JP3827830B2 - 磁気デイスクおよびその製造方法ならびに磁気記録再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、コンピユ―タにおけるデ―タなどを記憶させる記録媒体として使用される磁気デイスクおよびその製造方法ならびに磁気記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、磁気デイスクは、円板状の非磁性基板と、この基板の磁気ヘツド対向側面に形成された磁性層とを備え、上記基板の磁気ヘツド対向側面には、この基板に同心状でかつ円周方向に連続または断続する複数のガ―ドバンド溝が半径方向で実質的に等間隔に設けられ、半径方向で隣り合うガ―ドバンド溝の各間に記録トラツクが形成されている。
【0003】
従来、たとえば、特開昭63−255816号公報に開示されているように、光デイスク基板と同様のプラスチツクを基板材料とする一方、射出成形により上記基板を成形する方法が知られている。この射出成形用の金型の内面に、あらかじめガ―ドバンド溝や記録トラツクに対応するパタ―ンを形成しておき、上記射出成形により基板を成形すると同時に、上記パタ―ンが基板に転写されて上記ガ―ドバンド溝や記録トラツクが形成される。
【0004】
また、磁気デイスクの物理フオ―マツトの形成に際し、磁気ヘツドにより磁性層の全領域にフオ―マツト信号を記録するには、多くの時間が費やされる。これを回避するための磁気デイスクの新しい形態として、特開平3−86912号公報に開示されているように、サ―ボ信号を基板の凹凸状態であらかじめ一律に定めておき、射出成形などにより同一の凹凸をもつ基板を量産し、各基板の凹凸側に画一的に磁性層を形成し、この磁性層を一方向に強制的に磁化させ、上記凹凸から生じる漏洩磁界を磁気ヘツドで検出させることでサ―ボ信号の読み取りを行わせようとしたものがある。これは、物理フオ―マツトが形成された磁気デイスクを大量かつ安価に提供できる手段として有望視されている。
【0005】
このような磁気デイスクは、たとえば、コンピユ―タにおけるデ―タなどを記憶させる記録媒体として広く使用されている。この磁気デイスクを用いる磁気記録再生装置は、磁気ヘツドを磁気デイスクに対して浮上させる方式として、いわゆるウインチエスタ形と称されている。つまり、この磁気記録再生装置では、磁気ヘツドを磁気デイスクとの相対運動で発生する空気流により、この磁気デイスクの表面から50nm以下の微小間隔を保つように浮上させた状態として、磁気ヘツドと磁気デイスクの間で磁界を授受させることにより、デ―タなどの記録または再生を行わせるようになつている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、磁気ヘツドがアクセスする際、磁気デイスクの外周側に位置した場合、磁気ヘツドと磁気デイスクの相対速度は内周側に位置しているときより速くなるため、磁気ヘツドが外周側に位置するほど、この磁気ヘツドの浮上量が増大してしまう傾向にある。このため、磁気ヘツドが磁気デイスクの外周側に位置するにしたがい、電磁変換特性が悪化するという問題があつた。
【0007】
そこで、従来より、磁気ヘツドのスライダ面に様々な加工を施して、磁気ヘツドの異常浮上を抑制する試みがなされているが、磁気ヘツドのスライダ面の加工が煩雑となり、これに伴い磁気ヘツドのコストが著しく増大し、実用的な解決策になつていないのが現状である。
【0008】
