JP2002342914A - 磁気ディスク基板およびこれを用いた磁気記録媒体 - Google Patents

磁気ディスク基板およびこれを用いた磁気記録媒体

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JP2002342914A JP2001143482A JP2001143482A JP2002342914A JP 2002342914 A JP2002342914 A JP 2002342914A JP 2001143482 A JP2001143482 A JP 2001143482A JP 2001143482 A JP2001143482 A JP 2001143482A JP 2002342914 A JP2002342914 A JP 2002342914A
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Katsunori Suzuki
克紀 鈴木
Teruhisa Yokozawa
照久 横澤
Yoichi Tei
用一 鄭
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撓みを最小限に抑え、基板の真直度および平
面度を低減させ、優れたヘッドの浮上特性を有するプラ
スチック製磁気ディスク基板、およびその基板を用いた
磁気記録媒体の提供。 【解決手段】 熱可塑性樹脂が射出成形されて成る磁気
ディスク基板であって、その磁気ディスク基板の密度n
とその熱可塑性樹脂のヤング率Eとが、n/E≦4.5
×10−4((g/cm)/MPa)の関係を満たす
ことを特徴とする磁気ディスク基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂を用
いて作成される磁気記録媒体用磁気ディスク基板に関す
るものである。詳細には、本発明は、コンピュータの外
部記憶装置およびその他のデジタルデータの各種記録装
置に搭載される磁気記録媒体用の磁気ディスク基板、お
よび該基板を用いて構成される磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】高度な表面精度を要求される磁気記録媒
体用の磁気ディスク基板として、従来の非磁性金属基板
(アルミニウム等)を使用した場合には、高度な精密加
工が要求される。
【0003】従来の非磁性金属基板は、たとえば以下の
ようにして作製される。最初に加熱溶融した金属材料を
圧延、加熱焼鈍した後に、規定の寸法に加工が行われた
ブランク材を作製し、次に内外径の処理が行われる。さ
らに、表面精度の向上のためにラッピング加工が行われ
た後、表面硬度向上などの目的のためにNi−Pメッキ
層を13μm形成し、その表面をポリッシュ加工して表
面粗さがRa=1.0nm(10Å)になるように研磨
し、そしてダイヤモンドスラリーを使用する最終ラッピ
ング加工を行う。その後にCSS(コンタクト・スター
ト・ストップ)ゾーンに、たとえばバンプハイトが1
9.0nm(190Å)、30μm平方に1個のバンプ
の密度になるようにレーザーテクスチャー加工を施し、
そして精密洗浄することにより、一般的なハードディス
ク用磁気ディスク基板が得られる。
【0004】前述のように得られた磁気ディスク基板上
に、Cr下地層50nm(500Å)、CoCrTa磁
性層(Co:Cr:Ta=82:14:4)30nm
(300Å)、およびカーボン保護層8.0nm(80
Å)を、DCスパッタ法により順次形成し、さらにスパ
ッタ後の表面にテープバニッシュを行う。最後に、ディ
ップコートまたはスピンコート法によりフッ素系潤滑層
2.0nm(20Å)を形成し、ハードディスク用磁気
記録媒体が得られる。
【0005】ただし、ディスク基板および各種の記録媒
体の作製方法および構成は、上記のものに限定されるも
のではない。
【0006】上記のような従来の磁気ディスク基板およ
び磁気記録媒体の製造方法は、近年の高記録密度化の伸
長とともにますます複雑化してきている。一方、高い性
能を維持したままで、従来以上に安価な磁気ディスク基
板および磁気記録媒体が求められている。この相反する
要求を満たす新規な磁気ディスク基板として、熱可塑性
樹脂(プラスチック)を用いた磁気ディスク基板および
磁気記録媒体が提案されてきている(たとえば、特開平
5−4231号公報、特開平5−6535号公報、特開
平5−28488号公報などを参照されたい)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、高度な形状安
定性、表面精度が要求される磁気ディスク基板において
は、金属基板あるいはセラミック基板と比較して、一般
に引張強度、伸びおよび弾性率等の機械的強度が低く、
かつ熱膨張係数の大きいプラスチック基板は不利であ
る。特に、基板が自重によって撓んでしまい、それによ
って基板の真直度および平面度の悪化を招くことが問題
となっている。
