JP2001076335A - 磁気ディスク基板、磁気記録媒体、および磁気ディスク基板の製造方法 - Google Patents

磁気ディスク基板、磁気記録媒体、および磁気ディスク基板の製造方法

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JP2001076335A
JP2001076335A JP23479699A JP23479699A JP2001076335A JP 2001076335 A JP2001076335 A JP 2001076335A JP 23479699 A JP23479699 A JP 23479699A JP 23479699 A JP23479699 A JP 23479699A JP 2001076335 A JP2001076335 A JP 2001076335A
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disk substrate
coefficient
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Yoichi Tei
用一 鄭
Shoji Sakaguchi
庄司 坂口
Takashi Shimada
隆 島田
Katsunori Suzuki
克紀 鈴木
Asuka Yajima
あす香 矢島
Toshiyuki Kanno
敏之 管野
Tomoko Endo
知子 遠藤
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低そり性であり、且つ高度な表面精度と形状
安定性とを兼ね備える磁気ディスク基板、磁気記録媒
体、および磁気ディスク基板の製造方法を提供する。 【解決手段】 25〜120℃の温度条件下で基板の厚
み方向における線膨張係数が2.0×10-5〜8.0×
10-5cm/cm・℃および/または25〜150℃の
温度条件下での基板の半径方向における線膨張係数が、
2.0×10-5〜8.0×10-5cm/cm・℃になる
ように、熱可塑性樹脂から磁気ディスク基板を成形す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータの外
部記憶装置、およびその他のデジタルデータの各種磁気
記録装置に搭載される磁気記録媒体用の磁気ディスク基
板、その磁気ディスク基板を具える磁気記録媒体、およ
び磁気ディスク基板の製造方法に関するものである。さ
らに詳しくは、プラスチック製であるが、成形後に熱処
理を施さなくても低そり性であり、さらに、高度な表面
精度と形状安定性とを兼ね備える磁気ディスク基板、磁
気記録媒体、および磁気ディスク基板の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録媒体の磁気ディスク基板
としては、Al基板のような非磁性金属基板やガラス基
板のようなセラミック基板などが用いられている。
【0003】高度な表面精度が要求される磁気記録媒体
に関しては、非磁性金属基板が使用されている。非金属
基板上に磁性粒子分散液をスピンコート法などにより塗
布して記録層が形成されるが、走行方向に粒子の長軸を
配向させるために、基板表面にテクスチャーをつける等
の高度な精密加工が必要とされる。
【0004】非金属の磁気ディスク基板は、一般的に、
加熱溶融した金属材料を圧延して加熱焼鈍した後、規定
の寸法に加工されたブランク材を用いて作成される。規
定の寸法に加工されたブランク材に内外径処理を施し、
さらに表面精度を向上させるためにラッピング加工が行
われる。ついで、表面硬度向上等を目的として、Ni−
Pメッキ層を13μmの厚さで形成し、その表面をポリ
ッシュで平均粗さ(Ra)が10Åになるように研磨し
た後、ダイヤモンドスラリーを使用して最終ラッピング
加工が行われる。その後、コンタクト・スタート・スト
ップ(CSS)ゾーンに、例えばバンプ高さが190
Å、バンプ密度が30×30μm2になるようにレーザ
ーゾーンテクスチャーを施すことにより磁気ディスク基
板が作成される。
【0005】このように作成された磁気ディスク基板を
具えた磁気記録媒体の構成は多様であるが、例えば、基
板を精密洗浄した後、基板上に、DCスパッタ法により
Cr下地層500Å、Co−14Cr−4Ta磁性層3
00Å、カーボン保護層80Åを順次形成し、表面にテ
ープバニッシュを行った後、ディップコート法またはス
ピンコート法により厚さ20Åのフッ素系潤滑層を形成
して、磁気記録媒体が形成される。
【0006】このような従来の磁気ディスク基板および
