JP2002082209A - 複合光学部品 - Google Patents
複合光学部品Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高温度、高湿度に対する耐久性のある反射防
止膜を複合光学部品に形成する。 【解決手段】 複合光学部品は、硝子からなる基板1と
基板1の表面に形成された樹脂層2からなる。樹脂層2
の表面にSiO2層とTiO2層とを交互に積層した反
射防止膜3を形成する。
止膜を複合光学部品に形成する。 【解決手段】 複合光学部品は、硝子からなる基板1と
基板1の表面に形成された樹脂層2からなる。樹脂層2
の表面にSiO2層とTiO2層とを交互に積層した反
射防止膜3を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硝子基板に樹脂層
が積層されることにより、カメラや顕微鏡などの光学機
器に使用される複合光学部品に関する。
が積層されることにより、カメラや顕微鏡などの光学機
器に使用される複合光学部品に関する。
【0002】
【従来の技術】複合光学部品は、ガラスレンズ上に紫外
線硬化型樹脂を塗布し、この樹脂に非球面の金型を押し
付けて紫外線を照射することにより、樹脂を硬化させて
成形される。このような複合光学部品からなるレンズ
は、ガラスレンズと比較して非球面形状が容易に得られ
ると共に量産性に優れている。また、プラスチック基板
と比較して硝子基板を用いているため、温度、湿度に対
して屈折率が安定している。さらに、母材である硝子の
屈折率を自由に選択することができるため、光学設計上
の自由度が高く、しかも、大口径の光学部品が得られる
利点がある。
線硬化型樹脂を塗布し、この樹脂に非球面の金型を押し
付けて紫外線を照射することにより、樹脂を硬化させて
成形される。このような複合光学部品からなるレンズ
は、ガラスレンズと比較して非球面形状が容易に得られ
ると共に量産性に優れている。また、プラスチック基板
と比較して硝子基板を用いているため、温度、湿度に対
して屈折率が安定している。さらに、母材である硝子の
屈折率を自由に選択することができるため、光学設計上
の自由度が高く、しかも、大口径の光学部品が得られる
利点がある。
【0003】また、一般に光学部品は可視光帯域の反射
率を減少させて透過率等の光学的性能を向上させる目的
で、表面に反射防止膜が形成されている。複合光学部品
からなるレンズの場合も樹脂層の表面反射を低下させる
ために、樹脂層上に反射防止膜を施している。特開平4
−254802号公報では、樹脂層上に樹脂層側からA
l2O3/ZrO2/MgF2の3層の反射防止膜を積
層することが記載されている。
率を減少させて透過率等の光学的性能を向上させる目的
で、表面に反射防止膜が形成されている。複合光学部品
からなるレンズの場合も樹脂層の表面反射を低下させる
ために、樹脂層上に反射防止膜を施している。特開平4
−254802号公報では、樹脂層上に樹脂層側からA
l2O3/ZrO2/MgF2の3層の反射防止膜を積
層することが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開平4−25480
2号公報に開示された複合光学部品は、可視域において
良好な反射防止効果が得られても、反射防止膜の高温度
及び高湿度に対する耐久性が小さく、高温度下及び高湿
度下での耐環境試験を実施すると、反射防止膜に多数の
微細な割れ目(クラック)や周期的に繰り返されるしわ
状の変形が発生する問題を有している。
2号公報に開示された複合光学部品は、可視域において
良好な反射防止効果が得られても、反射防止膜の高温度
及び高湿度に対する耐久性が小さく、高温度下及び高湿
度下での耐環境試験を実施すると、反射防止膜に多数の
微細な割れ目(クラック)や周期的に繰り返されるしわ
状の変形が発生する問題を有している。
【0005】本発明はこのような従来の問題点を考慮し
てなされたものであり、高温度及び高湿度の環境下にお
いても、クラックやしわの発生のない反射防止膜を有し
た複合光学部品を提供することを目的とする。
