明は、樹脂の溶融および計量
がスクリュによって行われると共に、樹脂の射出がプラ
ンジャによって行われる場合においても適用可能である
ことはいうまでもない。
【0026】加熱シリンダ4の射出口3は、固定型10
のスプール部11に接続される。固定型10には、図2
に示されるように、金型の成形面を構成する固定側スタ
ンパ部12が装着されている。固定側スタンパ部12の
表面の所定位置には、成形品であるディスク基板にCS
Sゾーンやサーボパターン等を形成するための微細な凹
凸、溝、パターン等が形成されている。そして、射出成
形装置1では、固定型10と対向するように、型締めユ
ニット14によって固定型10に対して接近離間される
可動型15が配置される。可動型15にも、固定型10
と同様に、金型の成形面を構成する可動側スタンパ部1
6が装着される。固定側スタンパ部12の表面の所定位
置にも、微細な凹凸、溝、パターン等が形成されてい
る。
【0027】固定側スタンパ部12および可動側スタン
パ部16を形成する材料としては、一般的には、SUS
やNi合金等が用いられる。また、スタンパの長寿命化
を図るべく、スタンパ表面保護層として、硬度が高く、
耐熱性・耐蝕性等の安定性に優れた材料が選択される。
固定側スタンパ部12および可動側スタンパ部16の表
面保護層は、例えば、W,Ta,lr,Pt,Niなど
の金属、または、それらの合金、更には、DLC(ダイ
ヤモンドライクカーボン)等からなる薄膜から形成され
る。
【0028】本実施形態において、固定型10および可
動型15は、これに限定されるものではないが、中心部
に断面円形のボス部を有する円盤状の磁気記録媒体用デ
ィスク基板を成形するものとして構成されている。ディ
スク基板の中心部に形成されたボス部は、当該ディスク
基板を含む磁気記録媒体を磁気記録装置に装着する際
に、スピンドルモータの軸として機能する。ディスク基
板の外径やボス部の外径等は、磁気記録装置側の要求に
応じて任意に定めることができる。
【0029】更に、射出成形装置1には、加熱ユニット
20が備えられている。加熱ユニット20は、図2に示
されるように、第1加熱部21および第2加熱部22を
含む。第1加熱部21は、固定型10の成形面10aに
密着させることができるものであり、ヒータ23を内蔵
する第1加熱プレート25を有している。また、第2加
熱部22は、可動型15の成形面15aに密着させるこ
とができるものであり、ヒータ24を内蔵する第1加熱
プレート26を有している。
【0030】第1加熱部21の第1加熱プレート25
は、固定型10の成形面と概ね同一の輪郭を有してお
り、第2加熱部22の第2加熱プレート26は、可動型
15の成形面と概ね同一の輪郭を有している。第1加熱
プレート25の固定型10側の表面および第2加熱プレ
ート26の可動型15側の表面には、成形面を形成する
素材、すなわち、固定側スタンパ部12、可動側スタン
パ部16、固定型10および可動型15を構成する素材
よりも低い硬度を有している素材のコーティングが施さ
れている。例えば、これに限定されるものではないが、
固定側スタンパ部12および可動側スタンパ部16がl
rにより形成されている場合には、lrよりも硬度の低
いNiPを用いて接触層27および28を形成すると好
ましい。
【0031】これにより、第1加熱部21には、固定型
10の成形面10aと密着する接触層(接触部)27が
含まれることになり、第2加熱部22には、可動型15
の成形面15aと密着する接触層(接触部)28が含ま
れることになる。なお、各加熱プレート23,26とそ
れぞれの表面の接触層27,28とは一体化されている
のことが好ましいが、これに限られるものではない。構
造の単純化やコスト等を考慮して、各加熱プレートに対
して別体として形成された接触層をネジ等により接合し
てもよい。
【0032】図2に示されるように、第1加熱プレート
25と第2加熱プレート26とは、それぞれの接触層2
7,28が外方を向く状態で伸縮ロッド29a,29b
および29cによって背中合わせに連結されている。ま
た、各伸縮ロッド29a〜29cのうち、例えば中央の
伸縮ロッド29bには、図示されない伸縮駆動機構が備
えられている。この伸縮駆動機構を作動させることによ
り、第1加熱部21と第2加熱部22とを、可動型15
