JPH07153060A - 磁気ディスク基板およびこれを用いた磁気ディスク - Google Patents

磁気ディスク基板およびこれを用いた磁気ディスク

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JPH07153060A
JPH07153060A JP30027893A JP30027893A JPH07153060A JP H07153060 A JPH07153060 A JP H07153060A JP 30027893 A JP30027893 A JP 30027893A JP 30027893 A JP30027893 A JP 30027893A JP H07153060 A JPH07153060 A JP H07153060A
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JP
Japan
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magnetic disk
servo
disk substrate
magnetic
substrate
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JP30027893A
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English (en)
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Yoshiyuki Kuromiya
美幸 黒宮
Hiroshi Takino
浩 瀧野
Masayoshi Oshima
正義 大島
Teiji Obara
禎二 小原
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Zeon Corp
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 熱可塑性ノルボルネン系樹脂を射出成形する
ことにより、最適化された厚みを有し、サーボマーク形
成部6に凹凸が設けられ、記録トラック形成部7には凸
形状、ガードバンド形成部8には凹形状が形成された磁
気ディスク基板1が成形される。そして、この磁気ディ
スク基板1上に形成される磁性層は、前記サーボマーク
形成部6の凹部上での磁化方向と凸部上での磁化方向が
逆とされ、記録トラック形成部7からガードバンド形成
部8に亘って一様に形成される。 【効果】 吸湿性が低く、形状変化の小さい磁気ディス
クとなる。また、発生する共振周波数が高いので、サー
ボマークの読み取りが容易となる。さらに、サーボマー
ク位置精度が高く、高精度トラッキングが可能となる。
したがって、トラックピッチを上げ、より一層の高記録
密度化を図ることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性ノルボルネン
系樹脂を用いた磁気ディスク基板に関するものである。
また、磁気ディスクに対する磁気ヘッドの位置制御が高
精度に行える磁気ディスクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ディジタル情報を磁気ヘッドによって記
録・再生する磁気記録媒体、例えば、磁気ディスクにお
いては、サーボマークを書き込むことによって、磁気ヘ
ッドを記録トラックに追従させたり、アドレス情報を与
えたりすることが行われている。ところで、磁気ヘッド
のトラッキング(以下、所望アドレスにおいて記録トラ
ックに正確に追従するように位置制御することを「トラ
ッキング」とする)を高精度に行うためには、磁気ディ
スクの共振周波数をサーボ帯域以上に高める必要があ
る。このため、アルミニウム、ガラス、あるいはセラミ
ック等の高い弾性率を有する材料が磁気ディスク基板と
して用いられてきた。そして、データの記録時に、サー
ボライタにてサーボマークも同時に書き込むことによっ
て、磁気ディスクに位置信号を書き込むことが行われて
きた。
【0003】しかし、高記録密度化に伴う記録トラック
幅の狭小化が進むにしたがって、上記位置信号の高い位
置精度が必要となり、従来の位置信号の書き込み方法で
は、サーボライタと磁気記録装置の機構部との間に高い
位置精度を持たせることが必要となってくる。そして、
これには、高い技術的難度が要求されるため、装置が高
価になるという問題がある。
【0004】そこで、磁気ディスクにサーボマークをプ