磁気記録媒体の製造方法は、近年の高密度化にしたがっ
て益々複雑化している。一方では、高機能を維持したま
まで従来以上に安価な磁気記録媒体が求められており、
この相反する要求を解決する磁気記録媒体として、プラ
スチックを用いた磁気ディスク基板を具えた磁気記録媒
体が提案されている(特開平5−4231号、特開平5
−6535号、特開平5−28488号)。プラスチッ
ク、例えば、ポリカーボネート、ポリアクリル、ポリオ
レフィン等を用いることにより、磁気ディスク基板を成
形技術によって作製でき、成形時にCSSゾーンも同時
に形成できるため、生産性に優れ工業的に有利であり、
その結果、安価な磁気記録媒体を提供することを可能と
した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高度な
表面精度および形状安定性が要求される磁気ディスク基
板に関しては、プラスチック基板は、非金属基板やセラ
ミック基板と比較して、一般に引張り強度、伸び、弾性
等の機械的強度が低く、さらに熱膨張係数が大きいため
に高温・高湿下での信頼性試験では吸湿による基板変形
も伴って、形状変化が増大する。
【0008】例えば、一般的なプラスチック製光ディス
ク基板の表面精度は、平均粗さ(Ra)が10〜30
Å、円周方向の面振れ最大値が50〜70μmというレ
ベルである。このような基板を用いた場合、特に表面の
うねりが影響し、磁気ヘッドが浮上せず、実際の読み書
きが行えないという問題を引き起こす。
【0009】また、平均粗さが5Åであり、そりが20
μm以下であり、面振れ最大値が15μm未満であった
としても、機械的強度が低く、熱膨張係数の大きいポリ
カーボネート、ポリアクリル、ポリオレフィンなどの一
般的なプラスチック基板は、高温・高湿下(例えば60
℃・80%RH・500時間)でのCSS耐久性試験途
中で基板変形が増大し、ヘッドクラッシュに至るという
問題を引き起こす。
【0010】このような基板変形の要因として、成形時
に残留する応力の開放や材料の膨潤が考えられるが、前
者の影響が非常に大きい。そこで、このような経時的な
形状変化を防ぐために、成形後に基板に熱処理を施し
て、残留応力を予め取り除くことが行なわれている。通
常は70℃で24時間程度の熱処理である。この熱処理
を行うために、工程が増えるとともに、製造に長時間を
要し、製品のコスト高につながっている。
【0011】本発明は、かかる従来の実情を鑑みて提案
されたものであり、本発明の課題は、成形後に熱処理を
施さなくても低そり性であり、さらに、表面精度に優
れ、高温・高湿環境下で長時間放置しても基板の変形が
小さい形状安定性に優れた磁気ディスク基板、磁気記録
媒体、およびそのような磁気ディスク基板の製造方法を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このような
課題を解決するために、磁気ディスク基板の厚み方向お
よび/または半径方向において所定の線膨張係数を有す
る基板は、基板表面のスキン層と基板のバルクとの間の
分子配向性の差異が小さく、成形後に熱処理を施さなく
ても低そり性であり、さらに、高度な表面精度および形
状安定性を有する磁気ディスク基板を提供できることを
見出した。
【0013】すなわち、本発明の第1の形態である磁気
ディスク基板は、熱可塑性樹脂から成る磁気ディスク基
板であって、25〜120℃の温度条件下で該基板の厚
み方向における線膨張係数が、2.0×10-5〜8.0
×10-5cm/cm・℃であることを特徴とする。
【0014】第2の形態である磁気ディスク基板は、熱
可塑性樹脂から成る磁気ディスク基板であって、25〜
150℃の温度条件下での該基板の半径方向における線
膨張係数が、2.0×10-5〜8.0×10-5cm/c
m・℃であることを特徴とする。
【0015】第3の形態である磁気ディスク基板は、上
記第1または第2の形態の磁気ディスクにおいて、該基
板のそりが、20μm以下であることを特徴とする。
【0016】第4の形態である磁気ディスク基板は、上
記第1〜第3のいずれか1の形態の磁気ディスクにおい
て、該基板の円周方向における面振れ最大値が15μm
未満であることを特徴とする。
【0017】第5の形態である磁気ディスク基板は、上
記第1〜第3のいずれか1の形態の磁気ディスクにおい
て、該基板表面の平均粗さが10Å未満であることを特
徴とする。
【0018】第6の形態である磁気ディスク基板は、上
記第4の形態の磁気ディスクにおいて、該基板を温度6
0℃、相対湿度80%の高温高湿環境下に500時間放
置した後、基板の円周方向における面振れ最大値の変化
が10%未満であることを特徴とする。
