JP2002080630A - ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物の脱ハロゲン化処理方法 - Google Patents

ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物の脱ハロゲン化処理方法

Info

Publication number
JP2002080630A
JP2002080630A JP2001201352A JP2001201352A JP2002080630A JP 2002080630 A JP2002080630 A JP 2002080630A JP 2001201352 A JP2001201352 A JP 2001201352A JP 2001201352 A JP2001201352 A JP 2001201352A JP 2002080630 A JP2002080630 A JP 2002080630A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
halogen
flame
dehalogenation
retardant resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001201352A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiko Terada
貴彦 寺田
Hiroshi Onishi
宏 大西
Tetsuji Kawakami
哲司 川上
Keizo Nakajima
啓造 中島
Takayoshi Ueno
貴由 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2001201352A priority Critical patent/JP2002080630A/ja
Publication of JP2002080630A publication Critical patent/JP2002080630A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/82Recycling of waste of electrical or electronic equipment [WEEE]

Landscapes

  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有害なハロゲン化ジベンゾダイオキシンや、
ハロゲン化ジベンゾフランを発生することなく、ハロゲ
ンを含む難燃性樹脂組成物からの脱ハロゲンを可能にす
ること。 【解決手段】 ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物3を、
樹脂組成物の熱分解温度未満の温度で、脱ハロゲン化材
料と脱ハロゲン化促進材料からなる混合材料2に接触さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲンを含む難
燃性樹脂組成物の脱ハロゲン化処理方法に係り、樹脂組
成物が燃焼される時に発生するダイオキシン等の有害物
を防ぐと共に、樹脂の再利用を促進する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビなどの家電製品や、ディスプレ
イ、パソコンなどの情報関連機器に使用されるエポキシ
樹脂、フェノール樹脂、ポリスチレン樹脂など樹脂に難
燃性を付与するために、デカブロモジフェニルエーテル
などのハロゲンを含む難燃剤が添加されたり、樹脂骨格
にハロゲンが導入されたりしている。ハロゲンを含む難
燃剤は、加熱時に活性ハロゲンを排出し、樹脂組成物表
面を覆うことにより酸素を遮断して難燃効果を発揮す
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしハロゲンを含む
難燃性樹脂組成物は通常のごみ処理装置などで焼却され
ると、有害なハロゲン化ジベンゾダイオキシンや、ハロ
ゲン化ジベンゾフランを発生することが知られている。
【0004】そこで、不要となったハロゲンを含む難燃
性樹脂組成物に関して、無害化などの技術開発が進んで
いる。特開平2000−11738に開示されているよ
うに、樹脂を熱分解して、ハロゲン化された低分子化合
物として除去回収するのが常であり、一般に300℃以
上の高温で処理される。また特開平2000−4496
6に開示されているように、触媒存在下で水素化分解し
て、ハロゲン化された低分子化合物として除去回収す
る。処理温度は熱分解の場合と同様に300〜420℃
の高温である。しかし、これらの場合、熱分解あるいは
水素分解されるために、油あるいはガスとして回収し利
用できるものの、樹脂としては再利用できないばかり
か、処理時の加熱によってダイオキシンがなどが生成す
る危険性がある。
【0005】このようにハロゲンを含む難燃性樹脂組成
物において、ハロゲンを無害化しつつの樹脂の再利用を
促進する方法に関する技術の開示は見られない。
【0006】本発明ではこれら課題に対し、ハロゲンを
含む難燃性樹脂組成物におけるハロゲンの無害化のた
め、有害なハロゲン化ジベンゾダイオキシンや、ハロゲ
ン化ジベンゾフランを発生することなく、ハロゲンを含
む難燃性樹脂組成物からの脱ハロゲンを可能にすると共
に、樹脂の再利用も可能とするハロゲンを含む難燃性樹
脂組成物の脱ハロゲン化処理方法を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明のハロゲンを含む難燃性樹脂組成物の脱ハロゲン
化処理方法は、ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物を、前
記樹脂組成物の熱分解温度未満の温度で、脱ハロゲン化
材料と脱ハロゲン化促進材料を含む混合材料に接触させ
るよう構成されている。
【0008】また、本発明のハロゲンを含む難燃性樹脂
組成物の脱ハロゲン化処理方法は、ハロゲンを含む難燃
性樹脂組成物が熱硬化性樹脂である場合、200℃以上
かつ前記熱硬化性樹脂組成物の熱分解温度未満の温度
で、前記熱硬化性樹脂における一部化学結合を分解し樹
脂原料を生成する脱ハロゲン化促進材料と、脱ハロゲン
化材料とを含む混合材料に接触させるよう構成されてい
る。
【0009】また、前記熱硬化性樹脂における一部化学
結合を分解し樹脂原料を生成する脱ハロゲン化促進材料
が、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレ
ングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレ
ングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシ
エタノール、2−ジメトキシエタノール、2−イソプロ
ポキシエタノール、2−ブトキシ エタノール、2−イ
ソペンチルオキシエタノール、2−ヘキシルオキシエタ
ノール、2−フェノキシエタノール、2−ベンジルオキ
シエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−
エトキシ−2−プロパノール、ジエチレングリコールモ
ノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジ
プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレ
ングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコ
ールモノメチルエーテルおよびトリプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、テトラリン、ビフェニル、ナフ
タレン、1,4−ヒドロキシナフタレン、ナフトール、
1,4−ナフトキノン、ピッチ、クレオソート油、メチ
ルイソブチルケトン、イソホロン、2−ヘキサノン、2
−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、
アセトニルアセトン、ホロン、シクロヘキサノン、メチ
ルシクロヘキサノンおよびアセトフェノンよりなる群か
ら選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0010】また、本発明のハロゲンを含む難燃性樹脂
組成物の脱ハロゲン化処理方法は、ハロゲンを含む難燃
性樹脂組成物が熱可塑性樹脂である場合、前記熱可塑性
樹脂組成物の熱分解温度未満の温度で、ハロゲンを含む
難燃剤を溶解する脱ハロゲン化促進材料と脱ハロゲン化
材料とを含む混合材料に接触させるよう構成されてい
る。
【0011】また、ハロゲンを含む難燃剤を溶解する脱
ハロゲン化促進材料が、塩化メチル、ジクロロメタン、
クロロホルム、四塩化炭素、ブロモホルム、メタノー
ル、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノー
ル、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアル
コール、tert-ブチルアルコール、フェノール、クレゾ
ール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプ
レングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチ
レングリコール、ジエチルエーテル、ジオキサン、テト
ラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、2−
ヘキサノン、2−メチル−4−ペンタノン、ホロン、イ
ソホロン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブ
チルケトン、アセトニルアセトン、シクロヘキサノン、
メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、酢酸、アセ
トニトリル、ジエチルアミン、トリエチルアミン、N,
N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジ
メチルスルホキシド、2−メトキシエタノール、2−エ
トキシエタノール、2−ジメトキシエタノール、2−イ
ソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2
−イソペンチルオキシエタノール、2−ヘキシルオキシ
エタノール、2−フェノキシエタノール、2−ベンジル
オキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、
1−エトキシ−2−プロパノール、ジエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレン
グリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコールおよびテトラリンよりなる群か
ら選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0012】また、本発明のハロゲンを含む難燃性樹脂
組成物の脱ハロゲン化処理方法は、ハロゲンを含む難燃
性樹脂組成物を、前記樹脂組成物の熱分解温度未満の温
度で、脱ハロゲン化材料と脱ハロゲン化促進材料とを含
む混合材料と、せん断力を加えて混練することにより接
触させるよう構成されている。
【0013】なお、せん断力を加えて混練することによ
る接触は、2軸混練機押出し機、ニーダまたは回転ロー
ルによることが好ましい。
【0014】以上における脱ハロゲン化材料は、テトラ
リン、次亜りん酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ア
スコルビン酸、ヒドラジン、ジイミド、ギ酸、アルデヒ
ド、糖類、硫化水素、リチウム、カルシウム、マグネシ
ウム、亜鉛、鉄、チタン、水素化アルミニウムリチウ
ム、水素化リチウム、水素化ジイソブチルアルミニウ
ム、アルコール性カリ、金属アルコキシド、アミン、ヨ
ウ化カリウムからなる群から選択される少なくとも1つ
であることが好ましい。
【0015】以上におけるハロゲンを含む難燃性樹脂組
成物と、脱ハロゲン化材料と脱ハロゲン化促進材料を含
む混合材料への接触は、ハロゲンを含む難燃性樹脂組成
物が、前記混合材料の液相またはかつ気相との接触する
ように構成されていることが好ましい。
【0016】また、ハロゲンを含む難燃性熱硬化性樹脂
組成物を、脱ハロゲン化材料と脱ハロゲン化促進材料を
含む混合材料に接触させることに先んじて、接触雰囲気
の酸素を排除することが好ましい。
【0017】さらに、酸素を排除する工程は、窒素ガス
を送気して前記雰囲気内の気体を窒素ガスに置換する置
換工程及び/又は、排気により前記雰囲気内の気体を排
出し減圧する減圧工程であることが好適である。
【0018】また、ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物
を、脱ハロゲン化促進材料と脱ハロゲン化材料とを含む
混合材料に接触させる系において発生する物質を、アル
カリ溶液に通すことが好ましい。
【0019】以上において、ハロゲンを含む難燃性樹脂
組成物におけるハロゲンがデカブロモジフェニルエーテ
ル、テトラブロモビスフェノールA、2,2−ビス(4
−ヒドロキシー3,5−ジブロモフェニル)プロパン、
ヘキサブロモベンゼン、トリス(2,3−ジブロモプロ
ピル)イソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シエトキシ−3,5−ジブロモ−フェニル)プロパン、
パーフロロシクロデカンエチレンビス(ペンタブロモベ
ンゼン)、エチレンビステトラブロモフタルイミド、ヘ
キサブロモシクロドデカン、含ハロゲンポリフォスフェ
ート、塩素化パラフィン、ペンタブロムトルエン、オク
タブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモ無水フタ
ル酸、臭素化(アルキル)フェノール、トリス(トリブ
ロモフェノキシ)トリアジン、臭素化ポリスチレン、オ
クタブロモトリメチルフェニルインダン、ペンタブロモ
ベンジルアクリレート、ポリジブロモフェニレンオキサ
イド、ビス(トリブロモフェノキシエタン)、テトラブ
ロモビスフェノールA−エポキシオリゴマー/ポリマ
ー、テトラブロモビスフェノールA−カーボネートオリ
ゴマー、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3
−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェ
ノールA−ビス(アリルエーテル)、テトラブロモビス
フェノールSでなる群から選ばれる少なくとも1つの化
合物を構成していることが好適である。
【0020】また、ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物
が、少なくともガラス繊維の織布または不織布、ポリエ
ステル繊維の織布または不織布、ナイロン繊維の織布ま
たは不織布、アクリル繊維の織布または不織布、アラミ
ド繊維の織布または不織布、紙、マイカペーパ、綿布、
アスベストから成る群から選択される少なくとも一つを
基材を、エポキシ樹脂またはフェノール樹脂によって含
浸してなるプリプレグを積層成形してなる樹脂積層品
に、導体パターンを形成し、電子部品を装着したプリン
ト回路板であることが好ましい。
【0021】また、ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物
が、テレビ、ディスプレイまたはパーソナルコンピュー
タの筐体であり、脱ハロゲン化材料と脱ハロゲン化促進
材料を含む混合材料に接触させることに先んじて、粉砕
する工程を有することが好適な例である。
【0022】さらに、ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物
が、金属線を覆ってなるよう構成された複合物であり、
前記脱ハロゲン化材料と脱ハロゲン化促進材料を含む混
合材料に接触させることにより、金属が分離されるよう
構成されていることが好適な例である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。本発明の処理方法に供されるハロゲンを含む難燃
性樹脂組成物は、樹脂が単体で、あるいは結合材として
充填材、基材、添加物などが加えられ、混練あるいは硬
化反応により組成物となる。熱硬化性樹脂としては、例
えば不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂
などが、熱可塑性樹脂としてはポリスチレン、ABS樹
脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネー
ト、PBT樹脂、PET樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが用い
られる。
【0024】不飽和ポリエステル樹脂を結合材とする熱
硬化性樹脂組成物の例としては、充填材、増粘剤、離型
剤、ワックス、着色剤などを加えたBMC、SMCなど
の成形品、ガラスなどのフレーク、繊維などを加えたラ
イニング材、ワックスなどを加えた塗料、充填材などを
加えたパテ、骨材、充填材などを加えたレジンコンクリ
ート、フィラー、顔料などを加えた人工大理石、発泡剤
などを加えたフォーム、硬化促進剤、安定剤などを加え
た接着剤などが挙げられる。
【0025】樹脂組成物の充填材、骨材として用いられ
るのは、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムのような炭
酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウ
ムのような(亜)硫酸塩、クレー、マイカ、ガラスバル
ーン、モンモリロナイト、ケイ酸、カオリン、タルクの
ようなケイ酸塩類、シリカ、珪燥土、酸化鉄、軽石バル
ーン、酸化チタン、アルミナのような酸化物、水酸化ア
ルミニウム、水酸化マグネシウムのような水酸化物、グ
ラファイト、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維な
どの無機充填材;ならびに、木粉、もみ殻、木綿、紙細
片、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維、木材、パルプ、
セルロースなどの有機充填材などが挙げられる。
【0026】増粘剤としては、酸化ベリリウム、酸化マ
グネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水
酸化カルシウム、酸化亜鉛、安息香酸、無水フタル酸、
テトラヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸などが挙げ
られる。
【0027】離型剤としては、ステアリン酸、ステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどが挙げられる。
【0028】ワックスとしては、ヘキストワックス、カ
ルナバワックス、パラフィンなどが挙げられる。
【0029】着色剤としては、チタンホワイト、酸化ク
ロム、カーボンブラックなどが挙げられる。
【0030】ユリア樹脂、メラミン樹脂を結合材とする
樹脂硬化物としても、不飽和ポリエステル樹脂と同様の
充填材、基材、添加物などが加えられた成型品、接着
剤、塗料などが例として挙げられる。
【0031】また、ポリウレタン樹脂を結合材とする場
合も、不飽和ポリエステル樹脂と同様の添加物などが加
えられた樹脂硬化物、主にフォーム、塗料、接着剤が例
として挙げられる。
【0032】また、フェノール樹脂を結合材とする熱硬
化性樹脂組成物の例としては、上記不飽和ポリエステル
樹脂を結合材とする熱硬化性樹脂組成物と同様の組成物
以外に、マット状ガラス繊維、ガラス繊維の織布、ナイ
ロン繊維の織布または不織布、アクリル繊維の織布また
は不織布、ポリエステル繊維の織布または不織布、綿
布、アスベストなどを基材とし、それにレゾール型フェ
ノール樹脂を含浸させ得られたプリプレグを積層成形し
た樹脂積層品が挙げられる。さらに接着剤を塗布した銅
箔を乗せて積層成形すれば銅張積層板となる。
【0033】エポキシ樹脂を結合材とする熱硬化性樹脂
組成物も、不飽和ポリエステル樹脂と同様の例以外にフ
ェノールの場合と同様に、ガラス繊維の織布または不織
布、ポリエステル繊維またはアラミド繊維の織布または
不織布、紙、マイカペーパなどを基材とし、それにエポ
キシ樹脂を含浸させ得られたプリプレグを積層成形した
樹脂積層品が挙げられる。この場合も、接着剤を塗布し
た銅箔を乗せて積層成形すれば銅張積層板となる。銅ペ
ーストなどもエポキシ樹脂を結合材とする熱硬化性樹脂
組成物である。
【0034】その他、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹
脂を結合材とした熱硬化性樹脂組成物が、本発明のハロ
ゲンを含む難燃性樹脂組成物の処理方法の対象となる。
【0035】また、熱可塑性の樹脂組成物としては、例
えばポリスチレンが用いられる。ポリスチレンが単体で
用いられることもあるが、充填材、強化繊維、離型剤、
ワックス、着色剤などを使用されることが多い。ポリス
チレンは、絶縁性や耐水性に優れるために、テレビやパ
ソコンのキャビネットやハウジング、パネルなどとして
電器工業製品に、その他、家具建材、日用雑貨の分野な
どに用いられる。また、耐衝撃性を高めるためにポリブ
タジエンとグラフト重合した耐衝撃性ポリスチレンもあ
る。あるいは発泡したポリスチレンは、緩衝材や保温材
として用いられる。
【0036】その他、ポリカーボネート、PET樹脂、PBT
樹脂、塩化ビニル樹脂なども、同様に、充填材、強化繊
維、離型剤、ワックス、着色剤などを含有して組成物と
して、家庭用品、建築材料、自動車部品、工具類、機械
部品、電気器具類、電気絶縁材料などの成形品、光ディ
スク、磁気ディスク、配管、繊維、ラミネート用、コー
ティング用、フィルム、シートなどとして用いられる。
【0037】本発明の脱ハロゲン化処理方法に供される
ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物は、添加物としてハロ
ゲンを含む難燃剤を含有している(添加型)、または樹
脂骨格中にハロゲンを含む難燃構造を有している(反応
型)。反応型の場合、樹脂そのものが難燃剤でもある。
これら難燃剤による難燃機構を担うのがハロゲンであ
る。このハロゲンが、樹脂組成物が加熱されたときに、
活性ハロゲンとなって発生し、樹脂組成物の表面を覆う
ことにより酸素を遮断し、樹脂組成物が燃焼することを
困難とする。
【0038】難燃性を発揮するハロゲンは、デカブロモ
ジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、
2,2−ビス(4−ヒドロキシー3,5−ジブロモフェ
ニル)プロパン、ヘキサブロモベンゼン、トリス(2,
3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジブロモ−フェ
ニル)プロパン、パーフロロシクロデカンエチレンビス
(ペンタブロモベンゼン)、エチレンビステトラブロモ
フタルイミド、ヘキサブロモシクロドデカン、含ハロゲ
ンポリフォスフェート、塩素化パラフィン、ペンタブロ
ムトルエン、オクタブロモジフェニルオキサイド、テト
ラブロモ無水フタル酸、臭素化(アルキル)フェノー
ル、トリス(トリブロモフェノキシ)トリアジン、臭素
化ポリスチレン、オクタブロモトリメチルフェニルイン
ダン、ペンタブロモベンジルアクリレート、ポリジブロ
モフェニレンオキサイド、ビス(トリブロモフェノキシ
エタン)、テトラブロモビスフェノールA−エポキシオ
リゴマー/ポリマー、テトラブロモビスフェノールA−
カーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフェノール
A−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テト
ラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエーテル)、
テトラブロモビスフェノールSでなる群から選ばれる少
なくとも1つの化合物を構成して樹脂組成物中に存在し
ている。これら難燃性ハロゲンは、本発明の脱ハロゲン
化処理方法によって最適に処理される。また、これら難
燃性ハロゲンは添加剤として樹脂組成物中に存在してい
る場合もあれば、ビスフェノールA系エポキシ樹脂の主
鎖構造単位であるビスフェノールA部位におけるベンゼ
ン環に、臭素を付加してテトラブロモビスフェノールA
構造を樹脂骨格中に有するエポキシ樹脂や、骨格中に塩
素を有するポリ塩化ビニル樹脂のように反応型の場合も
有る。
【0039】本発明の脱ハロゲン化処理方法に供される
熱硬化性樹脂における一部化学結合を分解し樹脂原料を
生成する脱ハロゲン化促進材料は、例えばエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、
トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、
2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2
−ジメトキシエタノール、2−イソプロポキシエタノー
ル、2−ブトキシ エタノール、2−イソペンチルオキ
シエタノール、2−ヘキシルオキシエタノール、2−フ
ェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、
1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−
プロパノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリ
コールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモ
ノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチル
エーテルおよびトリプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、テトラリン、ビフェニル、ナフタレン、1,4
−ヒドロキシナフタレン、ナフトール、1,4−ナフト
キノン、ピッチ、クレオソート油、メチルイソブチルケ
トン、イソホロン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、
4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセ
トン、ホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサ
ノンおよびアセトフェノンよりなる群から選択される少
なくとも1種である。
【0040】これら上記の脱ハロゲン化促進材料は、ハ
ロゲンを含む難燃性樹脂組成物を200℃以上熱分解温
度未満の温度で接触させることによって、脱ハロゲン化
促進材料の作用で樹脂を化学分解することができる。ガ
スやオイルなど低分子が多量に発生する熱分解とは異な
り、樹脂の架橋鎖などを部分分解する比較的穏やかな分
解反応である。エポキシ樹脂など熱硬化性樹脂であって
も、この脱ハロゲン化促進材料によって3次元架橋鎖が
化学分解される。従来では分解処理困難であるエポキシ
樹脂などの熱硬化性樹脂であっても、上記に挙げた脱ハ
ロゲン化促進材料によっては効率よく分解することがで
きる。
【0041】樹脂が分解されることによって、ハロゲン
