JP2002358697A - 記録媒体用基板の成形方法、記録媒体用基板及び記録媒体 - Google Patents

記録媒体用基板の成形方法、記録媒体用基板及び記録媒体

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JP2002358697A
JP2002358697A JP2001167087A JP2001167087A JP2002358697A JP 2002358697 A JP2002358697 A JP 2002358697A JP 2001167087 A JP2001167087 A JP 2001167087A JP 2001167087 A JP2001167087 A JP 2001167087A JP 2002358697 A JP2002358697 A JP 2002358697A
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JP2001167087A
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Katsunori Suzuki
克紀 鈴木
Yoichi Tei
用一 鄭
Shoji Sakaguchi
庄司 坂口
Isao Sekiguchi
功 関口
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチック基板表面に発生する成形欠陥の
発生を最小限に抑える記録媒体用基板の成形方法、記録
媒体用基板及び記録媒体を提供することを目的とする。 【解決手段】 熱可塑性樹脂を成形金型内に射出して成
形する記録媒体用基板の成形方法において、固定側金型
表面からの基板の離型時において、型開き開始0.2秒
以上前から離型ガスによる加圧を開始し、少なくとも型
開き開始後まで離型ガスを供給し続けることを特徴とす
る記録媒体用基板の成形方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂を用
いて作製された記録媒体用基板の成形方法に関するもの
である。具体的には、例えば、本発明はコンピュータの
外部記憶装置及びその他デジタルデータの各種記録装置
に搭載される記録媒体用基板の成形方法と、これを用い
て作製された記録媒体用基板及びこれらにより構成され
る記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】記録媒体としては、磁気記録媒体、光記
録媒体、及び光磁気記録媒体が知られている。
【0003】従来、磁気記録媒体(ハードディスク)の
磁気ディスク基板としては、Al基板のような非磁性金
属基板やガラス基板のようなセラミック基板などが用い
られてきた。
【0004】そして、高度な表面精度が要求される磁気
記録媒体に関しては、非磁性金属基板を使用した場合、
非磁性金属基板上にはスパッター法などによりCo合金
磁性層が形成されるが、走行方向に粒子の長軸を配向さ
せて磁気特性を向上させるために、基板表面にテクスチ
ャーをつける等の高度な精密加工が必要とされる。
【0005】このような磁気ディスク基板を具えた磁気
記録媒体の構成は多様であるが、例えば、基板を精密洗
浄した後、基板上に、DCスパッタ法によりCr下地層
50nm、Co−14Cr−4Ta磁性層30nm、カ
ーボン保護層8.0nmを順次形成し、表面にテープバ
ニッシュを行った後、ディップコート法またはスピンコ
ート法により厚さ2.0nmのフッ素系潤滑層を形成し
て、磁気記録媒体が形成される。
【0006】また、光記録媒体、例えばコンパクトディ
スクは、光ディスク基板の上に少なくとも反射層と保護
層とを含み、反射層からの反射光を用いて情報を読み書
きするものである。さらに、書き込み可能な光ディスク
(CD−R,CD−RW,PD等)は、光ディスク基板
