JP2002080949A - アモルファス鉄族合金 - Google Patents
アモルファス鉄族合金Info
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Abstract
元素等をベースとして、且つ、従来に比して大きな断面
のいわゆるアモルファス金属(合金)バルク材をを容易
に製造可能なアモルファス鉄族合金を提供すること。 【解決手段】 金属成分と半金属成分とで構成されてな
るアモルファス鉄族合金。金属成分として、Fe主体の
鉄族三元素(Fe、Co、Ni)及びMoを含有し、前
記半金属成分として、Si及びBを含有して、下記式で
あらわされる過冷却液体の温度間隔(以下「過冷度:△
T」) △T=Tx−Tg(ただし、Tx:結晶化開始温度、T
g:ガラス転移温度)が約32K以上を示すものであ
る。
Description
に関する。特に、本発明は、ブラスト加工等における投
射材(ショット)や、ボールミル、アトライター等にお
ける粉砕用ボール(粉砕媒体)、さらには、ボールペン
チップ、マイクロベアリング等として好適なアモルファ
ス合金粒子の形成材として好適なアモルファス鉄族合金
である。
する際には、金属結晶が生じないうちに固化するよう
に、105 K/秒以上の冷却速度で急冷することが必要
である。冷却速度が充分でないと、アモルファス相中に
結晶相が混在したり、又は実質的に結晶化相のみとなる
ため、結晶成分を実質的に含まないアモルファス(非晶
質:無定形)状態、すなわち、金属ガラス状態を得難
い。
方法を用いてアモルファス金属を調製することが試みら
れている。しかし、冷却能力(冷却速度)には限界があ
る。
面全体の均質急冷(高速冷却)が容易である小断面
(0.1mm前後の粒径・線径・肉厚)の、粒子、線材、
箔材等、いわゆる小断面材の形態の製造に限られている
のが現状であった。
ため、より大径の粒子を製造可能な汎用材料ベースの下
記構成の「鉄系アモルファス球状粒子」を先に提案した
(特願 2000-185742:出願時未公開)。
ルファス球状粒子において、該鉄系アモルファス球状粒
子の組成が、Ni:15〜45at%、Si:5〜15
at%、B:10〜25at%、Mo:0〜5at%、
Fe:残部であり、、且つ、該鉄系アモルファス球状粒
子の粒径が0.02〜1.5mmであることを特徴とす
る。」
ルファス球状粒子(特願 2000-185742)でも、径1.5
mmまでのアモルファス金属(アモルファス)粒子が限度
であった。
金組成が提案されている(例えば「METALLURGICAL TRAN
SACTIONS A」 VOLUME 18A,MARCH 1987 p377-383、「金
属’94年3月号」”アーク溶解法によるcm級アモルフ
ァス合金の生成”p47-54等参照)。
金属(Pd,Zr等)を使用する必要があり実際的では
ない、すなわち、汎用性に欠けた。
な特殊金属を用いなくても、汎用の鉄族元素等をベース
として、且つ、従来に比して大きな断面のいわゆるアモ
ルファス金属(合金)バルク材を、特に、実質的に結晶
相を含まない金属ガラスアモルファスからなる金属ガラ
ス粒子を容易に製造可能なアモルファス鉄族合金を提供
することを目的とする。
解決するために、鋭意開発に努力をする過程で、上記先
願で提案した組成の鉄系アモルファス合金において、汎
用金属であるコバルト(Co)を添加することで、過冷
度△Tが増大してアモルファス形成能が向上することを
見出して、本発明のアモルファス鉄族合金に想到したも
のである。
分と半金属成分とで構成されてなるアモルファス鉄族合
金において、金属成分として、Fe主体の鉄族三元素
(Fe、Co、Ni)及びMoを含有し、前記半金属成
分として、Si及びBを含有して、下記式であらわされ
る過冷却液体の温度間隔(以下「過冷度△T」) △T=Tx−Tg(ただしTx:結晶化開始温度、T
g:ガラス転移温度)が約32K以上を示すものである
ことを特徴とする。
主体であるとともに、他の半金属元素及びMoも特殊な
元素でなく、且つ、△T:約32K以上(望ましくは約
40k以上)を示すことにより、従来に比して大断面、
すなわち、バルクアモルファス金属(金属ガラス)の製
造が可能となる。
分とで構成されてなるアモルファス鉄族合金において、
金属成分として、Fe主体の鉄族三元素(Fe、Co、
Ni)及びMoを含有し、前記半金属成分として、Si
及びBを含有し Si:約4.5〜11.5at%、B:約10〜23a
t%、Mo:約0.5〜4.5at%、残部:前記鉄族
成分の合金組成であることを特徴とする。
ましくは約40K以上)を示すことが可能となり、従来
に比して大断面のバルクアモルファス金属(金属ガラ
ス)の製造が可能となる。
元素合計100at%換算値)が、Ni:約4〜45a
t%、Co:約2〜45at%、Fe:残部(約49.