リフォームすることによって位置信号の位置精度を高め
る方法が提案されている。例示するならば、磁性層をエ
ッチング、或いは非磁性化することによりサーボマーク
を形成する方法、磁気ディスク基板をモールド技術等に
よって成形し、成形時に凹凸サーボマークを形成する方
法等が挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した磁性
層をエッチング、或いは非磁性化することによりサーボ
マークを形成する方法では、磁気ディスクの製造工程が
複雑になり、工業的生産が困難となるという難点があ
る。
【0006】一方、磁気ディスク基板をモールド技術に
よって成形し、凹凸サーボマークを形成する方法は、生
産性に優れ工業的に有利である。しかし、基板として用
いるプラスチックが、例えば、光ディスク基板に使用さ
れているポリカーボネートやポリメチルメタクリレート
等であると、吸湿による変形が大きすぎて不適当であ
る。また、低吸湿率のポリメチルペンテンやポリスチレ
ン等では、結晶性プラスチックのため成形後の結晶化の
進行に伴う基板の変形が大きかったり、耐熱性が不十分
であったりして好ましくない。
【0007】さらに、プラスチックは弾性率が低いため
磁気ディスクの共振周波数が低くなりサーボ帯域より大
きい共振周波数が得られなくなるという難点もある。こ
のように、従来のプラスチックでは磁気ディスク基板と
して適当なものは見出されていなかった。
【0008】そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、変形が小さく、弾性率が高い
磁気ディスク基板を提供することを目的とし、また、こ
のような磁気ディスク基板を用いることにより、高精度
トラッキングが可能な磁気ディスクを提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の目
的を達成せんものと鋭意検討を進めた結果、磁気ディス
ク基板材料として熱可塑性ノルボルネン系プラスチック
を使用し、基板の厚さを最適化することで磁気ディスク
の共振周波数をサーボ帯域以上に高めることができるこ
とを見い出した。また、上述のような磁気ディスク基板
は、高い位置精度を有するサーボマークを形成でき、高
精度トラッキングが可能な磁気ディスクとなることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明に係る磁気ディスク基板は、
熱可塑性ノルボルネン系樹脂が射出成形されてなるもの
であり、本発明に係る磁気ディスクは、このような磁気
ディスク基板に少なくとも磁性層が形成されてなるもの
である。
【0011】ここで用られる熱可塑性ノルボルネン系樹
脂は、特開昭51−80400号公報、特開昭60−2
6024号公報、特開平1−168725号公報、特開
平1−190726号公報、特開平3−14882号公
報、特開平3−122137号公報、特開平4−638
07号公報等にて開示されるものであり、具体的には、
ノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系
モノマーの開環重合体水素添加物、ノルボルネン系モノ
マーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーとオレフィ
ンの付加共重合体等が挙げられる。
【0012】熱可塑性ノルボルネン系樹脂を得るための
単量体としては、上記公報や、特開平2−27424号
公報、特開平2−276842号公報等で公知の単量体
を用いれば良い。例えば、ノルボルネン、そのアルキ
ル、アルキリデン、アルケニル、芳香族置換誘導体およ
びこれらの置換または非置換のオレフィンのハロゲン、
水酸基、エステル基、アルコキシ基、シアノ基、アミド
基、イミド基、シリル基、などの極性基置換体がある。
具体例としては、2−ノルボルネン、5−メチル−2−
ノルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、
5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノル
ボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−オク
チル−2−ノルボルネン、5−オクタデシル−2−ノル
ボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−イ