本発明は、このような事情に照らし、磁気ヘツドに加工を施さなくても、磁気ヘツドの浮上量を磁気デイスクの内外周のいずれの位置でも一定に保持させて、良好な電磁変換特性を得ることのできる磁気デイスクを提供することを目的としている。また、本発明は、上記磁気デイスクを大量かつ安価に得ることができる磁気デイスクの製造方法と、さらに上記磁気デイスクを備えてデ―タの授受が適正に行える磁気記録再生装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するために、鋭意検討した結果、円板状の非磁性基板に設けられるガ―ドバンド溝が内周側から外周側まで同じ断面積であると、磁気ヘツドが外周側に位置するほど浮上圧力が増大するが、上記ガ―ドバンド溝の断面積を内周側よりも外周側の方を大きくしたときには、上記浮上圧力の増大が抑制されることを知り、本発明を完成するに至つた。
【0010】
すなわち、本発明は、円板状の非磁性基板と、この基板の磁気ヘツド対向側面に形成された磁性層とを備え、上記基板の磁気ヘツド対向側面には、この基板に同心状でかつ円周方向に連続または断続する複数のガ―ドバンド溝が半径方向で実質的に等間隔に設けられ、半径方向で隣り合うガ―ドバンド溝の各間に記録トラツクが形成されている磁気デイスクにおいて、上記ガ―ドバンド溝は、上記基板の円周側よりも外周側に位置するものほど、半径方向の幅が大きくなるようにして、半径方向に沿つた断面積が大きくなるように設定されていることを特徴とする磁気デイスク(請求項1,2)に係るものである。
【0011】
また、本発明は、円板状の非磁性基板がプラスチツクで形成された上記磁気デイスクを製造する方法において、ガ―ドバンド溝および記録トラツクに対応する転写パタ―ンを有するスタンパを射出成形または射出圧縮成形用の金型内に配置し、プラスチツクを射出成形または射出圧縮成形して円板状の非磁性基板を形成すると同時に、上記転写パタ―ンを上記基板に転写させることを特徴とする磁気デイスクの製造方法(請求項3)に係るものである。さらに、本発明は、上記の磁気デイスクが備えられていることを特徴とする磁気記録再生装置(請求項4)に係るものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面にしたがつて説明する。
図1は、本発明の磁気デイスクの一例を示す断面図であり、図2は、上記図1の一部を拡大して示す断面図である。この例では、円板状の非磁性基板の磁気ヘツド対向側面(一方の面)に物理的に凹凸マ―ク(プリピツト)を設けたプリエンボス形磁気デイスクMを示してある。
【0013】
図1および図2において、1は円板状の非磁性基板であり、非磁性材として、たとえばプラスチツクにより構成されており、その一方の面には、位置情報がプリピツト11として精密に形成され、その上に少なくとも磁性層2が形成されている。なお、3は上記基板1に形成された被駆動用の中央孔である。上記基板1の他方の面にも磁性層を形成してもよい。
【0014】
図3は、上記磁気デイスクMの基板1の表面構造を示す斜視図である。
図3において、12は円板状の非磁性基板1の一方の面に対応して磁気デイスクM上に配設された磁気ヘツドであり、この磁気ヘツド12は、磁気デイスクMの円周方向(矢印a方向)の軌跡に沿つて相対運動することにより、記録または再生の動作を行うようになつている。
【0015】
円板状の非磁性基板1の一方の面には、この基板1に同心状、つまり上記磁気ヘツド12の円周方向の運動軌跡に平行で、かつ円周方向で連続または断続した複数のガ―ドバンド溝13が半径方向(矢印b方向)で実質的に等間隔に設けられており、また上記半径方向で隣り合うガ―ドバンド溝13の各間には記録トラツク14が円周方向で間欠的に設けられている。
【0016】
半径方向の複数の記録トラツク14により、デ―タ記録領域18が構成され、円周方向で隣り合うデ―タ記録領域18の各間にサ―ボ領域19が設けられている。サ―ボ領域19には、サ―ボピツト15の列、位相ピツト16の列およびクロツクピツト17の列が形成されている。サ―ボピツト15の列は、記録トラツク中心14aに対して円周方向および半径方向にずらして配設され、磁気ヘツド12により検出された半径方向で隣り合うサ―ボピツト15からの磁気的な出力が等しくなるように磁気ヘツド12の位置が制御される。これにより、磁気ヘツド12は常時、トラツク中心14aに位置決めされる。