てなされたものであり、高温度及び高湿度の環境下にお
いても、クラックやしわの発生のない反射防止膜を有し
た複合光学部品を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、硝子からなる基板とこの基板の
表面に形成された樹脂層からなる複合光学部品であっ
て、前記樹脂層の表面にSiO2層とTiO2層とを交
互に積層した反射防止膜が形成されていることを特徴と
する。
め、請求項1の発明は、硝子からなる基板とこの基板の
表面に形成された樹脂層からなる複合光学部品であっ
て、前記樹脂層の表面にSiO2層とTiO2層とを交
互に積層した反射防止膜が形成されていることを特徴と
する。
【0007】この発明において、樹脂層の表面に交互に
積層されたSiO2層とTiO2層は、いずれも高温度
及び高湿度に対する耐久性が大きく、クラックやしわが
発生することがない。
積層されたSiO2層とTiO2層は、いずれも高温度
及び高湿度に対する耐久性が大きく、クラックやしわが
発生することがない。
【0008】請求項2の発明は、請求項1記載の発明で
あって、前記反射防止膜が4層からなり、基板側から数
えて第1層及び第3層がTiO2層、第2層及び第4層
がSiO2層からなることを特徴とする。また、請求項
3の発明は、請求項1記載の発明であって、前記反射防
止膜が5層からなり、基板側から数えて第1層、第3層
及び第5層がSiO2層、第2層及び第4層がTiO2
層からなることを特徴とする。
あって、前記反射防止膜が4層からなり、基板側から数
えて第1層及び第3層がTiO2層、第2層及び第4層
がSiO2層からなることを特徴とする。また、請求項
3の発明は、請求項1記載の発明であって、前記反射防
止膜が5層からなり、基板側から数えて第1層、第3層
及び第5層がSiO2層、第2層及び第4層がTiO2
層からなることを特徴とする。
【0009】この請求項2及び3における4層構成及び
5層構成の反射防止膜は、多層のため反射防止力の調整
を自由に行うことができる。従って、大きな耐久性を有
するばかりでなく、より良好な反射防止性能を備えたも
のとなり、実用上の大きな効果を備えている。
5層構成の反射防止膜は、多層のため反射防止力の調整
を自由に行うことができる。従って、大きな耐久性を有
するばかりでなく、より良好な反射防止性能を備えたも
のとなり、実用上の大きな効果を備えている。
【0010】請求項4の発明は、請求項2記載の複合光
学部品であって、基板側から数えて第1層が光学的膜厚
5〜50nmのTiO2層、第2層が光学的膜厚15〜
60nmのSiO2層、第3層が光学的膜厚205〜2
85nmのTiO2層、第4層が光学的膜厚105〜1
45nmのSiO2層であることを特徴とする。また、
請求項5の発明は、請求項3記載の複合光学部品であっ
て、基板側から数えて第1層が光学的膜厚6〜120n
mのSiO2層、第2層が光学的膜厚20〜55nmT
iO2層と、第3層が光学的膜厚25〜60nmのSi
O2層と、第4層が光学的膜厚が216〜305nmの
TiO2層、第5層が光学的膜厚100〜145nmの
SiO2層であることを特徴とする。
学部品であって、基板側から数えて第1層が光学的膜厚
5〜50nmのTiO2層、第2層が光学的膜厚15〜
60nmのSiO2層、第3層が光学的膜厚205〜2
85nmのTiO2層、第4層が光学的膜厚105〜1
45nmのSiO2層であることを特徴とする。また、
請求項5の発明は、請求項3記載の複合光学部品であっ
て、基板側から数えて第1層が光学的膜厚6〜120n
mのSiO2層、第2層が光学的膜厚20〜55nmT
iO2層と、第3層が光学的膜厚25〜60nmのSi
O2層と、第4層が光学的膜厚が216〜305nmの
TiO2層、第5層が光学的膜厚100〜145nmの
SiO2層であることを特徴とする。
【0011】このような請求項4及び請求項5に示され
る膜厚では、波長440〜650nmでの反射率が1.
5%以下、波長420nm及び700nmでの反射率が
2%以下となるため、実用上問題のない反射率とするこ
とができる。
る膜厚では、波長440〜650nmでの反射率が1.