の移動方向(型締め方向)に互いに接近離間させるこが
できる。
【0033】各伸縮ロッド29a〜29cは、支持部材
30に固定されている。また、支持部材30は、図示さ
れない移動機構に連結されており、この移動機構を作動
させることにより、図1に示されるように、可動型15
の移動方向、および、各成形面10a,15aと平行な
方向に加熱ユニット20の全体を移動させることができ
る。このように構成される加熱ユニット20は、既存の
射出成形装置に対しても容易に適用することができる。
【0034】次に、上述の射出成形装置1を用いた本発
明による記録媒体用基板の製造方法を説明する。
【0035】まず、射出成形のための準備が整った段階
で、型締めユニット14により可動型15を固定型10
から離間させて型開き状態にする。そして、支持部材3
0に連結されている移動機構を作動させ、図2に示され
るように、第1加熱部21が固定型10の成形面10a
と対向すると共に、第2加熱部22が可動型15の成形
面15aと対向するように、固定型10と可動型15と
の間に加熱ユニット20を位置決めする。更に、第1加
熱部21のヒータ23と、第2加熱部22のヒータ24
とがそれぞれ作動され、加熱ユニット20の第1加熱部
21および第2加熱部22の表面温度、すなわち、接触
層27および28の表面温度が、成形に用いられる熱可
塑性樹脂のガラス転移温度以上であって、かつ、当該樹
脂の融点よりも低い温度、好ましくは、ガラス転移温度
をTgとして、(Tg+50)℃以上かつ(Tg+13
0)℃以下の温度に設定される。
【0036】次に、図3に示されるように、各伸長ロッ
ド29a〜29cが伸長させられ、加熱ユニット20の
第1加熱部21が固定型10の成形面10aに押し当て
られると共に、加熱ユニット20の第2加熱部22は可
動型15の成形面15aに押し当てられる。これによ
り、第1加熱部21の接触層27が固定型10の成形面
10aに密着し、第1加熱プレート25内のヒータ23
により発せられる熱が、接触層27から成形面10aに
伝えられる。同様に、第2加熱部22の接触層28が可
動型15の成形面15aに密着し、第2加熱プレート2
6内のヒータ24により発せられる熱が、接触層28か
ら成形面15aに伝えられる。
【0037】このように、各成形面10a,15aに加
熱ユニットを直接押し当てて加熱することにより、効率
よく短時間のうちに、成形に用いられる熱可塑性樹脂の
ガラス転移温度以上であって、かつ、当該樹脂の融点よ
りも低い温度まで各成形面10a,15aを昇温させる
ことが可能となる。また、接触層27および28として
は、上述のように、成形面を形成する素材よりも低い硬
度を有する素材が用いられている。従って、固定型10
の成形面10a(固定側スタンパ部12)や可動型15
の成形面15a(可動側スタンパ部16)に含まれてい
る微細な凹凸、溝、パターン等が接触層27,28と密
着することによって損傷させられてしまうことは確実に
防止される。
【0038】成形面10aおよび15aの表面温度がガ
ラス転移温度以上の予め定められた温度に達すると、図
4に示されるように、各伸縮ロッド29a〜29cが収
縮され、第1加熱部21(接触層27)が成形面10a
から、第2加熱部22(接触層28)が成形面15aか
らそれぞれ分離される。この分離工程中、図4において
白抜矢印で示されるように、固定型10側および可動型
15側から加熱ユニット20に向けてエアを吹き付ける
と好ましい。これにより、第1加熱部21および第2加
熱部22を成形面10a,15aからスムースに分離さ
せることが可能となる。
【0039】その後、支持部材30に連結されている移
動機構が作動され、図5に示されるように、加熱ユニッ
ト20は、固定型10と可動型15との間から外側へと
速やかに退避させられる。加熱ユニット20の移動が完
了すると、可動型15が固定型10に向けて接近させら
れ、型締めが行われる。そして、図6に示されるよう
に、加熱シリンダ4から、固定型10と可動型15とに
より画成されるキャビティ内に熱可塑性樹脂Rが充填さ
れる。
【0040】上述のように、本発明では、樹脂の充填の
直前に、固定型10の成形面10aと可動型15の成形
面15aとが樹脂のガラス転移温度以上であって、か