を含む難燃性樹脂組成物は崩壊する。すなわちハロゲン
を含む難燃性樹脂組成物は、硬化あるいは成形によって
束縛していた形状を保持できなくなる。従って、内部に
位置する組成物構成分子や、樹脂に含まれる難燃剤など
添加剤がさらされ易くなる。ハロゲンを含む化合物も同
じく混合材料にさらされ易くなる。従って、混合材料が
含む脱ハロゲン化材料とも反応機会が増し、結果として
脱ハロゲン化作用を受け、ハロゲンが脱離することにな
る。特に上記に列挙した脱ハロゲン化材料とは効果的に
反応する。また、反応型の難燃剤であって樹脂骨格中に
ハロゲンを含む場合であっても、樹脂が分解され崩壊す
れることによって、同様に混合材料に含まれる脱ハロゲ
ン化材料とも反応機会が増して、脱ハロゲン化作用を受
け、より多くのハロゲンが脱離することになる。
【0042】なお、樹脂のほうは分解されるものの、熱
分解のようにガスやオイルまでに分解されず、樹脂構成
単位として回収されるために、再び樹脂原料として再利
用することができる。
【0043】また、本発明の脱ハロゲン化処理方法に供
されるハロゲンを含む難燃剤を溶解する脱ハロゲン化促
進材料が、塩化メチル、ジクロロメタン、クロロホル
ム、四塩化炭素、ブロモホルム、メタノール、エタノー
ル、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノ
ール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert-
ブチルアルコール、フェノール、クレゾール、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、アセトン、メチルエチルケトン、2−ヘキサノン、
2−メチル−4−ペンタノン、ホロン、イソホロン、2
−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、
アセトニルアセトン、シクロヘキサノン、メチルシクロ
ヘキサノン、アセトフェノン、酢酸、アセトニトリル、
ジエチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホ
キシド、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノ
ール、2−ジメトキシエタノール、2−イソプロポキシ
エタノール、2−ブトキシエタノール、2−イソペンチ
ルオキシエタノール、2−ヘキシルオキシエタノール、
2−フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノ
ール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ
−2−プロパノール、ジエチレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコ
ールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
メチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチル
エーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコールおよびテトラリンよりなる群から選択される少
なくとも1種であることが好ましい。
【0044】これら上記の脱ハロゲン化促進材料は、ハ
ロゲンを含む難燃剤を樹脂の熱分解温度未満の温度で接
触させることによって、非常に良好な溶媒となり、難燃
剤を溶解する。そのため難燃剤が脱ハロゲン化促進材料
中に均一に分散した状態となり、脱ハロゲン化材料にと
って均一な反応系を提供するために、脱ハロゲン化反応
が促進される。
【0045】なお、ハロゲンが樹脂骨格中に存在する反
応型の難燃剤の場合は、樹脂そのものが脱ハロゲン化促
進材料に溶解する。
【0046】また、脱ハロゲン化促進材料は、樹脂に対
して親和性を示す方が好ましい。樹脂に対してなじむこ
とで、樹脂中に分散する難燃剤の溶解がより促進される
ためである。
【0047】なお、樹脂のほうは溶解されるだけで分解
など影響されていないために、再び樹脂材料として再利
用することができる。
【0048】本発明の脱ハロゲン化処理方法に供される
脱ハロゲン化材料は、例えばテトラリン、次亜りん酸ナ
トリウム、チオ硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、ヒド
ラジン、ジイミド、ギ酸、アルデヒド、糖類、硫化水
素、リチウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、
チタン、水素化アルミニウムリチウム、水素化リチウ
ム、水素化ジイソブチルアルミニウム、アルコール性カ
リ、金属アルコキシド、アミン、ヨウ化カリウムからな
る群から選択される少なくとも1種である。
【0049】これら脱ハロゲン化材料は、上記脱ハロゲ
ン化促進材料と混合された混合材料として、ハロゲンを
含む難燃性樹脂組成物に接触させる。なお、脱ハロゲン
化材料は脱ハロゲン化促進材料に溶解していても、分散
していていても良い。
【0050】これら脱ハロゲン化材料は、脱ハロゲン化
促進材料100重量部に対して、0.1〜50重量部、
好ましくは1〜10重量部混入される。
【0051】また、テトラリンは、脱ハロゲン化促進材
料でもあり、脱ハロゲン化材料でも有る。従って、両者
からテトラリンを選択した混合材料は結果としてテトラ
リン単体となることも有る。
【0052】このように、本発明のハロゲンを含む難燃
性樹脂組成物の処理方法により、脱ハロゲン化反応を容
易とし、ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物からハロゲン
脱離させることができると共に樹脂を再利用することが
できる。
【0053】本発明において、混合材料へのハロゲンを
含む難燃性樹脂組成物の接触とは、必ずしも樹脂組成物
が液相の混合材料に完全に浸っている必要はない(図1
(A)参照)。樹脂組成物の一部が混合材料の液相に浸
っており、一部が混合材料の気相にされされていてもよ
いし(図1(B)参照)、その全体が、液相に浸らず気
相にさらされているだけでも良い(図1(C)参照)。
また、混合材料の気相しか存在せず、その気相にさらさ
れているだけでも良い(図1(D)参照)。また、混合
材料は今述べたように、液相、気相の両方あり得る。気
相での混合材料との反応が可能となることによって、処
理に使用する量を大幅に削減することができる。なお、
図1において、1は反応槽、2は混合材料液相、3はハ
ロゲンを含む難燃性樹脂組成物、4は混合材料気相を示
す。
【0054】また、本発明において、脱ハロゲン化促進
材料と脱ハロゲン化材料との混合材料と、ハロゲンを含
む難燃性樹脂組成物の接触をさらに促進するために、機
械的に加圧することもできる。
【0055】好適な例の1つは、せん断力である。脱ハ
ロゲン化促進材料と脱ハロゲン化材料との混合材料と、
ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物を含む系にせん断力を
加えることによって、混合材料とハロゲンを含む難燃性
樹脂組成物の混合分配が進むと共に、加圧され、分解、
溶解、反応の機会が大きく増加し、本発明の脱ハロゲン
化の効率が大幅に向上する。
【0056】せん断力を加える工程な装置の例は、2軸
混練押出し機、ニーダ、回転ロールである。いずれの装
置においても、圧力、回転数、ブレードを最適化するこ
とによって、脱ハロゲン化の効率を向上させることがで
きる。
【0057】また、本発明において、熱硬化性樹脂の脱
ハロゲン化促進材料による部分分解において、大きな反
応速度が得るためには、高温である方が好ましく、特に
200℃以上で飛躍的に加速される。しかし、温度が高
すぎると、熱分解が起こり圧力が高くなりすぎ高耐圧の
反応器が必要となること、分解によるガスあるいはオイ
ル生成分が多くなるために樹脂としての再利用が困難に
なること、混合材料自体の分解も問題となること、ハロ
ゲンを含む難燃性樹脂組成物が含む充填剤など劣化反応
も活発になることから、混合材料への接触時における温
度は樹脂の熱分解温度未満であることが好ましい。この
ように、ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物が熱硬化性樹
脂である場合、200℃以上かつ前記熱硬化性樹脂組成
物の熱分解温度未満の温度で加温することが好ましい。
【0058】また、熱可塑性樹脂の脱ハロゲン化促進材
料による溶解においても高温である方が好ましいが、温
度が高すぎると、樹脂の熱分解が起こり圧力が高くなり
すぎ高耐圧の反応器が必要となること、分解によるガス
あるいはオイル生成分が多くなるために樹脂としての再
利用が困難になること、混合材料自体の分解も問題とな
ること、ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物が含む充填剤
など劣化反応も活発になることから、混合材料への接触
時における温度は樹脂の熱分解温度未満であることが好
ましい。例えば樹脂にポリスチレンを用いた場合、熱分
解温度は300℃である。このように、ハロゲンを含む
難燃性樹脂組成物が熱可塑性樹脂である場合、熱可塑性
樹脂組成物の熱分解温度未満の温度で加温することが好
ましい。
【0059】以上のように、脱ハロゲン化促進材料と脱
ハロゲン化材料の混合材料への接触における温度は、熱
分解温度以下の温度で加温することが好ましい。
【0060】また、本発明の処理方法においては、脱ハ
ロゲン化材料は、脱ハロゲン化促進材料の酸化劣化を防
ぐ作用も有るため、加温によっても脱ハロゲン化促進材
料の劣化は少なく、繰返し使用することが可能である。
【0061】さらに本発明では、脱ハロゲン化材料の酸
化劣化を防ぐため、あるいはハロゲンを含む難燃性樹脂
組成物が含む充填剤などの酸化劣化などを防ぐために、
接触雰囲気内の酸素を排除する工程を有することができ
る。酸素を排除する工程の1例は、窒素を送気して接触
雰囲気内の気体を窒素置換する工程である。窒素を送気
するには、ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物および混合
材料を仕込んだ槽に、ガス導入管および排気バルブを設
け、窒素ガスボンベから直接送気するなどしてできる。
【0062】また他の例としては、減圧して接触雰囲気
内の気体を排気する工程である。減圧するには、ハロゲ
ンを含む難燃性熱硬化性樹脂組成物および混合材料を仕
込んだ槽に排気バルブを設け、真空ポンプを配管するな
どしてできる。どちらの工程においても、分解液を攪拌
したり、適度に加温したりすることによって酸素排除の
効率を上げることができる。
【0063】好ましい工程は、窒素の送気によって分解
液内の気体を窒素置換した後に、分解槽内の気体を減圧
排気する工程である。
【0064】これら酸素排除の前処理の後に処理を行う
ことにより、脱ハロゲン化材料の酸化による劣化を防
ぎ、効果的に脱ハロゲン反応に関与することができる。
また、高温反応処理時の主な脱ハロゲン化促進材料の劣
化原因である酸化を防ぎ、脱ハロゲン化促進材料の寿命
を延ばし繰り返し使用性を向上させる。さらにハロゲン
を含む難燃性樹脂組成物の充填剤などを構成する金属な
どの酸化劣化なども防止し、分離回収されたときの品位
も向上することができる。
【0065】本発明のハロゲンを含む難燃性樹脂組成物
の処理方法においては、難燃性樹脂組成物において脱ハ
ロゲン反応が起こり、例えばハロゲン化水素、ハロゲン
化金属などが生成する。この発生する物質をアルカリ溶
液に通すことによって、ハロゲン化合物を回収すること
もできる。アルカリ溶液を構成するアルカリには、アル
カリ金属酸化物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どのアルカリ金属水酸化物、ナトリウムエトキシドなど
のアルカリ金属アルコキシド、酸化カルシウムなどのア
ルカリ土類金属酸化物、水酸化カルシウムなどのアルカ
リ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属アルコキシド、
アミン類などを用いることができる。また、溶媒として
は、水の他に、アルコール、グリコール、エーテルなど
を用いることができる。アルカリ溶液に回収したハロゲ
ン化合物は、濃縮などの工程によって溶媒と分離でき、
ハロゲン化塩として回収再利用できる。
【0066】以下、具体的に実施の形態を挙げて本発明
をより詳細に説明する。
【0067】(実施の形態1)本発明のハロゲンを含む
難燃性樹脂組成物の脱ハロゲン化処理方法における実施
の具体的形態について説明する。
【0068】本実施の形態では、エポキシ樹脂をバイン
ダとしたハロゲンを含む難燃性熱硬化性樹脂組成物であ
る積層板を例に本発明の脱ハロゲン化処理方法について
説明する。
【0069】テトラブロモビスフェノールAにエピクロ
ロヒドリンを反応させて得られる難燃性エポキシ樹脂1
00重量部に、硬化剤であるメチルエチルケトンオキシ
ムブロックド4-4'-ジフェニルメタンジイソシアネ−ト
4重量部と、アセトンと2−メトキシエタノールの混合
溶剤(45/55重量比)を100重量部混ぜてエポキ
シ樹脂液を得た。
【0070】このエポキシ樹脂液をガラス繊維織布に含
浸させた後、加熱して溶剤を蒸発させ、プレプリグを製
造した。次に、このプレプリグを切断し、重ね合わせ
て、さらに上面に変性エポキシ樹脂を接着剤として塗布
した銅箔を載せてプレスに挿入し、加熱加圧して硬化さ
せ、ハロゲンを含む難燃性熱硬化性樹脂組成物である銅
張積層板を得た。
【0071】次に、この積層板を、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、イソプレングリコール、トリエ
チレングリコール、テトラエチレングリコール、2−メ
トキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ジメ