の上に、少なくとも記録層、反射層、および保護層が積
層されており、記録層に対してレーザー光を用いて情報
の読み書きを行うものである。
【0007】さらに、光磁気記録媒体は、光磁気ディス
ク基板の上に、たとえば保護膜に狭持された磁性記録
層、反射膜および保護コートを具え、レーザー光と磁気
を用いて情報を記録し、磁性層によるレーザー光の反射
を用いて情報を読み出すものである。
【0008】上記の中でも特に磁気記録媒体(ハードデ
ィスク)に関して言えば、従来の磁気ディスク基板およ
び磁気記録媒体の製造方法は、近年の高密度化にしたが
って益々複雑化している。一方では、高機能を維持した
ままで従来以上に安価な磁気記録媒体が求められてい
る。この相反する要求を解決する磁気ディスク基板とし
て、プラスチックを用いた磁気記録媒体が提案されてい
る(例えば、特開平5−4231号公報、特開平5−6
535号公報、特開平5−28488号公報など〉。プ
ラスチック、例えば、ポリカーボネート、ポリアクリ
ル、ポリオレフィン等を用い、射出成形により磁気ディ
スク基板を作製することにより、作製プロセスを大幅に
短縮でき、成形時にCSSゾーン及びサーボパターンを
同時に形成できるため、生産性に優れ工業的に有利であ
り、その結果、安価な磁気記録媒体を提供することが可
能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、高度な形状安
定性及び表面精度が要求される磁気ディスク基板をプラ
スチックの射出成形により作製する場合には、金属、ガ
ラスあるいはセラミック基板から作製する場合と比較し
て、機械的強度が低いために仕上げ研磨(ラッピング、
ポリッシュ、バニッシュなど)ができない。したがっ
て、射出成形終了時に、磁気ディスク基板として必要な
レベルの表面精度(真直度・うねり・粗さなど)にまで
整える必要がある。しかし、射出成形に際しては、金型
から基板が離型する際に発生する成形欠陥を低減させる
ことができず、その成形欠陥が基板表面で大きな凹凸と
なってしまうために必要な表面精度が確保できないとい
う問題点があった。
【0010】記録密度の向上のために基板上数十nmの
高さを磁気ヘッドが浮上移動するハードディスクのよう
に、非常に高い表面精度が要求される記録媒体において
は、成形欠陥が多数発生した基板を用いると、磁気ヘッ
ドと記録媒体との間に所定の距離を維持することができ
ず、最悪の場合には磁気ヘッドが浮上せず、実際の読み
書きが行えないという問題を引き起こす。
【0011】本発明は、かかる従来の実情を鑑みて提案
したものであり、プラスチック基板表面に発生する成形
欠陥の発生を最小限に抑える記録媒体用基板の成形方
法、記録媒体用基板及び記録媒体を提供することを目的
とする。
【0012】なお、本発明は、どのようなプラスチック
製記録媒体用基板の形成方法にも適用することができ、
上記製法から得られた各種記録媒体用基板および各種記
録媒体にのみ適用されるものではないが、ハードディス
クに特に好適である。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
・目的を達成するために鋭意検討した結果、固定側金型
表面からの基板の離型時において、型開き開始0.2秒
以上前から、少なくとも型開き開始後まで離型ガスブロ
ー(以下、加圧開始から吹き抜けまでの一連を離型ガス
ブローと称す)し続けることにより、離型時に生じる成
形欠陥が大幅に減少することを見出した。また、その離
型ガスは除電され、かつ0.5μm以下のパーティクル
が1mあたり50個以下であると成形欠陥以外に、成
形後に基板に付着するパーティクルを低減でき、基板欠
陥を低減できることを見出した。さらに、該離型ガスが
含有する水分濃度を20ppm以下にすることにより、
水分蒸気が金型に付着し、それが乾燥した時に生じる欠
