JPH11134711A - ディスク状記録媒体用基板、ディスク状記録媒体用基板の製造方法並びにディスク装置 - Google Patents

ディスク状記録媒体用基板、ディスク状記録媒体用基板の製造方法並びにディスク装置

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JPH11134711A
JPH11134711A JP9298836A JP29883697A JPH11134711A JP H11134711 A JPH11134711 A JP H11134711A JP 9298836 A JP9298836 A JP 9298836A JP 29883697 A JP29883697 A JP 29883697A JP H11134711 A JPH11134711 A JP H11134711A
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disk
recording medium
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shaped recording
resin
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JP9298836A
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English (en)
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Takeshi Sasa
剛 佐々
Takehisa Ishida
武久 石田
Masayoshi Oshima
正義 大島
Teiji Obara
禎二 小原
Haruhiko Takahashi
治彦 高橋
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Zeon Corp
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浮上型光学ヘッドと衝突することがなく、信
頼性の高い記録再生を可能とするディスク状記録媒体用
基板及びその製造方法並びにこの基板を用いたディスク
状記録媒体に対して記録及び/又は再生を行うディスク
装置を提供する。 【解決手段】 例えば光磁気ディスク10に用いられる
ディスク基板11において、基板表面には、その平均面
から測定した高さが、使用されるレーザビームの波長の
1/4以上となる突起が形成されないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光を使用して記録
及び/又は再生が行われるディスク状記録媒体に用いら
れるディスク状記録媒体用基板及びその製造方法並びに
ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、再生専用光ディスク、光磁気
ディスク、相変化型光ディスク等のように、光を用いて
情報信号の読み出しや書き込みが行われるディスク状記
録媒体が普及している。
【0003】これらのディスク状記録媒体に対して情報
信号の記録及び/又は再生を行うディスク装置は、例え
ば再生時においては、半導体レーザからレーザビームを
出射して、このレーザビームを光学系を用いて絞り込
み、装着されたディスク状記録媒体の信号記録面上に焦
点を合わせて照射し、その反射光を検出することによ
り、ディスク状記録媒体に記録された情報信号を読み出
すようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
光を用いてディスク状記録媒体に対して情報信号の読み
出しや書き込みを行うシステムが普及する中で、このシ
ステムに用いられるディスク状記録媒体は、記録密度の
向上と信頼性の向上とが求められている。
【0005】しかしながら、このようなシステムにおい
ては、記録密度の向上を図るべく、光学ヘッドをディス
ク状記録媒体に近接させた場合に、光学ヘッドとディス
ク状記録媒体が衝突してしまう可能性があり、このよう
な光学ヘッドとディスク状記録媒体との衝突がディスク
状記録媒体の信頼性を損う大きな要因となっていた。
【0006】そこで、本発明は、高密度で信頼性の高い
ディスク状記録媒体を得ることができるディスク状記録
媒体用基板及びその製造方法並びにこの基板を用いたデ
ィスク状記録媒体に対して記録及び/又は再生を行うデ
ィスク装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るディスク状
記録媒体用基板は、上述した課題を解決すべく創案され
たものであって、光を使用して記録及び/又は再生が行
われるディスク状記録媒体に用いられるディスク状記録
媒体用基板において、少なくともディスク状記録媒体の
信号が記録される領域に対応した領域には、基板表面か
ら測定した高さが上記光の波長の1/4以上となる突起
が形成されていないことを特徴とするものである。
【0008】ディスク状記録媒体は、このディスク状記
録媒体用基板を基板として用いることにより、少なくと
も信号が記録される領域を、光の波長の1/4以上とな
る突起のない平滑な平面とすることができ、光学ヘッド
が近接した場合であっても、光学ヘッドとの衝突が回避
され、信頼性の向上及び高密度記録が可能となる。
【0009】特に、近年、ニアフィールド記録と呼ばれ
る記録再生方式を用いて、レーザビームのスポット径を
小さくし、ディスク状記録媒体の高密度記録化を図るよ
うにしたシステムが提案されている。
【0010】このニアフィールド記録は、レーザビーム
が屈折率nの高いレンズを透過したときに、このレンズ
から極めて近接した領域において得られる、スポットが
1/nに絞られた漏れ光を利用して記録再生を行うもの
である。このとき、記録再生を行うために必要な出力を
もつ漏れ光が得られるのは、レンズからの距離がλ/4
程度までの領域である。
【0011】したがって、例えばディスク状記録媒体に
対して記録及び/又は再生を行うために使用される光の
波長λが約659nmである場合、ニアフィールド記録
により高密度記録を図るためには、光学ヘッドをディス
ク状記録媒体の信号記録面から約165nm(λ/4)
以内の浮上量で浮上させて、記録及び/又は再生を行う
必要がある。
【0012】このとき、ディスク状記録媒体の信号が記
録される領域に約165nm(λ/4)以上の高さの突
起が存在すると、このディスク状記録媒体は、突起が原
因となって光学ヘッドと衝突し、光学ヘッドの損傷ある
いはディスク状記録媒体自体の損傷を招いてしまう場合
がある。
【0013】本発明に係るディスク状記録媒体用基板を
用いたディスク状記録媒体は、少なくとも信号が記録さ
れる領域が、光の波長の1/4以上となる突起のない平
滑な平面とされるので、このニアフィールド記録により
記録及び/又は再生を行うようにしても光学ヘッドとの
衝突が回避され、信頼性を損なうことなく記録密度を大
幅に向上させることができる。
【0014】また、本発明に係るディスク状記録媒体用
基板は、樹脂を射出成形することにより形成されている
ことが望ましい。
【0015】ディスク状記録媒体用樹脂基板は、樹脂を
射出成形して形成されることにより、ディスク表面にヘ
ッド位置決め情報やアドレス情報のための凹部が設けら
れたディスク状記録媒体やトラック間にグルーブを有す
るディスク状記録媒体用の基板として、精度良く且つ容
易に形成することができ、ハードディスク等で用いられ
ているアルミニウム基板に比べて生産性良く且つ低コス
トで製造することができる。
【0016】また、本発明に係るディスク状記録媒体用
基板は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を射出成形するこ
とにより形成されていることが、より望ましい。
【0017】ディスク状記録媒体用基板の材料として、
例えばポリカーボネートやメチルメタクリレート等を用
いた場合、吸湿によりディスク状記録媒体用基板に大き
な変形を生じさせてしまうことがあり、光学ヘッドを近
接させて記録及び/又は再生を行うディスク状記録媒体
に用いる基板の材料としては必ずしも適当とはいえな
い。また、低吸湿性のプラスチック材料を用いた場合で
あっても、ポリメチルペンテンやポリスチレン等では、
結晶性で成形後にディスク状記録媒体用基板に変形を生
じさせてしまったり、耐熱性が不十分であったり等の問
題がある。
【0018】これに対して、ディスク状記録媒体用基板
の材料として、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を用いた場
合は、十分な耐熱性が得られ、吸湿や結晶性による変形
もほとんどなく、光学ヘッドを近接させて記録及び/又
は再生を行うディスク状記録媒体用の基板として最適な
ディスク状記録媒体用基板が得られる。
【0019】また、本発明者は、上述した課題を解決す
べく、基板表面に、使用される光の波長の1/4以上の
突起が存在するディスク状記録媒体用基板1を子細に観
察したところ、図1に示すように、突起の直下部には異
物粒子2が存在し、この異物粒子2が原因となって、そ
の粒径Dに応じた高さHを有する突起が生ずることを見
出した。そして、ディスク状記録媒体用基板の成形体中
に混入する所定径以上の異物粒子の数を制御することに
より、所定の高さ以上の突起が存在しないディスク状記
録媒体用基板が製造されることを見出した。
【0020】現在の光を使用して記録及び/又は再生が
行われるディスク状記録媒体に対して広く使用されてい
るレーザビームの波長λは、約659nmであることか