つ、当該樹脂の融点よりも低い温度まで昇温させられ
る。従って、樹脂の充填の際に、いわゆるスキン層の発
生を最小限に抑えることが可能となる。すなわち、樹脂
の充填時に成形面10a,15aの表面温度が充填され
る樹脂のガラス転移温度以上になっていれば、キャビテ
ィ内に入り込んで成形面10a,15aに接した樹脂の
分子の急速な固化が抑制され、スキン層の形成が抑えら
れる。従って、スキン層の発生に起因する残留応力や基
板表面のうねりの発生を最小限にすることができる。
【0041】また、成形面10aおよび15aに含まれ
る凹部に対して樹脂が入り込み易くなると共に、冷却・
固化時のスキン層部分の異常な収縮を大幅に低減させる
ことができるため、成形品に対する成形面10a,15
aの形状の転写性も向上することになる。更に、樹脂が
成形面10a,15aに最初に接触する際の溶融樹脂の
粘度増加を抑制することができるので、樹脂の成形面1
0aおよび15aに対する濡れ性も飛躍的に向上するこ
とになる。これにより、成形面10aおよび15aの全
体と樹脂との間で熱交換が均一に行われることになるの
で、フローマークのような成形欠陥の発生も抑制される
ことになる。
【0042】更に、固定型10および可動型15とは別
体の加熱ユニット20を用いることにより、固定型10
および可動型15の構造を必要以上に複雑化させる必要
がなくなるのでコストアップを抑制可能となる。そし
て、本発明では、このような加熱が固定型10および可
動型15に対する樹脂の射出の直前に実行される。これ
により、固定型10および可動型15の成形面10a,
15a以外の領域の温度や、雰囲気温度等が必要以上に
上昇してしまうことを防止可能となり、樹脂の冷却時
間、ひいては、基板1枚当たりに要するタクト時間を大
幅に短縮化することができる。
【0043】本発明において用いられる熱可塑性樹脂
(高耐熱性熱可塑性樹脂)は、一般に光磁気記録媒体用
のディスク基板に適用されるポリカーボネート樹脂やポ
リメチルメタクリレート樹脂の他にポリオレフィン系樹
脂を含む。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、高
耐熱性、低吸湿性を呈し、剛直構造を有するノルボルネ
ン系ポリシクロオレフィン樹脂等を用いると好ましい。
また、樹脂構造に由来するカラス転移温度は、一般に1
30〜190℃の範囲にあるが、この範囲内でガラス転
移温度が大きい熱可塑性樹脂を選択すると好ましい。
【0044】また、上述の方法により製造された記録媒
体用基板には、基板内に残留する応力をより緩和すべ
く、アニール処理を施すことが好ましい。アニール処理
は、ガラス転移温度をTgとして、(Tg−70)℃以
上であって、(Tg−15)℃以下の温度において、
0.5〜48時間にわたって行うと好ましい。樹脂の劣
化や基板の局所的形状変化を生じさせないことを条件と
して、アニール処理温度を可能な限り高く設定するのが
好ましい。アニール処理は、大気雰囲気下あるいは低酸
素雰囲気下で実行することができる。また、アニール処
理の間に基板の自重による撓みの発生を防止するため
に、アニール処理は、基板を縦置きにした状態で行われ
ると好ましい。十分なアニール処理を行うことにより、
残留応力を減少させ、残留応力の経時的な解放による基
板の形状変化を最小限にすると共に、基板の局所的な変
形の発生を防止することができる。
【0045】上述の方法により製造された記録媒体用基
板を用いて磁気記録媒体を構成するために、製造された
記録媒体用基板には、少なくとも磁気記録層が積層され
る。また、記録媒体用基板には、必要に応じて、下地
層、保護層、潤滑層等が形成される。用途に応じて、こ
れらの層を記録媒体用基板の片面または両面に設けるこ
とにより、片面式あるいは両面式の磁気記録媒体を得る
ことができる。
【0046】ハードディスク装置等の一般に用いられて
いる水平記録方式の磁気記録媒体を得る場合には、記録
媒体用基板に対して、下地層、磁気記録層、保護層、潤
滑層をこの順番で形成することが好ましい。磁気記録層
の性能の向上を図る上では、下地層と磁気記録層との間
に、更なる中間層を設けるとよい。また、記録密度の向
上を図ることができるとして近年注目を集めている垂直
記録方式の磁気記録媒体を得る場合には、下地層、軟磁