【0019】さらに第7の形態は、磁気記録媒体であ
り、上記のいずれかの磁気ディスク基板を具えることを
特徴とする。
【0020】第8の形態は、上記第7の形態の磁気記録
媒体であり、CSS耐久性評価で20000回後の静摩
擦係数が0.3以下であることを特徴とする。
【0021】さらにまた、第9の形態は、上記のいずれ
かの磁気ディスク基板の製造方法であり、樹脂温度25
0〜400℃、射出速度50〜300mm/s、型締圧
力30〜150kg/cm2、金型温度100〜160
℃である成形条件下で、ガラス転移温度が135〜16
5℃であり、および温度60℃、相対湿度80%での吸
湿率が0.001〜0.01%である熱可塑性樹脂を射
出成形する工程を具えることを特徴とする。
【0022】第10の形態は、上記第9の形態の磁気デ
ィスク基板の製造方法であり、射出成形後に基板の熱処
理を行なわないことを特徴とする。
【0023】本明細書において、円周方向の面振れと
は、図2に表されるように、磁気ディスク基板が一周す
る間の面の上下動(振れ)を示し、円周方向の面振れの
最大値とは、磁気ディスク基板が一周する間に生じた最
大の振れ幅を示す。
【0024】
【発明の実施の形態】熱可塑性樹脂から成形された基板
が、成形後に熱処理を施さなくても低そり性であり、さ
らに、表面精度が高く、すなわち、円周方向における面
振れ最大値が15μm未満、および/または基板表面の
平均粗さが10Å未満であり、さらにまた、成形された
基板の形状安定性が高い、すなわち、基板を温度60
℃、相対湿度80%の高温高湿環境下に500時間放置
した後、基板の円周方向における面振れ最大値の変化が
10%未満であるような磁気ディスク基板を提供するた
めには、基板表面のスキン層と基板のバルクとの間の分
子配向性の差異を極力発生させないようにすることが必
要となる。
【0025】分子配向性の相違は次のような現象によっ
て生じる。樹脂充填時に、金型表面(基板の表面)で冷
やされ固化した樹脂とキャビティ中心部(基板のバル
ク)を高温で流れる樹脂との間で温度勾配ができ、それ
に伴い速度勾配ができる。そこで基板の表面と基板のバ
ルクとの界面にせん断応力が働き、絡まり合った分子が
流れ方向(半径方向)に伸ばされ、その後配向すること
なく凍結固化する(基板表面スキン層)。一方、キャビ
ティ中心部(基板のバルク)では温度・速度勾配は少な
いので、樹脂の流れる方向(半径方向)へ良く配向する
ことになる。この基板表面スキン層における分子の配向
性とバルクにおける分子の配向性との差が大きい基板ほ
ど、基板厚み方向でのクリープ特性が悪く、すなわち、
線膨張係数が大きくなり、且つ基板表面近傍には残留応
力が発生することになる。
【0026】このような厚み方向での膨張係数および残
留応力の大きい磁気ディスク基板を、高温・高湿(例え
ば60℃・80%RH)環境下に放置すると、湿度の影
響も加わるために基板の変形量がさらに増加し、磁気デ
ィスク基板としての形状安定性を維持することができな
くなる。
【0027】したがって、成形後に基板に熱処理を施さ
なくても、基板のそりが20μm以下であり、さらに、
円周方向における面振れ最大値が15μm未満、および
/または基板表面の平均粗さが10Å未満であり、さら
にまた、基板を温度60℃、相対湿度80%の高温高湿
環境下に500時間放置した後、基板の円周方向におけ
る面振れ最大値の変化が10%未満であるような磁気デ
ィスク基板は、適当な熱可塑性樹脂を用いて、適当な射
出成形条件下で成形することにより、基板厚み方向のク
リープ量(線膨張係数)を一定範囲内で小さくし、基板
表面スキン層にかかる応力を小さくすることにより提供
することができる。
【0028】すなわち、25〜120℃の温度条件下で
該基板の厚み方向における線膨張係数が、2.0×10
-5〜8.0×10-5cm/cm・℃であるか、または2
5〜150℃の温度条件下での該基板の半径方向におけ
る線膨張係数が、2.0×10-5〜8.0×10-5cm
/cm・℃となるように制御することにより、低そり性
であり、表面精度および形状安定性に優れた磁気ディス
ク基板を提供することができる。好ましい磁気ディスク
基板は、25〜120℃の温度条件下での該基板の厚み
方向における線膨張係数が、2.0×10-5〜8.0×
10-5cm/cm・℃であり、且つ25〜150℃の温
度条件下での該基板の半径方向における線膨張係数が、
2.0×10-5〜8.0×10-5cm/cm・℃である
磁気ディスク基板である。基板の厚み方向における線膨
張係数および半径方向の線膨張係数が、ともに2.0×
10-5〜8.0×10-5cm/cm・℃の範囲内である
