JPH10302256A - ディスク用基板の成形用金型及びその製造方法 - Google Patents

ディスク用基板の成形用金型及びその製造方法

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JPH10302256A
JPH10302256A JP10951097A JP10951097A JPH10302256A JP H10302256 A JPH10302256 A JP H10302256A JP 10951097 A JP10951097 A JP 10951097A JP 10951097 A JP10951097 A JP 10951097A JP H10302256 A JPH10302256 A JP H10302256A
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molding
concave
forming
convex
magnetic disk
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JP10951097A
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English (en)
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Hideki Oyanagi
英樹 大柳
Osami Morita
修身 森田
Takehisa Ishida
武久 石田
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適切なヘッドスライダの接触領域を有し、か
つ接触領域から情報記録領域へ移動する際のヘッドスラ
イダの姿勢変化を小さくしたディスクに用いる基板の成
形用金型及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 表面に情報を記録するための凹凸部が形
成され、その内周部若しくは外周部にヘッドスライダが
接触するための凸形状のピット列が形成されているディ
スクに用いる基板の成形用金型10であって、前記凹凸
部を成形するための凹凸形状11bの高さと前記ピット
列を成形するための凹凸形状11aの高さが異なる凹凸
形状を成形面11に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、情報記録ディス
クに用いる基板の成形用金型及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】情報記録ディスクの1つである磁気ディ
スクの高密度化は年々スピードを増しており、近年にお
いては60%/年の増加率で進められている。この高密
度化は、磁気ヘッドとしてMRヘッドを採用したり、磁
気ディスクの磁性媒体材料を改良することによって可能
であるが、その他に、磁気ディスクと磁気ヘッドとの距
離(スペイシング)を小さくすること、例えば50nm
を切るような値とすることによっても可能である。
【0003】このようなスペイシングを達成するために
は、磁気ディスクの表面をそのスペイシング以下の表面
粗さ、例えば鏡面にする必要がある。ところが、通常の
磁気ディスク装置では、そのスタート時とストップ時に
磁気ディスクと磁気ヘッドが搭載されているヘッドスラ
イダとが接触状態にある、いわゆるCSS(コンタクト
スタートストップ)を採用しているため、磁気ディスク
の表面を鏡面にすると磁気ディスクとヘッドスライダの
真接触面積が増大し、スティクションを起こしてしま
う。
【0004】この磁気ディスクの鏡面化とCSSとを両
立させるため、近年の磁気ディスク装置では磁気ディス
クに情報記録領域(データゾーン)の他に磁気ディスク
と磁気ヘッドが搭載されているヘッドスライダとが接触
する接触領域(CSSゾーン)を設けている。即ち、デ
ータの読み書きを行うデータゾーンは鏡面化し、ヘッド
スライダが接触するCSSゾーンはスティクションが起
こらない程度に粗面化(テクスチャ)することにより、
磁気ディスクの鏡面化とCSSとを両立させている。こ
のテクスチャ方法としては、CSSゾーンにおける磁気