【0017】
図4は、上記磁気デイスクMのトラツクフオ―マツトなどの一例である。
図4(a)において、記録トラツク14は、複数個のセクタ―(1〜M)で構成され、セクタ―は複数個のセグメント(1〜N)に分割され、各セグメントの前端にサ―ボマ―ク(SM)が形成されている。サ―ボマ―ク(SM)は、アクセスコ―ド、クロツクマ―クおよびフアインパタ―ンから構成されている。ヘツダ―は、セクタ―マ―ク、トラツクNo、セクタ―No、冗長度チエツク(CRC)、自動利得制御(AGC)からなる。
【0018】
図4(b)は上記サ―ボマ―クの平面形状を示している。アクセスコ―ドは、アクセス時に磁気ヘツド12の移動速度を調べるために使用され、クロツクマ―クは、磁気ヘツド12による記録や再生を行う際に、同期クロツクやサ―ボマ―ク位置のタイミングを得るために使用される。つまり、クロツクマ―クは、Nクロツク毎に連続して現れるように設定され、サ―ボ回路により処理される。また、フアインパタ―ンは、トラツク中心14aからの相対位置(位相)を示すためのパタ―ンであり、磁気ヘツド12からの位置情報を得てトラツキング動作が行われるようになつている。
【0019】
この磁気デイスクMにおいて、ガ―ドバンド溝13は、上記基板1の内周側よりも外周側に位置するものほど、半径方向に沿つた断面積が大きくなるように設定されている。具体的には、図5に示すように、外周側に位置するものほど、ガ―ドバンド溝13の深さHが大きくなるように設定されている。
【0020】
つぎに、この磁気デイスクMの製造方法を、図7に基づいて、説明する。
基板1を作製するまでの工程は、周知の光デイスクの基板製造工程と同様である。つまり、まず、図7(a)に示すように、円形のガラス製原盤21の表面にフオトレジスト層22を塗布して形成し、短波長(λ=351nm)の光ビ―ムLにより、上記フオトレジスト層22をカツテイングして現像することにより、図7(b)に示すように、所望の凹凸パタ―ン22aが形成される。
【0021】
この原盤21の表面に、図7(c)に示すように、ニツケルめつきして、スタンパ23を作製する。その際、凹凸パタ―ン22aによりガ―ドバンド溝13や記録トラツク14などに対応する転写パタ―ン23aが形成されるが、ガ―ドバンド溝13が外周側に位置するものほど深くなるように、上記転写パタ―ン23aを構成する。これは、フオトレジスト層22の厚さで制御すればよい。
【0022】
ついで、上記スタンパ23を、図7(d)に示すように、射出成形または射出圧縮成形用の金型24(24A,24B)内に配置する。この金型24内にて、基材材料であるプラスチツクを射出成形または射出圧縮成形して、円板状の非磁性基板1を作製する。この基板1には上記スタンパ23側の転写パタ―ン23aが転写され、所望のガ―ドバンド溝13などが形成される。
【0023】
基板1の材料であるプラスチツクには、ポリエ―テルイミド、ポリエ―テルサルホン、ポリフエニレンサルフアイド、ポリアクリレ―ト、ポリエ―テルケトン、ポリメチルペンテン、ポリメチルメタアクリレ―ト、ポリカ―ボネ―ト、ノルボルネン系樹脂など、耐熱性や転写性にすぐれる樹脂が用いられる。プラスチツク材料中に含まれるコンタミネ―シヨン(有害物質による汚染)を回避するうえで、とくに、ポリカ―ボネ―トやノルボルネン系樹脂が好ましい。
【0024】
上記の成形後、金型24内から基板1を取り出し、図7(e)に示すように、スパツタリング法により上記基板1の一方の面に、磁性層2および保護層(図示せず)を順次形成する。磁性層2の構成材としては、コバルト・白金合金、コバルト・クロム・白金合金、コバルト・パラジウム合金などがある。また、保護層の構成材としては、カ―ボンや酸化ケイ素などがある。
【0025】