クリープ特性を保持した基板は、成形後に熱処理を施す
ことなく、60℃、相対湿度80%の高温高湿環境下に
500時間放置した後に、基板のそりを20μm以下に
抑えることができる。
【0029】磁気ディスク基板の厚み方向および半径方
向の線膨張係数、並びに表面スキン層応力発生度評価方
法は以下のとおりである。
【0030】この測定は、例えばセイコーインスツルメ
ント(株)製TMA/SS120のような熱機械測定装
置(以下TMAと略す)を用いて行なわれる。基板厚み
方向のクリープ特性は、直径95mm×厚さ1.27m
mの基板から、5mm×5mm角の試験片を切り出し、
金型可動側面を下にして十分な水平性を持たせた上で、
金型固定側面に直径2mmの石英製TMAプローブを押
し当てる。ゼロ点に調整した後、荷重−1.0g(圧
縮)で、昇温速度5℃/分で温度を25℃から160℃
に加熱したときの膨張変位量の傾きを基板厚み方向固定
側面での線膨張係数として表す。
【0031】また、測定面を逆にし、同様に測定するこ
とで、基板厚み方向可動側面での線膨張係数として表
す。
【0032】本明細書において、基板の厚み方向におけ
る線膨張係数とは、特に明記されない限り、基板厚み方
向固定側面での線膨張係数および基板厚み方向可動側面
での線膨張係数の両方を表す。
【0033】この測定によると、基板表面スキン層に残
留応力の少ない磁気ディスク基板のクリープ特性挙動
は、25℃〜130℃の範囲で単調に膨張し、そのとき
の線膨張係数はこの温度範囲で2.0×10-5〜8.0
×10-5cm/cm・℃の値を取る。そして、この範囲
内のクリープ特性を保持した磁気ディスク基板において
は、そりが20μm以下であり、さらに、円周方向にお
ける面振れ最大値が15μm未満、および/または基板
表面の平均粗さが10Å未満であり、さらにまた、基板
を60℃、相対湿度80%の高温高湿環境下に500時
間放置した後、基板の円周方向における振れ最大値の変
化を10%未満に抑えることができる。この温度範囲に
おいて、基板厚み方向における線膨張係数は、好ましく
は2.0×10-5〜6.0×10-5cm/cm・℃であ
り、さらに好ましくは2.0×10-5〜5.0×10-5
cm/cm・℃であり、さらにより好ましくは2.0×
10-5〜4.0×10-5cm/cm・℃である。
【0034】また、基板半径方向のクリープ特性は、直
径95mm×厚さ1.27mmの基板から、5mm×1
0mm角の試験片を切り出し、5mm×1.27mmの
端面部分を十分に水平性に加工した後、この端面部に直
径2mmの石英製TMAプローブを押し当てる。ゼロ点
に調整した後、荷重−1.0g(圧縮)で、昇温速度5
℃/分で温度を25℃から160℃に加熱したときの膨
張変位量の傾きを基板半径方向での線膨張係数として表
す。
【0035】この測定によると、基板半径方向で残留応
力の少ない磁気ディスク基板のクリープ特性挙動は、2
5℃〜150℃の範囲で単調に膨張し、そのときの線膨
張係数はこの温度範囲で2.0×10-5〜8.0×10
-5cm/cm・℃の値を取る。そして、この範囲内のク
リープ特性を保持した磁気ディスク基板においては、そ
りが20μm以下であり、さらに、円周方向における面
振れ最大値が15μm未満、および/または基板表面の
平均粗さが10Å未満であり、さらにまた、基板を60
℃、相対湿度80%の高温高湿環境下に500時間放置
した後、基板の円周方向における面振れ最大値の変化を
10%未満に抑えることができる。この温度範囲におい
て、基板半径方向における線膨張係数は、好ましくは
2.0×10-5〜7.0×10-5cm/cm・℃であ
り、さらに好ましくは2.0×10-5〜5.0×10-5
cm/cm・℃であり、さらにより好ましくは2.0×
10-5〜4.0×10-5cm/cm・℃である。
【0036】基板の厚み方向における線膨張係数および
半径方向の線膨張係数が、ともに2.0×10-5〜6.
0×10-5cm/cm・℃の範囲内であるクリープ特性
を保持した基板は、成形後に熱処理を施すことなく、6
0℃、相対湿度80%の高温高湿環境下に500時間放
置した後、基板のそりを10μm以下に抑えることがで
きる。
【0037】本発明で用いられる熱可塑性樹脂は、射出
成形されて、上述の基板の厚み方向および半径方向にお
ける線膨張係数を提供できる熱可塑性樹脂であれば特に
限定されるものではないが、一般的には高耐熱性・低吸
湿性の熱可塑性樹脂である。
【0038】ガラス転移温度は、好ましくは135〜1
65℃であり、この範囲内であれば高い程好ましい。6
0℃、相対湿度80%での吸湿率は、好ましくは0.0
01〜0.01%、さらに好ましくは0.001〜0.