ディスク用基板表面を研磨テープで研磨する研磨法を用
いるのが一般的である。
【0005】ところが、この方法を用いると、データゾ
ーンの平均高さ面(浮上量基準面)よりCSSゾーンの
平均高さ面(浮上量基準面)が低くなる。従って、CS
Sゾーンでは浮上しているヘッドスライダが、CSSゾ
ーンからデータゾーンに移動する際に傾いたり、極端な
場合にはクラッシュすることがあるという欠点がある。
【0006】この欠点を解決するために、磁気ディスク
用基板をアルミニウムで形成し、CSSゾーンにおける
磁気ディスク用基板表面にレーザ光を照射してクレータ
状の凸部を形成する方法が提案されている(”Lase
r Texturing for low−fly−h
eight media”,R.Ranjan,J.A
ppl.Phys.69(8),15 April 1
991参照)。この方法では、凸部の密度を調節するこ
とにより、CSSゾーンの平均高さ面(浮上量基準面)
とデータゾーンの平均高さ面(浮上量基準面)との差を
調節できるので、CSSゾーンからデータゾーンへのヘ
ッドスライダの移動も何ら障害なく行うことが可能とな
る。
【0007】ところが、磁気ディスクのCSSゾーンに
凸部を形成する場合、レーザ光を透過させない金属等の
不透明な磁気ディスク用基板から成る磁気ディスクに適
用することはできるが、レーザ光が透過するようなガラ
スや樹脂等の透明な磁気ディスク用基板から成る磁気デ
ィスクには適用することができないという問題があっ
た。
【0008】そこで、透明な磁気ディスク用基板から成
る磁気ディスクでもCSSゾーンに凸部を形成すること
ができる方法として、光ディスク等で使用するスタンパ
を用いた射出成形法が提案されている。この方法は、先
ず、磁気ディスク用基板上のCSSゾーンの凸部を形成
する領域に対応するスタンパの領域に凹状の窪みを形成
し、このスタンパを用いて樹脂を射出成形する。これに
より、凹状の窪みに樹脂が充填されるので、磁気ディス
ク用基板上のCSSゾーンに凸部(凸形状のピット列)
を形成することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したスタンパによ
り成形される磁気ディスク用基板は、データゾーンが平
滑(フラット)に形成されている磁気ディスクに適用す
る場合は問題ないが、データゾーンが凹凸(ディスクリ
ート)に形成されているディスクリート型磁気ディスク
に適用する場合は、以下の問題がある。即ち、情報はデ
ィスクリート型磁気ディスク上において可能な限り広い
面積の部分に記録された方が記録再生精度が向上するた
め、データゾーンにおいては凸部の面積の方が凹部の面
積より大きくなるように形成されている。
【0010】このようなディスクリート型磁気ディスク
に形成されるCSSゾーンのピットの高さとデータゾー
ンの凸部の高さは、スタンパを作成するときに塗布した
レジストの厚みで決定され、これは一定となる。従っ
て、CSSゾーンにおけるヘッドスライダの浮上量とデ
ータゾーンにおけるヘッドスライダの浮上量を同一にし
ようとすると、負荷容量(ヘッドスライダの浮上に寄与
する凸部の面積)をCSSゾーンとデータゾーンとで同
一にしなければならず、ヘッドスライダとピットとの真
実接触面積が大きくなってしまい、ヘッドスライダの張
り付きが生じやすくなるという問題があった。
【0011】逆に、ヘッドスライダの張り付きを防止す
るためにピットの面積を小さくすると、CSSゾーンで
の負荷容量が小さくなってヘッドスライダの浮上量が低
下し、ヘッドスライダがCSSゾーンからデータゾーン
へ移動する際の姿勢変化が大きくなり、極端な場合には
ヘッドスライダがクラッシュする場合があるという問題
があった。
【0012】この発明は、上述した事情から成されたも
のであり、適切なヘッドスライダの接触領域を有し、か
つ接触領域から情報記録領域へ移動する際のヘッドスラ
イダの姿勢変化を小さくしたディスクに用いる基板の成
形用金型及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は、この発明に
あっては、表面に情報を記録するための凹凸部が形成さ
れ、その内周部若しくは外周部にヘッドスライダが接触
するための凸形状のピット列が形成されているディスク