ら、このディスク状記録媒体用の基板に約165nm
(λ/4)以上の高さの突起が存在すると、上述したニ
アフィールド記録を行う際に、この突起が、ディスク状
記録媒体と浮上型光学ヘッドとの衝突の原因となる。そ
して、ディスク状記録媒体用基板の成形体中に、粒径
2.0μm以上の異物粒子が所定量以上存在すると、デ
ィスク状記録媒体用基板の基板表面に、約165nm以
上の高さの突起が発生する可能性が著しく増大すること
が判った。
【0021】本発明に係るディスク状記録媒体用基板の
製造方法は、以上のような知見に基づいて創案されたも
のであって、光を使用して記録及び/又は再生が行われ
るディスク状記録媒体に用いられるディスク状記録媒体
用基板を製造するに際し、樹脂を成形体中の粒径2.0
μm以上の粒子の数が10000個/g以下となるよう
に制御してディスク状に成形し、少なくとも信号が記録
される領域には、基板表面から測定した高さが上記光の
波長の1/4以上となる突起が形成されていないディス
ク状記録媒体用基板を製造するようにしている。
【0022】成形体中の異物粒子の数を制御する方法と
しては、例えば異物粒子数の少ない樹脂を用い、且つ、
クリーン度の高い環境下で成形する方法が挙げられる。
【0023】このディスク状記録媒体用基板の製造方法
によれば、基板表面に、約165nm以上の突起が存在
しないディスク状記録媒体用基板を製造することができ
る。
【0024】また、本発明に係るディスク装置は、ディ
スク状記録媒体を回転駆動させるモータと、このモータ
により回転駆動されるディスク状記録媒体上を、使用す
る光の波長の1/4以内の浮上量で浮上して、このディ
スク状記録媒体に対して情報信号の書き込み又は読み出
しを行う浮上型光学ヘッドとを備え、上記ディスク状記
録媒体の少なくとも信号が記録される領域には、その表
面から測定した高さが、上記光の波長の1/4以上とな
る突起が形成されていないことを特徴としている。
【0025】このディスク装置によれば、浮上型光学ヘ
ッドが、モータにより回転駆動されるディスク状記録媒
体上を使用される光の波長の1/4以内の浮上量で浮上
して、このディスク状記録媒体に対して情報信号の書き
込み又は読み出しを行う。
【0026】このとき、ディスク状記録媒体の少なくと
も信号が記録される領域には、その表面から測定した高
さが、使用する光の波長の1/4以上となる突起が形成
されていないので、浮上型光学ヘッドとディスク状記録
媒体との衝突が回避され、信頼性の高い記録及び/又は
再生を行うことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0028】本発明に係るディスク状記録媒体用基板
(以下、ディスク基板という。)は、再生専用光ディス
ク、光磁気ディスク、相変化型光ディスク等のように、
光を使用して記録及び/又は再生が行われるディスク状
記録媒体に用いられる基板であって、少なくともディス
ク状記録媒体の信号が記録される領域に対応した領域に
は、基板表面から測定した高さが使用する光の波長の1
/4以上となる突起が形成されていないことを特徴とし
ている。
【0029】そして、このディスク基板は、浮上型光学
ヘッドによって情報信号の読み出し又は書き込みが行わ
れるディスク状記録媒体の基板として好適であり、特
に、ニアフィールド記録と呼ばれる、近接場の漏れ光を
利用して記録再生を行う方式により情報信号の読み出し
又は書き込みが行われるディスク状記録媒体の基板とし
て好適である。
【0030】ニアフィールド記録は、屈折率nの高いレ
ンズを有する浮上型光学ヘッドを、ディスク状記録媒体
の信号記録面から、使用する光の波長の1/4以内の高
さで浮上させて、ディスク状記録媒体の信号記録面上に
スポット径が1/nに絞られたレーザビームを照射し、
ディスク状記録媒体から情報信号を読み出し、又はディ
スク状記録媒体に情報信号を書き込む方式であり、スポ
ット径を小さくすることにより、高密度記録を実現する
ものである。
【0031】このディスク基板は、使用する光の波長の
1/4以上の高さの突起を持たないので、ニアフィール
ド記録により情報信号の読み出しや書き込みを行うよう
にしても、浮上型光学ヘッドとの衝突が回避され、信頼
性が向上する。
【0032】以下、このディスク基板を樹脂を用いて成
形し、光磁気記録層を有する光磁気ディスクの基板とし
て用いて、浮上型光学ヘッドでニアフィールド記録によ
りこの光磁気ディスクに対して記録及び再生を行うよう
にした例について説明する。
【0033】光磁気ディスク10は、例えば図2に示す
ように、ディスク基板11上に光磁気記録層12が形成
されている。
【0034】光磁気記録層12は、Al反射膜13と、
第1の誘電体膜14と、記録膜15と、第2の誘電体膜
16とが順次積層されてなる。
【0035】記録膜15は、光磁気効果を発揮する膜で
あり、その材料としては、例えば、希土類としてTb、
遷移金属としてFeを用いたTb−Feアモルファス系
の材料等が用いられる。
【0036】Al反射膜13は、記録膜15の反射率を
向上させるためのものである。
【0037】また、第1及び第2の誘電体膜14,16
は、記録膜15の耐湿性の向上やディスク基板11の熱
変形を防止を図るとともに、記録膜15による光の吸収
を増大させ且つ反射率変化を大きくするといった光学的
な効率の向上を図るためのものであり、その材料として
は、例えば、ZnS−SiO2系の材料等が用いられ
る。
【0038】光磁気ディスク10は、ディスク基板11
上に、上述した光磁気記録層12を構成する各膜が、例
えばスパッタリング等により成膜されることにより製造
される。
【0039】なお、光磁気ディスク10は、光磁気記録
層12上に、光磁気記録層12を保護するための保護層
17や、浮上型光学ヘッドが光磁気ディスク10に接触
した際の衝撃を緩和するための、図示しない潤滑剤層が
形成されていることが望ましい。
【0040】保護層17は、例えばカーボンやSiO2
等がスパッタリング等により光磁気記録層12上に成膜
されることにより形成される。
【0041】また、潤滑剤層は、例えばパーフルオロポ
リエーテル等がスピンコート法等により保護層17上に
塗布されることにより形成される。
【0042】一方、浮上型光学ヘッド20は、図3に示
すように、半導体レーザから出射されるレーザビームを
集光するプリフォーカスレンズ21と、このプリフォー
カスレンズ21により集光されたレーザビームをさらに
絞り込んでビームスポットを形成するフォーカスレンズ
22との2種類のレンズを備え、これらがレンズホルダ
23に支持されてなる。
【0043】2種類のレンズのうち、フォーカスレンズ
22は、屈折率の高い材料が例えば半球状に成形されて
なり、円形平面が光磁気ディスク10の光磁気記録層1
2側の面と対向するように、レンズホルダ23に支持さ
れている。
【0044】また、この浮上型ヘッド20には、磁界変
調用の薄膜コイル24が、フォーカスレンズ22の外周
側に位置して、レンズホルダ23に支持された状態で設
けられている。
【0045】以上のように構成される浮上型光学ヘッド
20は、回転する光磁気ディスク10上を浮上しなが
ら、半導体レーザから出射されたレーザビームを集光し
て光磁気ディスク10の光磁気記録層12に照射させ
る。また、この浮上型光学ヘッド20は、記録時におい
ては、薄膜コイル24が所定の強度の磁界を発生して、
この磁界を光磁気記録層12のレーザビームが照射され
た箇所に印加する。
【0046】このような構成の浮上型光学ヘッド20を
用いた場合、ニアフィールド記録により、光磁気ディス
ク10に対して情報信号の記録及び再生を行うことがで
きる。すなわち、半導体レーザから出射されプリフォー
カスレンズ21により集光されたレーザビームを、屈折
率の高い材料からなるフォーカスレンズ22を透過させ
てさらに絞り込むことにより、フォーカスレンズ22か
らの距離がレーザビームの波長の1/4以内の領域にお
いては、レーザビームのスポット径を小さくすることが
可能である。
【0047】対物レンズがディスクからある程度離れた
位置に配置される光学系を用いて波長がλのレーザビー
ムを集光した場合、レーザビームのスポット径は、λ/
NA(NAは光学系の開口数)となるが、浮上型光学ヘ
ッド20を用いて波長がλのレーザビームを集光した場
合、フォーカスレンズ22からの距離がレーザビームの
波長λの1/4以内の領域においては、径が1/n×λ
/NA(nはフォーカスレンズ22の屈折率、NAは浮
上型光学ヘッド20の開口数)と絞られたレーザビーム
のスポットを得ることができる。
【0048】したがって、この浮上型光学ヘッド20
を、光磁気ディスク10の光磁気記録層12からλ/4
以内の浮上量で浮上させて、光磁気ディスク10に対し
て記録及び再生を行うことにより、対物レンズがディス
クからある程度離れた位置に配置される光学系を用いた
場合に比べて光磁気ディスク10の記録容量をn倍程度
にまで向上させることができる。
【0049】ところで、このように浮上型光学ヘッド2
0を光磁気ディスク10の光磁気記録層12からλ/4
以内の浮上量で浮上させて、ニアフィールド記録により
記録及び再生を行う場合、光磁気ディスク10の信号記
録領域にλ/4を越える突起が形成されていると、この
突起に浮上型光学ヘッド20が衝突してしまい、光磁気
ディスク10あるいは浮上型光学ヘッド20の損傷を招
いてしまうことになる。
【0050】そこで、ディスク基板11は、少なくとも
光磁気ディスク10の信号が記録される領域に対応した
領域に、その基板表面から測定した高さが、使用される
光の波長の1/4以上となる突起が形成されないように
している。
【0051】ここで、本発明に係るディスク基板11の