002%であり、この範囲内であれば低い程好ましい。
【0039】本発明において好適に用いられる熱可塑性
樹脂としては、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリ
レート、ポリオレフィンなどを挙げることができる。特
に高耐熱性・低吸湿性で剛直構造であるポリオレフィン
系樹脂が好ましい。
【0040】本発明において、熱可塑性樹脂は、本発明
の目的を害さない範囲内で、他の慣用の添加剤と混合さ
れてもよい。具体的は、フェノール系、リン系などの酸
化防止剤、ベンゾフェノン系などの紫外線安定剤、アミ
ン系などの帯電防止剤、脂肪族アルコール、エステルな
どの滑剤などを挙げることができる。
【0041】基板の表面精度および形状安定性を向上さ
せるためには、一般的に、高温高圧下で高射出速度で樹
脂を成形することが好ましいことは当業者によく知られ
ており、用いられる熱可塑性樹脂に応じて温度、圧力、
および射出速度は適宜決定されるが、本発明において
は、上述の基板の厚み方向および半径方向における線膨
張係数が得られるように射出成形条件を選択することが
必要である。
【0042】さらに、金型温度は用いられる樹脂に応じ
て、できるだけ高い温度とし、金型の固定面と可動面と
の温度差がない方が、厚み方向および半径方向の両方で
線膨張係数が小さい、すなわち、スキン層に残留する応
力が少ない基板を成形することができる。しかしなが
ら、金型の固定面と可動面との温度差がない場合でも、
金型から基板が離型するタイミングが固定面と可動面と
で異なるので、温度のバランスがくずれてしまい基板の
そり量が大きくなることがあり、これは金型温度が高い
時に顕著である。したがって、この点にも注意して成形
条件を選択することにより、成形後に熱処理を施すこと
なく、低そり性の基板を提供することができる。
【0043】本発明の磁気ディスクは、上述のとおり適
宜選択された熱可塑性樹脂を適宜選択された成形条件下
で成形することにより製造される。一例を挙げると、樹
脂温度250〜400℃、射出速度50〜300mm/
s、型締圧力30〜150kg/cm2、金型温度10
0〜160℃である成形条件下で、ガラス転移温度が1
35〜165℃であり、および60℃、相対湿度80%
での吸湿率が0.001〜0.01%である熱可塑性樹
脂から射出成形されることにより製造される。本発明に
おいて特定された線膨張係数を有する基板は、射出成形
後の基板に熱処理を施すことにより低そり性の基板とな
る。さらに、上述の成形の注意事項を考慮して射出成形
条件を選択して基板を成形することにより、成形後に特
に熱処理を施さなくても、成形後から高温高湿条件下で
500時間放置した後に至るまで、低そり性であり、さ
らに、表面精度および形状安定性に優れる基板を提供す
ることができる。いずれにせよ、本明細書中の開示に基
づいて、適当な射出成形条件を選択することは、当業者
にとって容易である。
【0044】本発明においては、25〜120℃の温度
条件下での基板の厚み方向における線膨張係数が、2.
0×10-5〜8.0×10-5cm/cm・℃、および/
または25〜150℃の温度条件下での基板の半径方向
における線膨張係数が、2.0×10-5〜8.0×10
-5cm/cm・℃である磁気ディスク基板上に、図1に
示すように中間層、下地層、磁性層、保護層、潤滑層等
を形成することにより磁気記録媒体が製造される。磁気
記録媒体の構成が図1に示したものに限られないことは
言うまでもない。
【0045】本発明による磁気記録媒体は、CSS耐久
性評価で20000回後の静摩擦係数が十分に低く、好
ましくは、0.3以下である。
【0046】CSS耐久性評価は、ヘッドサイズ30
%、ヘッド荷重3gのDLC(diamond-like-carbon)
コート付きMRヘッドを用いて、例えばLotus社製
のLotus CSS TesterのようなCSSテ
スターにより、25℃で相対湿度80%の条件下で行な
われる。
【0047】
【実施例】本発明を、以下に実施例を挙げて説明する
が、本発明は本実施例にのみ限定されるものではない。
【0048】磁気ディスク基板の作成 以下の実施例および比較例で使用する磁気ディスク基板
を次のとおり作成した。
【0049】基板A:樹脂として高耐熱性ポリオレフィ
ン(日本ゼオン(株)製ZEONEX)を用いて、最大
射出成形圧力70tの市販の射出成形装置にスタンパー
を固定した金型において、樹脂温度320℃、射出速度
170mm/秒、型締圧力70kg/cm2、金型温度
(固定側/可動側)130℃/120℃で直径約95m
mで厚さ約1.27mmの磁気ディスク基板を得た。
【0050】基板B:成形条件を樹脂温度320℃、射
出速度170mm/秒、型締圧力70kg/cm2、金
型温度(固定側/可動側)120℃/120℃にする以
外は基板Aと同様にして磁気ディスク基板を得た。
【0051】基板C:成形条件を樹脂温度320℃、射
出速度170mm/秒、型締圧力70kg/cm2、金
型温度(固定側/可動側)130℃/130℃にする以
外は基板Aと同様にして磁気ディスク基板を得た。
【0052】基板D:成形条件を樹脂温度320℃、射
出速度170mm/秒、型締圧力70kg/cm2、金
型温度(固定側/可動側)120℃/110℃にする以
外は基板Aと同様にして磁気ディスク基板を得た。
【0053】基板E:成形条件を樹脂温度320℃、射
出速度170mm/秒、型締圧力70kg/cm2、金
型温度(固定側/可動側)110℃/110℃にする以
外は基板Aと同様にして磁気ディスク基板を得た。
【0054】基板F:成形条件を樹脂温度350℃、射
出速度170mm/秒、型締圧力70kg/cm2、金