トキシエタノール、2−イソプロポキシエタノール、2
−ブトキシ エタノール、2−イソペンチルオキシエタ
ノール、2−ヘキシルオキシエタノール、2−フェノキ
シエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、1−メ
トキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパ
ノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール
モノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチ
ルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテ
ルおよびトリプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、テトラリン、ビフェニル、ナフタレン、1,4−ヒ
ドロキシナフタレン、ナフトール、1,4−ナフトキノ
ン、ピッチ、クレオソート油、メチルイソブチルケト
ン、イソホロン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、4
−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセト
ン、ホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノ
ンおよびアセトフェノンよりなる群から選択される少な
くとも1種を含む脱ハロゲン化促進材料と、テトラリ
ン、次亜りん酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アス
コルビン酸、ヒドラジン、ジイミド、ギ酸、アルデヒ
ド、糖類、硫化水素、リチウム、カルシウム、マグネシ
ウム、亜鉛、鉄、チタン、水素化アルミニウムリチウ
ム、水素化リチウム、水素化ジイソブチルアルミニウ
ム、アルコール性カリ、金属アルコキシド、アミン、ヨ
ウ化カリウムからなる群から選択される少なくとも1種
の脱ハロゲン化材料とを含む混合材料に接触させて処理
を行う。本実施の形態では、脱ハロゲン化促進材料とし
てテトラリンを、脱ハロゲン化材料として次亜りん酸ナ
トリウムを選択し混合材料を構成した。
【0072】積層板を、この混合材料に浸漬しステンレ
ス製の反応容器に仕込んだ後、容器を密閉し、その後容
器ごと270℃で5時間加温した。その後、処理温度を
190、200、250、300、330℃と変えて同
じ処理を行った。さらに、分解槽に設けられたノズルに
真空ポンプを接続し、反応容器内の気体を排気し減圧し
た後に容器を密閉して加温する以外は同じの手順を得た
処理も270℃で同様に行った。また、積層板を、ステ
ンレス製の反応容器に仕込んだ後、容器を密閉して27
0℃に加熱した状態で、高圧の送液ポンプにより反応容
器内部につながる導入管を通じて混合材料を吹込んだも
のについても5時間加温を保持した。この場合、積層板
は終始、混合材料の気相にだけ接触していることにな
る。
【0073】反応終了後、100℃にまで放冷した後
に、100℃を維持した状態で窒素ガスの拭き込み、開
放したノズルより排出されるガスを水酸化ナトリウム水
溶液に通してから排気した。
【0074】その結果、まず処理温度が180℃では、
積層板の樹脂部分に変色の跡が見られるものの難燃性樹
脂組成物である銅張積層板は形状を留め、強度もほとん
ど変化していなかった。一方、200、250、27
0、300℃の処理では、結合材である熱硬化性樹脂は
分解され、混合材料中に溶解もしくは分散し、積層板は
基材であるガラス繊維織布、銅箔を残すのみとなった。
ガラス繊維織布は、積層板製造工程で重ね合わせた枚数
に簡単に分離できる状態であった。この容器から窒素ガ
スによって排出したガスは白煙を生じていた。水酸化ナ
トリウム水溶液によって回収された臭素をイオンクロマ
トグラフによって測定したところ、200℃以上ではハ
ロゲンを含む難燃性樹脂組成物である積層板の含有して
いた臭素の70%以上を回収していることがわかった。
それに対して、190℃の処理では、それぞれ2%の臭
素回収率しか得られなかった。脱ハロゲン化促進材料に
よって樹脂架橋鎖が分解されることにより、樹脂は崩壊
し脱ハロゲン化材料による脱ハロゲン化反応が促進され
ることがわかる。混合材料中に溶解もしくは分散してい
る生成物を分析したところ、エポキシ樹脂主鎖と同様の
構造をしており、分子量は硬化前よりもブロードな分布
を示していた。また、水酸基など官能基を有しており、
本実施例で用いたものと同様の硬化剤によって再硬化で
きた。このように回収された生成物は、樹脂の原料とし
て再利用することができる。
【0075】一方、330℃で処理した場合も、容器か
ら窒素ガスによって排出したガスは白煙を生じていた。
水酸化ナトリウム水溶液によって回収された臭素をイオ
ンクロマトグラフによって測定したところ、同様に積層
板が含有していた臭素の70%を回収していた。しか
し、その他多量のガスを発生しており、熱分解が起こっ
ていることが認められた。反応後の容器内はタール、オ
イルなどが付着し、ガラス繊維織布や銅箔はひどく汚れ
ており、異臭を放っていた。このように300℃を超え
る高温での処理によっても、臭素を脱離することができ
るが、樹脂は熱分解され再利用することが不可能である
と共に、共存するガラス繊維や銅箔も回収して再利用す
ることはできない。
【0076】次に、真空ポンプによる排気減圧を行って
から270℃で処理した場合も、同様に積層板は基材で
あるガラス繊維織布、銅箔を残すのみであった。しか
し、混合材料は排気前処理を行わなかった場合が濃い茶
褐色を帯びているのに比べて、うすい褐色を帯びている
程度であった。この褐色は臭素に由来するものであり、
このことからも難燃エポキシ樹脂中の臭素が脱離してい
ることがわかる。また、排気前処理を行わなかった場合
の混合材料の濃い茶褐色は、混合材料の劣化を示してお
り、容器内に存在する酸素による酸化が原因と思われ
る。同様の傾向を示すのは、分離後に回収された銅箔で
あり、減圧脱気を行った方が、明らかに酸化劣化の程度
が少なかった。また、ガラス繊維織布においても、減圧
脱気を行った方が混合材料の劣化が少ない分、汚れも少
なく、洗浄も容易である。このように樹脂の熱分解温度
を超える温度で処理した場合は、ハロゲンを脱離できる
もの、樹脂や充填剤などを再利用することができない。
【0077】また、水酸化ナトリウムによってトラップ
された臭素は、減圧排気前処理を行った方が多く、85
%の回収率であった。これは減圧排気による酸素除去の
ため、酸素と反応する脱ハロゲン化促進材料が減り、よ
り臭素脱離反応に寄与したからである。
【0078】積層板を、気相の混合材料にだけ接触させ
た場合も、結合材である熱硬化性樹脂は分解され、分解
材料中に溶解もしくは分散し、積層板は基材であるガラ
ス繊維織布、銅箔が剥がれていたが、若干分解残りの樹
脂が残存していた。混合材料の気相によっても同様に処
理できるが、処理に少し時間がかかる。容器から窒素ガ
スによって排出したガスは白煙を生じていた。
【0079】この場合、水酸化ナトリウムによってトラ
ップされた臭素は、液相も含む浸漬処理よりは少し減っ
ていたが、65%の回収率であった。気相によって臭素
回収率をあまり落すことなく、使用する混合材料を削減
できる。
【0080】以上のように、熱硬化性樹脂であるエポキ
シ樹脂を結合材とする難燃性樹脂組成物である積層板
を、テトラリンと次亜りん酸ナトリウムを含む混合材料
に浸漬し、200℃以上に加温することによって、速や
かに分解処理することができると共に、難燃のための臭
素を効率よく脱離することができると共に樹脂を原料と
して再利用することができる。
【0081】さらに減圧排気することによって、分解液
の劣化および分解ガスの発生をも抑制することができ、
難燃のための臭素もより高い効率で脱離することができ
る。さらには、熱硬化性樹脂分離後に回収する銅の酸
化、ガラス織布などの基材の劣化を抑え、より品位の高
い金属類などを回収することができる。
【0082】また、積層板を、気相の混合材料にだけ接
触させた場合も、結合材である熱硬化性樹脂は分解する
ことができ、難燃のための臭素も、液相も含む浸漬条件
よりは効率も落ちるが依然として効率よく脱離すること
ができ、さらに使用する材料を削減できる。
【0083】従って、本処理方法は、ハロゲンを含む難
燃性熱硬化性樹脂組成物を容易に分解でき、含有臭素を
高効率で脱離回収できる。さらに、銅箔など金属類、ガ
ラス織布など基材を容易に、しかも品位良く分離回収す
ると共に、使用する分解液の劣化の少ない処理方法であ
る。
【0084】なお、減圧の程度はできるだけ真空に近い
方が良い。好ましくは10mmHg以下である。
【0085】また、分解処理時の温度も、もちろん本実
施の形態の値に限定されず、200℃以上熱分解温度以
下の範囲であれば良い。
【0086】なお、エポキシ樹脂を結合材とする積層板
の組成、構成などは本実施の形態の値に限定されない。
エポキシ樹脂も難燃剤の種類も限定されず、添加型の難
燃剤であっても良い。
【0087】また、樹脂硬化物の構成および製造方法
も、本実施の形態に限定されることはなく、例えば、基
材は本実施の形態以外にも、ガラス繊維の不織布、ポリ
エステル繊維の織布または不織布、ナイロン繊維の織布
または不織布、アクリル繊維の織布または不織布、アラ
ミド繊維の織布または不織布、リンター紙、マイカペー
パ、綿布、アスベスト等であっても良い。
【0088】この場合、ポリエステル、ナイロン、アク
リルなどからなる基材は、エポキシ同様に分解され得
る。
【0089】また、難燃性熱硬化樹脂組成物が、銅張積
層板から回路印刷、エッチング等の工程を得て製造され
たプリント回路基板であっても良い。その場合、レジス
トは同様に分解される。
【0090】なお、本実施の形態では、エポキシ樹脂を
結合材とした積層板の例を用いたが、これに限定される
ことなく、その他の形状を有する成形品、および塗料、
パテ、接着剤などであっても良い。
【0091】また、本実施の形態では混合材料としてテ
トラリンと次亜りん酸ナトリウムの例を示したが、組
成、配合比などは以上の例に限定されず、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、
トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、
2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2
−ジメトキシエタノール、2−イソプロポキシエタノー
ル、2−ブトキシ エタノール、2−イソペンチルオキ
シエタノール、2−ヘキシルオキシエタノール、2−フ
ェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、
1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−
プロパノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリ
コールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモ
ノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチル
エーテルおよびトリプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、テトラリン、ビフェニル、ナフタレン、1,4
−ヒドロキシナフタレン、ナフトール、1,4−ナフト
キノン、ピッチ、クレオソート油、メチルイソブチルケ
トン、イソホロン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、
4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセ
トン、ホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサ
ノンおよびアセトフェノンよりなる群から選択される少
なくとも1種を含む脱ハロゲン化促進材料と、テトラリ
ン、次亜りん酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アス
コルビン酸、ヒドラジン、ジイミド、ギ酸、アルデヒ
ド、糖類、硫化水素、リチウム、カルシウム、マグネシ
ウム、亜鉛、鉄、チタン、水素化アルミニウムリチウ
ム、水素化リチウム、水素化ジイソブチルアルミニウ
ム、アルコール性カリ、金属アルコキシド、アミン、ヨ
ウ化カリウムからなる群から選択される少なくとも1種
の脱ハロゲン化材料とを含む混合材料であればよい。
【0092】また、減圧の代わりに、窒素置換による脱
気処理を用いることもできるし、窒素置換後に減圧排気
することによって、より酸化劣化の少ない処理にするこ
ともできる。
【0093】また、本発明では液相による浸漬と、気相
の例を示したが、そのどちらでもよく、また気液相が存
在する状態で両相に接触している処理であっても良い。
すなわち、室温において液状の混合材料に難燃性熱硬化
性樹脂組成物を漬け密閉後、加熱によって混合材料に気
液平衡ができ、そのどちらにも難燃性熱硬化性樹脂組成
物が接している状態であってもよい。
【0094】さらに、処理によって発生したガスを補足
するのは、本実施の形態の水酸化ナトリウム水溶液に限
らず、アルカリ金属酸化物、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、ナトリウムエト
キシドなどのアルカリ金属アルコキシド、酸化カルシウ
ムなどのアルカリ土類金属酸化物、水酸化カルシウムな
どのアルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属アル