【0008】一般的にプラスチック基板を用いている光
磁気記録媒体およびコンパクトディスクにおいても、自
重による基板の撓みは発生していたが、レーザーを搭載
した光学ヘッドと基板との間の間隔が大きいことにより
問題は生じていなかった。しかしながら、特に基板上の
数十nmの高さを磁気ヘッドが移動するハードディスク
のように、非常に高い表面精度が要求される記録媒体に
おいては、プラスチック基板の撓みによる真直度および
平面度の増大により、磁気ヘッドと記録媒体との間の所
定の距離を維持することができず、最悪の場合には磁気
ヘッドが浮上せず、実際の読み書きを行うことができな
いという問題を引き起こす。
【0009】本発明は、係る従来の実状を鑑みてなされ
たものであり、プラスチック基板の自重による撓みを最
小限に押さえることにより、基板の真直度および平面度
を低減させ、ヘッドの浮上特性に優れた磁気ディスク基
板および磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成するために鋭意検討した結果、[基板の密度
(n)]/[材料のヤング率(E)]を4.5×10
−4((g/cm)/MPa)以下に抑えることによ
り、基板の自重による撓み角θの正接tanθを3.2
×10−4以下に低減できることを見いだした。この条
件を満たす樹脂および射出成形条件を適用し、真直度お
よび平面度を大幅に低減させることができ、ヘッドの浮
上特性に優れた磁気ディスク基板の作製を可能とした。
【0011】本発明の第1の態様である磁気ディスク基
板は、熱可塑性樹脂が射出成形されて成る磁気ディスク
基板であって、前記磁気ディスク基板の密度nと前記熱
可塑性樹脂のヤング率Eとが、n/E≦4.5×10
−4((g/cm)/MPa)の関係を満たすことを
特徴とする。前記磁気ディスク基板の撓み角θの正接t
anθは、3.2×10−4以下であってもよい。ま
た、前記磁気ディスク基板の真直度は、4.0μm以下
であってもよい。さらに、前記磁気ディスク基板の平面
度は、30μm以下であってもよい。
【0012】本発明の第2の態様である磁気記録媒体
は、第1の態様の磁気ディスク基板と、該磁気ディスク
基板上に形成された磁性記録層とを少なくとも具えたこ
とを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において作製される磁気デ
ィスク基板は、中心部に円形の孔を有する円板の形状を
有することができる。中心部円形孔は、該磁気ディスク
基板を用いた磁気記録媒体を磁気記録装置中に設置する
際に、スピンドルモータを取り付けるために用いられ
る。中心部円形孔および円板の径は、磁気記録装置の設
計に依存する。
【0014】本発明において用いられる射出成形におい
ては、当該技術において知られている射出成形装置を用
いることができる。樹脂の均一性を高めるためにスクリ
ュー式の射出成形装置を使用することが好ましい。樹脂
の溶融および計量をスクリューを用いて行い、樹脂の射
出をプランジャーを用いて行うことも可能であるが、溶
融、計量および射出の機能を集約したインラインスクリ
ュー式の射出成形装置を使用することが好ましい。本発
明で用いることができるインラインスクリュー式射出成
形装置の模式的断面図を図1に示す。このインラインス
クリュー式射出成形装置は、加熱手段14および金型に
対する射出口16を具えた加熱シリンダ13と、該加熱
シリンダ13内にあり、樹脂の溶融、計量および射出を
行うための(可動)スクリュー11と、スクリュー11
に対して樹脂を供給する供給手段15(ホッパなど)
と、スクリュー11の計量および射出駆動を行うための
スクリュー駆動手段12とを具える。金型としては、分
離可能な2つの部分(固定部17および可動部18)か
らなる金型を用い、さらに金型に型締め圧力を与え、お
よび可動部18を駆動するための駆動手段19を具える
ことが好ましいが、それに限定されるものではない。
【0015】本発明の磁気ディスク基板を作製する際に
は、スクリュー11を用いて溶融および計量された樹脂
を、射出口16を通して金型へと射出し、射出された溶
融樹脂を金型内で冷却硬化させることにより、磁気ディ
スク基板を得ることができる。
【0016】本発明において用いられる熱可塑性樹脂
は、一般的に光磁気ディスク基板に使用されているポリ
カーボネート樹脂およびポリメチルメタクリレート樹脂
に加えて、ポリオレフィン系樹脂を含む。特に、高耐熱
性でありかつ低吸湿性である剛直構造のポリオレフィン
系樹脂、たとえばノルボルネン系ポリシクロオレフィン
樹脂を用いることが好ましい。また、樹脂構造に由来す
るガラス転移点(Tg)は、135〜170℃の範囲内
であり、この範囲内でTgが高いほど好ましい。
【0017】アニールにおいて、成型時に残留する応力
を十分に取り除くことにより、局所的な変形の発生を防
止することが好ましい。アニール処理は、(Tg−7
0)℃以上(Tg−15)℃以下の温度において、0.