5%以下、波長420nm及び700nmでの反射率が
2%以下となるため、実用上問題のない反射率とするこ
とができる。
【0012】なお、請求項4の4層構成の反射防止膜に
おいて、より低い反射率、すなわち波長440〜650
nmでの反射率を1.3%以下、波長420nm及び7
00nmでの反射率を2%以下とする場合には、表1の
ような膜構成とすることが好ましい。
おいて、より低い反射率、すなわち波長440〜650
nmでの反射率を1.3%以下、波長420nm及び7
00nmでの反射率を2%以下とする場合には、表1の
ような膜構成とすることが好ましい。
【0013】
【表1】
【0014】また、請求項5の5層構成の反射防止膜に
おいて、より低い反射率、すなわち、波長440〜66
0nmでの反射率を1.3%以下、波長420nm及び
と700nmでの反射率を2%以下とする場合には、表
2のような膜構成とすることが好ましい。
おいて、より低い反射率、すなわち、波長440〜66
0nmでの反射率を1.3%以下、波長420nm及び
と700nmでの反射率を2%以下とする場合には、表
2のような膜構成とすることが好ましい。
【0015】
【表2】
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態におけ
る複合光学部品を示し、硝子レンズからなる基板1の表
面上に樹脂層2が形成され、樹脂層2の表面上に反射防
止膜3が形成されている。樹脂層2は紫外線硬化型樹脂
等の光硬化型樹脂が使用され、基板1上に塗布された
後、非球面の金型を押し付けた状態で紫外線等の光線を
照射することにより硬化される。
る複合光学部品を示し、硝子レンズからなる基板1の表
面上に樹脂層2が形成され、樹脂層2の表面上に反射防
止膜3が形成されている。樹脂層2は紫外線硬化型樹脂
等の光硬化型樹脂が使用され、基板1上に塗布された
後、非球面の金型を押し付けた状態で紫外線等の光線を
照射することにより硬化される。
【0017】この実施の形態では、後述する実施例(表
3、表4)で示す膜材料及び光学膜厚に従って反射防止
膜を形成し、複合光学部品を作製した。そして、この複
合光学部品を次に示す試験に供して物性を測定した。
3、表4)で示す膜材料及び光学膜厚に従って反射防止
膜を形成し、複合光学部品を作製した。そして、この複
合光学部品を次に示す試験に供して物性を測定した。
【0018】(a)反射率 オリンパス光学工業(株)製の分光反射率測定器USP
Mを用いて、垂直入射での反射防止膜の反射率を測定し
た。 (b)損失 可視光の短波長領域の光を吸収しない硝材「BK7」
(商品名)よりなるガラス基板上に、後述する実施例と
同様の構成の反射防止膜を形成し、波長400nmの光
に対する反射率Rと透過率Tとから損失(T+R)を算
出した。測定には(株)日立製作所製の自記分光光度計
「U−4000」(商品名)を用いた。 (c)密着性試験 セロハンテープ(商品名)を指の腹でこすりつけて垂直
方向へ一気に引き剥がす操作を三回連続して行い、膜剥
離の有無を調べた。 (d)外観 目視と顕微鏡観察によりクラックやしわの有無をチェッ
クした。
Mを用いて、垂直入射での反射防止膜の反射率を測定し
た。 (b)損失 可視光の短波長領域の光を吸収しない硝材「BK7」
(商品名)よりなるガラス基板上に、後述する実施例と
同様の構成の反射防止膜を形成し、波長400nmの光
に対する反射率Rと透過率Tとから損失(T+R)を算
出した。測定には(株)日立製作所製の自記分光光度計
「U−4000」(商品名)を用いた。 (c)密着性試験 セロハンテープ(商品名)を指の腹でこすりつけて垂直
方向へ一気に引き剥がす操作を三回連続して行い、膜剥
離の有無を調べた。 (d)外観 目視と顕微鏡観察によりクラックやしわの有無をチェッ
クした。
【0019】(第1実施例)ガラスレンズの表面にエタ
ノールで希釈したシランカップリング材をスピンコート
して乾燥させ、この表面処理の後、UV(紫外線)硬化
性樹脂をガラスレンズ1の中心部に適量塗布し、上面か
ら非球面の金型を静かに押し付けて樹脂層の厚さが10
0μmとなる位置で保持し、この状態で、ガラスレンズ
の下面から高圧水銀灯により紫外線を照射して樹脂を硬
化させた後、金型を離型することにより複合型光学部品
を作製した。
ノールで希釈したシランカップリング材をスピンコート
して乾燥させ、この表面処理の後、UV(紫外線)硬化
性樹脂をガラスレンズ1の中心部に適量塗布し、上面か
ら非球面の金型を静かに押し付けて樹脂層の厚さが10
0μmとなる位置で保持し、この状態で、ガラスレンズ
の下面から高圧水銀灯により紫外線を照射して樹脂を硬
化させた後、金型を離型することにより複合型光学部品
を作製した。
【0020】次に、樹脂2の表面に反射防止膜を形成し
た。すなわち、ガラスレンズからなる基板と樹脂層(屈
折率n=1.52)とからなる複合光学部品を真空蒸着
装置内にセットし、基板の加熱は行わず、真空度が4.