コキシド、アミン類などのアルカリと、溶媒としては、
水の他に、アルコール、グリコール、エーテルなどを用
いることができる。アミンなどアルカリは単独でもアル
カリ溶液として用いられる。また、固形のアルカリを詰
めた吸収管を設け、その吸収管に発生ガスを通してもよ
い。また、補足するアルカリ溶液は、満たした容器を複
数用意して、複数回アルカリ溶液に通すことが好まし
い。
【0095】(実施の形態2)本発明のハロゲンを含む
難燃性樹脂組成物の脱ハロゲン化処理方法の実施の形態
について説明する。 (実験例1)本実施の形態では、ポリスチレンをベース
にし、難燃剤を含有するハロゲンを含む難燃性樹脂組成
物の成形品であるテレビキャビネットを例に本発明の処
理方法について説明する。
【0096】難燃剤テトラブロモビスフェノールAを含
有するポリスチレン樹脂を成形し、テレビ用キャビネッ
トを得た。
【0097】次に、このキャビネットを、塩化メチル、
ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ブロモホ
ルム、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2
−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イ
ソブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、フェノ
ール、クレゾール、エチレングリコール、プロピレング
リコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、イソプレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、ジエチルエーテル、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチ
ルケトン、2−ヘキサノン、2−メチル−4−ペンタノ
ン、ホロン、イソホロン、2−ヘプタノン、4−ヘプタ
ノン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセトン、シク
ロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノ
ン、酢酸、アセトニトリル、ジエチルアミン、トリエチ
ルアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル
ピロリドン、ジメチルスルホキシド、2−メトキシエタ
ノール、2−エトキシエタノール、2−ジメトキシエタ
ノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシ
エタノール、2−イソペンチルオキシエタノール、2−
ヘキシルオキシエタノール、2−フェノキシエタノー
ル、2−ベンジルオキシエタノール、1−メトキシ−2
−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレング
リコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチル
エーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリ
プロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコールおよびテトラ
リンよりなる群から選択される少なくとも1種を含む脱
ハロゲン化促進材料と、テトラリン、次亜りん酸ナトリ
ウム、チオ硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、ヒドラジ
ン、ジイミド、ギ酸、アルデヒド、糖類、硫化水素、リ
チウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、チタ
ン、水素化アルミニウムリチウム、水素化リチウム、水
素化ジイソブチルアルミニウム、アルコール性カリ、金
属アルコキシド、アミン、ヨウ化カリウムからなる群か
ら選択される少なくとも1種の脱ハロゲン化材料とを含
む混合材料に接触させて処理を行う。本実施の形態で
は、脱ハロゲン化促進材料から平均分子量300のポリ
エチレングリコールを、脱ハロゲン化材料から亜鉛を選
択し混合材料を構成した。
【0098】本実施例では、この混合材料とハロゲンを
含む難燃性樹脂組成物であるポリスチレン樹脂を2軸混
練押出し機によって接触させる。
【0099】テレビ用キャビネット成形品を200ミク
ロン角に粉砕し、先の混合材料と粗く混合した後、ホッ
パーより2軸混練押出し機に投入する。温度は200℃
で行った。2軸混練押出し機における2本のスクリュー
によって与えられるせん断力により樹脂と混合材料は接
触しながら加熱され押し出されていく。なお、この2軸
混練押出し機にはベントが2ヶ所設けてあり、各ベント
口から排出されるガス分は水酸化ナトリウム水溶液を2
段通って系外に排出されるようになっている。100k
g/hの速度で連続的に処理を行った。先端のダイスか
らは、液分と軟化した樹脂分が排出されるが、これ水に
通し冷却した上で、固化した樹脂分をペレタイザーによ
ってペレット化した。このとき液分は水に溶け、液中に
溶解していた溶質は水中に再結晶析出した。
【0100】各成分を分析したところ、ペレット化した
樹脂はポリスチレンであり、ゲルパーミエーションクロ
マトグラフによって測定される分子量は処理前と変化な
かった。
【0101】また、水に溶けている液分はポリエチレン
グリコールであり同じく分子量の低下は認められなかっ
た。
【0102】さらに、水中に再結晶析出した沈殿を分析
したところビスフェノールAおよびブロモ置換ビスフェ
ノールAであった。また、水酸化ナトリウム水溶液によ
って回収された成分をイオンクロマトグラフによって確
認したところ、ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物である
成形品の含有していた臭素であり、初期に含有していた
うち95%を回収していることがわかった。
【0103】以上のように、難燃性樹脂組成物である難
燃剤を含有するポリスチレンにおける難燃剤を脱ハロゲ
ン化促進材料であるポリエチレングリコールによって溶
解し均一な反応系とすることができ、脱ハロゲン化材料
である亜鉛による反応を促進し、ポリスチレンが難燃の
ために有する臭素を効率よく回収することができた。
【0104】また、難燃剤はビスフェノールAとして回
収され分離できているので、再びエポキシ樹脂などの原
料として用いることができる。
【0105】また、ポリスチレンにおいても全く分子量
の低下なく回収することができたので樹脂材料として再
利用することができる。 (実験例2)2軸混練押出し機における設定温度が30
0℃である以外は、実験例1と全く同様に実験を行っ
た。
【0106】その結果、ベント口およびダイスからは多
くの分解ガスが発生し、またガスによる逆流のためにホ
ッパーからの材料投入は次第に困難となった。ガスは、
ポリスチレンとポリエチレングリコールによるものであ
り、300℃では両者とも熱分解されていることがわか
る。このために、多量のガスが派生すると共に、ダイス
から排出されるポリスチレンの分子量は低下し、水に溶
解するポリエチレングリコールの分子量も低下してい
た。ベント口に接続された水酸化ナトリウム水溶液から
は臭素が検出されたが、樹脂における初期含有量の25
%程度であった。臭素脱離の効果はあったものの、脱ハ
ロゲン化促進材料であるポリエチレングリコールまで熱
分解され反応促進の効果が得られなかったことがわか
る。また、回収されたポリスチレンは大きく分子量低下
していたために、そのままでは再利用したのでは物性が
期待できないものであった。
【0107】以上のように、混合材料への接触の温度
は、樹脂の熱分解温度未満の温度が好ましい。もちろん
本実施の形態の値に限定されず、ポリスチレンの場合、
300℃未満の温度の範囲であれば良い。
【0108】なお、ポリスチレンをベースとする樹脂の
組成、構成などは本実施の形態の値に限定されない。耐
衝撃性を高めるためにポリブタジエンをグラフトしても
良いし、強度を高めるためにガラス繊維などを充填して
いても良い。その他、着色剤や離型剤、難燃助剤などが
充填混入されていても良い。
【0109】また、難燃剤の種類も限定されず、デカブ
ロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノール
A、2,2−ビス(4−ヒドロキシー3,5−ジブロモ
フェニル)プロパン、ヘキサブロモベンゼン、トリス
(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、2,
2−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジブロモ
−フェニル)プロパン、パーフロロシクロデカンエチレ
ンビス(ペンタブロモベンゼン)、エチレンビステトラ
ブロモフタルイミド、ヘキサブロモシクロドデカン、含
ハロゲンポリフォスフェート、塩素化パラフィン、ペン
タブロムトルエン、オクタブロモジフェニルオキサイ
ド、テトラブロモ無水フタル酸、臭素化(アルキル)フ
ェノール、トリス(トリブロモフェノキシ)トリアジ
ン、臭素化ポリスチレン、オクタブロモトリメチルフェ
ニルインダン、ペンタブロモベンジルアクリレート、ポ
リジブロモフェニレンオキサイド、ビス(トリブロモフ
ェノキシエタン)、テトラブロモビスフェノールA−エ
ポキシオリゴマー/ポリマー、テトラブロモビスフェノ
ールA−カーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフ
ェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテ
ル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエ
ーテル)、テトラブロモビスフェノールSからなる群か
ら選ばれる1種もしくは複数種の混合でも良い。
【0110】なお、本実施の形態では、ポリスチレンを
ベースにしたテレビ用キャビネットの例を示したが、こ
れに限定されることなく、その他の形状を有する成形品
であっても良い。
【0111】また、本実施の形態では脱ハロゲン化促進
材料としてポリエチレングリコールの例を示したが、組
成、配合比などは以上の例に限定されず、塩化メチル、
ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ブロモホ
ルム、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2
−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イ
ソブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、フェノ
ール、クレゾール、エチレングリコール、プロピレング
リコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、イソプレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、ジエチルエーテル、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチ
ルケトン、2−ヘキサノン、2−メチル−4−ペンタノ
ン、ホロン、イソホロン、2−ヘプタノン、4−ヘプタ
ノン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセトン、シク
ロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノ
ン、酢酸、アセトニトリル、ジエチルアミン、トリエチ
ルアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル
ピロリドン、ジメチルスルホキシド、2−メトキシエタ
ノール、2−エトキシエタノール、2−ジメトキシエタ
ノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシ
エタノール、2−イソペンチルオキシエタノール、2−
ヘキシルオキシエタノール、2−フェノキシエタノー
ル、2−ベンジルオキシエタノール、1−メトキシ−2
−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレング
リコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチル
エーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリ
プロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコールおよびテトラ
リンよりなる群から選択される少なくとも1種または複
数種の混合であれば良い。
【0112】また、脱ハロゲン化材料についても、本実
施の形態の亜鉛に限定されることなく、テトラリン、次
亜りん酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アスコルビ
ン酸、ヒドラジン、ジイミド、ギ酸、アルデヒド、糖
類、硫化水素、リチウム、カルシウム、マグネシウム、
亜鉛、鉄、チタン、水素化アルミニウムリチウム、水素
化リチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、アルコ
ール性カリ、金属アルコキシド、アミン、ヨウ化カリウ
ムからなる群から選択される少なくとも1種の脱ハロゲ
ン化材料を選択し、混合材料を構成すれば良い。
【0113】また、本実施例ではポリエチレングリコ−
ル液相での例を示したが、その他の脱ハロゲン化促進材
料を選択肢、加温して気相状態であってもよい。そのど