陥の増加を防止できることを見出した。
【0014】この条件を満たす射出成形を行い、基板を
作製することにより、ヘッド高さが25nmのGlid
e Height試験において、エラー箇所が1面あた
り10個以下、より好ましくは5個以下にまでの低減が
可能となることを見出し、上記目的を達成できる磁気デ
ィスク基板及び該磁気ディスク基板を用いた磁気記録媒
体が作製可能なことを見い出し、本発明を完成するに至
った。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において作製される記録媒
体用基板は、中心部に円形の孔を有する円盤の形状を有
することができる。中心部円形孔は、例えば、該記録媒
体用基板を用いた磁気記録媒体を磁気記録装置中に設定
する際に、スピンドルモータを取り付けるために用いら
れる。中心部円形孔及び円盤の径は、磁気記録装置の設
計に依存する。
【0016】本発明において用いられる射出成形におい
ては、当該技術において知られている射出成形装置を用
いることができる。樹脂の均一性を高めるためには、ス
クリュー式の射出成形装置を使用することが好ましい。
樹脂の溶融及び計量をスクリューを用いて行い、樹脂の
射出をプランジャーを用いて行うことも可能であるが、
溶融、計量及び射出の機能を集約したインラインスクリ
ュー式の射出成形装置を使用することが好ましい。本発
明で用いることができるインラインスクリュー式射出成
形装置の模式的断面図を図1に示す。このインラインス
クリュー式射出成形装置は、加熱手段14及び金型に対
する射出口16を具えた加熱シリンダ13と、該加熱シ
リンダ内にあり、樹脂の溶融、計量及び射出を行うため
の(可動)スクリュー11と、スクリュー11に対して
樹脂を供給する供給手段15(ホッパなど)と、スクリ
ュー11の計量及び射出駆動を行うためのスクリュー駆
動手段12とを具える。金型としては、分離可能な2つ
の部分(固定部17及び可動部18)からなる金型を用
い、さらに金型に型締め圧力を与え、可動部18を駆動
するための駆動手段19を具えることが好ましいが、そ
れに限定されるものではない。
【0017】本発明において用いることができる金型の
模式的断面図を図2に示す。図2(a)は、樹脂充填時
の金型を示し、図2(b)は、型開き直前の金型、図2
(c)は、型が開いた瞬間の金型を示す。金型内の樹脂
が流入する空間は、作製される基板形状に対応する空間
(以後、基板キャビティ22と称する)と、基板キャビ
ティと射出口16を連絡する空間(以後、スプル部キャ
ビティ23と称する)からなる。金型にはスプル部キャ
ビティ23を構成する部品(以後、スプル部21と称す
る)と基板キャビティ22に充填された樹脂とスプル部
キャビティ23の樹脂とを切り離す(ゲートカットす
る)ためのゲートカット手段24が設けられている。
【0018】本発明の記録媒体用基板を作製する際に
は、スクリュー11を有する射出装置を用いて溶融及び
計量された樹脂を、射出口16を通して図2(a)に示
す状態の金型へと射出して、スプル部21及び基板キャ
ビティ22に樹脂を充填する。その後、図2(b)に示
すように、ゲートカット手段24を用いてスプル部キャ
ビティ23と基板キャビティ部22の樹脂を切り離し、
冷却硬化させる。型開き直前に、スプル部と固定側金型
との間隙を通じて離型ガス20による加圧を開始し、ス
プル部外周円筒面に沿って基板内周部を加圧することに
より、図2(c)に示すように、基板が固定側金型より
離型し、可動側に移動する。この際、可動側金型と固定
側金型とが乖離する瞬間から加圧ガスが固定側金型と基
板表面との乖離部を通じて基板表面全面に亘って噴流す
ることにより、基板と金型との局所的な再密着を妨げ
る。その後、可動側からも離型させ、取出し機を用いて
基板を取出す。以上の工程により、記録媒体用基板は作