0×10−3Paとなるまで排気を行った後、真空蒸着
を開始した。各反射防止膜における光学膜厚は光学式膜
厚監視法に基づいて、モニターガラス上の反射率を制御
することにより行った。この場合、第1層及び第3層に
おいては、反応ガスとして酸素ガスを導入しながら真空
度2.7×10−2Paで真空蒸着を行った。
た。すなわち、ガラスレンズからなる基板と樹脂層(屈
折率n=1.52)とからなる複合光学部品を真空蒸着
装置内にセットし、基板の加熱は行わず、真空度が4.
0×10−3Paとなるまで排気を行った後、真空蒸着
を開始した。各反射防止膜における光学膜厚は光学式膜
厚監視法に基づいて、モニターガラス上の反射率を制御
することにより行った。この場合、第1層及び第3層に
おいては、反応ガスとして酸素ガスを導入しながら真空
度2.7×10−2Paで真空蒸着を行った。
【0021】表3に本実施例における反射防止膜の構成
を示す。
を示す。
【0022】このように反射防止膜の成膜を行った複合
光学部品を温度70℃、湿度40%の高温常湿度放置試
験と、温度40℃、湿度90%の常温高湿度放置試験の
条件下で耐性試験を行った。
光学部品を温度70℃、湿度40%の高温常湿度放置試
験と、温度40℃、湿度90%の常温高湿度放置試験の
条件下で耐性試験を行った。
【0023】得られた評価結果を表5に示す。また、反
射防止膜の分光反射率の特性を図2に示す。評価では、
クラックやしわなどの外観、分光特性、テープテストに
よる膜の密着強度について全て問題はなかった。この実
施例では、可視域において十分な反射防止効果を有して
おり、耐性試験においてもクラックやしわが発生しにく
く、耐久性を有した反射防止膜を有する複合光学部品が
得られた。
射防止膜の分光反射率の特性を図2に示す。評価では、
クラックやしわなどの外観、分光特性、テープテストに
よる膜の密着強度について全て問題はなかった。この実
施例では、可視域において十分な反射防止効果を有して
おり、耐性試験においてもクラックやしわが発生しにく
く、耐久性を有した反射防止膜を有する複合光学部品が
得られた。
【0024】なお、樹脂層の屈折率は1.52に限定さ
れるものではなく、1.55以下の範囲であれば良い。
れるものではなく、1.55以下の範囲であれば良い。
【0025】(第2実施例)この実施例における反射防
止膜の構成を表3に示す。この実施例では、複合光学部
品の樹脂層の屈折率が1.60である以外は、第1実施
例と同様に4層の反射防止膜を形成した。なお、樹脂層
の屈折率は1.60に限定されるものではなく、1.5
5以上1.65以下の範囲であれば良い。
止膜の構成を表3に示す。この実施例では、複合光学部
品の樹脂層の屈折率が1.60である以外は、第1実施
例と同様に4層の反射防止膜を形成した。なお、樹脂層
の屈折率は1.60に限定されるものではなく、1.5
5以上1.65以下の範囲であれば良い。
【0026】このように反射防止膜の成膜を行った複合
光学部品を温度70℃、湿度40%の高温常湿度放置試
験と、温度40℃、湿度90%の常温高湿度放置試験の
条件下で耐性試験を行った。結果を表5に示す。また、
この実施例の分光反射率の特性を図3に示す。
光学部品を温度70℃、湿度40%の高温常湿度放置試
験と、温度40℃、湿度90%の常温高湿度放置試験の
条件下で耐性試験を行った。結果を表5に示す。また、
この実施例の分光反射率の特性を図3に示す。
【0027】表5及び図3に示すように、反射防止膜を
有するこの実施例の複合光学部品は、第1実施例の複合
光学部品材と同程度の物性を有するものとなっている。
従って、この実施例においても、可視域において十分な
反射防止効果を有し、耐性試験を行ってもクラックやし
わが発生しにくい反射防止膜を有する複合光学部品とす
ることが可能となっている。
有するこの実施例の複合光学部品は、第1実施例の複合
光学部品材と同程度の物性を有するものとなっている。
従って、この実施例においても、可視域において十分な
反射防止効果を有し、耐性試験を行ってもクラックやし