製造方法について説明する。このディスク基板11は、
例えば樹脂材料が例えば射出成形されることにより製造
される。
【0052】このディスク基板11の材料として使用す
る樹脂材料としては、耐熱性、精密成形性、低吸湿変形
性、高弾性率等に優れた熱可塑性樹脂が好ましい。
【0053】さらに詳しくは、耐熱性の観点から、ガラ
ス転移温度が50℃以上、好ましくは70℃以上、より
好ましくは100℃以上、精密成形性の観点から、非晶
性樹脂でガラス転移温度が300℃以下、好ましくは2
50℃以下、より好ましくは200℃以下、低吸湿性の
観点から、吸水率(25℃、24時間浸漬後)が0.2
%以下、好ましくは0.1%以下の非晶質熱可塑性樹脂
が好ましい。
【0054】より具体的には、例えば、ポリカーボネー
ト樹脂、例えばポリ(オキシカルボニル−1,4−フェ
ニレンイソプロピリデン−1,4−フェニレン);ポリ
アリレート樹脂、例えばポリ((オキシ−テレフタロイ
ルオキシ−1,4−フェニレンイソプロピリデン−1,
4−フェニレン)−コ−(オキシ−イソフタロイルオキ
シ−1,4−フェニレンイソプロピリデン−1,4−フ
ェニレン))、テレフタル酸・イソフタル酸・ビスフェ
ノールA重縮合物等;ポリサルホン樹脂、例えばポリ
(オキシ−1,4−フェニレンスルホニル−1,4−フ
ェニレンオキシ−1,4−フェニレンイソプロピリデン
−1,4−フェニレン);ポリエーテルスルホン樹脂、
例えばポリ(オキシ−1,4−フェニレンスルホニル−
1,4−フェニレン);ポリエーテルイミド樹脂、例え
ば4,4′−〔イソプロピリデンビス(p−フェニレン
オキシ)〕ジフタル酸二無水物・m−フェニレンジアミ
ン重縮合物等の分子内に極性基を有する樹脂を挙げるこ
とができる。これらの極性基を有する樹脂の中では、高
弾性率の点からポリエーテルイミド樹脂が好ましい。
【0055】また、これらの極性基を有する樹脂に加え
てポリスチレン樹脂等の非極性の芳香族基含有樹脂、及
びその水素添加物;シクロジエン系樹脂、例えば特開平
6−136057号公報、特開平7−258362号公
報等に開示されているシクロペンタジエン重合体水素化
物、シクロヘキサジエン重合体水素化物等;熱可塑性ノ
ルボルネン系樹脂、例えば特開昭51−80400号公
報、特開昭60−26024号公報、特開平1−168
725号公報、特開平1−190726号公報、特開平
3−14882号公報、特開平3−122137号公
報、特開平4−63807号公報等にて開示されている
ノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系
モノマーの開環重合体水素添加物、ノルボルネン系モノ
マーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーとオレフィ
ンの付加共重合体;等の分子内に炭化水素環をもつ樹脂
を挙げることができる。
【0056】これらの極性又は非極性の樹脂のなかで
も、耐熱性、低吸水性の点で分子内に炭素環をもつ樹脂
が好ましく、そのなかでもノルボルネン系モノマーの開
環重合体水素添加物、シクロペンタジエン重合体水素化
物、シクロヘキサジエン重合体水素化物、ノルボルネン
系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーとオ
レフィンの付加共重合体、ポリスチレン樹脂の水素添加
物等の分子内に不飽和結合を有さないものがディスクの
屈折率を小さくし、また耐久性に優れる点で特に好まし
い。また、高弾性率の観点からは、シクロヘキサジエン
重合体水素化物等が特に好ましい。
【0057】耐熱性、精密成形性、低吸水性等のバラン
スの良い点では、熱可塑性ノルボルネン系樹脂が最も好
ましい。
【0058】熱可塑性ノルボルネン系樹脂を得るための
単量体としては、上記公報や、特開平2−27424号
公報、特開平2−276842号公報等で公知のノルボ
ルネン系単量体を用いれば良い。このようなノルボルネ
ン系単量体としては、例えば、ノルボルネン、そのアル
キル、アルキリデン、アルケニル、芳香族置換誘導体及
びこれら置換又は非置換のオレフィンのハロゲン、水酸
基、エステル基、アルコキシ基、シアノ基、アミド基、
イミド基、シリル基などの極性基置換体がある。具体例
としては、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボ
ルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エ
チル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネ
ン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−オクチル−
2−ノルボルネン、5−オクタデシル−2−ノルボルネ
ン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロ
ペニル−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−
2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5
−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネ
ン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−
5−メチル−ノルボルネン等が挙げられる。
【0059】また、ノルボルネンに一つ以上のシクロペ
ンタジエンが付加した単量体、その上記と同様の誘導体
や置換体でもよい。具体例として、1,4:5,8−ジ
メタノ−1,4,:4a,5,6,7,8,8a−オク
タヒドロナフタレン、6−メチル−1,4:5,8−ジ
メタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレン、6−エチル−1,4:5,8−ジメ
タノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒ
ドロナフタレン、6−エチリデン−1,4:5,8−ジ
メタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレン、6−メチル−6−メトキシカルボニ
ル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,
6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−シア
ノ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,
6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン等が挙げら
れる。
【0060】さらに、シクロペンタジエンの多量体であ
る多環構造の単量体、その上記と同様の誘導体や置換体
であっても良い。具体例として、ジシクロペンタジエ
ン、1,4:5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4,
5,6,7,8,8a−2,3−シクロペンタジエノナ
フタレン、1,4:5,10:6,9−トリメタノ−
1,2,3,4,4a,5,5a,6,9,9a,1
0,10a−ドデカヒドロ−2、3−シクロペンタジエ
ノアントラセン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエ
ン等が挙げられる。
【0061】また、シクロペンタジエンとテトラヒドロ
インデン、インデン、ベンゾフラン等とその付加物、そ
の上記と同様の誘導体や置換体であっても良い。具体例
として、1,4−メタノ−1,4,4a,4b,5,
8,8a,9a−オクタヒドロフルオレン、5,8−メ
タノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒ
ドロ−2,3−シクロペンタジエノナフタレン、1,4
−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレ
ン、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒド
ロジベンゾフラン等;などが挙げられる。
【0062】本発明に用いる熱可塑性ノルボルネン系樹
脂は、例えば上記ノルボルネン系単量体の中から選んだ
少なくとも一種以上の単量体を含有するものを公知の方
法により開環重合したもの及びこれを公知の方法により
水素添加したものである。例えば、目的とする重合体の
溶解性などの特性を実質的に損なわない、また改善する
範囲で上記単量体以外にこれらと共重合可能な単量体を
共重合していても良い。共重合可能な単量体としては、
シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シ
クロオクテン等のシクロオレフィンが挙げられる。
【0063】また、熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、上
記のノルボルネン系単量体とオレフィンの付加共重合体
であっても良い。この場合、オレフィンとしてエチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチ
ル−1−ペンテン、スチレン等のα−オレフィンが用い
られる。
【0064】これら熱可塑性のノルボルネン系樹脂の、
25℃のデカリンもしくはトルエン中で測定した極限粘
度[η]は、0.01〜20dl/g、好ましくは0.