製される。
【0019】本発明の記録媒体用基板は、固定側金型か
らの離型エアのブローするタイミングを最適化すること
で、離型起因の成形欠陥を最低限に抑えることができ、
かつ、該離型ガスとして、パーティクルが少なく、かつ
イオン化されたものを用いることによって、基板に付着
するパーティクルを低減させ、基板欠陥が低減される。
さらに、該離型ガス中の水分濃度を20ppm以下にす
ることで、金型表面に付着する欠陥の増加を防止し、欠
陥の経時的な増加を防ぐことができる。
【0020】射出成形において離型起因の成形欠陥が発
生する原因として、基板が金型に強固に密着している部
分が局所的に存在している時に、可動側金型を開いてし
まうと、離型時にかかる力が、強く密着している部分と
そうでない部分の境界に集中し、凹凸形状が生じてしま
う。(これが、離型起因の成形欠陥である。)そこで、
基板と金型の接する部分全面において、密着力を減少さ
せ、かつ局所的な分布をなくした時点で、固定側金型と
可動側金型とを離すと離型欠陥の発生を最小限に抑える
ことが可能と考えられる。本発明者らは、離型ガスブロ
ーを型開き前の早いタイミングから始め、離型ガスが固
定側金型表面と基板面の固定側面との間の全面に行き渡
らせた状態にし、かつ可動側金型を開き始める時まで
は、少なくともエアをブローし続けることで、基板と金
型表面全面にわたって、密着力を低減させることが可能
となり、成形欠陥を大幅に低減できることを見出した。
【0021】本発明の磁気ディスク基板を作製する際に
は、固定側金型表面からの基板の離型時において、型開
き開始0.2秒以上前から、少なくとも型開き開始後ま
でガスブローし続ける。この条件を満たして成形を実施
する場合、成形欠陥を大幅に低減させることが可能とな
った。型開き開始前0.2秒より遅いタイミングにガス
ブローを開始した場合には、局所的に基板と金型表面が
密着した部分が残ることが多く、成形欠陥が多数発生し
てしまう。なお、型開き開始前0.3秒から0.7秒ま
での範囲でガスブローを始めることが好ましい。
【0022】パーティクルが少なく、かつイオン化され
たガスを離型ブローに用いることによって、基板に付着
するパーティクルを低減でき、基板欠陥が低減されるこ
とも見出した。0.5μm以下のパーティクルは、1m
あたり50個以下にすることが好ましい。
【0023】ただし、前述の条件を満たす離型ガスであ
っても、完全にパーティクルの除去は困難であり、基板
欠陥が発生することがあるため、ガスブロー時間は、必
要最小限であることが好ましく、ブロー終了時間は、型
開き開始後0.05秒以上0.2秒以下の範囲内にする
ことがより好ましい。
【0024】また、離型エアとしては、大気成分あるい
は不活性ガスを使用することができるが、ガス中の水分
濃度を低減させたガスを使用することが好ましい。水分
蒸気がガスと同時に基板にブローされた際に、蒸気が金
型表面に付着し、その水分が蒸発することで、水分中に
含まれる不純物が残さとして金型表面に付着し、金型表
面欠陥となってしまう。この金型表面欠陥は、一度発生
してしまうと、それ以降の成形基板に全て転写されてし
まう。さらに、水分濃度が高い状態のガスを用いた場合
は、この欠陥が増加していき、基板欠陥が非常に多くな
ってしまうことから、それを防止するためには、水分濃
度が20ppm以下であることが好ましい。
【0025】上記のようにして作製された磁気ディスク
基板を用いて作製された磁気記録媒体は、ヘッド高さが
25nmのGlide Height(以下GHとす
る。)試験において、エラー箇所が1面あたりl0個以
下、より好ましくは、1面あたり5個以下となる。
【0026】また、上記のように作製された磁気ディス
ク基板に対してアニール処理を施すことにより、基板内
に残留する応力を緩和することが好ましい。アニール処
理は、(Tg−70)℃以上(Tg−15)℃以下の温