に用いる基板の成形用金型であって、前記凹凸部を成形
するための凹凸形状の高さと前記ピット列を成形するた
めの凹凸形状の高さが異なる凹凸形状を成形面に形成す
ることにより達成される。
【0014】上記構成によれば、接触領域でのピット列
の高さと情報記録領域での凹凸部の高さが異なるので、
ヘッドスライダが接触領域から情報記録領域に移動する
際に安定した浮上姿勢を維持することができ、ディスク
の信頼性を高めることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述
べる実施形態は、この発明の好適な具体例であるから、
技術的に好ましい種々の限定が付されているが、この発
明の範囲は、以下の説明において、特にこの発明を限定
する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるもの
ではない。
【0016】図1(A)、(B)は、この発明のディス
ク用基板の成形用金型の実施形態を示す側面図及び平面
図である。この成形用金型10は、硬度が高く耐熱性に
優れた例えばコバルトレス超微粒子タングステン合金や
ステンレス(JIS SUS440系)等で成り、その
成形面11には上述したディスクリート型磁気ディスク
のCSSゾーンのピット列やデータゾーンの凹凸部等を
成形するための凹凸形状11a、11bが予め設けられ
ている。
【0017】この成形用金型10は、例えば射出成形機
や圧縮成形機等に備えられ、スタンパを用いずにディス
クリート型磁気ディスクに用いる基板を直接成形するこ
とができるものである。例えば射出成形機について説明
すると、図2に示すように、固定部には固定金型を構成
する固定側の成形用金型10aが金型保持部50aを介
して取り付けられ、可動部には可動金型を構成する可動
側の成形用金型10bが金型保持部50bを介して取り
付けられている。
【0018】固定側の成形用金型10aの一端面には、
樹脂が充填されるキャビティが設けられている。さら
に、固定側の成形用金型10aの他端面からキャビティ
の中央に貫通し、キャビティ内に樹脂を導くためのゲー
ト52aを有するゲートブロック52が備えられてい
る。可動側の成形用金型10bの一端面にも、樹脂が充
填されるキャビティが設けられている。さらに、可動側
の成形用金型10bの他端面からキャビティの中央に貫
通し、磁気ディスク用基板のセンター穴となる部分を切
断するカッタ53及びその部分を押し出すコア54が備
えられている。
【0019】このような射出成形機によれば、1組の成
形用金型10から多数の磁気ディスク用基板を作成する
ことが可能であるため、テクスチャのばらつきがほとん
ど無く、1枚毎に行うテクスチャの検査や管理という工
程を省略することができる。尚、磁気ディスク用基板の
樹脂材料としては、例えばCD(コンパクトディスク)
に使われているPC(Poly Carbonat
e)、光ディスクに使われることもあるAPO(Amo
rphous Poly Olefin)系樹脂、ビデ
オディスクに使われているPMMA(Poly Met
yl MetaAcrylate)等が用いられる。
【0020】図3は、上述した成形用金型10を用いて
成形した磁気ディスク用基板によるディスクリート型磁
気ディスクの一例を示す平面図、図4は、その表面の斜
視図、図5は、その断面側面図である。このディスクリ
ート型磁気ディスク3は、外周側に円環状にCSSゾー
ン3aが設けられ、CSSゾーン3aの内周側にデータ
ゾーン3bが円環状に設けられている。そして、図4及
び図5に示すように、CSSゾーン3aには、矩形の凸
形状のピット3pの列が同心円環状に形成されている。
また、データゾーン3bには、凹凸部(ディスクリー
ト)、即ち凸形状のデータトラック3t及び凹形状のガ
ードバンド3gが同心円環状に形成されている。尚、C
SSゾーン3aは、磁気ディスク用基板の内周側に円環
状に設けても良い。また、ピット3pの形状は、円柱状
等任意に選択することが可能である。
【0021】ここで、CSSゾーン3a及びデータゾー
ン3bにおけるヘッドスライダの浮上安定性を確保でき
る凹凸の形成比率や高さを決定するため、ヘッドスライ
ダの浮上量と、ディスクリート型磁気ディスク3に形成