型温度(固定側/可動側)130℃/120℃にする以
外は基板Aと同様にして磁気ディスク基板を得た。
【0055】基板G:成形条件を樹脂温度330℃、射
出速度120mm/秒、型締圧力70kg/cm2、金
型温度(固定側/可動側)120℃/120℃にする以
外は基板Aと同様にして磁気ディスク基板を得た。
【0056】基板H:成形条件を樹脂温度310℃、射
出速度120mm/秒、型締圧力70kg/cm2、金
型温度(固定側/可動側)115℃/115℃にする以
外は基板Aと同様にして磁気ディスク基板を得た。
【0057】基板I:高耐熱性ポリオレフィンに代え
て、帝人化成(株)製、商品名パンライトAD−550
3ポリカーボネートを使用した以外は基板Fと同様にし
て磁気ディスク基板を得た。
【0058】(実施例1〜3および比較例1〜2)これ
らの実施例および比較例は、成形条件、線膨張係数、お
よびそり量の関係を明らかにするためのものである。
【0059】基板A、B、C、DおよびEについて、前
述した磁気ディスク基板の厚み方向/半径方向における
線膨張係数および表面スキン層応力発生評価方法にした
がって、熱機械測定装置(TMA)を用い、金型固定側
面・可動側面および半径方向の膨張変形量を測定し、線
膨張係数を求めた。また、基板の成形後のそり量、およ
び、その基板を、60℃、相対湿度80%の高温高湿環
境下に500時間放置した後(HH試験後)のそり量を
測定した。結果を表1および図3〜図5に示す。
【0060】
【表1】
【0061】表1および図3から、固定面および可動面
の線膨張係数は、実施例3のように金型温度が高く、且
つ固定面と可動面の温度が同じ場合に、小さい値となる
とともに、固定面側と可動面側との値が近いことがわか
る。一方、比較例1および2のように金型温度が低い
と、線膨張係数は大きくなり、さらに比較例1のように
固定面と可動面の温度が異なる場合に、固定面側と可動
面側との値が大きく異なることがわかる。このことか
ら、金型温度を高温にするとともに、固定面と可動面の
温度を同じにして成形を行うことにより、スキン層に残
留する応力が少ない基板を作成できることは明らかであ
る。
【0062】表1および図4から、半径方向の線膨張係
数は、実施例3のように金型温度が高く、且つ固定面と
可動面の温度が同じ場合に、小さい値となることがわか
る。一方、比較例1および2のように金型温度が低い
と、線膨張係数は大きくなることがわかる。このことか
ら、金型温度を高温とするとともに、固定面と可動面の
温度を同じにして成形を行うことにより、スキン層に残
留する応力が少ない基板を作成できることは明らかであ
る。
【0063】表1および図5から、成形後の基板のそり
量は、実施例1および比較例1のように、固定面と可動
面の温度に差がある場合に小さいことがわかる。一方、
実施例3のように金型温度が高く、固定面と可動面の温
度が同じ場合には、そりが非常に大きくなることがわか
る。これは、固定面および可動面の金型から基板が離型
するタイミングが異なるので、両面における温度バラン
スがくずれてしまい、基板に応力が残留してしまうこと
により、基板変形が生じるためであると考えられる。こ
の現象は金型温度が高い時に顕著である。このような場
合には、基板を成形した後に熱処理を施すことにより、
そり量を小さくすることができる。
【0064】これに対して、基板を60℃、相対湿度8
0%の高温高湿環境下に500時間放置した後のそり量
は、実施例1〜3のように、金型温度が高い時に、小さ
くなることがわかる。また、60℃、相対湿度80%の
高温高湿環境下に500時間放置した後にそり量が小さ
い基板は、基板の厚み方向における線膨張係数および半
径方向の線膨張係数が、ともに2.0×10-5〜8.0
×10-5cm/cm・℃の範囲内であることがわかる。
【0065】以上の結果から、実施例1〜3のように、
本発明で定めた範囲内の線膨張係数を有する基板は、残
留応力が少なく、且つ、熱処理を施すことなく高温高湿
環境下に放置された後のそり量を20μm以下に抑える
ことができることが明らかである。さらに、実施例1お
よび2のように、成形条件をコントロールすることによ
り、成形後に熱処理を施すことなしに、成形後の基板を
低そり性にすることができることがわかる。
【0066】(実施例4〜6および比較例3)これらの
実施例および比較例は、成形条件と線膨張係数との関係
を明らかにするためのものである。基板F、G、Hおよ
びIについて、前述した磁気ディスク基板の厚み方向/
半径方向における線膨張係数および表面スキン層応力発
生評価方法にしたがって、熱機械測定装置(TMA)を
用い、金型固定側面・可動側面および半径方向の膨張変
形量を測定し、線膨張係数を求めた。結果を表2および
図6〜図10に示す。
【0067】
【表2】
【0068】実施例4〜6と比較例3とを比較すると、
比較例3における基板の厚み方向の線膨張係数は、マイ
ナス、すなわち収縮挙動を示しており、スキン層に大き
な残留応力が発生していることが分る。
【0069】また、実施例4〜6を比較すると、樹脂の
流れ方向である半径方向の線膨張係数は、実施例4、5
および6の間での差は比較的少ないが、金型に接してい
る面をより強調して測定している基板厚み方向の線膨張
係数は、実施例6>実施例5>実施例4の順で小さくな
っており、成形条件によってクリープ量が異なっている
ことが明瞭であり、厚み方向での分子配向性の差異が認
められた。
【0070】(実施例7〜9および比較例4)これらの
実施例および比較例は、線膨張係数と面振れ最大値との
関係を明らかにするためのものである。基板F、G、H
およびIについて、スピードファム(株)製の基板形状
測定機(SME)を用いて基板の円周方向における面振