ちらでもよく、また気液相が存在する状態で両相に接触
している処理であっても良い。
【0114】さらに、処理によって発生したガスを補足
するのは、本実施の形態の水酸化ナトリウム水溶液に限
らず、アルカリ金属酸化物、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、ナトリウムエト
キシドなどのアルカリ金属アルコキシド、酸化カルシウ
ムなどのアルカリ土類金属酸化物、水酸化カルシウムな
どのアルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属アル
コキシド、アミン類などのアルカリと、溶媒としては、
水の他に、アルコール、グリコール、エーテルなどを用
いることができる。アミンなどアルカリは単独でもアル
カリ溶液として用いられる。また、固形のアルカリを詰
めた吸収管を設け、その吸収管に発生ガスを通してもよ
い。また、補足するアルカリ溶液は、満たした容器を複
数用意して、複数回アルカリ溶液に通すことが好まし
い。
【0115】また、本実施例では、2軸混練押出し機に
よる例を示したが、この装置の仕様も本実施例に限定さ
れない。例えば、スクリーンなどを有する溶剤バレルを
設け、ダイスで排出されるより以前に液分を排出するこ
ともできる。また、ベント口を真空ポンプに接続し減圧
でガス分を排出することもできる。
【0116】また、2軸混練押出し機に限定されず、単
軸の押出し機やニーダ、あるいは2本ロールや3本ロー
ルなどの回転ロールなどを用いて、せん断力を加えなが
ら混合材料と難燃性樹脂組成物とを接触させることがで
きる。あるいはステンレス槽などの反応層でバッチ処理
することもできる。
【0117】(実施の形態3)本発明のハロゲンを含む
難燃性樹脂組成物の脱ハロゲン化処理方法の実施の形態
について説明する。本実施の形態では、フェノール樹脂
を結合材としたハロゲンを含む難燃性樹脂組成物である
プリント回路板を例に本発明の処理方法について説明す
る。
【0118】難燃剤デカブロモジフェニルエーテルを含
有するフェノール樹脂ワニスをクラフト紙に含浸させた
後、加熱して溶剤を蒸発させ、プレプリグを製造した。
次に、このプレプリグを切断し、重ね合わせて、プレス
に挿入し、加熱加圧してフェノール樹脂を硬化させ積層
板を得た。
【0119】さらに、この銅張積層板に回路印刷、エッ
チング等の工程を経て、導体パターンを形成し、電子部
品を装着することによってプリント回路板を得た。
【0120】次に、この積層板を、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、イソプレングリコール、トリエ
チレングリコール、テトラエチレングリコール、2−メ
トキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ジメ
トキシエタノール、2−イソプロポキシエタノール、2
−ブトキシ エタノール、2−イソペンチルオキシエタ
ノール、2−ヘキシルオキシエタノール、2−フェノキ
シエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、1−メ
トキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパ
ノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール
モノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチ
ルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテ
ルおよびトリプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、テトラリン、ビフェニル、ナフタレン、1,4−ヒ
ドロキシナフタレン、ナフトール、1,4−ナフトキノ
ン、ピッチ、クレオソート油、メチルイソブチルケト
ン、イソホロン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、4
−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセト
ン、ホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノ
ンおよびアセトフェノンよりなる群から選択される少な
くとも1種を含む分解材料と、テトラリン、次亜りん酸
ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、ヒ
ドラジン、ジイミド、ギ酸、アルデヒド、糖類、硫化水
素、リチウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、
チタン、水素化アルミニウムリチウム、水素化リチウ
ム、水素化ジイソブチルアルミニウム、アルコール性カ
リ、金属アルコキシド、アミン、ヨウ化カリウムからな
る群から選択される少なくとも1種の脱ハロゲン化材料
とを含む混合材料に浸漬して処理を行う。本実施の形態
では、脱ハロゲン化材料からテトラリンを、脱ハロゲン
化材料から金属アルコキシドであるナトリウムエトキシ
ドを選択し混合材料を構成した。
【0121】プリント回路板を、この混合材料に浸漬
し、真空ポンプで反応容器内の気体を排気減圧したうえ
で、270℃で5時間浸漬した。
【0122】反応終了後、100℃にまで放冷した後
に、100℃で維持した状態で窒素ガスの拭き込み、開
放したノズルより排出されるガスを水酸化ナトリウム水
溶液に通してから排気した。
【0123】その結果、結合材である樹脂は分解され、
テトラリン中に溶解もしくは分散し、基材であるでクラ
フト紙も一部分解され変形し炭化状態であり、積層が一
部剥がれていた。この変形による力も加わって、銅箔お
よび電子部品は積層板より剥がれあるいは抜け分解液中
で分離されていた。また、電子部品を構成するポリブチ
レンテレフタレートなど熱可塑性樹脂は液中に抜け落ち
ていた。また、この容器から窒素ガスによって排出した
ガスは白煙を生じていた。水酸化ナトリウム水溶液によ
って回収された臭素をイオンクロマトグラフによって測
定したところ、ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物である
積層板の含有していた臭素の80%を回収していること
がわかった。
【0124】以上のように、熱硬化性樹脂であるフェノ
ール樹脂を結合材とする樹脂硬化物であるプリント回路
板を、テトラリンによって、樹脂分をあるいは基材を速
やかに分解することができ、プリント回路板が有する難
燃のための臭素を効率よく回収することができた。
【0125】また、銅箔や電子部品を分離回収すること
ができた。有価物回収と、プリント回路板の減容化を可
能にする方法であり、フェノール基板はその好適な対象
である。さらに、本発明では、金属など品位よく回収す
ることができ、ガスの発生量も少なく圧力も大きく上昇
しないため、分解槽の耐圧性をあまり求めないし、分解
生成物は固形分、溶液分として回収することができる。
この生成物を分析か確認したところ、フェノールの架橋
鎖が切れ、オリゴマー程度の分子量で存在していた。ホ
ルムアルデヒドなど硬化剤で使用することによって樹脂
原料として再利用できる。
【0126】なお、減圧の程度はできるだけ真空に近い
方が良い。好ましくは10mmHg以下である。
【0127】また、分解処理時の温度も、もちろん本実
施の形態の値に限定されず、200℃以上熱分解温度未
満の範囲であれば良い。
【0128】なお、フェノール樹脂を結合材とする積層
板の組成、構成などは本実施の形態の値に限定されな
い。フェノール樹脂もレゾール型でもノボラック型であ
ってもよい。
【0129】また、難燃剤の種類も限定されず、フェノ
ール芳香環に臭素を配置する反応型の難燃剤などであっ
ても良い。
【0130】また、難燃性樹脂組成物の構成および製造
方法も、本実施の形態に限定されることはなく、例え
ば、基材は本実施の形態以外にも、ガラス繊維の不織
布、ポリエステル繊維の織布または不織布、ナイロン繊
維の織布または不織布、アクリル繊維の織布または不織
布、アラミド繊維の織布または不織布、リンター紙、マ
イカペーパ、綿布、アスベスト等であっても良い。この
場合、ポリエステル、ナイロン、アクリルなどからなる
基材は、エポキシ同様に分解され得る。
【0131】また、難燃性熱硬化樹脂組成物が、銅張積
層板から回路印刷、エッチング等の工程を得て製造され
たプリント回路基板であっても良い。その場合、レジス
トは同様に分解される。
【0132】なお、本実施の形態では、フェノール樹脂
を結合材とした積層板の例を用いたが、これに限定され
ることなく、その他の形状を有する成形品、および塗
料、パテ、接着剤などであっても良い。
【0133】また、本実施の形態では脱ハロゲン化促進
材料としてテトラリンの例を示したが、組成、配合比な
どは以上の例に限定されず、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、イソプレングリコール、トリエチレング
リコール、テトラエチレングリコール、2−メトキシエ
タノール、2−エトキシエタノール、2−ジメトキシエ
タノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキ
シ エタノール、2−イソペンチルオキシエタノール、
2−ヘキシルオキシエタノール、2−フェノキシエタノ
ール、2−ベンジルオキシエタノール、1−メトキシ−
2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール
モノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルおよび
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラ
リン、ビフェニル、ナフタレン、1,4−ヒドロキシナ
フタレン、ナフトール、1,4−ナフトキノン、ピッ
チ、クレオソート油、メチルイソブチルケトン、イソホ
ロン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノ
ン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセトン、ホロ
ン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンおよび
アセトフェノンよりなる群から選択される少なくとも1
種を含む脱ハロゲン化促進材料を選択すれば良い。ま
た、脱ハロゲン化材料についても、本実施の形態の金属
アルコキシドであるナトリウムエトキシドに限定される
ことなく、テトラリン、次亜りん酸ナトリウム、チオ硫
酸ナトリウム、アスコルビン酸、ヒドラジン、ジイミ
ド、ギ酸、アルデヒド、糖類、硫化水素、リチウム、カ
ルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、チタン、水素化ア
ルミニウムリチウム、水素化リチウム、水素化ジイソブ
チルアルミニウム、アルコール性カリ、金属アルコキシ
ド、アミン、ヨウ化カリウムからなる群から選択される
少なくとも1種の脱ハロゲン化材料を選択し、混合材料
を構成すれば良い。
【0134】また、減圧の代わりに、窒素置換による脱
気処理を用いることもできるし、窒素置換後に減圧排気
することによって、より酸化劣化の少ない処理にするこ
ともできる。
【0135】また、本発明では液相による浸漬と、気相
の例を示したが、そのどちらでもよく、また気液相が存
在する状態で両相に接触している処理であっても良い。
すなわち、室温において液状の混合材料に難燃性樹脂組
成物を漬け密閉後、加熱によって混合材料に気液平衡が
でき、そのどちらにも難燃性樹脂組成物が接している状
態であってもよい。
【0136】さらに、処理によって発生したガスを補足
するのは、本実施の形態の水酸化ナトリウム水溶液に限
らず、アルカリ金属酸化物、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、ナトリウムエト
キシドなどのアルカリ金属アルコキシド、酸化カルシウ
ムなどのアルカリ土類金属酸化物、水酸化カルシウムな
どのアルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属アル
コキシド、アミン類などのアルカリと、溶媒としては、
水の他に、アルコール、グリコール、エーテルなどを用
いることができる。アミンなどアルカリは単独でもアル
カリ溶液として用いられる。また、固形のアルカリを詰
めた吸収管を設け、その吸収管に発生ガスを通してもよ
い。また、補足するアルカリ溶液は、満たした容器を複
数用意して、複数回アルカリ溶液に通すことが好まし
い。
【0137】(実施の形態4)本発明のハロゲンを含む
難燃性樹脂組成物の処理方法の実施の形態について説明
する。
【0138】無水フタル酸と、テトラヒドロ無水フタル
酸と、無水フマル酸と、プロピレングリコールと、ジブ
ロムネオペンチルグリコールとからなる不飽和ポリエス
テル65重量部に対して、スチレン35重量部となるよ
う混合し、重合禁止剤メトキシヒドロキノンを0.01
重量部加えた上で、室温で攪拌溶解させ、不飽和ポリエ
ステル樹脂を得た。
【0139】また、ポリジプロピレンアジペート36重
量部を、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル64重量部
に室温で攪拌溶解させ低収縮化剤を得た。
【0140】上記不飽和ポリエステル樹脂74重量部に
対して、低収縮化剤26重量部、重合開始剤1,1−
(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサンを1重量部加えて攪拌混合して樹脂液組成物
を得た。
【0141】次に、充填剤である炭酸カルシウム17.