5at%以上)とすることが、△T:約32K以上をよ
り確保し易くなる。すなわち、従来に比して大断面のア
モルファス金属材の製造がより容易となる。
ファス金属粒子を形成し、さらには、該アモルファス金
属粒子を投射材等に使用することが望ましい。すなわ
ち、本発明のアモルファス鉄族合金では、高靱性材とす
ることができるためである。
をする。以下の説明で、合金組成(含有量)を示す
「%」は、特に断らない限り、「原子%(at%)」を意
味する。
Fe主体の鉄族三元素(Fe、Co、Ni)及びMoを
含有し、前記半金属成分として、Si及びBを含有し
て、下記式であらわされる過冷却液体の温度間隔(以下
「過冷度:△T」) △T=Tx−Tg(ただし、Tx:結晶化開始温度(液
相線温度)、Tg:ガラス転移温度(溶融金属温度))
が約32K以上、望ましくは約40Kを示すものであ
る。
辞典」(工業調査会刊行)には「過冷度」とは、「液相
線温度から溶融金属の温度を差し引いた温度差」と定義
されているが、本明細書の「過冷度」と同義である。
とにより、従来に比して大きな断面のいわゆるアモルフ
ァス金属(合金)バルク材の製造が可能となる。より具
体的には、下記のような各元素の組成で達成する。
期表4周期旧VIII族)における、各元素の組成(三元素
合計:100%換算値)及び添加理由は、下記の通りで
ある。
%、望ましくは約5.5〜45%、さらに望ましくは約
10〜30%とする(三元素合計:100%換算値)。
(耐酸化性の向上に基づくと推定される。)とともに、
アモルファス形成能の向上のために添加する。なお、N
iはアモルファス金属の球状性の改善にも寄与するた
め、特に球状アモルファス金属を得る場合には、有用で
ある。
状粒子をたとえばブラスト加工等の表面処理に使用した
場合、より安定した表面処理を可能とするためである。
粒子形状が球形でないと、均一な加工が困難となり表面
粗さが目立ち、より良質の表面処理を行なうのが困難と
なる。
るものではなく、外観上ほぼ球状である粒子のことをい
い、扁平、楕円球形、等の粒子を除く概念である。
上効果が得がたいとともに、合金溶湯に球状化可能なレ
ベルの表面張力を得難く、アモルファス形成能が低下す
る。
ファス形成能が低下する。その理由は、球状粒子にガス
欠陥が出来やすい(本発明者らが確認している。)ため
と推定される。
%、望ましくは約3.5〜30%、さらに望ましくは約
5〜25%とする(三元素合計:100%換算値)。
部を置換することにより、アモルファス合金の過冷度△
Tが増大してアモルファス形成能が増大する(表1参
照)。
大が小さく、逆に過多では、Co無添加の場合より、過
冷度△Tが低下して、それぞれ、十分なアモルファス形
成能が期待できない(表2参照)。
き、49.5%以上(三元素合計:100%換算値)と
する。鉄族元素中のFeを主体としないと、上記Fe以
外のFe族元素(Ni、Co)の各アモルファス形成能
を十分に発揮し難い(表2の合金No. 比較例2−2参
照)。
常、Al、Mn、V、W、Co、Cu、Sn、Ti、Z
r、Ta、C、P、Ge、Cr、Nb等の不純物を含
む。しかし、それらの含有量の合計が3%以下であれば
アモルファス形成能の低下がほとんど観測されないこと
を、本発明者らは実験的に確かめている。従って、それ
らの不可避不純物を3%以下で含んでいても、本発明の
範囲内である。
る半金属元素(メタロイド)であるけい素(Si)及び
ほう素(B)の組成は、さらには、鉄族元素と半金属元
素の組成は、下記の通りである。
ましくは約5.5〜11.5%、さらに望ましくは約
6.5〜10.5%であり、Bの含有量は、約12〜2
0.5%、望ましくは約13〜18%である。そして、
両半金属元素の組成比は、B/Si=1.2〜3.3、
望ましくは1.5〜3である。なお、SiとBの合計含
有量は、上記から、約17.5〜32%、望ましくは約
20.5〜29.5%となる。
化のために添加し、Si及びBの相乗効果でアモルファ
ス形成能が向上する。
より過少あるいは過多では、アモルファス形成能が阻害
され、アモルファス母相中に結晶相が晶出し急速な脆化
現象が起きる。
i)の合計含有量は、全体から上記半金族元素及び後述
のMoの各含有量の合計を差し引いた残部となる。すな
わち、計算上は、約63.5〜83%、望ましくは、約
65.5〜78%となり、最も望ましくは約70〜75