ソプロペニル−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボ
ニル−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネ
ン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボ
ルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−フェニ
ル−5−メチル−ノルボルネン等が挙げられる。
【0013】また、ノルボルネンに一つ以上のシクロペ
ンタジエンが付加した単量体、その上記と同様の誘導体
や置換体でもよい。具体例として、1,4:5,8−ジ
メタノ−1、4,:4a,5,6,7,8,8a−オク
タヒドロナフタレン、6−メチル−1,4:5,8−ジ
メタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレン、6−エチル−1,4:5,8−ジメ
タノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒ
ドロナフタレン、6−エチリデン−1,4:5,8−ジ
メタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレン、6−メチル−6−メトキシカルボニ
ル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,
6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−シア
ノ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,
6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン等が挙げら
れる。
【0014】さらに、シクロペンタジエンの多量体であ
る多環構造の単量体、その上記と同様の誘導体や置換体
であってもよい。具体例として、ジシクロペンタジエ
ン、1,4:5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4,
5,8,8a−2,3−シクロペンタジエノナフタレ
ン、1,4:5,10:6,9−トリメタノ−1,2,
3,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a
−ドデカヒドロ−2、3−シクロペンタジエノアントラ
セン、2,3−ジヒドロジシクロペタジエン等が挙げら
れる。
【0015】また、シクロペンタジエンとテトラヒドロ
インデン、インデン、ベンゾフラン等とその付加物、そ
の上記と同様の誘導体や置換体であってもよい。具体例
として、1,4−メタノ−1,4,4a,4b,5,
8,8a,9a−オクタヒドロフルオレン、5,8−メ
タノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒ
ドロ−2,3−シクロペンタジエノナフタレン、1,4
−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレ
ン、1、4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒド
ロジベンゾフラン等;などが挙げられる。
【0016】本発明に用いる熱可塑性ノルボルネン系樹
脂は、上記単量体の中から選んだ少なくとも一種以上の
単量体を含有するものであり、目的とする重合体の溶解
性などの特性を実質的に損なわない、また改善する範囲
で上記単量体以外にこれらと共重合可能な単量体を含有
していてもよい。共重合可能な単量体としては、シクロ
ペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオ
クテン等のシクロオレフィンが挙げられる。
【0017】また、熱可塑性ノルボルネン系樹脂がノル
ボルネン系モノマーとオレフィンの付加共重合体である
場合は、オレフィンとしてエチレン、プロピレン、1−
ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、ス
チレン等のα−オレフィンが用いられる。
【0018】これら熱可塑性ノルボルネン系樹脂の、2
5℃のデカリンもしくはトルエン中で測定した極限粘度
[η]は、0.01〜20dl/g、好ましくは0.0
5〜10dl/g、より好ましくは0.1〜5dl/g
である。極限粘度が小さすぎると重合体としての形状を