わが発生しにくい反射防止膜を有する複合光学部品とす
ることが可能となっている。
【0028】(第3実施例)この実施例の反射防止膜の
構成を表4に示す。この実施例では、ガラスレンズ上の
樹脂層(屈折率n=1.52)が形成された複合光学部
品を真空蒸着装置内にセットし、真空度が4.0×10
−3Paとなるまで排気を行った後、真空蒸着を開始し
た。各層における反射防止膜の光学膜厚は光学式膜厚監
視法に基づき、モニターガラス上の反射率を制御するこ
とにより行った。
構成を表4に示す。この実施例では、ガラスレンズ上の
樹脂層(屈折率n=1.52)が形成された複合光学部
品を真空蒸着装置内にセットし、真空度が4.0×10
−3Paとなるまで排気を行った後、真空蒸着を開始し
た。各層における反射防止膜の光学膜厚は光学式膜厚監
視法に基づき、モニターガラス上の反射率を制御するこ
とにより行った。
【0029】なお、TiO2を主成分とする第2層、第
4層の成膜においては、反応ガスとして酸素ガスを導入
しながら、2.7×10−3Paの真空度で真空蒸着を
行った。この場合、樹脂層の屈折率は1.52に限定さ
れるものではなく、1.55以下の範囲であれば良い。
4層の成膜においては、反応ガスとして酸素ガスを導入
しながら、2.7×10−3Paの真空度で真空蒸着を
行った。この場合、樹脂層の屈折率は1.52に限定さ
れるものではなく、1.55以下の範囲であれば良い。
【0030】このように反射防止膜の成膜を行った複合
光学部品を温度70℃、湿度40%の高温常湿度放置試
験と、温度40℃、湿度90%の常温高湿度放置試験の
条件下で耐性試験を行った。結果を表5に示す。また、
分光反射率の特性を図4に示す。
光学部品を温度70℃、湿度40%の高温常湿度放置試
験と、温度40℃、湿度90%の常温高湿度放置試験の
条件下で耐性試験を行った。結果を表5に示す。また、
分光反射率の特性を図4に示す。
【0031】表5及び図4に示すように、この実施例の
反射防止膜を有した複合光学部品は第1実施例の複合光
学部品と同程度の物性を有している。従って、この実施
例においても、可視域において十分な反射防止効果を有
し、耐性試験を行ってもクラックやしわが発生しにくい
反射防止膜を有する複合光学部品とすることが可能とな
っている。
反射防止膜を有した複合光学部品は第1実施例の複合光
学部品と同程度の物性を有している。従って、この実施
例においても、可視域において十分な反射防止効果を有
し、耐性試験を行ってもクラックやしわが発生しにくい
反射防止膜を有する複合光学部品とすることが可能とな
っている。
【0032】(第4実施例)この実施例における反射防
止膜の構成を表4に示す。この実施例では、複合光学部
品の樹脂層の屈折率が1.60である以外は、第3実施
例と同様に5層の反射防止膜を形成した。なお、樹脂層
の屈折率は1.60に限定されるものではなく、1.5
5以上1.65以下の範囲であれば良い。
止膜の構成を表4に示す。この実施例では、複合光学部
品の樹脂層の屈折率が1.60である以外は、第3実施
例と同様に5層の反射防止膜を形成した。なお、樹脂層
の屈折率は1.60に限定されるものではなく、1.5
5以上1.65以下の範囲であれば良い。
【0033】このように反射防止膜の成膜を行った複合
光学部品を、温度70℃、湿度40%の高温常湿度放置
試験と、温度40℃、湿度90%の常温高湿度放置試験
の条件下で耐性試験を行った。結果を表5に示す。ま
た、この実施例の分光反射率の特性を図5に示す。
光学部品を、温度70℃、湿度40%の高温常湿度放置
試験と、温度40℃、湿度90%の常温高湿度放置試験
の条件下で耐性試験を行った。結果を表5に示す。ま
た、この実施例の分光反射率の特性を図5に示す。
【0034】表5及び図5に示すように、反射防止膜を
有するこの実施例の複合光学部品は、第1実施例の複合
光学部品材と同程度の物性を有するものとなっている。
従って、この実施例においても、可視域において十分な