5時間から48時間にわたって行うことが好ましい。ア
ニール処理は、大気雰囲気下あるいは低酸素雰囲気で行
うことができる。また、アニール処理中に基板自重によ
る撓みが発生することを防止するために、基板を縦置き
してアニール処理を行うことが好ましい。十分なアニー
ルを行うことにより残留応力を減少させて、残留応力の
経時的な開放による形状変化を最小限とし、かつ局所的
な変形の発生を防止することができる。
【0018】本明細書中で、「平面度」は、図2に示さ
れるように、中心部円形孔付円板形状の磁気ディスク基
板(被測定基板)2をその中心部円形孔に治具1を取り
付けて保持して測定される。所定の状態に保持された際
に、被測定基板2の一方の表面において、該表面に垂直
な方向で最も高い点と最も低い点との間の該垂直方向の
距離を「平面度」とする(なお、最低点が最高点よりも
外側にある際に正、逆の場合を負の値とする)。すなわ
ち、図2(a)の縦置き状態においては、紙面の最も左
側にある点と最も右側にある点との間の水平方向の距離
であり、図2(b)の横置き状態においては、紙面の最
も上方にある点と最も下方にある点との間の垂直方向の
距離である。したがって、平面度の数値の絶対値が大き
くなればなるほど、該基板は大きく撓んでいることにな
る。なお、図2(a)および図2(b)のそれぞれに関
して、治具取り付け面の反対側の面において、平面度を
測定した。
【0019】本明細書中で、「真直度」とはディスク基
板表面の所与の半径方向に伸びる直線領域における基板
表面垂直方向の変位量であり、記録領域の最内周部と最
外周部とを結ぶ幾何学的直線からの垂直方向変位の最高
点と最低点との差である。したがって、真直度の値は、
基板表面のうねりあるいは粗さに対する指標であり、真
直度の値が小さいほど形状特性に優れた磁気ディスク基
板であることを意味する。
【0020】図2に示すように、縦置きおよび横置き時
の基板の平面度XおよびXと基板半径Rとを測定
し、撓み角の正接tanθを導出した。具体的には、 tanθ = (X−X) / R の式を用いた。また、基板の密度は、基板の寸法および
質量の測定により得ることができ、熱可塑性樹脂のヤン
グ率は慣用の方法により測定することができる。
【0021】射出成形により作製された基板において、
基板の密度nと基板形成材料である熱可塑性樹脂のヤン
グ率Eとが、n/E≦4.5×10−4((g/c
)/MPa)を満たすことが好ましい。この条件を
満たす場合に、撓み角θの正接tanθを、tanθ≦
3.2×10−4に抑えることが可能となる。これらの
条件が、基板の寸法によらずに有効であることはいうま
でもない。これら条件を満たす基板においては、真直度
4.0μm以下および平面度30μm以下の形状特性を
得ることが可能となる。
【0022】射出成形によって作製される熱可塑性樹脂
から成る磁気ディスク基板は、どのようにしても自重に
よる撓みが避けられないため、縦置使用のためのもので
あるかあるいは横置使用のためのものであるかを成形時
においてあらかじめ決定しておき、その使用条件を考慮
した形状(その使用条件において低い真直度および平面
度が得られる形状)の基板を作製することが好ましい。
また、所望される真直度および平面度を両立し、優れた
基板特性を簡便に得るためには、基板を縦置き状態で使
用することが好ましい。なぜなら、自重による撓みの影
響を小さくできるため、横置き状態では避けることがで
きない真直度および平面度の低減が容易に可能となるか
らである。
【0023】上記のように作製した磁気ディスク基板を
用いて磁気記録媒体を作製する際には、少なくとも該基
板上に磁性記録層を積層する。また、必要に応じて下地
層、保護層、潤滑層等を設けることができる。用途に依
存して、前述のような層を磁気ディスク基板の片面また
は両面上に設けて、それぞれ片面および両面型磁気記録
媒体を得ることができる。
【0024】ハードディスク装置などに従来一般に用い
られている水平記録方式の磁気記録媒体を作製する場合
には、下地層、磁性記録層、保護層、潤滑層をこの順に
設けることが好ましい。磁性記録層の性能向上などを目
的として、下地層と磁性記録層との間に、中間層を設け