保たなくなり、大き過ぎると成形性が悪くなる。
【0019】また、これら熱可塑性ノルボルネン系樹脂
のガラス転移温度(以下Tgとする)は、50℃〜20
0℃、好ましくは70℃〜180℃、より好ましくは8
0℃〜160℃である。
【0020】なお、上記熱可塑性ノルボルネン系樹脂に
は、所望により、フェノール系やリン系等の酸化防止
剤、ベンゾフェノン系等の紫外線吸収剤、耐光安定剤、
帯電防止剤、脂肪族アルコールのエステル、多価アルコ
ールの部分エステスおよび部分エーテル等の滑剤、等の
各種添加剤を添加してもよい。また、本発明の目的を損
なわない範囲で、他の樹脂、ゴム質重合体等を混合して
用いることもできる。
【0021】そして、上述したような熱可塑性ノルボル
ネン系樹脂を用いた磁気ディスク基板は、磁気ディスク
の共振周波数をサーボ帯域以上に高めるため、ガラス基
板を用いた磁気ディスクの2.5インチ基板の厚さ0.
89mmよりも厚くする。具体的には、直径が95mm
であるときは厚さを2.6〜3.0mmとし、直径が6
5mmであるときには厚さを0.9〜2.0mmとし、
直径が48mmであるときには厚さを0.5〜1.8m
mとし、直径が34mmであるときには厚さを0.2〜
1.6mmとすることが好ましい。
【0022】基板厚さが薄すぎると、磁気ディスクの共
振周波数が低くなり、逆に基板厚さが厚すぎると、磁気
ディスクが大きくなり、限られた磁気記録装置内空間に
必要数を収容させることが困難となる。
【0023】また、上記磁気ディスク基板は、射出成形
により、サーボマーク形成部が凹凸を有するように形成
されることが好ましい。さらに、記録トラック形成部が
凸形状、ガードバンド形成部が凹形状に形成されること
が好ましい。なお、上記磁気ディスク基板の射出成形時
に用いるスタンパは、光磁気ディスクのサーボマーク形
成等に用いられているマスタリング技術により加工され
るため、上記サーボマーク形成部の凹凸や、記録トラッ
ク形成部およびガードバンド形成部の凹凸の位置精度は
非常に高い。
【0024】本発明に係る磁気ディスクは、前述したよ
うな材料、形状を有する磁気ディスク基板に、少なくと
も磁性層が形成されてなるものである。そして、この磁
気ディスクは、上記磁気ディスク基板の記録トラック形
成部からガードバンド形成部に亘って一様に磁性層が形
成されているものであることが好ましい。これによっ
て、記録トラック形成部とガードバンド形成部との境界
は、磁気ディスク基板の凹凸によって決定し、この凹凸
は射出成形時に精度よく形成されるので、高精度トラッ
キングが可能となる。
【0025】また、サーボマーク形成部の凹凸上に形成
される磁性層は、凹部上での磁化方向と凸部上での磁化
方向とが逆とされることが好ましい。これによって、漏
洩磁束が発生する磁化反転部は、磁気ディスク基板の凹
部と凸部の境界によって決定し、この凹凸は射出成形時
に精度よく形成されるので、サーボマークの位置精度は
優れたものとなる。
【0026】上記サーボマークを記録するには、例えば
二段階着磁法によるサーボライトを行えばよい。即ち、
第1段階において、図3に示されるように、磁気ヘッド
12を用いて充分大きな記録電流にて、磁気ディスク基
板1の凹部上の磁性層11であっても凸部上の磁性層1
1であっても同一方向に磁化する。第2段階において
は、図4に示されるように、第1段階の記録電流よりも
小さな記録電流にて、凸部上の磁性層11の磁化方向の
みを反転させる。この結果、凹部と凸部の磁化方向が反
対になり、この凹部と凸部の境界である磁化反転部から
発生する漏洩磁束が位置信号となる。
【0027】なお、磁気ディスク基板上には、磁性層の
他に下地層、保護膜、潤滑剤塗布層が設けられてもよ
い。下地層、磁性層、保護膜、潤滑剤塗布層を構成する
材料および形成方法は従来公知の方法がいずれも使用可
能であり、特に限定されないが、下地層としては、C
r、Mo等、磁性層としては、CoPt、CoPd、C
oCrPt等の金属磁性薄膜、保護膜としては、C、S
iO2 等をスパッタリング法等により形成する方法が代
表的である。また、潤滑剤塗布層としては、例えば、商
品名Fomblin Z−DOL等の潤滑剤をスピンコ
ート法等で塗布して形成すればよい。
【0028】
【作用】本発明の磁気ディスク基板は、熱可塑性ノルボ
ルネン系樹脂よりなり、且つ、その厚みが最適化される
ため、吸湿性が小さく、且つ、高い共振周波数を発生す
るものとなる。また、射出成形によって成形されるた
め、サーボマーク形成部の凹凸や、記録トラック形成部