度(Tgは、樹脂のガラス転移温度を意味する)におい
て、0.5時間から48時間にわたって行うことが好ま
しい。樹脂の劣化及び基板の局所的形状変化をもたらさ
ないことを条件として、アニール処理温度は可能な限り
高いことが好ましい。アニール処理は、大気雰囲気下あ
るいは低酸素雰囲気下で行うことができる。また、アニ
ール処理中に基板自重による撓みが発生することを防止
するために、基板を縦置きにしてアニール処理を行うこ
とが好ましい。十分なアニールを行うことにより残留応
力を減少させ、残留応力の経時的な開放による形状変化
を最小限とし、かつ局所的な変形の発生を防止すること
ができる。
【0027】本発明において用いられる熱可塑性樹脂
は、一般的に光磁気ディスク基板に使用されているポリ
カーボネート樹脂やポリメチルメタクリレート樹脂の他
にポリオレフィン系樹脂を含む。特に高耐熱性・低吸湿
性で、剛直構造のポリオレフィン系樹脂、例えばノルボ
ルネン系ポリシクロオレフィン樹脂などを用いることが
望ましい。また、樹脂構造に由来したガラス転移点(以
後、Tgと称する。)は,135℃〜170℃であり、
この範囲でTgが大きいほど望ましい。
【0028】上記のように作製した磁気ディスク基板を
用いて磁気記録媒体を作製する際には、少なくとも該基
板上に磁気記録層を積層する。また、必要に応じて、下
地層、保護層、潤滑層などを設けることができる。用途
に依存して、前述のような層を磁気ディスクの片面また
は両面上に設けて、それぞれ片面及び両面磁気記録媒体
を得ることができる。
【0029】ハードディスク装置などに従来一般に用い
られている水平記録方式の磁気記録媒体を作製する場合
には、下地層、磁気記録層、保護層、潤滑層をこの順に
設けることが好ましい。磁気記録層の性能向上などを目
的として、下地層と磁気記録層との間に、中間層を設け
ても良い。また、記録密度向上の可能性などによって近
年注目を集めている垂直記録方式の磁気記録媒体を作製
する場合には、下地層、軟磁性裏打ち層、磁性記録層、
保護層、潤滑層をこの順に設けることが好ましい。この
場合にも、記録特性などの向上を目的として、下地層と
軟磁性裏打ち層との間、及び/または軟磁性裏打ち層と
磁性記録層との間に、中間層を設けても良い。
【0030】上記の各層は、当該技術において知られて
いる任意の材料から作製することができる。例えば、下
地層はCrまたはCrを主とする合金の非磁性金属材料
から作製することができ、磁性記録層はCo及びCrを
主とする合金磁性材料から作製することができ、及び保
護層は炭素(特にダイヤモンド様炭素)などから作製す
ることができ、軟磁性裏打ち層は、非晶質Co合金、N
iFe合金、あるいはセンダスト(FeSiAl)合金
などを用いて作製することができる。中間層として、T
iまたはTiCr合金などの材料を用いても良い。
【0031】潤滑層を除く上記の各層は、スパッタ法、
蒸着法、CVD法などの従来知られている方法によって
磁気ディスク基板上に積層することができる。特に、ス
パッタ法を用いることが好ましい。また、潤滑層は、デ
ィップコート、スピンコート、吹き付けなどの方法によ
り作製することができる。
【0032】高耐熱性熱可塑性樹脂を用い、本発明の条
件を満たして射出成形することにより、基板欠陥を大幅
に低減させた磁気ディスク基板を作製することができ
る。該磁気ディスク基板を用いることにより、ヘッドの
浮上性に優れた磁気記録媒体を提供することが可能とな
る。
【0033】
【実施例】以下に、本発明を適用した具体的な実施例に
ついて図面を参照しながら詳細に説明する。
【0034】(実施例1)市販されている最大型締力7
0tの射出成形装置を用いて、成形を行った。樹脂とし
てノルボルネン系ポリオレフィン樹脂(Tg=138
℃)を用いて、樹脂温度320℃、射出速度120mm
/秒.、型締め圧力120kg/cm(約11.8M