れ最大値(TIR)を測定した。さらに、その基板を、
60℃、相対湿度80%の高温高湿環境下に500時間
放置した後、基板の円周方向における面振れ最大値(T
IR)を測定し、形状変化率を求めた。結果を表3に示
す。
【0071】
【表3】
【0072】表3から、成形後の基板円周方向の面振れ
最大値も、この基板厚み方向の線膨張係数の大小や応力
発生度と密接に対応していることが明らかである。
【0073】さらに、実施例7および8と実施例9とを
比較すると、25〜120℃の温度条件下での基板の厚
み方向における線膨張係数が2.0×10-5〜6.0×
10-5cm/cm・℃、且つ25〜150℃の温度条件
下での基板の半径方向における線膨張係数が2.0×1
-5〜7.0×10-5cm/cm・℃である本発明の好
ましい範囲の線膨張係数を有する、基板表面における残
留応力の小さい磁気ディスク基板は、基板を60℃、相
対湿度80%の高温高湿環境下に500時間放置した
後、基板の円周方向における振れ最大値の変化を10%
未満に抑えることができることが明らかである。
【0074】(実施例10〜12および比較例5)これ
らの実施例および比較例は、線膨張係数と表面平均粗さ
との関係を明らかにするためのものである。基板F、
G、HおよびIについて、ZYGO社製の光学式表面粗
さ計を用いて基板の表面平均粗さ(Ra)を測定した。
結果を表4に示す。
【0075】
【表4】
【0076】実施例10および11のような樹脂温度お
よび金型温度が高温である射出成形においては樹脂の溶
融粘度も低下することから、表4に示すように、基板の
表面精度も向上し、平均粗さが10Å未満である表面精
度を、高度な形状安定性と同時に達成できる。
【0077】(実施例13〜15および比較例6)これ
らの実施例および比較例は、磁気記録媒体の特性を明ら
かにするためのものである。
【0078】磁気記録媒体の作成 基板F上にDCスパッタ法によりCr下地層500Å、
Co−14Cr−4Ta磁性層300Å、カーボン保護
層80Åを順次形成し、さらにスパッタ後の表面にテー
プバニッシュを行い、フッ素系潤滑剤(アウジモント製
FOMBLINZ−DOL)をスピンコート法で20Å
の厚さに塗布して磁気記録媒体を得た。これを実施例1
3とする。
【0079】また、基板G、HおよびIに同様に成膜処
理を施し、磁気記録媒体を得た。これらをそれぞれ実施
例14、15および比較例6とする。
【0080】磁気記録媒体特性の評価 上記の磁気記録媒体に関して、ヘッドサイズ30%、ヘ
ッド荷重3gのDLCコート付きMRヘッドを用いて、
CSSテスター(Lotus社製のLotus CSSTester)
により、25℃で相対湿度80%の条件下で20000
回のCSS耐久性評価を行った。
【0081】CSS耐久性評価前後での円周方向面振れ
最大値(TIR)と、CSS耐久性評価前後の静摩擦係
数を表5に示す。
【0082】
【表5】
【0083】表5から、CSS評価後の基板形状変化や
静摩擦係数値も、基板厚み方向の線膨張係数の大小や応
力発生度と密接に対応していることがわかる。
【0084】実施例13および14と実施例15とを比
較すると、いずれも静摩擦係数は0.3未満であること
がわかる。実施例15のような線膨張係数がやや大き
く、残留応力が発生している磁気ディスク基板を具えた
磁気記録媒体においては、CSS評価の途中で基板変形
量が大きくなり、ヘッドと媒体表面が徐々に接触して、
最終的にはヘッドクラッシュへと至るのに対し、実施例
13および14のように、25〜120℃の温度条件下
での基板の厚み方向における線膨張係数が2.0×10
-5〜6.0×10-5cm/cm・℃、且つ25〜150
℃の温度条件下での基板の半径方向における線膨張係数
が2.0×10-5〜7.0×10-5cm/cm・℃であ
る、基板表面における残留応力の小さい磁気ディスク基
板を具える磁気記録媒体は、20000回のCSS評価
後での静摩擦係数は0.3未満となり、良好な耐久性を
有していることがわかる。したがって、高度な耐久性が
要求される場合には、25〜120℃の温度条件下での
基板の厚み方向における線膨張係数が2.0×10-5
6.0×10-5cm/cm・℃、且つ25〜150℃の
温度条件下での基板の半径方向における線膨張係数が
2.0×10-5〜7.0×10-5cm/cm・℃である
基板が好適に用いられる。
【0085】
【発明の効果】本発明の磁気ディスク基板は、基板の厚
み方向および半径方向において所定の線膨張係数を有
し、すなわち、基板表面のスキン層と基板のバルクとの
間の分子配向性の差異が小さく、したがって、残留応力
を最小限に抑え、基板厚み方向のクリープ量を適性な範
囲で制御した基板である。このような磁気ディスク基板
は、低そり性であり、さらに、高度な表面精度および形
状安定性を有する。さらにまた、適当な成形条件を選択
することにより、成形後に熱処理を施さなくても、低そ
り性であり、高度な表面精度および形状安定性を有する
基板を提供することができる。
【0086】また、本発明によると、このような形状変
化が少なく高精度・高信頼性を兼ね備えた磁気記録媒体
を、大量且つ安価に生産することが可能となり、工業的
な価値が極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の一実施例を表す構造断
面図である。
【図2】磁気ディスク基板の円周方向の振れを表す説明
図である。
【図3】実施例1〜3および比較例1〜2の磁気ディス
ク基板の厚み方向における線膨張係数を表すグラフであ
る。
【図4】実施例1〜3および比較例1〜2の磁気ディス
ク基板の半径方向における線膨張係数を表すグラフであ
る。
【図5】実施例1〜3および比較例1〜2の磁気ディス