およびガードバンド形成部の凹凸は、非常に位置精度の
高いものとして形成することができる。
【0029】本発明に係る磁気ディスクは、前述したよ
うな磁気ディスク基板に、記録トラック形成部からガー
ドバンド形成部に亘って一様に磁性層が形成されれば、
記録トラック形成部とガードバンド形成部との境界は、
磁気ディスク基板の凹凸によって高精度に決定すること
ができるため、高精度トラッキングが可能となる。
【0030】また、サーボマーク形成部の凹凸上に形成
される磁性層は、凹部上での磁化方向と凸部上での磁化
方向とが逆とされることによって、漏洩磁束が発生する
磁化反転部は、凹部と凸部の境界によって高精度に決定
することができるため、高精度トラッキングが可能とな
る。
【0031】
【実施例】以下に、本発明を適用した具体的な実施例に
ついて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0032】実施例1 本実施例に係る磁気ディスクの一例を以下に示す。この
磁気ディスクは、磁気ディスク基板上に下地層、磁性
層、保護膜、潤滑剤塗布層が順次設けられてなるもので
ある。
【0033】上記磁気ディスク基板1は、日本ゼオン社
製、商品名ZEONEX480なる熱可塑性ノルボルネ
ン系樹脂よりなる、直径65mm、厚さ1.2mmの略
円盤状のものであり、具体的には、図1に示すように、
記録領域形成部2、該記録領域形成部2の内周側および
外周側に位置するクランプ部3およびランディング部4
よりなる。
【0034】なお、上記記録領域形成部2は、この上に
形成される磁性層(図示せず)が実際にデータを記録す
る領域となるデータ領域形成部5と、アドレス及び記録
トラック内位置を制御する(トラッキングする)ための
情報がプリフォームされるサーボマーク形成部6とから
なっている。
【0035】図2に上記記録領域形成部2を拡大したも
のを示すように、上記データ領域形成部5は記録トラッ
ク形成部7とガードバンド形成部8よりなり、上記サー
ボマーク形成部6はアドレスマーク形成部9およびファ
インマーク形成部10からなる。そして、上述したよう
にデータ領域形成部5においては、記録トラック形成部
7は凸形状、ガードバンド形成部8は凹形状となってお
り、サーボマーク形成部6にも、凹凸が設けられてい
る。
【0036】上述のような磁気ディスク基板1上には、
下地層(図示せず)が形成され、さらにその上に磁性層
が形成されているが、上記データ領域形成部5におい
て、記録トラック形成部7であってもガードバンド形成
部8であっても、一様に磁性層が形成されており、サー
ボマーク形成部6の凹凸上の磁性層は、凹部上での磁化
方向と、凸部上での磁化方向が逆とされている。
【0037】また、磁性層が形成された上には保護膜と
潤滑剤塗布層とが形成されている。
【0038】以上のような構成を有する磁気ディスクを
製造するには、先ず、上述した熱可塑性ノルボルネン系
樹脂のペレットを、射出成形機(住友重機械工業社製、
DISC−5)にて、スタンパを固定した金型を使用し
て、樹脂温度340℃、金型温度110℃において、上
述した形状に射出成形した。
【0039】次に、上記磁気ディスク基板1上に、スパ
ッタ法により、Crよりなる下地層を150nm厚に、
CoCrPtよりなる磁性層を60nm厚に、Cよりな
る保護膜を10nm厚に成膜した。さらに、商品名Fo
mblin Z−DOLよりなる潤滑剤を2nm厚に塗
布した。さらに、サーボマーク形成部6へのサーボマー
クのプリフォーマットは、磁気ギャップ0.3μm、ト
ラック幅4.0μmの磁気ヘッドによって、2段階着磁
法によって行った。
【0040】以上のようにして、実施例1のサンプルデ
ィスクを完成し、これを100枚用意した。
【0041】実施例2 磁気ディスク基板1の厚さを1.0mmにする以外は実
施例1と同様にして磁気ディスクを作成し、実施例2の
サンプルディスクを得た。
【0042】実施例3 磁気ディスク基板1の厚さを0.8mmにする以外は実
施例1と同様にして磁気ディスクを作成し、実施例3の
サンプルディスクを得た。
【0043】実施例4 磁気ディスク基板1のサーボマーク形成部6には凹凸を
設けず、サーボマークは、この上に形成される磁性層の
磁化反転によって形成した以外は、実施例1と同様の構
成を有する磁気ディスクを作成し、実施例4のサンプル
ディスクを得た。
【0044】実施例5 磁気ディスク基板1のサーボマーク形成部6には凹凸を
設けず、サーボマークは、この上に形成される磁性層を