pa)、金型温度(固定側/可動側)=110℃/11
0℃、ゲートカットのタイミングが樹脂充填終了後より
0.2秒という成形条件にて射出成形を行った。固定側
離型ガスは、型開き開始前0.8秒から1秒間ブローし
た。その離型ガスは、スプル部と固定側金型との間隙を
通して、直径29mmの基板内周部に吹き付け、常温に
て5気圧(約0.5Mpa)、0.5μm以下のパーテ
ィクルが1m当り30個で、かつイオン化している。
なお、該ガス水分濃度は、8ppmである。その後、1
時間以内に、大気雰囲気下で、基板を縦置きに保持した
状態にて、10時間にわたって90℃のアニールを行
い、直径95mm、厚さ1.27mmの寸法を有する円
盤状の磁気ディスク基板を得た。その基板上にDCスパ
ッタ法により下地層50nm、CoCrTa磁性層(C
o:Cr::Ta=82:14:4)を30nm、カー
ボン保護層を8nmと順次成膜し、さらにスパッタ後の
表面にテープバニッシュを行い、フッ素系潤滑剤(アウ
ジモント製FOMBLlN Z−DOL)をスピンコー
ト法で2nm形成し、磁気記録媒体を得た。
【0035】(実施例2)固定側離型ガスを、型開き開
始前0.6秒から0.9秒間ブローした以外は、実施例
1と同様にして磁気記録媒体を得た。
【0036】(実施例3)固定側離型ガスを、型開き開
始前0.4秒から0.9秒間ブローした以外は、実施例
1と同様にして磁気記録媒体を得た。
【0037】(実施例4)固定側離型ガスを、型開き開
始前0.4秒から0.5秒間ブローした以外は、実施例
1と同様にして磁気記録媒体を得た。
【0038】(実施例5)固定側離型ガスを、型開き開
始前0.4秒から0.7秒間ブローした以外は、実施例
1と同様にして磁気記録媒体を得た。
【0039】(実施例6)固定側離型ガスの水分濃度
が、8ppmである以外は、実施例4と同様にして磁気
記録媒体を得た。
【0040】(比較例1)固定側離型ガスを、型開き開
始前0.2秒から0.9秒間ブローした以外は、実施例
1と同様にして磁気記録媒体を得た。
【0041】(比較例2)固定側離型ガスを、型開き開
始と同時のタイミングから0.9秒間ブローした以外
は、実施例1と同様にして磁気記録媒体を得た。
【0042】(比較例3)固定側離型ガスを、型開き開
始後0.2秒から0.9秒間ブローした以外は、実施例
1と同様にして磁気記録媒体を得た。
【0043】(比較例4)固定側離型ガスを、型開き開
始後0.4秒から0.1秒間ブローした以外は、実施例
1と同様にして磁気記録媒体を得た。
【0044】(比較例5)固定側離型ガスを、型開き開
始後0.4秒から0.3秒間ブローした以外は、実施例
1と同様にして磁気記録媒体を得た。
【0045】(比較例6)固定側離型ガスを、型開き開
始後0.2秒から1秒間ブローした以外は、実施例1と
同様にして磁気記録媒体を得た。
【0046】(比較例7)固定側離型ガスが、0.5μ
m以下のパーティクルが1m当り150個含んでいる
以外は、実施例4と同様にして磁気記録媒体を得た。
【0047】(比較例8)固定側雛型ガスが、0.5μ
m以下のパーティクルが1m当り1,000個含んで
いる以外は、実施例4と同様にして磁気記録媒体を得
た。
【0048】(比較例9)固定側離型ガスを、イオン化
していない以外は、実施例4と同様にして磁気記録媒体
を得た。
【0049】(比較例10)固定側離酬の水分濃度が2
5ppmである以外は、実施例4と同様にして磁気記録
媒体を得た。
【0050】(比較例11)固定側離型ガスの水分濃度
が100ppmである以外は、実施例4と同様にして磁
気記録媒体を得た。
【0051】―評価方法― ヘッドの浮上高さ25nmに設定し、測定範囲を半径2
0−45mm,PlTCH:50μmで、固定側金型表
面を転写されたことによって作製された磁気記録媒体の
表面において、GHエラー個数の評価を、ソニー・テク