ク基板の成形後および高温高湿条件下に放置後のそり量
を表すグラフである。
【図6】(A)は実施例4の磁気ディスク基板の厚み方
向におけるクリープ曲線を表すグラフであり、(B)は
実施例4の磁気ディスク基板の厚み方向における線膨張
係数を表すグラフである。
【図7】(A)は実施例5の磁気ディスク基板の厚み方
向におけるクリープ曲線を表すグラフであり、(B)は
実施例5の磁気ディスク基板の厚み方向における線膨張
係数を表すグラフである。
【図8】(A)は実施例6の磁気ディスク基板の厚み方
向におけるクリープ曲線を表すグラフであり、(B)は
実施例6の磁気ディスク基板の厚み方向における線膨張
係数を表すグラフである。
【図9】(A)は比較例3の磁気ディスク基板の厚み方
向におけるクリープ曲線を表すグラフであり、(B)は
比較例3の磁気ディスク基板の厚み方向における線膨張
係数を表すグラフである。
【図10】(A)は実施例4〜6および比較例3の磁気
ディスク基板の半径方向におけるクリープ曲線を表すグ
ラフであり、(B)は実施例4〜6および比較例3の磁
気ディスク基板の半径方向における線膨張係数を表すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 磁気記録媒体 2 磁気ディスク基板 3 中間層 4 下地層 5 磁性層 6 保護層 7 潤滑層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島田 隆 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 鈴木 克紀 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 矢島 あす香 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 管野 敏之 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 遠藤 知子 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 Fターム(参考) 4F206 AA03 AH38 AR024 AR061 AR064 AR082 JA07 5D006 CB01 CB07 DA03 FA00 5D112 AA02 AA24 BA01 BA10 GB03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂から成る磁気ディスク基板
    であって、25〜120℃の温度条件下で該基板の厚み
    方向における線膨張係数が、2.0×10-5〜8.0×
    10-5cm/cm・℃であることを特徴とする磁気ディ
    スク基板。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂から成る磁気ディスク基板
    であって、25〜150℃の温度条件下での該基板の半
    径方向における線膨張係数が、2.0×10-5〜8.0
    ×10-5cm/cm・℃であることを特徴とする磁気デ
    ィスク基板。
  3. 【請求項3】 前記基板のそりが、20μm以下である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の磁気ディス
    ク基板。
  4. 【請求項4】 前記基板の円周方向における面振れ最大
    値が15μm未満であることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の磁気ディスク基板。
  5. 【請求項5】 前記基板表面の平均粗さが10Å未満で
    あることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の磁気ディスク基板。
  6. 【請求項6】 前記基板を温度60℃、相対湿度80%
    の高温高湿環境下に500時間放置した後、基板の円周
    方向における面振れ最大値の変化が10%未満であるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の磁気ディスク基板。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載され
    た磁気ディスク基板を具えることを特徴とする磁気記録
    媒体。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載された磁気ディスク基板
    を具える磁気記録媒体であって、CSS耐久性評価で2
    0000回後の静摩擦係数が0.3以下であることを特
    徴とする磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁
    気ディスク基板の製造方法であって、樹脂温度250〜
    400℃、射出速度50〜300mm/s、型締圧力3
    0〜150kg/cm2、金型温度100〜160℃で
    ある成形条件下で、ガラス転移温度が135〜165℃
    であり、および温度60℃、相対湿度80%での吸湿率
    が0.001〜0.01%である熱可塑性樹脂を射出成
    形する工程を具えることを特徴とする磁気ディスク基板
    を製造する方法。
  10. 【請求項10】 射出成形後に基板の熱処理を行なわな
    いことを特徴とする請求項9に記載の磁気ディスク基板
    を製造する方法。
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