てもよい。また、記録密度の向上可能性等によって近年
注目を集めている垂直記録方式の磁気記録媒体を作製す
る場合には、下地層、軟磁性裏打ち層、磁性記録層、保
護層、潤滑層をこの順に設けることが好ましい。この場
合にも、記録特性などの向上を目的として、下地層と軟
磁性裏打ち層との間、および/または軟磁性裏打ち層と
磁性記録層との間に、中間層を設けてもよい。
【0025】上記の各層は、当該技術において知られて
いる任意の材料から作製することができる。たとえば、
下地層はCrまたはCrを主とする合金の非磁性金属材
料から作製することができ、磁性記録層はCoおよびC
rを主とする合金のような磁性材料から作製することが
でき、および保護層は炭素(特にダイヤモンド様炭素)
等から作製することができる。さらに潤滑層は、含フッ
素ポリエーテルのような液体潤滑剤から作製することが
でき、軟磁性裏打ち層は、非晶質Co合金、NiFe合
金、あるいはセンダスト(FeSiAl)合金などを用
いて作製することができる。中間層として、Tiまたは
TiCr合金などの材料を用いてもよい。
【0026】潤滑層を除く上記の各層は、スパッタ法、
蒸着法、CVD法などの従来知られている方法によって
磁気ディスク基板上に積層することができる。特に、ス
パッタ法を用いることが好ましい。また、潤滑層は、デ
ィップコート、スピンコート、吹付などの方法により作
成することができる。
【0027】(作用)高耐熱性熱可塑性樹脂を用いて射
出成形される磁気ディスク基板を、本発明の条件を満た
す樹脂を用い、射出成形により基板を作製することによ
って、特に自重による基板の撓み量を軽減でき、基板の
真直度および平面度を向上させることが可能となり、ヘ
ッドの浮上特性に優れた磁気ディスク基板および磁気記
録媒体を提供することが可能となる。
【0028】
【実施例】以下に、本発明を適用した具体的な実施例
を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0029】(実施例1)市販されている最大射出成形
圧力70tの射出成形装置に、スタンパーを固定した金
型を装着した。樹脂として三井化学製APL6015T(ポリオ
レフィン樹脂:Tg=145℃)を用いて、樹脂温度3
20℃、射出速度120mm/s、型締め圧力90kg
/cm(約8.8MPa)、金型温度(固定側/可動
側)110℃/110℃という成形条件にて射出成形を
行った。その後1時間以内に、酸素濃度0.02%のN
ガス雰囲気下で、基板を縦置きに保持した状態で、1
0時間にわたって90℃においてアニールを行い、直径
95mm、中心部円形孔の直径25mm、厚さ1.27
mmの寸法を有する円板状のディスク基板を得た。
【0030】(比較例1)樹脂として日本ゼオン製ZEON
EX280R(ポリオレフィン樹脂)を用いた以外は、実施例
1と同様にしてディスク基板を得た。
【0031】(比較例2)樹脂として帝人製AD5503(ポ
リカーボネート樹脂)を用いた以外は、実施例1と同様
にしてディスク基板を得た。
【0032】(評価方法)図1に示すように、縦置きお
よび横置き時の基板の平面度XおよびXおよび撓み
角の正接tanθを測定した。縦置き時の基板の平面度
は、FT12(NIDEK製)を用いて測定し、ま
た横置き時の基板の平面度Xは、FT11(NIDE
K製)を用いて測定した。なお、各実施例および比較例
のそれぞれに関して、5枚の基板をサンプリングし、そ
の5枚の結果の平均値を評価結果とした。
【0033】また、基板の内径20mmから外径45m
mまでの記録領域内の半径方向に伸びる直線領域に関し
て、基板表面形状の変位量をChapman製の非接触
光学式表面粗さ計(MP2000 PLUS)にて測定し、真直度
を導出した。1つの基板面につき90度おきに4カ所の
測定を行い、その中で最大の真直度をその基板面の真直
度とした。
【0034】(評価結果)表1に、実施例および比較例
の基板の基板密度n、熱可塑性樹脂のヤング率Eおよび
n/Eの値を示した。また、表2に基板の撓み角θの正
接、真直度および平面度の値を示した。図3に、n/E