%である。すなわち、本アモルファス合金は、Fe主体
の鉄族三元素を主体としたものに、半金属元素であるS
i及びBをBリッチで合計量で全体比率で約1/3以下
となるように添加し、さらに、Moを5%未満の少量添
加したものと言える。
的は下記の通りである。
くは約1.5〜2.5%、さらに望ましくは約2%前後
とする。Moは、アモルファス形成能のさらなる向上
(耐酸化性の向上及び組織の微細化に基づくと推定され
る。)と耐食性向上のために添加する。少量添加するこ
とで、過冷度△Tが顕著に増大してアモルファス形成能
も格段に向上する。Coの添加量が過少であると、アモ
ルファス形成能の十分な増大が期待できないとともに、
合金粒子に耐食性を付与し難く、更なる耐食性の改善が
望めない。また、Coの含有量が過多となると、過冷度
△Tが極端に低下してアモルファス形成能も極端に低下
するとともに(表4参照)、球状化性を阻害するおそれ
があるとともに、不定形(凹凸の多い)となり耐衝撃性
にも悪影響を与えるおそれがある。
金は、上記構成とすることにより、従来のアモルファス
合金に比して、より遅い冷却速度で製造した場合であっ
ても結晶化することがない。すなわち、実質的に結晶相
を含まない金属ガラスを容易にえることができ、結果的
に、大粒径の金属ガラス粒子を製造可能となる。結晶開
始温度とガラス転移温度の差で表される過冷度△Tが、
先願の金属アモルファスに比して増加し、アモルファス
形成能が向上したためである。
製造することが可能である。また、Al、Zr等の酸化
され易い金属を含有しないため、特殊な真空製造装置等
を使用することなく、大気中で製造することが可能であ
る。例えば、加工方法としては、鋳造法、単ロール法、
双ロール法、液中紡糸法、溶液抽出法、高圧ガス噴霧法
(アトマイズ法)等任意であり、加工形態も、バルク状
体、リボン状体、線状体、粉末体等の任意とすることが
できる。
ラス粒子(アモルファス金属合金粒子)を製造するには
アトマイズ法が望ましく、例えば、図1に示すようなア
トマイズ装置を使用する。
の石英管14を、下部に回転液槽16を配した構成であ
る。回転液槽16中には、冷却液18、及びマグネチッ
クスターラー(水平円筒状の)20が配されている。
石英管14内で本発明の合金組成のインゴット22を溶
融(融解)させた後、アルゴンガスなどの不活性ガスで
加圧し流液中(冷却液)に噴霧(アトマイズ)して、粒
子化することにより製造する。
な冷却能力を持つ液体であればよいが、通常、生産性の
見地から水を使用する。なお、水を使用する場合には、
冷却液18に界面活性剤を添加することが望ましい。な
お、冷却液18の液温は、0℃(273K)前後とす
る。
20の回転により流水を一定速度に維持する。例えば、
マグネチックスターラー20の回転速度を700〜10
00rpm とした際、流水の速度は0.5m/sとなる。
冷却液18の流速が低過ぎると、アモルファス化に必要
な冷却速度が得難くなり、逆に高すぎると、粒子化(ア
トマイズ化)が困難となる。
は、0.08〜0.8mmの範囲で調整する。また、ノズ
ル穴と冷却液表面との間は2mm前後に調整する。
る。アトマイズ圧が高すぎると、大径の粒子を得難くな
る。アトマイズ圧が低過ぎると、粒子化に必要な表面張
力(凝集力)が確保できず、粒子化が困難になるととも
に、アモルファス化に必要な冷却速度が中心部側で得難
くなる。
融点から約150〜200℃高く設定することがアモル
ファス形成能の見地から望ましい。
ス粒子径は、用途により異なるが、本発明組成の合金で
は球状合金とした場合、後述の試験例で示す如く、最大
粒子径φ2.0mmまで可能であった。
金属は、アモルファス特有の高硬度、高靱性を活かし
て、投射材(ショット材)へ適用した場合、投射材の長
寿命化が期待できる。
要求されるため、機械的性質(強度、硬度、弾性率
等)、耐食性等に優れた本発明のアモルファス合金で形
成した場合、好適である。
てアトマイズ法により製作した粒子は、高硬度でありな
がら、アモルファス金属特有の低ヤング率を示し、良好
な靱性を有する。従ってこの粒子を投射材として用いる
と、他の高硬度投射材に比較し極めて長寿命となる。こ
のため、昨今の環境問題に配慮した低廃棄物システムを
構築することが可能となる。
金属であるFeをベースとし相対的に安価な金属材料
(Co、Ni、Mo)を添加した組成において、後述の