される凸部の面積と凹部の面積との比率(凸部の面積/
凹部の面積)との関係を調べた結果を図6に示す。とこ
ろで、ディスクリート型磁気ディスク3のCSSゾーン
3aへのヘッドスライダの張り付きを防止するために
は、CSSゾーン3aに形成される凸部の面積と凹部の
面積との比率を1:2、即ち凸部の面積/凹部の面積=
1/2とする必要があるので、このときのヘッドスライ
ダの浮上量は40nmとなる。
【0022】また、ディスクリート型磁気ディスク3と
磁気ヘッドとのスペイシングは50nm以下とすること
が望まれていることから、ヘッドスライダの浮上量を5
0nmとするには、ディスクリート型磁気ディスク3の
データゾーン3bに形成される凸部の面積と凹部の面積
との比率を2:1、即ち凸部の面積/凹部の面積=2と
する必要がある。従って、ヘッドスライダがCSSゾー
ン3aからデータゾーン3bに移動する際のヘッドスラ
イダの姿勢変化を無くすには、CSSゾーン3aに形成
される凸部、即ちピット3pの高さは、データゾーン3
bに形成される凸部、即ちデータトラック3dの高さよ
り10nm高くする必要がある。例えば、データゾーン
3bに形成されるデータトラック3dの高さが200n
mの場合、CSSゾーン3aに形成されるピット3pの
高さは210nmとなる。
【0023】以上より、このようなディスクリート型磁
気ディスク3を作成するための成形用金型10における
CSSゾーン3aに対応する領域に形成される凸部の面
積と凹部の面積との比率を2:1、即ち凸部の面積/凹
部の面積=2となり、データゾーン3bに対応する領域
に形成される凸部の面積と凹部の面積との比率を1:
2、即ち凸部の面積/凹部の面積=1/2となる。ま
た、CSSゾーン3aに対応する領域に形成されるピッ
ト3pの高さは、データゾーン3bに対応する領域に形
成されるデータトラック3dの高さより10nm高くな
る。
【0024】上述したディスクリート型磁気ディスク3
の磁気ディスク用基板を作成するための成形用金型10
の製造方法の一例について図7〜図11を参照して説明
する。先ず、ディスクリート型磁気ディスク3のデータ
ゾーン3bの凸形状のデータトラック3t及び凹形状の
ガードバンド3gを成形するための凹凸形状の形成工程
について説明する。
【0025】コバルトレス超微粒子タングステン合金で
成る板材を、図1に示すような成形用金型10の母材
(例えば厚さ15mm、内径12mm、外径52mm)
20に研削加工する。そして、成形用金型10の成形面
11となる母材20の表面20aを、例えば平面度が5
00nm以下、平行度が1μm以下となるように研磨加
工する(図7(A))。研磨加工した母材20の表面2
0aに、射出成形圧力に耐えられるような硬度を有する
と共に射出成形温度に耐えられるような耐熱性を有し、
かつ樹脂との離型性に優れた材料、例えばイリジウムか
ら成る離型膜層21をスパッタリング法により成膜す
る。尚、スパッタリング法の代わりに真空蒸着法等を用
いても良い。そして、離型膜層21の表面21aを、例
えば平面度が500nm以下、平行度が1μm以下、面
粗さが2nm〜3nmとなるように研磨加工する(図7
(B))。
【0026】研磨加工した離型膜層21の表面21a
に、レジスト22をスピンコート法等により0.43μ
mの厚さで均一に塗布し、塗布したレジスト22を80
゜Cで60分間程度加熱してプリベークする(図7
(C))。レジスト22をプリベークした後、レジスト
22の表面22aにおけるディスクリート型磁気ディス
ク3のデータゾーン3bに対応する領域に、データトラ
ック3t及びガードバンド3gとなる凹凸部のパターン
をレーザ露光装置23を用いて描画する。その際、レジ
スト22がネガ型レジストであれば、レーザ光Lが照射
されていない箇所が現像した際に流れ落ちるので、デー
タトラック3tとなる箇所及びCSSゾーン3aに対応
する領域にレーザ光Lを照射し、ガードバンド3gとな
る箇所にレーザ光Lを照射しないようにしてパターンを
描画する(図8(D))。
【0027】データトラック3t及びガードバンド3g
となる凹凸部のパターンを描画した後、レジスト22を
現像液に所定時間、例えば90秒間浸漬して現像する。
これにより、レーザ光Lが照射された箇所のレジスト2