と基板の撓み角θとの関係を示した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】図3の結果から、n/Eと基板の撓み角θ
の正接tanθとは、比例関係にあることが分かる。密
度が小さく、かつヤング率の大きな基板を作製すれば、
基板の撓み量を小さくできることは明瞭である。特にt
anθを3.2×10−4以下に抑えるためには、n/
E≦4.5×10−4((g/cm)/MPa)を満
たすことが好ましい。さらに表2に示したように、n/
Eの値を上記範囲内とすることにより、撓み角を小さく
抑えて、基板の真直度を4.0μm以下、かつ平面度を
30μm以下にまで低減することが可能となった。真直
度および平面度の低減は、磁気記録媒体の高記録密度化
には不可欠であり、本発明の有用性は明らかである。
【0038】
【発明の効果】以上の記載から明らかなように、本発明
に係る磁気ディスク基板および磁気記録媒体は、射出成
形により作製される基板をn/E≦4.5×10
−4((g/cm)/MPa)を満たすような条件に
て作製することにより、tanθを3.2×10−4
下にすることが可能となり、真直度および平面度を大幅
に低減させた形状特性を有する磁気ディスク基板を作製
することができる。したがって、ヘッドの浮上特性に優
れたプラスチック製磁気ディスク基板およびそれを用い
た磁気記録媒体を作製することが可能となる。
【0039】また、本発明のプラスチック製磁気ディス
ク基板は、形状特性に優れ、大量かつ安価に生産するこ
とが可能である。ひいては、本発明の磁気ディスク基板
は、該基板を用いた磁気記録媒体および磁気記録再生装
置を大量かつ安価に製造することを可能にする。したが
って、本発明の工業的価値は大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いることができる射出成形装置の一
例の模式的断面図である。
【図2】基板の平面度および撓み角の測定方法を示す図
である。(a)は縦置き状態、(b)は横置き状態を示
す。
【図3】本発明の実施例および比較例における、基板密
度/ヤング率(n/E)と撓み角θの正接tanθとの
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 被測定基板 2 治具 11 スクリュー 12 スクリュー駆動手段 13 加熱シリンダ 14 加熱手段 15 供給手段 16 射出口 17 金型の固定部 18 金型の可動部 19 可動部駆動手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鄭 用一 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 Fターム(参考) 5D006 CB01 CB07 DA03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂が射出成形されて成る磁気
    ディスク基板であって、前記磁気ディスク基板の密度n
    と前記熱可塑性樹脂のヤング率Eとが、n/E≦4.5
    ×10−4((g/cm)/MPa)の関係を満たす
    ことを特徴とする磁気ディスク基板。
  2. 【請求項2】 前記磁気ディスク基板の撓み角θの正接
    tanθは、3.2×10−4以下であることを特徴と
    する請求項1に記載の磁気ディスク基板。
  3. 【請求項3】 前記磁気ディスク基板の真直度は、4.
    0μm以下であることを特徴とする請求項1または2に
    記載の磁気ディスク基板。
  4. 【請求項4】 前記磁気ディスク基板の平面度は、30
    μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記
    載の磁気ディスク基板。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載され
    た磁気ディスク基板と、該磁気ディスク基板上に形成さ
    れた磁性記録層とを少なくとも具えたことを特徴とする
    磁気記録媒体。
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