エッチングして非磁性化することによって形成した以外
は、実施例1と同様の構成を有する磁気ディスクを作成
し、実施例5のサンプルディスクを得た。
【0045】比較例1 熱可塑性ノルボルネン系樹脂に代えて、帝人化成社製、
商品名パンライト AD−5503なるポリカーボネー
ト樹脂を使用した以外は実施例1と同様にして磁気ディ
スクを作成し、比較例1のサンプルディスクを得た。
【0046】特性の評価 上述のようにして作成された実施例1〜5、比較例1の
サンプルディスクについて、種々の特性を評価した。
【0047】先ず、磁気ディスク基板の表面を観察した
ところ、サーボマーク形成部に凹凸が設けられた実施例
1〜5、比較例1のサンプルディスクについて、いずれ
の磁気ディスク基板も、サーボマークの位置精度は半径
方向の位置ずれ0.010μm以下、円周方向の位置ず
れ0.007μm以下と良好な転写性を示していた。ま
た、磁気特性を測定したところ、全てサンプルディスク
の保磁力Hcは120kA/mであった。
【0048】次に、実施例1〜3のサンプルディスクの
共振周波数を調べた。表1に各サンプルディスクの磁気
ディスク基板の厚さと共振周波数を示す。
【0049】
【表1】
【0050】表1より、磁気ディスク基板の厚さを厚く
することにより共振周波数を高めることができることが
わかる。サーボ帯域が450Hzであれば、少なくとも
450Hzより大きな共振周波数を発生する必要がある
ため、実施例1,2のサンプルディスクにおいては、M
Rヘッドによる記録再生時、十分にサーボ出力信号を分
離できたが、実施例3のサンプルディスクにおいては、
十分にサーボ出力信号を分離できなかった。
【0051】参考のため、下記表2に、種々の基板サイ
ズについて、サーボ帯域である450Hzよりも大きな
共振周波数が得られる磁気ディスク基板の厚さを示して
おく。
【0052】
【表2】
【0053】続いて、実施例1,4,5のサンプルディ
スクについて、サーボマークから得られたサーボ出力を
測定した。具体的には、記録密度約33kfciのサー
ボマークに対して、磁気ギャップ0.3μm、トラック
幅4.5μmのMRヘッドにて、印加電流を18mA、
フライング・ハイト67nmとして、サーボ出力を測定
した。
【0054】図5に、実施例1のサンプルディスクのサ
ーボ出力を図中○にて示し、実施例4のサンプルディス
クのサーボ出力を図中□、実施例5のサンプルディスク
のサーボ出力を図中△にて示す。
【0055】図5より、記録密度約33kfciにおけ
る実施例1のサーボ出力は、実施例4のサーボ出力と大
きくは変わらなかったが、実施例5のサーボ出力より約
4dB高いことがわかる。実施例1のサンプルディスク
のサーボマークは凹凸によって決定されているために実
施例4に比して位置精度が高いものであるが、上述の結
果より、このサーボマークから得られるサーボ出力は十
分に読み取り可能なものであることがわかった。
【0056】さらに、実施例1、比較例1のサンプルデ
ィスクを長期保存し、磁気ディスク基板の変形を調べ
た。実施例1にて用いられた磁気ディスク基板と、比較
例1にて用いられた磁気ディスク基板を80℃、90%
RHなる環境下にてクリーンオーブンに保存し、基板変
形量を調べた。なお、この基板変形量は、吸湿前の直径
に対する吸湿後の直径の伸び率として結果を図6に示
す。
【0057】図6より、実施例1にて用いられた磁気デ
ィスク基板は、比較例1にて用いられた磁気ディスク基
板に比べ、伸び率が小さいことがわかる。即ち、熱可塑
性ノルボルネン系樹脂は、ポリカーボネート樹脂に比し
て吸湿性が小さく、基板変形量が小さいことがわかる。
【0058】また、ランナウト量についても調べたとこ
ろ、実施例1の磁気ディスク基板では吸湿前10μm、
吸湿後10μmと大きな変化が見られなかったのに対
し、比較例1の磁気ディスク基板では吸湿前10μm、
吸湿後30μmと悪化し、その結果、磁気ヘッド浮上量
0.05μmを可能とするランナウト量の許容値20μ
mを上回り、磁気ヘッドは浮上しなかった。
【0059】以上の結果より、本実施例に係る磁気ディ
スクは、磁気ディスク基板として熱可塑性ノルボルネン
系樹脂を用い、その厚さを最適化し、また、サーボマー
ク形成部に凹凸を設け、この凹部と凸部の磁化を反転さ
せてサーボマークを形成する構成とすることにより、基
板変形量が小さく、且つ高精度トラッキングを実現でき
るものとなることがわかる。
【0060】
【発明の効果】以上の説明から明かなように、本発明に
係る磁気ディスクは、発生する共振周波数が高いものと