試験例で示す如く、大気雰囲気中で従来に比して大断面
のアモルファス材(金属ガラス)の製造が可能となる。
れていた、アモルファス金属の一般への応用を飛躍的に
拡大するものである。
られていた大断面粒子に応用した場合、本合金組成に
て、径2.0mmまでのアモルファス球状粒子を得ること
が可能となった。
性を活かし、投射材へ適用することで、投射材の長寿命
化を図ることができる。
成能を向上することで、上記球状粒子以外のバルクアモ
ルファス(金属ガラス)(棒材、板材、ぜんまいばね)
への適用も可能となる。
アモルファス合金の関連先行文献として下記のようなも
のがある。
磁率の…非晶質合金の製造方法」 特開昭53−47321号公報「磁気ヘッド材料」 特開昭53−46698号公報「捲鉄芯材料」 特開平5−245597号公報「鉄族基非晶質合金の
製造方法」 特開平8−333660号公報「Fe系金属ガラス合
金」 上記文献〜は、名称から明らかな如く用途も磁性材
料を予定しており、本発明のごとく高耐力・靱性が要求
される投射材や機械部品を予定していない。また、いず
れも合金組成において、金属成分としてMoを含まない
とともにFeの含有量も12又は13%と格段に少な
く、全く別異である。
鉄族、Mo以外にPd、Hf等を必須とし、合金加工も
金型鋳造法を予定しており、本発明における好適な合金
加工であるアトマイズ法による造粒を予定していない。
としてMoや半金属としてSiを含まず組成的に全く別
異であり、やはり、用途として磁性材料を予定としてい
る(段落
た、試験例(実施例・比較例)について説明する。
は、サンプルを樹脂埋め、断面研削・研磨後に腐食性溶
液によるエッチング処理後組織を目視判断することで行
った。さらに、アモルファス度については、X線回折よ
り、過冷度については示差走査熱量計(DSC:differ
rential scanning calorimeter)による分析(以下「D
SC熱分析」)により確認した。
・半金属原料を、Ar雰囲気下で誘導溶融(融解)させ
て表1に示す組成の合金塊(スラブインゴット)を製造
した。各合金塊から、単ロール法によって、Ar雰囲気
下(雰囲気20℃、溶融温度1380℃)で断面積が
(幅1.5mm×厚み0.02mm)のリボン(帯材)を調
製した。
ボンについて、DSC曲線の測定を行い、過冷度を求め
た。表1にそれらの結果を示す。なお、実施例1−3及
び比較例1−1については、図2にそれぞれのDSC曲
線を示す。
量を大きく上回る、すなわち、Coを添加することで、
30Kであった過冷度が40〜45Kに拡大している。
すなわち、アモルファス金属化能が増大していることが
分かる。
>合金組成中の各鉄族元素含有量の効果を比較するため
に、(Fe、Co、Ni)73Si8 B17Mo2 系におい
て、各鉄族元素の濃度を表2に示すものとした組成の原
料を用いて溶融させて、図1に示すのと同様のアトマイ
ズ装置を使用して造粒加工を行なった。このときの、ア
トマイズ条件は、下記の通りとした。
径:φ2mm 使用ガス・温度:アルゴン、アトマイズ圧:600kP
a、 冷却水温度・速度:1℃・15m/s、雰囲気:大気中 そして、得られた各合金粒状体を、篩い分級(JIS Z 88
01に対応)して、それぞれの粒径の合金粒状体につい
て、X線回折装置を用いてアモルファス化の有無を判定
して、実質的に結晶相を含まない金属ガラスが得られる
最大径を求めた。また、各合金について前述と同様、D
SC分析により過冷度△Tを求めた。それらの結果を表
2に示す。
径1.5mmの、さらに過冷度△T:約40K以上を示す
範囲では、粒径2.0mmの、アモルファス球状粒子が得
られることが分かる。上記過冷度△Tが32未満では大
径の金属ガラス粒子が得難いことが分かる。
合金組成中の各半金属元素含有量の効果を比較するため
に、Fe44Co15Ni 14Six By Mo2 系及びFe44
Co14Ni13SiX By Mo2 系において、半金属元素
のそれぞれ濃度を表3及び4に示すものとした組成の原
料を用いて溶融させて、試験例2と同様にして鉄族合金
粒状体を調製し、同様にして金属ガラスが得られる最大
粒径及び各組成合金の過冷度△Tを求めた。それらの結
果を表3・4に示す。
冷度△Tが約32K以上ないし約40K以上となり、ア
モルファス形成能が増大して、従来得難かった粒径1.