トロニクス製のハードディスク・メディアテスト・シス
テム(DS3400−2型)を用いて行った。
【0052】―実験結果― ガスブロー開始のタイミングとGH試験におけるエラー
個数を図3に示す。ガスブロー開始のタイミングは、型
開き開始のタイミングを0とし、型開き開始よりも早い
タイミングからブローを始める時を−、遅いタイミング
から始める時を+としてプロットしている。図3から明
らかなように、ガスブローの開始のタイミングが、型開
き開始のタイミングの0.2秒前より遅い場合は、GH
エラー数が急激に増加することが分かった。この結果
は、離型ガスを型開き開始のタイミングの0.2秒以上
早いタイミングからブローし始めなければ、基板と金型
表面間の全周に、ガスが行き渡らず、基板が金型に強固
に密着している部分を局部的に残留させてしまい、その
部分が離型時に凹凸となり、成形欠陥となってしまうこ
とを示している。したがって、離型ガスは、少なくとも
型開き開始前0.2秒以前のタイミングからブローしな
くてはいけないことが分かった。
【0053】次に、ブロー開始のタイミングを型開き開
始前0.4秒に固定して、ブロー時間を変化させた実験
の結果を図4に示す。ブロー時間が0.3秒以下では、
GHエラー数が大きく増加してしまうことが分かる。こ
れは、離型ガスは、型開きするまでブローし続けなくて
は、基板と金型が再付着し、局所的に密着力の強い部分
が発生してしまうからと思われる。また、反対に、ブロ
ーの時間を0.5秒間以上に長くしても、僅かながら欠
陥数は増加傾向である。これは、エアブロー時間を長く
したことによって、エア中のパーティクルが飛散する時
間が長くなり、パーティクルが基板表面に付着したこと
によって発生した欠陥の増加と考えられる。したがっ
て、離型ガスブローは、基板と金型表面の全面にガス層
ができる時間までは長くしなくてはいけないが、それ以
上にすると反対にガス中のパーティクルが基板表面に付
着してしまい、欠陥が増加傾向となる。したがって、型
開き開始より0.3秒から0.7秒前の間にガスブロー
を開始し、かつ型開き開始後0.05秒から0.2秒の
範囲まで、ブローするのが好ましい。
【0054】図5に、離型ガス中の0.5μm以下のパ
ーティクル個数とGHエラー数をプロットした結果を示
す。この結果からは、離型ガス中のパーティクル数が多
いと、基板へ多量のパーティクルが付着し、それが基板
欠陥となり、GHエラーが多数発生してしまうことが分
かる。したがって、離型ガス中の0.5μm以下のパー
ィクル個数は、1m当り50個以下に低減させること
が好ましい。
【0055】図6には、離型ガスをイオン化したものと
そうでないものとの比較結果を示す。この結果から、イ
オン化ブローを用いた方が、GHエラーが低減すること
が分かる。これは、イオン化されたガスを使用する方
が、基板へのパーティクル付着を低減できることを示し
ている。
【0056】図7には、ガス中の水分濃度と成形ショッ
ト数によるGHエラー数の増加の関係を示す。ガス中の
水分濃度が大きい場合は、GHエラー数がショット数と
ともに大きな増加を示すことが見て取れる。これは、水
分蒸気がガスと同時に基板にブローされた際に、蒸気が
金型表面に付着し、その水分が蒸発することで、水分中
に含まれる不純物が残さとして金型表面に付着し、それ
が金型表面欠陥となり、それが基板に転写されることで
欠陥が多数発生してしまうからと考えられる。しかしな
がら、ガス中の水分濃度を8ppmまで低減させると、
欠陥の増加は、ほとんど発生しなかった。したがって、
この結果から、ガス中の水分濃度を低減させることで、
金型表面に付着する欠陥及びGHエラーの増加を抑止で
きる。
【0057】本発明の成形条件である型開き開始0.2
秒以上前から、かつ少なくとも型開き開始後まで離型エ
アをブローする、より好ましくは、型開き開始より0.