05〜10dl/g、より好ましくは0.1〜5dl/
gである。極限粘度が小さすぎると重合体としての形状
を保たなくなり、大きすぎると成形性が悪くなる。
【0065】また、これら熱可塑性ノルボルネン系樹脂
のガラス転移温度(以下、Tgとする。)は、50℃〜
200℃、好ましくは70℃〜180℃、より好ましく
は80℃〜160℃である。
【0066】なお、上記熱可塑性ノルボルネン系樹脂に
は、所望により、フェノール系やリン系等の酸化防止
剤、ベンゾフェノン系等の紫外線吸収剤、耐光安定剤、
帯電防止剤、脂肪族アルコールのエステル、多価アルコ
ールの部分エステルおよび部分エーテル等の滑剤、等の
各種添加剤を添加しても良い。また、本発明の目的を損
なわない範囲で、他の樹脂、ゴム質重合体等を混合して
用いることもできる。
【0067】本発明に使用される粒径2.0μm以上の
異物粒子数が10000個/g以下である樹脂ペレット
を製造するには、例えば合成された樹脂を溶媒に溶解し
た溶液を、口径1〜5μm程度の口径の大きいフィルタ
ーから、順次、口径0.2μm程度の口径の小さいフィ
ルターを使用して多段階で濾過したり、それらと組み合
わせるか、または単独でゼータ電位による吸着能を有す
るフィルターにより濾過した後、外部環境から異物が混
入しないように密閉系で樹脂溶液を減圧下に加熱して揮
発成分の除去を行い、例えばクリーンルーム内等のクリ
ーン度の高い環境(クリーン度をクラス1000程度以
下、好ましくはクラス100程度以下に厳重に管理した
環境)で冷却・ペレット化する方法等により行うことが
できる。
【0068】この異物粒子数を制御した樹脂ペレットを
用いてディスク基板11を射出成形する場合、ここでも
例えばクリーンルーム内等のクリーン度の高い環境(ク
リーン度をクラス1000程度以下、好ましくはクラス
100程度以下に厳重に管理した環境)で射出成形を行
うことにより、樹脂成形体中の粒径2.0μm以上の異
物粒子数を成形用樹脂と同程度の10000個/g以下
に保つことができる。
【0069】このように樹脂成形体中の粒径2.0μm
以上の異物粒子数を10000個/g以下に制御するこ
とにより、ディスク基板11の基板表面に約165nm
(使用するレーザビームの波長が659nmである場合
に、波長の1/4となる値)以上の高さの突起が発生す
る可能性を著しく減少させることができる。
【0070】なお、樹脂成形体中の異物粒子数は、少な
ければ少ないほどディスク基板11の基板表面に形成さ
れる突起の数を少なくしてディスク基板11の成形部留
まりを向上させることができ、樹脂成形体中の粒径2.
0μm以上の異物粒子数は、2000個/g以下となる
ように制御することが更に好ましく、500個/g以下
となるように制御すれば特に好ましい。
【0071】また、ディスク基板11の基板表面に約1
65nm以上の突起が形成されないようにするという観
点からは、樹脂成形体中の粒径2.0μm以下の異物粒
子数は特に制御する必要はないが、光磁気ディスク10
に記録される信号の信頼性を向上させ、また光磁気ディ
スク10の耐久性を向上させるという観点からは、粒径
2.0μm以下の異物粒子数も制御することが好まし
い。
【0072】例えば、樹脂成形体中の粒径1.0μm以
上2.0μm未満の異物粒子数は、50000個/g以
下となるように制御することが好ましく、10000個
/g以下となるように制御すれば更に好ましく、200
0個/g以下となるように制御すれば特に好ましい。
【0073】また、樹脂成形体中の粒径0.5μm以上
1.0μm未満の異物粒子数は、100000個/g以
下となるように制御することが好ましく、40000個
/g以下となるように制御すれば更に好ましく、100
00個/g以下となるように制御すれば特に好ましい。
【0074】ディスク基板11は、以上説明した樹脂材
料が射出成形されることにより、例えば、ディスク表面
に光学ヘッド位置決め情報やアドレス情報等が記録され
た凹部が設けられ、またトラック間にグルーブが形成さ
れた光磁気ディスク10用の基板として、基板表面に凹
部を有するディスク基板11として製造される。ここ
で、基板表面とは、凹部に対して凸となる部分の上面を
いい、この基板表面上に情報信号が記録されることにな
る。このディスク基板11の凹部の基板表面からの深さ
は、0.05〜0.3μm程度に設定される。
【0075】なお、このディスク基板11を射出成形に
より製造する際は、無電解メッキ法によりディスク基板
11の凹部と反転したパターンの凸部が形成されたスタ
ンパー等が使用される。このスタンパーの凸部面のみ、
あるいはスタンパー表面の表面粗度は、それぞれRa値
で通常2.0nm以下、好ましくは1.0nm以下とさ
れている。
【0076】ディスク基板11は以上のように製造され
ることにより、少なくとも光磁気ディスク10の信号記
録領域となる領域には、その基板表面から測定した高さ
が、使用される光の波長の1/4以上となる突起が形成
されていない平面が得られる。
【0077】そして、光磁気ディスク10は、このディ
スク基板11上に光磁気記録層12が形成されて製造さ
れることにより、少なくとも信号記録領域を、使用され
る光の波長の1/4以上となる突起のない平滑な面とす
ることができ、浮上型光学ヘッド20でニアフィールド
記録により記録再生を行う際に、浮上型光学ヘッド20
と衝突するという不都合が回避され、信頼性が向上す
る。
【0078】なお、ディスク基板11は、上述した製造
例の中から最適な例を適用して、少なくとも光磁気ディ
スク10の信号記録領域となる領域には、その基板表面
から測定した高さが、使用される光の波長の1/6以上
となる突起が形成されないようにすることがより好まし
い。
【0079】このように、光磁気ディスク10の信号記
録領域を、使用される光の波長の1/6以上となる突起
のない、より平滑な面とすることにより、浮上型光学ヘ
ッド20でニアフィールド記録により記録再生を行う際
に、ディスク状記録媒体10と浮上型光学ヘッド20間
にぶれが生じても、光磁気ディスク10と浮上型光学ヘ
ッド20との衝突が回避され、光磁気ディスク10の信
頼性がさらに向上する。
【0080】また、ディスク基板11は、その光磁気デ
ィスク10の信号記録領域となる領域に、突起のみでな
く凹状部もなるべく形成されていないことが望ましい。
【0081】なお、以上は、本発明を光磁気記録層12
を有する光磁気ディスク10用のディスク基板11に適
用した例について説明したが、本発明はこの例に限定さ
れるものではなく、再生専用の光ディスク用のディスク
基板や相変化型の光ディスク用のディスク基板に適用す
ることもできる。
【0082】以上のようなディスク基板11を用いた光
磁気ディスク10は、例えば図4及び図5に示すような
ディスク装置30に装着されて記録及び再生が行われ
る。なお、図4は、このディスク装置30の概略構成を
示すブロック図であり、図5は、このディスク装置30
の要部の縦断面図である。
【0083】このディスク装置30は、光磁気ディスク
10を回転駆動させるスピンドルモータ31と、このス
ピンドルモータ31により回転駆動される光磁気ディス
ク10に対して情報信号の書き込み又は読み出しを行う