性裏打層、磁性記録層、保護層、潤滑層をこの順番で形
成することが好ましい。この場合も、記録特性等の向上
を目的として、下地層と軟磁性裏打層との間、および/
または、軟磁性裏打層と磁性記録層との間に、更なる中
間層を設けると好ましい。
【0047】上述の各層は、当該技術分野において知ら
れている任意の材料により形成することができる。例え
ば、下地層は、CrまたはCrを主とした合金等の非磁
性金属材料により形成することが可能であり、磁性記録
層は、CoおよびCrを主とした合金等の磁性材料によ
り形成することができる。また、保護層は、炭素(特に
ダイヤモンド様炭素)等により形成可能であり、軟磁性
裏打層は、非晶質Co合金、NiFe合金、あるいは、
センダスト合金(FeSiAl合金)等により形成する
こともできる。中間層としては、TiまたはTiCr合
金などの素材を用いると好ましい。
【0048】潤滑層を除く上述の各層は、スパッタ法、
蒸着法、CVD法といった従来から知られている手法に
よって記録媒体用基板上に積層させることができるが、
特に、スパッタ法を用いることが好ましい。また、潤滑
層は、ディップコート、スピンコート、吹き付けなどの
手法により形成することができる。
【0049】上述の本発明の方法によれば、プラスチッ
ク射出成形によるメリットを最大限に活用しつつ、樹脂
の射出中におけるスキン層の発生を抑制してタクト時間
の短縮化を図ることができ、記録媒体用基板の形状特性
を向上させることが可能となる。そして、本発明の方法
により製造された記録媒体用基板を用いることにより、
磁気ヘッドの浮上特性に優れた高品質な磁気記録媒体を
大量かつ安価に提供することが可能となる。
【0050】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。ここでは、本発明の方法により製造した記録媒体
用基板(実施例1および2)を用いた磁気記録媒体と、
それ以外の他の手法により製造した記録媒体用基板(比
較例1、2および3)を用いた磁気記録媒体とについ
て、表面の「うねり」および転写率を評価した。
【0051】〔実施例1〕市販されている最大射出成形
圧力70tの射出成形装置に、固定側スタンパ部を固定
した固定型と可動側スタンパ部を固定した可動型とを装
着すると共に、図2等に示された加熱ユニットを用意
し、上述の本発明の方法に従って記録媒体用基板を作製
した。成形用の樹脂としては、ノルボルネン系ポリオレ
フィン樹脂(ガラス転移温度=138℃)を使用した。
また、射出成形の条件は、樹脂温度320℃、金型温度
110℃、射出速度120mm/秒、型締め圧力120
kg/cm(およそ11.8MPa)とした。
【0052】成形に際しては、固定型および可動型の型
締めの直前に、各型の成形面と密着する接触層の表面温
度をおよそ190℃に設定した加熱ユニットを固定型と
可動型の間に挿入し、各成形面に接触層を密着させた
後、加熱ユニットを固定型と可動型との間から取り出し
た。その後、直ちに固定型と可動型とを閉じて樹脂の充
填を開始した。樹脂の充填直前の各成形面の表面温度
は、およそ150℃であった。射出成形の完了後、大気
雰囲気下で、得られた成形品を縦置きにすると共に、温
度およそ90℃で10時間にわたってアニール処理を行
った。これにより、直径95mm、厚さ1.27mmの
寸法を有する円盤状のプラスチック製記録媒体用基板を
得た。
【0053】作製した記録媒体用基板には、DCスパッ
タ法により厚さ50nm(500Å)の下地層、厚さ3
0nm(300Å)のCoCrTa磁性層(Co:C
r:Ta=82:14:4)、および、厚さ8nm(8
0Å)のカーボン保護層をこの順番で成膜した。更に、
スパッタリングが施された表面には、テープバニッシュ
を行うと共に、フッ素系潤滑剤(アウジモント社製FO
MBLIN Z−DOL)をスピンコート法により厚さ
2nm(20Å)だけ成膜し、磁気記録媒体を得た。
【0054】〔実施例2〕各型の成形面と密着する接触
層の表面温度をおよそ220℃に設定した加熱ユニット
を固定型と可動型の間に挿入し、樹脂の充填直前の各成
形面の表面温度を、およそ170℃としたこと以外は、
実施例1と同様の条件のもとで磁気記録媒体を得た。
【0055】〔比較例1〕各型の成形面と密着する接触