2が残る(図8(E))。レジスト22を現像した後、
残存したレジスト22を120゜Cで60分間程度加熱
してポストベークする。レジスト22をポストベークし
た後、露出した離型膜層21を電子ビームイオンエッチ
ング法により200nmエッチングする(図8
(F))。このとき残ったレジスト22も多少エッチン
グされる。
【0028】この電子ビームイオンエッチング法は、電
圧で加速させたイオンを被エッチング物に衝突させ、そ
の衝突エネルギで被エッチング物を加工する方法であ
る。従って、適当な加速電圧とイオン照射時間を選択す
ることにより、所定の加工量を得ることができる。尚、
このような物理的イオンエッチングの他に化学的エッチ
ングによっても同様に行うことができる。そして、離型
膜層21をエッチングした後(図9(G))、残ったレ
ジスト22をアセトン等の溶剤で剥離し、ディスクリー
ト型磁気ディスク3のデータゾーン3bの凸形状のデー
タトラック3t及び凹形状のガードバンド3gに対応す
る凹凸形状が形成された成形用金型10とする(図9
(H))。
【0029】次に、ディスクリート型磁気ディスク3の
CSSゾーン3aのピット3pを成形するための凹凸形
状の形成工程について説明する。ディスクリート型磁気
ディスク3のデータゾーン3bの凸形状のデータトラッ
ク3t及び凹形状のガードバンド3gを成形するための
凹凸形状が形成された離型膜層21の表面21aにレジ
スト24をスピンコート法により0.43μmの厚さで
均一に塗布する(図10(I))。
【0030】レジスト24を塗布した後、レジスト24
の表面におけるディスクリート型磁気ディスク3のCS
Sゾーン3aに対応する領域に、ピット3pとなる凹凸
のパターンをレーザ露光装置23を用いて描画する。そ
の際、レジスト24がポジ型レジストであれば、レーザ
光Lが照射された箇所が現像した際に流れ落ちるので、
ピット3pとなる箇所にレーザ光Lを照射し、ピット3
p以外の箇所及びデータゾーン3bに対応する領域にレ
ーザ光Lを照射しないようにしてパターンを描画する
(図10(J))。ピット3pとなる凹凸のパターンを
描画した後、レジスト24を現像液に所定時間、例えば
90秒間浸漬して現像する。これにより、レーザ光Lが
照射されていない箇所のレジスト24が残る(図10
(K))。
【0031】レジスト24を現像した後、残存したレジ
スト24を120゜Cで60分間程度加熱してポストベ
ークする。レジスト24をポストベークした後、露出し
た離型膜層21をドライエッチング法により210nm
エッチングする(図11(L))。このとき残ったレジ
スト24も多少エッチングされる。このドライエッチン
グ法は、減圧下の活性ガスプラズマを利用して被エッチ
ング物を加工する方法である。そして、離型膜層21を
エッチングした後(図11(M))、残ったレジスト2
4をアセトン等の溶剤で剥離し、ディスクリート型磁気
ディスク3のCSSゾーン3aのピット3pを成形する
ための凹凸形状が形成された成形用金型10とする(図
11(N))。
【0032】このようにして作成した固定側及び可動側
の成形用金型によりディスクリート型磁気ディスク3の
磁気ディスク用基板を成形する工程を図12〜図15を
参照して説明する。先ず、成形用金型10a、10bを
金型保持部50a、50bを介して射出成形機に取り付
ける(図12)。そして、可動金型10b、50bを移
動させてキャビティを閉じ、ゲート52aを介してキャ
ビティ内に溶融樹脂を充填する(図13)。溶融樹脂を
充填した後、カッタ53をキャビティ内に突出させて溶
融樹脂の内径を切断する(図14)。次に、樹脂を冷却
して固化させ、カッタ53を可動金型10b、50b内
に戻すと共にコア54をキャビティ内に突出させ、可動
金型10b、50bを移動させてキャビティを開く。最
後に、キャビティ内から磁気ディスク用基板3c及びス
プルー(カッタ53により切断されコア54により押し
出された樹脂の内径の部分)3dを取り出す(図1
5)。
【0033】このようにして成形された磁気ディスク用
基板3cは、図16に示すように成形用金型10の表面
形状が反映されたものとなる。即ち、CSSゾーン3a
の高さ面、即ちピット3pの高さ(210nm)は、デ
ータゾーン3bの高さ面、即ちデータトラック3tの高