なお、磁性層2には、低温成膜でも高い保磁力が得られるように、クロムやモリブデンなどの下地層を形成しておくのがよい。また、上記基板1と磁性層2との熱膨張率の差に起因する磁性層2の亀裂などを防止し、磁気特性の改善を目的として、上記下地層を形成するに先立つて、アルミニウム、チタン、アルミニウム・チタン合金、ケイ素、窒化ケイ素、酸化ケイ素などのアモルフアス、セラミツク材料を基板1に形成するようにしてもよい。
【0026】
磁性層2の形成後、保護層表面の微細な突起を除去するために、図7(f)に示すように、ブラシ25を用いて、バ―ニツシング処理を行う。最後に、磁気ヘツド12の走行性を良くするために、図7(g)に示すように、潤滑剤26をスピンコ―ト法で塗布する。上記の潤滑剤としては、たとえば「Fomblin Z−DOL」(商品名)などが用いられる。
【0027】
つぎに、上記磁気デイスクMの着磁方法を、図8を用いて、説明する。
まず、図8(a)に示すように、基板1に形成された磁性層2を着磁用磁気ヘツド31により、強い磁場32Aで一方向(黒矢印方向)に飽和磁化させる。この後、図8(b)に示すように、上記磁気ヘツド31により、磁性層2に対して逆方向の弱い磁場32Bを印加し、上記基板1の一方の面側の凸部33に対応する部分の磁性層2のみを磁化反転させる。この結果、図8(c)に示すように、上記基板1における凹部34側から漏洩磁束35が発生する。したがつて、上記漏洩磁束35を磁気ヘツド12で検出させることにより、図8(c)の下部に示すように、ピツトに応じた信号を検出することができる。
【0028】
このように、プラスチツクを射出成形または射出圧縮成形して、基板1を成形するものであるため、基板1を大量かつ安価に製作でき、また、ガ―ドバンド溝13や記録トラツク14に対応する転写パタ―ン23aを有するスタンパ23を成形用金型24内に配置して成形しているため、金型費用の高騰化を招くことなく、所望形状のガ―ドバンド溝13などを基板成形と同時に簡単に形成できる。さらに、上記のような着磁方法の採用によつて、磁気デイスクMの物理フオ―マツトの時間を大幅に短縮させることができる。
【0029】
なお、円板状の非磁性基板1としては、プラスチツクを用いるものに限らず、アルミニウムのような金属材を用いたり、ガラスなどを用いて成形してもよい。その場合、化学エツチングやイオンミリングなどの手法により、ガ―ドバンド溝13などを加工することができる。
【0030】
つぎに、図9および図10は、上記磁気デイスクMを備えた磁気記録再生装置Nの一例を示したものである。
両図において、ベ―ス41とこのベ―ス41に嵌着されるカバ―42とからなるケ―ス43内に、スピンドルモ―タ44が設置されており、このモ―タ44には、このモ―タ44の回転中心に対してほぼ同軸となるように、1枚ないし複数枚の磁気デイスクMが装着できるように構成されている。
【0031】
45は、上記ケ―ス43内に配置された磁気ヘツド変移用のアクチユエ―タであり、たとえば、ボイスコイルモ―タからなる。このアクチユエ―タ45は、支持ばね46を介して磁気ヘツド12を磁気デイスクMに対して半径方向に位置決めするようになつている。上記スピンドルモ―タ44およびアクチユエ―タ45の各動作ならびに磁気ヘツド12の記録・再生動作は、上記ケ―ス43内に設けられたコントロ―ラ(図示せず)によつて制御される。
【0032】
磁気ヘツド12は、図11に示すように、スライダ51を介して上記支持ばね46の先端側に支持されている。この磁気ヘツド12およびスライダ51は、磁気デイスクMとの相対運動によつて発生する空気流の粘性と、スライダ51の形状によつて発生する浮力と、磁気ヘツド12およびスライダ51の重量と、上記支持ばね46の支持力とにより、磁気デイスクMに対して20〜200nm、好ましくは50nm以下の微小間隔で浮上するように設定されている。
【0033】