反射防止効果を有し、耐性試験を行ってもクラックやし
わが発生しにくい反射防止膜を有する複合光学部品とす
ることが可能となっている。
有するこの実施例の複合光学部品は、第1実施例の複合
光学部品材と同程度の物性を有するものとなっている。
従って、この実施例においても、可視域において十分な
反射防止効果を有し、耐性試験を行ってもクラックやし
わが発生しにくい反射防止膜を有する複合光学部品とす
ることが可能となっている。
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、高温度及び高
湿度に対する耐久性が大きく、クラックやしわが発生す
ることがない。
湿度に対する耐久性が大きく、クラックやしわが発生す
ることがない。
【0039】請求項2及び請求項3の発明によれば、請
求項1の発明の効果に加えて、さらに良好な反射防止性
能を備えることができる。
求項1の発明の効果に加えて、さらに良好な反射防止性
能を備えることができる。
【0040】請求項4及び請求項5の発明によれば、波
長440〜650nmでの反射率を1.5%以下、波長
420nm及び700nmでの反射率を2%以下とする
ことができる。
長440〜650nmでの反射率を1.5%以下、波長
420nm及び700nmでの反射率を2%以下とする
ことができる。
【図1】複合光学部品の断面図である。
【図2】実施例1の分光反射率特性図である。
【図3】実施例2の分光反射率特性図である。
【図4】実施例3の分光反射率特性図である。
【図5】実施例4の分光反射率特性図である。
1 基板 2 樹脂層 3 反射防止膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 14/08 C23C 14/10 14/10 14/24 N 14/24 G02B 3/00 Z G02B 3/00 3/02 3/02 1/10 A Fターム(参考) 2K009 AA07 AA08 BB02 CC03 CC21 CC42 DD03 4F100 AA20C AA20D AA20E AA21C AA21D AA21E AG00A AK01B BA05 BA07 BA08 BA10A BA10E EH66 GB90 JB07 JB14B JJ03 JK14 JL00 JN06 YY00C YY00D YY00E 4K029 AA11 BA46 BA48 BB02 BC07 BD09 CA01 FA07
Claims (5)
- 【請求項1】 硝子からなる基板とこの基板の表面に形
成された樹脂層からなる複合光学部品であって、前記樹
脂層の表面にSiO2層とTiO2層とを交互に積層し
た反射防止膜が形成されていることを特徴とする複合光
学部品。 - 【請求項2】 前記反射防止膜が4層からなり、基板側
から数えて第1層及び第3層がTiO2層、第2層及び
第4層がSiO2層からなることを特徴とする請求項1
記載の複合光学部品。 - 【請求項3】 前記反射防止膜が5層からなり、基板側
から数えて第1層、第3層及び第5層がSiO2層、第
2層及び第4層がTiO2層からなることを特徴とする
請求項1記載の複合光学部品。 - 【請求項4】 請求項2記載の複合光学部品であって、
基板側から数えて第1層が光学的膜厚5〜50nmのT
iO2層、第2層が光学的膜厚15〜60nmのSiO
2層、第3層が光学的膜厚205〜285nmのTiO
2層、第4層が光学的膜厚105〜145nmのSiO
2層であることを特徴とする複合光学部品。 - 【請求項5】 請求項3記載の複合光学部品であって、
基板側から数えて第1層が光学的膜厚6〜120nmの
SiO2層、第2層が光学的膜厚20〜55nmTiO
2層と、第3層が光学的膜厚25〜60nmのSiO2
層と、第4層が光学的膜厚が216〜305nmのTi
O2層、第5層が光学的膜厚100〜145nmのSi
O2層であることを特徴とする複合光学部品。
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