することができるので、磁気ヘッドにて記録再生を行っ
たとき、サーボマークの読み取りが容易である。また、
射出成形により、位置精度高くサーボマーク形成部の凹
凸を形成することができ、形成された磁気ディスク基板
の変形も起こらないので、サーボマークの位置精度が高
く、磁気ヘッドを高精度にトラッキングすることが可能
となる。
【0061】したがって、本発明を適用すると、さらに
トラックピッチを上げ、より一層の高密度記録化を図る
ことが可能となる。また、経時的な形状変化の小さいデ
ィスクを大量、かつ安価に生産することが可能となるの
で、工業的な価値が極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る磁気ディスクを構成する磁気デ
ィスク基板を概略的に示す平面図である。
【図2】本実施例に係る磁気ディスクを構成する磁気デ
ィスク基板の一部を概略的に示す拡大平面図である。
【図3】二段階着磁法によるサーボライトの第1段階を
示す概念図である。
【図4】二段階着磁法によるサーボライトの第2段階を
示す概念図である。
【図5】サーボマークの形成方法によるサーボ出力の差
を示す特性図である。
【図6】熱可塑性ノルボルネン系樹脂よりなる磁気ディ
スク基板とポリカーボネート樹脂よりなる磁気ディスク
基板との直径伸び率の差を示す特性図である。
【符号の説明】
1・・・磁気ディスク基板 2・・・記録領域形成部 3・・・クランプ部 4・・・ランディング部 5・・・データ領域形成部 6・・・サーボマーク形成部 7・・・記録トラック形成部 8・・・ガードバンド形成部 9・・・アドレスマーク形成部 10・・・ファインマーク形成部 11・・・磁性層 12・・・磁気ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大島 正義 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 日 本ゼオン株式会社内 (72)発明者 小原 禎二 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 日 本ゼオン株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ノルボルネン系樹脂が射出成形
    されてなることを特徴とする磁気ディスク基板。
  2. 【請求項2】 直径が95mmであり、かつ厚さが2.
    6〜3.0mmであることを特徴とする請求項1記載の
    磁気ディスク基板。
  3. 【請求項3】 直径が65mmであり、かつ厚さが0.
    9〜2.0mmであることを特徴とする請求項1記載の
    磁気ディスク基板。
  4. 【請求項4】 直径が48mmであり、かつ厚さが0.
    5〜1.8mmであることを特徴とする請求項1記載の
    磁気ディスク基板。
  5. 【請求項5】 直径が34mmであり、かつ厚さが0.
    2〜1.6mmであることを特徴とする請求項1記載の
    磁気ディスク基板。
  6. 【請求項6】 前記射出成形により、サーボマーク形成
    部に凹凸が設けられていることを特徴とする請求項1記
    載の磁気ディスク基板。
  7. 【請求項7】 前記射出成形により、記録トラック形成
    部が凸形状、ガードバンド形成部が凹形状に形成されて
    いることを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク基
    板。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の磁気ディスク基板上に、
    少なくとも磁性層が形成されてなることを特徴とする磁
    気ディスク。
  9. 【請求項9】 請求項6記載の磁気ディスク基板上に、
    少なくとも磁性層が形成されてなる磁気ディスクにおい
    て、 前記サーボマーク形成部の凹凸上に設けられる磁性層
    は、凹部上での磁化方向と、凸部上での磁化方向が逆と
    されることを特徴とする磁気ディスク。
  10. 【請求項10】 請求項7記載の磁気ディスク基板上
    に、少なくとも磁性層が形成されてなる磁気ディスクに
    おいて、 前記磁性層は、前記記録トラック形成部から前記ガード
    バンド形成部に亘って一様に形成されていることを特徴
    とする磁気ディスク。
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