さ(200nm)よりも高く形成されたものとすること
ができる。
【0034】図17は、上述した成形用金型10により
成形された磁気ディスク用基板3cを用いたディスクリ
ート型磁気ディスク3を備えたハードディスク装置の構
成例を示す斜視図である。このハードディスク装置1
は、アルミニウム合金等により形成された筐体2の平面
部の裏側にスピンドルモータ9が配設されていると共
に、このスピンドルモータ9によって角速度一定で回転
駆動されるディスクリート型磁気ディスク3が備えられ
ている。さらに、この筐体2には、アーム4がピボット
4aの周りに揺動可能に取り付けられている。このアー
ム4の一端には、ボイスコイル5が取り付けられ、また
このアーム4の他端には、ヘッドスライダ6が取り付け
られている。
【0035】筐体2上には、ボイスコイル5を挟持する
ように、マグネット7a、7bが取り付けられている。
ボイスコイル5及びマグネット7a、7bにより、ボイ
スコイルモータ7が形成されている。ヘッドスライダ6
は、その下面の両側にエアベアリングサーフェイスとし
て作用するレールが形成されていると共に、これらのレ
ールの先端側にはテーパ部が形成されている。そして、
一方のレールの後端面には磁気ヘッド8が搭載されてい
る。
【0036】このような構成において、スピンドルモー
タ9が駆動されると、ディスクリート型磁気ディスク3
は角速度一定で回転する。そして、ディスクリート型磁
気ディスク3の回転に伴ってヘッドスライダ6のレール
の先端側のテーパ部から空気が流入すると、この空気は
レールに沿って流れ込む。そして、この空気がレールの
後端側から流出すると、ヘッドスライダ6は浮揚力を受
けてディスクリート型磁気ディスク3の表面から微小間
隔(浮上量)をもって浮上走行することになる。即ち、
ヘッドスライダ6は、ディスクリート型磁気ディスク3
の表面との間隙が走行方向に対して先端側から後端側に
向かって小さくなっていくことによる圧力の増加により
浮上することになる。
【0037】そして、ボイスコイル5に外部から電流が
供給されると、アーム4は、マグネット7a、7bの磁
界と、このボイスコイル5に流れる電流とによって生ず
る力に基づいて、ピボット4aの周りを回動する。これ
により、アーム4の他端に取り付けられたヘッドスライ
ダ6は、ディスクリート型磁気ディスク3の回転に伴っ
て、その表面上で浮上走行しながら磁気ディスク3の実
質的に半径方向に移動する。従って、このヘッドスライ
ダ6に搭載された磁気ヘッド8は、ディスクリート型磁
気ディスク3に対してシーク動作し、情報を記録再生す
る。
【0038】尚、上述した例では、樹脂を射出成形して
磁気ディスク用基板としたが、成形可能な材料、例えば
ガラスや柔らかい金属等を型押し成形して磁気ディスク
用基板としても良い。また、ハードディスク等の磁気デ
ィスクに限られず、ミニディスク等の光磁気ディスクに
も適用することができる。
【0039】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、適切
なヘッドスライダの接触領域を有し、かつ接触領域から
情報記録領域へ移動する際のヘッドスライダの姿勢変化
を小さくすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のディスク用基板の成形用金型の実施
形態を示す側面図及び平面図。
【図2】図1の成形用金型を備えた射出成形機の主要構
成を示す断面側面図。
【図3】図1の成形用金型により成形されるディスクの
一例を示す平面図。
【図4】図3のディスクの詳細を示す斜視図。
【図5】図3のディスクの詳細を示す断面側面図。
【図6】ヘッドスライダの浮上量と磁気ディスクの凸部
の面積と凹部の面積の比率との関係を示す図。
【図7】図1の成形用金型の製造工程を示す第1の図。
【図8】図1の成形用金型の製造工程を示す第2の図。
【図9】図1の成形用金型の製造工程を示す第3の図。
【図10】図1の成形用金型の製造工程を示す第4の
図。
【図11】図1の成形用金型の製造工程を示す第5の
図。
【図12】図1の成形用金型を備えた射出成形機により
ディスク用基板を作成するための成形工程を示す第1の
断面側面図。
【図13】図1の成形用金型を備えた射出成形機により