8重量部、水酸化アルミニウム48.5重量部、離型剤
であるステアリン酸亜鉛1.5重量部、着色剤である炭
素粉末0.4重量部をニーダに移し、乾式混合を行っ
た。約5分後、均一に混ざったこの乾式混合物に、先に
混合しておいた樹脂液組成物22重量部を徐々に加え、
混練し、均一なペースト状の混合物を得た。
【0142】更に、このペースト状混合物に、9.8重
量部のガラス繊維をまんべんなく分散させながら、極力
短時間で添加し、ガラス繊維が濡れて均一に分散したと
ころで混練を終了して、熱硬化性樹脂硬化材料を製造し
た。
【0143】次に、電磁巻線を施した電磁積層鋼鈑を金
型内に供給し、成形温度150℃で、この樹脂硬化材料
の射出成形を行い、ハロゲンを含む難燃性熱硬化性樹脂
組成物であるモールドモータを得た。この組成物におい
てハロゲンは臭素であり、熱硬化性樹脂である不飽和ポ
リエステル樹脂骨格構造に反応型として存在している。
【0144】なお、このモールドモータにおける成形部
分の厚みは最大で10mmである。
【0145】次に、このモールドモータを、プロピレン
グリコ−ルと金属アルコキシドであるナトリムエトキシ
ドを含む混合材料に浸漬し反応容器に仕込んだ。この
後、反応容器に窒素ガスボンベからノズルを通じて窒素
ガスを送気して、容器内の気体を窒素ガスに置換を行っ
た。その後280℃に加温し、5時間保持した。
【0146】反応終了後、100℃にまで放冷した後
に、100℃維持した状態で窒素ガスの拭き込み、開放
したノズルより排出されるガスを水酸化ナトリウム水溶
液に通してから排気した。この容器から窒素ガスによっ
て排出したガスは白煙を生じていた。
【0147】室温まで放冷した後に、モールドモータを
容器から取り出したところ、モールドモータにおける樹
脂硬化部分は、崩壊しゲル状に膨潤していたために簡単
に剥離することができた。すなわち、モールドモータか
ら電磁巻線や電磁積層鋼鈑の電磁部材を容易に分離回収
することができた。この剥離した樹脂分を洗浄乾燥後に
分析すると、一部架橋構造を残したカルボン酸あるいは
グリコールであった。従って、再びポリエステルの原料
などとして再利用できる。
【0148】また、水酸化ナトリウム水溶液によって回
収された臭素をイオンクロマトグラフによって測定した
ところ、臭素の70%を回収していることがわかった。
【0149】本実施の形態で示したように、プロピレン
グリコ−ルと金属アルコキシドを含む混合材料によっ
て、臭素を含むモールド構造体から臭素を脱離できると
共に、不飽和ポリエステル樹脂を結合材とする樹脂組成
物であるモールドモータにおける樹脂硬化部分は、素手
でも剥げるくらい大いに硬度低下を示し、銅や鉄など高
い品位の金属類などを回収することができる。
【0150】従って、本処理方法は、ハロゲンを脱離す
ると共に、樹脂硬化物を容易に剥離分離でき、電磁巻線
や電磁積層鋼鈑の電磁部材など銅・鉄等の有価金属類を
容易にしかも品位良く分離回収する処理方法である。ま
た、モールドモータも、本発明の処理方法によってハロ
ゲン脱離により無害化すると共に、有価金属類を容易に
回収できるようになった好適な例の一つである。
【0151】なお、本実施の形態では、モールドモータ
をそのままの状態で分解処理の対象としたが、粗破砕、
切断等の前処理を行ってから処理することもできる。そ
うすることによって樹脂硬化部分の外表面からの厚みが
薄肉化されるので、混合材料への浸漬すべき時間を短縮
することができる。
【0152】また、モールドモータにクラックなどが生
じれば、クラック面が新たな外表面となるので、樹脂硬
化部分の外表面からの厚みは短縮されているので、ノミ
などにより傷を生じさせるだけでも良い。
【0153】また、熱硬化性樹脂組成物の組成は、当然
本実施の形態の配合に限定されるものではないし、含有
するハロゲンも本実施の例に限定されず、添加型のもの
であってももちろん良い。
【0154】また、熱硬化性樹脂組成物の構成および製
造方法は、本実施の形態に限定されることはなく、例え
ば、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、硫酸バリウム、
水酸化アルミニウム、タルク、マイカなどのフィラー
や、ガラス繊維、炭素繊維などの強化剤、その他、増粘
剤、離型剤、着色剤などを混入していてももちろん良
い。
【0155】また、本実施の形態では、バルク状のモー
ルド材について説明したが、バルク状以外にも、シート
状のSMC(Sheet Molding Compo
und)や、粒状のPMC(Petletized t
ype Molding Compound)であって
もよい。
【0156】なお、本実施の形態では混合材料として、
脱ハロゲン化促進材料にプロピレングリコールを、脱ハ
ロゲン化材料にナトリウムエトキシドを用いた例を示し
たが、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプ
レングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチ
レングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキ
シエタノール、2−ジメトキシエタノール、2−イソプ
ロポキシエタノール、2−ブトキシ エタノール、2−
イソペンチルオキシエタノール、2−ヘキシルオキシエ
タノール、2−フェノキシエタノール、2−ベンジルオ
キシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1
−エトキシ−2−プロパノール、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチル
エーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピ
レングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリ
コールモノメチルエーテルおよびトリプロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、テトラリン、ビフェニル、ナ
フタレン、1,4−ヒドロキシナフタレン、ナフトー
ル、1,4−ナフトキノン、ピッチ、クレオソート油、
メチルイソブチルケトン、イソホロン、2−ヘキサノ
ン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケ
トン、アセトニルアセトン、ホロン、シクロヘキサノ
ン、メチルシクロヘキサノンおよびアセトフェノンより
なる群から選択される少なくとも1種を含む脱ハロゲン
化促進材料と、テトラリン、次亜りん酸ナトリウム、チ
オ硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、ヒドラジン、ジイ
ミド、ギ酸、アルデヒド、糖類、硫化水素、リチウム、
カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、チタン、水素化
アルミニウムリチウム、水素化リチウム、水素化ジイソ
ブチルアルミニウム、アルコール性カリ、金属アルコキ
シド、アミン、ヨウ化カリウムからなる群から選択され
る少なくとも1種の脱ハロゲン化材料とを含む混合材料
であればよい。
【0157】また、窒素置換の代わりに、減圧による排
気処理を用いることもできるし、窒素置換後に減圧排気
することによって、より劣化の少ない処理にすることも
できる。
【0158】また、本発明では液相による浸漬の例を示
したが、そのどちらでもよく、また気液相が存在する状
態で両相に接触している処理であっても良い。すなわ
ち、室温において液状の混合材料に難燃性熱硬化性樹脂
組成物を漬け密閉後、加熱によって混合材料に気液平衡
ができ、そのどちらにも難燃性熱硬化性樹脂組成物が接
している状態であってもよい。
【0159】さらに、処理によって発生したガスを補足
するのは、本実施の形態の水酸化ナトリウム水溶液に限
らず、アルカリ金属酸化物、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、ナトリウムエト
キシドなどのアルカリ金属アルコキシド、酸化カルシウ
ムなどのアルカリ土類金属酸化物、水酸化カルシウムな
どのアルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属アル
コキシド、アミン類などのアルカリと、溶媒としては、
水の他に、アルコール、グリコール、エーテルなどを用
いることができる。アミンなどアルカリは単独でもアル
カリ溶液として用いられる。また、固形のアルカリを詰
めた吸収管を設け、その吸収管に発生ガスを通してもよ
い。また、補足するアルカリ溶液は、満たした容器を複
数用意して、複数回アルカリ溶液に通すことが好まし
い。
【0160】なお、処理における温度も、もちろん本実
施の形態の値に限定されない。樹脂の熱分解温度未満で
あれば良い。
【0161】また、モールドモータの分解処理後の樹脂
硬化部分の剥離分離には、耐薬品性のグローブをはめた
素手でも良いし、へら、もしくは押し型などの治具によ
っても良い。また、高圧水の照射による剥離分離でも勿
論良い。
【0162】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるハロ
ゲンを含む難燃性樹脂組成物の脱ハロゲン化処理方法を
用いれば、ハロゲンを分離回収でき、ハロゲンを含む難
燃性樹脂組成物からはハロゲン化ダイオキシンやハロゲ
ン化ジベンゾフランなどの有害物を発生し得ない無害な
ものとすることができると共に、樹脂および組成物が含
有する充填剤などを回収し再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(D)は本発明の実施の形態を説明す
るための模式断面図
【符号の説明】 1 反応槽 2 混合材料液相 3 ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物 4 混合材料気相
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 哲司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 中島 啓造 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 上野 貴由 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA07 AA16 AA17 AA18 AA22 AA24 AB05 BA06 BA07 CA04 CA34 CC15 DA03 DA08 4F301 AA22 AA24 AB02 CA09 CA23 CA41 CA72

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物を、前
    記樹脂組成物の熱分解温度未満の温度で、脱ハロゲン化
    材料と脱ハロゲン化促進材料を含む混合材料に接触させ
    ることを特徴とするハロゲンを含む難燃性樹脂組成物の
    脱ハロゲン化処理方法。
  2. 【請求項2】 ハロゲンを含む難燃性熱硬化性樹脂組成
    物を、200℃以上かつ前記熱硬化性樹脂組成物の熱分
    解温度未満の温度で、前記熱硬化性樹脂における一部化
    学結合を分解し樹脂原料を生成する脱ハロゲン化促進材
    料と、脱ハロゲン化材料とを含む混合材料に接触させる
    ことを特徴とするハロゲンを含む難燃性樹脂組成物の脱
    ハロゲン化処理方法。
  3. 【請求項3】 前記脱ハロゲン促進材料が、エチレング
    リコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
    ル、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、
    トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、
    2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2
    −ジメトキシエタノール、2−イソプロポキシエタノー
    ル、2−ブトキシ エタノール、2−イソペンチルオキ
    シエタノール、2−ヘキシルオキシエタノール、2−フ
    ェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、
    1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−
    プロパノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
    ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
    レングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリ
    コールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモ
    ノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチル
    エーテルおよびトリプロピレングリコールモノメチルエ
    ーテル、テトラリン、ビフェニル、ナフタレン、1,4
    −ヒドロキシナフタレン、ナフトール、1,4−ナフト
    キノン、ピッチ、クレオソート油、メチルイソブチルケ
    トン、イソホロン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、
    4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセ
    トン、ホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサ
    ノンおよびアセトフェノンよりなる群から選択される少
    なくとも1種である請求項2に記載のハロゲンを含む難
    燃性樹脂組成物の脱ハロゲン化処理方法。
  4. 【請求項4】 ハロゲンを含む難燃性熱可塑性樹脂組成
    物を、前記熱可塑性樹脂組成物の熱分解温度未満の温度
    で、少なくともハロゲンを含む難燃剤を溶解する脱ハロ
    ゲン化促進材料と脱ハロゲン化材料とを含む混合材料に
    接触させることを特徴とするハロゲンを含む難燃性樹脂
    組成物の脱ハロゲン化処理方法。
  5. 【請求項5】 前記脱ハロゲン化促進材料が、塩化メチ
    ル、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ブロ
    モホルム、メタノール、エタノール、1−プロパノー
    ル、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノー
    ル、イソブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、
    フェノール、クレゾール、エチレングリコール、プロピ
    レングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレン
    グリコール、イソプレングリコール、トリエチレングリ
    コール、テトラエチレングリコール、ジエチルエーテ
    ル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチ
    ルエチルケトン、2−ヘキサノン、2−メチル−4−ペ
    ンタノン、ホロン、イソホロン、2−ヘプタノン、4−
    ヘプタノン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセト
    ン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセ
    トフェノン、酢酸、アセトニトリル、ジエチルアミン、
    トリエチルアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、N
    −メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、2−メト
    キシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ジメト
    キシエタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−
    ブトキシエタノール、2−イソペンチルオキシエタノー
    ル、2−ヘキシルオキシエタノール、2−フェノキシエ
    タノール、2−ベンジルオキシエタノール、1−メトキ
    シ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノー
    ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
    レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
    ールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
    メチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエ
    ーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、
    トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエ
    チレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびテ
    トラリンよりなる群から選択される少なくとも1種であ
    る請求項4に記載のハロゲンを含む難燃性樹脂組成物の
    脱ハロゲン化処理方法。
  6. 【請求項6】 ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物を、前
    記樹脂組成物の熱分解温度未満の温度で 、脱ハロゲン
    化材料と脱ハロゲン化促進材料を含む混合材料と、せん
    断力を加えて混練することにより接触させることを特徴
    とするハロゲンを含む難燃性樹脂組成物の脱ハロゲン化
    処理方法。
  7. 【請求項7】 前記せん断力を加えて混練することによ
    る接触が、2軸混練機押出し機、ニーダ、または回転ロ
    ールによることを特徴とする請求項8に記載のハロゲン
    を含む難燃性樹脂組成物の脱ハロゲン化処理方法。
  8. 【請求項8】 前記脱ハロゲン化材料が、テトラリン、
    次亜りん酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アスコル
    ビン酸、ヒドラジン、ジイミド、ギ酸、アルデヒド、糖
    類、硫化水素、リチウム、カルシウム、マグネシウム、
    亜鉛、鉄、チタン、水素化アルミニウムリチウム、水素
    化リチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、アルコ
    ール性カリ、金属アルコキシド、アミン、ヨウ化カリウ
    ムからなる群から選択される少なくとも1種である請求
    項1〜7のいずれかに記載のハロゲンを含む難燃性樹脂
    組成物の脱ハロゲン化処理方法。
  9. 【請求項9】 前記ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物の
    前記混合材料への接触が、前記混合材料の液相またはか
    つ気相との接触であることを特徴とする請求項1〜7の
    いずれかに記載のハロゲンを含む難燃性樹脂組成物の脱
    ハロゲン化処理方法。
  10. 【請求項10】 ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物を、
    前記脱ハロゲン化材料と脱ハロゲン化促進材料を含む混
    合材料に接触させることに先んじて、接触雰囲気の酸素
    を排除する工程を有することを特徴とする請求項1〜7
    のいずれかに記載のハロゲンを含む難燃性樹脂組成物の
    脱ハロゲン化処理方法。
  11. 【請求項11】 前記酸素を排除する工程が、窒素ガス
    を送気して前記雰囲気内の気体を窒素ガスに置換する置
    換工程及び/又は、排気により前記雰囲気内の気体を排
    出し減圧する減圧工程であることを特徴とする請求項1
    0に記載のハロゲンを含む難燃性樹脂組成物の脱ハロゲ
    ン化処理方法。
  12. 【請求項12】 前記ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物
    を、前記脱ハロゲン化材料と脱ハロゲン化促進材料を含
    む混合材料に接触させることにより発生する物質を、ア
    ルカリ溶液に通すことを特徴とする請求項1〜7のいず
    れかに記載のハロゲンを含む難燃性樹脂組成物の脱ハロ
    ゲン化処理方法。
  13. 【請求項13】 前記ハロゲンがデカブロモジフェニル
    エーテル、テトラブロモビスフェノールA、2,2−ビ
    ス(4−ヒドロキシー3,5−ジブロモフェニル)プロ
    パン、ヘキサブロモベンゼン、トリス(2,3−ジブロ
    モプロピル)イソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒ
    ドロキシエトキシ−3,5−ジブロモ−フェニル)プロ
    パン、パーフロロシクロデカンエチレンビス(ペンタブ
    ロモベンゼン)、エチレンビステトラブロモフタルイミ
    ド、ヘキサブロモシクロドデカン、含ハロゲンポリフォ
    スフェート、塩素化パラフィン、ペンタブロムトルエ
    ン、オクタブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモ
    無水フタル酸、臭素化(アルキル)フェノール、トリス
    (トリブロモフェノキシ)トリアジン、臭素化ポリスチ
    レン、オクタブロモトリメチルフェニルインダン、ペン
    タブロモベンジルアクリレート、ポリジブロモフェニレ
    ンオキサイド、ビス(トリブロモフェノキシエタン)、
    テトラブロモビスフェノールA−エポキシオリゴマー/
    ポリマー、テトラブロモビスフェノールA−カーボネー
    トオリゴマー、テトラブロモビスフェノールA−ビス
    (2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモ
    ビスフェノールA−ビス(アリルエーテル)、テトラブ
    ロモビスフェノールSでなる群から選ばれる少なくとも
    1つの化合物を構成していることを特徴とする請求項1
    〜7のいずれかに記載のハロゲンを含む難燃性樹脂組成
    物の脱ハロゲン化処理方法。
  14. 【請求項14】 前記ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物
    が、少なくともガラス繊維の織布または不織布、ポリエ
    ステル繊維の織布または不織布、ナイロン繊維の織布ま
    たは不織布、アクリル繊維の織布または不織布、アラミ
    ド繊維の織布または不織布、紙、マイカペーパ、綿布、
    アスベストから成る群から選択される少なくとも一つを
    基材を、エポキシ樹脂またはフェノール樹脂によって含
    浸してなるプリプレグを積層成形してなる樹脂積層品
    に、導体パターンを形成し、電子部品を装着したプリン
    ト回路板であることを特徴とする請求項2または3に記
    載のハロゲンを含む難燃性樹脂組成物の脱ハロゲン化処
    理方法。
  15. 【請求項15】 前記ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物
    が、テレビ、ディスプレイまたはパーソナルコンピュー
    タの筐体であり、脱ハロゲン化材料と脱ハロゲン化促進
    材料を含む混合材料に接触させることに先んじて、粉砕
    する工程を有することを特徴とする請求項4または5に
    記載のハロゲンを含む難燃性樹脂組成物の脱ハロゲン化
    処理方法。
  16. 【請求項16】 前記ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物
    が、金属線を覆ってなるよう構成された複合物であり、
    前記脱ハロゲン化材料と脱ハロゲン化促進材料を含む混
    合材料に接触させることにより、金属が分離される請求
    項1〜5に記載のハロゲンを含む難燃性樹脂組成物の脱
    ハロゲン化処理方法。
JP2001201352A 2000-07-03 2001-07-02 ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物の脱ハロゲン化処理方法 Pending JP2002080630A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001201352A JP2002080630A (ja) 2000-07-03 2001-07-02 ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物の脱ハロゲン化処理方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-200658 2000-07-03
JP2000200658 2000-07-03
JP2001201352A JP2002080630A (ja) 2000-07-03 2001-07-02 ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物の脱ハロゲン化処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002080630A true JP2002080630A (ja) 2002-03-19

Family

ID=26595244

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001201352A Pending JP2002080630A (ja) 2000-07-03 2001-07-02 ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物の脱ハロゲン化処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002080630A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010155795A (ja) * 2008-12-26 2010-07-15 Air Water Inc アミンアランの精製方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010155795A (ja) * 2008-12-26 2010-07-15 Air Water Inc アミンアランの精製方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100353282B1 (ko) 열경화성수지경화물의 분해처리방법 및 분해처리장치
US6962628B1 (en) Method of treating epoxy resin-cured product
JP4051873B2 (ja) 無機物とエポキシ樹脂硬化物との複合材料のリサイクル方法
JP4967885B2 (ja) エポキシ樹脂硬化物のリサイクル方法
JP6510469B2 (ja) エポキシ樹脂硬化物の解重合方法および組成物
JP4601740B2 (ja) 熱硬化性樹脂硬化物を含む製品の分解処理方法
JP2000198877A5 (ja)
JP4894377B2 (ja) シートモールディングコンパウンドの製造方法及び繊維強化プラスチック製品の製造方法
US7435772B2 (en) Method and apparatus for removing additives from thermoplastic resin composition
JP2003055475A (ja) 再生繊維で強化された繊維強化プラスチック
US6903242B2 (en) Method for dehalogenation treatment of halogen containing non-combustible resin composition
KR20180056609A (ko) 에폭시 수지 경화물의 해중합 방법 및 조성물
US20020169222A1 (en) Method for reclaiming waste cured resin
JP2002080630A (ja) ハロゲンを含む難燃性樹脂組成物の脱ハロゲン化処理方法
JP4765202B2 (ja) エポキシ樹脂硬化物の処理溶液、これを用いた処理方法および処理生成物
JP2000290424A (ja) 臭素系難燃剤を含有する熱可塑性樹脂組成物の再生処理方法
JP2008255361A (ja) 充填材の再利用方法
JP4066877B2 (ja) 充填材含有不飽和ポリエステル樹脂未硬化物からの充填材の回収方法
JP2002128950A (ja) 熱硬化性樹脂硬化物を含む製品の分解処理方法
JP2001131334A (ja) スチロール樹脂廃材のリサイクル方法
JP2006131698A (ja) エステル結合含有高分子の分解または溶解用の処理液、該処理液を用いた処理方法、複合材料の分離方法
JPH0289386A (ja) 難燃性樹脂組成物
JP2005113096A (ja) プラスチックの可溶化処理方法及びリサイクル方法並びにプラスチック成形材料
WO2003020486A1 (fr) Procede de retraitement de produits en matiere plastique ignifuge
JP2004059620A (ja) 充填材を再利用した樹脂組成物