5mm以上ないし2.0mmの金属ガラス合金材が容易に製
造可能であることが支持される。
組成中のMoの含有量の効果を比較するために、Fe
(44-X)Co15Ni14Si8 B7 Mox 系において、Mo
の濃度を表5に示すものとした組成の原料を用いて溶融
させて、試験例2と同様にして鉄族合金粒状体を調製
し、同様にして金属ガラスが得られる最大粒径及び各組
成合金の過冷度△Tを求めた。それらの結果を表5に示
す。
40K以上となり、アモルファス形成能が増大して、従
来得難かった2.0mmの金属ガラス合金材が容易に製造
可能であることが分かる。
性>表示の各投射材について、JIS Z 2244(1998)に準
じてビッカース硬さHV0.5/5(試験力:4.9
N、保持時間:5s)を求めるとともに、投射材として
の寿命を求めて、それらの結果を表6に示す。
試験機(アーヴィンインダストリー社製)を用いて、下
記試験条件により行なった。
50+210 μm ) 制御ふるい(コントロールスクリーン):180μm サンプル量 :30g サンプル粒度:200μm(粒子サイズと違い) 投射速度 :60m/s
した場合、硬さの高い、セラミック投射材(コランダ
ム)に比しては勿論、硬さの低い鉄鋼ショットやハイス
ビーズ(強化クロムモリブデン鋼系粒体)に比しても、
格段に寿命が長いことが分かる。そして、本発明の合金
組成においてCo無添加(前記先願:特2000-185742 )
の硬さを略同じ(若干低い)としたものに比しても、格
段に寿命(サイクル数で3倍)が伸びていることが分か
る。
合金を用いてアトマイズ法により造粒したアモルファス
鉄族合金粒子は、金属ガラス特有の低ヤング率(セラミ
ックスならびに一般の結晶系金属粒子に比して)を示
し、良好な靱性を示すことが分かる。
トマイズ装置の一例を示す概略断面図
線図
Claims (7)
- 【請求項1】 金属成分と半金属成分とで構成されてな
るアモルファス鉄族合金において、 前記金属成分として、Fe主体の鉄族三元素(Fe、C
o、Ni)及びMoを含有し、前記半金属成分として、
Si及びBを含有して、 下記式であらわされる過冷却液体の温度間隔(以下「過
冷度:△T」) △T=Tx−Tg(ただし、Tx:結晶化開始温度(液
相線温度)、Tg:ガラス転移温度(溶融金属温度)) が約32K以上を示すものであることを特徴とするアモ
ルファス鉄族合金。 - 【請求項2】 前記過冷度△T:約40K以上であるこ
とを特徴とする請求項1記載のアモルファス鉄族合金。 - 【請求項3】 金属成分と半金属成分とで構成されてな
るアモルファス鉄族合金において、 前記金属成分として、Fe主体の鉄族三元素(Fe、C
o、Ni)及びMoを含有し、前記半金属成分として、
Si及びBを含有し Si:約4.5〜11.5at%、B:約10〜23a
t%、Mo:約0.5〜4.5at%、残部:前記鉄族
成分の合金組成であることを特徴とするアモルファス鉄
族合金。 - 【請求項4】 前記鉄族三元素の組成(三元素合計10
0at%換算値)が、Ni:約4〜45at%、Co:
約2〜45at%、Fe:約49.5at%以上である
ことを特徴とする請求項3記載のアモルファス鉄族合
金。 - 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載のアモルフ
ァス鉄族合金からアトマイズ法で形成されてなることを
特徴とするアモルファス合金粒子。 - 【請求項6】 粒径が約1.5〜2mmφであることを特
徴とする請求項5記載のアモルファス合金粒子。 - 【請求項7】 請求項5記載のアモルファス合金粒子で
形成されてなることを特徴とする投射材。
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