3秒から0.7秒前にガスブローを開始し、かつ型開き
開始後0.05秒から0.2秒の範囲までガスブロー
し、離型時に用いる該エアを、イオン化し、0.5μm
以下のパーティクルを1mあたり50個以下にし、か
つ水分濃度を20ppm以下にすることにより、ヘッド
浮上高さ25nmのグライドハイト試験において、面あ
たり10個以下のGHエラーであるプラスチック磁気デ
ィスク基板を得ることができる。この結果から、本発明
によりヘッドの浮上特性に優れた磁気ディスク基板及び
該基板を用いた磁気記録媒体の作製が可能となる。
【0058】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係わる記録媒体用基板は、固定側金型表面からの基板
の離型時において、型開き開始0.2秒以上前から、か
つ少なくとも型開き開始後まで、より好ましくは、型開
き開始より0.3秒から0.7秒前にガスブローを開始
し、かつ型開き開始後0.05秒から0.2秒の範囲ま
でガスブローするという条件で射出成形することにより
作製される。なお、該ガスはイオン化され、かつ0.5
μm以下のパーティクルが1m当り50個以下であ
り、かつ水分濃度が20ppm以下であるものを使用す
る。これらの方法によって磁気ディスク基板を作製する
と、ヘッド高さが25nmのGlide Height
試験において、エラー箇所が1面あたり10個以下、よ
り好ましくは5個以下とすることが可能となる。したが
って、本発明によって作製された磁気ディスク基板を有
する磁気記録媒体は、ヘッド浮上特性に優れたものとな
る。
【0059】また、本発明の方法により、ディスク基板
上に欠陥が非常に少ないプラスチック製磁気ディスク基
板を大量かつ安価に生産することが可能となり、ひいて
はプラスチック製磁気ディスク基板を用いた磁気記録媒
体を大量かつ安価に製造することが可能となる。したが
って、本発明の工業的な価値は大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】射出成形装置の一例を示す概念断面図である。
【図2】成形の際の金型及びゲートカットの動きを示す
状態遷移図である。
【図3】ガス加圧開始のタイミングとGHエラー数の関係
を示す図である。
【図4】離型ガスの吹出し時間とGHエラー数の関係を示
す図である。
【図5】ガス中0.5μm以下のパーティクル個数とGH
エラー数の関係を示す図である。
【図6】GHエラー数に関するイオン化離型ガスと通常の
離型ガスとの比較を示す図である。
【図7】ガス中の水分濃度と成形ショット数によるGHエ
ラー数の増加の関係を示す図である。
【符号の説明】
11 スクリュー 13 加熱シリンダ 16 射出口 17 金型固定部 18 金型可動部 20 離型ガス 21 スプル部 22 基板キャビティ 23 スプル部キャビティ 24 ゲートカット手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂口 庄司 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 関口 功 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 Fターム(参考) 4F202 AG19 AH38 AH79 AR11 CA11 CB01 CM08 4F206 AG19 AH38 AH79 AR11 JA07 JM06 JN41 JQ81 5D121 AA02 DD05 DD13 DD18 DD20 GG30

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂を成形金型内に射出して成
    形する記録媒体用基板の成形方法において、固定側金型
    表面からの基板の離型時において、型開き開始0.2秒
    以上前から離型ガスによる加圧を開始し、少なくとも型
    開き開始後まで離型ガスを供給し続けることを特徴とす
    る記録媒体用基板の成形方法。
  2. 【請求項2】 固定側金型表面からの基板の離型時にお
    いて、型開き開始より0.3秒から0.7秒前に離型ガ
    スによる加圧を開始し、かつ少なくとも型開き開始後
    0.05秒から0.2秒までの範囲で離型ガスを供給し
    続けることを特徴とする請求項1に記載された記録媒体
    用基板の成形方法。
  3. 【請求項3】 金型表面からの基板の離型時に加圧する
    離型ガスにおいて、粒径0.5μm以下のパーティクル
    が1m当り50個以下であることを特徴とする請求項
    1又は2のいずれかに記載された記録媒体用基板の成形
    方法。
  4. 【請求項4】 金型表面からの基板の離型時に加圧する
    離型ガスにおいて、含有する水分濃度が20ppm以下
    であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記
    載された記録媒体用基板の成形方法。
  5. 【請求項5】 金型表面からの基板の離型時に加圧する
    離型ガスが、イオン化されていることを特徴とする請求
    項1乃至4のいずれかに記載された記録媒体用基板の成
    形方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載された
    方法により成形された記録媒体用基板。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載された基板を有する記録
    媒体。
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