ヘッド機構32と、ヘッド機構32から供給された受光
信号に基づいてMO再生信号及び制御信号を生成する信
号処理部33と、スピンドルモータ31及びヘッド機構
32の動作を制御するシステムコントローラ34とを備
えている。
【0084】スピンドルモータ31は、システムコント
ローラ34の制御により、保持した光磁気ディスク10
を所定の速度で回転駆動させる。
【0085】ヘッド機構32は、図5に示すように、浮
上型光学ヘッド20と、この浮上型光学ヘッド20を駆
動させるヘッド駆動部40と、光磁気ディスク10に向
けてレーザビームを出射するとともに光磁気ディスク1
0にて反射されたレーザビーム(戻り光)を受光する発
光/受光部44とを備えている。
【0086】浮上型光学ヘッド20は、先に図3で示し
たように、プリフォーカスレンズ21とフォーカスレン
ズ22とがレンズホルダ23に支持されてなり、フォー
カスレンズ22の外周側には磁界変調用の薄膜コイル2
4が設けられている。なお、この浮上型光学ヘッド20
の詳細は上述した通りであるので、ここでは説明を省略
する。
【0087】ヘッド駆動部40は、回動軸43に回動可
能に取り付けられてその一端側にて浮上型光学ヘッド2
0を支持する支持アーム41と、この支持アーム41の
他端側に設けられこの支持アーム41を回動させるボイ
スコイルモータ42とを備えている。
【0088】このヘッド駆動部40は、システムコント
ローラ34の制御により、ボイスコイルモータ42に所
定の電流が供給されると、ボイスコイルモータ42が支
持アーム41を回動軸43を回動中心として回動させ、
支持アーム41の一端側に取り付けられた浮上型光学ヘ
ッド20を、回転する光磁気ディスク10の光磁気記録
層12から所定量浮上させた状態で、光磁気ディスク1
0の径方向に移動させる。
【0089】発光/受光部44は、図示を省略するが、
光磁気ディスク10の光磁気記録層12に向けて所定の
波長のレーザビームを出射する半導体レーザと、光磁気
ディスク10の光磁気記録層12からの戻り光を受光
し、受光した光を電気信号(受光信号)に変換してこの
受光信号を信号処理部33に供給するフォトディテクタ
とを備えている。また、半導体レーザから出射され光磁
気ディスク10の光磁気記録層12で反射されてフォト
ディテクタで受光されるレーザビームの光路上には、図
5に示すようなレーザビームを反射させて光路を折り曲
げるミラー45,46や、図示を省略するが、レーザビ
ームを分離するビームスプリッタ等の光学素子が配置さ
れている。
【0090】信号処理部33は、ヘッド機構32の発光
/受光部44のフォトディテクタから供給される受光信
号に基づいて、MO再生信号を生成してこのMO再生信
号を出力するとともに、トラッキングエラー信号等の制
御信号を生成してこの制御信号をシステムコントローラ
34に供給する。
【0091】システムコントローラ34は、スピンドル
モータ31の動作を制御して光磁気ディスク10を所定
の速度で回転させる。また、システムコントローラ34
は、図示しない装置から供給される記録信号に基づいて
ヘッド機構32に記録動作を行わせるとともに、ヘッド
機構32に再生動作を行わせる。このとき、システムコ
ントローラ34は、信号処理部33から供給される制御
信号に基づいてヘッド機構32にトラッキング制御を行
わせる。
【0092】以上のように構成されるディスク装置30
は、記録時においては、システムコントローラ34の制
御により、スピンドルモータ31が、装着された光磁気
ディスク10を所定の速度で回転させる。また、発光/
受光部44の半導体レーザが、例えば波長が659nm
の赤色レーザビームを出射する。
【0093】半導体レーザから出射されたレーザビーム
は、ミラー45,46により曲折され、浮上型光学ヘッ
ド20に入射される。
【0094】浮上型光学ヘッド20は、ヘッド駆動部4
0の支持アーム41に支持されて、回転する光磁気ディ
スク10上を、例えば光磁気記録層12から165nm
以内の浮上量で浮上した状態で、入射したレーザビーム
を収束して光磁気ディスク10の光磁気記録層12に照
射させる。このとき、光磁気ディスク10の表面には、
高さが165nm以上の突起が形成されていないので、
浮上型光学ヘッド20が光磁気ディスク10の突起に衝
突する不都合が回避される。
【0095】また、浮上型ヘッド20は、システムコン
トローラ34の制御により、薄膜ヘッド24が記録信号
に対応した強度の磁界を発生し、この磁界を光磁気記録
層12のレーザビームが照射された箇所に印加する。
【0096】以上のようにして、ディスク装置30は、
光磁気ディスク10の光磁気記録層12に所定の情報信
号を記録する。なお、この記録時においても、後述する
再生時と同様にトラッキング制御が行われる。
【0097】ディスク装置30は、再生時においては、
システムコントローラ34の制御により、スピンドルモ
ータ31が、装着された光磁気ディスク10を所定の速
度で回転させる。また、発光/受光部44の半導体レー
ザが、例えば波長が659nmの赤色レーザビームを出
射する。
【0098】半導体レーザから出射されたレーザビーム
は、ミラー45,46にて反射され、浮上型光学ヘッド
20に入射される。
【0099】浮上型光学ヘッド20は、ヘッド駆動部4
0の支持アーム41に支持されて、回転する光磁気ディ
スク10上を、例えば光磁気記録層12から165nm
以内の浮上量で浮上した状態で、入射したレーザビーム
を収束して光磁気ディスク10の光磁気記録層12に照
射させる。このとき、光磁気ディスク10の表面には、
高さが165nm以上の突起が形成されていないので、
浮上型光学ヘッド20が光磁気ディスク10の突起に衝
突する不都合が回避される。
【0100】光磁気ディスク10の光磁気記録層12に
照射されたレーザビームは、この光磁気記録層12で反
射され、信号成分を含んだ戻り光となる。そして、この
戻り光は、浮上型光学ヘッド20を透過し、ミラー4
5,46にて反射されて、発光/受光部44のフォトデ
ィテクタにより受光される。
【0101】フォトディテクタは、受光した戻り光を電
気信号(受光信号)に変換して、信号処理部33に供給
する。
【0102】信号処理部33は、フォトディテクタから
供給された受光信号に基づいてMO再生信号を生成して
出力するとともに、フォトディテクタから供給された受
光信号に基づいてトラッキングエラー信号等の制御信号
を生成し、この制御信号をシステムコントローラ34に
供給する。
【0103】システムコントローラ34は、信号処理部
33より供給された制御信号に基づいてヘッド駆動部4
0のボイスコイルモータ43を制御して、支持アーム4
1に支持された浮上型光学ヘッド20を光磁気ディスク
10の径方向に移動させ、トラッキング制御を行う。
【0104】以上のようにして、ディスク装置30は、
光磁気ディスク10に記録された情報信号を適切に再生
する。
【0105】このディスク装置30は、浮上型光学ヘッ
ド20が、光磁気ディスク10の光磁気記録層12から
の離間距離がレーザビームの波長の1/4以内の範囲で
浮上しながら、光磁気ディスク10の光磁気記録層12
にレーザビームを照射するようにしているので、レーザ