磁気ヘツド12が磁気デイスクMの内周側をアクセスするときよりも、外周側をアクセスするときの方が、磁気ヘツド12と磁気デイスクMとの相対速度が大きくなり、磁気ヘツド12の浮上力が増大しようとする。しかし、磁気デイスクMのガ―ドバンド溝13は、内周側よりも外周側に位置するものほど、深さHを大きく設定してあるため、磁気ヘツド12が外周側に位置するほど、磁気ヘツド浮上用の空気の圧力が上記ガ―ドバンド溝13によつて減じられることになる。したがつて、磁気ヘツド12と磁気デイスクMの相対速度が速くなるにつれて、磁気ヘツド12の浮上量が増大するのが抑制され、その結果、磁気デイスクMの内周側から外周側まで一様な電磁変換特性を得ることが可能となる。
【0034】
なお、上記実施の形態では、ガードバンド溝を、基板1の内周側よりも外周側に位置するものほど、半径方向に沿った断面積が大きくなるように設定する手段として、ガ―ドバンド溝13の深さHを、基板1の外周側に位置するものほど、大きく設定したもので説明したが、本発明では、上記手段として、特に、図6に示すように、ガ―ドバンド溝13の半径方向の幅Wを基板1の外周側に位置するものほど、大きく設定するものであり、これにより上記と同様の効果を得ることができる。
【0035】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を記載して、さらに具体的に説明する。なお、以下に記載される「実施例1,2」のうち、「実施例2」が本発明の特許請求の範囲に含まれる磁気ディスクの例を示したものであり、「実施例1」は参考例として示したものである。
【0036】
実施例1
図1〜4に示す磁気デイスクMにおいて、ガ―ドバンド溝13を、図5に示すように、内周側では、半径20mmの位置で、幅Wが0.6μm、深さHが0.1μmとし、外周側では、半径43mmの位置で、幅Wが0.6μm、深さHが0.2μmとし、内周側から外周側までにかけての深さHを直線的に変化させた。なお、記録トラツク14のピツチは、4.7μmとした。
【0037】
実施例2
図1〜4に示す磁気デイスクにおいて、ガ―ドバンド溝13を、図6に示すように、内周側では、半径20mmの位置で、幅Wが0.6μm、深さHが0.2μmとし、外周側では、半径43mmの位置で、幅Wが1.0μm、深さHが0.2μmとし、内周側から外周側までにかけての幅Wを直線的に変化させた。なお、記録トラツク14のピツチは、4.7μmとした。
【0038】
比較例
図1〜4に示す磁気デイスクにおいて、ガ―ドバンド溝13を、深さHが内周側から外周側まで同じ深さ(0.15μm)となるように構成した。なお、記録トラツク14のピツチは、4.7μmとした。
【0039】
上記の実施例1、2および比較例の各磁気デイスクについて、電磁変換特性を測定した。測定には、記録トラツク幅4.6μm、ギヤツプ幅0.4μm、再生トラツク幅3.4μm、ギヤツプ長0.35μmのMR/インダクテイブ複合ヘツドを使用した。また、磁気デイスクを5,400rpmで回転させて記録再生試験を行つた。分解能は135kfciと33.75kfciの再生振幅比を示し、S/N比は135kfciで記録再生した値である。
【0040】
上記の測定結果は、分解能については、実施例1も実施例2も、図12に示すように、基板1の内周側から外周側まで一定の値となつた。これに対し、比較例では、外周側に至るほど、分解能が低下した。また、S/N比については、図13に示すように、実施例1では、内周側から外周側まで良好な結果を示した。実施例2では、外周側に位置するガ―ドバンド溝13の幅Wが大きくなつて記録領域が狭くなるため、内周側に比べて外周側の方が劣化していたが、比較例の結果のように、外周側に至るほど、S/N比が著しく劣化するようなことはなく、S/N比を確実に改善することができた。なお、実施例1では、フオトレジスト層22の厚みを、内周側から外周側にかけて制御する必要があり、そのぶん製造条件が多少複雑になるが、電磁変換特性は最も良好なものとなる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、円板状の非磁性基板に同心状に形成される複数のガ―ドバンド溝の半径方向に沿つた断面積を内周側よりも外周側に位置するものほど、大きくなるようにしたことにより、磁気ヘツドなどに面倒な加工を施さなくても、磁気ヘツドの浮上量が内周側から外周側までほぼ一定に保たれ、これにより電磁変換特性にすぐれる磁気デイスクを得ることが可能となる。