層の表面温度をおよそ150℃に設定した加熱ユニット
を固定型と可動型の間に挿入すると共に、各成形面と接
触層とを3秒間だけ密着させ、樹脂の充填直前の各成形
面の表面温度を、およそ130℃としたこと以外は、実
施例1と同様の条件のもとで磁気記録媒体を得た。
【0056】〔比較例2〕加熱ユニットを固定型および
可動型の各成形面に密着させず、樹脂の充填直前の各成
形面の表面温度を、110℃としたこと以外は、実施例
1と同様の条件のもとで磁気記録媒体を得た。
【0057】〔比較例3〕加熱ユニットを固定型および
可動型の各成形面に密着させず、樹脂の充填直前の各成
形面の表面温度を、90℃としたこと以外は、実施例1
と同様の条件のもとで磁気記録媒体を得た。
【0058】〔うねりの測定〕形状測定器(Phase
Shift Technology社製のOptiF
lat)により、各磁気記録媒体の半径20〜45.5
mmの領域におけるうねり成分の平均値Waを導出し
た。
【0059】〔転写率の測定〕原子間力顕微鏡(島津製
作所製、3次元表面観察装置 SFT−9800)を用
いて、各磁気記録媒体について表裏面の凹凸の深さを測
定し、転写性の違いを評価した。測定に際しては、まず
スタンパ部の特定箇所のピット凸部の高さ(a)を測定
し、次いで、スタンパ部の当該ピット凸部に対応する磁
気記録媒体のピット凹部の深さ(b)を測定し、b/a
を転写率として求めた。測定は、磁気記録媒体の1つの
面について4箇所ずつ行い(半径=30mmの円周に沿
って90°おきに測定ポイントを選定)、それらの平均
を各磁気記録媒体の転写率とした。
【0060】〔うねりの評価結果〕図7は、実施例1
(EX1)、実施例2(EX2)、比較例1(R1)、
比較例2(R2)および比較例3(R3)の磁気記録媒
体について、樹脂の充填直前における成形面の表面温度
と表面のうねりとの関係を示す。同図の結果に示される
ように、上述の本発明の方法によって樹脂の充填直前の
成形面の表面温度を樹脂のガラス転移温度(138℃)
以上に設定した場合、うねり成分は急激に減少してい
る。従って、樹脂の充填直前に加熱ユニットを各成形面
に密着させることによって成形面を昇温させる本発明の
方法は、スキン層の発生を効果的に抑制し、成形による
うねりの発生を極めて良好に防止し得るものであること
がわかる。
【0061】〔転写率の評価結果〕図8は、実施例1
(EX1)、実施例2(EX2)、比較例1(R1)、
比較例2(R2)および比較例3(R3)の磁気記録媒
体について、樹脂の充填直前における成形面の表面温度
と転写率との関係を示す。同図の結果に示されるよう
に、上述の本発明の方法によって樹脂の充填直前の成形
面の表面温度を樹脂のガラス転移温度(138℃)以上
に設定した場合、転写率は、非常に大きな値を示してい
る。従って、樹脂の充填直前に加熱ユニットを各成形面
に密着させることによって成形面を昇温させる本発明の
方法は、成形面の凹部に対する樹脂の流入を促進させ、
かつ、バルク部の収縮に伴うスキン層の異常な収縮を防
止する上で極めて有用であることがわかる。
【0062】更に、記録媒体用基板におけるフローマー
クの有無を確認したところ、比較例1では外周部に、比
較例2および3においては外周部のみならず内周部にも
フローマークが発生していたのに対して、実施例1およ
び2ではフローマークは全く認められなかった。この結
果から、樹脂の充填直前に加熱ユニットを各成形面に密
着させることにより、成形面を昇温させる本発明の方法
は、記録媒体用基板にフローマークのような成形欠陥が
発生することを抑制する上でも有用であることがわか
る。
【0063】なお、加熱ユニットを成形面に密着させた
実施例1、実施例2および比較例1に関する各実験の
際、加熱ユニットの密着に伴う成形面の凹凸部の損傷は
認められなかった。
【0064】これらの結果より、本発明の方法により製
造された記録媒体用基板を用いた磁気記録媒体は、表面
うねり、転写性、フローマークの観点から優れた形状特
性を有することが判明した。ここで、磁気記録媒体の形
状特性の向上が磁気ヘッドの浮上性の向上に有効である
ことは、よく知られている事実である。従って、上述の
結果より、本発明の方法により製造された記録媒体用基
板を用いれば、ヘッドの浮上特性に優れた磁気記録媒体