ビームのスポット径を小さくすることができ、光磁気デ
ィスク10に対して高密度で情報信号を記録し、また
は、高密度で情報信号が記録された光磁気ディスク10
の情報信号を再生することができる。
【0106】また、このディスク装置30は、基板表面
にレーザビームの波長の1/4以上の高さを有する突起
が形成されていないディスク基板11を用いた光磁気デ
ィスク10に対して情報信号の記録及び再生を行うよう
にしているので、浮上型光学ヘッド20が光磁気ディス
ク10の表面の突起に衝突して、浮上型光学ヘッド20
あるいは光磁気ディスク10の損傷を招いてしまうとい
う不都合が回避され、信頼性の高い記録及び再生動作を
行うことができる。
【0107】なお、以上は、光磁気ディスク10に対し
て記録及び再生を行うディスク装置30を例に説明した
が、本発明は、この例に限定されるものではなく、再生
専用の光ディスクに対して再生を行うディスク装置や、
相変化型の光ディスクに対して記録及び再生を行うディ
スク装置にも適用することができる。
【0108】
【実施例】以下、本発明について、実施例及び比較例を
挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
のみ限定されるものではない。なお、以下の説明におい
て、特に断りのない限り、部及び%は重量基準である。
【0109】樹脂調製例1 6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン
(以下、MTDという)90%と5−メチル−2−ノル
ボルネン10%を含んでなるモノマーから合成した開環
重合体100部をシクロヘキサン400部に溶解し、水
素化触媒としてニッケル―アルミナ触媒(日揮化学社
製)5部を加え、水素により50kg/cm2 に加圧し
て、撹拌しながら温度200℃まで加温した後、4時間
反応させ、開環重合体水素化ポリマーを合成した。
【0110】不均一の水素化触媒を含んだポリマー含量
20%の反応液をラジオライト#500を濾過床とし
て、加圧濾過(フンダフィルター、石川島播磨重工社
製)を使用し、圧力2.5kg/cm2 で加圧濾過(一
段目の濾過工程)して、無色透明な溶液(溶液1−5)
を得た。
【0111】溶液1−5、100部を、更に金属ファイ
バー製フィルター(口径3μm、ニチダイ社製)にて濾
過(二段目の濾過工程)し、更に金属ファイバー製フィ
ルター(口径0.2μm、ニチダイ社製)にて濾過(三
段目の濾過工程)して異物を除去し、溶液1−6を得
た。
【0112】溶液1−6を用いて、溶剤成分であるシク
ロヘキサンを円筒形濃縮乾燥器(日立製作所製)によっ
て、運転条件を第1ステップ:温度270℃、圧力10
0Torr、第2ステップ:温度270℃、圧力5To
rrとして除去(乾燥工程)した。クラス1000のク
リーンルーム内で、溶融状態のポリマーをダイから押し
出し、水冷した後、ペレタイザー(OSP―2、長田製
作所製)でカッティングし、ペレット18部(ポリマー
A)を得た。ポリマーAは表面を研磨したステンレス製
密閉容器に充填し、保管した。ポリマーA10%のトル
エン溶液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、残
留シクロヘキサン量は測定限界以下であった。ポリマー
Aは、無色透明で、GPC分析によるポリスチレン換算
分子量はMn:27,000、Mw:56,000、D
SC分析により測定したTgは140℃であった。更
に、重クロロホルム溶液として、 1H―NMRスペクト
ルにより測定した水素添加率はほぼ100%であった。
ポリマーAを0.2μmカートリッジフィルターにて濾
過精製したトルエンを用いて1.5%濃度の溶液とし、
光散乱式微粒子検出器(KS―58、リオン社製)を用
いて粒径2.0μm以上の異物個数を測定した結果、6
0個/gであった。
【0113】樹脂調製例2 上記二段目の濾過工程と三段目の濾過工程を行わず、溶
液1−6に代えて溶液1−5をそのまま乾燥する以外は
樹脂調製例1と同様にして、溶剤を除去し、ペレット1
8部(ポリマーB)を得た。ポリマーBは樹脂調製例1
と同様に表面を研磨したステンレス製密閉容器に充填
し、保管した。樹脂調製例1と同様にして分析した結
果、残留シクロヘキサン量は測定限界以下、分子量はM
n:27,000、Mw:56,000、Tgは140
℃、粒径2.0μm以上の異物個数は12,000個/
gであった。
【0114】樹脂調製例3 6−メチル−6−メトキシカルボニル−1,4:5,8
−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オ
クタヒドロナフタレン80%と5−メチル−5−メトキ
シカルボニル−2−ノルボルネン20%を含んでなるモ
ノマーから合成した開環重合体100部をシクロヘキサ
ン/テトラヒドロフラン(以下、THFという。)1:
1混合溶剤400部に溶解し、水素化触媒としてニッケ
ル−アルミナ触媒(日揮化学社製)5部を加え、水素に
より50kg/cm2に加圧して、撹拌しながら温度2
00℃まで加温した後、4時間反応させ、開環重合体水
素化ポリマーを合成した。
【0115】不均一の水素化触媒を含んだポリマー含量
20%の反応液をラジオライト#500を濾過床とし
て、加圧濾過(フンダフィルター、石川島播磨重工社
製)を使用し、圧力2.5kg/cm2で加圧濾過し
て、無色透明な溶液(溶液2−5)を得た。
【0116】溶液2−5、100部を、更にに金属ファ
イバー製フィルター(口径3μm、ニチダイ社製)及び
金属ファイバー製フィルター(口径0.2μm、ニチダ
イ社製)にて濾過して異物を除去し、溶液2−6を得
た。
【0117】溶液1−6に代えて溶液2−6を用いる以
外は樹脂調製例1と同様にして、溶剤を除去し、ペレッ
ト17部(ポリマーC)を得た。ポリマーCは樹脂調製
例1と同様に表面を研磨したステンレス製密閉容器に充
填し、保管した。樹脂調製例1と同様にして分析した結
果、残留シクロヘキサン量は測定限界以下、分子量はM
n:17,500、Mw:56,000、Tgは139
℃、粒径2.0μm以上の異物個数は90個/gであっ
た。
【0118】樹脂調製例4 上記二段目の濾過工程と三段目の濾過工程を行わず、溶
液1−6に代えて溶液2−5をそのまま乾燥する以外は
樹脂調製例1と同様にして、溶剤を除去し、ペレット1
7部(ポリマーD)を得た。ポリマーDは樹脂調製例1
と同様に表面を研磨したステンレス製密閉容器に充填
し、保管した。樹脂調製例1と同様にして分析した結
果、残留シクロヘキサン量は測定限界以下、分子量はM
n:27,000、Mw:56,000、Tgは140
℃、粒径2.0μm以上の異物個数は19,000個/
gであった。
【0119】樹脂調製例5 三菱ガス化学製ディスク用ポリカーボネート(商品名;
Iupiron H−4000)をバット式送風乾燥機
を用いて100℃×10hrの条件で乾燥し、ポリマー
Eを得た。ポリマーEは樹脂調製例1と同様に表面を研
磨したステンレス製密閉容器に充填し、保管した。光散
乱式微粒子検出器(KS−58、リオン社製)を用い
て、溶媒をトルエンに代えて塩化メチレンを使用する以
外は樹脂調製例1と同様にして分析した結果、粒径2.