【0042】
また、上記の磁気デイスクの製造にあたり、ガ―ドバンド溝や記録トラツクに対応する転写パタ―ンを有するスタンパを射出成形または射出圧縮成形用の金型内に配置して、プラスチツクを成形し基板を形成すると同時に、上記転写パタ―ンを円板状の非磁性基板に転写させる構成としたことにより、ガ―ドバンド溝や記録トラツクを有する上記基板を大量かつ安価に製造できる。さらに、上記の磁気デイスクを用いることにより、磁気ヘツドの浮上量の変動が少ない状態で、適正に記録再生が行える磁気記録再生装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気デイスクの一例を示す断面図である。
【図2】図1のAの部分を拡大して示す断面図である。
【図3】同磁気デイスクの表面構造を示す斜視図である。
【図4】同磁気デイスクのトラツクフオ―マツトの説明図である。
【図5】ガ―ドバンド溝の深さを外周側に位置するものほど、大きくした基板を示す断面図である。
【図6】ガ―ドバンド溝の半径方向の幅を外周側に位置するものほど、大きくした基板を示す断面図である。
【図7】同磁気デイスクの製造方法を工程順に示す断面図である。
【図8】磁性層に着磁する方法の説明図である。
【図9】磁気デイスクを備えた磁気記録再生装置をカバ―の取外し状態で示す平面図である。
【図10】同磁気記録再生装置の断面図である。
【図11】磁気ヘツドの浮上状態の説明図である。
【図12】実施例1,2および比較例の磁気デイスクの半径方向の位置に対する分解能の測定結果を示す特性図である。
【図13】実施例1,2および比較例の磁気デイスクの半径方向の位置に対するS/N比の測定結果を示す特性図である。
【符号の説明】
1 円板状の非磁性基板
2 磁性層
13 ガ―ドバンド溝
14 記録トラツク
23 スタンパ
23a 転写パタ―ン
24 金型
a 円周方向
b 半径方向
H 深さ
W 半径方向の幅
Claims (4)
- 円板状の非磁性基板と、この基板の磁気ヘツド対向側面に形成された磁性層とを備え、上記基板の磁気ヘツド対向側面には、この基板に同心状でかつ円周方向に連続または断続する複数のガ―ドバンド溝が半径方向で実質的に等間隔に設けられ、半径方向で隣り合うガ―ドバンド溝の各間に記録トラツクが形成されている磁気デイスクにおいて、上記ガ―ドバンド溝は、上記基板の内周側よりも外周側に位置するものほど、半径方向の幅が大きくなるようにして、半径方向に沿つた断面積が大きくなるように設定されていることを特徴とする磁気デイスク。
- 円板状の非磁性基板がプラスチツクで形成されている請求項1に記載の磁気デイスク。
- 請求項2に記載の磁気デイスクを製造する方法において、ガ―ドバンド溝および記録トラツクに対応する転写パタ―ンを有するスタンパを射出成形または射出圧縮形成用の金型内に配置し、プラスチツクを射出成形または射出圧縮成形して円板状の非磁性基板を形成すると同時に、上記転写パタ―ンを上記基板に転写させることを特徴とする磁気デイスクの製造方法。
- 請求項1または2に記載される磁気デイスクが備えられていることを特徴とする磁気記録再生装置。
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JPH11110748A (ja) | 1999-04-23 |
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