ディスク用基板を作成するための成形工程を示す第2の
断面側面図。
【図14】図1の成形用金型を備えた射出成形機により
ディスク用基板を作成するための成形工程を示す第3の
断面側面図。
【図15】図1の成形用金型を備えた射出成形機により
ディスク用基板を作成するための成形工程を示す第4の
断面側面図。
【図16】図1の成形用金型により成形されたディスク
用基板を示す断面側面図。
【図17】図1の成形用金型により成形されたディスク
用基板を用いたディスクを備えたハードディスク装置の
構成例を示す斜視図。
【符号の説明】
1・・・ハードディスク装置、2・・・筐体、3・・・
磁気ディスク、3a・・・CSSゾーン、3b・・・デ
ータゾーン、3 c・・・磁気ディスク用基板、3p・・
・ピット、3t・・・データトラック、3g・・・ガー
ドバンド、4・・・アーム、4a・・・ピボット、5・
・・ボイスコイル、6・・・ヘッドスライダ、7・・・
ボイスコイルモータ、7a、7b・・・マグネット、8
・・・磁気ヘッド、9・・・モータ、10、10a、1
0b・・・成形用金型、11・・・成形面、11a、1
1b・・・凹凸形状、20・・・母材、21・・・離型
膜層、22・・・レジスト、23・・・レーザ露光装
置、24・・・レジスト

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に情報を記録するための凹凸部が形
    成され、その内周部若しくは外周部にヘッドスライダが
    接触するための凸形状のピット列が形成されているディ
    スクに用いる基板の成形用金型であって、 前記凹凸部を成形するための凹凸形状の高さと前記ピッ
    ト列を成形するための凹凸形状の高さが異なる凹凸形状
    が成形面に形成されていることを特徴とするディスク用
    基板の成形用金型。
  2. 【請求項2】 前記凹凸部を成形するための凹凸形状の
    高さが、前記ピット列を成形するための凹凸形状の高さ
    より低い請求項1に記載のディスク用基板の成形用金
    型。
  3. 【請求項3】 表面に情報を記録するための凹凸部が形
    成され、その内周部若しくは外周部にヘッドスライダが
    接触するための凸形状のピット列が形成されているディ
    スクに用いる基板の成形用金型であって、前記凹凸部を
    成形するための凹凸形状の高さと前記ピット列を成形す
    るための凹凸形状の高さが異なる凹凸形状が成形面に形
    成されているディスク用基板の成形用金型を製造する
    際、 前記成形面の表面全体に薄膜を成膜し、 前記薄膜の表面全体を第1の被覆材で覆い、 前記凹凸部を成形するための凹凸形状のうち、凹形状が
    形成される部位に該当する前記薄膜の表面に覆われてい
    る前記第1の被覆材を除去し、 前記凹凸部を成形するための凹凸形状のうち、凹形状を
    前記第1の被覆材が除去された薄膜の部分に形成し、 残った前記第1の被覆材を除去し、 前記薄膜の表面全体を第2の被覆材で覆い、 前記ピット列を成形するための凹凸形状のうち、凹形状
    が形成される部位に該当する前記薄膜の表面に覆われて
    いる前記第2の被覆材を除去し、 前記ピット列を成形するための凹凸形状のうち、凹形状
    を前記第2の被覆材が除去された薄膜の部分に形成し、 残った前記第2の被覆材を除去することを特徴とするデ
    ィスク用基板の成形用金型の製造方法。
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JP2007122802A (ja) * 2005-10-27 2007-05-17 Tdk Corp スタンパー、凹凸パターン形成方法および情報記録媒体製造方法
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JP2009143089A (ja) * 2007-12-13 2009-07-02 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd 微細構造転写用モールド及びその製造方法

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