0μm以上の異物個数は1,400個/gであった。
【0120】樹脂調製例6 三井石油化学製環状オレフィンコポリマー(商品名;A
PL6015)100部をシクロヘキサン400部に溶
解し、無色透明な溶液(溶液3−5)を得た。溶液3−
5を、更に金属ファイバー製フィルター(口径3μm、
ニチダイ社製)及び金属ファイバー製フィルター(口径
0.2μm、ニチダイ社製)にて濾過して異物を除去
し、溶液3−6を得た。
【0121】溶液1−6に代えて溶液3−6、100部
を用いる以外は樹脂調製例1と同様にして、溶剤を除去
し、ペレット18部(ポリマーF)を得た。ポリマーF
は、前述同様にステンレス製密閉容器内に保管した。ポ
リマーFは無色透明で、樹脂調製例1と同様に分析した
結果、残留シクロヘキサン量は測定限界以下、分子量は
Mn:47,000、Mw:83,000、Tgは、1
37℃、粒径2.0μ以上の異物個数は110個/gで
あった。
【0122】実施例1 樹脂調製例1で得られたポリマーAを用い、クリーン度
クラス1000クリーンルーム内に設置され、更にクリ
ーンブースで金型部分をクリーン度クラス100の環境
に保持した射出成形機(DISK3、住友重機械工業社
製)により、樹脂温度320℃、金型温度120℃で、
金型内に平滑な表面(Ra:1nm)を有するNi製ス
タンパーを装填して直径65mm、厚さ1.2mmのデ
ィスク基板を成形した。
【0123】得られた平滑なディスク基板20枚につ
き、表面粗度(算術平均粗さ)Ra及び高さ165nm
(使用するレーザビームの波長が659nmである場合
に、波長の1/4の値となる高さ)以上の突起の有無を
調べた。表面粗度は、ディスク基板の表面の50μm×
50μmを触針でスキャンし、浮上型光学ヘッドの浮上
量と同等以上の突起のない領域を20μm×20μm切
り出してその領域での算術平均粗さRaで求めており、
あくまでも突起以外の表面の粗さを表現している。
【0124】表面粗度Raは、1.0〜1.1nmで、
ほぼスタンパーの表面粗度に近かった。また、突起のな
いディスク基板が20枚中19枚得られた。突起の有無
は、浮上量165nmで浮上型光学ヘッドが浮上するよ
うにディスク回転数を制御し、浮上型光学ヘッドに取り
付けられたピエゾ素子で衝突時の加速信号から検出す
る。この内の2枚のディスク基板から、各1.5gを切
り取り、樹脂調製例1と同様にトルエン溶液にして、粒
径2.0μm以上の異物個数を測定したところ、65個
/g及び67個/gであった。
【0125】実施例2 樹脂調製例3で得られたポリマーCを用い、実施例1と
同様にしてディスク基板を成形した。実施例1と同様
に、得られた平滑なディスク基板20枚につき、表面粗
度Ra及び高さ50nm以上の突起の有無を調べた結
果、表面粗度Raは、1.0〜1.1nmで、ほぼスタ
ンパーの表面粗度に近かった。また、突起のないディス
ク基板は20枚中18枚得られた。この内の2枚のディ
スク基板から、実施例1と同様にして、粒径2.0μm
以上の異物個数を測定したところ、95個/g及び11
0個/gであった。
【0126】実施例3 樹脂調製例5で得られたポリマーEを用い、実施例1と
同様にしてディスク基板を成形した。実施例1と同様
に、得られた平滑なディスク基板20枚につき、表面粗
度Ra及び高さ50nm以上の突起の有無を調べた結
果、表面粗度Raは、1.0〜1.1nmで、ほぼスタ
ンパーの表面粗度に近かった。また、突起のないディス
ク基板は20枚中8枚得られた。この内の2枚のディス
ク基板から、各1.5gを切り取り、樹脂調製例5と同
様にして、粒径2.0μm以上の異物個数を測定したと
ころ、いずれも1,400個/gであった。
【0127】実施例4 樹脂調製例6で得られたポリマーFを用い、実施例1と
同様にしてディスク基板を成形した。実施例1と同様
に、得られた平滑なディスク基板20枚につき、表面粗
度Ra及び高さ50nm以上の突起の有無を調べた結
果、表面粗度Raは、1.0〜1.1nmで、ほぼスタ
ンパーの表面粗度に近かった。また、突起のないディス
ク基板は20枚中17枚得られた。この内の2枚のディ
スク基板から、各1.5gを切り取り、樹脂調製例1と
同様にして、粒径2.0μm以上の異物個数を測定した
ところ、120個/g及び130個/gであった。
【0128】実施例5 樹脂調製例1で得られたポリマーAと樹脂調製例2で得
られたポリマーBを成形直前にポリマーAを25部に対
してポリマーBを75部ブレンドし、実施例1と同様に
してディスク基板を成形した。実施例1と同様に、得ら
れた平滑なディスク基板20枚につき、表面粗度Ra及
び高さ50nm以上の突起の有無を調べた結果、表面粗
度Raは、1.0〜1.1nmで、ほぼスタンパーの表
面粗度に近かった。また、突起のないディスク基板は2
0枚中2枚得られた。この2枚のディスク基板から、各
1.5gを切り取り、樹脂調製例1と同様にして、粒径
2.0μm以上の異物個数を測定したところ、9,00
0個/g及び9,100個/gであった。
【0129】比較例1 樹脂調製例2で得られたポリマーBを用い、実施例1と
同様にしてディスク基板を成形した。実施例1と同様
に、得られた平滑なディスク基板20枚につき、表面粗
度Ra及び高さ50nm以上の突起の有無を調べた結
果、表面粗度Raは、1.0〜1.1nmで、ほぼスタ
ンパーの表面粗度に近かった。また、突起のないディス
ク基板は20枚中1枚も得られなかった。成形したディ
スク基板中から無作為に選んだ2枚から、実施例1と同
様にして、粒径2.0μm以上の異物個数を測定したと
ころ、12,000個/g及び13、000個/gであ
った。
【0130】比較例2 樹脂調製例4で得られたポリマーDを用い、実施例1と
同様にしてディスク基板を成形した。実施例1と同様
に、得られた平滑なディスク基板20枚につき、表面粗
度Ra及び高さ50nm以上の突起の有無を調べた結
果、表面粗度Raは、1.0〜1.1nmで、ほぼスタ
ンパーの表面粗度に近かった。また、突起のないディス
ク基板は20枚中1枚も得られなかった。成形したディ
スク基板中から無作為に選んだ2枚から、実施例1と同
様にして、粒径2.0μm以上の異物個数を測定したと
ころ、いずれも19,000個/gであった。
【0131】この比較例1で得られたディスク基板につ
いて、突起部分の周囲を切削除去し、突起の高さと突起
の下部に存在する粒子の直径を顕微鏡にて測定した。測
定結果を図6に示す。この結果により、高さ165nm
以上の突起の要因となるのは粒径2.0μm以上の粒子
であることが推定される。
【0132】
【発明の効果】本発明に係るディスク状記録媒体用基板
は、少なくともディスク状記録媒体の信号が記録される
領域に対応した領域には、基板表面から測定した高さ
が、使用される光の波長の1/4以上となる突起が形成
されていない。したがって、この基板を用いたディスク
状記録媒体は、光学ヘッドとの衝突等が回避され、信頼
性が大幅に向上する。
【0133】また、この基板を用いたディスク状記録媒
体は、浮上型光学ヘッドを信号記録層から使用する光の
波長の1/4以内の浮上量で浮上させて記録及び/又は
再生を行うようにしても、浮上型光学ヘッドとの衝突が
回避されるので、高密度な記録及び/又は再生が可能と
なる。
【0134】さらに、このディスク状記録媒体用基板
は、樹脂を射出成形して形成するようにすれば、ディス
ク表面にヘッド位置決め情報やアドレス情報のための凹