を得られることは明らかである。
【0065】
【発明の効果】以上説明されたように、本発明によれ
ば、樹脂の射出中におけるスキン層の発生を抑制して記
録媒体用基板の形状特性を向上させることを低コストか
つ容易に実現すると共に、タクト時間の短縮化を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による射出成形装置を示す概略構成図で
ある。
【図2】図1の射出成形装置に含まれる加熱ユニットを
示す概略構成図である。
【図3】本発明による記録媒体用基板の製造方法を説明
するための模式図である。
【図4】本発明による記録媒体用基板の製造方法を説明
するための模式図である。
【図5】本発明による記録媒体用基板の製造方法を説明
するための模式図である。
【図6】本発明による記録媒体用基板の製造方法を説明
するための模式図である。
【図7】本発明の方法により製造された記録媒体用基板
を用いた磁気記録媒体についてのうねりの評価結果を示
す図表である。
【図8】本発明の方法により製造された記録媒体用基板
を用いた磁気記録媒体についての転写率の評価結果を示
す図表である。
【図9】従来の記録媒体用基板の製造方法を実施した際
における金型内の樹脂の流れを説明する模式図である。
【符号の説明】
1 射出成形装置 4 加熱シリンダ 5 スクリュ 10 固定型 10a,15a 成形面 12 固定側スタンパ部 15 可動型 16 可動側スタンパ部 20 加熱ユニット 21 第1加熱部 22 第2加熱部 23,24 ヒータ 25 第1加熱プレート 26 第2加熱プレート 27,28 接触層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型内に熱可塑性樹脂を射出して記録媒
    体用基板を製造する方法において、 前記金型の成形面に密着させることができる加熱ユニッ
    トを用い、前記金型内に熱可塑性樹脂を射出する前に、
    前記金型の前記成形面に前記加熱ユニットを押し当てて
    前記成形面の表面温度を上昇させることを特徴とする記
    録媒体用基板を製造する方法。
  2. 【請求項2】 前記加熱ユニットは、ヒータと、当該ヒ
    ータが発する熱を前記金型の前記成形面に伝える接触部
    とを含み、前記接触部は、前記成形面を形成する素材よ
    りも低い硬度を有していることを特徴とする請求項1に
    記載の記録媒体用基板を製造する方法。
  3. 【請求項3】 前記加熱ユニットの表面温度を、前記熱
    可塑性樹脂のガラス転移温度以上であって、かつ、前記
    熱可塑性樹脂の融点よりも低い温度に設定することを特
    徴とする請求項1または2に記載の記録媒体用基板を製
    造する方法。
  4. 【請求項4】 請求項1から3の何れか一項に記載され
    た方法により製造された記録媒体用基板。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の記録媒体用基板を含む
    記録媒体。
  6. 【請求項6】 それぞれ所定の成形面を有する固定型と
    可動型との間に熱可塑性樹脂を射出して記録媒体用基板
    を製造可能な射出成形装置において、 前記固定型と前記可動型との間に配置可能であり、前記
    固定型の前記成形面および前記可動型の前記成形面の双
    方を昇温させることができる加熱ユニットを備え、この
    加熱ユニットは、 前記固定型の前記成形面に密着させることができる第1
    の加熱部と、 前記可動型の前記成形面に密着させることができる第2
    の加熱部と、 前記第1の加熱部と前記第2の加熱部とを前記可動型の
    移動方向に接近離間させる伸縮手段とを有していること
    を特徴とする射出成形装置。
  7. 【請求項7】 前記第1の加熱部と前記第2の加熱部と
    は、ヒータと、当該ヒータが発する熱を前記金型の成形
    面に伝える接触部とを含み、前記接触部は、前記成形面
    を形成する素材よりも低い硬度を有していることを特徴
    とする請求項6に記載の射出成形装置。
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