部が設けられたディスク状記録媒体やトラック間にグル
ーブを有するディスク状記録媒体用の基板として、精度
良く且つ容易に形成することができ、ハードディスク等
で用いられているアルミニウム基板に比べて生産性良く
且つ低コストで製造することができる。
【0135】また、本発明に係るディスク状記録媒体用
基板の製造方法は、成形体中の粒径2.0μm以上の粒
子の数が10000個/g以下となるように制御して成
形するようにしているので、基板表面に約165nm以
上の突起が存在しないディスク状記録媒体用基板を容易
に製造することができる。
【0136】このディスク状記録媒体用基板の製造方法
により製造されたディスク状記録媒体用基板は、基板表
面に約165nm以上の突起が存在しないので、ディス
ク状記録媒体の信頼性を大幅に向上させることができ
る。
【0137】また、本発明に係るディスク装置は、信号
が記録される領域に使用する光の波長の1/4以上の高
さを有する突起が形成されていないディスク状記録媒体
に対して情報信号の記録及び再生を行うようにしている
ので、使用する光の波長の1/4以内の浮上量で浮上す
る浮上型光学ヘッドが、ディスク状記録媒体に衝突し
て、浮上型光学ヘッドあるいはディスク状記録媒体の損
傷を招いてしまうという不都合が回避され、信頼性の高
い記録及び再生動作を行うことができる。
【0138】さらに、このディスク装置は、浮上型光学
ヘッドが、使用する光の波長の1/4以内の浮上量で浮
上しながら、ディスク状記録媒体に対して情報信号の書
き込み又は読み出しを行うようにしているので、光のス
ポット径を小さくすることができ、ディスク状記録媒体
に対して高密度で情報信号を記録し、または、高密度で
情報信号が記録されたディスク状記録媒体の情報信号を
再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】突起が形成されたディスク基板を示す縦断面図
である。
【図2】光磁気ディスクの要部を示す縦断面図である。
【図3】光磁気ディスク上を浮上する浮上型光学ヘッド
を示す縦断面図である。
【図4】光ディスク装置の概略構成を示すブロック図で
ある。
【図5】光ディスク装置の要部を示す縦断面図である。
【図6】突起高さと異物粒子の粒径との関係を説明する
図である。
【符号の説明】
10 光磁気ディスク、11 ディスク基板、12 光
磁気ディスク層、17保護層、20 浮上型光学ヘッ
ド、30 ディスク装置、31 スピンドルモータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大島 正義 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 日 本ゼオン株式会社内 (72)発明者 小原 禎二 神奈川県川崎市川崎区夜光1丁目2番1号 日本ゼオン株式会社総合開発センター内 (72)発明者 高橋 治彦 神奈川県川崎市川崎区夜光1丁目2番1号 日本ゼオン株式会社総合開発センター内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光を使用して記録及び/又は再生が行わ
    れるディスク状記録媒体に用いられるディスク状記録媒
    体用基板において、 少なくとも信号が記録される領域には、基板表面から測
    定した高さが上記光の波長の1/4以上となる突起が形
    成されていないことを特徴とするディスク状記録媒体用
    基板。
  2. 【請求項2】 上記ディスク状記録媒体は、基板上に少
    なくとも信号記録層と保護層とが順次積層されてなり、
    上記保護層を透過した光が上記信号記録層上に照射され
    ることにより所定の情報信号の記録及び/又は再生が行
    われるディスク状記録媒体であることを特徴とする請求
    項1記載のディスク状記録媒体用基板。
  3. 【請求項3】 樹脂を射出成形することにより形成され
    ていることを特徴とする請求項1記載のディスク状記録
    媒体用基板。
  4. 【請求項4】 上記樹脂は熱可塑性ノルボルネン系樹脂
    であることを特徴とする請求項3記載のディスク状記録
    媒体用基板。
  5. 【請求項5】 光を使用して記録及び/又は再生が行わ
    れるディスク状記録媒体に用いられるディスク状記録媒
    体用基板を製造するに際し、 樹脂を成形体中の粒径2.0μm以上の粒子の数が10
    000個/g以下となるように制御してディスク状に成
    形し、少なくとも信号が記録される領域には、基板表面
    から測定した高さが上記光の波長の1/4以上となる突
    起が形成されていないディスク状記録媒体用基板を製造
    することを特徴とするディスク状記録媒体用基板の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 上記樹脂を射出成形してディスク状記録
    媒体用基板を製造することを特徴とする請求項5記載の
    ディスク状記録媒体用基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記樹脂は熱可塑性ノルボルネン系樹脂
    であることを特徴とする請求項5記載のディスク状記録
    媒体用基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 ディスク状記録媒体を回転駆動させるモ
    ータと、 上記モータにより回転駆動されるディスク状記録媒体上
    を、使用する光の波長の1/4以内の浮上量で浮上し
    て、このディスク状記録媒体に対して情報信号の書き込
    み又は読み出しを行う浮上型光学ヘッドとを備え、 上記ディスク状記録媒体の少なくとも信号が記録される
    領域には、その表面から測定した高さが、上記光の波長
    の1/4以上となる突起が形成されていないことを特徴
    とするディスク装置。
  9. 【請求項9】 上記ディスク状記録媒体の基板は、樹脂
    を射出成形することにより成形されていることを特徴と
    する請求項8記載のディスク装置。
  10. 【請求項10】 上記ディスク状記録媒体の基板は、熱
    可塑性ノルボルネン系樹脂からなることを特徴とする請
    求項8記載のディスク装置。
  11. 【請求項11】 上記ディスク状記録媒体の基板は、上
    記樹脂に内在する粒径2.0μm以上の粒子の数が10
    000個/g以下となるように制御して成形されている
    ことを特徴とする請求項9記載のディスク装置。
JP9298836A 1997-10-30 1997-10-30 ディスク状記録媒体用基板、ディスク状記録媒体用基板の製造方法並びにディスク装置 Pending JPH11134711A (ja)

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JP2002050043A (ja) * 2000-05-26 2002-02-15 Tosoh Corp 表面再生型光記録媒体
WO2002021517A1 (fr) * 2000-09-04 2002-03-14 Zeon Corporation Substrat de disque magnetique et disque magnetique
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